JPH0367077B2 - - Google Patents

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JPH0367077B2
JPH0367077B2 JP58035662A JP3566283A JPH0367077B2 JP H0367077 B2 JPH0367077 B2 JP H0367077B2 JP 58035662 A JP58035662 A JP 58035662A JP 3566283 A JP3566283 A JP 3566283A JP H0367077 B2 JPH0367077 B2 JP H0367077B2
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JP
Japan
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spicamycin
methanol
antibiotic
chloroform
value
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JP58035662A
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English (en)
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JPS59161396A (ja
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Nozomi Ootake
Yoichi Hayakawa
Hiroyuki Kawai
Masaya Nakagawa
Kozo Tanabe
Junichiro Mochizuki
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0367077B2 publication Critical patent/JPH0367077B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/02Heterocyclic radicals containing only nitrogen as ring hetero atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
発明の背景 本発明は、新規な制癌性抗生物質およびその製
造法に関する。 制癌性抗生物質は医薬として重要な位置を占め
ており、既に各種のものが提案されている。 一般に、抗生物質の生理活性はそれを構成する
化学物質の化学構造ないし理化学的性質によると
ころが大きいから、制癌性抗生物質についても既
存のものと異なる化学物質よりなる抗生物質ない
し既存のものと異なる理化学的性質を有する抗生
物質に対しては不断の希求があるといえよう。 発明の概要 本発明は、上記の希求に応えるものである。 すなわち、本発明による抗生物質スピカマイシ
ンは、下記の理化学的性質を有するものである。 本発明による抗生物質スピカマイシンの製造法
は適当な培地にストレプトミセス属の抗生物質ス
ピカマイシン生成能を有する菌株を好気的に培養
し、培養物から下記の理化学的性質を有する抗生
物質スピカマイシンを採取すること、を特徴とす
るものである。 (1) 色、性状:弱酸性の白色粉末 (2) 融点:215〜220℃(分解) (3) 比旋光度:〔α〕25 D=+15°(C=0.15、メタノ
ール中) (4) 元素分析値 C:57.4% (実験値) H:8.3% N:15.7% O:18.6% (5) 紫外線吸収スペクトル(吸収極大) CH3OH 264nm(E1% cm257) 0.01N NaOH+CH3OH 272nm(E1% cm226) 0.01N HCl+CH3OH 273nm(E1% cm258) (6) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム法で測
定) νnax:3300、2950、2850、1630、1530、1470、
1400、1320、1240、1080cm-1 このスペクトルは第2図に示されている。 (7) 溶剤に対する溶解性 塩基性水、ジメチルスルフオキシド、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノールおよびn
−ブタノールに可溶。 水、アセトン、酢酸エチルおよびクロロホル
ムに難溶。 ベンゼン、エチルエーテルおよびヘキサンに
不溶。 (8) 薄層クロマトグラフイー (メルク社「シリカゲル60F254」プレート
使用) 展開溶媒 Rf クロロホルム:メタノール 0.34 =1:1 (9) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400メガヘ
