JP3123864B2 - 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法 - Google Patents

新規化合物チオマリノールcおよびその製造法

Info

Publication number
JP3123864B2
JP3123864B2 JP05273355A JP27335593A JP3123864B2 JP 3123864 B2 JP3123864 B2 JP 3123864B2 JP 05273355 A JP05273355 A JP 05273355A JP 27335593 A JP27335593 A JP 27335593A JP 3123864 B2 JP3123864 B2 JP 3123864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methanol
thiomarinol
measured
culture
follows
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05273355A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06199865A (ja
Inventor
秀次 高橋
秀幸 塩澤
佳年生 小川
義陽 境田
顕雄 鳥潟
健太郎 小玉
晃 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP05273355A priority Critical patent/JP3123864B2/ja
Publication of JPH06199865A publication Critical patent/JPH06199865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3123864B2 publication Critical patent/JP3123864B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌活性を有する新規
化合物チオマリノールCおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】海水より分離したアルテロモナス(Alter
omonas) 属に属する微生物が、例えば抗腫瘍活性を有す
るビスカベリン(bisucaberin) を生産することが知られ
ている(特開昭63-27484号)。しかし、ビスカベリンは
環状ペプチド化合物である。
【0003】水酸基で置換されたテトラヒドロピラン骨
格を母核とした誘導体は数多いが、中でもチオマリノー
ルCに類似した構造を有する化合物としては、例えばシ
ュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluoresce
ns) が生産するシュードモン酸(pseudomonic acid)A
(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 294頁(1977 年)、シュ
ードモン酸B(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 318 頁(197
7 年))、シュードモン酸C(J.Chem.Soc.Perkin Tran
s.I 2,827頁(1982 年))およびシュードモン酸D(J.C
hem.Soc.Perkin Trans.I 2,655 頁(1983 年))が知ら
れている。しかし、これらシュードモン酸の抗菌活性は
チオマリノールCより弱い。なお現在、シュードモン酸
Aの2%軟膏(商品名「Bactroban」、Beecham 社) が皮
膚感染症治療剤として欧米で実用に供されている。
【0004】また、シュードモン酸の末端カルボン酸を
アミドに変換した誘導体も知られている(特開昭52-102
279 号、特開昭54-12375号、特開昭54-90179号、 特開昭
54-103871 号、特開昭54-125672 号)。しかし、これら
の中にはチオマリノールCのような強い抗菌力、多くの
グラム陰性菌まで含む広い抗菌スペクトルを有するもの
はない。むしろその活性はシュードモン酸より弱くなる
傾向がある。
【0005】また、海洋細菌由来の生理活性物質でもチ
オマリノールCに類似した化合物が報告されている。(A
m.Chem.Soc. の200年会(1990年 8月26-31 日)のAb
stracts of Papers,Part 2,ORGN.No.139) 。しかしなが
ら、この化合物の末端のカルボニル基に結合する複素環
基は2−ピペリドン−3−イル基であり、その抗菌活性
の詳細は不明である。
【0006】一方、ホロシン(holothin,Helv.Chim.Act
a,42 巻,563 頁(1959 年))骨格を母核とした誘導体
としては、例えば放線菌の一種ストレプトミセス(Strep
tomyces)属より単離されたホロマイシン(holomycin,Hel
v.Chim.Acta,42巻,563 頁(1959年))、ピロシン(pyr
rothine,J.Am.Chem.Soc.,77 巻,2861頁(1955年))、
チオルチン(thiolutin,Angew.Chem.,66 巻,745 頁(195
4 年))、アウレオスリシン(aureothricin,J.Am.Chem.
Soc.,74 巻,6304頁(1952 年))などを挙げることがで
きる。また、細菌由来の抗生物質としてゼノルアブジン
(xenorhabdin) I〜V (特表昭 59-501950号、 J. Natur
al Products, 54 巻,774 頁 (1991) )が単離されてい
る。しかし、これらの化合物にはチオマリノールCほど
の強い抗菌活性は見い出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、海水よ
り分離したアルテロモナス(Alteromonas) 属に属するSA
NK 73390株の培養液から、抗菌作用を有する新規化合物
チオマリノールCが生産されることを見出して本発明を
完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のチオマリノール
Cは下記の構造式および理化学的性状を有する。
【0009】
【化2】
【0010】(1)物質の性状:黄色粉末 (2)分子式: C30 H44 N2 O8 S2 (3)分子量: 624 (FAB-MS法により測定) (4)元素分析値:(%) ( 但し、C30 H44 N2 O8
S2+ H2Oとして) 実測値: C 56.48、 H 7.23、 N 4.30、 S 9.
