JP4972874B2 - ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物、および製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物、および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂と特定の熱可塑性樹脂を含んでなる樹脂組成物であり、その優れた透明性や、耐衝撃性を活かして、各種成形品やフィルム等に有用に使用されるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物、その製造方法および成形品に関するものである。
ポリプロピレンテレフタレート樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂に近い機械的性質、ポリブチレンテレフタレート樹脂に近い成形性を有し、また原料として、非石油系原料である1,3プロパンジオールから製造されることから、近年注目される樹脂の一つである。
しかしポリプロピレンテレフタレート樹脂は、耐衝撃性に課題を有すことから、これまでに各種熱可塑性樹脂とのアロイ化が多く検討されてきた。
一般に2種もしくはそれ以上のポリマー同士を混合することは、ポリマーブレンドまたはポリマーアロイとして広く知られており、個々のポリマーの欠点を改良する方法として広く利用されている。しかしながら、一般に2種のポリマーを混合した場合、多くは個々の相に分離し、一方の相が数μm以上の不均一な粗大分散構造を有するのが一般的である。この様な分散形態の場合機械強度も低く、さらには溶融混練時の吐出時にバラス効果を起こしやすく生産性に劣るものとなるのが多い。
特許文献1には、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートやポリアミド6、ABS樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物が、機械特性、耐熱性、外観、低吸水性、耐薬品性、耐加水分解性、高温強度に優れた成形材料が得られることが記載されている。しかし該文献中ではスクリュー回転数を300rpmと高速回転させたと記載されているものの、ニーディングゾーンを2箇所程度設けた、一般的なスクリューアレンジで溶融混練を行ってみると、引っ張り強度、曲げ弾性率等の機械特性は改良されるものの、耐衝撃性が十分ではなく、また得られる組成物中の構造は、相溶ではなく分散状態となり、またその分散状態では規則性もみられなかった。
特許文献2には、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリプロピレンテレフタレート樹脂を配合した場合に、相溶性が良く、剛性及び成形性に優れたコネクター材料を得られることが記載されている。しかし該文献中に具体的に記載された一般的な溶融混練条件、ペレタイズの条件で製造を行ってみると、得られる組成物中の構造は、相溶ではなく分散状態となり、またその分散状態に規則性もなく、耐衝撃性が十分ではなかった。
特許文献3には、熱可塑性樹脂にポリプロピレンテレフタレートを配合することにより、耐熱性、耐衝撃性、耐加水分解性に優れた樹脂組成物が得られるとの記載がある。しかし該文献中に開示されるようにポリプロピレンテレフタレートと他の熱可塑性樹脂を一般的な溶融混練条件で製造するのみでは、耐衝撃性は改良されるものの、得られる組成物中の構造は、相溶ではなく分散状態となり、またその分散構造に規則性もなく、耐衝撃性が十分ではなかった。
特許文献4には、周期構造が0.01〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離が0.01〜1μmの分散構造を有すポリマーアロイが開示されている。しかしながら該公報にはポリプロピレンテレフタレートを含んだ樹脂組成物の組み合わせに関しては例示がなく、また特定構造を有す該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物が優れた透明性や、耐衝撃性を発現することについては一切開示されていない。
特開2003−20389号公報(第2頁、実施例3、4) 特開2000−67986号公報(第2頁、実施例1〜3) 特開平11−100516号公報(第2頁、実施例10、11) 特開2003―286414(第2頁)
そこで本発明は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂が本来有する、優れた剛性、耐熱性を損なうことなく、透明性や成形加工性に優れたポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物や、耐衝撃性を著しく改良したポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物において相溶化することにより、結晶化度の精密制御が可能となり、透明性や成形加工性に優れること、また、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物における構造を、構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造に制御することにより、耐衝撃性に著しく優れることを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で、前記(A)成分と前記(B)成分が、相溶していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物を除く)
)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で(A)成分および(B)成分が、構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物、
)前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物が、溶融混練を経て得られたものであることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれか記載のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、また
)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を溶融混練した後、急冷し、組成物(A)成分および(B)成分を相溶化させることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物を除く)の製造方法であり、
