JPH0797816A - 水中構造物の建造設備 - Google Patents

水中構造物の建造設備

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JPH0797816A
JPH0797816A JP26572693A JP26572693A JPH0797816A JP H0797816 A JPH0797816 A JP H0797816A JP 26572693 A JP26572693 A JP 26572693A JP 26572693 A JP26572693 A JP 26572693A JP H0797816 A JPH0797816 A JP H0797816A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波浪による作業台船の揺動を解消でき、しか
も作業台船を沈下させ固定するためのマウンドを築造す
る必要もない水中構造物の建造設備を提供すること。 【構成】 フロート構造で筒型の周囲の一部分に開口部
3を設けた防波装置1と、水中構造物建造用の作業台船
20とを備え、前記開口部3を岸壁Bの壁面に当接させ
て防波装置1を設置し、この防波装置1の内部水域19
に前記作業台船20を収納した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、港湾内の水深の大きい
岸壁の近傍で、作業台船を使用してコンクリートケーソ
ン(以下、単に「ケーソン」という。)のごとき水中構
造物を建造するための水中構造物の建造設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、港湾内の岸壁近傍の水域で、防波
堤や護岸用のケーソンのごとき水中構造物を浮沈自在の
作業台船で建造する場合、図11または図12に示すよ
うな技術がある。
【0003】その図11に示す技術では、フローティン
グドック等の作業台船20を岸壁Bの近傍に係留させ、
この作業台船20を浮上させた状態で、作業台船20の
作業台上で例えばケーソン31を製作し、自力で浮上で
きる所定の高さまで建造後、作業台船20を沈下させ、
作業台船20上に海水を入れ、ケーソン31を浮上さ
せ、取り出すようにしている。
【0004】また、図12に示す技術では岸壁Bの近傍
の海底AにあらかじめマウンドMを築き、浮沈自在の作
業台船20をマウンドM上に沈設し、固定した状態で、
作業台船20の作業台上で例えばケーソン31を自力で
浮上できる所定の高さまで建造後、作業台船20をいっ
たん浮上させ、作業台船20をマウンドM上よりも水深
の大きい位置まで移動させ、作業台船20を再び沈下さ
せて海水を入れ、ケーソン31を浮上させて取り出し、
作業台船20をマウンドMの上方に戻すようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来技
術のうちの、図11に示す技術では強風や、船舶の航行
に伴って港湾内で生ずる波浪により、作業台船20が揺
動するため、水中構造物の建造中、作業員が船酔いにな
り、作業能率が低下する問題があり、安全に作業を行い
難い問題があり、波浪に対抗するために大型の作業台船
を用いる等の対策を講じなければならないこともあっ
た。
【0006】一方、図12に示す技術では水深の大きい
場所にマウンドMを築造する場合、マウンドMの高さを
高くする必要があるため、マウンドMを築くための砂や
砂利などの材料費、および労務費などの、費用が嵩む問
題があり、さらにマウンドMの築造に長期間要する問題
があり、マウンドMの存在により長期間にわたって港湾
本来の機能、つまり船の接岸や係留を阻害するという問
題もあり、マウンドMを撤去する際もその工事に長期間
要する問題もあった。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、波浪による作業台船の揺
動を解消でき、しかも作業台船を沈下させ固定するため
のマウンドを築造する必要もない水中構造物の建造設備
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はフロート構造で筒型の周囲の一部分に開口
部3を設けた防波装置1と、水中構造物建造用の作業台