ルツ、重メタノール中) δH:0.88、1.20〜1.80、2.28(2H、t)、3.60〜
3.80(5H)、3.85(1H、d、J=16.4Hz)、3.90
(1H、d、J=16.4Hz)、4.00(1H、dd、J=
2.4Hz、<1Hz)、4.14(1H、dd、J=10.4Hz、
10.4Hz)、5.67(1H、brs)、8.12(1H、s)、
8.28(1H、s) このスペクトルは第3図に示されている。 発明の具体的説明 抗生物質スピカマイシン(Spicamycin)化学
構造 本発明による抗生物質スピカマイシンは、下記
の一般式()で示される化合物よりなる混合物
である。 式中R1は、(CH32CH(CH2oCO−(n=8〜
14) または CH3(CH2nCO−(m=10〜16)を表
わす。R2は、CH2(OH)CH(OH)−を表わす。 上記スピカマイシンの構造は次のようにして決
定された。すなわち、スピカマイシンの核磁気共
鳴スペクトル(第3図)の解析により、スピカマ
イシンはiso型の脂肪酸部分、ヘプトース部分、
複素芳香核部分および帰属不明のメチレンを含む
部分からなることが推定される。 スピカマイシンを1NHCl水溶液中で100℃で1
時間加水分解するとアデニン、未知のアミン糖お
よび酸性物質が得られる。この酸性物質をさらに
6NHCl水溶液中で110℃で48時間加水分解する
と、グリシンと飽和脂肪酸の混合物とが得られ
る。飽和脂肪酸の混合物をジアゾメタンでメチル
化し、ガスクロマトグラフイー−マススペクトロ
メトリー(1.5%Silicone−OV−1/Shimalite
W 170℃)で分析すると、iso−パルミチン酸お
よびiso−マルガリン酸を中心とする(CH32CH
(CH2oCOOH(n=8〜14)またはCH3(CH2n
COOH(m=10〜16)で示される脂肪酸の混合物
であることが判明した。 以上の結果より、スピカマイシンの核磁気共鳴
スペクトルにおけるヘプトース部分はアミノヘプ
トース、複素芳香核はアデニン、メチレンはグリ
シンに帰属されることができる。また、脂肪酸は
グリシンとアミド結合していることが示唆され
る。 さらに、糖部分を解析するために、スピカマイ
シンをピリジン中において4−ジメチルアミノピ
リジンの存在下で無水酢酸によりアセチル化する
と、スピカマイシン・テトラアセテートが得られ
る。スピカマイシン・テトラアセテートの構造
を、その核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR)
から解析すると、アデニンの6位のアミノ基のプ
ロトンからの糖の1′位〜7′位のプロトンまでカツ
プリングが観察され、スピカマイシンのアミノヘ
プトースはアデニンの6位のアミノ基とN−グリ
コシド結合していることが判明した。また、カツ
プリング定数が5′位−4′位および4′位−3′位は約
10Hzならびに3′位−2′位は約3Hzであることか
ら、2′位のプロトンはequatrial、3′位〜5′位のプ
ロトンはすべてaxialであることが判明した。さ
らに、4′位および5′位にはアセチル化シフトが観
察されないことおよび4′位のプロトンとNに結合
したプロトンとの間にカツプリングが観察された
ことにより、糖はプラノース型で4′位にはN−ア
シルグリシンがアミド結合していることが判明し
た。さらに、1′位のプロトンと2′、3′、5′位のプ
トトンとの間にNOE(Nuclear Overhauser
Effect)が見られ、糖の1′位のプロトンはaxial配
向である。 以上の結果を総合して、スピカマイシンは一般
式()で示される化合物よりなる混合物である
と判定された。 なお、スピカマイシンのFD−マススペクトル
でm/z644、658および672(M++Na)のピーク
が観察されるが、これらは一般式()において
R1がそれぞれ(CH32CH(CH2oCO−(n=12〜
14)またはCH3(CH2nCO−(m=14〜16)で表
わされる化合物の分子イオンピークを表わしてい
る。 理化学的性質 抗生物質スピカマイシンの理化学的性質は、下
記の通りである。 (1) 色、性状:弱酸性の白色粉末 (2) 融点:215〜220℃(分解) (3) 比旋光度:〔α〕25 D=+15°(C=0.15、メタノ
ール中) (4) 元素分析値 C:57.4% (実験値) H:8.3% N:15.7% O:18.6% (5) 紫外線吸収スペクトル(吸収極大) CH3OH 264nm(E1% cm257) 0.01N NaOH+CH3OH 272nm(E1% cm226) 0.01N HCl+CH3OH 273nm(E1% cm258) (6) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム法で測
定) νnax:3300(−OH)、2950、2850、1630(−HN
−CO−)、1530、1470、1400、1320、1240、