)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を溶融混練した後、急冷し、組成物(A)成分および(B)成分を構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成させることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法であり、
)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなる成形品であり、該成形品表面で、(A)成分と(B)成分が相溶状態にあることを特徴とする成形品(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含んでなる成形品を除く)であり、または
(7)ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を含んでなる成形品であり、該成形品表面で、(A)成分と(B)成分が構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成することを特徴とする成形品である。
本発明により、優れた成形性や、優れた耐衝撃性を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物が得られるようになった。また、このポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、その優れた特性を生かして、フィルム等を含む各種成形品に有用に用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における第1発明は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で、前記(A)成分と前記(B)成分が、相溶していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物である。
本発明における第2発明は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で(A)成分および(B)成分が、構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物である。
本発明で用いるポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)とは、テレフタル酸を酸成分に、1,3−プロピレングリコールをグリコール成分に用いた熱可塑性ポリエステルを指すが、このほかに本発明の目的を損なわない範囲で酸成分としてイソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール−Aのエチレンオキシド付加物などを一部用いることができる。共重合する場合の共重合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸成分の30モル%以下、あるいはグリコール成分の30モル%以下であることが好ましい。
本発明に用いるポリプロピレンテレフタレート樹脂の分子量は特に制限はないが、フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶液を用いて25℃で測定した固有粘度(dl/g)が、通常0.10〜3.00のものを使用することができ、好ましくは0.25〜2.50、特に好ましくは0.40〜2.25のものが用いられる。このようなポリプロピレンテレフタレート樹脂の製造方法については特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重縮合方法に準じて製造できる。
本発明でいう熱可塑性樹脂(B)とは加熱すると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹脂のことであり、本発明で規定するポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を与え得る樹脂である。上記(B)成分は1種または2種以上で用いることができる
特にポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)が相溶する熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上からなる非晶ポリエステル樹脂(b2)がある
また、上記(A)成分と上記(B)成分が、構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成する熱可塑性樹脂としては、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)がある。
前記ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)とは、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主成分とし重縮合反応によって得られる重合体であって、特性を損なわない範囲で酸成分としてイソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、グリコール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール−Aのエチレンオキシド付加物などを一部用いることができる。共重合する場合の共重合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸成分の30モル%以下、あるいはグリコール成分の30モル%以下であることが好ましい。
これら重合体および共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナフタレート)ポリ(ブチレン/エチレン)テレフタレート等が挙げられ、単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
またこれら重合体および共重合体は、成形性、機械的特性の観点からo−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度(dl/g)が0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適であり、さらには0.6〜1.0の範囲にあるものが最も好ましい。
