JP3140401B2 - 浮上性部材、水中・水上施工方法及び型枠支保工の水中・水上施工方法 - Google Patents

浮上性部材、水中・水上施工方法及び型枠支保工の水中・水上施工方法

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JP3140401B2
JP3140401B2 JP09213376A JP21337697A JP3140401B2 JP 3140401 B2 JP3140401 B2 JP 3140401B2 JP 09213376 A JP09213376 A JP 09213376A JP 21337697 A JP21337697 A JP 21337697A JP 3140401 B2 JP3140401 B2 JP 3140401B2
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恵三 吉岡
政生 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中もしくは水上
における構造物の構築もしくは撤去に際し、鋼材の設置
(搬入)及び撤去(搬出)を容易にする浮上性部材、水
中・水上施工方法及び型枠支保工の水中・水上施工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、埠頭の物揚場の上部工(係留施
設となる固定された桟橋)は、例えば、図8に示すよう
に、上記上部工1の設置位置の陸より側の水底に垂直に
打ち込まれた鋼矢板2と、上部工1の設置位置の沖より
側の水底に垂直に打ち込まれた直杭(鋼管杭)3と、上
部工1の設置位置の陸より側から海より側に斜めに水底
に打ち込まれた斜杭(鋼管杭)4とにより支持された状
態となっている。
【0003】なお、上記鋼矢板2は、岸に沿って連続す
るように打ち込まれ、鋼管杭である直杭3及び斜杭4
は、岸に沿って所定の間隔を開けて複数打ち込まれるよ
うになっている。また、これら鋼矢板2、直杭3及び斜
杭4は、その上端部が水上に延出するようになってい
る。また、直杭3と斜杭4とは、側面視して交差するよ
うに打ち込まれている。また、上部工1は、コンクリー
ト構造物であり、その上面には、車止め1aと係船柱1
bとが設けられ、船が係留される沖側(前側)の端面に
は、ゴム防舷材1cが設けられている。また、上部工1
の設置位置の水底5上には、基礎捨石マウンド6が形成
されている。
【0004】そして、上述のような上部工1を構築する
場合には、例えば、上記鋼矢板2、直杭3及び斜杭4の
それぞれの上部工1より少し下の位置に、主桁となるH
形鋼を水平かつ岸に沿うように取り付け、こられのH形
鋼上に、大引きや根太等を配置し、さらに、それらの上
に上部工1用型枠の底盤を設け、該底盤上に残りの型枠
(側枠、妻枠)を建て込むようになっている。次に、型
枠内にコンクリートを打設するが、この際には、コンク
リート内に鋼矢板2、直杭3及び斜杭4の上端部が埋設
された状態とし、コンクリートが硬化した際に、コンク
リート、すなわち、上部工1が鋼矢板2、直杭3及び斜
杭4により水上に支持された状態となるようにする。
【0005】そして、所定期間養生して上部工1の型枠
を撤去する。なお、型枠の底盤を撤去する際には、主桁
となるH形鋼の位置を下方に移動し、上部工1と型枠の
底盤との間に隙間をあけた状態とする。従って、主桁は
何らかの方法により下方にわずかに移動できるようにし
ておく必要がある。次に、主桁を鋼矢板2や、直杭3
や、斜杭4から外して撤去する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、鋼
矢板と直杭との間の内側ではなく、外側に設けられた主
桁は、玉掛けした状態で主桁を鋼矢板もしくは直杭から
取り外し、クレーン台船等により主桁を上部工の下から
引き出して吊り上げて撤去するようにしても、鋼矢板、
直杭及び斜杭等に引っかかることがないので、比較的容
易に撤去できる。
【0007】しかし、鋼矢板と、直杭との間に配置され
た主桁は、主桁に直交する方向に上部工の下から引き出
そうとすると、主桁が鋼矢板や直杭や斜杭に引っかかる
ことになる。また、主桁を玉掛けした状態で、主桁の長
さ方向に沿って引き出そうとすると、玉掛けに用いられ
たワイヤが鋼矢板や直杭や斜杭に引っかかることにな
る。
【0008】そこで、鋼矢板と、直杭との間に配置され
た主桁を撤去する方法としては、例えば、主桁を鋼矢板
や直杭から一旦取り外して主桁を海底に落とした後に、
潜水士が玉掛けを行い、クレーン台船等で落とされた主
桁を上部工の下から引きずり出して主桁を引き上げるも
のがある。また、もう一つの主桁を撤去する方法として
は、主桁を撤去する前に、主桁にドラム缶や俵ブイ等の
浮きを取り付け、主桁を鋼矢板や直杭から外しても沈ま
ない状態とし、この状態で、主桁を鋼矢板や直杭から取
り外して主桁を水上に浮かせ、浮いた主桁を主桁の長さ
方向に沿って上部工の下から引き出すことにより撤去す