船20とを備え、前記開口部3を岸壁Bの壁面に当接さ
せて防波装置1を設置し、この防波装置1の内部水域1
9に前記作業台船20を収納したものである。
【0009】また、上記目的を達成するため、本発明は
フロート構造で筒型の周囲の一部分に開口部3を設け、
かつ前記開口部3に開閉自在にゲート35を取り付けた
防波装置1と、水中構造物建造用の作業台船20とを備
え、前記ゲート35が岸壁Bに干渉しない位置に防波装
置1を設置し、この防波装置1の内部水域19に前記作
業台船20を収納したものである。
【0010】
【作用】本発明では、岸壁Bの近傍に作業台船20を配
置し、フロート構造で筒型の周囲の一部分に開口部3を
設けた防波装置1の、前記開口部3を岸壁B側に向け、
この開口部3を通じて前記作業台船20を中に入れるよ
うにして防波装置1を接岸させ、前記開口部3を当接さ
せて防波装置1を設置する。次に、防波装置1のフロー
トに海水等の荷重水を注入し、防波装置1の荷重を増大
させて沈下させ、固定する。これにより、作業台船20
の周囲が防波装置1と岸壁Bの壁面とにより取り囲ま
れ、防波装置1の内部水域19は波浪の影響を受けず、
静穏に保持される。
【0011】この状態で、作業台船20を使用し、作業
台船20の作業台上で常法により、例えばケーソン31
のごとき水中構造物を建造する。
【0012】前記水中構造物を自力で浮上できる所定の
高さまで建造後、作業台船20を沈下させ、作業台上に
海水を入れ、水中構造物を浮上させる。一方、防波装置
1のフロート内の荷重水を汲み出し、浮力を増大させて
浮上させる。ついで、防波装置1を岸壁Bから引き離し
たうえで、作業台船20の作業台上に浮上されている水
中構造物を取り出し、係留場所または設置場所へ曳航す
る。
【0013】このように、本発明では作業台船20を防
波装置1と岸壁Bとにより取り囲み、内部水域19が波
浪の影響を受けないようにしているので、作業環境が静
穏に保持される結果、作業台船が波浪の影響で揺動する
ことによる作業員の船酔いを防止し、作業能率の向上を
図ることができるし、建造作業を安全に進めることがで
きる。
【0014】また、本発明では作業台船を沈設し固定す
るためのマウンドを築造する必要がないので、マウンド
を築造するための大量の砂や砂利等の材料費および労務
費を含む費用、時間が不要となり、マウンドを存在させ
ておくことにより港湾本来の機能を阻害する不具合を解
消することもできる。
【0015】さらに、本発明ではフロート構造で筒型の
周囲の一部分に開口部3を設け、この開口部3に開閉自
在にゲート35を取り付けた防波装置1の、前記ゲート
35が岸壁Bに干渉しない位置に配置し、防波装置1の
フロートに荷重水を注入して沈下させ、防波装置1を固
定する。そして、開口部3に設けられたゲート35を開
け、防波装置1の内部水域19に作業台船20を入れ、
ゲート35を閉じる。これにより、防波装置1の内部水
域19は波浪の影響を受けず、静穏に保たれる。
【0016】ついで、作業台船20を浮上させた状態で
その作業台上で常法により水中構造物を建造する。前記
水中構造物を自力で浮上できる所定の高さまで建造後、
作業台船20のフロートに荷重水を注入し、作業台船2
0を沈下させ、作業台上に海水を入れ、水中構造物を浮
上させる。また、防波装置1の前記ゲート35を開け、
作業台船20の前記作業台上に浮上させた水中構造物を
防波装置1の開口部3を通じて外部に取り出し、係留場
所または設置場所へ曳航する。
【0017】前述のごとく、建造された水中構造物を防
波装置1の外部へ取り出した後、防波装置1のゲート3
5を閉じる。
【0018】以上のように、本発明では作業台船20の
周囲を筒型で、開口部3にゲート35を設けた防波装置
1により取り囲み、内部水域19が波浪の影響を受けな
いようにしているので、作業環境が静穏に保持される結
果、作業台船が波浪の影響で揺動することによる作業員
の船酔いを防止し、作業能率の向上を図ることができる
し、建造作業を安全に進めることができる。
【0019】また、本発明においても作業台船を沈設し
固定するためのマウンドを築造する必要がないので、マ
ウンドを築造するための大量の砂や砂利等の材料費およ
び労務費を含む費用、時間が不要となり、マウンドを存
在させておくことにより港湾本来の機能を阻害する不具
