JPH05279374A - スイダトレスチン及びその製造方法 - Google Patents

スイダトレスチン及びその製造方法

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JPH05279374A
JPH05279374A JP4077627A JP7762792A JPH05279374A JP H05279374 A JPH05279374 A JP H05279374A JP 4077627 A JP4077627 A JP 4077627A JP 7762792 A JP7762792 A JP 7762792A JP H05279374 A JPH05279374 A JP H05279374A
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trehalase
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liquid
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suidatrestin
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Sawao Murao
澤夫 村尾
Takashi Shin
隆志 新
Kyoichi Sugawa
恭一 須川
Teruo Amachi
輝夫 天知
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    • C12P1/00Preparation of compounds or compositions, not provided for in groups C12P3/00 - C12P39/00, by using microorganisms or enzymes
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 以下の物理化学的性質; (1)作用:トレハラーゼに対して特異的に阻害作用を
有する。 (2)性状:水溶性の白色粉末 (3)ソモギネルソン反応:陰性 (4)ライドンスミス反応:陽性 (5)旋光度[α]D 23:113.8 度(c, 0.1, H2 O ) (6)分子量:335 ([M+H]+ =336) (7)紫外線吸収スペクトル:258.5nm に吸収極大をも
つ。 (8)13C-NMR (ppm ):28.9, 41.0, 56.9, 58.4, 6
4.3, 65.0, 71.3, 74.0,75.2, 75.8, 76.0, 77.1, 123.
0, 144.7 をもつ新規トレハラーゼインヒビター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規トレハラーゼイン
ヒビターであるスイダトレスチンに関する。また、本発
明は、スイダトレスチンを生産する放線菌及び該放線菌
を用いたスイダトレスチンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トレハラーゼは、トレハロースをその構
成単糖であるブドウ糖に分解する酵素である。本酵素
は、哺乳動物の小腸や腎臓に存在するほか、昆虫・真菌
にも存在していることが知られている。昆虫・真菌にお
いてトレハラーゼは生活活動の主要なエネルギー源であ
り、したがってトレハラーゼはこれらのエネルギー代謝
において中心的な役割を果たす重要な酵素である。これ
とは対照的に、哺乳動物において腎臓・小腸における本
酵素の積極的な役割は知られていない。
【0003】近年、稲の紋枯れ病菌のトレハラーゼに特
異的に作用するバリダマイシンが見いだされ、抗真菌剤
として使用されてきた。さらに我々は昆虫のトレハラー
ゼに特異的な阻害剤トレハロスタチンを見いだし、抗真
菌剤・殺虫剤としての使用も検討してきた。
【0004】しかしこれらの薬剤に対する薬剤耐性菌・
昆虫の出現が予想され、既存のトレハラーゼ阻害剤とは
異なる構造と阻害特性をもった新規なトレハラーゼ阻害
剤が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】我々は哺乳動物のトレ
ハラーゼに特異的に作用するトレハラーゼ阻害剤を探索
すれば、既存のトレハラーゼ阻害剤に耐性となったトレ
ハラーゼを阻害することができるのではないかと考え
た。またトレハラーゼが哺乳動物においては積極的な役