1080cm-1 このスペクトルは第2図に示されている。 (7) 溶剤に対する溶解性 塩基性水、ジメチルスルフオキシド、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノールおよびn
−ブタノールに可溶。 水、アセトン、酢酸エチルおよびクロロホル
ムに難溶。 ベンゼン、エチルエーテルおよびヘキサンに
不溶。 (8) 薄層クロマトグラフイー (メルク社「シリカゲル60F254」プレート
使用) 展開溶媒 Rf クロロホルム:メタノール 0.34 =1:1 (9) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400メガヘ
ルツ、重メタノール中) δH:0.88*(−CH3)、1.20〜1.80*(−CH2−、
【式】)、2.28(2H、t、H−2〓)、3.60 〜3.80(5H、H−3′、5′、6′、7′a、7′b)、3.85
(1H、d、J=16.4Hz、H−2″a)、3.90(1H、
d、J=16.4Hz、H−2″b)、4.00(1H、dd、
J=2.4Hz、<1Hz、H−2′)、4.14(1H、dd、
J=10.4Hz、10.4Hz、H−4′)、5.67(1H、
brs、H−1′)、8.12(1H、s、H−8)、8.28
(1H、s、H−2) このスペクトルは第3図に示されている。 ここで、化学シフト、水素数、化学結合定数J
値等の他にプロトンの帰属についても示した(上
記データ中の*:本発明化合物が脂肪酸部分で複
数の構造をとる混合物であるので、プロトン数の
特定はできない)。 上記のプロトンの帰属は、本発明による抗生物
質スピカマイシンの構造式()を次式(′)
のように表した場合における位置を示すものであ
る。 式中Rは、(CH32CH(CH2x−(x=6〜12)
または CH3(CH2y−(y=8〜14)を表し、 R2は、CH2(OH)CH(OH)−を表す。 7′ 6′ スピカマイシンの製造 概 要 抗生物質スピカマイシンは現在のところ微生物
の培養によつてのみしか得られていないが、類縁
化合物の合成化学的または微生物学的修飾によつ
て製造することも、あるいは全合成化学的に製造
することもできよう。 微生物の培養による場合の菌株としては、スト
レプトミセス属に属するスピカマイシン生成能を
有するものが使用される。具体的には、本発明者
らの分離したストレプトミセス・アラノシニクス
879−MT3(H79)株がスピカマイシンを生産す
ることが本発明者らによつて明らかにされている
が、その他の菌株については抗生物質生産菌単離
の常法によつて適当なものを自然界より分離する
ことが可能である。また、S.アラノシニクス879
−MT3(H79)株を含めてスピカマイシン生産菌
を放射線照射その他の処理に付して、スピカマイ
シン生産能を高める余地も残されている。 H79株 抗生物質スピカマイシン生産能を有するストレ
プトミセス属の菌株として本発明者らの見出して
いるH79株は、下記の内容のものである。 (1) 由来および寄託番号 H79株は鹿児島県日置郡市来町の花畑で採取
した土壌から分離されたものであり、昭和57年
7月19日に工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託されて、「微工研条寄第449号」の番号を得
ている。 (2) 菌学的性状および生理学的性質 (イ) 形態 空中菌糸は主軸を長く伸ばし、不規則に単
軸分枝し、その先端は螺旋状(コイル状径20
〜30μm、3〜6回転)を呈し、10〜50個以
上の長い胞子鎖を着生する。胞子の表面構造
はとげ状で径0.3〜0.4μm、長さ0.5〜0.7μm
の卵形である。菌核、鞭毛胞子や胞子嚢等の
特殊形態は観察されない。 (ロ) 各種培地における生育状態 国際放線菌命名委員会(ISP)の方法便覧
(Methods of Manual 1941)にしたがつて
観察した。観察結果を要約して表1に示し
た。なお、観察は37℃の培養温度で行なつ
た。 (ハ) 生理的性質および炭素源の同化性 生理的性質は表2に、また炭素源の同化性
は表3に、それぞれ示す通りである。
【表】
【表】
【表】 −:陰性
表3 炭素源の同化性 L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース + シユクロース + イノシトール + L−ラムノース − ラフイノース + D−マンニトール + プリドハム・ゴツトリープ寒天培地を使用 (註)+:良く生育 −:生育せず (ニ) 考察 観察の結果、本菌株879−MT3はストレプ
トミセス属(Streptomyces)に含まれる放
線菌で次のように特徴づけられる。すなわ
ち、(a)胞子鎖形態は螺旋状(b)胞子鎖の表面構
造はとげ状(c)菌叢色は赤色系列(d)集落の裏面
色は不鮮明色(e)メラニン様色素の産性は陽性
(f)炭素源としてラムノースを同化しない。以
上6特性を基準にして、バージー氏細菌同定
便覧8版(1974)およびISP記載の検索表よ
り検索した結果、本菌株の特性は、S.
