JP2802097B2 - 新規な制癌抗生物質mi43―37f11及びその製造法 - Google Patents
新規な制癌抗生物質mi43―37f11及びその製造法Info
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- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な制癌抗生物質MI43−37F11及びその製
造法に関する。
造法に関する。
微生物の生産する抗癌抗生物質は、これ迄に数多く知
られており、現在、癌治療に際して重要な治療手段の一
つとなっている。
られており、現在、癌治療に際して重要な治療手段の一
つとなっている。
しかし、それら公知の制癌抗生物質の多くは、人体に
対して強い毒性を有し、その使用に当たって大きな制約
となっている。そこで、毒性が低くかつより強い制癌活
性を有する人癌治療に有効な物質が望まれている。本発
明の目的は、その望ましい性質をもつ新規な制癌抗生物
質MI43−37F11及びその製造法を提供することにある。
対して強い毒性を有し、その使用に当たって大きな制約
となっている。そこで、毒性が低くかつより強い制癌活
性を有する人癌治療に有効な物質が望まれている。本発
明の目的は、その望ましい性質をもつ新規な制癌抗生物
質MI43−37F11及びその製造法を提供することにある。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、新規な
制癌抗生物質MI43−37F11に関する。抗生物質MI43−37F
11は、下記の式〔I〕: で表わされる化合物である。
制癌抗生物質MI43−37F11に関する。抗生物質MI43−37F
11は、下記の式〔I〕: で表わされる化合物である。
また、本発明の第2の発明は、制癌抗生物質MI43−37
F11の製造法に関する発明であって、この方法はストレ
プトバーチシリウム属に属して前記の式〔I〕で表され
る抗生物質MI43−37F11を生産する菌を培養し、その培
養物から抗生物質MI43−37F11を採取することを特徴と
する。
F11の製造法に関する発明であって、この方法はストレ
プトバーチシリウム属に属して前記の式〔I〕で表され
る抗生物質MI43−37F11を生産する菌を培養し、その培
養物から抗生物質MI43−37F11を採取することを特徴と
する。
前記の抗生物質MI43−37F11はイソクマリン類の中
で、初めて制癌活性を有する物質として見出され、また
毒性が低いことから制癌抗生物質として期待され得るも
のである。
で、初めて制癌活性を有する物質として見出され、また
毒性が低いことから制癌抗生物質として期待され得るも
のである。
ストレプトバーチシリウム属に属するMI43−37F11生
産菌の一例には神奈川県横浜市の土壌より採取された放
線菌で、MI43−37F11の菌株番号が付された菌株があ
る。本菌株の形態学的特徴は次の通りである。
産菌の一例には神奈川県横浜市の土壌より採取された放
線菌で、MI43−37F11の菌株番号が付された菌株があ
る。本菌株の形態学的特徴は次の通りである。
〔MI43−37F11株の菌学的性状〕 1.形態 本菌株は、顕微鏡下で観察すると、分枝した基中菌糸
から輸生枝を有する気菌糸を伸長する。気菌糸の先端に
は10個以上の胞子の連鎖を認め、らせん形成は認められ
ない。胞子の大きさは、0.7〜0.8×1.1〜1.3ミクロン位
を示し胞子の表面は平滑である。
から輸生枝を有する気菌糸を伸長する。気菌糸の先端に
は10個以上の胞子の連鎖を認め、らせん形成は認められ
ない。胞子の大きさは、0.7〜0.8×1.1〜1.3ミクロン位
を示し胞子の表面は平滑である。
2.各種培地における生育状態 色の記載について、〔 〕内に示す標準は、コンティ
ナー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハ
ーモニー・マニュアル(Container Corporation of Ame
ricaのColor Harmony Manual)を用いた。
ナー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハ
ーモニー・マニュアル(Container Corporation of Ame
ricaのColor Harmony Manual)を用いた。
(1) シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養) 発育は無色、気菌糸は白でうっすらと着生し、溶解性
色素は認められない。
色素は認められない。
(2) グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃培
養) 無色〜うす黄〔2ea,Lt Wheat〕〜うす黄茶〔2gc,Bamb
oo〕の発育上に、黄味白〔1 1/2 db,Parchment〕の気菌
糸をうっすらと着生する。また、部分的に白の綿状の気
菌糸の着生もみられ、溶解性色素は認められない。
養) 無色〜うす黄〔2ea,Lt Wheat〕〜うす黄茶〔2gc,Bamb
oo〕の発育上に、黄味白〔1 1/2 db,Parchment〕の気菌
糸をうっすらと着生する。また、部分的に白の綿状の気
菌糸の着生もみられ、溶解性色素は認められない。
(3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培
地5、27℃培養) 発育は無色〜うす黄茶〔2ie,Lt Mustard Tan〕、気菌
糸は白、溶解性色素はわずかに茶色味を呈する。
地5、27℃培養) 発育は無色〜うす黄茶〔2ie,Lt Mustard Tan〕、気菌
糸は白、溶解性色素はわずかに茶色味を呈する。
(4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27
℃培養) 無色〜うす黄茶〔2le,Mustard〜2ne,Mustard Gold〕
の発育上に、黄味白〔1 1/2 ca,Cream〕〜明るいオリー