前記テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上からなる非晶ポリエステル樹脂(b2)を用いる場合の上記モル比[(I)/(II)]の上限に特に制限はないが、99以下であることが好ましい。また、エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステルを用いる場合、その下限に特に制限はないが、1/99以上であることが好ましい。
また上記(b2)成分を用いる場合の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、有機チタン化合物などの触媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタル酸またはその低級アルキルエステルと1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールを重縮合して得る方法が挙げられる。重合条件としては、例えば米国特許第2,901,466号に記載された条件などが適用され得る。
上記成分として好ましく用いられる1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルは、ジカルボン酸単位としてはテレフタル酸を主とするものであり、グリコール単位としてはエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするものであり、本発明の効果を損なわない範囲、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下の範囲で、酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸、2−2’−ビフェニルジカルボン酸、1,2’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの他のジカルボン酸、また、グリコール成分として、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、および2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの他のグリコールを共重合したものも用いることができる。
前記テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)を用いる場合の上記モル比[(I)/(II)]の下限に特に制限はないが、1/99以上であることが好ましい。
また上記(b3)成分を用いる場合の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、有機チタン化合物などの触媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタル酸またはその低級アルキルエステルと1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールを重縮合して得る方法が挙げられる。重合条件としては、例えば米国特許第2,901,466号に記載された条件などが適用され得る。
上記(b3)成分には、本発明の効果を損なわない範囲、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下の範囲で、酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸、2−2’−ビフェニルジカルボン酸、1,2’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの他のジカルボン酸、また、グリコール成分として、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、および2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの他のグリコールを共重合したものも用いることができる。
本発明の第1発明におけるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、上述の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、かつ該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で、前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)が、相溶していることが必要である。
ここで本発明における相溶する場合とは、分子レベルで均一に混合している状態のことであり、具体的には異なる2成分の樹脂を主成分とする相がいずれも0.001μm以上の相構造を形成していない場合を指し、また、非相溶の場合とは、相溶状態でない場合のことであり、すなわち異なる2成分の樹脂を主成分とする相が互いに0.001μm以上の相構造を形成している状態のことを指す。相溶しているか否かは、例えばPolymer Alloys and Blends, Leszek A Utracki, hanser Publishers,Munich Viema New York,P64,に記載の様に、電子顕微鏡、示差走査熱量計(DSC)、その他種々の方法によって判断することができる。
ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を相溶する方法としては、共通溶媒に溶解後、この溶液から噴霧乾燥、凍結乾燥、非溶媒物質中の凝固、溶媒蒸発によるフィルム生成等の方法により得られる溶媒キャスト法や、溶融混練で相溶化させる溶融混練法が挙げられる。中でも溶媒を用いないドライプロセスである溶融混練による相溶化が、実用上好ましく用いられる。
溶融混練により相溶させるには、相溶する条件を満足させ得る性能を有する限り、通常の単軸押出機、または2軸押出機を用いることができるが、中でも2軸押出機を用いることが好ましい。特に、高剪断を付与できるようスクリューアレンジとした2軸押出機を用いることが好ましい。また、かかる高剪断を付与できるようなスクリューアレンジとは、ニーディングゾーンを2箇所以上有するスクリューアレンジとすることが好ましく、さらには3箇所以上有するスクリューアレンジとすることがより好ましい。該ニーディングゾーンの個々の長さは長めであることが好ましく、スクリュー径をD、ニーディングゾーンの長さをLとしたときにL/D=5以上であることが好ましく、ニーディングゾーンの合計としては10以上であることが好ましく、より好ましくは15以上である。また相溶のための温度は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、および熱可塑性樹脂の分子量の組み合わせ、熱可塑性樹脂の種類によっても異なり、一概にはいえないが、溶融混練時の温度で相溶となる様適宜ポリプロピレンテレフタレート樹脂および/または熱可塑性樹脂の分子量を低下させた場合の相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより設定することができる。