割を担っていないらしい点を考慮すると、そのような阻
害剤は哺乳動物に対しても副作用が最小限となることが
期待できる。
【0006】本発明者らは、哺乳動物としてブタを取り
上げ、ブタの小腸のトレハラーゼを強く阻害する物質を
産生する微生物を自然界より幅広く探索し、本発明を完
成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは土壌より分
離したストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する
放線菌が、その培養液および菌体内に、動物、特に哺乳
動物小腸のトレハラーゼに対して極めて低濃度で阻害効
果を示す新規な物質を産生することを発見し、この物質
をスイダトレスチンと命名した。
【0008】本発明は、上記の知見にもとづいて完成さ
れたものであって、Streptomyces属に属するスイダトレ
スチン産生菌を培養し、その培養物から採取した新規物
質スイダトレスチンに関する。また、本発明は、そのよ
うな新規物質を産生する放線菌株および該菌株を使用す
るスイダトレスチンの製造方法も提供する。
【0009】特に、本発明者らが土壌より分離した菌株
SAM1953が好適に使用できる。
【0010】このSAM1953 は以下の菌学的性質を有す
る。
【0011】(1)形態的所見 直径0.4〜0.8μmの基底菌糸、及び気中菌糸を形
成する。基底菌糸は分岐し、分断は認められなかった。
気中菌糸は分岐し、その先端に10個以上のループ状、
フック状、まれに不完全な螺旋状の胞子連鎖を形成す
る。胞子の表面は平滑で、その大きさは直径0.8〜
1.0μm、形状は球状から、円筒形であった。胞子
嚢、菌糸束、菌核などの構造体は、14日培養後も認め
られなかった。
【0012】(2)培養所見(28℃、14日間培養) ショ糖・硝酸塩寒天培地;生育:貧弱;気中菌糸:かす
か、薄褐色;裏面の色調:薄褐色;可溶性色素:無し グルコース・アスパラギン寒天培地;生育:良好;気中
菌糸:豊富、黄色;裏面の色調:暗橙色;可溶性色素:
無し グリセリン・アスパラギン寒天培地;生育:良好;気中
菌糸:豊富、灰褐色;裏面の色調:灰褐色;可溶性色
素:無し スターチ・無機塩寒天培地;生育:良好;気中菌糸:豊
富、暗緑色;裏面の色調:灰褐色;可溶性色素:無し チロシン寒天培地;生育:良好;気中菌糸:豊富、茶灰
色;裏面の色調:赤褐色;可溶性色素:無し 栄養寒天培地;生育:良好;気中菌糸:豊富、白色;裏
面の色調:白色;可溶性色素:無し 酵母エキス・麦芽エキス寒天培地;生育:良好;気中菌
糸:豊富、緑灰色;裏面の色調:暗褐色;可溶性色素:
黄褐色 オートミール寒天培地;生育:良好;気中菌糸:豊富、
茶灰色;裏面の色調:黄色;可溶性色素:無し 素寒天培地;生育:貧弱;気中菌糸:かすか;裏面の色
調:半透明色;可溶性色素:無し 1/10人参・馬鈴薯寒天培地;生育:良好;気中菌
糸:豊富、褐色;裏面の色調:褐色;可溶性色素:無し 1/10V−8ジュース寒天培地;生育:良好;気中菌
糸:豊富、灰褐色;裏面の色調:褐色;可溶性色素:無
し (3)生理学的所見 1)生育温度範囲 トリプトン・酵母エキスブロス(ISP-1) を用いて、12.5
℃, 15.5℃, 18.0℃,21.0℃, 23.5℃, 26.0℃, 28.5℃,
30.5℃, 33.0℃, 35.5℃, 38.5℃, 及び41.0℃の各温
度で試験を行なった結果、12.5℃以上、41.0℃以下で生
育が認められた。生育至適温度は21.0℃〜38.5℃と思わ
れた。
【0013】 2)ゼラチンの液化(28℃) グルコース・ペプトン・ゼラチン培地 陽性 単純ゼラチン培地 陽性 肉汁ゼラチン培地 陽性 3)スタ−チの加水分解 陽性 4)脱脂乳の凝固(28℃) 陰性 5)脱脂乳のペプトン化 陽性 6)メラニン様色素の生成 ペプトン・酵母エキス・鉄寒天培地 陰性 チロシン寒天培地 陰性 トリプトン・酵母エキス寒天培地 陰性 7)硝酸塩の還元 陰性 8)炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培
地、28℃、14日間培養) D−グルコース + D−キシロース + L−ラムノース − L−アラビノース + D−フルクトース + ラフィノース − D−マンニトール + イノシトール − シュクロース − ラクトース + サリシン ± 但し、+;利用する、±;利用するかどうか疑わしい、