11 計算値: C 56.05、 H 7.21、 N 4.36、 S 9.
97 (5)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。
【0011】3256、 3068、 2928、 2858、 1645、
1596、 1530、 1455、1384、 1287、 1225、 11
51、 1104、 1052、 974、 820、712。
【0012】(6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
吸収スペクトルは、次に示す通りである。388(9,600)、
300(2,700)、 215(17,000) 。
【0013】メタノール+水酸化ナトリウム中で測定し
た紫外線吸収スペクトルは、次に示す通りである。386
(8,600)、 205(49,000) 。
【0014】(7)比旋光度:[α]D 25 − 1.4°
(c=1.0, メタノール) (8)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパックODS H-2151(カラムサイ
ズ、φ 6×150mm 、センシュウ科学(株)製) 溶媒; 40 %アセトニトリル−水 流速; 1.5.ml/分 保持時間; 11.3 分。
【0015】(9)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用しして測定した核磁気共鳴スペクトル(360
MHz)は、次に示す通りである。
【0016】10.70(1H,s), 9.81(1H,s), 7.05(1H,s),
5.68(1H,s),5.37(1H,m), 5.33(1H,m), 4.64(1H,s
(br)), 4.55(1H,m(br)),4.32(1H,d,J=4.3Hz), 4.01(2
H,t,J=6.6Hz), 3.67(1H), 3.62(1H),3.58(1H), 3.49
(1H), 3.35(1H), 3.18(1H,m(br)),2.56(1H,d(br),J=
14.2Hz), 2.34(2H,t,J=7.3Hz), 2.15(1H),2.11(3H,
s), 2.08(1H), 2.06(2H), 1.63(1H,m), 1.56(2H,
m),1.51(2H,m), 1.30(2H), 1.29(2H), 1.26(2H),0.
95(3H,d,J=6.3Hz), 0.91(3H,d,J=6.9Hz) 。
【0017】(10)13C −核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90 MH
z) は、次に示す通りである。171.8(s), 167.9(s),
165.7(s), 157.9(s), 134.2(d),133.9(s), 133.
6(s), 127.6(d), 116.5(d), 115.3(s),110.4(d),
74.4(d), 69.3(d), 69.2(d), 68.1(d),6
4.0(t), 63.0(t), 43.1(d), 42.5(t), 42.
0(d),34.6(t), 32.1(t), 28.4(t), 28.3(t),
28.1(t),25.2(t), 24.9(t), 20.0(q), 18.
6(q), 15.7(q)。
【0018】(11)溶解性:メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶。n
−ヘキサン、水に不溶。
【0019】(12)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.66 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art.5719) 展開溶剤;メチレンクロリド:メタノール=85:15。
【0020】本発明の前記一般式(I) を有するチオマリ
ノールCはいくつかの不斉炭素原子およびいくつかの二
重結合を有する。特にα,β−不飽和カルボニル部分は
異性化される可能性がある。それ故、種々の立体および
幾何異性体が存在する。本発明においては、これらの異
性体がすべて単一の式で示されている。従って、本発明
においては、ラセミ化合物を含むこれらの異性体および
これらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0021】本発明は、また、アルテロモナス属に属す
るチオマリノールC生産菌を培養し、その培養物よりチ
オマリノールCを採取することを特徴とするチオマリノ
ールCの製造法に関し、さらに詳しくは、上記のアルテ
ロモナス属に属するチオマリノールC生産菌がアルテロ
モナス・ラバ(Alteromonas rava)SANK 73390株である、
該製造法に関する。
【0022】本発明の、チオマリノールCを生産する上
記SANK 73390株は静岡県南伊豆町小稲の海岸で採取した
海水から常法により分離した海洋細菌である。
【0023】チオマリノールCの生産菌であるSANK 733
90株の菌学的性状は次の通りである。
【0024】1.形態学的性状 マリンアガー(Difco社製)上で 23 ℃で、 24 時間培養
後の観察では、細胞は直径 0.8-1.0 μm 、長さ 2.0-
3.6 μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞
子を形成せず、グラム染色は陰性である。
【0025】2.マリンアガー培地上での生育状態 23 ℃で、24 時間培養したコロニーはいくぶん灰色を
帯びた黄色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶
性の色素を生成しない。
【0026】3.生理学的性状 (1)海水の要求性:生育に海水を要求する。
【0027】(2)O−F(オキシダティブ−ファーメ
ンタティブ)テスト[ヒュー・レイフソン(Hugh・Leifso
n)法(J.Bact., 66巻,24-26 頁、(1953 年))、人工海水
で調製]:糖を分解しない。
【0028】(3)オキシダーゼ:+ (4)カタラーゼ:+ (5)酸素に対する態度:好気的。
【0029】(6)硝酸塩の還元:− (7)デンプンの加水分解:+ (8)寒天の分解:− (9)ゼラチンの液化:+ (10)DNaseの産生:+ (11)リパーゼの産生:+ (12)生育温度: 4℃では微弱に生育し、17−26 ℃
では良好な生育を示す。35 ℃では生育しない。
【0030】(13)栄養要求性:ジャーナル・オブ・
バクテリオロジー(Journal of Bacteriology) 、107
巻、268-294 頁(1971 年)記載の基本培地を用いた場
合、ビタミンフリーのカザミノ酸を要求する。
【0031】(14)炭素化合物の利用性:ジヤーナル
・オブ・バクテリオロジー(Journalof Bacteriology)、
107 巻、268-294 頁(1971 年)記載の基本培地にビタミ
ンフリーのカザミノ酸を 0.1%濃度添加し、振盪培養を
行なった場合。
【0032】 L−アラビノース:− D−リボース:− D−キシロース:− D−グルコース:+ D−ガラクトース:− D−フラクトース:
− 麦芽糖:+ ショ糖:− トレハロース:+ セロビオース:− メリビオース:− マンニトール:− ソルビトール:− グリセリン:− 酢酸ソーダ:+ プロピオン酸ソー
ダ:+ 。
【0033】4.化学分類学的性状 (1)DNAのG+C(グアニン+シトシン含量):4
3.4%(HPLC 法) (2)キノン系:ユビキノンQ−8。
【0034】以上の菌学的性状を有するSANK 73390株は
バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バ
クテリオロジー(Bergey's Manual of Syatematic Bacte
riology)、1巻(1984 年)および最新のインターナショ
ナル・ジャーナル・オブ・システマティック・バクテリ
オロジー(International Journal of SystematicBacter
iology) に記載の種と照合すると、海洋細菌のアルテロ
モナス・サイトレア(Alteromonas citrea)に類似した菌
と推定された。但し、本菌はアルテロモナス・サイトレ
ア(Alteromonas citrea)の基準株 ATCC 29719 株との比
較培養を行なったところ、本菌のコロニーの色調がいく
ぶん灰色を帯びた黄色であるのに対し、ATCC 29719 株
は緑色を帯びた黄色であり、SANK 73390 株は 4 ℃で
生育し、トレハロースとプロピオン酸ソーダを炭素源と
して利用する点でアルテロモナス・サイトレア(Alterom
onas citrea)と異なっている。それ故、本発明者らは本
菌をアルテロモナス属に属する新種であると確認し、ア
ルテロモナス属・ラバ種(Alteromonas rava)と命名し、
新菌株をアルテロモナス・ラバ・SANK 73390(Alteromon
as rava SANK 73390) 株と命名した。
【0035】本菌株は、アルテロモナス・ラバ・SANK 7
3390(Alteromonas rava SANK 73390) 株としてブタペス
ト条約に従って通商産業省工業技術院微生物工業技術研
究所(1993年 1月 1日より「通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所」と改称)に国際寄託されている
(寄託番号、微工研条寄第3381号(FERM BP-3381):原寄
託日、1991年4 月30日)。
【0036】以上、SANK 73390株について説明したが、
周知の如くアルテロモナス属の菌類の諸性質は一定した
ものではなく、自然的、または人工的な操作(例えば、
紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)により、変
異を起こし易く、本発明のSANK 73390株もこの点は同じ
である。本発明にいうSANK 73390株はそのすべての変異
株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝学
的方法、例えば、組み替え、形質導入、形質転換等によ
り得られたものも包含される。即ち、アルテロモナス属
に属するチオマリノールCを生産する。SANK 73390株、
その変異株およびそれらと明確に区別されない菌株は、
すべてSANK 73390株に包含されるものである。
【0037】本発明の新規化合物チオマリノールCを得
るため、これらの微生物の培養は他の醗酵生成物を生産
するために用いられるような培地中で行なわれる。この
ような培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素源