また、本発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物に、さらにポリプロピレンテレフタレート樹脂と、熱可塑性樹脂を含むブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマーなどのコポリマーである第3成分を添加することは、界面の自由エネルギーを低下させ、相溶化しやすくするため好ましく用いられる。この場合通常、かかるコポリマーなどの第3成分は、それを除く2成分の樹脂からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の各相に分配されるため、2成分の樹脂からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物同様に取り扱うことができる。
本発明でのポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の組成については特に制限がないが、通常(A)成分と(B)成分の合計を100重量%としたときの両者の配合割合[(A)成分/(B)成分]は、通常95重量%/5重量%〜5重量%/95重量%の範囲が好ましく用いられ、さらには透明性と成形性のバランスの観点から90重量%/10重量%〜40重量%/60重量%の範囲がより好ましく、特に85重量%/15重量%〜50重量%/50重量%の範囲で好ましく用いられる。
また本発明の第2発明におけるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、上述の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、かつ該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で、前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)が、構造周期0.001μm〜2μmの両相連続構造、もしくは粒子間距離0.001μm〜2μmの分散構造を形成していることが必要である。
構造周期0.001μm〜2μmの両相連続構造、もしくは粒子間距離0.001μm〜2μmの分散構造となるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を得る方法としては、そのような組成物が得られる限りにおいて特に制限はないが後述のスピノーダル分解を利用する方法が好ましく、さらには後述の剪断場依存型相溶解・相分解を利用する方法が、さらなる微細な構造制御を容易にすることからより好ましく用いられる。
一般に2成分の樹脂からなるポリマーアロイには、これらの組成に対して、ガラス転移温度以上、熱分解温度以下の実用的な全領域において相溶する相溶系や、逆に全領域で非相溶となる非相溶系や、ある領域で相溶し、別の領域で相分離状態となる部分相溶系があり、さらにこの部分相溶系には、その相分離状態の条件によってスピノーダル分解によって相分離するものと、核生成と成長によって相分離するものがある。
さらに3成分以上からなるポリマーアロイの場合は、3成分以上のいずれもが相溶する系、3成分以上のいずれもが非相溶である系、2成分以上のある相溶した相と、残りの1成分以上の相が非相溶な系、2成分が部分相溶系で、残りの成分がこの2成分からなる部分相溶系に分配される系などがある。本発明で好ましい3成分以上からなるポリマーアロイは、2成分が部分相溶系で、残りの成分がこの2成分からなる部分相溶系に分配される系であり、この場合ポリマーアロイの構造は、2成分からなる部分相溶系の構造で代替できることから、以下2成分の樹脂からなるポリマーアロイにおける構造制御方法を説明する。
スピノーダル分解による相分離とは、異なる2成分の樹脂組成および温度に対する相図においてスピノーダル曲線の内側の不安定状態で生じる相分離のことを指し、また核生成と成長による相分離とは、該相図においてバイノーダル曲線の内側であり、かつスピノーダル曲線の外側の準安定状態で生じる相分離のことを指す。
かかるスピノーダル曲線とは、組成および温度に対して、異なる2成分の樹脂を混合した場合、相溶した場合の自由エネルギーと相溶しない2相における自由エネルギーの合計との差(ΔGmix)を濃度(φ)で二回偏微分したもの(∂ΔGmix/∂φ)が0となる曲線のことであり、またスピノーダル曲線の内側では、∂ΔGmix/∂φ<0の不安定状態であり、外側では∂ΔGmix/∂φ>0である。
また前記バイノーダル曲線とは、組成および温度に対して、系が相溶する領域と相分離する領域の境界の曲線のことである。
詳細な理論によると、スピノーダル分解では、一旦相溶領域の温度で均一に相溶した混合系の温度を、不安定領域の温度まで急速に変化させた場合、系は共存組成に向けて急速に相分離を開始する。その際濃度は一定の波長に単色化され、構造周期(Λm)で両分離相が共に連続して規則正しく絡み合った両相連続構造を形成する。この両相連続構造形成後、その構造周期を一定に保ったまま、両相の濃度差のみが増大する過程をスピノーダル分解の初期過程と呼ぶ。
さらに上述のスピノーダル分解の初期過程における構造周期(Λm)は熱力学的に下式のような関係がある。
Λm〜[│Ts−T│/Ts]−1/2
(ここでTsはスピノーダル曲線上の温度)
ここで本発明でいうところの両相連続構造とは、混合する樹脂の両成分がそれぞれ連続相を形成し、互いに三次元的に絡み合った構造を指す。この両相連続構造の模式図は、例えば「ポリマーアロイ 基礎と応用(第2版)(第10.1章)」(高分子学会編:東京化学同人)に記載されている。
スピノーダル分解では、この様な初期過程を経た後、波長の増大と濃度差の増大が同時に生じる中期過程、濃度差が共存組成に達した後、波長の増大が自己相似的に生じる後期過程を経て、最終的には巨視的な2相に分離するまで進行する。
ここで本発明にいうところの分散構造とは、片方の樹脂成分が主成分であるマトリックスの中に、もう片方の樹脂成分が主成分である粒子が点在している、いわゆる海島構造のことをさす。
一方、上述の準安定領域での相分離である核生成と成長では、その初期から海島構造である不規則な分散構造が形成されてしまい、それが成長するため最終的に均一な分散構造が得られにくい。
