JP2023131723A - 起伏ゲート設置方法および起伏ゲート - Google Patents

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Toshiaki Mori
史明 硴塚
Shiro Kakizuka
森香 大村
Morika Omura
史都 大沼
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Abstract

【課題】起伏ゲートの沈設作業の複雑化を抑制しつつ、沈設時の水圧により函体に作用する力を低減する。【解決手段】起伏ゲート設置方法は、函体2の内部において水密隔壁によって区画された空所に空気供給部44から空気を供給し、空所の圧力を大気圧よりも高い沈設時圧力に維持する工程と、空所の圧力を沈設時圧力に維持した状態で起伏ゲート1を沈降させて水底に設置する工程と、を備える。これにより、起伏ゲート1の沈設作業の複雑化を抑制しつつ、沈設時の水圧により函体2に作用する力を低減することができる。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 日本海事検定協会向け説明会(令和3年10月13日) 〔刊行物等〕 兵庫県向け説明会(令和3年10月18日) 〔刊行物等〕 日本海事検定協会向け説明会(令和3年11月12日) 〔刊行物等〕 福良港 煙島水門 工場完成見学会(令和3年11月24日~26日) 〔刊行物等〕 https://www.hitachizosen.co.jp/newsroom/news/assets/pdf/20f138625038f5ddf9ef3130e45ac89a.pdf(令和3年11月26日) 〔刊行物等〕 株式会社テレビ東京 「知られざるガリバー」(放送日:令和3年12月25日、取材日:令和3年12月7日) 〔刊行物等〕 福良港 煙島水門 出渠見学会(令和3年12月13日) 〔刊行物等〕 出荷および設置(日立造船株式会社堺工場~福良港)(令和3年12月13日~16日) 〔刊行物等〕 福良港 煙島水門 現地説明会(令和3年12月16日)
本発明は、水底設置型の起伏ゲートおよびその設置方法に関する。
近年、津波または高潮等が港湾等に流入することを防止するために、港湾等の出入口の水底に起伏ゲートが設けられている。例えば、特許文献1の水底設置型の起伏ゲートは、水底に設置される函体と、当該函体に取り付けられる扉体とを備える。扉体は、函体上面に設けられた凹部内に倒伏状態にて収容される。倒伏状態の扉体の内部には空気が貯留されており、当該扉体は、起立しないように上記凹部内に係留されている。扉体の係留が解除されると、扉体は、その浮力により、函体に設けられた回転軸を中心として回動して起立する。
このような起伏ゲートを設置する際には、通常、工場にて製造された起伏ゲートを、フローティングクレーン等によって吊り上げて海上の台船上に載置する。そして、当該台船をタグボート等で曳航することにより、起伏ゲートが設置予定海域へと海上輸送される。当該海域に台船が到着すると、起伏ゲートは、フローティングクレーン等によって吊り上げられて海面へと下ろされ、函体内に注水されることにより海底へと沈降する。起伏ゲートが海底に到達すると、函体内にコンクリートが打設され、起伏ゲートが海底に設置される。ただし、このような起伏ゲートは比較的新しい技術であるため、起伏ゲートの設置に関する知見は多くない。
一方、特許文献2では、海底に設置されるケーソンの沈設方法が提案されている。具体的には、まず、ケーソンを沈設する前に、ケーソン内部に複数の仮壁が高さ方向に設置され、高さ方向に並ぶ複数の圧力調節室が形成される。続いて、各圧力調節室に空気を供給するコンプレッサが、ケーソン上等に設置される。次に、圧力調節室内部に注水すると同時に、ケーソンの喫水面とケーソン内部の注水面との内外水位差の分布に対応させて、複数の圧力調節室内の圧力を階段状に制御しながらケーソンを沈降させる。これにより、ケーソン側壁に作用する外力の低減、および、これに伴うケーソン側壁の厚さの低減が図られている。
特開2019-044351号公報 特開2002-105966号公報
ところで、特許文献2のケーソンの沈設方法では、圧力調節室内の圧力を沈降深度に合わせて逐次制御する必要がある。また、当該沈設方法では、圧力制御用のコンプレッサをケーソン上等に設置し、使用後に撤去する必要がある。したがって、当該沈設方法を起伏ゲートの沈設に流用した場合、起伏ゲートの沈設作業が複雑化するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、起伏ゲートの沈設作業の複雑化を抑制しつつ、沈設時の水圧により函体に作用する力を低減することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、水底設置型の起伏ゲートを設置する起伏ゲート設置方法であって、前記起伏ゲートは、上面に凹部であるピットが設けられた函体と、後端部にて前記函体に接続され、幅方向に延びる回転軸を中心として回動することにより起立および倒伏するとともに倒伏状態において前記ピット内に収容される扉体と、前記ピットの幅方向の両側において前記函体上に立設されるとともに起立状態の前記扉体の幅方向の両側の空間を閉鎖する一対の閉鎖側壁部と、空気供給部とを備え、前記起伏ゲート設置方法は、a)前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に前記空気供給部から空気を供給し、前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持する工程と、b)水面に浮かんだ状態の前記起伏ゲートをクレーンにて補助的に支持しつつ、前記函体の内部において水密隔壁によって区画された複数の水バラスト区画、および、前記ピットに注水し、前記空所の圧力を前記所定圧力に維持した状態で前記起伏ゲートを沈降させて水底に設置する工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の起伏ゲート設置方法であって、前記b)工程において、前記空所の圧力が監視される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の起伏ゲート設置方法であって、前記空気供給部は、前記空所内の空気よりも高圧の空気が貯留される空気槽と、前記空気槽と前記空所とを接続する配管と、前記配管上に設けられる減圧弁および排気弁とを備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、c)前記b)工程よりも前に、前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に前記空気供給部から空気を供給し、前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持した状態で、水面に浮かんだ前記起伏ゲートを設置水域へと曳航する工程をさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の起伏ゲート設置方法であって、前記c)工程において、前記空所の圧力が、前記起伏ゲートから離れた位置にて遠隔監視される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、前記b)工程において、水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態で、前記ピットに対する注水が完了する。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、前記b)工程は、b1)水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態を維持しつつ、前記複数の水バラスト区画のうち一部の水バラスト区画に注水した後、前記起伏ゲートを沈降させる工程と、b2)前記b1)工程よりも後に、水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態を維持しつつ、前記複数の水バラスト区画のうち残りの水バラスト区画に対する注水が行われる工程とを備える。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、前記b)工程において、前記クレーンに加わる荷重の中心が、所定の吊り下げ可能範囲内に常時位置するように、前記複数の水バラスト区画および前記ピットへの注水を行う。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、前記函体の周囲の複数箇所に、ドラフトマークまたは喫水計測用のセンサが設けられる。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、d)前記b)工程よりも後に、前記空気供給部から倒伏状態の前記扉体の内部に空気を供給して貯留させ、起立モーメントが生じた前記扉体を前記ピット内に係留する工程をさらに備える。