合を解消することができる。
【0020】さらに、本発明では防波装置1の開口部3
に開閉自在に取り付けたゲート35を開け、開口部3を
通じて防波装置1内に作業台船20を入れたり、建造さ
れた水中構造物を防波装置1の外部に取り出したりする
ことができるので、これらの作業を簡便に行うことがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1〜図7は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は建造設備全体の縦断側面図、図2は図1の
平面図、図3〜図7は水中構造物の一例としてケーソン
を建造する場合の過程を示す縦断側面図である。
【0023】これらの図に示す第1実施例では、防波装
置1と、作業台船20とを備えている。
【0024】前記防波装置1は、図2に示すように、側
壁2A,2B,2Cで3辺を囲み、平面から見てコ字型
の筒型に形成されており、他の1辺に開口部3が設けら
れている。
【0025】前記防波装置1の側壁2A,2B,2C
は、図1に示すように、それぞれ所定の間隔をおいて設
置された外壁板4および内壁板5と、底板6と、天端板
7とにより密閉されたフロートである空間部8が構成さ
れている。この空間部8の内部には、補強材9が取り付
けられ、上部には荷重水の注排水口(図示せず)が設け
られている。また、底板6には防波装置1を固定するた
めの刃先10が設けられている。さらに、天端板7の外
側には、この天端板7と同一平面上に、ケーソン建造用
の資材等を載置するための補助作業台11が取り付けら
れており、この補助作業台11は支持桁12により支持
されている。そして、この実施例では側壁2A〜2Cの
うちの一つの側壁2Aに、資材等を運搬するための荷役
装置13が設置されている。この荷役装置13には、マ
スト14の上部にクレーン本体15を搭載したクレーン
が用いられている。
【0026】前記防波装置1の開口部3には、底部に下
横桁16が固定され、上部には着脱自在に上横桁17が
装着されている。また、防波装置1の左右側壁2A,2
Cにおける開口部3側の端面には、止水装置18が取り
付けられている。この止水装置18には、ゴム製のリッ
プ式または中空式等のものが使用される。
【0027】そして、前記防波装置1の開口部3を岸壁
Bの壁面に当接させることにより、防波装置1の側壁2
A,2B,2Cにより3辺が囲まれ、岸壁Bの壁面によ
り他の1辺が囲まれ、かつ止水装置18でシールされて
海中Wから隔離された内部水域19が確保されるように
なっている。
【0028】前記作業台船20は、図1に示すように、
作業台21である上板と、底板22と、周囲の側板23
とにより囲まれた船内24を有するフロート構造に構成
されている。前記船内24は、補強桁25により補強さ
れている。前記作業台21には、船内24に連通する注
排水口(図示せず)が設けられている。この注排水口に
は、ポンプ(図示せず)に接続されたホース26が差し
込まれている。
【0029】前記第1実施例の水中構造物の建造設備
は、次のように使用され、作用する。
【0030】まず、岸壁Bの近傍に作業台船20を配置
し、フロート構造で平面から見てコ字型の筒型に形成さ
れかつ1辺に開口部3を有する防波装置1の、前記開口
部3を岸壁B側に向け、この開口部3を通じて前記作業
台船20を中に入れるようにして防波装置1を岸壁Bに
接近させ、防波装置1の開口部3を岸壁Bの壁面に当接
させるとともに、止水装置18により岸壁Bの壁面と防
波装置1の開口部3側の端面とをシールし、防波装置1
を設置する。
【0031】ついで、防波装置1の側壁2A〜2Cのフ
ロートである空間部8に荷重水(海水W′)を注入し、
防波装置1の荷重を増大させて沈下させ、防波装置1の
側壁2A〜2Cの底板6に設けられた刃先10を海底A
に差し込み、防波装置1を固定する。これにより、作業
台船20の周囲が防波装置1と岸壁Bの壁面とにより取
り囲まれ、防波装置1の内部水域19は波浪の影響を受
けず、静穏に保持される。
【0032】ついで、防波装置1に設置された荷役装置
13を使用し、岸壁Bから防波装置1の天端板7および
補助作業台11上に、ケーソン建造用の内,外型枠や鉄
筋等の資材を積み込んで準備する。
【0033】その後、図3に示すように、作業台船20
を浮上させた状態で、作業台船20の作業台21上で常
法によりケーソンの底版コンクリートに相当する第1ロ
ット27を建造する。この段階では、作業台船20に十
分な浮力があるので、作業台船20が水中に全没するこ
とはない。
【0034】続いて、図4および図5に示すように、作
業台船20の作業台21上でケーソンの側壁に相当する
第2ロット28,第3ロット29,第4ロット30と順
次建造して行く。前記第2ロット28を建造した段階で
は、図4から分かるように、作業台船20に十分な浮力
があるので、作業台船20が水中に全没しないが、第3
ロット29を建造した段階ではこれまで建造されたケー
ソンの重量が作業台船20の浮力に打ち勝って作業台船
20が水没して行き、作業台21上に海水が越流して来
る。そして、ケーソン31が自力で浮上できる所定の高
さに相当する第4ロット30まで建造した段階では、ケ
ーソン31の底版に作用する海水の浮力により自力で浮
上可能となる。
【0035】前述のごとく、ケーソン31を所定の高さ
まで建造した段階で、図6に示すように、防波装置1の
側壁2A,2B,2Cのフロートを構成している空間部
8の荷重水である海水W′を注排水ポンプで汲み出し、
フロートの浮力を増大させ、防波装置1を浮上させる。
ついで、防波装置1を例えばタグボート32により岸壁
Bから引き離す方向に曳航し、ケーソン31を海中Wに
解放する。
【0036】そして、図7に示す台船33上に装備され
た注排水ポンプ34と、これに接続されたホース26と
を介して作業台船20の船内24に荷重水として海水
W′を入れ、同じく図7に示すように、作業台船20を
沈下させ、ケーソン31を自力で浮上させ、作業台船2
0からケーソン31を切り離し、そのケーソン31を係
留場所または設置場所に曳航する。
【0037】その後、前記注排水ポンプ34により作業
台船20の船内24の海水W′を汲み出し、作業台船2
0の浮力を増大させ、海面上に浮上させる。ついで、再
び防波装置1の開口部3を岸壁B側に向け、作業台船2
0を開口部3から入れるようにして防波装置1を接岸さ
せ、開口部3を岸壁Bの壁面に当接させた状態で防波装
置1を固定し、次のケーソンの建造に備える。
【0038】以上説明したところからも分かるように、
この第1実施例ではフロート構造で平面から見てコ字型
の筒型でかつ1辺に開口部3を有する防波装置1の、前
記開口部3を岸壁Bの壁面に当接させ、周囲が前記防波
装置1と岸壁Bの壁面で取り囲まれた内部水域19に作
業台船20を収納し、ケーソン31を建造するようにし
ているので、作業環境を静穏状態に保持することができ
る。したがって、波浪により作業台船が揺動し、作業員
が船酔いすることによる作業能率の低下を防止すること
ができるし、ケーソン31の建造作業を安全に進めるこ
とができる。
【0039】また、この第1実施例によれば作業台船を
沈設し、固定するためのマウンドを築造する必要がない
ので、マウンドを築くための材料費や労務費等の費用、
および時間を全て削減できるし、マウンドが存在するこ
とにより港湾本来の機能を阻害する不具合を解消するこ
ともできる。
【0040】さらに、この第1実施例では防波装置1
を、1辺に開口部3を有する平面から見てコ字型の筒型
で、フロート構造に構成すれば足り、形状および構造を
単純化しているので、防波装置1の製造コストを低減す
ることができる。
【0041】しかも、この第1実施例では防波装置1の
天端板7の外側に、この天端板7と同一平面上に補助作
業台11を取り付け、かつ防波装置1にクレーン等の荷
役装置13を設置しており、この荷役装置13を使用し
て岸壁Bから補助作業台11上にケーソン建造用の内,
外型枠や鉄筋等の資材を運搬して載置し、その資材を用
いてケーソン31を建造することができるので、作業の
省力化,能率化を図ることが可能となる。
【0042】次に、図8〜図10は本発明の第2実施例
を示すもので、図8は建造設備全体の縦断側面図、図9
は図8の平面図、図10はケーソン建造後、ゲートを開
いた状態の縦断側面図である。
【0043】これらの図に示す第2実施例では、フロー
ト構造で平面から見てコ字型の筒型に形成された防波装
置1の1辺に開口部3が設けられ、この開口部3にゲー
ト35が取り付けられている。
【0044】前記ゲート35は、空間部36を有するフ