またこれらの両相連続構造もしくは分散構造が、スピノーダル分解によって形成されたものかを確認するためには、規則的な周期構造を有しているかを確認することが有効である。これは例えば、光学顕微鏡観察や透過型電子顕微鏡観察により、両相連続構造が形成されることの確認に加えて、光散乱装置や小角X線散乱装置を用いて行う散乱測定において、散乱極大が現れることの確認が必要である。なお、光散乱装置、小角X線散乱装置は最適測定領域が異なるため、構造周期の大きさに応じて適宜選択して用いられる。この散乱測定における散乱極大の存在は、ある周期を持った規則正しい相分離構造を持つ証明であり、その周期Λm は、両相連続構造の場合構造周期に対応し、分散構造の場合粒子間距離に対応する。またその値は、散乱光の散乱体内での波長λ、散乱極大を与える散乱角θm を用いて次式
Λm =(λ/2)/sin(θm /2)
により計算することができる。
ここでポリプロピレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂を除く少なくとも1成分の熱可塑性樹脂からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物において、スピノーダル分解を実現させるためには、前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂と前記ポリエチレンテレフタレート樹脂を除く熱可塑性樹脂を相溶状態とした後、スピノーダル曲線の内側の不安定状態とする。
まずこのポリプロピレンテレフタレート樹脂と熱可塑性樹脂で相溶状態を実現する方法としては、共通溶媒に溶解後、この溶液から噴霧乾燥、凍結乾燥、非溶媒物質中の凝固、溶媒蒸発によるフィルム生成等の方法により得られる溶媒キャスト法や、溶融混練で相溶化させる溶融混練法が挙げられる。中でも溶媒を用いないドライプロセスである溶融混練による相溶化が、実用上好ましく用いられる。
溶融混練により相溶化させるには、相溶化する条件を満足させ得る性能を有する限り、通常の単軸押出機、または2軸押出機を用いることができるが、中でも2軸押出機を用いることが好ましい。特に、比較的高剪断を付与できるようスクリューアレンジとした2軸押出機を用いることが好ましい。また、かかる高剪断を付与できるようなスクリューアレンジとは、ニーディングゾーンを2箇所以上有するスクリューアレンジとすることが好ましい。該ニーディングゾーンの個々の長さは長めであることが好ましく、スクリュー径をD、ニーディングゾーンの長さをLとしたときにL/D=5以上であることが好ましく、ニーディングゾーンの合計としては10以上であることが好ましい。L/Dの上限としては、押出機の長さにより異なるが、所望の相構造が得られるのに十分な長さであればよい。また相溶化のための温度は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)、および熱可塑性樹脂(B)の分子量の組み合わせ、熱可塑性樹脂(B)の種類によっても異なり、一概にはいえないが、溶融混練時の温度で相溶となる様適宜ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)および/または熱可塑性樹脂(B)の分子量を低下させた場合の相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより設定することができる。
そこで次に溶融混練により相溶状態としたポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を、スピノーダル曲線の内側の不安定状態として、スピノーダル分解せしめるに際し、不安定状態とするための温度、その他の条件はポリプロピレンテレフタレート樹脂、およびポリエチレンテレフタレート樹脂を除く熱可塑性樹脂の分子量の組み合わせ、種類によっても異なり、一概にはいえないが、上記相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより設定することができる。
このスピノーダル分解で相分離した後は、所望の構造周期に到達した段階で構造を固定すればよい。かかるスピノーダル分解による構造生成物を固定化する方法としては、急冷等による短時間での相分離相の一方または両方の成分の構造固定や、結晶化によって自由に運動できなくなることを利用した構造固定が挙げられる。また中期過程から後期過程にかける波長の増大過程において、組成や界面張力の影響によっては、片方の相の連続性が途切れ、上述の両相連続構造から分散構造に変化する場合もある。この場合には所望の粒子間距離に到達した段階で構造を固定すればよい。
本発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、樹脂組成物中、前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とが構造周期0.001〜2μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの範囲の分散構造に構造制御されていることが必要であるが、さらに優れた機械特性を得るためには、構造周期0.001〜1.2μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1.2μmの範囲の分散構造に制御することが好ましく、さらには、構造周期0.001〜0.8μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.001〜0.8μmの範囲の分散構造に制御することがより好ましい。
また、本発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物に、さらにポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含むブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマーなどのコポリマーである第3成分を添加することは、相分解した相間における界面の自由エネルギーを低下させ、両相連続構造における構造周期や、分散構造における分散粒子間距離の制御を容易にするため好ましく用いられる。この場合通常、かかるコポリマーなどの第3成分は、それを除く2成分の樹脂からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の各相に分配されるため、2成分の樹脂からなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物同様に取り扱うことができる。