請求項11に記載の発明は、水底設置型の起伏ゲートであって、上面に凹部であるピットが設けられた函体と、後端部にて前記函体に接続され、幅方向に延びる回転軸を中心として回動することにより起立および倒伏するとともに倒伏状態において前記ピット内に収容される扉体と、前記ピットの幅方向の両側において前記函体上に立設されるとともに起立状態の前記扉体の幅方向の両側の空間を閉鎖する一対の閉鎖側壁部と、前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に空気を供給して前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持する空気供給部とを備え、前記空気供給部は、前記空所内の空気よりも高圧の空気が貯留される空気槽と、前記空気槽と前記空所とを接続する配管と、前記配管上に設けられる減圧弁および排気弁とを備える。
本発明では、起伏ゲートの沈設作業の複雑化を抑制しつつ、沈設時の水圧により函体に作用する力を低減することができる。
一の実施の形態に係る起伏ゲートの斜視図である。 起伏ゲートの側面図である。 起伏ゲートの平面図である。 起伏ゲートの側面図である。 起伏ゲートの設置の流れを示すフローチャートである。 起伏ゲートの設置の流れを示すフローチャートである。 起伏ゲートの斜視図である。 起伏ゲートの斜視図である。 起伏ゲートの側面図である。 起伏ゲートの平面図である。 起伏ゲートの側面図である。 起伏ゲートの側面図である。 空気供給部および空所を示す模式図である。 タグボートおよび起伏ゲートの平面図である。 タグボートおよび起伏ゲートの平面図である。 起伏ゲートの側面図である。 空気供給部および扉体を示す模式図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る起伏ゲート1を示す斜視図である。図2は、起伏ゲート1を示す側面図である。図2では、後述する函体2の一部および一対の閉鎖側壁部41,42の図示を省略し、ピット21を断面にて示している(後述する図8、図10および図11においても同様)。図3は、起伏ゲート1を示す平面図である。起伏ゲート1は、津波や高潮等が港湾や水路等に流入することを防止するために、港湾や水路等の出入口の水底に設けられる水底設置型の起伏ゲートである。本実施の形態では、起伏ゲート1は、港口の海底に設置され、港口からの浸水対策に利用される。
図1ないし図3では、図1中の左下側、図2中の左側および図3中の左側が、沖側(すなわち、増水時に海水が流入してくる側)である。以下の説明では、当該沖側を「前側」とも呼び、沖側の反対側である港側を「後側」とも呼ぶ。すなわち、図2中の左側および右側がそれぞれ、「前側」および「後側」であり、図2中の左右方向が「前後方向」である。また、以下の説明では、図2中の上下方向を単に「上下方向」とも呼び、図2中の紙面に垂直な方向を「幅方向」とも呼ぶ。前後方向、幅方向および上下方向は、互いに垂直である。上下方向は、重力方向に対して略平行である。
起伏ゲート1は、函体2と、扉体3と、一対の閉鎖側壁部41,42と、空気供給部44とを備える。函体2は、例えば、鋼板等を溶接することにより形成された略直方体状の構造物であり、水底に設けられた基礎(以下、単に「水底」とも呼ぶ。)上に設置される。具体的には、函体2の内部空間にコンクリートが間詰材として打設され、起伏ゲート1の自重により、水底上における函体2の位置が固定される。なお、上述の間詰材はコンクリートには限定されず、砂や砕石等の他の材料が当該間詰材として利用されてもよい。
函体2の平面視における形状は、例えば略矩形である。函体2の上面には、上方に向かって開口する凹部であるピット21が設けられる。ピット21の平面視における形状は、例えば略矩形である。図3に示す例では、ピット21は、平面視において函体2の中央よりも後側に偏った位置に配置される。
函体2の平面視における前後方向および幅方向の大きさはそれぞれ、例えば数十mである。ピット21の平面視における前後方向の大きさは例えば十数mであり、幅方向の大きさは例えば数十mである。ピット21は、函体2を貫通する貫通孔ではなく、ピット21の深さ(すなわち、函体2の上面22からピット21の底面までの上下方向の距離)は、例えば、函体2の上下方向の高さ(以下、単に「高さ」とも呼ぶ。)の約2/3である。函体2の高さは、例えば数mである。
扉体3は、例えば、鋼板等を溶接することにより形成された略直方体状の部材である。図1ないし図3では、水底にて倒伏した状態の扉体3を描いている。倒伏状態の扉体3は、函体2のピット21内に収容される。倒伏状態の扉体3の上面は、函体2の上面22と上下方向の略同じ位置に位置する。扉体3の後端部(すなわち、図2中の右側の端部)は、函体2に接続される。具体的には、扉体3の後端部には回転軸33が設けられ、回転軸33は函体2のピット21内において、函体2に対して回転可能に接続される。回転軸33は、ピット21内において幅方向に延びる。扉体3は、回転軸33を中心として回動することにより起立および倒伏する。図2では、起立状態の扉体3を二点鎖線にて描く。
扉体3の前端部は、扉体3の回動における自由端部であり、扉体3の後端部は、扉体3の回動における固定端部(すなわち、支持端部)である。以下の説明では、幅方向に垂直、かつ、扉体3に沿って扉体3の後端部と前端部とを結ぶ方向を、扉体3の「長手方向」とも呼ぶ。倒伏状態の扉体3では、当該長手方向は、前後方向と略一致する。なお、回転軸33は函体2の一部として設けられてもよい。この場合、扉体3は、回転軸33に回転可能に接続される。
一対の閉鎖側壁部41,42は、例えば、鋼板等を溶接することにより形成された略直方体状の構造物である。一対の閉鎖側壁部41,42は、ピット21の幅方向の両側において、函体2の上面22上に立設される。図3中の上側の閉鎖側壁部41の幅方向内端(すなわち、図3中の下端)は、ピット21の幅方向の端縁と、幅方向において略同じ位置に位置する。図3中の下側の閉鎖側壁部42の幅方向内端(すなわち、図3中の上端)は、ピット21の幅方向の端縁と、幅方向において略同じ位置に位置する。なお、一対の閉鎖側壁部41,42の幅方向内端は、ピット21の幅方向の端縁から幅方向に離間していてもよい。
一対の閉鎖側壁部41,42はそれぞれ、ピット21よりも前後方向に長い。図3に示す例では、函体2の上面22上において、一対の閉鎖側壁部41,42のそれぞれの後端は、ピット21の後縁よりも後側に位置し、函体2の後端と前後方向において略同じ位置に位置する。また、函体2の上面22上において、一対の閉鎖側壁部41,42のそれぞれの前端は、ピット21の前縁と前後方向において略同じ位置に位置し、函体2の前端よりも後側に位置する。
図3に示す例では、一対の閉鎖側壁部41,42は、平面視において起伏ゲート1の幅方向の中心を通って前後方向に延びる中心線に対して非対称である。具体的には、一方の閉鎖側壁部41の幅方向の幅(以下、単に「幅」とも呼ぶ。)は、他方の閉鎖側壁部42の幅よりも大きい。また、函体2の上面22からの閉鎖側壁部41の高さは、函体2の上面22からの閉鎖側壁部42の高さよりも高い。閉鎖側壁部41の前後方向の長さは、閉鎖側壁部42の前後方向の長さと略同じである。閉鎖側壁部41の前端および後端の前後方向における位置は、閉鎖側壁部42の前端および後端の前後方向における位置と略同じである。なお、閉鎖側壁部41および閉鎖側壁部42の幅は同じであってもよい。また、閉鎖側壁部41および閉鎖側壁部42の高さは同じであってもよい。閉鎖側壁部41および閉鎖側壁部42の前後方向の長さや位置は、適宜変更されてよい。
一対の閉鎖側壁部41,42の上部はそれぞれ、水面よりも上側に突出している。図1に示す例では、閉鎖側壁部41の上部の内部空間は、扉体3の起立および倒伏に係る各種装置が配置される制御室43である。制御室43には、例えば、空気供給部44が設けられる。制御室43には、例えば、後述する係留部24等を制御する制御部(図示省略)も設けられる。
扉体3の内部には、空気供給部44から供給される空気を貯留可能な空間である扉体浮力室(図示省略)が設けられる。倒伏状態の扉体3では、扉体浮力室に空気が貯留されることにより、扉体3の浮力等のように扉体3を浮上させる方向に働く力が、扉体3の重量等のように扉体3を沈降させる方向に働く力よりも大きくなっている。以下の説明では、扉体3を浮上させる方向に働く力から、扉体3を沈降させる方向に働く力を減算したものを「浮上力」という。倒伏状態の扉体3では、当該浮上力が正であるため、扉体3を起立させる方向に働くモーメント(以下、「起立モーメント」とも呼ぶ。)が生じている。なお、扉体3に設けられる扉体浮力室の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
倒伏状態の扉体3は、図2に示すように、函体2のピット21内に設けられた係留部24により、ピット21内に(すなわち、水底に)係留される。これにより、意図しない扉体3の起立が防止される。係留部24は、例えば、ピット21の前壁に設けられ、フック部材等により扉体3の前端部を係止する。図3に示す例では、幅方向に並ぶ4つの係留部24が設けられる。なお、係留部24の数および配置は適宜変更されてよい。
津波等に対応して扉体3を起立させる際には、上述の制御部により係留部24が駆動され、扉体3の係留状態が解除される。これにより、扉体3は、回転軸33を中心として図2中における時計回り方向にある程度回動し、扉体3の前端部が水面上に突出する。そして、扉体3に向かって沖側(すなわち、前側)から海水が流れ込むと、扉体3に作用する起立モーメントが大きくなり、図4に示すように扉体3が起立状態となる。これにより、扉体3よりも沖側から港側への海水の流入が抑制され、港内の水位上昇が抑制される。起立状態の扉体3の前端部(すなわち、図4中の上端部)は、扉体3よりも沖側の水面91から上方に突出している。また、起立状態の扉体3は、テンションロッド34により支持される。起立状態の扉体3と水平面との成す角度は、0度よりも大きく、かつ、90度以下の範囲で適宜設定されてよい。
図4では、扉体3の奥側に位置する閉鎖側壁部41を細線にて図示する。起立状態の扉体3は、一対の閉鎖側壁部41,42の間に位置する。起立状態の扉体3の幅方向の両端面は、例えば、一対の閉鎖側壁部41,42の幅方向内側の側壁に接触する。なお、起立状態の扉体3の幅方向の両端面と、一対の閉鎖側壁部41,42の幅方向内側の側壁との間には、僅かな間隙が存在していてもよい。換言すれば、起立状態の扉体3は、一対の閉鎖側壁部41,42によって幅方向の両側から挟み込まれ、当該扉体3の幅方向の両側の空間は、一対の閉鎖側壁部41,42によって閉鎖される。扉体3と一対の閉鎖側壁部41,42との接触部は、好ましくは水密にシールされる。起立状態の扉体3の上端は、閉鎖側壁部41の上端および閉鎖側壁部42の上端よりも下側に位置する。
扉体3よりも沖側の水面91が下がり始めると、水面91の低下に従って扉体3も徐々に倒伏する。換言すれば、扉体3は、回転軸33を中心として図4中における反時計回り方向に回動する。扉体3の沖側と港側との水位差が無くなると(すなわち、扉体3の前後の水位差が無くなると)、扉体3は、起立状態と倒伏状態との間の位置にて、前端部を水面91上に突出させた状態で停止する。その後、扉体3に設けられている図示省略の排気部が、上述の制御部により開放され、水面91よりも下方に位置する図示省略の開口から上述の扉体浮力室に水が流入する。扉体浮力室内の空気は、上記排気部から排出される。扉体浮力室内の空気が水に置換されることにより、扉体3はさらに倒伏し、図2に示すように、倒伏状態となってピット21内に収容される。このとき、テンションロッド34は、折り畳まれて扉体3の下方に収容される。扉体3が倒伏状態となると、空気供給部44から扉体浮力室に空気が供給されて貯留され、扉体3は、起立モーメントが作用している状態で係留部24によって係留される。
図1ないし図3に示す例では、扉体3を1つの部材として描いているが、扉体3は、幅方向に並ぶ複数の部材に分割されていてもよい。この場合、当該複数の部材をそれぞれ扉体と捉えると、一対の閉鎖側壁部41,42の間に複数の扉体が幅方向に配列される。
次に、図5A、図5B、および、図6ないし図15を参照しつつ起伏ゲート1の設置方法について説明する。図5Aおよび図5Bは、起伏ゲート1の設置の流れを示すフローチャートである。図6ないし図15は、起伏ゲート1の設置の様子を示す図である。
まず、船舶や海洋構造物等の建造に使用されるドック(すなわち、船渠)内において、起伏ゲート1が製造される(ステップS11)。当該ドックは、ゲートが閉じられて排水された状態(すなわち、ドライな状態であり、以下、「排水状態」とも呼ぶ。)である。ステップS11では、まず、函体2および一対の閉鎖側壁部41,42が一繋がりの構造体として製造される。函体2および一対の閉鎖側壁部41,42は、例えば、図示省略の架台(例えば、盤木)上にて製造される。具体的には、複数の架台が函体2の底面に接触し、函体2および一対の閉鎖側壁部41,42を下側から支持する。函体2および一対の閉鎖側壁部41,42の内部の空間は、図6において破線にて例示するように、格子状に設けられた水密隔壁51によって複数の水密区画52に区画される。各水密隔壁51は、前後方向、幅方向または上下方向に略垂直に配置される。水密区画52の数、配置および形状等は様々に変更されてよい。
複数の水密区画52のうち、一部の水密区画52には、ドック内においてコンクリートが打設される。コンクリートが打設される水密区画52の位置は、後述する曳航時等における起伏ゲート1の重心を低くするという観点から、函体2の底面に近いことが好ましい。また、コンクリートが打設される水密区画52の位置は、閉鎖側壁部41と閉鎖側壁部42との大きさ等の違いによるアンバランスや、扉体3の搭載による重心移動を考慮して、起伏ゲート1の重心位置が所望の位置となるように決定される。コンクリートが打設されない複数の水密区画52は、後述する起伏ゲート1の沈設時において、海水が注水される水バラスト区画、または、海水が注水されない空所となる。
ステップS11では、函体2および一対の閉鎖側壁部41,42の製造と並行して、あるいは、当該製造と前後して、扉体3が上記ドック内において製造される。そして、扉体3が函体2上に搭載され、函体2に接続される。扉体3は、倒伏状態で函体2のピット21内に収容される。
続いて、図7ないし図9に示すように、一対の仮設壁部23が、函体2の上面22上に着脱可能に取り付けられる(ステップS12)。一対の仮設壁部23は、略直方体状の部材であり、ピット21の前側および後側において、幅方向に略平行に略直線状に延びる。一対の仮設壁部23は、ピット21の前縁および後縁に沿ってピット21に隣接して配置される。一対の仮設壁部23はそれぞれ、ピット21の全幅に亘って設けられる。図8では、一対の仮設壁部23を断面にて示す(後述する図10および図11においても同様)。また、図9では、図の理解を容易にするために一対の仮設壁部23に平行斜線を付す(後述する図13および図14においても同様)。
一対の仮設壁部23と函体2との接続部は水密である。仮設壁部23と函体2とは、例えば、水密ゴムを間に挟んでボルト締め等により接続される。各仮設壁部23の高さは、一対の閉鎖側壁部41,42よりも低く、例えば約1mである。各仮設壁部23の高さは、適宜変更されてよい。各仮設壁部23は、例えば、幅方向に沿って配列される複数のブロックに分割されている。当該ブロックは、作業員が手作業等で着脱可能な大きさであることが好ましい。
一対の仮設壁部23のうち、ピット21よりも前側の仮設壁部23は、幅方向の両端部において、一対の閉鎖側壁部41,42の前側の側壁と水密に接続される。また、ピット21よりも後側の仮設壁部23は、一対の閉鎖側壁部41,42の幅方向内側の側壁と水密に接続される。これにより、ピット21の上方に、一対の閉鎖側壁部41,42および一対の仮設壁部23により囲まれた略直方体状の空間(以下、「仮設空間25」とも呼ぶ。)が形成される。仮設空間25は、ピット21と上下方向に連続する空間である。仮設壁部23と閉鎖側壁部41,42とは、例えば、水密ゴムを間に挟んでボルト締め等により接続される。
なお、一対の閉鎖側壁部41,42の前端部がピット21の前縁よりも前側に位置している場合、ピット21の前側に位置する仮設壁部23は、一対の閉鎖側壁部41,42の幅方向内側の側壁と水密に接続されてもよい。一方、一対の閉鎖側壁部41,42の後端部が函体2の後端よりも前側に位置している場合、ピット21の後側に位置する仮設壁部23は、一対の閉鎖側壁部41,42の後側の側壁と水密に接続されてもよい。また、ステップS12における一対の仮設壁部23の取り付けは、ステップS11における扉体3の函体2への搭載前に行われてもよい。
一対の仮設壁部23の取り付けが終了すると、起伏ゲート1の試運転が行われる(ステップS13)。ステップS13では、まず、ドックに注水が行われる。図10に示すように、注水終了後のドックの水位(すなわち、水面92の上下方向の位置)は、複数の架台81上に配置された起伏ゲート1の底面26と上面22との間に位置する。図10に示す状態では、起伏ゲート1は水面92上に浮遊しておらず、函体2の底面26は複数の架台81に接触したままである。換言すれば、起伏ゲート1の着底状態は、ドックへの注水後も維持される。なお、ドックに注水する際には、函体2の浮力による前後方向および幅方向における荷重のアンバランスを解消するために、コンクリートが打設されていない1つまたは複数の水密区画52(図6参照)に、バラスト水が注水されてもよい。バラスト水の注水は、例えば、水密区画52の上端面に設けられた開閉可能な注水バルブ等から行われる。
ステップS13では、ドックへの注水と並行して、ピット21および仮設空間25への注水が行われる。当該注水は、上述の制御部により扉体3の上記排気部が閉じられた後に開始され、ピット21内および仮設空間25内の水面93が、函体2の上面22よりも高い所定位置に到達するまで継続される。当該水面93の位置は、各仮設壁部23の上端以下である。倒伏状態の扉体3では、扉体浮力室に空気が貯留されているため、ピット21内および仮設空間25内に注水されることにより起立モーメントが生じる。そして、上述の制御部によって係留部24による扉体3の係留が解除されると、扉体3は、図10に示す倒伏状態から回転軸33を中心として時計回り方向に少し回動し、図11に示すように少し起立した状態となる。このように、排気部の閉鎖、係留部24の係留解除、および、扉体3に正常に起立モーメントが生じて扉体3が起立することが確認されることにより、起伏ゲート1の試運転が終了する。
ステップS13では、上述のように、ピット21および仮設空間25への注水と並行して、ドックへの注水が行われて函体2に浮力が生じているため、ピット21および仮設空間25への注水により複数の架台81に加わる荷重が過大となることが防止される。ステップS13では、ピット21に注入された水が、一対の閉鎖側壁部41,42における複数の水密区画52(図6参照)のうち、ピット21と連通する水密区画52に流入してもよい。例えば、閉鎖側壁部41の前側の1つの水密区画52、および、後側の2つまたは3つの水密区画52に、ピット21から水が流入してもよい。なお、ステップS13では、ピット21および仮設空間25に対する注水は、ドックへの注水が終了した後、または、ドックへの注水前に行われてもよい。
起伏ゲート1の試運転が終了すると、ドックの排水が行われる。また、ドックの排水と並行して、ピット21内および仮設空間25内の水が排水され、扉体3は倒伏してピット21内に収容される。扉体3の上記排気部は開放される。これにより、後述する扉体3の搬送中にピット21内に水が浸入した場合であっても、扉体3の意図に反した起立が防止される。ドックの排水等が終了すると、起伏ゲート1の艤装、および、出渠前の点検等が行われる。
続いて、ドックに対して注水が行われる。これにより、起伏ゲート1は複数の架台81から離れて浮上し、水面に浮かぶ(ステップS14)。起伏ゲート1の喫水は、函体2の底面26と上面22との間に位置し、起伏ゲート1は函体2の浮力により浮かんでいる。なお、起伏ゲート1を浮上させる際には、起伏ゲート1の喫水および姿勢を調整するために、コンクリートが打設されていない1つまたは複数の水密区画52(図6参照)に対して、バラスト水の注水が行われてもよい。例えば、ステップS13においてバラスト水が積載された水密区画52と同じ水密区画52にバラスト水が注入されてもよく、当該水密区画52とは異なる水密区画52にバラスト水が注入されてもよい。以下の説明では、起伏ゲート1の水底への沈降完了までにバラスト水が積載される予定の水密区画52を、「水バラスト区画」とも呼ぶ。
起伏ゲート1が浮上すると、起伏ゲート1の喫水計測が行われ、函体2の喫水および姿勢が所定の値であることが確認される。喫水計測は、例えば、函体2の周囲において外側面の複数箇所(例えば、平面視における函体2の4つの角部)に予め設けられたドラフトマーク(喫水標)を利用して行われる。具体的には、例えば、ボート等に乗船した作業員が函体2の周囲を移動し、ドラフトマークおよび喫水を目視することにより喫水が計測される。あるいは、函体2の周囲の複数箇所に喫水計測用のセンサ(例えば、水位計)が設けられ、当該センサを利用して喫水計測が遠隔にて行われてもよい。本実施の形態では、函体2の上面22が略水平となるように、上記4つの角部における喫水および乾舷が略同じとされる。なお、起伏ゲート1の喫水が所定値からずれている場合、上述の水密区画52に対するバラスト水の注排水が行われて喫水が調整される。
次に、コンクリートが打設されていない水密区画52のうち、バラスト水が積載されていない区画(以下、「空所」とも呼ぶ。)に、図1に示す空気供給部44から大気圧よりも高圧の空気が供給される。当該空所は、気密区画である。これにより、空所の圧力が大気圧よりも高い所定圧力(以下、「曳航時圧力」とも呼ぶ。)に維持される(ステップS15)。当該空所は、函体2等の外壁に面する区画であってもよく、当該外壁に面していない区画であってもよい。当該空所の数は、1つであっても複数であってもよい。以下では、複数の空所に空気が供給されるものとして説明する。
図12は、空気供給部44および空所52aの接続態様の一例を示す模式図である。空気供給部44は、空気槽441と、配管442,449と、減圧弁443と、分岐部444と、排気弁447と、遮断弁448とを備える。空気槽441は、制御室43(図1参照)に配置される。空気槽441は、制御室43に配置された空気供給源440(例えば、コンプレッサ)に接続され、空気供給源440から供給される圧縮空気(すなわち、大気圧よりも高圧の空気)を貯留する。なお、空気供給源440は、起伏ゲート1から離れた陸上施設等に配置されてもよい。また、空気槽441の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
空気槽441に貯留される空気の圧力は、上述の曳航時圧力、および、後述する沈設時圧力よりも高い所定の圧力に維持される。空気槽441の圧力が当該所定の圧力よりも低下すると、空気供給源440により空気槽441に対して圧縮空気が自動的に供給される。空気槽441は、配管442および複数の配管449を介して複数の空所52aとそれぞれ接続される。配管442,449は、例えば、ステップS11において予め設けられる。あるいは、配管442,449は、ステップS13における試運転の後の艤装時に設けられてもよい。
複数の空所52aと空気槽441とを接続する配管442,449上には、分岐部444、遮断弁448、減圧弁443および排気弁447が設けられる。具体的には、空気槽441から延びる配管442の端部に分岐部444が設けられる。分岐部444は、例えば、複数の配管449を1つの配管442に接続する分岐配管または分岐弁である。分岐部444と複数の空所52aとは、複数の配管449によりそれぞれ接続される。各配管449上には、遮断弁448、減圧弁443および排気弁447が、分岐部444側からこの順に配置される。遮断弁448、減圧弁443および排気弁447の配置順は適宜変更されてよい。減圧弁443は、二次側(すなわち、空所52a側)の圧力を、一次側(すなわち、空気槽441側)の圧力よりも低い所定の圧力に維持する。各空所52aには、空気槽441内の圧縮空気が減圧弁443を介して供給される。これにより、各空所52aの圧力は、空気槽441内の空気よりも低圧、かつ、大気圧よりも高圧な上述の曳航時圧力にて略一定に維持される。遮断弁448は、空所52aと空気槽441とが接続されている接続状態では開放されており、遮断弁448が閉じられることにより、空所52aと空気槽441とが非接続状態とされる。排気弁447は、空所52aと空気槽441とが接続されている接続状態では通常、閉鎖されている。空所52a内から大容量の空気が排出される際には、遮断弁448が閉じられ、排気弁447が開放されることにより、空所52a内の空気が排気弁447を介して外部へと放出される。
図12に例示する空気供給部44は、複数の空所52aの圧力をそれぞれ測定可能な複数の圧力センサ445を備える。圧力センサ445は、例えば、配管449上において、空所52aと分岐部444との間に設けられる。圧力センサ445により測定された空所52aの圧力は、起伏ゲート1の外部に設けられた監視装置へと送信される。これにより、各空所52aの圧力が、起伏ゲート1から離れた位置にて遠隔監視可能とされる。
なお、ステップS15は、ステップS14と並行して行われてもよい。あるいは、ステップS15は、ステップS14よりも前に(例えば、ステップS13の試運転時において、ドックへの注水よりも前に)行われてもよい。また、ステップS15では、コンクリートが打設されておらずバラスト水も積載されていない全ての水密区画52が、空気供給部44から空気が供給される空所52aとされてもよく、当該水密区画52のうち一部の水密区画52のみが、空気供給部44から空気が供給される空所52aとされてもよい。
ステップS14,S15が終了すると、水面に浮かんだ状態の起伏ゲート1が、タグボート等によりドックから曳き出され、起伏ゲート1が沈設される予定の水域(以下、「設置水域」とも呼ぶ。)へと曳航される(ステップS16)。ステップS16では、図13に示すように、起伏ゲート1の幅方向の一方側が曳航方向の前方(すなわち、図13中における下方)を向くように、起伏ゲート1がタグボート82,82aに接続されて曳航される。すなわち、一対の閉鎖側壁部41,42は、起伏ゲート1の曳航方向に沿って並ぶ。図13に示す例では、起伏ゲート1の閉鎖側壁部42が曳航方向(すなわち、図13中の上下方向)の前側に位置し、閉鎖側壁部41は曳航方向の後側に位置する。また、一対の仮設壁部23は、起伏ゲート1の曳航方向の左右両側において、曳航方向に略平行に延びる。タグボート82は、起伏ゲート1の曳航方向の前側に位置する主曳船である。タグボート82aは、起伏ゲート1の曳航方向の後側に位置する補助曳船である。
曳航中の起伏ゲート1では、一対の閉鎖側壁部41,42および一対の仮設壁部23により、函体2の上面22上においてピット21の周囲が全周に亘って囲まれる。これにより、函体2の上面22に波が打ち込んだ場合であっても、ピット21への海水の浸入が抑制される。これにより、起伏ゲート1の喫水増加(すなわち、乾舷減少)が抑制されるため、起伏ゲート1の曳航作業の安全性が向上される。また、ピット21内の自由水の影響による起伏ゲート1の初期復原力減少も抑制されるため、起伏ゲート1の曳航作業の安全性がさらに向上される。
ステップS16では、ピット21内に仮設排水ポンプ84が設置されてもよい。仮設排水ポンプ84は、例えば水中ポンプであり、扉体3の下方に配置される。仮設排水ポンプ84は、ピット21内に海水が浸入した場合に駆動され、ピット21内の海水を吸引して起伏ゲート1の外部へと放出する。これにより、起伏ゲート1の曳航作業の安全性がさらに向上される。仮設排水ポンプ84の台数は、1台であってもよく、複数台であってもよい。仮設排水ポンプ84は、起伏ゲート1から離れた位置(例えば、タグボート82,82a)から遠隔操作されることが好ましい。これにより、仮設排水ポンプ84の操作のために、曳航中の起伏ゲート1に作業員が乗り込む必要がなくなるため、起伏ゲート1の曳航作業の安全性がさらに向上される。
ステップS16における曳航中は、起伏ゲート1の各空所52a(図12参照)の圧力は、大気圧よりも高い曳航時圧力に維持される。これにより、起伏ゲート1の曳航時における空所52aに対する浸水が抑制される。その結果、起伏ゲート1の曳航作業の安全性が向上される。ステップS16では、各空所52aの圧力が、上述の圧力センサ445を用いて、起伏ゲート1から離れた位置(例えば、タグボート82,82a)にて遠隔監視される。例えば、一の空所52aにおいて降圧が生じた場合、遠隔監視にて当該降圧を発見したオペレータは、空気供給部44を遠隔操作し、当該空所52aを迅速に昇圧させて曳航時圧力に復帰させる。具体的には、例えば、降圧した空所52aを除く他の空所52aに対応する遮断弁448を閉じ、当該他の空所52aと空気槽441とを非接続状態として、降圧した空所52aのみに空気槽441から空気を供給して昇圧する。なお、各空所52aの圧力の監視、および、降圧した空所52aへの空気供給は、必ずしもオペレータによって行われる必要はなく、例えば、コンピュータ等を用いた圧力制御システムにより、空所52aの降圧の検出、および、当該空所52aの昇圧が自動的に行われてもよい。上述の空所52aの降圧は、例えば、空所52aからの一時的な空気漏れや、空所52a内の空気の温度低下等により生じる可能性がある。
上述のように、曳航中の起伏ゲート1では、空気槽441に貯留されている空気の圧力が各空所52aの圧力(すなわち、曳航時圧力)よりも高く、各空所52aは空気槽441と減圧弁443を介して接続されている。このため、仮に、停電等により空気供給部44の操作が行えない状態で空所52aの降圧が生じた場合であっても、空気槽441内の圧力が曳航時圧力以上である間は、空気槽441から降圧した空所52aに空気が供給され、当該空所52aの圧力が曳航時圧力まで回復される。これにより、起伏ゲート1の曳航作業の安全性がさらに向上される。また、空所52aの圧力を遠隔監視し、空気供給部44を遠隔操作することにより、曳航中の起伏ゲート1に作業員が乗り込む必要がなくなるため、起伏ゲート1の曳航作業の安全性がより一層向上される。
ステップS16では、図14に示すように、起伏ゲート1の曳航方向の前端部に曳航用付加物83が取り付けられてもよい。曳航用付加物83は、起伏ゲート1の曳航方向の前側において函体2の側面を覆い、タグボート82,82aによる起伏ゲート1の曳航時における函体2の抗力係数を低減する。これにより、起伏ゲート1の曳航時における水の抵抗を低減することができる。図14に示す例では、曳航用付加物83は、水面を貫通して上下方向に延びる略三角柱状の中空部材であり、函体2の曳航方向前側の側面を、曳航時における左右方向の略全長に亘って覆う。起伏ゲート1の曳航が終了すると、曳航用付加物83は起伏ゲート1から取り外される。なお、曳航用付加物83の形状および大きさは、様々に変更されてよい。
起伏ゲート1が設置水域まで曳航されると、設置水域にて待機しているフローティングクレーン(図示省略)に起伏ゲート1が引き渡され、起伏ゲート1が当該フローティングクレーンに接舷する。
起伏ゲート1では、図12に示す空気供給部44の遮断弁448等が操作されることにより、複数の空所52aに空気槽441から空気が供給され、複数の空所52aの圧力が大気圧よりも高い所定圧力(以下、「沈設時圧力」とも呼ぶ。)に維持される(ステップS17)。これにより、後述する起伏ゲート1の沈降の際に、水圧により函体2等に作用する力が低減される。上述の沈設時圧力は、起伏ゲート1が沈設される位置の水深等に基づいて適宜設定される。沈設時圧力は、例えば、曳航時圧力よりも高圧である。なお、沈設時圧力は、曳航時圧力と同じであってもよく、曳航時圧力よりも低圧であってもよい。
ステップS17において沈設時圧力とされる複数の空所52aは、例えば、ステップS13において曳航時圧力とされる複数の空所52aと全て同じであってもよく、ステップS13において曳航時圧力とされる複数の空所52aと一部または全て異なっていてもよい。沈設時圧力とされる複数の空所52aは、函体2等の外壁に面する区画であってもよく、当該外壁に面していない区画であってもよい。なお、沈設時圧力とされる空所52aの数は、1つであってもよい。
上述の沈設時圧力が曳航時圧力と同じであり、かつ、沈設時圧力とされる複数の空所52aが、ステップS15において曳航時圧力とされる複数の空所52aと全て同じである場合、複数の空所52aの昇圧はステップS15において行われているため、ステップS17は省略されてもよい。
続いて、図15に示すように、フローティングクレーンのクレーン85から延びる複数のワイヤ87が、起伏ゲート1に接続される。具体的には、複数のワイヤ87は、平面視における形状が略矩形枠状の吊り枠86を介して、函体2の上面22および一対の閉鎖側壁部41,42の上面に設けられた吊り金具88に接続される。起伏ゲート1は、水面94に浮かんだ状態で、クレーン85により補助的に支持される(ステップS18)。換言すれば、起伏ゲート1の重量の一部がクレーン85により支持され、起伏ゲート1の残りの重量は、起伏ゲート1の浮力と釣り合っている状態である。ステップS18では、起伏ゲート1の喫水は、函体2の底面26と上面22との間に位置する。
フローティングクレーンでは、クレーン85に加わる荷重の中心位置が、所定の吊り下げ可能範囲内に位置することが求められる。当該吊り下げ可能範囲は、例えば、平面視においてクレーン85のフックを中心とする数m×数mの矩形状の領域である。ステップS18では、クレーン85に加わる荷重(すなわち、クレーン85が支持する起伏ゲート1の一部重量)の中心位置が上記吊り下げ可能範囲内に位置するように、コンクリートが打設されていない1つまたは複数の水密区画52(すなわち、水バラスト区画)に、バラスト水が注水されてもよい。
起伏ゲート1がクレーン85により補助的に支持されると、一対の仮設壁部23(図7ないし図9参照)が函体2および一対の閉鎖側壁部41,42から取り外され、起伏ゲート1の外部へと撤去される。続いて、起伏ゲート1の喫水計測が行われる。当該喫水計測は、上述のドラフトマークまたは喫水計測用のセンサを用いて行われる。なお、仮設壁部23の撤去は、起伏ゲート1がクレーン85により補助的に支持されるよりも前に行われてもよい。また、起伏ゲート1の喫水計測は、後述するステップS19においても、必要な回数行われてよい。
次に、クレーン85により起伏ゲート1の喫水が変化しないように維持された状態で、ピット21に対する注水が行われる。ピット21に対する注水は、クレーン85に加わる荷重の中心位置が吊り下げ可能範囲内に常時位置した状態で行われる。ピット21に対する注水時には、例えば、クレーン85に加わる荷重の中心位置が、ピット21内の水の重量によって移動して吊り下げ可能範囲外とならないように、水バラスト区画にバラスト水が注水されてもよい。
このように、起伏ゲート1の沈降よりも前にピット21に注水することにより、起伏ゲート1の沈降時に、ピット21に海水が急激に流入してクレーン85に加わる荷重が急激に増大したり、当該荷重の中心位置が急激に移動したりすることが防止される。ピット21への注水の際には、扉体3の上記排気部は開放されており、扉体浮力室にも水が流入するため、扉体3に起立モーメントは生じない。なお、起伏ゲート1の喫水が函体2の上面22よりも下側に位置しているのであれば、ピット21に対する注水中に起伏ゲート1が下降されてもよい。
ピット21に対する注水が完了すると、起伏ゲート1の沈降時に必要な重量を確保するため、注水されていない複数の水バラスト区画(すなわち、コンクリートが打設されておらず、かつ、空所52aでもない水密区画52)に対する注水が行われる(ステップS19)。ステップS19では、クレーン85に加わる荷重の中心位置が上記吊り下げ可能範囲内に常時位置するように、複数の水バラスト区画に対する注水順序等が予め決定されている。
ステップS19では、例えば、水バラスト区画に対する注水は、クレーン85により起伏ゲート1の喫水が変化しないように維持された状態で行われる。あるいは、ステップS19では、水バラスト区画に対する注水中に起伏ゲート1が下降されて喫水が増大してもよい。この場合、起伏ゲート1の喫水は、水バラスト区画に対する注水完了まで、函体2の上面22よりも下側に位置していることが好ましい。これにより、水バラスト区画に対する注水作業の安全性が向上される。
本実施の形態では、ステップS19における複数の水バラスト区画に対する注水は、図5Bに示すように、ピット21への注水(ステップS191)の後、2段階に分けて行われる。まず、クレーン85により起伏ゲート1の喫水が変化しないように維持された状態で、複数の水バラスト区画のうち一部の水バラスト区画に対する注水が行われる。そして、クレーン85により起伏ゲート1が所定距離だけ下降され、起伏ゲート1の喫水が増大する(ステップS192)。これにより、クレーン85に加わる荷重が軽減され、起伏ゲート1の沈設作業の安全性が向上される。ステップS192の終了後の起伏ゲート1の喫水は、函体2の上面22よりも下側に位置する。なお、起伏ゲート1の喫水が函体2の上面22よりも下側に位置しているのであれば、上記一部の水バラスト区画に対する注水中に起伏ゲート1が下降されてもよい。
ステップS192が終了すると、クレーン85により起伏ゲート1の喫水が変化しないように維持された状態で、上記複数の水バラスト区画のうち残りの水バラスト区画に対する注水が行われる(ステップS193)。これにより、当該残りの水バラスト区画に対する注水作業(例えば、潜水作業員による注水バルブ等の開放作業)が容易とされ、起伏ゲート1の沈設作業の安全性が向上される。ステップS193の終了後の起伏ゲート1の喫水も、函体2の上面22よりも下側に位置することが好ましい。
ステップS19が終了すると、クレーン85によりワイヤ87が繰り出され、起伏ゲート1が水底に向かって沈降して当該水底に設置される(ステップS20)。起伏ゲート1の沈降は、クレーン85に加わる荷重の中心位置が吊り下げ可能範囲内に常時位置した状態で行われる。起伏ゲート1の沈降時には、例えば、函体2の上面22が水没する前後において起伏ゲート1の浮心位置が大きく変化する可能性がある。この場合でもクレーン85に加わる荷重の中心位置が吊り下げ可能範囲外とならないように、ステップS19にてバラスト水が積載される水バラスト区画の位置等が決定されている。
ステップS20における沈降中は、起伏ゲート1の各空所52a(図12参照)の圧力は、大気圧よりも高い沈設時圧力にて略一定に維持される。これにより、水圧によって各空所52aを構成する構造材(例えば、外板、水密隔壁51および骨材等)に外側から加わる力(以下、「外力」とも呼ぶ。)が、各空所52a内部の沈設時圧力の空気によって低減される。当該外力の低減は、函体2等の外板に面する空所52a、および、当該外板には面していないが隣接する水密区画52にバラスト水が注水される空所52a等において行われる。その結果、函体2等の強度を、沈降時の水圧に対抗するために増大させることが抑制される。
ステップS20では、各空所52aの圧力が、上述の圧力センサ445を用いて監視される。例えば、一の空所52aにおいて降圧が生じた場合、制御室43(図1参照)等にて当該降圧を発見したオペレータは、空気供給部44を操作し、当該空所52aを迅速に昇圧させて沈設時圧力に復帰させる。具体的には、例えば、降圧した空所52aを除く他の空所52aに対応する遮断弁448を閉じ、当該他の空所52aと空気槽441とを非接続状態として、降圧した空所52aのみに空気槽441から空気を供給して昇圧する。なお、各空所52aの圧力の監視、および、降圧した空所52aへの空気供給は、必ずしもオペレータによって行われる必要はなく、例えば、コンピュータ等を用いた圧力制御システムにより、空所52aの降圧の検出、および、当該空所52aの昇圧が自動的に行われてもよい。上述の空所52aの降圧は、例えば、空所52aからの一時的な空気漏れや、空所52a内の空気の温度低下等により生じる可能性がある。
上述のように、沈降中の起伏ゲート1では、空気槽441に貯留されている空気の圧力が各空所52aの圧力(すなわち、沈設時圧力)よりも高く、各空所52aは空気槽441と減圧弁443を介して接続されている。このため、仮に、停電等により空気供給部44の操作が行えない状態で空所52aの降圧が生じた場合であっても、空気槽441内の圧力が沈設時圧力以上である間は、空気槽441から降圧した空所52aに空気が供給され、当該空所52aの圧力が沈設時圧力まで回復される。これにより、起伏ゲート1の沈設作業の安全性が向上される。
ステップS20では、複数の空所52aにおける沈設時圧力が略同じである。具体的には、各空所52aの圧力は、減圧弁443により設定される所定の圧力となる。これにより、複数の空所52aにおける圧力制御を簡素化することができる。なお、起伏ゲート1では、例えば、各空所52aに対応する遮断弁448や減圧弁443等が操作されることにより、複数の空所52aの圧力が異なるように設定されてもよい。
上述の沈設時圧力は、例えば、起伏ゲート1が水底に着底した状態で、水圧に対抗するために最も強度を増大させる必要がある空所52aを基準として設定される。換言すれば、仮に内部の圧力が大気圧であったとすると、水底における水圧を支持するために必要とされる構造材の重量が最も増加する空所52aを基準として、上述の沈設時圧力が設定される。例えば、水底において当該空所52aに外側から加わる水圧の略半分の圧力を、沈設時圧力として設定する。これにより、函体2等の強度を、沈降時の水圧に対抗するためだけに増大させることが抑制される。
起伏ゲート1が水底に着底すると、空気槽441と複数の空所52aとの接続が遮断弁448により遮断される。そして、各空所52aの注水バルブが開放された後、各空所52aに対応する排気弁447が開放されることにより、各空所52aに対する注水が行われる。なお、上記注水バルブの開放は、起伏ゲート1の着底よりも前(例えば、起伏ゲート1の沈降中または沈降開始前)に予め行われていてもよい。この場合も、排気弁447が開放されるまでは、空所52aに対する注水は開始されない。その後、海水が充填されている複数の水密区画52(すなわち、複数の水バラスト区画、および、注水後の複数の空所52a)に対して、コンクリートが打設される。
起伏ゲート1の沈設が完了すると、倒伏状態の扉体3において上述の排気部が閉鎖され、空気供給部44により扉体3の内部の扉体浮力室に空気が供給されて貯留される。扉体3は、図16に示すように、空気槽441と配管446を介して接続されている。配管446は、扉体3の扉体浮力室に対して、空気槽441に貯留されている圧縮空気を供給できるように、予め起伏ゲート1に設置されている。配管446の設置は、例えば、ステップS11において行われる。起伏ゲート1では、扉体浮力室に空気が貯留されることにより、扉体3に起立モーメントが生じる。扉体3は、起立モーメントが作用している状態で係留部24によってピット21内に係留され、すぐに起立開始可能な状態とされる(ステップS21)。
以上に説明したように、水底設置型の起伏ゲート1は、函体2と、扉体3と、一対の閉鎖側壁部41,42と、空気供給部44とを備える。函体2の上面22には、凹部であるピット21が設けられる。扉体3は、後端部にて函体2に接続される。扉体3は、幅方向に延びる回転軸33を中心として回動することにより、起立および倒伏する。扉体3は、倒伏状態においてピット21内に収容される。一対の閉鎖側壁部41,42は、ピット21の幅方向の両側において函体2上に立設される。一対の閉鎖側壁部41,42は、起立状態の扉体3の幅方向の両側の空間を閉鎖する。
起伏ゲート1を設置する起伏ゲート設置方法は、函体2の内部において水密隔壁51によって区画された空所52aに空気供給部44から空気を供給し、空所52aの圧力を大気圧よりも高い所定圧力(すなわち、沈設時圧力)に維持する工程(ステップS17(または、ステップS13))と、水面94に浮かんだ状態の起伏ゲート1をクレーン85にて補助的に支持しつつ、函体2の内部において水密隔壁51によって区画された複数の水バラスト区画(すなわち、一部の水密区画52)、および、ピット21に注水し、空所52aの圧力を沈設時圧力に維持した状態で起伏ゲート1を沈降させて水底に設置する工程(ステップS18~S20)と、を備える。
当該起伏ゲート設置方法では、起伏ゲート1の沈降時に空所52aの圧力を沈設時圧力に維持することにより、上述のように、各空所52aを構成する構造材に加わる外力(すなわち、水圧により函体2に作用する力)を低減することができる。したがって、函体2等の強度を、沈降時の水圧に対抗するために増大させることを抑制することができる。その結果、起伏ゲート1の軽量化を実現することができる。
また、起伏ゲート1の軽量化に伴い、起伏ゲート1の製造コスト、および、起伏ゲート1の設置に要するコストを低減することもできる。具体的には、例えば、起伏ゲート1の補助的支持に使用されるクレーン85の吊り荷重に余裕が生じるため、ドックにおける起伏ゲート1の製造時に、一部の水密区画52にコンクリートを打設することができる。このため、沈設後の起伏ゲート1に対するコンクリートの打設作業を削減することができる。また、クレーン85を小型化することができる可能性もある。
上述のように、起伏ゲート設置方法は、ステップS18~S20よりも後に、空気供給部44から倒伏状態の扉体3の内部に空気を供給して貯留させ、起立モーメントが生じた扉体3をピット21内に係留する工程(ステップS21)をさらに備えることが好ましい。このように、当該起伏ゲート設置方法では、設置後の起伏ゲート1において扉体3の起立に使用される空気供給部44を、空所52aの圧力を沈設時圧力に維持するためにも利用している。したがって、起伏ゲート1の設置時にのみ使用される一時的な構成を簡素化することができる。その結果、起伏ゲート1の沈設作業の複雑化を抑制しつつ、起伏ゲート1の軽量化が可能な上述の設置方法を実現することができる。
上述のように、ステップS20では(すなわち、起伏ゲート1の沈降時には)、空所52aの圧力が監視されることが好ましい。これにより、空所52aの圧力が沈設時圧力から低下した場合、当該圧力を沈設時圧力まで迅速に回復することができる。その結果、起伏ゲート1の沈設作業の安全性を向上することができる。
上述のように、起伏ゲート設置方法は、ステップS18~S20よりも前に、函体2の内部において水密隔壁51によって区画された空所52aに空気供給部44から空気を供給し、空所52aの圧力を大気圧よりも高い所定圧力(すなわち、曳航時圧力)に維持した状態で、水面に浮かんだ起伏ゲート1を設置水域へと曳航する工程(ステップS16)をさらに備えることが好ましい。これにより、起伏ゲート1の曳航時において、空所52aに対する浸水を抑制することができる。その結果、起伏ゲート1の曳航作業の安全性を向上することができる。また、起伏ゲート1を水面に浮かべて設置水域へと曳航することにより、台船等に起伏ゲート1を積載して搬送する場合に比べて、起伏ゲート1の積載に使用されるフローティングクレーンや台船等が不要となるため、起伏ゲート1の搬送に要するコストを低減することができる。さらに、ステップS16では、扉体3がピット21内に収容された状態で起伏ゲート1が曳航されるため、起伏ゲート1の重心を低くすることができ、設置水域への起伏ゲート1の搬送を容易に行うことができる。なお、起伏ゲート1が大型化した場合であっても、フローティングクレーンの性能等による制限を受けることなく、設置水域への起伏ゲート1の搬送を容易に行うことができる。
上記曳航作業は、上述のように、起伏ゲート1をドック内において製造して浮上させた後に行われることが好ましい。これにより、起伏ゲート1を陸上の建屋等で製造した場合に必要となる浜出し用のフローティングクレーン等が不要となるため、起伏ゲート1の搬送に要するコストをより一層低減することができる。
上述のように、ステップS16では、空所52aの圧力が、起伏ゲート1から離れた位置にて遠隔監視されることが好ましい。これにより、空所52aの圧力が曳航時圧力から低下した場合、当該圧力を曳航時圧力まで迅速に回復することができる。その結果、起伏ゲート1の曳航作業の安全性を向上することができる。また、空所52aの圧力を遠隔監視することにより、曳航中の起伏ゲート1に作業員が乗り込む必要がなくなるため、起伏ゲート1の曳航作業の安全性をさらに向上することができる。
上述のように、空気供給部44は、空気槽441と、配管442,449と、減圧弁443と、排気弁447とを備えることが好ましい。空気槽441には、空所52a内の空気よりも高圧の空気が貯留される。配管442,449は、空気槽441と空所52aとを接続する。減圧弁443および排気弁447は、配管442,449上に設けられる。減圧弁443が設けられることにより、起伏ゲート1の曳航時に、簡素な構造で空所52aの圧力を曳航時圧力に維持することができる。また、起伏ゲート1の沈降時に、簡素な構造で空所52aの圧力を沈設時圧力に維持することができる。さらには、仮に停電等により空気供給部44の操作が行えない状態で空所52aの降圧が生じた場合であっても、空気槽441から降圧した空所52aに空気が自動的に供給され、当該空所52aの圧力が回復される。その結果、起伏ゲート1の曳航作業および沈設作業の安全性をさらに向上することができる。空所52aに対する注水が行われる際には、排気弁447を開放することにより、空所52aに対する注水を容易に開始することができる。また、複数の空所52aに注水を行う場合、当該複数の空所52aにそれぞれ対応する複数の排気弁447を、1箇所にまとめて(すなわち、互いの近傍に)配置することが好ましい。これにより、複数の排気弁447を操作する作業員の作業効率を向上することができる。
上述のように、ステップS15における空所52aの曳航時圧力への昇圧は、ステップS14における起伏ゲート1の浮上よりも前に行われてもよい。これにより、ステップS14において、空所52aに対する浸水を抑制することができる。また、ステップS15は、ステップS13の起伏ゲート1の試運転時におけるドックへの注水よりも前に行われてもよい。これにより、ステップS13において、空所52aに対する浸水を抑制することができる。
上述のように、ステップS19では(すなわち、起伏ゲート1に対する注水時には)、水面94が函体2の上面22よりも下側に位置している状態で、ピット21に対する注水が完了することが好ましい。これにより、ピット21に海水が急激に流入することを防止し、ピット21への注水を所望の流量にて好適に行うことができるため、ピット21注水時における起伏ゲート1の姿勢を容易に制御することができる。その結果、ピット21の沈設作業の安全性をさらに向上することができる。
上述のように、ステップS19は、水面94が函体2の上面22よりも下側に位置している状態を維持しつつ、複数の水バラスト区画のうち一部の水バラスト区画に注水した後、起伏ゲート1を沈降させる工程(ステップS192)と、ステップS192よりも後に、水面94が函体2の上面22よりも下側に位置している状態を維持しつつ、当該複数の水バラスト区画のうち残りの水バラスト区画に対する注水が行われる工程(ステップS193)と、を備えることが好ましい。このように、複数の水バラスト区画に対する注水作業を複数段階に分けて行い、1段階目の注水作業と2段階目の注水作業との間に起伏ゲート1を沈降させることにより、クレーン85に加わる荷重を軽減することができる。その結果、起伏ゲート1の沈設作業の安全性を向上することができる。また、2段階目の注水作業時に起伏ゲート1の喫水が函体2の上面22よりも下側に位置しているため、当該注水作業(例えば、潜水作業員による注水バルブ等の開放作業)が容易とされ、起伏ゲート1の沈設作業の安全性をさらに向上することができる。
なお、上述の例では、ステップS19における水バラスト区画への注水作業は2段階に分けて行われるが、当該注水作業は3段階以上に分けて行われてもよい。この場合も、1段階目の注水作業から、最終段階の注水作業までの間、起伏ゲート1の喫水が函体2の上面22よりも下側に位置していることが好ましい。これにより、各段階の注水作業が容易となるため、起伏ゲート1の沈設作業の安全性をさらに向上することができる。
上述のように、ステップS19では、クレーン85に加わる荷重の中心が、所定の吊り下げ可能範囲内に常時位置するように、複数の水バラスト区画およびピット21への注水を行うことが好ましい。このように、函体2上のピット21の位置の左右方向および前後方向におけるアンバランス、並びに、一対の閉鎖側壁部41,42の大きさおよび重さ等の左右方向、前後方向および上下方向におけるアンバランス等を考慮して、水バラスト区画およびピット21への注水を行うことにより、起伏ゲート1の沈設作業を安全かつ好適に行うことができる。
上述のように、起伏ゲート1では、函体2の周囲の複数箇所に、ドラフトマークまたは喫水計測用のセンサが設けられることが好ましい。これにより、曳航時の起伏ゲート1の姿勢、および、沈設時の起伏ゲート1の姿勢等を、容易かつ精度良く確認することができる。また、喫水計測用のセンサが設けられる場合、起伏ゲート1の喫水を遠隔測定することができるため、喫水計測に要する労力および時間を低減することができる。
上述の水底設置型の起伏ゲート1は、函体2と、扉体3と、一対の閉鎖側壁部41,42と、空気供給部44とを備える。函体2の上面22には、凹部であるピット21が設けられる。扉体3は、後端部にて函体2に接続される。扉体3は、幅方向に延びる回転軸33を中心として回動することにより、起立および倒伏する。扉体3は、倒伏状態においてピット21内に収容される。一対の閉鎖側壁部41,42は、ピット21の幅方向の両側において函体2上に立設される。一対の閉鎖側壁部41,42は、起立状態の扉体3の幅方向の両側の空間を閉鎖する。空気供給部44は、函体2の内部において水密隔壁51によって区画された空所52aに空気を供給して、空所52aの圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持する。空気供給部44は、空気槽441と、配管442,449と、減圧弁443と、排気弁447とを備える。空気槽441には、空所52a内の空気よりも高圧の空気が貯留される。配管442,449は、空気槽441と空所52aとを接続する。減圧弁443および排気弁447は、配管442,449上に設けられる。
これにより、上記と同様に、簡素な構造で空所52aの圧力を曳航時圧力や沈設時圧力に維持することができる。また、仮に停電等により空気供給部44の操作が行えない状態で空所52aの降圧が生じた場合であっても、空所52aの圧力を自動的に回復することができるため、起伏ゲート1の曳航作業および沈設作業の安全性をさらに向上することができる。さらに、空所52aに対する注水を容易に開始することができるとともに、注水開始時における作業員の作業効率を向上することができる。
上述の起伏ゲート1および起伏ゲート設置方法では、様々な変更が可能である。
例えば、起伏ゲート1では、空気供給部44の構成は、上述のものには限定されず、様々に変更されてよい。例えば、空所52aの圧力は、減圧弁443および排気弁447以外の構造により調整されてもよい。
起伏ゲート1では、上述のドラフトマークおよび喫水計測用のセンサは、必ずしも設けられなくてもよい。
起伏ゲート1の試運転時(ステップS13)において、ドックへの注水は必ずしも行われなくてもよい。あるいは、ステップS13では、ドック内の水面が、起伏ゲート1の試運転可能な位置(すなわち、函体2の上面22よりも上側の位置)に位置するようにドックへの注水が行われてもよい。この場合、起伏ゲート1の試運転を行うために仮設壁部23を設ける必要はない。
起伏ゲート1の曳航時(ステップS16)において、空所52aの圧力は必ずしも遠隔監視される必要はない。例えば、空所52aの圧力監視は起伏ゲート1上で行われてもよく、当該圧力監視は省略されてもよい。また、起伏ゲート1の曳航時において、空所52aへの空気の供給は、必ずしも扉体3の起立に用いられる空気供給部44による必要はなく、他の空気供給部により行われてもよい。さらには、起伏ゲート1の曳航時における空所52aの圧力は、必ずしも大気圧よりも高圧に維持される必要はない。
ステップS16では、ピット21内に仮設排水ポンプ84は設置されなくてもよい。また、一対の仮設壁部23も必ずしも設けられなくてよい。
ステップS16では、起伏ゲート1の曳航方向は上記例には限定されず、様々に変更されてよい。例えば、起伏ゲート1は、一対の仮設壁部23が曳航方向に沿って並ぶように曳航されてもよい。
起伏ゲート設置方法では、ステップS19における水バラスト区画への注水作業は、必ずしも2段階または3段階以上に分けて行われる必要はなく、起伏ゲート1の喫水を維持した状態で、または、起伏ゲート1を徐々に下降させつつ、連続して行われてもよい。
ステップS19におけるピット21への注水作業は、必ずしも、水面94が函体2の上面22よりも下側に位置している状態で完了しなくてもよい。
起伏ゲート1の沈降時(ステップS20)において、空所52aの圧力は必ずしも監視される必要はない。また、起伏ゲート1の沈降時において、空所52aへの空気の供給は、必ずしも扉体3の起立に用いられる空気供給部44による必要はなく、他の空気供給部により行われてもよい。
起伏ゲート設置方法では、起伏ゲート1は必ずしも水面に浮いた状態で設置水域まで曳航される必要はなく、台船等に積載されて設置水域まで搬送されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 起伏ゲート
2 函体
3 扉体
21 ピット
22 (函体の)上面
23 仮設壁部
25 仮設空間
26 (函体の)底面
33 回転軸
41,42 閉鎖側壁部
44 空気供給部
51 水密隔壁
52 水密区画
52a 空所
83 曳航用付加物
84 仮設排水ポンプ
85 クレーン
91,92,94 水面
441 空気槽
442,449 配管
443 減圧弁
445 圧力センサ
S11~S21,S191~S193 ステップ

Claims (11)

  1. 水底設置型の起伏ゲートを設置する起伏ゲート設置方法であって、
    前記起伏ゲートは、
    上面に凹部であるピットが設けられた函体と、
    後端部にて前記函体に接続され、幅方向に延びる回転軸を中心として回動することにより起立および倒伏するとともに倒伏状態において前記ピット内に収容される扉体と、
    前記ピットの幅方向の両側において前記函体上に立設されるとともに起立状態の前記扉体の幅方向の両側の空間を閉鎖する一対の閉鎖側壁部と、
    空気供給部と、
    を備え、
    前記起伏ゲート設置方法は、
    a)前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に前記空気供給部から空気を供給し、前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持する工程と、
    b)水面に浮かんだ状態の前記起伏ゲートをクレーンにて補助的に支持しつつ、前記函体の内部において水密隔壁によって区画された複数の水バラスト区画、および、前記ピットに注水し、前記空所の圧力を前記所定圧力に維持した状態で前記起伏ゲートを沈降させて水底に設置する工程と、
    を備えることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  2. 請求項1に記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記b)工程において、前記空所の圧力が監視されることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  3. 請求項1または2に記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記空気供給部は、
    前記空所内の空気よりも高圧の空気が貯留される空気槽と、
    前記空気槽と前記空所とを接続する配管と、
    前記配管上に設けられる減圧弁および排気弁と、
    を備えることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    c)前記b)工程よりも前に、前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に前記空気供給部から空気を供給し、前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持した状態で、水面に浮かんだ前記起伏ゲートを設置水域へと曳航する工程をさらに備えることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  5. 請求項4に記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記c)工程において、前記空所の圧力が、前記起伏ゲートから離れた位置にて遠隔監視されることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記b)工程において、水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態で、前記ピットに対する注水が完了することを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記b)工程は、
    b1)水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態を維持しつつ、前記複数の水バラスト区画のうち一部の水バラスト区画に注水した後、前記起伏ゲートを沈降させる工程と、
    b2)前記b1)工程よりも後に、水面が前記函体の前記上面よりも下側に位置している状態を維持しつつ、前記複数の水バラスト区画のうち残りの水バラスト区画に対する注水が行われる工程と、
    を備えることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記b)工程において、前記クレーンに加わる荷重の中心が、所定の吊り下げ可能範囲内に常時位置するように、前記複数の水バラスト区画および前記ピットへの注水を行うことを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    前記函体の周囲の複数箇所に、ドラフトマークまたは喫水計測用のセンサが設けられることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の起伏ゲート設置方法であって、
    d)前記b)工程よりも後に、前記空気供給部から倒伏状態の前記扉体の内部に空気を供給して貯留させ、起立モーメントが生じた前記扉体を前記ピット内に係留する工程をさらに備えることを特徴とする起伏ゲート設置方法。
  11. 水底設置型の起伏ゲートであって、
    上面に凹部であるピットが設けられた函体と、
    後端部にて前記函体に接続され、幅方向に延びる回転軸を中心として回動することにより起立および倒伏するとともに倒伏状態において前記ピット内に収容される扉体と、
    前記ピットの幅方向の両側において前記函体上に立設されるとともに起立状態の前記扉体の幅方向の両側の空間を閉鎖する一対の閉鎖側壁部と、
    前記函体の内部において水密隔壁によって区画された空所に空気を供給して前記空所の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に維持する空気供給部と、
    を備え、
    前記空気供給部は、
    前記空所内の空気よりも高圧の空気が貯留される空気槽と、
    前記空気槽と前記空所とを接続する配管と、
    前記配管上に設けられる減圧弁および排気弁と、
    を備えることを特徴とする起伏ゲート。
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