および無機塩を含有する。
【0038】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュクロース、マンニトール、グ
リセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウモ
ロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いることが出来る。一般には、培地量
の 1−10 重量%で変量する。
【0039】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を醗酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1− 6 重量%の範囲で用いる。
【0040】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレート、シリケート等の微量イオンを得る塩も含む。
【0041】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0042】アルテロモナス・ラバ(Alteromonas rava)
SANK 73390 株を培養しチオマリノールCを生産する培
地の pH は、5.0-8.0 に変化させることが出来る。
【0043】菌の生育温度は 4 ℃から 32 ℃までであ
るが 17 ℃から 26 ℃の範囲が生育良好である。チオマ
リノールCの生産は、上記範囲のいずれの温度でも行い
得るが、20 ℃から 26 ℃が好適である。
【0044】チオマリノールCは、好気的に培養して得
られるが通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養
法、振盪培養法、通気攪拌培養法等が用いられる。
【0045】小規模な培養においては、20 ℃から 26
℃で数日間振盪培養を行なうのが良好である。
【0046】培養は三角フラスコ中で、1 −2 段階の種
の発育工程により開始する。種発育段階の培地は、炭素
源および窒素源を併用出来る。種フラスコは定温インキ
ュベーター中で 23 ℃、1 乃至 3 日間振盪するか、ま
たは充分に成長するまで振盪する。成長した種は第二の
種培地、または生産培地に接種するのに用いる。中間の
発育工程を用いる場合には、本質的に同様の方法で成長
させ、生産培地に接種するためにそれを部分的に用い
る。接種したフラスコを一定温度で 1 乃至 3日間、
または生産量が最大に達するまで振盪し、インキュベー
ションが終わったらフラスコの含有物を遠心分離または
ろ過する。
【0047】大量培養の場合には、攪拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125 ℃まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 2
0 ℃乃至 26 ℃で通気攪拌して行なう。この方法は、多
量の化合物を得るのに適している。
【0048】培養の経過に伴って生産されるチオマリノ
ールCの量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィー
を用いて測定することが出来る。通常は、 19 時間から
200時間の培養でチオマリノールCの生産量は最高値に
達する。
【0049】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在するチオマリノールCは、菌体、その他の固形
部分を珪藻土をろ過助剤とする、ろ過操作または遠心分
離によって分別し、そのろ液または上清中および菌体中
に存在するチオマリノールCを、その物理化学的性状を
利用し抽出精製することにより得られる。例えば、ろ液
または、上清中に存在するチオマリノールCは、中性ま
たは酸性pH条件下で水と混和しない有機溶剤、例えば酢
酸エチル、クロロホルム、塩化エチレン、塩化メチレン
等の単独または、それらの組み合わせにより抽出精製す
ることができる。あるいは吸着剤として、例えば活性炭
または吸着用樹脂であるアンバーライトXAD-2 、XAD-4
(ローム・アンド・ハース社製)等や、ダイヤイオンHP
-10 、HP-20 、CHP-20、HP-50 (三菱化成(株)製)等
が使用される。チオマリノールCを含む液を上記のごと
き吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、またはチオマリノールCを吸着させた後、メタノー
ル水、アセトン水、n−ブタノール水等を用いて溶出さ
せることにより得られる。また、菌体内に存在するチオ
マリノールCは、50−90 %含水アセトンまたは含水メ
タノールにより抽出し有機溶剤を除去した後、ろ液と同
様な抽出精製操作を行なうことにより得られる。
【0050】このようにして得られたチオマリノールC
は、更にシリカゲル、マグネシウム−シリカゲル系のフ
ロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラ
フィー、セファデックス LH-20(ファルマシア社製)等
を用いた分配カラムクロマトグラフィー、および順相、
逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精
製することが出来る。
【0051】以上の分離、精製の手段を単独または適宜