本発明でのポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の組成については特に制限がないが、通常(A)成分と(B)成分の合計を100重量%としたときの両者の配合割合[(A)成分/(B)成分]は、通常95重量%/5重量%〜5重量%/95重量%の範囲が好ましく用いられ、さらには90重量%/10重量%〜10重量%/90重量%の範囲がより好ましく、特に75重量%/25重量%〜25重量%/75重量%の範囲であれば両相連続構造が比較的得られやすいので好ましく用いられる。
本発明に対して、本発明の目的を損なわない範囲で充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土など)、酸化防止剤(ヒンダートフェノール系、アミン系、ホスファイト系、チオエステル系など)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系など)、赤外線吸収剤、有機顔料(シアニン系、スチルベン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、クノフタロン系など)、無機顔料、蛍光増白剤、滑剤、離形剤、難燃剤(リン系、ブロム系など)、抗菌剤、制電剤、核化剤、撥水剤、防カビ剤、消臭剤、ブロッキング防止剤などを添加することができる。
本発明における第1発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形品の製造方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができるが、中でも射出成形は射出時の可塑化工程で相溶解させ、射出後金型内で相溶状態で構造固定できることから好ましく、またフィルムおよび/またはシート押出成形であれば、押出時に相溶解させ、吐出後、ドラムに急冷することで構造固定ができることから好ましい。
本発明における第2発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形品の製造方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができるが、中でも射出成形は射出時の可塑化工程で相溶解させ、射出後、スピノーダル分解し金型内で熱処理と構造固定化が同時にできることから好ましく、またフィルムおよび/またはシート押出成形であれば、押出時に相溶解させ、吐出後、スピノーダル分解しフィルムおよび/またはシート延伸時に熱処理し、その後の巻き取り前の自然冷却時に構造固定ができることから好ましい。もちろん上記成形品を別途熱処理し構造形成させることも可能である。またかかるフィルムおよび/またはシート化の製造方法としては、単軸あるいは2軸押出機を用いてTダイから溶融押出し、キャストドラムで冷却固化してシート化する方法、溶融押出シートを2つのロール間で成形するポリッシング方法やカレンダーリング方法などがあるが、ここでは特に限定されるものではない。またキャストドラムにキャストする際、溶融樹脂をキャストドラムに密着させるには、静電印加を与える方法、エアーナイフを用いる方法、キャストドラムに対向する押さえのドラムを用いる方法等を用いることもできる。さらにはフィルムおよび/またはシート化用の押出機に供給する前に、予め2軸押出機を用いて相溶化させその構造を凍結させたペレットを用いることがより好ましい。また延伸してフィルム化する方法は、特に制限はなく、逐次2軸延伸、同時2軸延伸でも構わなく、また通常延伸倍率は2〜8倍の間、延伸速度は500〜5000%/分の間が多く用いられる。さらに延伸時の熱処理温度は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を構成する個々の樹脂成分のガラス転移温度のうち最も低い温度以上で熱処理する方法が通常好ましく用いられるが、ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物が相溶化状態で単一のガラス転移温度を有する場合や、相分解が進行しつつある状態でポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中でのガラス転移温度が、ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を構成する個々の樹脂成分のガラス転移温度間にある場合には、そのポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中のガラス転移温度のうち最も低い温度以上で熱処理することがより好ましい。またポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を構成する個々の樹脂成分として結晶性樹脂を用いる場合、該熱処理温度を結晶性樹脂の昇温結晶化温度以下とすることは、結晶性樹脂の結晶化による延伸の阻害を受けにくくする観点から好ましい。
本発明における第1発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、結晶化度の制御が可能となり、ポリプロピレンテレフタレート樹脂の本来有す優れた剛性、耐熱性を損なうことなく、透明性や成形加工性に優れることから、例えば透明成形品や、自動車部品や電機部品などに好適に使用することができる。
また本発明における第2発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂が本来有する優れた剛性、耐熱性を損なうことなく、著しく耐衝撃性が改良されることから、例えば、自動車部品や電機部品などに好適に使用することができる。また本発明の構造制御が、可視光の波長以下も可能であることを利用した透明性樹脂材料にも好適に用いることができる。 自動車部品の例としては、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、エアフローメーター、エアポンプ、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、サーモスタットハウジング、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブ−スター部品、各種ケース、燃料関係・排気系・吸気系等の各種チューブ、各種タンク、燃料関係・排気系・吸気系等の各種ホース、各種クリップ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、各種パイプ、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、ブレーキパッド摩耗センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコンパネルスイッチ基板、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、スタータースイッチ、スターターリレー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、デュストリビューター、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、ホーンターミナル、ウィンドウォッシャーノズル、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプソケット、ランプハウジング、ランプベゼル、ドアハンドル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクターなどの各種コネクターなどが挙げられる。
また電気部品の例としては、コネクター、コイル、各種センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク・DVD等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、携帯電話関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等の光学機器/精密機械関連部品などが挙げられる。
かかる透明性を高めた成型品は、例えばフィルムおよび/またはシートなどに好適に使用することができ、その例としては、食品関連用途、包装材用途、医療品関連用途、農業関連用途、情報産業関連用途、光学部門関連用途として好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3
表1記載の組成からなる原料を、シリンダー温度を熱可塑性樹脂+30℃に設定し、ニーディングゾーン長さをL、スクリュー径をDとしたときに、L/D=5の長さを有するニーディングゾーンを2箇所とL/D=6の長さを有するニーディングゾーンを1箇所、計L/D=16の長さのニーディングゾーンを有し、スクリュー回転数を300rpmの高速で回転させた2軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(なおここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定した後ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。
該ペレットを、ホッパ下から先端に向かって、240℃−245℃−250℃−250℃に設定した住友重機械工業(株)製射出成形機(SG−75H−MIV)で、金型温度80℃とし、保圧10秒、冷却時間15秒の成形サイクルで厚さ1/8インチ(3.2mm)のASTM1号ダンベル試験片、及びASTM D−790準拠の曲げ試験片、及びASTM D256準拠のアイゾッド衝撃試験片、80mm四方で厚さ1mmの角板(フィルムゲート)を成形した。得られた成形品について以下の通り評価し、その結果を表1に記載した。
曲げ試験:ASTM D790に準拠し、測定を行った。
荷重たわみ温度:ASTM D648に準拠し、荷重1.82MPaにおける荷重たわみ温度の測定を行った。
アイゾッド衝撃試験:ASTM D256に準拠し、測定を行った。
成形収縮率:角板の樹脂流動長方向(MD方向)および樹脂流動長と直角方向(TD方向)の寸法を測定し、その寸法の金型の寸法に対する収縮率を求めた。
また、上記成形品(ASTM1号ダンベル試験片)表面から超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡写真から構造の状態を観察した結果を表1に記載した。
比較例1〜3
表1記載の組成からなる原料を、シリンダー温度を熱可塑性樹脂+30℃に設定し、ニーディングゾーン長さをL、スクリュー径をDとしたときに、L/D=3の長さを有するニーディングゾーンを2箇所、計L/D=6の長さのニーディングゾーンを有し、スクリュー回転数を300rpmの高速で回転させた2軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(なおここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定した後ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。
本サンプルについても実施例1と同様に成形し、該サンプルの曲げ弾性率、荷重たわみ温度、アイゾッド衝撃値、成形収縮率を測定した結果を表1に記載した。
また、上記成形品(ASTM1号ダンベル試験片)表面から超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡写真から構造の状態を観察した結果を表1に記載した。
Figure 0004972874
以上の結果からポリプロピレンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂組成物は、L/D=3の長さを有するニーディングゾーンを2箇所の計L/D=6の長さを有するニーディングゾーンを設けた、一般的なスクリューアレンジで溶融混練を行うと、曲げ弾性率等の機械特性は高いものの、耐衝撃性、寸法安定性が十分ではなく、また得られる組成物中の構造は、相溶ではなく分散状態となり、またその分散状態では規則性もみられなかった。
しかし、L/D=5の長さを有するニーディングゾーンを2箇所とL/D=6の長さを有するニーディングゾーンを1箇所、計L/D=16の長さのニーディングゾーンを設けた高剪断付与が可能なスクリューアレンジで溶融混練を行うことにより、耐熱性や剛性を保持しつつ、耐衝撃性、寸法安定性にも優れることがわかる。また、本サンプルではいづれも相溶状態であった。
実施例4〜7
表2記載の組成からなる原料を、熱可塑性樹脂+30℃に設定し、ニーディングゾーン長さをL、スクリュー径をDとしたときに、L/D=5の長さを有するニーディングゾーンを2箇所、計L/D=10のニーディングゾーンを有し、スクリュー回転数を300rpmの高速で回転させた2軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(なおここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定した後ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。本サンプルについても実施例1と同様に成形し、該サンプルの曲げ弾性率、荷重たわみ温度、アイゾッド衝撃値、を測定した結果を表2に記載した。