−;利用しない (4)化学的性質 1)2、6−ジアミノピメリン酸 全菌体を、Staneck,J.L.及びRobert
s,G.D.の方法(Applied Microbi
ology,28巻、226ペ−ジ、1974年)に準
拠して調べた結果、LL−2、6−ジアミノピメリン酸
の存在が認められた。
【0014】2)キノン系 MK-9(H6), (H8)を主成分として有する。
【0015】Streptomyces sp. SAM1953の細胞壁は、L
L−2、6−ジアミノピメリン酸を含む。
【0016】キノン系はMK-9(H6), (H8)を主成分として
有する。
【0017】以上の分類学的性質よりSAM1953 株は明ら
かに、Streptomyces属に属する放線菌である。従って、
本発明には、Streptomyces属に属する菌でスイダトレス
チンを産生する菌はすべて使用することができる。
【0018】尚、SAM1953 株は、Streptomyces sp. SAM
1953と命名され、1992年3 月25日付で工業技術院微生物
工業技術研究所に受託番号微工研条寄第3805号(FERM B
P-3805)として寄託されている。
【0019】本発明では、上記のような放線菌を培養す
る。その際に使用できる培地は、液体状でも固体状でも
よいが、通常は液体培地による振盪培養または通気撹拌
培養が便利である。
【0020】培地としては、本発明に係る放線菌が生育
して本発明の新規な物質を蓄積できるものであればどの
ようなものでもよい。すなわち、炭素源としては、グル
コース、ラクトース、デンプン、シュクロース、デキス
トリン、糖蜜、有機酸類などが、また窒素源としては、
ペプトン、カザミノ酸などの蛋白質加水分解物の他、肉
エキス、酵母エキス、ダイズ粕、コーンスティープリカ
ー、アミノ酸類、アンモニウム塩、硝酸塩、その他の有
機あるいは無機窒素化合物が用いられる。また、無機塩
として各種燐酸塩、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム
などを添加してもよく、また菌の生育を促進する目的で
ビタミン類、核酸関連化合物などを添加してもよい。な
お、シリコン、ポリプロピレングリコール誘導体、大豆
油などの消泡剤を培地に添加することが本発明の新規物
質の蓄積量を増大させるのに効果的な場合もある。
【0021】培養にあたって、いきなり本培養をするよ
りは、あらかじめ小規模な前培養を行ない、その培養物
を培地に接種するのが望ましい。本培養、前培養共に、
培養温度、培養期間、培養の液性などの条件は、本発明
の新規物質の蓄積量が最大となるように適当に選択・調
節されるが、多くの場合、好気的条件下、25℃〜40℃に
て培養するのがよく、また培地の液性はpH 5.5〜8.0 に
保つのがよい。このように培養することにより、培養物
中に本発明の新規物質が生成・蓄積される。液体倍地を
用いて培養した場合は、主としてその液体状部分に目的
物が蓄積されるので、培養物をいったん濾過あるいは遠
心分離して菌体を除去し、得られた濾液あるいは上清か
らこれを分離するのが望ましいが、必要に応じて菌体を
除去することなく、培養液から直接目的物を分離するこ
ともできる。
【0022】なお、スイダトレスチンの精製の各段階に
おける阻害活性は、以下のようにして測定した。
【0023】インヒビター溶液50μl とトレハラーゼ溶
液(ブタ小腸)50μl とを混合し、37℃で 5分間インキ
ュベートした後、5 mMトレハロースを含有する50 mM リ
ン酸緩衝液(pH 6.3)400 μl を添加し、37℃で15分間
反応後、30μl の 1N 塩酸を添加して反応を停止させ
た。100 μl の上記反応液に 0.1 Mリン酸緩衝液(pH
6.5)を2.5 ml, 4 mM ABTS を25μl, 4 mM 3,5-ジアミ
ノ安息香酸を25μl,西洋ワサビペルオキシダーゼ水溶液
(1 mg/ml )を10μl 加え、37℃で5分間インキュベー
ト後、グルコースオキシダーゼ水溶液(5 mg/ml )100
μl を添加してさらに37℃で10分間インキュベートし
た。その後 1M アジ化ナトリウム水溶液100μl を添加
し、550 nmの吸光度を測定することにより、生成グルコ
ース量を求めた。上記測定法で酵素(トレハラーゼ)活
性を50%阻害するスイダトレスチンの濃度を 1単位/ml
とした。
【0024】以上のようにして本発明の新規物質スイダ
トレスチンを採取する際の目的物の検出・定量は、ブタ
小腸より調製したトレハラーゼの活性を該目的物が阻害
する程度を定量することによって行なうことができる。
培養物からの目的物の分離・精製には、本発明の新規物
質の化学的特性に基づく種々の手段を採用できる。
【0025】すなわち、有機溶媒処理、セファデックス
やバイオゲルなどによるゲル濾過、各種イオン交換樹脂
によるイオン交換クロマトグラフィー、活性炭、シリカ
ゲル、アンバーライト-XAD-1、同-2などの吸着剤を用い
る吸着クロマトグラフィー、YMC-PA43や TSK-Amide 80
などの担体を用いる順相クロマトグラフィーなどが有効
であり、これらの手段を適当に組合わせて使用すること
により、本発明の新規物質スイダトレスチンが白色の無
定形粉末状に単離される。ただし、これら以外の方法で
あっても、本発明の新規物質の特性を有効に利用するも
のであれば適宜使用できる。特に好ましい吸着剤の組合
わせとしては、ダウエックス50W-X2(H+)、活性炭、YMC
-PA43、TSK-Amide 80の組合わせが挙げられる。
【0026】以上のようにして得られる物質は、後述の
実施例に示すような性質を有する新規な物質であって、
さらに実施例で示されているように、真菌、昆虫、特に
ブタ小腸のトレハラーゼに対して極めて低濃度でも有効
な阻害効果を示すので、抗真菌剤、殺虫剤または抗肥満
・糖尿病治療薬として有用である。なお、本発明の新規
物質は単離・精製して用いることもできるが、場合によ
ってはスイダトレスチン産生菌の培養物をそのままある
いは簡単に精製しただけで用いることもできる。
【0027】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
実施例1:スイダトレスチンの製造 グルコース、酵母エキス、ペプトン、および硫酸マグネ
シウムを含有する培地(pH 7.0, 6 リットル)に60 ml
のSAM1953 株の純粋培養物を接種し、10リットル容ジャ
ーファーメンター(3 基)中で33℃, 200rpm, 1vvmにて
120 時間通気撹拌培養した。
【0029】得られた培養液 14.6 リットルから東洋ろ
紙 No.2 でろ過し菌体を除去した。得られたろ液を、脱
イオン水で平衡化しておいた Dowex 50W-X2 (H+ ) カラ
ム(3.5 リットル)に流し、トレハラーゼ阻害活性を吸
着させた後、6カラム容量の脱イオン水にてカラムを洗
浄した後、16カラム容量の0.1N NH4 OHにてトレハラー
ゼ阻害活性を溶出した。溶出液を 500 ml ごとに分取
し、トレハラーゼ阻害活性画分を集めた。
【0030】得られたトレハラーゼ阻害活性画分中のア
ンモニアをエバポレーターによって除去し 300 ml まで
濃縮した。濃縮物の一部を、あらかじめ 20 mMリン酸ナ
トリウム緩衝液 pH 6.0 で平衡化しておいた CK08P (Na
+ ) カラム(2.5φ×20 cm)に負荷してトレハラーゼ阻害
活性を吸着させた後、同じ緩衝液 500 ml でカラムを洗
浄後、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 6.0 と 0.2 M
リン酸ナトリウム緩衝液 pH 8.0 (各500 ml)によるリ
ニアグラジエントによってトレハラーゼ阻害活性を溶出
した。同じ操作を残りの濃縮物についても行った。
【0031】得られたトレハラーゼ阻害活性画分(400
ml)を、あらかじめ十分水洗した活性炭カラム(2.5φ×
10 cm)に吸着させ、脱イオン水 700 ml でカラムを洗浄
後、30% MeOH を 500 ml 流し、トレハラーゼ阻害活性
を溶出させた。
【0032】得られたトレハラーゼ阻害活性画分のエバ
ポレーターによる濃縮物(5 ml)につき、CK08P(Na+ )
カラム(2.5φ×20 cm)にて再クロマトグラフィーを行な
った。
【0033】得られたトレハラーゼ阻害活性画分をエバ
ポレーターによって 5 ml まで濃縮し、蒸留水で洗浄し
た Carbonex カラムに注入し、蒸留水で洗浄後 0〜30%
MeOHグラジエントにより溶出した。
【0034】得られたトレハラーゼ阻害活性画分をエバ
ポレーターによって 2 ml まで濃縮し、アセトニトリ
ル:蒸留水=75:25 (v/v)で平衡化した YMC PA43 カラ
ム(2φ×22 cm)に注入し、同じ溶媒を流して展開した。
【0035】得られたトレハラーゼ阻害活性画分をエバ
ポレーターによって 2 ml まで濃縮し、あらかじめ、20
mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH 5)を含むアセトニト
リル:蒸留水=65:35 (v/v)で平衡化しておいたTSK-Am
ide 80カラム(1.0φ×45 cm)に注入し、同じ溶媒にて展
開しながら、溶出液の210nm における吸光度をモニター
した。このクロマトグラフィーにおいて、トレハラーゼ
阻害活性は、210nm の吸光度で検出されるシングルピー
クと一致して溶出された。
【0036】得られたトレハラーゼ阻害活性画分をエバ
ポレーターによって 2 ml まで濃縮し、Carbonexカラム
にて再クロマトグラフィーを行なった。
【0037】得られたトレハラーゼ阻害活性画分をエバ
ポレーターにて 2 ml まで濃縮し、アセトニトリル:蒸
留水=85:15 (v/v)で平衡化した Asahipak NH2P-50 カ
ラムに注入し、同じ溶媒によって展開した。トレハラー
ゼ阻害活性画分を濃縮乾固し、希塩酸を加えて凍結乾燥
することにより、純粋な目的物1mg を単離した。
【0038】実施例2:スイダトレスチンの物理化学的
性質 SAM1953 株の培養物から実施例1に従って分離精製され
た物質をスイダトレスチンと命名した。
【0039】このスイダトレスチンの物理化学的性質を
以下に示す。
【0040】性状:水溶性の白色粉末 ソモギネルソン反応:陰性 ライドンスミス反応:陽性 旋光度[α]D 23:113.8 度(c, 0.1, H2 O ) 分子量:335 ([M+H]+ =336) 紫外線吸収スペクトル:258.5nm に吸収極大をもつ。
【0041】13C-NMR (ppm ):28.9, 41.0, 56.9, 5
8.4, 64.3, 65.0, 71.3, 74.0, 75.2,75.8, 76.0, 77.
1, 123.0, 144.7。
【0042】実施例3:スイダトレスチンの酵素阻害ス
ペクトル 実施例1で述べた阻害活性測定方法のなかで、トレハラ
ーゼの起源をさまざまに変えてID50を求めた。ここで、
ID50とは、実施例1 で述べた阻害活性測定条件におい
て、トレハラーゼ活性を50%阻害するのに必要なスイダ
トレスチンの量と定義する。
【0043】 トレハラーゼ起源 ID50(ng) ブタ小腸 0.21 ケブカクロバエ 1.05 真 菌 0.93
【0044】
【発明の効果】本発明におけるスイダトレスチンは、抗
真菌剤、殺虫剤、糖尿病治療薬、抗肥満薬として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の物理化学的性質を持ち、単離精製
    されたトレハラーゼインヒビター; 物理化学的性質 (1)作用:トレハラーゼに対して特異的に阻害作用を
    有する; (2)性状:水溶性の白色粉末 (3)ソモギネルソン反応:陰性 (4)ライドンスミス反応:陽性 (5)旋光度[α]D 23:113.8 度(c, 0.1, H2 O ) (6)分子量:335 ([M+H]+ =336) (7)紫外線吸収スペクトル:258.5nm に吸収極大をも
    つ; (8)13C-NMR (ppm ):28.9, 41.0, 56.9, 58.4, 6
    4.3, 65.0, 71.3, 74.0,75.2, 75.8, 76.0, 77.1, 123.
    0, 144.7。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトレハラーゼインヒビタ
    ーを産生し得るストレプトマイセス属放線菌。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトレハラーゼインヒビタ
    ーの製造方法であり、請求項2記載の放線菌を培養し、
    該培養物から以下に示す操作の全て或は一部を1回又は
    それ以上繰り返すことを特徴とする製造方法: (1)請求項2記載の放線菌の培養物をイオン交換カラ
    ムに負荷し、pH叉はイオン強度を上昇させることによ
    り溶出し、(2)該溶出物を活性炭カラムに吸着させ、
    アルコールにて溶出し、(3)該溶出物を順相カラムに
    負荷し、平衡化溶媒にて溶出する。
  4. 【請求項4】 動物のトレハラーゼに対して阻害効果を
    示す、請求項2記載の放線菌を培養することにより得ら
    れる培養物。
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