JPH05294952A - 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法 - Google Patents

抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法

Info

Publication number
JPH05294952A
JPH05294952A JP12109392A JP12109392A JPH05294952A JP H05294952 A JPH05294952 A JP H05294952A JP 12109392 A JP12109392 A JP 12109392A JP 12109392 A JP12109392 A JP 12109392A JP H05294952 A JPH05294952 A JP H05294952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wap
compound
formula
water
chloroform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12109392A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhisa Hirata
晴久 平田
Seigo Nakatani
清吾 中谷
Azusa Katou
あずさ 加藤
Takeshi Aiba
勇志 相場
Yoshitami Ohashi
良民 大橋
Masayoshi Goto
正義 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wakamoto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Wakamoto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wakamoto Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Wakamoto Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP12109392A priority Critical patent/JPH05294952A/ja
Publication of JPH05294952A publication Critical patent/JPH05294952A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 カンジダ症及びアスペルギルス症などの真菌
感染症の治療に有用な新規抗生物質ならびに該抗生物質
を産生する微生物の探索。 【構成】 一般式〔I〕で示される新規抗生物質WAP
−4068、該WAP−4068を加水分解して得られ
る一般式〔II〕で示される化合物および一般式〔I〕の
化合物または一般式〔II〕の化合物をエステル化して得
られる誘導体ならびに、該抗生物質を産生するシュード
モナス属に属する生産菌および該抗生物質、該化合物な
らびに誘導体を有効成分とする抗真菌剤。 〔式中、RはCH−CH−CH=CH−(C
−,CH−(CH−,CH−CH
−CH=CH−(CH−,CH−(CH
−CH=CH−CH−またはCH−(CH
を示す〕 【効果】 カンジダ・アルビカンスおよびアスペルギル
ス・フミガタスに対し強い抗菌活性を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規抗生物質WAP−
4068およびその誘導体、それらの製造法ならびにそ
の用途に関する。本発明の化合物は抗真菌活性を有し、
真菌の感染症に対する化学療法剤に期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、真菌感染症の治療剤としてはアン
ホテリシンB,ナイスタチン,ミコナゾール,フルコナ
ゾール,ピロールニトリン等の化学療法剤が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの化学
療法剤は毒性や効力などにおいて満足すべきものではな
く、また度重なる使用による耐性菌の出現が問題となっ
てきている。この問題を解決するため、より低毒性すな
わち選択毒性の優れた臨床上有用な新規抗生物質が必要
とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは新規な抗生
物質の探索を目的として主に土壌中から多数の微生物を
分離し、生物学的性質を調べたところ、シュードモナス
属に属する細菌の培養濾液中にカンジダ・アルビカンス
をはじめその他の病原性微生物に対し抗菌活性を示す文
献末記載の5種類の新規抗生物質が生産されることを見
出した。これらの抗生物質を該培養液から単離・精製
し、その物理化学的性質を調べた結果、当該物質が新規
化合物であることを確認し、これらをWAP−4068
1 ,A2,A3 ,A4 およびA5 とそれぞれ称するこ
とにした。
【0005】本発明者らは、これらの知見に基づいてさ
らに研究を重ねた結果、本発明を完成した。すなわち本
発明は、(1)(I)式
【0006】
【化5】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
2 2 −、CH3 −(CH2 5 −、CH3 −CH2
−CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
−CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2 7
を示す〕で表される化合物またはその塩、
【0007】(2)化合物(I)を加水分解して得られ
る(II)式
【0008】
【化6】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
2 2 −、CH3 −(CH2 5 −、CH3 −CH2
−CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
−CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2 7
を示す〕で表される化合物またはその塩、
【0009】(3)化合物(I)または(II)またはそ
の塩をエステル化して得られる(III )式または(IV)
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
2 2 −、CH3 −(CH2 5 −,CH3 −CH2
−CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
−CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2
7 を、−COOR2 はエステル化されたカルボキシル基
を示す〕で表される化合物、
【0012】(4)シュードモナス属に属し、化合物