ブ灰〔1 1/2 ge,Lt Olive Gray〕の気菌糸を着生し、溶
解性色素は認められない。
℃培養) 無色〜うす黄茶〔2le,Mustard〜2ne,Mustard Gold〕
の発育上に、黄味白〔1 1/2 ca,Cream〕〜明るいオリー
ブ灰〔1 1/2 ge,Lt Olive Gray〕の気菌糸を着生し、溶
解性色素は認められない。
(5) チロシン寒天培地(ISP−培地7、27℃培養) 発育はうす黄茶〔2ie,Lt Mustard Tan〕〜明るい灰茶
〔2lg,Mustard Tan〕、気菌糸は白〜茶白〔3ba,Pearl〜
2cb,lvory Tint〕、溶解性色素は認められない。
〔2lg,Mustard Tan〕、気菌糸は白〜茶白〔3ba,Pearl〜
2cb,lvory Tint〕、溶解性色素は認められない。
(6) 栄養寒天培地(27℃培養) 無色〜うす黄茶〔2ie,Lt Mustard Tan〕の発育上に、
白の気菌糸をうっすらと着生し、黒っぽい溶解性色素を
わずかに認める。
白の気菌糸をうっすらと着生し、黒っぽい溶解性色素を
わずかに認める。
(7) イースト・麦芽寒天培地(ISP培地2、27℃培
養) 無色〜うす黄茶〔2ic,Honey Gold〜3ic,Lt Amber〕の
しわのある発育上に白〜茶白〔3ba,Pearl〕の気菌糸を
着生し、溶解性色素は認められない。
養) 無色〜うす黄茶〔2ic,Honey Gold〜3ic,Lt Amber〕の
しわのある発育上に白〜茶白〔3ba,Pearl〕の気菌糸を
着生し、溶解性色素は認められない。
(8) オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培
養) 無色〜うす黄〔2ea,Lt Wheat〜2ca,Lt Ivory〕の発育
上に、白〜黄味白の気菌糸をうっすらと着生し、溶解性
色素は認められない。
養) 無色〜うす黄〔2ea,Lt Wheat〜2ca,Lt Ivory〕の発育
上に、白〜黄味白の気菌糸をうっすらと着生し、溶解性
色素は認められない。
(9) グリセリン・硝酸塩寒天培地(27℃培養) 発育は無色〜うす黄〔2ca,Lt Ivory〕気菌糸は白〜黄
味白〔1 1/2 db,Parchment〕で、うっすらと着生し、溶
解性色素は認められない。
味白〔1 1/2 db,Parchment〕で、うっすらと着生し、溶
解性色素は認められない。
(10) スターチ寒天培地(27℃培養) 無色〜うす黄〔2ea,Lt Wheat〕〜うす黄茶〔1 1/2 i
c,Lt Antique Gold〕の発育上に、白〜黄味白〔2ca,Lt
Ivory〕の気菌糸を着生し、溶解性色素は認められな
い。
c,Lt Antique Gold〕の発育上に、白〜黄味白〔2ca,Lt
Ivory〕の気菌糸を着生し、溶解性色素は認められな
い。
(11) リンゴ酸石灰寒天培地(27℃培養) 発育は無色で生育はきわめて悪く、白の気菌糸をわず
かに着生し、溶解性色素も認められない。
かに着生し、溶解性色素も認められない。
(12) セルロース・濾紙片添加合成液(27℃培養) 無色の発育上に、気菌糸を着生せず、溶解性色素も認
められない。
められない。
(13) ゼラチン穿刺培養 15%単純ゼラチン培地(20℃培養)では、発育は無
色、気菌糸は着生せず、うす黄茶の溶解性色素が認めら
れる。また、グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27
℃培養)では、発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性
色素わわずかに茶色味を呈する。
色、気菌糸は着生せず、うす黄茶の溶解性色素が認めら
れる。また、グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27
℃培養)では、発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性
色素わわずかに茶色味を呈する。
(14) 脱脂牛乳(37℃培養) 無色〜うす茶の発育上に、気菌糸は着生せず、溶解性
色素はわずかにうす黄〜茶色味をおびる。
色素はわずかにうす黄〜茶色味をおびる。
3.生理的性質 (1)生育温度範囲 スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、BACTO−IN
ORGANIC−SALTS STARCH AGAR)を用い20℃、24℃、27
℃、30℃、37℃、50℃の各温度で試験の結果、50℃を除
いてそのいずれの温度でも発育したが、最適生育温度は
27℃付近と思われる。
ORGANIC−SALTS STARCH AGAR)を用い20℃、24℃、27
℃、30℃、37℃、50℃の各温度で試験の結果、50℃を除
いてそのいずれの温度でも発育したが、最適生育温度は
27℃付近と思われる。
(2) ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン培地、20℃
培養:グルコース・ペプトン・ゼラチン培地、27℃培
養) 単純ゼラチン培地、グルコース・ペプトン・ゼラチン
培地のいずれでも3日目頃より液化が始まり、その作用
は中等度〜強い方である。
培養:グルコース・ペプトン・ゼラチン培地、27℃培
養) 単純ゼラチン培地、グルコース・ペプトン・ゼラチン
培地のいずれでも3日目頃より液化が始まり、その作用
は中等度〜強い方である。
(3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培
地及びスターチ・寒天培地、いずれも27℃培養) スターチ・無機塩寒天培地、スターチ・寒天培地とも
に培養後3日目頃より水解性が認められ、その作用は強
い方である。
地及びスターチ・寒天培地、いずれも27℃培養) スターチ・無機塩寒天培地、スターチ・寒天培地とも
に培養後3日目頃より水解性が認められ、その作用は強
い方である。