るものがある。
【0009】しかし、主桁を一旦沈める方法では、鋼矢
板の撤去作業が潜水作業となってしまう。また、直杭と
斜杭とが水中で交差しているので、主桁を落とした際
に、主桁が直杭と斜杭との交差部分に引っかかり引き抜
きにくくなる可能性がある。また、主桁が水底まで落ち
た場合でも、水底には基礎捨石があり、捨石が敷き詰め
られた状態の水底は、主桁を引きずって移動させずらく
なっている。
【0010】また、上述のようにドラム缶や俵ブイを浮
きとして主桁に取り付けるものとした場合には、当然、
主桁にドラム缶や俵ブイ等を取り付ける手間がかかる。
また、上部工は、船が接岸する部分にある程度長い距離
に渡って構築されるので、上部工の施工が複数回に分け
て行われる。この際に、型枠や上記主桁を含む支保工を
順次転用することになる。そして、主桁を転用する際に
は、毎回上述のように、主桁を撤去する際に、浮きを取
り付け、主桁を再び設置する際に浮きを外す必要があ
り、施工に手間がかかる。
【0011】また、主桁が配置される部分には、上述の
ように鋼矢板、直杭、斜杭等があり、必ずしも、ドラム
缶や俵ブイ等の比較的大きな浮きを主桁に取り付けるの
に十分なスペースが無い可能性があり、さらに、主桁を
主桁の長さ方向に引き抜く際に、ドラム缶や俵ブイが鋼
矢板や直杭や斜杭に引っかかる可能性がある。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、水上もしくは水中で扱われる鋼材の設置や撤去
を容易なものとすることができる浮上性部材、水中・水
上施工方法及び型枠支保工の水中・水上施工方法を提供
することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
浮上性部材は、二枚の板体が対向した状態に配置された
部分を有し、かつ、I形鋼、みぞ形鋼、リップみぞ形
鋼、ハット形鋼、角形鋼管、及び断面が円や楕円の鋼管
のいずれかの鋼材と、該鋼材の上記二枚の板体間に取り
付けられた浮力付与材とを備え、該浮力付与材が発泡樹
脂とされるとともに、該浮力付与材は鋼材と略同じ長さ
を有することを上記課題の解決手段とした。上記構成に
よれば、浮力付与材の浮力を十分に大きなものとすれ
ば、上記鋼材に浮力付与材を取り付けた浮上性部材を水
に浮かせることができるとともに、浮力付与材が二枚の
板体が対向した状態に配置された部分を有する鋼材の上
記二枚の板体間、例えば、H形鋼の二枚のフランジプレ
ート間に取り付けられるので、鋼材に浮力付与材を取り
付けた浮上性部材が占有する断面積と、上記鋼材が主に
占有する断面積(鋼材の二枚の板体の間のスペースも含
む断面積)とが大きく異なるようなことがない。
【0014】従って、上記鋼材が設置できるスペースが
あれば、殆どの場合に、上記浮上性部材も設置可能であ
り、鋼材に代えて浮上性部材を用いて支保工等の構造物
を構築することが可能である。そして、例えば、鋼材に
代えて浮上性部材を用いて水上もしくは水中に支保工等
の構造物を構築する際には、浮上性部材を水に浮かした
状態で搬入することができる。また、構築された支保工
を撤去するような場合に、取り外された浮上性部材は水
に浮くことが可能なので、浮上性部材を水に浮かした状
態で搬出することができる。
【0015】従って、上述のような浮上性部材の撤去時
等において、沈んだ鋼材を潜水士が玉掛けしてクレーン
台船で引き上げるような必要がなく、また、浮上性部材
は最初から水に浮くようになっているので、浮上性部材
の撤去時に浮上性部材に浮きを取り付ける必要がなく、
水中や水上に構築された支保工等の構造物の撤去を容易
なものとすることができるとともに、作業の簡便化によ
る施工期間の短縮及び施工コストの低減を図ることがで
きる。
【0016】また、浮上性部材は、上述のように水に浮
かせた状態で搬出もしくは搬入等の搬送移動を行えるの
で、水中もしくは水上における浮上性部材の設置や撤去
に際して必ずしもクレーン台船等を用いる必要がなく、
クレーン台船等を用いないで作業を行ったり、クレーン
台船等の使用時間を削減したりすることが可能となり、
上述のような作業の簡便化とともに、水中もしくは水上
における構造物の構築や撤去にかかるコストの低減を図
ることができる。
【0017】本発明の請求項2記載の浮上性部材は、上
記鋼材がH形鋼とされ、上記浮力付与材が発泡樹脂とさ
れ、H形鋼の二枚のフランジプレート間に上記発泡樹脂
が取り付けられていることを上記課題の解決手段とし
た。上記構成によれば、上記請求項1記載の構成と同様
の作用効果を得ることができるとともに、H形鋼は、二
枚のフランジプレート間にH型の外側にはみ出した状態
で浮力付与材を取り付けられるので、鋼材に対して十分
な体積を有する浮力付与材を取り付けることができる。
従って、浮上性部材を十分に水や海水に浮くことが可能
な比重とすることができる。
【0018】すなわち、二枚の板体が対向した状態で配
置される鋼材としては、角形鋼管等も考えられるが、角