組み合わせ反復用いることによりチオマリノールCを分
離精製することができる。
【0052】
【作用】本発明のチオマリノールCは、文献未載の新規
化合物であり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ
等)において、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌および
マイコプラズマ菌に対し抗菌作用を示すことから、各種
細菌感染症を対象とする抗菌剤として有用である。
【0053】本発明のチオマリノールCを医薬として用
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤等の形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤等
の形態で非経口的に安全に投与することが出来る。これ
らの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、
崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸
濁剤、コーティング剤、希釈剤などの医薬の製剤技術分
野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化
することができる。投与量は対象疾患、投与経路および
投与回数などにより異なるが、例えば成人に対しては
1 日 20 mg から 2000 mgを、症状に応じて 1 回また
は数回に分けて投与するのが好ましい。
【0054】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】実施例1.チオマリノールCのタンク培養 A)培養 アルテロモナス・ラバSANK 73390株を塗抹し充分生育さ
せたマリンアガー(Marine Agar,Difco 社製)斜面培地
1 本に、滅菌したマリンブロス(MarineBroth,Difco
社製)培地 10 ml を加え、菌懸濁液を調製した。
【0056】マリンブロス培地 15 リットルを含む 30
リットル容通気攪拌培養槽1基を加熱滅菌した後、菌懸
濁液を全量接種し、培養温度 23 ℃、通気量 7.5 リッ
トル/分の条件下、24 時間の培養を行ない種培養液と
した。なお初発攪拌数は 100rpmとし、次いで溶存酸素
濃度を 5.0 ppm に保つよう攪拌数を随時変化させた。
【0057】培地組成−1(表1)で示される培地 300
リットルを含む 600 リットル容通気攪拌培養槽2基
を加熱滅菌した後、種培養液を各 3 リットル接種し、
培養温度 23 ℃、通気量 150 リットル/分の条件下、
29 時間の培養を行なった。なお初発攪拌数は 82 rpm
とし、次いで溶存酸素濃度を 5.0 ppm に保つよう攪拌
数を随時変化させた。
【0058】
【表1】 培地組成−1 グルコース 1.5 % バクトペプトン(Difco社製) 1.5 % バクトイーストエキス(Difco社製) 0.2 % NaCl 3.89 % MgCl2 ・ 6 H2O 2.52 % Na2SO4 0.648 % CaCl2 ・ 2 H2O 0.4767% KCl 0.11 % Na2CO3 0.038 % クエン酸第二鉄 0.02 % 滅菌前 pH 7.6 。
【0059】B)単離 得られた培養液 700 リットルは、塩酸で pH 3 に調整
し、アセトン 700 リットルを添加、1 時間攪拌しなが
ら抽出した。抽出液は、酢酸エチル 700 リットルで 1
回、さらに 300 リットルで 1 回抽出した。得られ
た酢酸エチル層を 300 リットルの 5 %重炭酸ナトリ
ウム、300 リットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。途中
シリカゲル 540 g を加え、さらに濃縮、乾固した。
【0060】得られた乾固物をメチレンクロリドに懸濁
し、シリカゲル 4 kg を同溶剤で充填したカラムに重
層し、次いでメチレンクロリド、メチレンクロリド−酢
酸エチル(1:1)、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール
(9:1)と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液
を 2 リットルずつ分画し、酢酸エチル−メタノールで
溶出したチオマリノールCを含むフラクションを集め、
減圧下で濃縮した。途中シリカゲル 50 g を加え、更に
濃縮、乾固した。
【0061】得られた乾固物をヘキサン−アセトン溶液
に懸濁し、シリカゲル 200 g をヘキサンで充填したカ
ラムに重層し、次いでヘキサン−アセトン(1:1)溶液で
溶出した。溶出液は 500 ml ずつ分画し、チオマリノー
ルCを含むフラクション1および2を得た。フラクショ
ン1を減圧下で濃縮した。途中シリカゲル 25 g を加
え、さらに濃縮、乾固した。
【0062】得られた乾固物をヘキサン−アセトン−酢
酸エチル (1:1:2)溶液に懸濁し、シリカゲル 200 g を
ヘキサンで充填したカラムに重層し、次いでヘキサン−
アセトン−酢酸エチル(1:1:2) 溶液で溶出した。溶出液
は 500 ml づつ分画し、チオマリノールCを含むフラ
クションを得た。先のフラクション2を合併し減圧下で
濃縮した。途中シリカゲル 20 g を加えさらに濃縮、乾
固した。