alanosinicus(S.アラノシニクス)の特性に
よく一致する。したがつて、本菌株はS.アラ
ノシニクスに包含される一菌株であると同定
し、ストレプトミセス・アラノシニクス879
−MT3株(Streptomyces alanosinicus,
Thiemann and Beretta,Strain No.879−
MT3)と称する。 (3) 培養/スピカマイシンの生産 抗生物質スピカマイシンは、ストレプトミセ
ス属に属するスピカマイシン生産菌を適当な培
地で好気的に培養し、培養物から目的物を採取
することによつて製造することができる。 培地は、スピカマイシン生産菌が利用しうる
任意の栄養源を含有するものでありうる。具体
的には、例えば、炭素源としてグルコース、シ
ユークロース、マルトース、スターチ、および
油脂類などが使用でき、窒素源として大豆粉、
綿実粕、乾燥酵母、、酵母エキス、およびコー
ンスチープリカーなどの有機物並びにアンモニ
ウム塩または硝酸塩、たとえば硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、および塩化アンモニウム
等の無機物が使用できる。また、必要に応じ
て、食塩、塩化カリルム、リン酸塩、重金属塩
など無機塩類を添加することができる。発酵中
の発泡を抑制する為に、常法に従つて適当な消
泡剤、たとえばシリコーンを添加することもで
きる。 培養方法としては、一般に行われている抗生
物質の生産の方法と同じく、好気的液体深部培
養法が最も適している。培養温度は27℃〜37℃
が適当であるが、35℃〜37℃が好ましい。この
方法でスピカマイシンの生産量は、振盪培養、
通気撹拌培養共に4日〜5日で最高に達する。 このようにしてスピカマイシンの蓄積された
培養物が得られる。培養物中では、スピカマイ
シンはその一部は培養液中に存在するが、そ
の大部分は菌体中に存在する。 このような培養物からスピカマイシンを採取
するには、合目的的な任意の方法が利用可能で
ある。その一つの方法は、抽出の原理に基くも
のであつて、具体的には、たとえば、培養液
中のスピカマイシンについてはこれを水不混和
性のスピカマイシン用溶媒(前記参照)例えば
ブタノール等で抽出する方法、あるいは菌体内
のスピカマイシンについては過、遠心分離等
で得た菌体集体をブタノール、メタノール、エ
タノール、アセトンなどで処理して回収するこ
とができる。菌体を分離せずに培養物そのまま
を上記の抽出操作に付すこともできる。適当な
溶媒を用いた向流分配法も抽出の範疇に入れる
ことができる。 培養物からスピカマイシンを採取する他の方
法の一つは、吸着の原理に基くものであつて、
既に液状となつているスピカマイシン含有物、
例えば培養液あるいは上記のようにして抽出
操作を行なうことによつて得られる抽出液、を
対象として、適当な吸着剤ないしゲル過剤、
例えばシリカゲル、「セフアデツクスLH20」
(フアルマシア社製)等、を用いたカラムクロ
マトグラフイー、「ヌクレオシル5C18」(西独ナ
ーゲル社製)等を用いた高速液体クロマトグラ
フイー、その他によつて目的スピカマイシンを
吸着させ、その後溶離させることによつて、ス
ピカマイシンを得ることができる。このように
して得られたスピカマイシン溶液を減圧濃縮乾
固すれば、スピカマイシンの粗標品が得られ
る。 このようにして得られるスピカマイシンの粗
標品をさらに精製するためには、上記の抽出法
および吸着法を必要に応じて組合せて必要回数
行なえばよい。例えば、シリカゲル、「セフア
デツクスLH20」などの吸着剤またはゲル過
剤を用いたカラムクロマトグラフイー、「ヌク
レオシル5C18」等を用いた高速液体クロマトグ
ラフイー、および向流分配法を適宜組合わせて
実施することができる。具体的には、例えば、
スピカマイシン粗標品を少量のメタノールに溶
解し、「セフアデツクスLH20」カラムを用い
て、適当な溶媒で展開して活性成分を溶出さ
せ、溶出液を減圧濃縮後、更に「ヌクレオシル
5C18」を用いた高速液体クロマトグラフイーに
かけ、メタノールで溶出して活性画分を分取
し、濃縮・乾固するとスピカマイシンの白色粉
末が得られる。 スピカマイシンの用途 本発明による抗生物質スピカマイシンは、制癌
活性および抗菌活性を有するという点で有用であ
る。 生理活性 (1) 抗腫傷性 スピカマイシンは、実験動物の白血病に対し
て著しい抗腫傷作用を示した。例えば、CDF1
マウスに対し、P388白血病細胞の懸濁液1×
106ヶ/マウスを腹腔内に移植し、移植後1日
目よりスピカマイシンを9日間連続投与し、生
理食塩水を投与した対照群のマウスの生存日数
を100とした延命率(%)で効果を示すと、下