また、成形品(ASTM1号ダンベル試験片)から超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡写真から構造の状態を観察した結果、実施例4〜6のサンプルでは互いに連続相を形成している両相連続構造が観察された。さらに、上記の両相連続構造の構造周期を小角光線散乱で測定した。小角光散乱においてピーク位置(θm)から下式で構造周期(Λm)を計算した結果を表2に記載した。
Λm =(λ/2)/sin(θm /2)。
Figure 0004972874
ポリプロピレンテレフタレート樹脂とテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上からなる非晶ポリエステル樹脂(PETG樹脂)からなる樹脂組成物はL/D=5の長さを有するニーディングゾーンを2箇所、計L/D=10の長さニーディングゾーンを設けた、スクリューアレンジで溶融混練することにより相溶し耐熱性や剛性を保持しつつ、耐衝撃性にも優れることがわかる。ポリプロピレンテレフタレートとテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(PCTG樹脂)からなる樹脂組成物はL/D=5の長さを有するニーディングゾーンを2箇所、計L/D=10の長さのニーディングゾーンを設けた、一般的なスクリューアレンジで溶融混練することにより特定構造周期の両相連続構造物を形成し、剛性を保持しつつ、耐熱性、耐衝撃性にも優れることがわかる。
なお、使用樹脂は、以下に示すものを使用した。
PPT:ポリエステル樹脂(ポリプロピレンテレフタレート);固有粘度[η]=1.01dl/g(フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶液を用いて25℃で測定)
PBT:ポリエステル樹脂(ポリブチレンテレフタレート);((東レ(株)製、“トレコン”1100S、固有粘度[η]0.85dl/g(o−クロロフェノール溶液を25℃で測定))
PETG:非晶ポリエステル樹脂 ;テレフタル酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位からなるポリエステルであって、かつエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が、約70/30であるポリエステル(イーストマン・ケミカル社製、“イースター”GN071)
PCTG:非晶ポリエステル樹脂 ;テレフタル酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位からなるポリエステルであって、かつエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が、約35/65であるポリエステル(イーストマン・ケミカル社製、“イースター”DN003)

Claims (7)

  1. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で、前記(A)成分と前記(B)成分が、相溶していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物を除く)。
  2. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を含んでなるポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物であり、該ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物中で(A)成分および(B)成分が、構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成していることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 前記ポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物が、溶融混練を経て得られたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載のポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を溶融混練した後、急冷し、組成物(A)成分および(B)成分を相溶化させることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む組成物を除く)の製造方法。
  5. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を溶融混練した後、急冷し、組成物(A)成分および(B)成分を構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成させることを特徴とするポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法。
  6. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(b1)、およびテレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル樹脂(b2)から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(B)を含んでなる成形品であり、該成形品表面で、(A)成分と(B)成分が相溶状態にあることを特徴とする成形品(ただし、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含んでなる成形品を除く)
  7. ポリプロピレンテレフタレート樹脂(A)と、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を主とするグリコール単位からなり、そのエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル樹脂(b3)である熱可塑性樹脂(B)を含んでなる成形品であり、該成形品表面で、(A)成分と(B)成分が構造周期0.001〜2μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜2μmの分散構造を形成していることを特徴とする成形品。
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