(I)のうち少なくとも1種を生産する能力を有する生
産菌を培地で培養し、培養物中に該化合物を生成蓄積せ
しめ、これを採取することを特徴とする該化合物または
その塩の製造法、
【0013】(5)式(I)、(II)、(III )及び
(IV)で示される化合物またはその塩からえらばれる少
なくとも1種の化合物を有効成分とする抗真菌剤、及び
化合物(I)のうち少なくとも1種を生産する能力を有
するシュードモナス属生産菌に関する。
【0014】なお、本明細書においてWAP−4068
1 ,A2 ,A3 ,A4 及びA5 は次の化合物を意味す
るものとする。 WAP−4068A1 :式(I)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 2 −。 WAP−4068A2 :式(I)においてR1 がCH3
−(CH2 5 −。 WAP−4068A3 :式(I)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 4 −。 WAP−4068A4 :式(I)においてR1 がCH3
−(CH2 4 −CH=CH−CH2 −。 WAP−4068A5 :式(I)においてR1 がCH3
−(CH2 7 −。
【0015】またWAP−4068B1 ,B2 ,B3
4 及びB5 は次の化合物を意味するものとする。 WAP−4068B1 :式(II)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 2 −。 WAP−4068B2 :式(II)においてR1 がCH3
−(CH2 5 −。 WAP−4068B3 :式(II)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 4 −。 WAP−4068B4 :式(II)においてR1 がCH3
−(CH2 4 −CH=CH−CH2 −。 WAP−4068B5 :式(II)においてR1 がCH3
−(CH2 7 −。
【0016】またWAP−4068C1 ,C2 ,C3
4 及びC5 は次の化合物を意味するものとする。 WAP−4068C1 :式(III )においてR1 がCH
3 −CH2 −CH=CH−(CH2 2 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068C2 :式(III )においてR1 がCH
3 −(CH2 5 −。R2 がメチル。 WAP−4068C3 :式(III )においてR1 がCH
3 −CH2 −CH=CH−(CH2 4 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068C4 :式(III )においてR1 がCH
3 −(CH2 4 −CH=CH−CH2 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068C5 :式(III )においてR1 がCH
3 −(CH2 7 −、R2 がメチル。
【0017】またWAP−4068D1 ,D2 ,D3
D4及びD5 は次の化合物を意味するものとする。 WAP−4068D1 :式(IV)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 2 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068D2 :式(IV)においてR1 がCH3
−(CH2 5 −、R2 がメチル。 WAP−4068D3 :式(IV)においてR1 がCH3
−CH2 −CH=CH−(CH2 4 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068D4 :式(IV)においてR1 がCH3
−(CH2 4 −CH=CH−CH2 −、R2 がメチ
ル。 WAP−4068D5 :式(IV)においてR1 がCH3
−(CH2 7 −、R2 がメチル。
【0018】本発明で使用されるWAP−4068生産
菌としては、WAP−4068を産生する微生物であれ
ばどのような微生物でも良いが、一例として本発明者ら
が岐阜県岐阜市の土壌より分離したシュードモナス属に
属するWAP−4068株が挙げられる。
【0019】(生産菌の菌学的性質)WAP−4068
株の菌学的性質を以下に示す。 (a)形態 肉汁寒天平板上で25℃、1日間培養後の観察では、細
胞は直径0.6〜1.2μm、長さ0.8〜2.0μm
の桿状であり、極毛の鞭毛を有し、運動性を示す。胞子
を形成せず、またグラム染色は陰性である。
【0020】(b)各種培地における生育状態 25℃で培養し、3ないし7日間にわたって観察した。 肉汁寒天平板培養:コロニーは不透明な黄色で、良好
な光沢を有し、円形でかつ表面は円滑、凸状に隆起し、
周縁は全円状である。培地へ黄色の色素拡散が認められ
る。 肉汁寒天斜面培養:拡布上に生育し、不透明な黄色
で、良好な光沢を有する。培地へ黄色の色素拡散が認め
られる。 肉汁液体培養:混濁状に生育し、黄色の菌膜、沈殿を
形成する。 肉汁ゼラチン穿刺培養:主として上部で生育し、液化
する。 リトマス・ミルク:リトマスの還元能は認められな
い。ペプトン化能が認められた。
【0021】 (c)生理学的性質 1 硝酸塩の還元: + 2 脱窒反応: − 3 MRテスト: − 4 VPテスト: − 5 インドールの生成: − 6 硫化水素の生成: − 7 デンプンの加水分解: + 8 クエン酸の利用: (1)コーゼル + (2)クリステンセン + 9 無機窒素源の利用: (1)硝酸ナトリウム − (2)硫酸アンモニウム − 10 色素の生成: (1)キングA培地 拡散性色素の産生 (2)キングB培地 拡散性色素の産生 11 ウレアーゼ: + 12 オキシダーゼ: + 13 カタラーゼ: + 14 生育温度: 15−40℃ 15 生育pH: 5−8 16 酸素に対する態度: 好気性 17 O−Fテスト: 酸化
【0022】 18 糖類から酸、ガスの生成および利用性: ────────────────────────────────── 酸の生成 ガスの生成 利用性 (ペプトン水) (肉汁寒天)(デービス培地) ────────────────────────────────── L−アラビノース − − + D−キシロース − − + D−グルコース + − + D−マンノース − − + D−フラクトース − − + D−ガラクトース + − + 麦芽糖 − − + ショ糖 + − + 乳糖 − − + トレハロース − − + D−ソルビット − − + D−マンニット − − + イノシット − − + グリセリン − − + デンプン − − + ──────────────────────────────────
【0023】以上の菌学的性質を有するWAP−406
8株をバージーズ・マニュアル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー(Bergey’s Manua