記の通りであつた。投与量(mg/Kg/日) 延命率T/C(%) 0.125 129 0.25 140 0.5 153 1.0 154 2.0 154(毒傾向) (2) 抗菌性 スピカマイシンの各種微生物に対する最少生
育阻止濃度(MIC)を、寒天希釈法によつて、
測定した結果を4表に示す。
【表】 上記のように、本発明のスピカマイシンは抗
菌作用を有し、特に毛瘡白癬菌等に対して抗菌
性を示すので、これらに起因する感染症に対し
て有効な抗生物質として使用することができ
る。 (3) 急性毒性(LD50) スピカマイシンのマウス腹腔内注射による
LD50は、40mg/Kgであつた。 (4) 抗生物質 上記のように、本発明のスピカマイシンは抗
腫傷性および抗菌性を示すことが明らかにされ
た。 したがつて、本発明のスピカマイシンは抗腫
瘍剤ないし抗菌剤として使用することができ
る。 抗腫瘍剤ないし抗菌剤としてのスピカマイシ
ンは合目的的な任意の投与経路で、また採用投
与経路によつて決まる剤型で、投与することが
できる。薬剤としては製薬上許容される担体な
いし希釈剤で希釈された形態がふつうである。 具体的には、例えば、抗腫瘍剤としてのスピ
カマイシンを実際に投与する場合には、これを
注射用蒸留水または生理食塩水に溶解して注射
する方法が代表的なものの一つとして挙げられ
る。具体的には、動物の場合は腹腔内注射、皮
下注射、静脈または動脈への血管内注射および
局所投与等の注射による方法が、ヒトの場合は
静脈または動脈への血管内注射または局所投与
等の注射による方法がある。 スピカマイシンの投与量は、動物試験の結果
および種々の情況を勘案して、連続的または間
けつ的に投与したときに総投与量が一定量を越
えないように定められる。具体的な投与量は、
投与方法、患者または被処理動物の状況、例え
ば年令、体重、性別、感受性、食餌、投与時
間、併用する薬剤、患者またはその病気の程度
に応じて変化することはいうまでもなく、また
一定の条件のもとにおける適量と投与回数は、
上記の指針を基として専門医の適量決定試験に
よつて決定されなければならない。 実施例 以下において「%」は「W/V%」である。 実施例 1 (1) 種母の調製 使用した培地は、下記の組成の成分を1リツ
トルの水に溶解してPH7.0に調整したものであ
る。 グルコース 0.4% 麦芽エキス 1.0% 酵母エキス 0.4% 上記培地15mlを50mlの大型試験管へ分注し、
殺菌後、ストレプトミセス・アラノシニクス
879−MT3をスラントより1白金耳接種し37℃
にて48時間振盪培養したものを種母とした。 (2) 培養 使用した培地は、下記の組成の成分を1リツ
トルの水に溶解して、PH7.0に調整したもので
ある。 グルコース 2.5% 大豆粉 1.5% 乾燥酵母 0.2% 炭酸カルシウム 0.4% 上記培地を100mlずつ500mlの三角フラスコへ
分注殺菌したものへ、上記種母2mlを添加し、
ロータリーシエーカーを用いて37℃にて回転培
養を行なつた。4日後に培養は終了し、別し
た菌体を500mlのn−ブタノールで2回抽出す
る。 抽出液を濃縮乾固し、アセトンおよび水で洗
つた後、メタノールに溶解し、メタノールで平
衡化した「セフアデツクスLH20」カラムを通
過させる。得られた活性フラクシヨンを濃縮乾
固後、メタノールに溶解し、「ヌクレオシル
5C18」(8mmφ×250mm)を用いた高速液体クロ
マトグラフイを行ない、溶出溶媒メタノール、
流速2ml/分で、保持時間5.9分の264nmの紫
外部吸収で検出される活性ピークを分取し、濃
縮乾固するとスピカマイシンの白色粉末80mgが
得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、スピカマイシンの紫外部吸収スペク
トル(メタノール中)を模写したものである。第
2図は、スピカマイシンの赤外吸収スペクトルを
模写したものである。第3図はスピカマイシンの
1H−NMRスペクトルを模写したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質を有する抗生物質スピカ
    マイシン。 (1) 色、性状:弱酸性の白色粉末 (2) 融点:215〜220℃(分解) (3) 比旋光度:〔α〕25 D=+15°(メタノール中、C
    =0.15) (4) 元素分析値 C:57.4% (実験値) H:8.3% N:15.7% O:18.6% (5) 紫外部吸収スペクトル(吸収極大) CH3OH 264nm(E1% cm257) 0.01N NaOH+CH3OH 272nm(E1% cm226) 0.01N HCl+CH3OH 273nm(E1% cm258) (6) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム法で測
    定) νnax:3300、2950、2850、1630、1530、1470、
    1400、1320、1240、1080cm-1 (7) 溶剤に対する溶解性 塩基性水、ジメチルスルフオキシド、メタノ
    ール、エタノール、n−プロパノール、および
    n−ブタノールに可溶。 水、アセトン、酢酸エチルおよびクロロホル
    ムに難溶。 ベンゼン、エチルエーテルおよびヘキサンに
    不溶。 (8) 薄層クロマトグラフイー (メルク社「シリカゲル60F254」プレート使
    用) 展開溶媒 Rf クロロホルム:メタノール 0.34 =1:1 (9) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400メガヘ
    ルツ、重メタノール中) δH:0.88、1.20〜1.80、2.28(2H、t)、3.60〜
    3.80(5H)、3.85(1H、d、J=16.4Hz)、3.90
    (1H、d、J=16.4Hz)、4.00(1H、dd、J=
    2.4Hz、<1Hz)、4.14(1H、dd、J=10.4Hz、
    10.4Hz)、5.67(1H、brs)、8.12(1H、s)、
    8.28(1H、s) 2 適当な培地にストレプトミセス属の抗生物質
    スピカマイシン生成能を有する菌株を好気的に培
    養し、培養物から下記の理化学的性質を有する抗
    生物質スピカマイシンを採取することを特徴とす
    る、抗生物質スピカマイシンの製造法。 (1) 色、性状:弱酸性の白色粉末 (2) 融点:215〜220℃(分解) (3) 比旋光度:〔α〕25 D=+15°(メタノール中、C
    =0.15) (4) 元素分析値 C:57.4% (実験値) H:8.3% N:15.7% O:18.6% (5) 紫外部吸収スペクトル(吸収極大) CH3OH 264nm(E1% cm257) 0.01N NaOH+CH3OH 272nm(E1% cm226) 0.01N HCl+CH3OH 273nm(E1% cm258) (6) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム法で測
    定) νnax:3300、2950、2850、1630、1530、1470、
    1400、1320、1240、1080cm-1 (7) 溶剤に対する溶解性 塩基性水、ジメチルスルフオキシド、メタノ
    ール、エタノール、n−プロパノール、および
    n−ブタノールに可溶。 水、アセトン、酢酸エチルおよびクロロホル
    ムに難溶。 ベンゼン、エチルエーテルおよびヘキサンに
    不溶。 (8) 薄層クロマトグラフイー (メルク社「シリカゲル60F254」プレート
    使用) 展開溶媒 Rf クロロホルム:メタノール 0.34 =1:1 (9) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400メガヘ
    ルツ、重メタノール中) δH:0.88、1.20〜1.80、2.28(2H、t)、3.60〜
    3.80(5H)、3.85(1H、d、J=16.4Hz)、3.90
    (1H、d、J=16.4Hz)、4.00(1H、dd、J=
    2.4Hz、<1Hz)、4.14(1H、dd、J=10.4Hz、
    10.4Hz)、5.67(1H、brs)、8.12(1H、s)、
    8.28(1H、s)。
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DE19843407979 DE3407979A1 (de) 1983-03-04 1984-03-03 Spicamycin sowie verfahren zu seiner herstellung

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US4086416A (en) * 1977-05-17 1978-04-25 Stanford Research Institute Septacidin analogs

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US4565781A (en) 1986-01-21
DE3407979C2 (ja) 1993-09-16
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