形鋼管では、二枚の板体の間が鋼材に完全に囲まれるの
で、取り付け可能な浮力付与材の体積が限定されてしま
い、鋼材の厚み等によっては、水に浮かせられない場合
もある。また、浮力付与材を発泡樹脂とすれば、安価で
かつ成形が容易なので、低コストで鋼材に浮力を付与す
ることができる。また、発泡樹脂は、浮き袋等のような
ものとことなり、損傷を受けても極端に浮力が減少する
ようなことがない。
【0019】本発明の請求項3記載の水中・水上施工方
法は、水中もしくは水上において上記請求項1または2
記載の浮上性部材が鋼材に代えて用いられた構造物を構
築もしくは撤去する際のものであり、上記構造物の構築
もしくは撤去において、浮上性部材を搬入もしくは搬出
するに際し、上記浮上性部材を水に浮かせた状態で移動
させることを上記課題の解決手段とした。
【0020】上記構成によれば、鋼材と同様に用いるこ
とが可能な浮上性部材を用いて構造物の少なくとも一部
を構築するもの、すなわち、構造物の鋼材で形成される
部分の少なくとも一部を構築するものとし、上記構造物
の構築や撤去に際し、上記浮上性部材を水に浮かせた状
態で移動させて搬出や搬入を行えるので、水上・水中で
の施工において、クレーン台船等の使用を無くしたり減
らしたりすることができるとともに、潜水作業を無くし
たり減らしたりすることができる。従って、水上・水中
において鋼材を用いた構造物の構築や撤去に際して、施
工コストの低減及び施工期間の短縮を図ることができ
る。
【0021】本発明の請求項4記載の型枠支保工の水中
・水上施工方法は、水底に打ち込まれた杭により支持さ
れるコンクリート構造物を水上に構築するに際し、上記
コンクリート構造物用の型枠を支持する支保工の部材の
少なくとも一部として上記請求項1または2記載の浮上
性部材を用いたものであり、上記浮上性部材を上記杭に
固定した後に、上記浮上性部材上に上記型枠を設けて上
記コンクリート構造物を構築し、次いで、型枠を撤去
し、上記浮上性部材を上記杭から外して水上に浮かせた
状態とした後に、該浮上性部材を水に浮かせた状態で移
動させて撤去することを上記課題の解決手段とした。
【0022】上記構成によれば、仮設の構造物である型
枠支保工の型枠を支持する部材の少なくとも一部に上述
の浮上性部材を用いているので、支保工の撤去に際し
て、上述のように、クレーン台船等の使用の削減や潜水
作業の削減を図ることにより、施工コストの低減及び施
工期間の短縮を図ることができる。また、上記支保工の
部材の撤去に際して、コンクリート構造物を支持する杭
が邪魔となるが、浮上性部材が水に浮いた状態で移動で
きるとともに、その断面積が鋼材とあまり変わらないの
で、浮上性部材をその長さ方向に沿って水上に浮かせた
状態で移動させることにより、杭があっても容易に浮上
性部材を撤去することができる。
【0023】また、連続してコンクリート構造物の構築
を行うとともに、浮上性部材を順次転用するような場合
に、既にコンクリートの打設が終わった現場から次のコ
ンクリートの打設が行われる現場まで、浮上性部材を水
に浮かせた状態で移動できるので、浮上性部材の転用に
際し、浮上性部材の移動にかかる手間を削減できる。従
って、浮上性部材を順次転用して用いる場合の施工コス
トの低減と施工期間の短縮を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例の浮上性部材及び該浮上性部材を用いた水中・水上施
工方法(型枠支保工の水中・水上施工方法)を図面を参
照して説明する。図1及び図2は、この一例の浮上性部
材11を示すものである。図1及び図2に示すように、
浮上性部材11は、構造物の躯体等として用いられる鋼
材12と、該鋼材12に浮力を付与する浮力付与材1
3、13と、該浮力付与材13、13を鋼材12に縛り
付けて取り付けるための番線14…と、上記浮力付与材
13、13の露出部分を保護する保護板15…とからな
るものである。
【0025】上記鋼材12は、ウェッブプレート12a
の上下両側縁部にそれぞれウェッブプレート12aに対
して直角かつ互いに平行にフランジプレート12b、1
2bが取り付けられたH形鋼である。上記浮力付与材1
3、13は、発泡樹脂である発泡スチロール(発泡ポリ
スチレン)からなるものである。そして、浮力付与材1
3、13は、上記鋼材12の二枚のフランジプレート1
2b、12b間の距離とほぼ同じ上下厚を有するととも
に、鋼材12と略同じ長さを有するものである。なお、
複数の浮力付与材13、13を連結して、鋼材12の長
さと連結された浮力付与材13、13の長さとが等しく
なるようにしても良い。
【0026】また、浮力付与材13、13の左右幅は、
鋼材12にフランジプレート12b、12bの側面から
ウェッブプレート12aの側縁部までの長さと同じか短
いことが好ましいが、場合によっては、図1及び図2に
示すように、浮力付与材13、13の左右幅が上述の長
さより少し長いものとしても良い。そして、浮力付与材
13は、ウェッブプレート12aの左右において、それ
ぞれ二枚のフランジプレート12b、12b間に挟まれ
た状態で配置される。
【0027】上記番線14…は、針金状のものであり、
上述のように、浮力付与材13がウェッブプレート12
aの左右において、それぞれ二枚のフランジプレート1
2b、12b間に挟まれた状態の鋼材12の周囲に番線
14を巻くことにより、鋼材12に浮力付与材13を固
定するようになっている。なお、番線14…は、鋼材1
2の長さ方向に互いに間隔を開けて鋼材に多数巻き付け
られている。
【0028】上記保護板15…は、矩形状の合板からな
るものであり、2枚のフランジプレート12b、12b
間に挟まれた浮力付与材13のウェッブプレート12a
の反対側の二枚のフランジプレート12b、12bの間
から露出した側面を覆うように配置され、浮力付与材1
3を保護するためのものである。すなわち、発泡スチロ
ールからなる浮力付与材13は、機械的強度が低く、外
部に大きく露出した場合に傷が付きやすいので、浮力付
与材13の露出部分を保護板15…で覆うことにより、
発泡スチロールが損傷するのを防止するものである。
【0029】また、保護板15…は、その上下幅が、鋼
材1の二枚のフランジプレート12b、12b間の距離
と略同じにされ、浮力付与材13の二枚のフランジプレ
ート12b、12bの間から露出した側面に一列に配置
されるようになっている。そして、保護板15…は、上
記番線14…を鋼材に巻き付ける際に、浮力付与材1
3、13ともに巻かれて鋼材12に固定されるようにな
っている。また、このように、保護板15…が浮力付与
材13、13の露出部分に配置された状態で、番線14
…により鋼材12に固定されることで、番線14…が浮
力付与材13、13にくい込んだ状態となるのを防止す
るようになっている。
【0030】なお、浮上性部材11の鋼材12となるH
形鋼の単位長さ当たりの重さは、ウェブプレート12a
及びフランジプレート12b、12bの幅と厚みにより
決まるものである。一方、浮力付与材13、13の単位
長さ当たりの浮力は、浮力付与材13、13の比重と体
積とによって決まるものである。また、浮力付与材1
3、13の体積は、浮力付与材13、13を二枚のフラ
ンジプレート12b、12bからはみ出さないものとし
た場合に、ウェブプレート12a及びフランジプレート
12b、12bの幅と、ウェブプレート12aの厚みに
より決まってしまうものである。
【0031】従って、ウェブプレート12a及びフラン
ジプレート12b、12bが厚いものとされ、鋼材12
が重い場合には、浮力付与材13、13を二枚のフラン
ジプレート12b、12bからはみ出さないものとする
と、浮力付与材13、13の浮力が不足し、浮上性部材
11の比重が水や海水の比重よりも大きくなり、浮上性
部材11を水や海水に浮く物とすることができない可能
性があるが、浮力付与材13、13を二枚のフランジプ
レート12b、12bからはみ出してもいいものとすれ
ば、浮力付与材13、13の体積を大きくして、鋼材1
2の重量に対応して浮上性部材11を水に浮くものとす
ることができる。
【0032】なお、鋼材12は、二枚の板体が対向した
状態で配置されたものならば良く、必ずしもH形鋼に限
定されるものではなく、I形鋼や、みぞ形鋼や、リップ
みぞ形鋼や、ハット形鋼や、角形鋼管などを用いるもの
としても良く、また、断面が円の鋼管も、円弧状の板体
が対向して配置された形状を有し、鋼材12として断面
が円や楕円の鋼管を用いるものとしても良い。そして、
鋼材12として、I形鋼を用いた場合には、基本的にH
形鋼と同様に用いられるが、I形鋼は、フランジの幅が
狭いので、浮上性部材を水に浮く物とすれば、浮力付与
材13が大きくはみ出した状態となる可能性がある。
【0033】また、鋼材12として、みぞ形鋼や、リッ
プみぞ形鋼や、ハット形鋼を用いた場合には、溝の部分
に浮力付与材13を取り付けることになる。また、浮力
付与材13は溝からはみ出すものとしても、はみ出さな
いものとしても良い。また、鋼材12として、角形鋼管
や鋼管を用いた場合には、管体の内部に浮力付与材13
が配置され、浮力付与材13の周囲が鋼材12に囲まれ
た状態となり、H形鋼等の場合のように鋼材12からは
み出した状態に浮力付与材13を取り付けられないの
で、浮力付与材13の最大体積が事実上決まってしま
い、鋼材12の肉厚が管径に対して大きい場合には、浮
力不足となり水に浮かない可能性がある。
【0034】なお、浮上性部材11の比重が水や海水よ
り大きく、水や海水に浮かない場合には、後述するよう
に浮上性部材11を水上に浮かせた状態で搬送すること
ができなくなるが、比重の大きい鋼材1をそのまま水中
や海中で用いるよりも水中や海中での取り扱い性が良く
なる。また、上記浮力付与材13は、上記発泡スチロー
ルに限られるものではなく、他の発泡樹脂を用いるもの
としても良いが、用いられる発泡樹脂は、各泡が他の泡
と連通せずに独立した状態となったものが好ましく、ス
ポンジのように水を吸ってしまうようなものは好ましく
ない。
【0035】また、浮力付与材13は、袋や容器の中に
スポンジ状のものを含む発泡樹脂が充填されたものでも
良い。
【0036】次に、上記浮上性部材11を用いた型枠支
保工の水中・水上施工方法を説明する。なお、ここで説
明する型枠支保工の水中・水上施工方法とは、上記従来
例で説明した係留施設となる物揚場の上部工1を構築す
る際の施工に本発明を適用したものであり、上記従来例
で説明した構成要素とほぼ同様の構成要素については、
同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】図3、図4は、上記浮上性部材11が型枠
支保工の主桁Aとして用いられた施工途中の上部工1を
示すものである。図3、図4に示すように、上部工1
は、上述の鋼矢板2、直杭3及び斜杭4に支持されるよ
うになっている。従って、上部工1の施工においては、
鋼矢板2、直杭3及び斜杭4の打ち込みを行う。
【0038】次いで、鋼矢板2及び直杭3の陸側の側面
(背面)と沖側の側面(前面)とのそれぞれに主桁Aを
取り付ける。この際に、鋼矢板2と直杭3との間に配置
される主桁A、すなわち、鋼矢板2の前面に取り付けら
れる主桁Aと、直杭3の背面に取り付けられる主桁Aと
は、上記浮上性部材11、11からなっている。また、
鋼矢板2の背面に取り付けられる主桁Aと、直杭3の前
面に取り付けられる主桁Aとは、H形鋼17からなって
いる。
【0039】また、鋼矢板2及び直杭3に主桁Aを取り
付ける際には、基本的に図5に示すスライド式ブラケッ
ト20を用いて取り付けられるようになっている。な
お、図5に示すスライド式ブラケット20は、鋼管から
なる直杭3に取り付けられた状態に図示されている。そ
して、スライド式ブラケット20は、主桁Aを載せられ
た状態に支持する載置板21と、該載置板21に取り付
けられた二枚のブラケット板22、22と、ブラケット
板22、22の後側縁側に接続されて、ブラケット板2
2、22を吊った状態に支持する鋼棒23、23と、二
枚のブラケット板22、22同士の間に、ブラケット板
22、22よりブラケット20の下方へのスライド量だ
け下方に配置された撤去用ブラケット板24と、撤去用
ブラケット板24の後側縁側に接続されて、撤去用ブラ
ケット板24を吊った状態に支持する撤去用鋼棒25
と、上記直杭3(鋼矢板2)に接合されるとともに上記
鋼棒23、23及び撤去用鋼棒25の上端部が接合され
て上記鋼棒23、23及び撤去用鋼棒25を支持する支
持部材26と、上記直杭3(鋼矢板2)に接合されると
ともに上記鋼棒23、23及び撤去用鋼棒25の下部を
上下動自在に受ける受け部材27とからなるものであ
る。
【0040】そして、上記スライド式ブラケット20
は、最初の状態では、載置板21が二枚のブラケット板
22、22を介して二本の鋼棒23、23により支持さ
れた状態となっている。この状態で、鋼棒23、23の
支持部材26と、受け部材27との間の部分で切断する
と、切断された鋼棒23、23の下部が受け部材27に
沿って下方にスライドするとともに、鋼棒23、23に
接続されたブラケット板22、22と、該ブラケット板
22、22に接合された載置板21が下方にスライドす
る。
【0041】そして、下方に移動した載置板21は、そ
の下面が撤去用ブラケット板24に当たり、撤去用鋼棒
25に支持された撤去用ブラケット板24に載った状態
で撤去用ブラケット板24に支持される。従って、上述
のように二本の鋼棒23、23を切断することにより、
主桁Aが載った載置板21が、元々のブラケット板2
2、22の上側縁部と撤去用ブラケット板24の上側縁
部との高さの差だけ下方にスライド移動することにな
る。
【0042】また、上述のように載置板21をスライド
移動した後に、撤去用鋼棒25を支持部材26と、受け
部材27との間の部分で切断すると、載置板21を落下
させることもできるようになっている。なお、この一例
において、鋼矢板2…の背面に主桁Aとして取り付けら
れるH形鋼17は、上下にスライドしなくとも良い構成
となっており、上記H形鋼17を鋼矢板2…に取り付け
るブラケット30は、スライド式ブラケット20でなく
とも良く、例えば、上記スライド式ブラケット20から
二本の鋼棒23、23と二枚のブラケット板22、22
と取り除き、撤去用ブラケット24に載置板21が固定
されたものを用いても良い。
【0043】また、後述するように主桁Aを下方にスラ
イドさせた際には、主桁Aに上部工1の荷重がかかるこ
とがない。従って、鋼矢板2…の前面側に取り付けられ
た主桁Aとなる浮上性部材11のように多くのブラケッ
ト20…、31、31で支持されるようになっている場
合には、主桁Aを下方にスライドさせた際に、主桁Aを
支持するブラケット20…の数をスライドさせる前の数
より減らしても良い。
【0044】このようにするには、主桁Aを支持する一
部のブラケット31、31を、例えば、スライド式ブラ
ケット20から撤去用鋼棒25と撤去用ブラケット24
とを除いたものとし、二本の鋼棒23、23を切断した
際に、載置板21が撤去用ブラケット24に支持される
ことなく、そのまま降下するようしても良い。このよう
なブラケット31、31を用いれば、主桁Aを下方にス
ライド移動させた場合には、スライド式ブラケット20
…と、ブラケット31、31とのうちのスライド式ブラ
ケット20…だけで主桁Aが支持される。そして、上述
のように鋼矢板2…及び直杭3に主桁AとなるH形鋼1
7と浮上性部材11とを取り付けた後に、図3に示すよ
うに、H形鋼17及び浮上性部材11からなる主桁A上
に、該主桁Aと直交するように該主桁Aの長さ方向にそ
れぞれ所定の間隔をあけてH形鋼からなる複数の横桁B
を配置する。
【0045】なお、上記横桁Bは、支保工の躯体となる
とともに、浮上性部材11が満潮時等において、海中に
沈んだ際に、浮上性部材11の浮き止めとして機能す
る。次に、横桁B上に、該横桁Bと直交するように該横
桁Bの長さ方向にそれぞれ所定の間隔をあけて複数のば
た角(仮設に用いられる角材)からなる大引き18を配
置する。さらに、大引き18上に、該大引き18と直交
するように該大引き18の長さ方向にそれぞれ所定の間
隔をあけて複数の半ばた角(仮設に用いられる断面長方
形の角材)からなる根太19を配置する。
【0046】なお、鋼矢板2の背面に配置される主桁A
(H形鋼17)は、他の主桁Aより高い位置に配置さ
れ、H形鋼17上に横桁Bが配置されないようになって
いる。そして、上記H形鋼17には、H形鋼17から背
面に延出する支持板17aが取り付けられている。ま
た、H形鋼17上には、キャンバー17b、17bが配
置され、該キャンバー17b、17b上にそれぞれ大引
き18、18が配置されるようになっている。また、上
記支持板17a上には、ばた角17c,17cが配置さ
れ、該ばた角17c、17c上にそれぞれ大引き18、
18が配置されるようになっている。すなわち、鋼矢板
2の背面に配置される主桁A上においては、横桁Bに代
えてキャンバー17b、17bとばた角17c,17c
とが大引き18、18を支持するようになっている。
【0047】また、上述の主桁A、横桁B、大引き18
及び根太19等が上部工1用の型枠(図示略)を支持す
る支保工となる。そして、上記根太19上に上部工1用
の型枠(図示略)が建て込まれる。次いで、型枠内にコ
ンクリートを打設することにより上部工1が形成され
る。そして、コンクリートの養生が終了した後に型枠及
び型枠を支持する支保工を撤去する。
【0048】そして、支保工を撤去する際には、支保工
上に上部工1(型枠底盤を含む)が支保工上に載った状
態となっているので、上述のスライド式ブラケット20
を下方にスライドさせて、鋼矢板2、直杭3及び斜杭4
に支持された上部工1と、支保工との間に隙間をあけ
る。すなわち、上部のスライド式ブラケット20の鋼棒
23、23を切断して、載置板21を撤去用ブラケット
板24に支持された状態となるまで降下させる。
【0049】鋼矢板2の背面側の主桁Aは、スライドし
ないブラケット30に支持されているので、上述のキャ
ンバー17b、17bやばた角17c、17cを取り外
すなどして、支保工と上部工1との間をあけるようにす
る。次いで、干潮時に、すなわち、図6に示すように、
海面が主桁Aより下方に下がった状態で、型枠の底盤
(図示略)、根太19、大引き18及び横桁B等を撤去
する。
【0050】次に、満潮時、すなわち、図7に示すよう
に、海面が浮上性部材11(主桁A)より高くなった段
階で、浮上性部材11をその長さ方向に移動して、上部
工1の下から搬出する。この際に、浮上性部材11が海
水より軽くされているので、海面の上昇によりスライド
式ブラケット20上から浮いた状態となり、例えば、ク
レーン台船等を用いなくとも容易に浮いた状態の浮上性
部材11をその長さ方向に沿って押すことにより移動さ
せることができる。
【0051】なお、浮上性部材11以外の主桁、すなわ
ち、鋼矢板2と直杭3との間ではなく、外側に配置され
たH形鋼17、17は、その長さ方向に直交する方向に
搬出することが可能なので、例えば、干潮時に玉掛けし
て、クレーン台船等により吊り上げて搬出する。また、
ブラケット20、30は、上述の撤去用鋼棒25を切断
することにより撤去する。なお、図4に示すブラケット
31は、主桁Aを下方にスライドさせるために鋼棒2
3、23を切断した時点で撤去される。
【0052】また、搬出された浮上性部材11は、上部
工1の構築を複数回に分けて行う場合に、そのまま海上
を浮いた状態で次の施工位置まで移動することができ、
次の施工位置で、また、主桁Aとして用いることができ
る。上述のような浮上性部材11や該浮上性部材11を
用いた水中・水上施工方法によれば、浮上性部材11を
水や海水より比重が小さいものとすることにより、浮上
性部材11を浮かせた状態で極めて容易に搬送(搬入及
び搬出を含む)することができる。
【0053】また、浮上性部材11は、上述のように鋼
材12の対向する二枚の板体間、すなわち、H形鋼の二
枚のフランジプレート12b、12b間に浮力付与材1
3が配置されているので、浮力付与材13が二枚の板体
間から多少はみ出した状態でも、鋼材12が主に占有す
る断面積に対する浮上性部材11の断面積があまり大き
くならないので、浮上性部材11、すなわち、浮力付与
材13、13が取り付けられた状態の鋼材12を通常の
鋼材と略同様に取り扱うことができる。
【0054】従って、浮上性部材11を鋼材と同様に使
用して構造物を構築することができるので、材料の搬入
時に浮上性部材11は水上を浮かせた状態で容易に搬送
することができる。また、支保工のような仮設の構造物
は、最終的に撤去する必要があるが、予め上述のように
浮力付与材13が取り付けれられた浮上性部材11を鋼
材として用いて水上及び水中の仮設の構造物を構築すれ
ば、構造物を撤去する際に浮上性部材11を取り外した
際に、浮上性部材11が沈んでしまうようなことがない
ので、撤去時に浮上性部材11に浮きを取り付ける必要
がないとともに、沈んでしまった浮上性部材11を潜水
作業により回収する必要がなく、取り外されて水上に浮
いた状態の浮上性部材11を水に浮いた状態で移動させ
ることで、浮上性部材11を容易に搬出することができ
る。
【0055】特に、上述の上部工1のように杭が水中に
多数あり、鋼材の撤去が難しいような所では、鋼材とし
て浮上性部材11を用いることにより、上述のように浮
上性部材11を水に浮いた状態で、その長さ方向に移動
させることで容易に搬出することができる。また、搬送
に際しては、潜水作業を必要としないとともに、浮上性
部材11を吊り上げたりする必要がなく、比較的小さな
力でおすだけで、浮上性部材11を水上に浮いた状態で
搬送できるので、クレーン台船等の使用作業や潜水作業
の時間を短縮して、搬送にかかるコストを低減すること
ができる。
【0056】なお、上記例においては、鋼矢板2と直杭
3との間ではなく外側に配置される主桁Aは、浮上性部
材11ではなくH形鋼17を用いるものとしたが、これ
らH形鋼17に代えて浮上性部材11を用いるようにし
ても良い。このようにすれば、主桁Aの全てを海上に浮
かせた状態で搬入及び搬出を行うことができる。また、
横桁Bも、浮上性部材11を用いて、海上に浮かせた状
態で搬入及び搬出を行えるようにしても良い。
【0057】また、鋼矢板2の背面側の主桁AとなるH
形鋼17は、スライドしないブラケット30で支持する
ものとしたが、スライド式ブラケット20で支持するも
のとしても良い。また、浮上性部材11は、水上もしく
は水中に構築もしくは仮設され、かつ、鋼材が用いられ
る構造物ならば、どのような構造物でも好適に用いるこ
とができ、部材の搬送や撤去を容易なものとすることが
できる。
【0058】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の浮上性部材によ
れば、上記鋼材に浮力付与材を取り付けた浮上性部材を
水に浮かせることができるとともに、浮力付与材が二枚
の板体が対向した状態に配置された部分を有する鋼材の
上記二枚の板体間に取り付けられるので、鋼材に浮力付
与材を取り付けた浮上性部材の断面積と、上記鋼材が主
に占有する断面積とが大きく異なるようなことがなく、
上記鋼材が設置できるスペースがあれば、殆どの場合
に、上記浮上性部材も設置可能であり、鋼材に代えて浮
上性部材を用いて支保工等の構造物を構築することが可
能である。そして、鋼材に代えて浮上性部材を用いて水
上もしくは水中に支保工等の構造物を構築する際には、
浮上性部材を水に浮かした状態で搬入することができ
る。また、構築された支保工を撤去するような場合に、
取り外された浮上性部材を水に浮かした状態で容易に搬
出することができる。
【0059】従って、上述のような浮上性部材の撤去時
等において、沈んだ鋼材を潜水士が玉掛けしてクレーン
台船で引き上げるような必要がなく、また、浮上性部材
は最初から水に浮くようになっているので、浮上性部材
の撤去時に浮上性部材に浮きを取り付ける必要がなく、
水中や水上に構築された支保工等の構造物の撤去を容易
なものとすることができるとともに、作業の簡便化によ
る施工期間の短縮及び施工コストの低減を図ることがで
きる。
【0060】本発明の請求項2記載の浮上性部材によれ
ば、上記請求項1記載の構成と同様の効果を奏すること
ができるとともに、H形鋼は、二枚のフランジプレート
間にH型の外側にはみ出した状態で浮力付与材を取り付
けられるので、鋼材に対して十分な体積を有する浮力付
与材を取り付けることができる。従って、浮上性部材を
十分に水や海水に浮くことが可能な比重とすることがで
きる。また、浮力付与材を発泡樹脂とすれば、安価でか
つ成形が容易なので、低コストで鋼材に浮力付与するこ
とができる。
【0061】本発明の請求項3記載の水中・水上施工方
法によれば、鋼材と同様に用いることが可能な浮上性部
材を用いて構造物を構築するものとし、上記構造物の構
築や撤去に際し、上記浮上性部材を水に浮かせた状態で
移動させて搬出や搬入を行えるので、水上・水中での施
工において、クレーン台船等の使用を無くしたり減らし
たりすることができるとともに、潜水作業を無くしたり
減らしたりすることができる。従って、水上・水中にお
いて鋼材を用いた構造物の構築や撤去に際して、施工コ
ストの低減及び施工期間の短縮を図ることができる。
【0062】本発明の請求項4記載の型枠支保工の水中
・水上施工方法によれば、仮設の構造物である型枠支保
工の型枠を支持する主桁等の部材として上述の浮上性部
材を用いているので、支保工の撤去に際して、上述のよ
うに、クレーン台船等の使用の削減や潜水作業の削減を
図ることにより、施工コストの低減及び施工期間の短縮
を図ることができる。また、上記浮上性部材の撤去に際
して、コンクリート構造物を支持する杭が邪魔となる
が、浮上性部材が水に浮いた状態で移動できるととも
に、その断面積が鋼材とあまり変わらないので、浮上性
部材をその長さ方向に沿って水上に浮かせた状態で移動
させることにより、杭があっても容易に浮上性部材を撤
去することができる。
【0063】また、連続してコンクリート構造物の構築
を行うとともに、浮上性部材を順次転用するような場合
に、既にコンクリートの打設が終わった現場から次のコ
ンクリートの打設が行われる現場まで、浮上性部材を水
に浮かせた状態で移動できるので、浮上性部材の転用に
際し、浮上性部材の移動にかかる手間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の浮上性部材を示す
端面図である。
【図2】上記例の浮上性部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の型枠支保工の水中
・水上施工方法を説明するための図面である。
【図4】上記例の型枠支保工の水中・水上施工方法を説
明するための図面である。
【図5】上記例の型枠支保工の水中・水上施工方法で用
いられるスライド式ブラケットを示す斜視図である。
【図6】上記例の型枠支保工の水中・水上施工方法を説
明するための図面である。
【図7】上記例の型枠支保工の水中・水上施工方法を説
明するための図面である。
【図8】従来例の係留施設である物揚場の上部工を説明
するための図面である。
【符号の説明】
A 主桁(支保工の一部) B 横桁(支保工の一部) 1 上部工(構造物) 2 鋼矢板(杭) 3 直杭 4 斜杭 11 浮上性部材 12 鋼材(H形鋼) 12b フランジプレート(鋼材の板体) 13 浮力付与材(発泡樹脂) 18 大引き(支保工の一部) 19 根太(支保工の一部)
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−141832(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/00 E02D 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の板体が対向した状態に配置された
    部分を有し、かつ、I形鋼、みぞ形鋼、リップみぞ形
    鋼、ハット形鋼、角形鋼管、及び断面が円や楕円の鋼管
    のいずれかの鋼材と、該鋼材の上記二枚の板体間に取り
    付けられた浮力付与材とを備え、該浮力付与材が発泡樹
    脂とされるとともに、該浮力付与材は鋼材と略同じ長さ
    を有することを特徴とする浮上性部材。
  2. 【請求項2】 上記鋼材がH形鋼とされ、上記浮力付与
    材が発泡樹脂とされ、H形鋼の二枚のフランジプレート
    間に上記発泡樹脂が取り付けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の浮上性部材。
  3. 【請求項3】 水中もしくは水上において上記請求項1
    または2記載の浮上性部材が鋼材に代えて用いられた構
    造物を構築もしくは撤去する際の水中・水上施工方法で
    あって、 上記構造物の構築もしくは撤去において、浮上性部材を
    搬入もしくは搬出するに際し、上記浮上性部材を水に浮
    かせた状態で移動させることを特徴とする水中・水上施
    工方法。
  4. 【請求項4】 水底に打ち込まれた杭により支持される
    コンクリート構造物を水上に構築するに際し、上記コン
    クリート構造物用の型枠を支持する支保工の部材の少な
    くとも一部として上記請求項1または2記載の浮上性部
    材を用いた型枠支保工の水中・水上施工方法であって、 上記浮上性部材を上記杭に固定した後に、上記浮上性部
    材上に上記型枠を設けて上記コンクリート構造物を構築
    し、 次いで、型枠を撤去し、上記浮上性部材を上記杭から外
    して水上に浮かせた状態とした後に、該浮上性部材を水
    に浮かせた状態で移動させて撤去することを特徴とする
    型枠支保工の水中・水上施工方法。
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