lof Systematic Bacteriolo
gy)第1巻(1984年)に記載の種と照合すると、
グラム陰性桿菌で、鞭毛による運動性を示し、胞子を形
成せず、好気性で、カタラーゼ陽性、オキシダーゼ陽性
で、グルコースより酸を生成し、O−Fテストが酸化的
であることから、シュードモナス属に属すると考えられ
た。しかし、既知菌種のうち、本菌株と性質の一致する
ものがないため、本菌株をシュードモナス・エスピー
WAP−4068(Pseudomonas sp・W
AP−4068)と称することにした。シュードモナス
・エスピー WAP−4068は工業技術院微生物工業
技術研究所に受託番号FERMP−12917として寄
託されている。
【0024】シュードモナス属細菌の一般的性状として
その菌学的性質は極めて変異しやすく、WAP−406
8株も例外ではない。従って、どのような変異株であっ
ても抗生物質WAP−4068を生産する能力を有する
生産菌はすべて本発明方法において使用することができ
る。
【0025】(培養と生産)本発明の抗生物質WAP−
4068A1 〜A5 は、上記生産菌を栄養源含有培地に
接種し、好気的に培養することによって製造される。抗
生物質WAP−4068A1 〜A5 の生産菌の培養に際
しては、炭素源として例えば、グルコース,フラクトー
ス,デンプン,デキストリン,グリセリン,糖蜜,水
飴,油脂類,有機酸類などの資化し得る有機炭素化合物
が利用され、一方、窒素源としては、例えば、大豆粉,
綿実粉,コーンスチープリカー,カゼイン,ペプトン,
酵母エキス,肉エキス,胚芽,尿素,アミノ酸類,アン
モニウム塩などの有機窒素化合物や無機窒素化合物が利
用できる。また、塩類としては例えば、ナトリウム塩,
カリウム塩,カルシウム塩,マグネシウム塩,リン酸塩
などの無機塩類が単独あるいは適宜組合わせて使用する
ことができる。さらに必要に応じて、鉄塩,銅塩,亜鉛
塩,コバルト塩などの重金属や、微生物の生育に必要な
ビオチン,ビタミンB1 などのビタミン類をはじめ、そ
の他生産菌の生育を促進し、WAP−4068A1 〜A
5 を著量生産することができる有機物や無機物を適宜添
加することが望ましい。また、シリコーンオイル、ポリ
アルキレングリコールエーテルなどの消泡剤や界面活性
剤を培地に加えても良い。
【0026】培養法としては、一般に抗生物質の生産に
用いられている方法が採用されるが、液体培養法では、
特に好気性に保つために深部通気撹拌培養が好ましく、
実験室的にはフラスコによる通常の振盪培養が適してい
る。培養温度は通常20〜40℃で可能であるが、好ま
しくは25〜30℃に保つことが望ましい。培養のpH
は6〜8付近で可能であるが、好ましくは7付近に保つ
ことが望ましい。培養物中のWAP−4068A1 〜A
5 生産は2〜6日間位で充分達成される。
【0027】(単離・精製)以上のごとく、培養物中に
蓄積されたWAP−4068A1 〜A5 を培養物中から
採取するためには、後記する本抗生物質の物理化学的性
質を利用することによって有利に行い得る。すなわち、
WAP−4068A1 〜A5 は培養濾液中に含有されて
いるので、まず培養物にセライトやラジオライトなどの
濾過助剤を加えて減圧濾過を行うか、遠心分離すること
によって菌体を除去して培養濾液を得る。得られた培養
濾液から粗物質を得るには培養濾液を適宜の担体に接触
させて有効成分を吸着させ、次いで適宜の溶媒で脱着さ
せ、分別採取するクロマトグラフィー法あるいは培養濾
液を水と混合しない有機溶媒で有効成分を抽出する抽出
法が有利に利用される。クロマトグラフィーの担体とし
ては吸着性樹脂、シリカゲルなど化合物の吸着性の差を
利用するものが有利に用いられる。これら担体から目的
とする化合物を溶出するためには担体の種類、性質によ
って組み合せが異なるが、たとえば有機溶媒や水溶性有
機溶媒の水溶液などが適宜用いられる。またこれらのク
ロマトグラフィーによって得られた本化合物の粗物質を
逆相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しさら
に精製することもできる。
【0028】さらに詳しく述べるならば、担体として吸
着性樹脂たとえばダイヤイオンHP20、セパビーズS
P207(三菱化成社製)、アンバーライトXAD−2
(ロームアンドハース社製)などを用いると、培養濾液
中の活性物質は吸着され、有機溶媒と水溶液の混合液例
えば、アセトンあるいはメタノールなどと水または塩類
あるいはアルカリ含有の水溶液もしくは緩衝液などとの
混合液で溶出される。
【0029】またWAP−4068A1 〜A5 は酸性水
溶液中から水と分別し得る有機溶媒たとえば−ブタノ
ール,酢酸エチル,クロロホルムなどで抽出される。さ
らにWAP−4068A1 〜A5 はシリカゲル60(エ
ーメルク社製)などの担体に吸着せしめ、適当な有機溶
媒たとえばクロロホルム、酢酸エチル、アセトン、エー
テルあるいはこれらの混合溶媒によって溶出される。逆
相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーに用いられる
担体としてはたとえばYMCゲル(山村化学研究所製)
が挙げられ、溶媒としてはメタノールあるいはアセトニ
トリルなどと水あるいは緩衝液などとの混合液が用いら
れる。WAP−4068A1 〜A5 の精製には以上述べ
た方法の組み合せの他に濃縮、晶出、凍結乾燥など通常
の実験室で用いられる方法が随時組み合わされる。WA
P−4068A1 〜A5 は遊離体として単離されるが、
遊離体から薬理学的に許容される塩(たとえば、ナトリ
ウム塩、カリウム塩など)を調製するには公知の方法に
よって行われる。
【0030】(物理化学的性質)後記する実施例3で得
られるWAP−4068A1 〜A5 (遊離体)の物理化
学的性質を以下に示す。
【0031】WAP−4068A1 (遊離体) 1)外観:無色シロップ 2)分子量:252(EI−MS法によるm/z 25
2(M+ )) 3)分子式:C13165 4)紫外線吸収スペクトル:エタノール中 λmax =246nm(肩、E1cm 1%=100) 5)赤外線吸収スペクトル(IR):NaCl法、主な
吸収を示す(波数、cm-1) 2928,1840,1769,1715,1441,
1267,1081,911,803,750 6) 1H NMR スペクトル:270MHz,CDC
3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 0.86(3H、t、J=7.4Hz),1.92(2
H、quint、J=7.4Hz),2.31(2H、
q、J=7.4Hz),2.51(2H、t、J=7.
4Hz),2.69(4H、broad s),5.2
1(1H、dd、J=7.4、17.8Hz),5.3
8(1H、dd、J=7.4、17.8Hz) 7)13C NMR スペクトル:67.9MHz、CD
Cl3 中、下記のシグナルが認められる(δppm) 175.0,165.6,165.4,145.4,1
42.1,134.5,125.7,30.7,25.
2,24.7,20.5,19.7,14.2 8)溶解性: 可溶:メタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホル
ム,エーテル 難溶:水,石油エーテル,−ヘキサン 9)物質区分:酸性物質 10)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体 溶媒系 Rf シリカゲル60F254 * クロロホルム:酢酸(50:1) 0.22 RP−18F254S * アセトニトリル:水(7:3) 0.59 *エーメルク社製 11)呈色反応 陽性:ヨードベーパー,過マンガン酸カリウム,UV
254 によるクエンチング 陰性:ニンヒドリン,モーリッシュ,エルソンモルガ
ン,ドラーゲンドルフ
【0032】WAP−4068A2 (遊離体) 1)外観:無色シロップ 2)分子量:254(EI−MS法によるm/z 23
6(M+ −18)) 3)分子式:C13185 4)紫外線吸収スペクトル:メタノール中 λmax =251nm(E1cm 1%=153) 5)赤外線吸収スペクトル:NaCl法、主な吸収を示
す(波数、cm-1) 2930,1840,1769,1715,1272,
1079,909,752,590 6) 1H NMR スペクトル:270MHz,CDC
3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 0.82(3H、t、J=6.4Hz),1.31(6
H、m),1.50(2H、quint、J=7.5H
z),2.43(2H、t、J=7.5Hz),2.7
0(4H、broad s),7.20(1H、bro
ad) 7)13C NMR スペクトル:67.9MHz、CD
Cl3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 176.9,165.6,165.4,146.3,1
41.4,31.3,30.9,29.2,27.8,
24.6,22.4,19.6,14.0 8)溶解性: 可溶:メタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホル
ム,エーテル 難溶:水,石油エーテル,−ヘキサン 9)物質区分:酸性物質 10)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体 溶媒系 Rf シリカゲル60F254 - クロロホルム:酢酸(50:1) 0.22 RP−18F254S - アセトニトリル:水(7:3) 0.58 11)呈色反応 陽性:過マンガン酸カリウム,UV254 によるクエンチ
ング 陰性:ニンヒドリン,モーリッシュ,エルソンモルガ
ン,ドラーゲンドルフ
【0033】WAP−4068A3 (遊離体) 1)外観:無色シロップ 2)分子量:280(EI−MS法によるm/z 26
2(M+ −18)) 3)分子式:C15205 4)紫外線吸収スペクトル:メタノール中 λmax =247nm(E1cm 1%=91) 5)赤外線吸収スペクトル:NaCl法、主な吸収を示
す(波数、cm-1) 2934,2862,1845,1769,1715,
1437,1274,1073,911,748 6) 1H NMR スペクトル:270MHz,CDC
3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 0.88(3H、t、J=7.4Hz),1.31(2
H、quint、J=7.4Hz),1.52(2H、
quint、J=7.4Hz),1.98(4H、q×
2、J=6.9Hz),2.43(2H、t、J=7.
4Hz),2.69(4H、broad s),5.2
3(1H、dd、J=6.9、17.8Hz),5.3
0(1H、dd、J=6.9、17.8Hz),9.5
(1H、broad) 7)13C NMR スペクトル:67.9MHz、CD
Cl3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 177.3,165.5,165.3,146.1,1
41.5,132.5,128.0,31.0,29.
5,27.4,26.6,24.5,20.5,19.
6,14.3 8)溶解性: 可溶:メタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホル
ム,エーテル 難溶:水,石油エーテル,−ヘキサン 9)物質区分:酸性物質 10)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体 溶媒系 Rf シリカゲル60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.22 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.53 11)呈色反応 陽性:ヨードベーパー,過マンガン酸カリウム,UV
254 によるクエンチング 陰性:ニンヒドリン,モーリッシュ,エルソンモルガ
ン,ドラーゲンドルフ
【0034】WAP−4068A4 (遊離体) 1)外観:無色シロップ 2)分子量:280(EI−MS法によるm/z 26
2(M+ −18)) 3)分子式:C15205 4)紫外線吸収スペクトル:メタノール中 λmax =246nm(肩、E1cm 1%=120) 5)赤外線吸収スペクトル:NaCl法、主な吸収を示
す(波数、cm-1) 2930,2862,1841,1769,1715,
1435,1272,1212,1081,913,7
35 6) 1H NMR スペクトル:270MHz,CDC
3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 0.82(3H、t、J=6.7Hz),1.24(6
H、m),2.10(2H、q、J= 6.9Hz),
2.70(4H、t×2),3.20(2H、d、J=
6.9Hz),5.25(1H、dd、J=6.9、1
7.8Hz),5.50(1H、dd、J=6.9、1
7.8Hz),8.80(1H、broad) 7)13C NMR スペクトル:67.9MHz、CD
Cl3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm) 177.9,166.0,165.6,144.9,1
42.0,135.1,121.5,31.9,31.
4,29.3,27.8,23.2,22.9,20.
0,14.4 8)溶解性: 可溶:メタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホル
ム,エーテル 難溶:水,石油エーテル,−ヘキサン 9)物質区分:酸性物質 10)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体 溶媒系 Rf シリカゲル60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.22 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.46 11)呈色反応 陽性:ヨードベーパー,過マンガン酸カリウム,UV
254 によるクエンチング 陰性:ニンヒドリン,モーリッシュ、エルソンモルガ
ン,ドラーゲンドルフ
【0035】WAP−4068A5 (遊離体) 1)外観:白色針状結晶 2)分子量:282(EI−MS法によるm/z 28
2(M+ )) 3)分子式:C15225 4)紫外線吸収スペクトル:メタノール中 λmax =246nm(肩、E1cm 1%=109) 5)赤外線吸収スペクトル:NaCl法、主な吸収を示
す(波数、cm-1)(図1) 2928,1840,1767,1715,1435,
1267,1085,911 6) 1H NMR スペクトル:270MHz,CDC
3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm)
(図2) 0.97(3H、t、J=6.5Hz),1.36(1
0H、m),1.65(2H、quint、J=7.8
Hz),2.58(2H、t,J=7.8Hz),2.
85(4H、broad s),10.40(1H、b
road) 7)13C NMR スペクトル:67.9MHz、CD
Cl3 中、下記のシグナルが認められる(δ ppm)
(図3) 177.7,165.6,165.4,146.3,1
41.4,31.7,31.1,29.5,29.1,
29.0,27.8,24.5,22.6,19.5,
14.0 8)溶解性: 可溶:メタノール,アセトン,酢酸エチル,クロロホル
ム,エーテル 難溶:水,石油エーテル,−ヘキサン 9)物質区分:酸性物質 10)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担体 溶媒系 Rf シリカゲル60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.22 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.41 11)融点:38℃ 12)呈色反応 陽性:過マンガン酸カリウム,UV254 によるクエンチ
ング 陰性:ニンヒドリン,モーリッシュ、エルソンモルガ
ン,ドラーゲンドルフ
【0036】(誘導体の調製と物理化学的性質)次にW
AP−4068A1 〜A5 の誘導体について述べる。W
AP−4068A1 〜A5 を加水分解すると分子内に存
在する環状無水物が開環した前記式(II)で表される誘
導体WAP−4068B1 〜B5 が得られる。加水分解
の方法としては、酸あるいは塩基による方法が有利に用
いられる。酸による方法の場合には酸として、たとえば
塩酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、酢酸などの有機酸など
が使用される。塩基による方法の場合には塩基として、
たとえばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属もし
くはカルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩などの無機塩基などが使用される。
酸または塩基による方法において反応温度は通常冷却下
ないし加温程度で行われ、反応時間は30分ないし24
時間である。
【0037】後記する実施例4で得られるWAP−40
68B1 〜B5 (3ナトリウム塩)の物理化学的性質を
以下に示す。 WAP−4068B1 (3ナトリウム塩) IR(KBr ):3448,2930,2866,15
64,1417cm-1 1 H NMR(D2 O):δ ppm 0.99(3H、t),2.14(4H、m),2.3
1(4H、m),2.50(2H、m),5.54(2
H、m)。 TLC Rf RP−18F254S アセトニトリル:水(1:1) 0.58 WAP−4068B2 (3ナトリウム塩)
【0038】IR(KBr ):3466,2930,2
864,1572,1462,1419,864,82
0,791cm-1 1 H NMR(D2 O):δ ppm 0.91(3H、t),1.32(8H、m),2.2
9(4H、m),2.49(2H、m)。 TLC Rf RP−18F254S アセトニトリル:水(1:1) 0.54 WAP−4068B3 (3ナトリウム塩)
【0039】IR(KBr ):3478,2930,2
862,1568,1462,1419cm-1 1 H NMR(D2 O):δ ppm 0.90(3H、t),1.37(4H、m),2.0
5(4H、m),2.22(4H、m),2.42(2
H、m),5.43(2H、m)。 TLC Rf RP−18F254S アセトニトリル:水(1:1) 0.53 WAP−4068B4 (3ナトリウム塩)
【0040】IR(KBr ):3424,2928,2
860,1562,1462,1419,862,79
1cm-1 1 H NMR(D2 O):δ ppm 0.93(3H、t),1.37(6H、m),2.1
2(2H、q),2.32(2H、m),2.55(2
H、m),3.09(2H、d),5.44(1H、d
d),5.55(1H、dd)。 TLC Rf RP−18F254S アセトニトリル:水(1:1) 0.50 WAP−4068B5 (3ナトリウム塩)
【0041】IR(KBr ):3480,2928,2
856,1570,1462,1419,864,82
0,791cm-1 1 H NMR(D2 O):δ ppm 0.91(3H、t),1.34(12H、m),2.
29(4H、m),2.53(2H、t)。 TLC Rf RP−18F254S アセトニトリル:水(1:1) 0.46
【0042】次にWAP−4068A1 〜A5 のエステ
ル誘導体について述べる。WAP−4068A1 〜A5
をエステル化した前記式(III )又は(IV)で表される
エステル誘導体におけるエステル化されたカルボキシル
基としては、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニル、−ブトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、−ニトロベンジル
オキシカルボニル、−メトキシベンジルオキシカルボ
ニルなどが挙げられる。
【0043】エステル化の方法としては、公知の方法た
とえば下記の方法が用いられる。 1)化合物をジアゾメタンやトリメチルシリルジアゾメ
タンなどジアゾアルカンとメタノール、ベンゼンなど溶
媒の中で約0℃ないし還流温度で約2分から5時間反応
させる。 2)化合物を鉱酸たとえば塩酸、硫酸や−トルエンス
ルホン酸などを縮合剤としてアルコール類たとえばメタ
ノールなどと反応させる。反応は約0℃ないし還流温度
で、15分から24時間行う。溶媒はアルコールやベン
ゼン、トルエンなどが用いられる。 3)化合物を活性化アルキルハライドたとえばメチルヨ
ーダイド、ベンジルブロミド、−ニトロベンジルブロ
ミドなどと反応させる。反応は約0℃ないし60℃で約
2分から5時間反応させる。溶媒はジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどが用いられる。
【0044】後記する実施例5、実施例6で得られるW
AP−4068A1 〜A5 のモノメチルエステル体WA
P−4068C1 〜C5 および開環トリメチルエステル
体WAP−4068D1 〜D5 の物理化学的性質を以下
に示す。
【0045】WAP−4068C1 分子量266(EI−MS m/z 266(M+ )) 分子式C14185 UV(EtOH) λmax 248nm (E1cm 1% 82) IR(NaCl) 2928,2860,1771,1742,1437,
1270,905cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.87(3H、t、J=7.4Hz),1.98(2
H、quint、J=7.4Hz),2.28(2H、
q、J=6.9Hz),2.52(2H、t、J=7.
4Hz),2.62(2H、m),2.68(2H、
m),3.62(3H、s),5.20(1H、m),
5.38(1H、m)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.50 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.38
【0046】WAP−4068C2 分子量268 (EI−MS m/z 268
(M+ )) 分子式C14205 UV(EtOH) λmax 251nm (E1cm 1% 221) IR(NaCl) 2932,2862,1845,1769,1742,
1671,1437,1272,1203,1176,
1079,909cm -11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.76(3H、t),1.18(6H、m),1.4
1(2H、quint),2.37(2H、t),2.
56(2H、m),2.62(2H、m),3.56
(3H、s)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.50 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.38
【0047】WAP−4068C3 分子量294(EI−MS m/z 294(M+ )) 分子式C16225 UV(EtOH) λmax 250nm (E1cm 1% 99) IR(NaCl) 2928,2860,1771,1742,1437,
1276,1174,907cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.89(3H、t、J=7.4Hz),1.35(2
H、m),1.51(2H、m),1.99(4H、
m),2.44(2H、t、J=7.4Hz),2.6
2(2H、m),2.67(2H、m),3.62(3
H、s),5.24(1H、m),5.31(1H、
m)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.50 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.28
【0048】WAP−4068C4 分子量294 (EI−MS m/z 294
(M+ )) 分子式C16225 UV(EtOH) λmax 250nm (E1cm 1% 76) IR(NaCl) 2922,2854,1771,1742,1560,
1203cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.81(3H、t),1.19(6H、m),2.0
6(2H、m),2.61(2H、m),2.70(2
H、m),3.20(2H、d、J=6.4Hz),
3.62(3H、s),5.26(1H、dd),5.
51(1H、dd)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.50 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.23
【0049】WAP−4068C5 分子量296 (EI−MS m/z 296
(M+ )) 高分解能EI−MS 実測値 m/z 296,1696 理論値 m/z 296,1624 分子式C16245 UV(EtOH) λmax 240nm (肩 E1cm 1% 100) IR(NaCl) 2930,2860,1845,1769,1742,
1437,1371,1267,1176,1079,
907cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.81(3H、t、J=6.4Hz),1.20(1
0H、m),1.50(2H、m),2.43(2H、
t、J=7.4Hz),2.62(2H、m),2.6
8(2H、m),3.62(3H、s)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.50 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.21
【0050】WAP−4068D1 分子量312 (EI−MS m/z 312
(M+ )) 分子式C16246 IR(NaCl) 2920,2854,1736,1437,1265,
1166,1081,760cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.89(3H、t、J=7.3Hz),1.96(2
H、quint),2.12(2H、q),2.37
(4H、m),2.62(2H、t),3.61(3
H、s),3.68(3H、s),3.70(3H、
s),5.28(1H、dd),5.34(1H、d
d)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.28 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.46
【0051】WAP−4068D2 分子量314 (EI−MS m/z 283(M+
31)) 分子式C16266 IR(NaCl) 2958,2932,2862,1738,1638,
1437,1267,1199,1166,1079c
-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.83(3H、t、J=6.4Hz),1.23(6
H、m),1.38(2H、m),2.33(2H、
t、J=6.4Hz),2.44(2H、t),2.6
2(2H、t),3.63(3H、s),3.69(3
H、s),3.71(3H、s)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.28 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.34
【0052】WAP−4068D3 分子量340 (EI−MS m/z 309(M+
31)) 分子式C18286 IR(NaCl) 2956,2930,2860,1765,1636,
1435,1265,1199,1164,1083c
-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.87(3H、t、J=7.4Hz),1.32(2
H、m),1.48(2H、m),1.94(4H、
m),2.30(2H、t),2.41(2H、t),
2.60(2H、t),3.60(3H、s),3.6
6(3H、s),3.68(3H、s),5.24(1
H、dd),5.26(1H、dd)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.28 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.31
【0053】WAP−4068D4 分子量340 (EI−MS m/z 309(M+
31)) 分子式C18286 IR(NaCl) 2958,2930,2860,1738,1638,
1437,1267,1199,1166,1081,
969cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.84(3H、t、J=6.9Hz),1.28(6
H、m),2.02(2H、quint、J=6.9H
z),2.45(2H、t),2.65(2H、t),
3.12(2H、d、J=6.9Hz),3.63(3
H、s),3.69(3H、s),3.70(3H、
s),5.18(1H、dd),5.45(1H、d
d)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.28 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.29
【0054】WAP−4068D5 分子量342 (EI−MS m/z 311(M+
31)) 分子式C18306 IR(NaCl) 2956,2930,2858,1738,1638,
1437,1267,1199,1166,1079,
984cm-11 H NMR(CDCl3 ) δ ppm 0.83(3H、t、J=6.4Hz),1.22(1
0H、m),1.36(2H、m),2.33(2H、
t、J=7.4Hz),2.44(2H、t),2.6
2(2H、t),3.63(3H、s),3.69(3
H、s),3.71(3H、s)。 TLC Rf シリカゲル 60F254 クロロホルム:酢酸(50:1) 0.28 RP−18F254S アセトニトリル:水(7:3) 0.23
【0055】(生物学的性質)次にWAP−4068お
よびその誘導体の生物学的性質について述べる。WAP
−4068およびその誘導体の1,000μg/ml溶
液に浸漬したペーパーディスク(東洋濾紙社製、直径8
mm)を各種真菌含有の寒天平板にはりつけ、37℃で
24時間培養後、ペーパーディスクのまわりに生じた生
育阻止円の直径を表1に示す。表中の0は阻止円の認め
られなかったことを示す。用いた培地はイースト・ニト
ロゲン・ベース・ウイズアウト・アミノアシッズ培地
(ディフコ社製)にグルコース0.5%、寒天1.5%
を添加したものである。用いた試験菌−1はアスペルギ
ルス・フミガタス(Aspergillus fumi
gatus)IAM2004、試験菌−2はカンジタ・
アルビカンス(Candida albicans)T
IMM0239である。表1から明らかなようにWAP
−4068A1 〜A5 、B1 〜B5 、C1 〜C5 は真菌
に対して抗菌活性を示す。またWAP−4068D1
5 in vitroでは抗菌活性を示さないが、
vivoではエステラーゼによってWAP−406
8B1 〜B5 に加水分解され、抗菌活性を示すものと期
待される。
【0056】
【表1】
【0057】また、WAP−4068A5 はマウスを用
いた急性毒性試験において500mg/1kg経口投与
しても毒性は全く認められなかった。以上の結果からW
AP−4068およびその誘導体は抗真菌作用を示し、
低毒性である。したがって、これらの化合物は真菌感染
症の治療に用いることができる。本発明の化合物を医薬
として投与する場合、本発明化合物はそのまま、または
医薬上許容される無毒性かつ不活性の担体中に例えば、
0.1%〜99.5%、好ましくは0.5%〜90%含
有する医薬組成物として人を含む動物に投与される。担
体としては、固形、半固形、または液状の希釈剤、充填
剤、およびその他の処方用の助剤の一種以上が用いられ
る。医薬組成物としては、投与単位形態で投与すること
が望ましい。本発明の医薬組成物は経口投与、組織内投
与、局所投与(経皮投与など)または経直腸に投与する
ことができる。したがって、これらの投与方法に適した
剤形に公知の製剤化技術で製剤化投与することが好まし
い。
【0058】抗真菌剤としての用量は、年令、体重等の
患者の状態、投与経路、病気の性質と罹患程度等を考慮
した上で調整するのが望ましいが、通常は成人に対して
本発明の有効成分量として、1日当り10〜2000m
gの範囲が一般的である。場合によっては、これ以下で
足り得るし、また逆にこれ以上の用量を必要とする場合
もある。(必要に応じて)多量に投与するときには、1
日数回に分割して投与することが望ましい。
【0059】
【実施例】次に実施例をもって詳細に本発明を説明する
が、これによって本発明が限定されるものではない。 実施例1 500ml容の三角フラスコにグルコース2.5%、脱
脂大豆粉2.0%、大豆油0.4%、塩化ナトリウム
0.25%、炭酸カルシウム0.5%からなる培地(p
H7.2)100mlを注入後減菌した培地を3本用意
し、これにシュードモナス・エスピー WAP−406
8株の斜面寒天培地から1白金耳づつ接種したのち、ロ
ータリーシェーカーで180往復/分、30℃、2日間
培養を行った。上述の培地を100ml注入後減菌した
500ml容三角フラスコ100本を用意し、先に培養
した三角フラスコの培養液をそれぞれに2mlづつ接種
して、ロータリーシェーカーで180往復/分、30
℃、4日間培養を行った。なお、抗真菌活性をアスペル
ギルス・フミガタスの寒天平板法で測定した。
【0060】実施例2 実施例1で得られた培養液にセライト545を濾過助剤
として加え、減圧濾過を行って培養濾液9.5lを得
た。培養濾液を水で2倍に希釈後、塩酸でpHを4.5
に調整し、ダイヤイオンHP20(三菱化成社製、1.
4l)のカラムクロマトグラフィーに付した。pH4.
5の水5l、pH8.0の水5lで洗浄後、活性物質を
80%アセトン水(pH8.0)10lで溶出した。溶
出液を2.5lまで濃縮し、塩酸でpH5.0に調整
後、酢酸エチル2lで2回抽出した。酢酸エチル層を濃
縮し、18.8gの粗物質を得た。
【0061】実施例3 実施例2で得られた粗物質5gをシリカゲル(エーメル
ク社製、450ml)のカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム:−ヘキサン:酢酸(150:5
0:1)の溶媒系で溶出、分画した。活性画分(820
ml)を集め、200mlまで濃縮後、クロロホルムで
抽出した。クロロホルム層を濃縮し、3.1gのWAP
−4068A1 〜A5 混合物を得た。そのうちのWAP
4068A1 〜A5 混合物2.7gをODS−シリカゲ
ル(山村化学研究所製、YMC Gel ODS−A、
400ml)のカラムクロマトグラフィーに付し、アセ
トニトリル:水(45:55)の溶媒系で溶出分画し
た。3つの活性画分を濃縮し、WAP−4068A1
2 混合物(900mg),WAP−4068A3 ,A
4 混合物(650mg),WAP−4068A5 粗結晶
(980mg)を得た。WAP−4068A5 粗結晶は
クロロホルム−−ヘキサンより再結晶化し、WAP−
4068A5 白色針状結晶800mgを得た。WAP−
4068A1 、A2 混合物は再度ODS−シリカゲルの
カラムクロマトグラフィー(カラムは上記と同じ、溶媒
系はアセトニトリル:水(40:60))に付し、A1
(20mg),A2 (454mg)をシロップとして単
離した。またWAP−4068A3,A4 混合物を同様
に処理してA3 (30mg),A4 (120mg)をシ
ロップとして得た。
【0062】実施例4 実施例3で得られたWAP−4068A5 5mgに水1
mlと3倍モル量の水酸化ナトリウムを加え、室温で2
時間放置した。濃縮、乾固し、WAP−4068B
5 (3ナトリウム塩、6.1mg)を白色粉末として得
た。WAP−4068A1 ,A2 ,A3 ,A4 について
も同様に処理して、WAP−4068B1 (6.5m
g),B2 (6.3mg),B3 (6mg),B4 (6
mg)の3ナトリウム塩を白色粉末として得た。
【0063】実施例5 実施例3で得られたWAP−4068A5 5mgをベン
ゼン1mlに溶解し、メタノール0.5mlとトリメチ
ルシリルジアゾメタン(東京化成社製)1滴を加え、室
温で30分間放置した。濃縮後、反応物をシリカゲル6
0(エーメルク社製、蛍光剤入り)の薄層クロマトグラ
フィー(8×10cm)に付し、クロロホルム:酢酸
(50:1)で展開した。254nmのUVランプ下、
Rf値0.50のバンドを切り出し、酢酸エチルで抽出
した。濃縮、乾固し、WAP−4068C5 (1.3m
g)をシロップとして得た。WAP−4068A1 ,A
2 ,A3 ,A4 についても同様の方法で処理し、WAP
−4068C1 (1.2mg),C2 (1.2mg),
3 (1.5mg),C4 (1.6mg)をシロップと
して得た。
【0064】実施例6 実施例3で得られたWAP−4068A5 5mgをベン
ゼン1mlに溶解し、メタノール0.5mlとトリメチ
ルシリルジアゾメタン10滴を加え、室温で30分間放
置した。濃縮後WAP−4068D5 (6.0mg)を
シロップとして得た。WAP−4068A1 ,A2 ,A
3 ,A4 についても同様の方法で処理し、WAP−40
68D1 (6.1mg),D2 (6.2mg),D
3 (6.1mg),D4 (6.1mg)をシロップとし
て得た。
【0065】
【発明の効果】上述のとおり本発明により新規抗生物質
WAP−4068およびその誘導体ならびにそれらの製
造法が提供される。本抗生物質WAP−4068および
その誘導体は真菌に抗菌活性を示すことから、真菌感染
症の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】新抗生物質WAP−4068A5 主成分のFT
−IRスペクトル(食塩板による測定)
【図2】新抗生物質WAP−4068A5 主成分の27
0MHz 1H NMRスペクトル(CDCl3 による測
定)
【図3】新抗生物質WAP−4068A5 主成分の6
7.9MHz 13CNMRスペクトル(CDCl3 によ
る測定)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/604 8018−4H C12N 1/20 A 7236−4B C12P 17/04 8931−4B //(C12N 1/20 C12R 1:38) 7804−4B (C12P 17/04 C12R 1:38) 7804−4B (72)発明者 後藤 正義 神奈川県伊勢原市東成瀬4−2−5−408

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
    2 2 −、CH3 −(CH2 5 −、CH3 −CH2
    −CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
    −CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2 7
    を示す〕で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 請求項(1)記載の化合物またはその塩
    を加水分解して得られる(II)式 【化2】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
    2 2 −、CH3 −(CH2 5 −、CH3 −CH2
    −CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
    −CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2 7
    を示す〕で表される化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項(1)または(2)記載の化合物
    をエステル化して得られる(III )式または(IV)式 【化3】 【化4】 〔式中、R1 はCH3 −CH2 −CH=CH−(C
    2 2 −、CH3 −(CH2 5 −、CH3 −CH2
    −CH=CH−(CH2 4 −、CH3 −(CH2 4
    −CH=CH−CH2 −またはCH3 −(CH2 7
    を、COOR2 はエステル化されたカルボキシル基を示
    す〕で表される化合物。
  4. 【請求項4】 シュードモナス属に属し、請求項(1)
    記載の化合物のうち、少なくとも1種を産生する能力を
    有する生産菌を培地で培養し、培養物中に該化合物を生
    成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする該化合
    物またはその塩の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項(1)に記載の化合物の中、少な
    くともその1種を生産する能力を有するシュードモナス
    属に属する生産菌。
  6. 【請求項6】 請求項(1)、(2)及び(3)に記載
    の化合物又はその塩からえらばれる少なくとも1種の化
    合物を有効成分とする抗真菌剤。
JP12109392A 1992-04-16 1992-04-16 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法 Pending JPH05294952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12109392A JPH05294952A (ja) 1992-04-16 1992-04-16 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12109392A JPH05294952A (ja) 1992-04-16 1992-04-16 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05294952A true JPH05294952A (ja) 1993-11-09

Family

ID=14802707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12109392A Pending JPH05294952A (ja) 1992-04-16 1992-04-16 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05294952A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5708169A (en) * 1995-09-15 1998-01-13 Pharmacia & Upjohn Company 5-amidomethyl α,β-saturated and -unsaturated 3-aryl butyrolactone antibacterial agents
WO2007039749A2 (en) * 2005-10-06 2007-04-12 Aston University Antibacterial pyrrols
JP2008115183A (ja) * 2005-09-22 2008-05-22 Meiji Seika Kaisha Ltd メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤
US9260375B2 (en) 2005-09-22 2016-02-16 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Metallo-β-lactamase inhibitors

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5708169A (en) * 1995-09-15 1998-01-13 Pharmacia & Upjohn Company 5-amidomethyl α,β-saturated and -unsaturated 3-aryl butyrolactone antibacterial agents
JP2008115183A (ja) * 2005-09-22 2008-05-22 Meiji Seika Kaisha Ltd メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤
US9260375B2 (en) 2005-09-22 2016-02-16 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Metallo-β-lactamase inhibitors
WO2007039749A2 (en) * 2005-10-06 2007-04-12 Aston University Antibacterial pyrrols
WO2007039749A3 (en) * 2005-10-06 2008-05-08 Univ Aston Antibacterial pyrrols

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4977138A (en) FR901228 substance and preparation thereof
JPH05294952A (ja) 抗生物質wap−4068および誘導体ならびにそれらの製造法
US5405762A (en) Culture of alteromonas and process of using the same to produce an antibacterial compound
KR100230961B1 (ko) 신규한 아미노올리고당 유도체 및 그의 제조방법
US5521169A (en) Ascosteroside and analogs thereof useful in antifungal compositions for methods of treating infections and inhibition of fungal growth
EP0668358B1 (en) Antibiotic WAP-8294A, method for preparing the same and antibacterial composition
JP3111240B2 (ja) Fa−70d物質、その製造法及びその用途
US4091093A (en) Protease inhibitors
JPH01246288A (ja) Tan−1030aおよびその誘導体,これらの製造法ならびに用途
JPH01112988A (ja) 新規物質dc―107
JPS62294676A (ja) パチュロリドおよびその製造法
US5168100A (en) Hp530 compounds and process for preparing the same
JP3123864B2 (ja) 新規化合物チオマリノールcおよびその製造法
JP3542150B2 (ja) 抗生物質スタロバシン
JP2546239B2 (ja) 新規物質オバリシン
JPH0367077B2 (ja)
WO1991008222A1 (fr) Substance physiologiquement active be-16627
JP3257605B2 (ja) 新規生理活性物質Mer−W8020AおよびMer−W8020Bならびにそれらの製造方法
JP2873341B2 (ja) 抗生物質tan―950、その製造法および用途
JPH07291992A (ja) 新規化合物b4317
JPH06199882A (ja) 新規抗真菌性抗生物質w7176bおよびw7176c並びにそれらの製造方法
JPH05255184A (ja) 新規化合物イリシコリン酸aまたはb
WO1993021770A1 (en) Antifungal compounds
JPH0415788B2 (ja)
JPH08193083A (ja) 新規生理活性物質nd20