(4) 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳,37℃
培養) 培養後2日目には凝固が始まり、3日目には完了し、
直ちにペプトン化が始まる。ペプトン化の進行はきわめ
て遅く、培養後3週間を経ても完了しない。
培養) 培養後2日目には凝固が始まり、3日目には完了し、
直ちにペプトン化が始まる。ペプトン化の進行はきわめ
て遅く、培養後3週間を経ても完了しない。
(5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト
・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天、I
SP−培地6;チロシン寒天、ISP−培地7、いずれも27℃
培養) ペプトン・イースト・鉄寒天培地では陽性、チロシン
寒天培地では陰性、トリペプトン・イースト・ブロスで
は陽性であると思われる。
・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天、I
SP−培地6;チロシン寒天、ISP−培地7、いずれも27℃
培養) ペプトン・イースト・鉄寒天培地では陽性、チロシン
寒天培地では陰性、トリペプトン・イースト・ブロスで
は陽性であると思われる。
(6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天
培地、ISP−培地9、27℃培養) グルコース、フラクトース、イノシトールを利用して
発育し、L−アラビノース、D−キシロース、シュクロ
ース、ラムノース、ラフィノース、D−マンニトール、
ラクトースは利用しない。
培地、ISP−培地9、27℃培養) グルコース、フラクトース、イノシトールを利用して
発育し、L−アラビノース、D−キシロース、シュクロ
ース、ラムノース、ラフィノース、D−マンニトール、
ラクトースは利用しない。
(7) リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰寒天、27℃
培養) 陰性である。
培養) 陰性である。
(8) 硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペ
プトン水、ISP−培地8、27℃培養) やや弱いが、陽性である。
プトン水、ISP−培地8、27℃培養) やや弱いが、陽性である。
(9) セルロースの分解(濾紙片添加合成液、27℃培
養) 陰性である。
養) 陰性である。
以上の性状を要約すると、MI43−37F11株の気菌糸は
輸生枝を有し、らせん形成は認められず、胞子の表面は
平滑である。種々の培地で無色〜うす黄茶の発育上に白
〜茶白、あるい黄味白、時に明るいオリーブ灰の気菌糸
を着生する。溶解性色素は認められないか、茶色味をお
びる程度である。メラニン様色素の生成はチロシン寒天
培地では陰性、トリプトン・イースト・ブロスおよびペ
プトン・イースト・鉄寒天培地で陽性である。
輸生枝を有し、らせん形成は認められず、胞子の表面は
平滑である。種々の培地で無色〜うす黄茶の発育上に白
〜茶白、あるい黄味白、時に明るいオリーブ灰の気菌糸
を着生する。溶解性色素は認められないか、茶色味をお
びる程度である。メラニン様色素の生成はチロシン寒天
培地では陰性、トリプトン・イースト・ブロスおよびペ
プトン・イースト・鉄寒天培地で陽性である。
蛋白分解力は中等度〜強い方であり、スターチの水解
性も強い方である。なお、細胞壁に含まれる2,6−ジア
ミノピメリン酸はLL−型であった。
性も強い方である。なお、細胞壁に含まれる2,6−ジア
ミノピメリン酸はLL−型であった。
これらの性状より、MI43−37F11株はストレプトバー
チシリウム(Streptoverticillium)属に属するものと
考えられる。
チシリウム(Streptoverticillium)属に属するものと
考えられる。
さらに近縁の既知菌種を検索すると、ストレプトバー
チシリウム・ユーロシディクム(Streptoverticillium
eurocidicum)〔文献1:「International Journal of Sy
stematic Bacteriology」22巻、293頁(1972);文献2:
同誌 30巻、408頁(1980);文献3:「The Journal of
Antibiotics Ser.A.」7巻、98頁(1954)〕及びストレ
プトバーチシリウム・アルビレティキュリ(Streptover
ticillium albireticuli)〔文献1:「International Jo
urnal of Systematic Bacteriology」18巻、80頁(196
8);文献2:同誌30巻、407頁(1980)〕があげられた。
チシリウム・ユーロシディクム(Streptoverticillium
eurocidicum)〔文献1:「International Journal of Sy
stematic Bacteriology」22巻、293頁(1972);文献2:
同誌 30巻、408頁(1980);文献3:「The Journal of
Antibiotics Ser.A.」7巻、98頁(1954)〕及びストレ
プトバーチシリウム・アルビレティキュリ(Streptover
ticillium albireticuli)〔文献1:「International Jo
urnal of Systematic Bacteriology」18巻、80頁(196
8);文献2:同誌30巻、407頁(1980)〕があげられた。
そこで、MI43−37F11株とこれらの菌種について実地
に比較検討し、結果をまとめると第1表のようになる。
に比較検討し、結果をまとめると第1表のようになる。
第1表から明らかなように、MI43−37F11株とストレ
プトバーチシリウム・ユーロシディクム及びストレプト
バーチシリウム・アルビレティキュリとは3者ともが極
めて類似した性質を有する。
プトバーチシリウム・ユーロシディクム及びストレプト
バーチシリウム・アルビレティキュリとは3者ともが極
めて類似した性質を有する。
MI43−37F11株により近縁の種を選ぶとなると、気菌
糸が明るいオリーブ灰を呈すること、ISP−培地7にお
けるメラニン様色素の生成がおそらく陰性である点、フ
ラクトースをおそらく利用すること等から、ストレプト
バーチシリウム・ユーロシディクムがあげられる。
糸が明るいオリーブ灰を呈すること、ISP−培地7にお
けるメラニン様色素の生成がおそらく陰性である点、フ
ラクトースをおそらく利用すること等から、ストレプト
バーチシリウム・ユーロシディクムがあげられる。
従って、MI43−37F11株をストペルトバーチシリウム
・ユーロシディクム(Streptoverticillium eurocidicu
m)MI43−37F11と同定した。
・ユーロシディクム(Streptoverticillium eurocidicu
m)MI43−37F11と同定した。
なお、MI43−37F11株を工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託申請し、平成元年1月27日、微工研菌第1051
3号として受託された。
究所に寄託申請し、平成元年1月27日、微工研菌第1051
3号として受託された。
次に、本発明の抗生物質MI43−37F11の理化学的性質
及び生物学的性質について記載する。
及び生物学的性質について記載する。
〔抗生物質MI43−37F11の理化学的性状〕 (1) 形状:白色粉状 (2) 分子量:222(m/z,FDマススペクトロメトリーに
よる) (3) 元素分析(実測値):炭素59.40%,水素4.54
%,酸素35.79% (4) 分子式:C11H10O5 (5) 比旋光度:0゜(c0.2,アセトニトリル) (6) 融点:148.5〜149.5℃ (7) 紫外部吸収スペクトル(添付図面の第1図):
メタノール中の吸収極大(nm)、括弧内は(log ε)23
8(4.63),244(4.65),256(sh,4.05),274(sh,3.8
2)286(sh,3.67),330(3.78) (8) 赤外部吸収スペクトル(cm-1)(添付図面の第
2図):3480,1680,1630,1570,1510,1230,1190,1170,110
0,1090,980,860,840,710,690に特徴的な吸収帯を有す
る。
よる) (3) 元素分析(実測値):炭素59.40%,水素4.54
%,酸素35.79% (4) 分子式:C11H10O5 (5) 比旋光度:0゜(c0.2,アセトニトリル) (6) 融点:148.5〜149.5℃ (7) 紫外部吸収スペクトル(添付図面の第1図):
メタノール中の吸収極大(nm)、括弧内は(log ε)23
8(4.63),244(4.65),256(sh,4.05),274(sh,3.8
2)286(sh,3.67),330(3.78) (8) 赤外部吸収スペクトル(cm-1)(添付図面の第
2図):3480,1680,1630,1570,1510,1230,1190,1170,110
0,1090,980,860,840,710,690に特徴的な吸収帯を有す
る。
(9) 溶解性:アセトニトリルに易溶、メタノール,
クロロホルムに可溶,水、ヘキサンに難溶, (10) 核磁気共鳴スペクトル:重アセトニトリル中の
プロトン核磁気共鳴スペクトルを添付図面の第3図に示
す。添付図面の第3図の横軸はppmを表わし、なお内部
基準はテトラメチルシランである。
クロロホルムに可溶,水、ヘキサンに難溶, (10) 核磁気共鳴スペクトル:重アセトニトリル中の
プロトン核磁気共鳴スペクトルを添付図面の第3図に示
す。添付図面の第3図の横軸はppmを表わし、なお内部
基準はテトラメチルシランである。
更にまた、重アセトニトリル中の13C核磁気共鳴スペ
クトルを第2表に示す。
クトルを第2表に示す。
抗生物質MI43−37F11の構造は下記のようにして決定
された。マススペクトルはm/z222に分子イオンピークを
示し、元素分析の結果はC11H10O5を支持した。紫外部吸
収スペクトル(第1図)及び赤外部吸収スペクトル(第
2図)はイソフラボン骨格を示唆した。1H−NMRスペク
トルは第3図に示すように 3個の芳香族水素シグナル,及び水素結合している水酸
基1個の存在を示した。13C−NMRスペクトルは第2表に
示すような11個のシグナルを示した。イソクマリン核に
結合する各置換基、CH2OH,OCH3,OHの位置はHMBCスペク
トル[Heteronuclear multiple bond connectivity(文
献:A.Baxら,「J.Am.Chem.Soc.」108,8056〜8063(198
6))]により決定することができた。以上の各種スペ
クトルを検討して、MI43−37F11物質は、前記の式
〔I〕の構造を有することが決定された。この構造に一
致する既知物質は報告されていないので、抗生物質MI43
−37F11は新規な抗生物質であると決定された。
された。マススペクトルはm/z222に分子イオンピークを
示し、元素分析の結果はC11H10O5を支持した。紫外部吸
収スペクトル(第1図)及び赤外部吸収スペクトル(第
2図)はイソフラボン骨格を示唆した。1H−NMRスペク
トルは第3図に示すように 3個の芳香族水素シグナル,及び水素結合している水酸
基1個の存在を示した。13C−NMRスペクトルは第2表に
示すような11個のシグナルを示した。イソクマリン核に
結合する各置換基、CH2OH,OCH3,OHの位置はHMBCスペク
トル[Heteronuclear multiple bond connectivity(文
献:A.Baxら,「J.Am.Chem.Soc.」108,8056〜8063(198
6))]により決定することができた。以上の各種スペ
クトルを検討して、MI43−37F11物質は、前記の式
〔I〕の構造を有することが決定された。この構造に一
致する既知物質は報告されていないので、抗生物質MI43
−37F11は新規な抗生物質であると決定された。
〔抗生物質MI43−37F11の生物学的性質〕 抗生物質MI43−37F11の各種動物細胞及び人癌細胞に
対する増殖阻害活性(IC50)値を、第3表に示した。
対する増殖阻害活性(IC50)値を、第3表に示した。
(イ) 抗生物質MI43−37F11のエールリッヒ固型癌担
癌マウスに対する治療実験は次のように行なった。すな
わち雌性ICRマウスにエールリッヒ腹水癌細胞の懸濁液
を細胞数が2×106個/マウスとなるように腹側皮下に
移植し、移植後7日目に1回、または移植後7日目から
14日目まで隔日に5回、抗生物質MI43−37F11を10,2.5,
1.25,0.625mg/kg,または2.5,1.25,0.625mg/kgの投与量
で腹腔内に注射した(1群4匹,対照群8引)。細胞移
植後15日目に固型癌を取り出しその重量を測定し、生理
食塩水を投与した対照群のマウスの固形癌の重量を100
としたときのMI43−37F11投与群の固形癌の重量の減少
の割合を抑制率として第4表に示した。
癌マウスに対する治療実験は次のように行なった。すな
わち雌性ICRマウスにエールリッヒ腹水癌細胞の懸濁液
を細胞数が2×106個/マウスとなるように腹側皮下に
移植し、移植後7日目に1回、または移植後7日目から
14日目まで隔日に5回、抗生物質MI43−37F11を10,2.5,
1.25,0.625mg/kg,または2.5,1.25,0.625mg/kgの投与量
で腹腔内に注射した(1群4匹,対照群8引)。細胞移
植後15日目に固型癌を取り出しその重量を測定し、生理
食塩水を投与した対照群のマウスの固形癌の重量を100
としたときのMI43−37F11投与群の固形癌の重量の減少
の割合を抑制率として第4表に示した。
(ロ)抗生物質MI43−37F11の腹腔内マクロファージの
活性化実験は次のように行った。すなわち、雌性CDF1マ
ウスに抗生物質MI43−37F11をマクロファージ採取前に
1日に50,12.5,3.125mg/kgの投与量となるよう腹腔内に
投与した。1日後に腹腔内からマクロファージを採取
し、1×106個/mlとなるようプラスチックシャーレで培
養し、更に、フォルボールミリステートアセテートを10
0ng/mlとなるように加えマクロファージを活性化した。
そして生成したO2 -をチトクロームCの還元により測定
した。結果は対照群として生理食塩水を投与したマウス
の腹腔内マクロファージのO2 -産生量を100とした時のO2
-産生増加率を第5表に示した。
活性化実験は次のように行った。すなわち、雌性CDF1マ
ウスに抗生物質MI43−37F11をマクロファージ採取前に
1日に50,12.5,3.125mg/kgの投与量となるよう腹腔内に
投与した。1日後に腹腔内からマクロファージを採取
し、1×106個/mlとなるようプラスチックシャーレで培
養し、更に、フォルボールミリステートアセテートを10
0ng/mlとなるように加えマクロファージを活性化した。
そして生成したO2 -をチトクロームCの還元により測定
した。結果は対照群として生理食塩水を投与したマウス
の腹腔内マクロファージのO2 -産生量を100とした時のO2
-産生増加率を第5表に示した。
(ハ)抗生物質MI43−37F11の腹腔内マクロファージの
食作用に対する効果を調べる実験は次のように行った。
すなわち、雌性CDF1マウスにMI43−37F11をマクロファ
ージ採取3日前および1日前に50,5,0.5mg/kgとなるよ
うに腹腔内に投与した。そして、腹腔内よりマクロファ
ージを採取し、5×105個/mlとなるようにプラスチック
シャーレで培養し、その中に熱処理酵母を7.5×106個/m
lとなるように加え、更に培養した。そして、メタノー
ルで固定し、ギムザ染色を行ない400個のマクロファー
ジに食作用を受けた酵母の数を調べた。結果は対照群と
して、生理食塩水を投与したマウスの腹腔内マクロファ
ージの400個当りの食作用を受けた酵母の数を100とした
時の食作用増加率を第6表に示した。
食作用に対する効果を調べる実験は次のように行った。
すなわち、雌性CDF1マウスにMI43−37F11をマクロファ
ージ採取3日前および1日前に50,5,0.5mg/kgとなるよ
うに腹腔内に投与した。そして、腹腔内よりマクロファ
ージを採取し、5×105個/mlとなるようにプラスチック
シャーレで培養し、その中に熱処理酵母を7.5×106個/m
lとなるように加え、更に培養した。そして、メタノー
ルで固定し、ギムザ染色を行ない400個のマクロファー
ジに食作用を受けた酵母の数を調べた。結果は対照群と
して、生理食塩水を投与したマウスの腹腔内マクロファ
ージの400個当りの食作用を受けた酵母の数を100とした
時の食作用増加率を第6表に示した。
次に本発明の第2の発明による新規な抗癌抗生物質MI
43−37F11の製造について記載する。
43−37F11の製造について記載する。
ストレプトバーチシリウム属に属する抗生物質MI43−
37F11生産菌株を栄養源含有培地に接種して好気的に発
育させることによって、抗生物質MI43−37F11を含む培
養物が得られる。
37F11生産菌株を栄養源含有培地に接種して好気的に発
育させることによって、抗生物質MI43−37F11を含む培
養物が得られる。
栄養源としては放線菌の栄養源として使用しうるもの
が使用される。例えば、市販されているペプトン、肉エ
キス、コーン・スティープ・リカー、綿実粉、落花生
粉、大豆粉、酵母エキス、NZ−アミン、カゼインの水解
物,硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
などの窒素源、及び市販されているグリセリン、しょ
糖、でん粉、グルコース、ガラクトース、マンノース、
糖みつなどの炭水化物あるいは脂肪などの炭素源、及び
食塩、リン酸塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムな
どの無機塩を使用できる。その他必要に応じて、微量の
金属塩、消泡剤としての動植・鉱物油等を添加すること
ができる。これらのものは生産菌が利用し、抗生物質MI
43−37F11の生産に役立つものであればよく、公知の放
線菌の培養材料はすべて用いることが出来る。
が使用される。例えば、市販されているペプトン、肉エ
キス、コーン・スティープ・リカー、綿実粉、落花生
粉、大豆粉、酵母エキス、NZ−アミン、カゼインの水解
物,硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
などの窒素源、及び市販されているグリセリン、しょ
糖、でん粉、グルコース、ガラクトース、マンノース、
糖みつなどの炭水化物あるいは脂肪などの炭素源、及び
食塩、リン酸塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムな
どの無機塩を使用できる。その他必要に応じて、微量の
金属塩、消泡剤としての動植・鉱物油等を添加すること
ができる。これらのものは生産菌が利用し、抗生物質MI
43−37F11の生産に役立つものであればよく、公知の放
線菌の培養材料はすべて用いることが出来る。
抗生物質MI43−37F11の大量生産には液体培養が好ま
しく、培養温度は生産菌が発育し抗生物質MI43−37F11
を生産する範囲で使用でき、通常27〜32℃である。培養
は以上に述べた条件を使用する抗生物質MI43−37F11生
産菌の性質に応じて適宜選択して行うことができる。
しく、培養温度は生産菌が発育し抗生物質MI43−37F11
を生産する範囲で使用でき、通常27〜32℃である。培養
は以上に述べた条件を使用する抗生物質MI43−37F11生
産菌の性質に応じて適宜選択して行うことができる。
抗生物質MI43−37F11は培養液に存在する。培養濾液
より弱酸性で酢酸エチル等の水不混和性有機溶剤で抽出
することができる。上述の抽出法に加え、脂溶性物質の
採取に用いられる公知の方法、例えば吸着クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等を適宜組み合わせることによって抗生物
質MI43−37F11を純粋に採取することができる。
より弱酸性で酢酸エチル等の水不混和性有機溶剤で抽出
することができる。上述の抽出法に加え、脂溶性物質の
採取に用いられる公知の方法、例えば吸着クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等を適宜組み合わせることによって抗生物
質MI43−37F11を純粋に採取することができる。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
に限定されるものではない。
実施例1 寒天斜面培地で培養したストレプトバーチシリウム・
ユーロシディクムMI43−37F11株(微工研菌寄第10513
号)よりガラクトース2.0%、デキストリン2.0%、ソイ
ペプトン(ディフコ社製バクトソイトン)1.0%、コー
ン・スティープ・リカー〔日本食品化工(株)製〕0.5
%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カルシウム0.2%、消
泡用シリコンオイル〔信越化学工業(株)製シリコンKM
70〕0.003%からなる液体培地(pH7.4)を110mlずつ分
注したワッフル付き三角フラスコ3本に、1白金耳ずつ
接種し、30℃で2日間振とう培養した。
ユーロシディクムMI43−37F11株(微工研菌寄第10513
号)よりガラクトース2.0%、デキストリン2.0%、ソイ
ペプトン(ディフコ社製バクトソイトン)1.0%、コー
ン・スティープ・リカー〔日本食品化工(株)製〕0.5
%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カルシウム0.2%、消
泡用シリコンオイル〔信越化学工業(株)製シリコンKM
70〕0.003%からなる液体培地(pH7.4)を110mlずつ分
注したワッフル付き三角フラスコ3本に、1白金耳ずつ
接種し、30℃で2日間振とう培養した。
それを種培養液として用い、グリセリン2.0%、エス
サンミート〔味の素(株)製〕1.5%、リン酸1カリウ
ム0.1%、塩化コバルト6水和物0.0005%、消泡用シリ
コン0.003%を含み、リン酸2カリウムでpH6.2に調製し
た液体培地を125mlずつ分注した坂口フラスコ80本に2.5
mlずつ接種し、28℃で4日間培養した。培養液の濾過に
より濾液を菌体から分離し、濾液をpH5にて等量の酢酸
エチルで抽出した。それを減圧濃縮し、2.0gの褐色油状
物質を得た。これを10gのシリカゲルにまぶし、n−ヘ
キサンで充填した60mlのシリカゲルカラムに重層し、ク
ロマトグラフィーを行なった。まずn−ヘキサン−酢酸
エチル(8:2v/v)300mlで洗浄し、次いでn−ヘキサン
−酢酸エチル(1:1v/v)で溶出した。溶出液を減圧濃縮
し、0.2gの褐色油状物質を得た。
サンミート〔味の素(株)製〕1.5%、リン酸1カリウ
ム0.1%、塩化コバルト6水和物0.0005%、消泡用シリ
コン0.003%を含み、リン酸2カリウムでpH6.2に調製し
た液体培地を125mlずつ分注した坂口フラスコ80本に2.5
mlずつ接種し、28℃で4日間培養した。培養液の濾過に
より濾液を菌体から分離し、濾液をpH5にて等量の酢酸
エチルで抽出した。それを減圧濃縮し、2.0gの褐色油状
物質を得た。これを10gのシリカゲルにまぶし、n−ヘ
キサンで充填した60mlのシリカゲルカラムに重層し、ク
ロマトグラフィーを行なった。まずn−ヘキサン−酢酸
エチル(8:2v/v)300mlで洗浄し、次いでn−ヘキサン
−酢酸エチル(1:1v/v)で溶出した。溶出液を減圧濃縮
し、0.2gの褐色油状物質を得た。
この褐色油状物質を2gのシリカゲルにまぶし、n−ヘ
キサンで充填した20mlのシリカゲルカラムに重層し、ク
ロマトグラフィーを行なった。まずn−ヘキサン−酢酸
エチル(7:3v/v)100ml、次いでn−ヘキサン−酢酸エ
チル(6:4v/v)100mlで溶出し、5mlずつ分画する。そし
て活性画分を集め、減圧濃縮して、115mgの黄色油状物
質を得た。これを少量のアセトニトリルに溶かし高速液
体クロマトグラフィー〔(株)センシュー科学製、セン
シューパック(ODS330IN)20φ×300mm〕にかけ、20%
アセトニトリルから50%アセトニトリルの直線濃度勾配
で、4ml/分の流速で溶出し、4mlずつ分画した。この分
画のうち、活性を有する分画を減圧濃縮し、黄色粉状物
質を50mg得た。これを更に高速液体クロマトグラフィー
〔(株)山村化学研究所製、YMC−Pack,A−043SIL,20φ
×250mm〕にかけ、n−ヘキサン−クロロホルム(1:9v/
v)で4ml/粉の流速で溶出し、4mlずつ分画した。活性を
有する画分を集め減圧濃縮し、20mgの淡黄色粉状物質を
得た。これを更に、少量のクロロホルム−メタノール液
(100:1v/v)に溶解し、n−ヘキサンを徐々に加えるこ
とにより10mgの結晶を得た。これはメルク社製Art.5715
シリカゲル薄層クロマトグラフィー〔クロロホルム−メ
タノール(15:1v/vで展開〕で単一のスポットを与え純
粋な抗生物質MI43−37F11を得ることができた。
キサンで充填した20mlのシリカゲルカラムに重層し、ク
ロマトグラフィーを行なった。まずn−ヘキサン−酢酸
エチル(7:3v/v)100ml、次いでn−ヘキサン−酢酸エ
チル(6:4v/v)100mlで溶出し、5mlずつ分画する。そし
て活性画分を集め、減圧濃縮して、115mgの黄色油状物
質を得た。これを少量のアセトニトリルに溶かし高速液
体クロマトグラフィー〔(株)センシュー科学製、セン
シューパック(ODS330IN)20φ×300mm〕にかけ、20%
アセトニトリルから50%アセトニトリルの直線濃度勾配
で、4ml/分の流速で溶出し、4mlずつ分画した。この分
画のうち、活性を有する分画を減圧濃縮し、黄色粉状物
質を50mg得た。これを更に高速液体クロマトグラフィー
〔(株)山村化学研究所製、YMC−Pack,A−043SIL,20φ
×250mm〕にかけ、n−ヘキサン−クロロホルム(1:9v/
v)で4ml/粉の流速で溶出し、4mlずつ分画した。活性を
有する画分を集め減圧濃縮し、20mgの淡黄色粉状物質を
得た。これを更に、少量のクロロホルム−メタノール液
(100:1v/v)に溶解し、n−ヘキサンを徐々に加えるこ
とにより10mgの結晶を得た。これはメルク社製Art.5715
シリカゲル薄層クロマトグラフィー〔クロロホルム−メ
タノール(15:1v/vで展開〕で単一のスポットを与え純
粋な抗生物質MI43−37F11を得ることができた。
以上詳細に説明した通り、本発明により、新規な制癌
抗生物質MI43−37F11が取得され、またその製造法が提
供された。本発明による新規な制癌抗生物質はエールリ
ッヒ固形癌に有効な点で顕著な特徴を有する。
抗生物質MI43−37F11が取得され、またその製造法が提
供された。本発明による新規な制癌抗生物質はエールリ
ッヒ固形癌に有効な点で顕著な特徴を有する。
第1図は本発明の抗生物質MI43−37F11の紫外部吸収ス
ペクトル図である。第2図は本発明の抗生物質MI43−37
F11の赤外部吸収スペクトル図である。第3図は本発明
の抗生物質MI43−37F11のプロトン核磁気共鳴スペクト
ル図である。
ペクトル図である。第2図は本発明の抗生物質MI43−37
F11の赤外部吸収スペクトル図である。第3図は本発明
の抗生物質MI43−37F11のプロトン核磁気共鳴スペクト
ル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:625) (C12N 1/20 C12R 1:625) (72)発明者 飯沼 寛信 埼玉県和光市白子3丁目35番6―301号 住友和光ハウス (72)発明者 一色 邦夫 神奈川県藤沢市大庭3910番地 湘南ライ フタウン藤沢西部団地2―13―1332 (72)発明者 濱田 雅 東京都新宿区内藤町1番地26 秀和レジ デンス405号 (72)発明者 前田 謙二 東京都目黒区五本木2丁目46番11号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5丁目1番11号 ニユーフジマンシヨン701 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 17/00 - 17/18 A61K 31/35 C07D 311/76 REGISTRY(STN) CA(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】下記の式〔I〕 で表される化合物である制癌抗生物質MI43−37F11。
- 【請求項2】ストレプトバーチシリウム属に属して請求
項1に記載の式〔I〕で表される抗生物質MI43−37F11
を生産する菌を培養し、その培養液から抗生物質MI43−
37F11を採取することを特徴とする、制癌抗生物質MI43
−37F11の製造法。
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---|---|---|---|
JP1136181A JP2802097B2 (ja) | 1989-05-31 | 1989-05-31 | 新規な制癌抗生物質mi43―37f11及びその製造法 |
CA002017767A CA2017767C (en) | 1989-05-31 | 1990-05-29 | Anticancer antibiotic mi43-37f11 substance, the production and uses thereof |
ES90420261T ES2074148T3 (es) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | Nueva substancia anticancer antibiotica, su produccion y sus usos. |
KR1019900007810A KR0135600B1 (ko) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | 항암 항생물질 mi43-37f11, 그 제조방법 및 그 용도 |
AT90420261T ATE124691T1 (de) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | Antitumor- und antibiotikum-substanz, ihre herstellung und verwendungen. |
DE69020645T DE69020645T2 (de) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | Antitumor- und Antibiotikum-Substanz, ihre Herstellung und Verwendungen. |
EP90420261A EP0401138B1 (en) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | New anticancer antibiotic substance, the production and uses thereof |
DK90420261.1T DK0401138T3 (da) | 1989-05-31 | 1990-05-30 | Ny antibiotisk anticancerforbindelse og fremstillingen og anvendelser heraf |
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CN90103992A CN1028542C (zh) | 1989-05-31 | 1990-05-31 | 新的抗瘤抗生素物质生产方法 |
GR950402686T GR3017577T3 (en) | 1989-05-31 | 1995-09-29 | New anticancer antibiotic substance, the production and uses thereof. |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JPH032177A JPH032177A (ja) | 1991-01-08 |
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ID=15169235
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AT (1) | ATE124691T1 (ja) |
CA (1) | CA2017767C (ja) |
DE (1) | DE69020645T2 (ja) |
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US5703130A (en) * | 1995-06-07 | 1997-12-30 | Institute Of Materia Medica, An Institute Of The Chinese Academy Of Medical Sciences | Chalcone retinoids and methods of use of same |
US5716982A (en) * | 1995-06-07 | 1998-02-10 | Institute Of Materia Medica, An Institute Of The Chinese Academy Of Medical Sciences | Retinoids and methods of use of same |
US5968940A (en) * | 1995-06-08 | 1999-10-19 | Institute Of Materia Medica | Retinoids and methods of use of same |
JPH09169756A (ja) * | 1995-10-16 | 1997-06-30 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | 生理活性物質ei−1941類 |
CN1098258C (zh) * | 1996-06-17 | 2003-01-08 | 美露香株式会社 | 异香豆素衍生物及其在医药上的应用 |
JP4585644B2 (ja) * | 2000-01-24 | 2010-11-24 | 明治製菓株式会社 | 新規物質pf1223およびその製造法 |
JPWO2002062095A1 (ja) * | 2001-01-31 | 2004-06-03 | 三洋電機株式会社 | 無線基地システム、チャネル割当方法およびチャネル割当プログラム |
KR100470975B1 (ko) * | 2001-12-12 | 2005-03-08 | 한국생명공학연구원 | Agi-7 화합물과 세스칸델린의 효율적 제조방법 |
CN1506359A (zh) | 2002-12-05 | 2004-06-23 | �й�ҽѧ��ѧԺҩ���о��� | 新的香豆素酰胺衍生物及其制法和其药物组合物与用途 |
KR101914245B1 (ko) * | 2015-11-20 | 2018-11-02 | 4디 파마 리서치 리미티드 | 박테리아성 균주를 함유한 조성물 |
CN110672711B (zh) * | 2019-10-22 | 2021-09-21 | 南通市第二人民医院 | 一种肿瘤分子的离子计数检测装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5371076A (en) * | 1976-12-04 | 1978-06-24 | Mitsui Toatsu Chem Inc | Novel isocoumarin derivs. |
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