【0063】得られた乾固物をヘキサン−アセトン−酢
酸エチル(1:1:1) 溶液に懸濁し、シリカゲル 200 g を
ヘキサンで充填したカラムに重層し、次いでヘキサン−
アセトン−酢酸エチル(1:1:1) 溶液で溶出した。溶出液
は 500 ml づつ分画し、チオマリノールCを含むフラク
ションを集め減圧下で濃縮し油状物を得た。
【0064】油状物はさらにセファデックスLH-20 を用
いてクロマトグラフィーを行なった。メチレンクロリド
−酢酸エチル−メタノール(19:19:2) で充填した 200 m
l のカラムを用い、同溶媒で展開し精製した。チオマリ
ノールCを含むフラクションを集め、濃縮した。途中シ
リカゲル 25 g を加え、更に濃縮、乾固した。
【0065】得られた乾固物をメチレンクロリドに懸濁
し、シリカゲル 250 g をメチレンクロリドで充填した
カラムに重層し、次いでメチレンクロリド−アセトン溶
液を順次展開溶媒の極性を上げて(9:1〜1:9)溶出した。
溶出液は 1 リットルずつ分画し、チオマリノールCを
含むフラクションを集め、減圧下濃縮、乾固して、150
mg のチオマリノールCを単離した。
【0066】
【発明の効果】
試験例1.チオマリノールCの抗菌作用 一般グラム陽性および陰性細菌に対するチオマリノール
Cの最小発育阻止濃度(MIC) は、普通寒天培地(栄研化
学(株)製)を用いた寒天培地希釈法によって測定し
た。
【0067】結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2から明かのごとく、チオマリノールC
は一般グラム陽性および陰性細菌に対して優れた効果を
示した。
【0070】以上から、本発明の新規化合物チオマリノ
ールCは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤とし
て有用である。
【0071】試験例2.チオマリノ−ルCの抗マイコプ
ラズマ菌作用 一般マイコプラズマ菌に対するチオマリノ−ルCの最小
阻止濃度(MIC )は、以下の測定条件下において、寒天
平板希釈法によって測定した。
【0072】測定条件 接種菌量 :105 CFU /ml を 0.005 ml 接種 測定用培地:チャノック(Chanock) の培地(P.N.A.S.,48
巻、41-49頁(1962 年) 記載の培地に20 % 馬血清を添加
した培地) 培養条件 :37℃、5 日間、微好気培養[BBL ガスパッ
ク(BBL GasPac(商品名、Becton Dickinson Microbiolog
y Systems 社、米国))法]結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】表3から明かのごとく、チオマリノ−ルC
は一般マイコプラズマ菌に対して優れた効果を示した。
【0075】
【発明の効果】以上から、本発明の新規化合物チオマリ
ノ−ルCは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 境田 義陽 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内 (72)発明者 鳥潟 顕雄 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 小玉 健太郎 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会 社内 (72)発明者 石井 晃 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会 社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 495/04 A61K 35/74 BIOSIS(STN) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造式で表される化合物: 【化1】
  2. 【請求項2】下記の理化学的性状を有することを特徴と
    する化合物: (1)物質の性状:黄色粉末 (2)分子式:C3044282 (3)分子量:624(FAB-MS法により測定) (4)元素分析値:(%) (但し、C304428
    2+H2Oとして) 実測値: C 56.48、H 7.23、N 4.30、S 9.11 計算値: C 56.05、H 7.21、N 4.36、S 9.97 (5)赤外線吸収スペクトル:νmaxcm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
    ペクトルは、次に示す通りである:3256、3068、2928、
    2858、1645、1596、1530、1455、1384、1287、1225、11
    51、1104、1052、974、820、712 (6)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
    吸収スペクトルは、次に示す通りである:388(9,600)、
    300(2,700)、215(17,000); メタノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外線吸収
    スペクトルは、次に示す通りである:386(8,600)、205
    (49,000) (7)比旋光度:[α]D 25 −1.4°(c=1.
