JP2807617B2 - 作業台船 - Google Patents

作業台船

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JP2807617B2
JP2807617B2 JP5151453A JP15145393A JP2807617B2 JP 2807617 B2 JP2807617 B2 JP 2807617B2 JP 5151453 A JP5151453 A JP 5151453A JP 15145393 A JP15145393 A JP 15145393A JP 2807617 B2 JP2807617 B2 JP 2807617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、港湾施設の防波堤を構
成するコンクリートケーソン等を築造するための作業台
船に関する。
【0002】
【従来の技術】港湾施設の防波堤を構成するコンクリー
トケーソンを築造する場合、図9に示すように、現存す
る岸壁D等に接近した泊地を盛土してマウンド7を形成
し、ついで浮沈自在の作業台船1をマウンド7上に沈設
させる。
【0003】前記作業台船1は、図9および図10に示
すように、平面的にはほぼ矩形に形成されており、その
外周に設けられたフロート2と、このフロート2の内側
に設けられた作業甲板3と、この作業甲板3と底板4間
に形成されかつ図示していないが通水孔を有する桁6に
より仕切られた空間部を有する船底部5とを有して構成
されている。
【0004】前記作業台船1をマウンド7上に沈設する
には、フロート2または/および船底部5内に適宜荷重
水(海水)を注入し、沈降させる。
【0005】そして、作業台船1の作業甲板3上でコン
クリートケーソン8を築造するもので、その築造に使用
する内型枠11や、鉄筋12および足場資材等は、岸壁
D等に近接する地上Gに配置されていて、必要に応じて
クレーン(図示せず)等により作業台船1内に運搬す
る。また、コンクリートケーソン8の側壁9を構築する
場合は、作業甲板3上で鉄筋12を組み、外型枠10と
内型枠11を組み、生コンクリートを打設し、ついで脱
型し、これらの作業を繰り返して行く。なお、図12の
Wは海水を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の作業
台船1はそれ自体に資材置き場がないため、内型枠11
や、鉄筋12および足場資材等を岸壁D等に近接する地
上Gに配置し、この場所から作業台船1内に運搬するよ
うにしている。
【0007】したがって、岸壁付近の地域をコンクリー
トケーソン8の築造期間中、資材置き場として使用する
必要があり、長期間占拠することになるので、港湾施設
用地としての機能を阻害してしまうという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、作業台船自体に資材置き
場として利用可能な補助作業台を有する作業台船を提供
しようとするものである。
【0009】また、本発明の目的は補助フロートとして
の機能と資材置き場としての機能とを有する作業台兼フ
ロート付き作業台船を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は周囲にフロート14を有し、このフロート
14の内側にはケーソン製作用の作業甲板15が設けら
れ、かつ浮沈・着底自在なケーソン製作用の作業台船本
体13の前記フロート14の外周の少なくとも1辺以上
に、前記フロート14の上端部より下方位置に取り付け
た蝶番32を介して作業台兼補助フロート29を折り畳
み可能に取り付け、前記フロート14の上面と作業台兼
補助フロート29の上面とがほぼ同一面になるととも
に、フロート14と作業台兼補助フロート29とは止め
具33,34に設けられた孔に着脱自在な止めピン37
により差し込み固定され、かつ前記作業台兼補助フロー
ト29は、補助フロート38とこの側部に一体に付設さ
れた作業場39を備えた構成としている。
【0011】また、上記目的を達成するため、周囲にフ
ロート14を有し、このフロート14の内側にはケーソ
ン製作用の作業甲板15が設けられ、かつ浮沈・着底自
在なケーソン製作用の作業台船本体13の前記フロート
14の外周の少なくとも1辺以上に、前記フロート14
の上辺側に取り付けた蝶番32を介して補助作業台22
を取り付け、前記フロート14の上面と補助作業台22
の上面とは同一面になるとともに、補助作業台22は、
フロート14に設けられたウインチ42に巻上げ、繰り
出し可能なワイヤロープ43と連結され前記蝶番32を
介し折り畳み可能とした構成としている。
【0012】
【作用】本発明では作業台船本体13の外周の少なくと
も1辺以上に、折り畳み可能な作業台兼補助フロート2
9を取り付けている。これにより、前記作業台兼補助フ
ロート29を内型枠11や、鉄筋12および足場資材等
の資材置き場として使用できる外、作業台船を沈降させ
るときに、作業台船に装備されている主フロートと共に
作業台船のバランスを保つ補助フロートとして機能す
る。そして、作業台兼補助フロート29には、さらに作
業場39が設けられているため、広い作業場を確保でき
る。また、作業台兼補助フロート29は折り畳み可能の
ため、強風、波浪等のとき折り畳むことにより破損を防
止でき、かつ固定は止めピン37によって簡単に行うこ
とができる。
【0013】また、フロート14と殆ど同一面となる折
り畳み可能な補助作業台22を設けた簡易タイプのもの
は補助作業台22をウインチ42、ワイヤロープ43と
で動作させるようにし、操作性を良好としている。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】(第1実施例) 図1〜図5は本発明の基本構成を示す実施例であり、図
1は作業台兼補助フロートを使用状態にセットした形態
の縦断面図、図2は同じく半部の平面図、図3は作業台
兼補助フロートを折り畳んだ状態の一部縦断面図、図4
は使用状態の縦断面図、図5は図4の平面図である。
【0016】これらの図に示す例では、作業台船本体1
3の主フロートであるフロート14の外周の4辺に、作
業台兼補助フロート29が取り付けられている。この作
業台兼補助フロート29の内部は、図2に示すように、
長さ方向に間隔をおいて取り付けられた隔壁30により
区画されている。前記隔壁30には、作業台兼補助フロ
ート29内の通気孔31が設けられている。また、作業
台兼補助フロート29は蝶番32を介してフロート14
の外側部に、使用位置と折り畳んだ位置とに回動可能に
取り付けられている。
【0017】前記フロート14の上面には、外側部に突
出させて止め具33が設けられており、この止め具33
には止め孔35が設けられている。一方、作業台兼補助
フロート29の資材載置面29′には、前記止め具33
の下面に重なる止め具34が突設されており、この止め
具34にも止め孔36が設けられている。前記作業台兼
補助フロート29は、使用状態にセットしたうえで止め
具33,34に設けられた止め孔35,36に止めピン
37を差し込んだ結合構造により、資材載置面29′を
上面に向けた状態に固定し得るようになっている。
【0018】この例では、作業台兼補助フロート29を
図3に示す折り畳んでいる状態から、クレーン(図示せ
ず)等を使って資材載置面29′が上向きになるように
蝶番32を中心に回動させる。ついで、フロート14の
上面に設けられた止め具33の止め孔35と、作業台兼
補助フロート29の資材載置面29′に設けられた止め
具34の止め孔36とを位置合わせし、両止め孔35,
36に共通に止めピン37を差し込み、両止め具33,
34の結合を介して、フロート14の外側部に作業台兼
補助フロート29を固定する。そして、前記作業台兼補
助フロート29の資材載置面29′を内型枠11や、鉄
筋12および足場等の資材置き場として使用する。
【0019】この例は、作業台船内でコンクリートケー
ソン8を築造する場合は、注排水孔19および通水孔2
0を通じて船底部18内に荷重水21を注入し、図1お
よび図4に示すように、作業台船をマウンド7上に沈設
させる。このとき、作業台兼補助フロート29には海水
が入らず、浮力を持ったまま主フロートであるフロート
14と共に徐々に沈没して行くので、作業台船のバラン
スを保ち、安定した姿勢で沈下して行く。
【0020】そして、前記作業台兼補助フロート29を
使用しない場合は、止め具33,34の止め孔35,3
6に差し込まれている止めピン37を引き抜き、止め具
33,34の結合を解除することにより、作業台兼補助
フロート29は自重で蝶番32を中心に回動し、図3に
示すように、折り畳んだ状態に垂下する。
【0021】ついで、図6は前述の基本構成を応用した
本発明にかかる第1実施例を示す一部縦断面図である。
【0022】この図に示す例では作業台兼補助フロート
29が補助フロート38と、これの側部に一体に付設さ
れた短冊型の作業場39とにより構成されている。
【0023】したがって、この例では補助フロート38
の上面と作業場39とにわたる広い面積を資材置き場と
して使用することができる。
【0024】この例の他の構成,作用については、前記
例と同様である。
【0025】(第2実施例) 続いて、図7は本発明の第2実施例を示す縦断面図、図
8は同平面図である。
【0026】これらの図に示す第2実施例では、作業甲
板15と底板16と桁17とで構成された船体の両側部
にフロート14が連設されている。
【0027】前記各フロート14には、外側部の上辺側
に補助作業台22が蝶番23を介して回動自在に取り付
けられていて、折り畳み可能に設けられている。
【0028】前記各フロート14の上面には、支柱40
およびウインチ42が設置されている。前記支柱40の
上部には、滑車41が回転可能に支持されている。前記
ウインチ42には、補助作業台22に結ばれかつ滑車4
1に掛け渡さられたワイヤロープ43が巻かれている。
【0029】しかして、この第2実施例では補助作業台
22を資材置き場として使用する場合は、図7、図8に
示すように、ワイヤロープ43およびウインチ42を介
して補助作業台22を水平状態に支持し、フロート14
の上面と補助作業台22の上面とが同一面とし、そこで
の作業が可能となる。また、補助作業台22を使用しな
い場合は、ウインチ42によりワイヤロープ43を繰り
出し、補助作業台22を蝶番23を中心として下向きに
回動させ、折り畳んでおく。以上の説明からも分かるよ
うに、この第2実施例によれば補助作業台22を容易に
操作することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の発明では、作業台船本体13の外周の少なくとも
1辺以上にフロート14とほぼ同一面となる作業台兼補
助フロート29を折り畳み可能に取り付けているので、
前記作業台兼補助フロート29を内型枠11や、鉄筋1
2および足場資材等の資材置き場として使用でき作業性
が良いほか、作業台船を沈降させるときに、作業台船に
装備されている主フロートと共に作業台船のバランスを
保ち、安定的に操作し得る効果がある。
【0031】また、補助フロート29は折り畳み可能で
あって、折り畳めば、強風や波浪等により破損するのを
防止でき、加えて補助フロート29はフロートの機能も
有しているため、作業台船が大型化しても十分な浮力を
有する。また、外側に補助フロートがあるため、波が荒
いときでも、作業台船を安定して浮かしておくことがで
きる。また、フロート14と作業台兼補助フロート29
とは、着脱自在な止めピン37を介して取り付け、取り
外しできる構成としたため、簡易構成であり、かつ作業
性が良い。
【0032】また、請求項2記載の発明では、フロート
14の上面と補助作業台22の上面とは突起物がなくほ
とんど同一面となるので、作業性が良好で、かつ補助作
業台22はウインチ42、ワイヤロープ43等を介し容
易に折り畳むことができ、この点においても操作性が良
好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すもので、作業台兼補助
フロートを使用状態にセットした形態の縦断面図であ
る。
【図2】図1の半部の平面図である。
【図3】作業台兼補助フロートを折り畳んだ状態の一部
縦断面図である。
【図4】使用状態の縦断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】本発明の第1実施例の一部縦断面図である。
【図7】本発明の第2実施例の縦断面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】従来技術を示す縦断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【符号の説明】
8 コンクリートケーソン 10 外型枠 11 内型枠 12 鉄筋 13 作業台船本体 14 フロート 15 作業甲板 16 底板 18 船底部 29 作業台兼補助フロート 32 蝶番 33,34 止め具 37 止めピン 38 補助フロート 39 作業場 40 補助作業台用の支柱 41 同じく滑車 42 同じくウインチ 43 同じくワイヤロープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 35/00 B63B 35/42 B63C 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲にフロート(14)を有し、このフ
    ロート(14)の内側にはケーソン製作用の作業甲板
    (15)が設けられ、かつ浮沈・着底自在なケーソン製
    作用の作業台船本体(13)の前記フロート(14)の
    外周の少なくとも1辺以上に、前記フロート(14)の
    上端部より下方位置に取り付けた蝶番(32)を介して
    作業台兼補助フロート(29)を折り畳み可能に取り付
    け、前記フロート(14)の上面と作業台兼補助フロー
    ト(29)の上面とがほぼ同一面になるとともに、フロ
    ート(14)と作業台兼補助フロート(29)とは止め
    具(33,34)に設けられた孔に着脱自在な止めピン
    (37)により差し込み固定され、かつ前記作業台兼補
    助フロート(29)は、補助フロート(38)とこの側
    部に一体に付設された作業場(39)からなることを特
    徴とした作業台船。
  2. 【請求項2】 周囲にフロート(14)を有し、このフ
    ロート(14)の内側にはケーソン製作用の作業甲板
    (15)が設けられ、かつ浮沈・着底自在なケーソン製
    作用の作業台船本体(13)の前記フロート(14)の
    外周の少なくとも1辺以上に、前記フロート(14)の
    上辺側に取り付けた蝶番(23)を介して補助作業台
    (22)を取り付け、前記フロート(14)の上面と補
    助作業台(22)の上面とは同一面になるとともに、補
    助作業台(22)は、フロート(14)に設けられたウ
    インチ(42)に巻上げ、繰り出し可能なワイヤロープ
    (43)と連結され前記蝶番(23)を介し折り畳み可
    能であることを特徴とした作業台船。
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