ロート構造に形成されており、注排水口(図示せず)を
介して空間部36に荷重水を注入または排出し得るよう
になっている。また、ゲート35は開口部3の下部に取
り付けられた下横桁16に蝶番37を介して開閉自在に
設けられている。さらに、ゲート35は左右側壁2A,
2Cの天端板7上に設置された開閉操作装置38に連結
されている。
【0045】前記ゲート35の開閉操作装置38は、ウ
インチ39からワイヤ40を引き出し、その端部をワイ
ヤ接続具41を介してゲート35の天端板に結合して構
成されている。
【0046】この第2実施例の他の構成については、防
波装置1の左右側壁2A,2Cの端面の止水装置18が
省略されている外は、前記第1実施例と同様である。
【0047】ところで、この第2実施例の建造設備で
は、平面から見てコ字型の筒型に形成された防波装置1
のゲート35を有する開口部3を非岸壁側に向け、ゲー
ト35が岸壁Bに干渉しないように配置する。
【0048】そして、防波装置1の側壁2A〜2Cのフ
ロートである空間部8に荷重水を注入し、防波装置1を
沈下させ、刃先10を海底Aに差し込み、防波装置1を
固定する。
【0049】また、ゲート35の開閉操作装置38を開
方向に駆動し、ゲート35を開け、開口部3から防波装
置1内に作業台船20を入れ、ついで前記開閉操作装置
38を閉方向に駆動し、ゲート35を閉じ、図8に示す
ように、防波装置1の内部水域19に作業台船20を浮
かべ、作業台21上で所期のケーソン31を建造する。
【0050】ケーソン31を自力で浮上できる所定の高
さまで建造後、ゲート35の開閉操作装置38を開方向
に駆動し、図10に示すように、ゲート35を開ける。
ついで、ホース26を通じて作業台船20の船内24に
荷重水を入れ、作業台船20を沈下させ、ケーソン31
を浮上させ、防波装置1の開口部3よりケーソン31の
み取り出し、曳航する。
【0051】その後、ゲート35の開閉操作装置38を
閉方向に駆動し、ゲート35を閉じ、またホース26を
通じて作業台船20の船内24の荷重水を汲み出し、作
業台船20を再び浮上させ、次のケーソン建造に備え
る。
【0052】以上説明したように、この第2実施例では
フロート構造で平面から見てコ字型の筒型をなし、かつ
1辺に設けられた開口部3に開閉自在にゲート35を取
り付けた防波装置1により取り囲まれた内部水域19に
作業台船20を収納し、ケーソン31を建造するように
しているので、前記第1実施例と同様、作業環境を静穏
状態に保持することができ、したがって波浪の影響で作
業台船20が揺動することに起因する不具合を未然に防
止することができる。
【0053】また、この第2実施例においても、作業台
船を沈設し固定するためのマウンドを築く必要がないこ
と、前記第1実施例と同様である。
【0054】さらに、この第2実施例によればゲート3
5を閉じた状態では防波装置1のみで内部水域19を確
保できるので、岸壁Bの近傍に限らず、適宜の場所を選
定して防波装置1を設置し、使用することも可能であ
る。
【0055】さらにまた、この第2実施例では開閉自在
のゲート35を備えているため、防波装置1を移動させ
ることなく、ゲート35を開け、開口部3を通じて防波
装置1内に作業台船20を入れたり、建造されたケーソ
ン31を取り出すことができるので、これらの作業を簡
便に行うことが可能である。
【0056】なお、本発明では防波装置1の形状は、第
1,第2実施例に示すごとき平面から見てコ字型に限ら
ず、C字型や多角型等に形成してもよい。
【0057】また、防波装置1の側壁を上部から下部に
至る全体をフロート構造に構成するものに限らず、上下
方向の途中までフロート構造に構成してもよい。さら
に、ゲート35は必ずしもフロート構造にする必要がな
い。さらに、図示のゲ−ト35はその下端が蟠番により
開閉が可能であるが、このゲ−ト35は左右のいずれか
に蟠番構造を有して左右に開閉できる構造でも良い。さ
らに、ゲ−ト35が浮体構造の場合、ゲ−トが防波装置
1から取外し可能であっても良い。
【0058】しかも、本発明はケーソンの建造設備に限
らず、他の水中構造物の建造設備にも適用することがで
きる。
【0059】さらには、作業台船も図面に示す実施例に
限らず、従来用いられているドルフィンドックや、フロ
ーティングドック等、建造すべき水中構造物に適合する
ものを選択して使用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の発明ではフロート構造で平面から見てコ字型の筒
型でかつ1辺に開口部3を有する防波装置1の、前記開
口部3を岸壁Bの壁面に当接させ、周囲が前記防波装置
1と岸壁Bの壁面で取り囲まれた内部水域19に作業台
船20を収納し、所期の水中構造物を建造するようにし
ているので、作業環境を静穏状態に保持することがで
き、したがって波浪により作業台船が揺動し、作業員が
船酔いすることによる作業能率の低下を防止し得る効果
があり、水中構造物の建造作業を安全に遂行し得る効果
を有する外、作業台船を沈設し固定するためのマウンド
を築造する必要がないので、マウンドを築くための材料
費や労務費等の費用、および時間を全て削減できる効果
があり、マウンドが存在することにより港湾本来の機能
を阻害する不具合を解消し得る効果もある。
【0061】さらに、本発明の請求項2記載の発明によ
れば、フロート構造で筒型の周囲の一部分に開口部3を
設け、この開口部3に開閉自在にゲート35を取り付け
た防波装置1を設置し、この防波装置1の内部水域19
に、水中構造物建造用の作業台船20を収納しているの
で、作業環境を静穏状態に保持し得る効果を有し、作業
台船を沈設し固定するためのマウンドの築造を不要とな
し得る効果を有する外、ゲート35を閉じた状態では防
波装置1のみで静穏な内部水域19を確保できるので、
岸壁Bの近傍に限らず、適宜の場所を選定して防波装置
2を設置し、使用し得る効果があり、開閉自在のゲート
35を備えているため、防波装置1を移動させることな
く、ゲート35を開け、開口部3を通じて防波装置1内
に作業台船20を入れたり、建造された水中構造物を取
り出すことができるので、これらの作業を簡便に行い得
る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】第1実施例においてケーソンの建造過程を示す
縦断側面図である。
【図4】図3に続くケーソンの建造過程を示す縦断側面
図である。
【図5】図4に続くケーソンの建造過程を示す縦断側面
図である。
【図6】図5に続くケーソンの建造過程を示す縦断側面
図である。
【図7】図6に続くケーソンの建造過程を示す縦断側面
図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す縦断側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】第2実施例における作用状態の縦断側面図で
ある。
【図11】従来技術の一例を示す縦断面図である。
【図12】従来技術の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 防波装置 2A〜2C 防波装置の側壁 3 防波装置の開口部 8 防波装置のフロートである空間部 11 防波装置の補助作業台 13 荷役装置 19 防波装置の内部水域 20 作業台船 21 作業台 24 作業台船のフロートである船内 31 建造されたケーソン 35 ゲート 36 ゲートのフロートである空間部 37 ゲートの蝶番 38 ゲートの開閉操作装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロート構造で筒型の周囲の一部分に開
    口部3を設けた防波装置1と、水中構造物建造用の作業
    台船20とを備え、前記開口部3を岸壁Bの壁面に当接
    させて防波装置1を設置し、この防波装置1の内部水域
    19に前記作業台船20を収納したことを特徴とする水
    中構造物の建造設備。
  2. 【請求項2】 フロート構造で筒型の周囲の一部分に開
    口部3を設け、かつ前記開口部3に開閉自在にゲート3
    5を取り付けた防波装置1と、水中構造物建造用の作業
    台船20とを備え、前記ゲート35が岸壁Bに干渉しな
    い位置に防波装置1を設置し、この防波装置1の内部水
    域19に前記作業台船20を収納したことを特徴とする
    水中構造物の建造設備。
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