    0,メタノール) (8)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム:センシュウパックODS H−2151
    (カラムサイズφ6×150mm、センシュウ科学
    (株)製) 溶媒:40%アセトニトリル−水 流速:1.5ml/分 保持時間:11.3分 (9)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
    ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360
    MHz)は、次に示す通りである: 10.70(1H,s), 9.81(1H,s), 7.05(1H,s), 5.68(1H,s), 5.37(1H,m), 5.33(1H,m), 4.64(1H,s(br)), 4.55(1H,m(br)), 4.32(1H,d,J=4.3Hz), 4.01(2H,t,J=6.6Hz), 3.67(1H), 3.62(1H), 3.58(1H), 3.49(1H), 3.35(1H), 3.18(1H,m(br)), 2.56(1H,d(br),J=14.2Hz), 2.34(2H,t,J=7.3Hz), 2.15(1H), 2.11(3H,s), 2.08(1H), 2.06(2H), 1.63(1H,m), 1.56(2H,m), 1.51(2H,m), 1.30(2H), 1.29(2H), 1.26(2H), 0.95(3H,d,J=6.3Hz), 0.91(3H,d,J=6.9Hz) (10)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
    ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90M
    Hz)は、次に示す通りである: 171.8(s), 167.9(s), 165.7(s), 157.9(s), 134.2(d), 133.9(s), 133.6(s), 127.6(d), 116.5(d), 115.3(s), 110.4(d), 74.4(d), 69.3(d), 69.2(d), 68.1(d), 64.0(t), 63.0(t), 43.1(d), 42.5(t), 42.0(d), 34.6(t), 32.1(t), 28.4(t), 28.3(t), 28.1(t), 25.2(t), 24.9(t), 20.0(q), 18.6(q), 15.7(q) (11)溶解性:メタノール、エタノール、プロパノー
    ル、ブタノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシ
    ド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、酢酸エチ
    ル、アセトン、エチルエーテルに可溶;n−ヘキサン、
    水に不溶 (12)薄層クロマトグラフィー: Rf値: 0.66 吸着剤: シリカゲル(メルク社製、Art.5719) 展開溶剤: メチレンクロリド:メタノール=85:1
    5。
  3. 【請求項3】アルテロモナス属に属する請求項1または
    2記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より該化
    合物を採取することを特徴とする、請求項1または2記
    載の化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の製造方法において、アルテ
    ロモナス属に属する請求項1または2記載の化合物の
    産菌が、アルテロモナス・ラバ SANK 73390
    (FERM BP−3381)株であることを特徴とす
    る方法。
JP05273355A 1992-11-02 1993-11-01 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法 Expired - Fee Related JP3123864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05273355A JP3123864B2 (ja) 1992-11-02 1993-11-01 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-294170 1992-11-02
JP29417092 1992-11-02
JP05273355A JP3123864B2 (ja) 1992-11-02 1993-11-01 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06199865A JPH06199865A (ja) 1994-07-19
JP3123864B2 true JP3123864B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=26550626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05273355A Expired - Fee Related JP3123864B2 (ja) 1992-11-02 1993-11-01 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3123864B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06199865A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61274696A (ja) 抗生物質クロロポリスポリンbまたはc
JP2766421B2 (ja) 新規化合物チオマリノール
US5405762A (en) Culture of alteromonas and process of using the same to produce an antibacterial compound
FI103055B (fi) Menetelmä tiomarinolijohdannaisten valmistamiseksi
JP2863637B2 (ja) 新規なアミノオリゴ糖誘導体およびその製造方法
JP3123864B2 (ja) 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法
US5028536A (en) Antitumor antibiotic BMY-41339
JP2532199B2 (ja) 新規化合物チオマリノ―ルb
JPH05155888A (ja) 新規な抗生物質およびそれらの製造
CA1220746A (en) Luzopeptin e.sub.2
RU2089548C1 (ru) Тиомаринол c и способ его получения
JPS62294676A (ja) パチュロリドおよびその製造法
JPH05294952A (ja) 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法
JPH0367077B2 (ja)
JPH07291992A (ja) 新規化合物b4317
JPH08217760A (ja) 新規抗生物質b−4607a
JPH08208658A (ja) 新規化合物チオマリノールd、eおよびf
JPH10114778A (ja) 新規化合物f−12517
JPH0578355A (ja) B−1015化合物
JPH0794458B2 (ja) 新規化合物チオマリノールbの製造方法
JP2000086627A (ja) 抗菌性物質be−54476及びその製造法
JPH09227514A (ja) 新規化合物f−12434
JPS623789A (ja) 抗生物質トキマイシンaおよびその製造法
JPH0419233B2 (ja)
JPH05155885A (ja) 新規hp530c2 物質及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees