JP2801388B2 - インクジェット記録装置の回復方法 - Google Patents

インクジェット記録装置の回復方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録装置の回復方法に関し、
さらに詳しくは、インクジエツトヘツドの正常な液滴吐
出状態を維持あるいは回復するチユーブポンプを有する
インクジェット記録装置の回復方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、インクジエツト記録装置に於いては、インクジ
エツトヘツドの正常な液滴吐出状態を維持するあるい
は、吐出口に目詰まりが生じた場合に正常な吐出状態に
回復する目的から回復用のポンプを配置し、ポンプの負
圧により吐出口からインクを吸引するという手段がとら
れていた。また、回復用のポンプとして、チユーブ内の
体積変化を利用して負圧を発生させるチユーブポンプと
呼ばれるものが使用されている。このチユーブポンプは
構成が簡単で小型で低コストでポンプを形成出来るメリ
ツトがあった。
〔発明が解決しようとしている課題〕
従来チユーブポンプは、延在するチユーブを加圧コロ
で押しつぶしながら連続した吸引を行うために、単位時
間当りの吸引量を増加することは難しい問題であった。
なぜならば、チユーブの断面積を増加させようとする
と、チユーブの大型化や加圧コロの大型化を招き、コス
トアツプにつながるだけでなく、断面積の増加にも限界
がある。
又、記録ヘツドに対して用いられている従来例のチユ
ーブポンプ機構では、負圧を形成する間、つまり0から
MAX圧になる間、常にヘツド側と連通した構成となって
いる。このため、吐出口1Aに於いてゴミ詰りや気泡等に
よって目詰まりが発生している吐出口と、正常な吐出口
が存在する場合には、正常な吐出口からはポンプがMAX
圧になるかなり前から吐出口よりインクが引き出されて
しまう現象が発生する。この場合、チユーブ加圧用の加
圧コロがMAX圧を発生出来るポイントに到達した時に
は、それ以前にコロの移動に伴う負圧は記録ヘツドから
の吸引を行い続けているので、正常な吐出口からのイン
ク流出により負圧エネルギーが損失されている。よって
回復すべき目詰まりの発生している吐出口に対する負圧
が減少する。よってMAX圧をさらに引き上げるためにチ
ユーブや加圧コロの作用域を増加させることも考えられ
るが、チユーブポンプ機構の大型化を招きコストアツプ
をもたらす。又、吸引回復による廃インク量が増して、
インクジエツトヘツドのランニングコストを低下させる
問題があった。また、インクジエツトヘツドの内部に気
泡が発生して起こる不吐出の回復に於いては、吸引時の
インクジエツトの流出速度の早いほうが、気泡除去に対
しては有利であるのに対して、従来チユーブポンプ機構
に於いては、時間的にMAX圧を得ることはできない構成
のため、インクの流出速度が低下して、気泡除去の効率
が低下するという欠点があった。
〔発明の目的〕
本発明の主たる目的は、上記新規な技術課題を解決で
きる新規なインクジェット記録装置の回復方法を提供す
ることにある。
本発明は、簡単な構成でありながら所望の吸引条件を
装置の大型化を招くことなく確実に達成できるインクジ
ェット記録装置の回復方法の提供を他の目的とする。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたも
のであり、吐出口部の目詰まりの状態に合わせて吸引力
の大きさを決定することができ、装置の大型化を生じる
ことなく、目詰まりがひどい場合でも安定した吸引回復
を行い得るインクジェット記録装置の回復方法を提供す
ることを別の目的とする。
本発明の更に他の目的は、 被記録材にインクを吐出して記録を行うためのインク
ジェット記録ヘッドと、 該インクジェット記録ヘッドのキャッピングを行うた
めのキャップと、 該キャップがキャッピングを行っているときに前記キ
ャップを介して前記インクジェット記録ヘッドから吸引
を行うためのチューブポンプであって、チューブと該チ
ューブを押し潰すための加圧コロとを含むチューブポン
プと、 該チューブポンプから排出される廃インクを受け入れ
る廃インク処理手段と、 該廃インク処理手段と前記チューブポンプとの間の連
通を開閉するための開閉手段と、 前記キャップと前記チューブポンプとの間の連通を開
閉するための連通/遮断手段と、 を有するインクジェット記録装置の回復方法であって、 前記連通/遮断手段を閉状態にし前記加圧コロをして
前記チューブを押し潰ながら移動させることにより、前
記チューブ内に負圧を生成する工程と、 前記連通/遮断手段を閉状態に維持し前記開閉手段を
閉状態にして、前記加圧コロが前記チューブを押し潰す
ことなく前記加圧コロを初期位置に戻す工程と、 前記連通/遮断手段を閉状態に維持し前記加圧コロを
して前記チューブを押し潰しながら移動させることによ
り、前記チューブ内に更なる負圧を生成する工程と、 前記連通/遮断手段を開状態にして前記吸引を行う工
程と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置の回
復方法を提供するものである。
かかる本発明によれば、インクジエツトヘツドに密閉
系を形成するキヤツプとチユーブポンプとを結ぶ部分に
チユーブを押しつぶしキヤツプとチユーブの間を連通及
び遮断する機構を有することによりヘツドに対して、チ
ユーブポンプで発生したMAX圧を瞬間的に与えることが
出来、回復の信頼性を上げることが出来る。また、吸引
時の廃インクの量を低下させランニングコストの低下を
実現出来る。
又、上記チユーブの加圧機構をチユーブポンプのポン
ピング動作に連動させることにより、ヘツド面に対する
負圧のかけ方を変えたり、ヘツド面に負圧をかけている
時間(保持時間)を変えることが簡単なメカ構成で実現
することが出来る。
チユーブポンプと廃インク処理部側との間にチユーブ
の連通を開閉する手段を設けた本発明は、加圧コロによ
るチユーブの押し潰し回数を変えることにより負圧の大
きさを可変にすることができ、したがって、吐出口部の
目詰まりの状態に合わせて吸引力の大きさを設定するこ
とができた。
〔実施例〕
以下、実施例を説明するが、本発明は以下に限定され
ず、回復装置単体としての発明を含むものである。
まず、第3図、第4図を用いて、カラー記録ヘツド
(C:シアンヘツド、M:マゼンタヘツド、Y:イエローヘツ
ド、Bk:ブラツクヘツド)1に対するキヤツプ、ブレー
ド構成を説明する。
本実施例は、プリンタ、複写機、フアクシミリ等の記
録装置に適用でき、画像情報に基づいて、紙やプラスチ
ツク薄板等の被記録材状にドツトパターンから成る画像
を記録していくように構成されている。
第3図記録装置の構成は、シリアルタイプのインクジ
エツト記録手段80が記録キヤリツジ19に搭載され、該記
録手段80の位置へシート搬送手段によって記録シート11
1が搬送される如く構成されている。
記録手段は記録シート111にインク像を記録するもの
であり、本実施例ではインクジエツト記録方式を用いて
いる。
インクジエツト記録ヘツド1は記録用のインク液を飛
翔液滴として吐出噴射させるための液体吐出口と、該吐
出口に連通する液体流路、及びこの流体流路の一部に設
けられ、流路内のインク液を飛翔させるための吐出エネ
ルギーを与える吐出エネルギー発生手段とを備えてい
る。そして画信号に応じて前記吐出エネルギー発生手段
を駆動し、インク液滴を吐出して像を記録するものであ
る。
前記吐出エネルギー発生手段としては、例えばピエゾ
素子等の電気機械変換体等の圧力エネルギー発生手段を
用いる方法、レーザー等の電磁波をインク液に照射吸収
させて飛翔液滴を発生させる電磁エネルギー発生手段を
用いる方法、或は電気熱変換体等の熱エネルギー発生手
段を用いる方法等がある。この中で電気熱変換体等の熱
エネルギー発生手段を用いる方式が吐出口を高密度に配
列し得ると共に、記録ヘツドのコンパクト化も可能であ
るために好適である。
4つの記録ヘツド1C、1M、1Y、1Bkは、インクカート
リツジー体型で画信号に応じて電気熱変換体が発熱し、
その発熱に対応して吐出口からインクが下方へ飛翔す
る。
記録キヤリツジ19は前記記録手段80を主走査方向へ往
復移動させるためのものであり、これは第3図に示すよ
うに主走査レール19aにスライド可能に取り付けられて
いる。
前記主走査レール19aの両端付近には駆動プーリと従
動プーリ(図示せず)が取り付けられており、両プーリ
間に張設されたタイミングベルト19cが前記記録キヤリ
ツジ19に接続されている。更に前記駆動プーリには記録
キヤリツジモーター(不図示)が連結している。
従って、前記キヤリツジモーターを正逆回転すると、
記録キヤリツジ19がレール9aにガイドされ、主走査方向
へ往復移動するものである。
公知のカセツト内に収納された記録シート111はピツ
クアツプローラ及びカセツトの先端に設けられた分離爪
によって一枚ずつ分離給送され、記録ヘツド1に対し、
シート搬送方向に関して、上、下流側夫々に配設された
搬送ローラ対110c、110dによって搬送される如く構成さ
れている。
この搬送動作は、前記記録手段80による記録幅(本例
は8.128mm)に対応して、記録時には記録動作と同期し
て8.128mmピツチで間欠的に搬送される。
キヤツプユニツト300は記録ヘツド1にそれぞれ対応
したキヤツプを有し、記録キヤリツジ19の移動に伴って
図中左右方向にスライド可能であるとともに、キヤツプ
位置と非キヤツプ位置に対応する上下方向の昇降が可能
である。そして記録キヤリツジ19がホームポジシヨンに
あるときには、記録ヘツド部1Aと接合してこれをキヤツ
ピングする。401は吐出口域をクリーニングする第1ブ
レード、2つの402は、それぞれヘツドのキヤツプ当接
面域をワイピングする部材としての第2ブレード、403
は第1ブレード401をクリーニングするために、例えば
吸収体でなるブレードクリーナである。本例において
は、記録キヤリツジ9の移動によって駆動されるブレー
ド昇降機構により第1ブレード401を保持させ、これに
より第1ブレード401を記録ヘツド8bの吐出口形成面の
うち露出したオリフイスプレート103の表面をワイピン
グすべく突出(上昇)した位置と、これと干渉しないよ
うに後退(下降)した位置とに変位可能である。
第4図に示すように、キヤツプユニツト300は、4つ
の記録ヘツド1夫々の吐出口のまわりに密着するキヤツ
プ302(計4個)と、これを支持するホルダ303と、空吐
出処理および吸引処理に際してインクを受容する吸収体
306と、この受容されたインクを吸引するための吸引チ
ユーブ304と、さらにポンプユニツト500に連通したチユ
ーブ等を有している。
332および334はキヤツプホルダ330から突設したピン
であり、固定の回復系ベース350に設けられてキヤツプ
ホルダ330を上述した左右方向かつ上下方向に案内する
経路(不図示)を持つカム溝352および354にそれぞれ係
合している。キヤツプホルダ330の一方のピン334と回復
系ベース350の立ち上げ部364との間にはバネ360を張架
し、これによりキヤツプホルダ330に同図示の位置、す
なわちキヤツプホルダが右端位置かつ下降位置に保持さ
れるように不勢力を与えている。なお、この位置にある
キヤツプホルダ330ないしキヤツプユニツト300に対し
て、記録キヤリツジ19上に搭載された記録ヘツド1が対
向した位置が、1スキヤンの記録処理時における記録キ
ヤリツジ19のスタートポジシヨン(SP)である。
342はキヤツプホルダ330から立ち上げられ、スタート
ポジシヨンより左方の位置において記録キヤリツジ19と
係合する係合部である。記録キヤリツジ19がスタートポ
ジシヨンより左方に移動すると、これに伴って係合部34
2によりキヤツプホルダ330はバネ360の付勢力に抗して
移動する。このときキヤツプホルダ330はピン332および
334を介してカム溝352および354に沿って案内され、左
方かつ上方に変位する。従ってキヤツプ302が記録ヘツ
ド1の吐出口1Aの周囲と密着し、キヤツピングが施され
る。なお、このキヤツピングがなされるときの記録キヤ
リツジ19の位置をホームポジシヨンとする。
第1図及び第2図は本発明の参考例を示し、第1図は
本例の正面図であり、第2図は本例の平面図である。本
例は周知のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラツクのフ
ルカラーインクジエツト記録装置の例であるが、これら
のヘツドの形態は、本例に限定されるものではなく、1
ヘツド単色記録にも適用されるものである。
以下に本例の構成を吸引回復動作を用いて説明する。
まず、上述ホームポジシヨンに於いてインクジェット
ヘッド1に対してキヤツプ2の開口部を接触させ吐出口
1A部に密閉形を形成する。キヤツプ2のもう一方の開口
部にはチユーブ3が接続されチユーブポンプ側へと続い
ている。次にポンプの構成について説明する。チユーブ
を加圧する加圧コロ5の軸部分5A・5Bがガイドローラー
4に対して回転可能な状態で支持されている。ガイドロ
ーラー4の軸部分4A・4Bはポンプベース6の側面部6A・
6Bに対して回転可能な状態で支持されている。また、ポ
ンプベース6にはガイドローラー4の軸と同軸の円弧状
の溝が形成されている。さらにガイドローラー4の軸部
4Bには駆動ギヤ14、4Aにはカム8がある相対位置関係で
固定されている。次にチユーブの加圧部の機構について
説明する。加圧ローラー9の軸部9Aが加圧側板10に対し
て支持されている。加圧側板10はポンプベース6に固定
された回転軸11を回転中心として、加圧ローラー9の軸
部9Aとポンプベース6に固定された軸12との間にかけら
れたバネ13によって矢印d方向に加圧されている。
チユーブ3はポンプベース6上に形成された溝部6C・
6D・6Eに於いてポンプベース6に固定されている。ま
た、ガイドローラー4ではリブ4Cに於いて1本1本のチ
ユーブをガイドしている。さらにチユーブ3の下流部は
廃インクの処理部材7へと続いている。
上記構成に於いて図示しない駆動源より駆動ギア14に
対して駆動が与えられるとガイドローラー4が矢印a方
向に回転し、ガイドローラー4上での加圧コロ5が第1
図のXの部分(…5′で示す)でチユーブ3と接触押圧
して、押圧部のチユーブの内側の空間が0になるまでで
チユーブ3を押しつぶす。この時カム8の突起部8Aは加
圧側板と非接触の位置(…8′で示す)にある。この状
態では加圧ローラー9はバネ13によって矢印d方向に加
圧されたチユーブ3を加圧して、キヤツプ側とポンプ側
の連通を遮断している(…9′で示す)。ガイドローラ
ー4が矢印a方向にさらに回転するとガイドコロ5はチ
ユーブ3をおしつぶした状態で矢印d方向に従動的に回
転する。そして加圧コロ5がMAX圧を形成するポイント
Yにくる時に、カム8上に形成された突起部8Aが加圧側
板10のレバー10Aと接触し加圧ローラー9を矢印c方向
に変位させキヤツプ部とポンプ部を連通状態にする。よ
って吐出口1に対しては、チユーブポンプで形成された
MAXの負圧が瞬間的に与えらることになる。
本例に於いては、チユーブポンプで発生したMAX圧を
瞬間的に与える構成について説明したが、加圧コロ5と
カム8Aの相対関係やカム8Aの形状を変えることにより次
のような構成が可能となる。
まず第1に加圧コロ5とカム8Aの相対関係を変えるこ
とにより、ヘツド面に与える負圧の大きさを変える構成
について第5図を用いて説明する。部品構成及び基本動
作に関しては第1図、第2図に示す構成と同じであり、
加圧コロ5とカム8Aの相対位置関係のみ異なる。第4図
に於いて図示しない駆動源より駆動ギア14に対して駆動
が与えられるとガイドローラー4が矢印a方向に回転
し、ガイドローラー4上の加圧コロ5が第1図のXの部
分(…の5′で示す)でチユーブ3と接触押圧して押圧
部のチユーブの内側の空間が0になるまでチユーブ3を
押しつぶす。この時カム8の突起部8Aは加圧側板と非接
触の位置(…8A′で示す)にある。この状態では加圧ロ
ーラー9はバネ13によって矢印方向に加圧されチユーブ
3を加圧して、キヤツプ側との連通を遮断している(…
9′で示す)。ガイドローラー4が矢印a方向にさらに
回転するとガイドコロ5はチユーブ3を押しつぶした状
態で矢印d方向に従動的に回転する。そして加圧コロ
Y′のポイントにくるとカム8の突起部8Aが加圧側板10
のレバー部10Aと接触し加圧ローラー9を矢印c方向に
変位させキヤツプ側とポンプ側を連通状態にする。よっ
て吐出口1に対して加圧コロ5がチユーブ3を押しつぶ
しながら移動した(X→Y)距離の間のチユーブ内の体
積変化による負圧が瞬間的ヘツド面に与えられる。この
ような加圧コロ5とカム8Aの相対位置を変えることによ
り、ヘツド面に与える負圧の大きさを変えることが出来
る。つまり、加圧ローラー9がカム8Aにより矢印c方向
に移動しキヤツプ側とポンプ側が連通状態になる時に、
加圧コロ5の位置がX側に近付くと負圧は小さくなり、
Y側に近付けば負圧は大きくなる。
次にカム8Aの形状を変えることによりヘツド面に負圧
を与えている時間を変える構成について第6図を用いて
説明する。部品構成及び基本動作に関しては第1図、第
2図に示す構成と同じであり、カム8Aの形状のみ異な
る。第6図に於いてカム8Aは第1図に比べて大きくなっ
ていて、加圧ローラー9がカム8Aによって矢印c方向に
移動してキヤツプ側とポンプ側が連通状態になる時間が
先の例よりも長くなる構成になっている。つまりカム8A
の形状を変えることによりヘツド面に負圧を与えている
時間(保持時間)を変えることが可能となる。
さらに、カム8上に突起部8Aを複数形成することによ
り、チユーブポンプの通常の1回転の動作で負圧を何回
かに分割してヘツド面に与える構成も可能となる。
このように加圧コロ5とカム8Aの相対関係を変えたり
カム8Aの形状を変えたりすることにより、ヘツド面に対
する負圧の与え方を変えたり、ヘツド面に負圧を与えて
いる時間(保持時間)を変えることが出来る。よってこ
れらの構成を工夫することにより吸引回復の信頼性や効
率をUPさせることが可能となる。
上記本発明の参考例では、チユーブポンプに連動する
好ましい構成を開示しているが、本発明としては、チユ
ーブポンプに連動するものではなく上記タイミング関係
を満足して別の駆動源からの駆動力によって、上記チユ
ーブの遮断と、連通を達成する機構としたものも本発明
に含まれるものである。上記例では、吸引回復するもの
を示したが、本発明としては、加圧回復する回復装置と
しても利用できるものである。この場合は、上記チユー
ブの遮断と、連通を達成する機構の開放タイミングを上
記チユーブポンプの逆回転によって加圧されたチユーブ
部分を形成した後に行うことで達成できる。また、上記
大回復モードとしては、上記構成を採用し、簡易回復と
して本発明のチユーブ開閉機構を用いない回復(第1図
のカムを不作動にする構成例が挙げられる)でも十分で
あるような装置にはこの簡易回復モードとした構成をも
本発明に含まれるものである。
以上説明したようにインクジエツトヘツドに作用する
部材とチユーブポンプとを結ぶ部分のチユーブに作用す
る連通及び遮断する機構を有することにより、液体噴射
記録ヘツドの如き対象部材に対して、チユーブポンプで
発生したMAX圧を瞬間的に与えることができ、回復の信
頼性を上げることが出来る。また吸引時の廃インクの量
を低下させランニングコストの低下を実現出来る。さら
に上記チユーブの加圧機構をチユーブポンプのポンピン
グ動作に連動させることによりヘツド面に対する負圧の
与え方を変えたり、ヘツド面に負圧をかけている時間
(保持時間)を変えることを簡単なメカ構成で実現出来
る効果がある。
第7図乃至第10図は、先の例よりも大きな負圧を発生
できるチユーブポンプの実施例である。これらの実施例
は、先の例に類似する構成を持つものであるので類似構
成には同じ番号を用いて説明する。
まず先のチユーブ遮断構成に対応する弁機構800につ
いて説明する。
チユーブ3のキヤツプ2とチユーブポンプ50との間に
は、該キヤツプと該ポンプとの間の連通を開閉(連通・
遮断)する弁800が配置されている。
なお、この弁800は、チユーブ3を押し潰すことによ
って該チユーブ3の連通を開閉する構造(第1図構成
等)など、その他の適当な構造にすることができる。
後述のチユーブポンプの動作中、前記弁800は閉じら
ており、キヤツプ2とポンプ50との間は遮断状態にあ
る。
このため、弁800とチユーブポンプ50との間には、加
圧コロ5によって押し潰されたチユーブ3内容積変化に
より、負圧が発生する。
この負圧が発生した状態で弁800を開き、キヤツプ2
とチユーブポンプ50との間を連通状態にすると、ポンプ
部で発生した負圧が吐出口部1Aに作用し、吐出口からの
インク吸引動作が行われる。
第7図は本発明によるインクジエツト記録装置の一実
施例の要部を模式的に示す縦断面図であり、第8図は第
7図の平面図である。
第7図および第8図において、非記録位置にあるイン
クジエツト記録ヘツド1に対してキヤツプ2の開口部を
当接させ、吐出口部1Aを密封することにより、その間に
密閉空間が形成されている。先の例との差異について中
心的に説明する。本例は、弁機構800に加えて、チユー
ブポンプ50と廃インク処理側7との間でチユーブ3の連
通を開閉する開閉手段を有しているところに特徴があ
る。この構造について説明する。
ポンプベース6に固定された軸11にブラケット10が回
転自在に軸支されており、該ブラケツト10には、軸9Aを
介して、加圧ローラー9が軸支されている。
前記ブラケツト10は、該ブラケツト上の前記軸9Aとポ
ンプベース6に固定された軸12との間に掛けられたバネ
13によって、前記加圧ローラー9がチユーブ3を押し潰
す方向(第7図中の矢印d方向)に付勢されている。
図示の例では、前記チユーブ3および加圧コロ5等
は、記録ヘツド1の数に対応して、4個づつ設けられて
おり、各チユーブ3は、ポンプベース6に形成された溝
部6C、6D、6Eにおいて該ポンプベース6に固定されてい
る。
またガイドローラー4では、所定間隔で配置されたリ
ブ4Cによって、前記チユーブ3が1本づつ案内されてい
る。
各チユーブ3の下流側端部(キヤツプ2と反対側の端
部)は、前述のごとく、廃インク処理部材7へ接続され
ている。
上記構成において、駆動源により駆動ギヤ14が駆動さ
れると、ガイドローラー4が矢印a方向に回転し、該ガ
イドローラー4上の加圧コロ5が第7図中のX位置でチ
ユーブ3と接触し、該チユーブ3を押圧して該チユーブ
3の内側空間が無くなるまで押し潰す。
この時、ガイドローラー4のカム15の突出部分(外径
が大きい部分)15Aの先端部15Bがブラケツト10の突起部
分10Aと接触し、該ブラケツト10を軸11に関し反時計方
向に押しやることにより、加圧ローラー9を矢印c方向
へ変位させ、チユーブポンプ50と廃インク処理部材7と
の間は連通状態となっている。
ガイドローラー4が矢印a方向にさらに回転すると、
加圧コロ5はチユーブ3を押し潰した状態で、矢印b方
向に自転しながら、二点鎖線で示すY位置へ移動する。
この動作中では、カム15の突出部分15Aが常時ブラケ
ツト10の突起部分10Aに接触しているので、チユーブポ
ンプ50と廃インク処理部材7とは連通状態に維持され
る。
つまり、加圧コロ5がX位置からY位置まで移動する
間、その間のチユーブ3内の空気が廃インク処理部材7
側へ排出される。
そして、加圧コロ5がY位置に来た時、すなわち、ガ
イドローラー4とともにカム15が二点鎖線で示す位置ま
で回転した時、カム15の突出部分15Aの後端部15Cがブラ
ケツト10の突起部分10Aから離れる。
この状態では、ブラケツト10および加圧ローラー9
が、バネ13によって、軸11を中心に時計方向へ付勢さ
れ、矢印d方向に押圧される該加圧ローラー9によって
チユーブ3が押し潰され、チユーブポンプ50と廃インク
処理部材7との間が遮断される。
ガイドローラー4がさらに矢印a方向に回転し、加圧
コロ5が二点鎖線で示すZ位置へ来ると、該加圧コロ5
はチユーブ3から離れ、該加圧コロ5によるチユーブ3
の押し潰しが解除される。
この状態において、前記弁8と前記加圧ローラー9と
の間が連通状態となる。
その結果、加圧コロ5がチユーブ3を押し潰しながら
X位置からY位置まで移動し、その間のチユーブ3内の
空気を廃インク処理部材7側へ排出したことにより、該
チユーブ3内の空気の体積が減少させられ、弁8と加圧
ローラー9との間が減圧(負圧)状態になる。
ガイドローラー4がさらに矢印a方向に回転すると、
加圧コロ5は元の位置(X位置)に戻る。
そして必要に応じて以上と同じ動作が繰り返される。
この時、1回目の動作と相違する点は、チユーブ3内
がすでに減圧(負圧)状態になっていることである。
したがって、以上の動作を繰り返すと、弁8と加圧ロ
ーラー9との間は、ガイドローラー4の回転回数が増え
るに従い、チユーブ3内の空気が益々廃インク処理部材
7側へ排出され、減圧(負圧)の程度が大きくなる。
つまり、チユーブ3内の負圧が該チユーブ3の剛性よ
り大きくなり、チユーブ3内に空間ができなくなる。
この減圧は、チユーブ3の限界圧(チユーブ3の材質
や厚さ等で変化する)まで行うことができる。
チユーブ3内を所望の負圧まで減圧した所で、弁800
を開くと、該負圧を記録ヘツド1の吐出口部1Aに作用さ
せて吐出口からのインク吸引動作が行われる。
以上の実施例によれば、チユーブポンプ50の負圧の大
きさはガイドローラー4の回転数(回動する回数)によ
って制御することができ、弁800の開閉を制御すること
により、このチユーブポンプ50側で任意に設定した負圧
を記録ヘツド1の吐出口部1Aに与えられることが可能に
なった。
すなわち、以上の実施例によれば、チユーブポンプ50
とその下流側の廃インク処理側との間の連通を開閉する
開閉手段を設けたので、ガイドローラー4の回転数(加
圧コロ5によるチユーブ3の潰し回数)を変えることに
より、吸引力の大きさを可変にすることができ、吐出口
の目詰まりの状態に合わせて吸引力の大きさを自由に設
定することが可能になった。
このため、効率的な吸引回復が可能となり、無駄なイ
ンク消費を無くしてランニングコストを低減することが
できた。
また、装置の大型化を生じることなく、最大吸引力
を、チユーブポンプ50が発生できる限界負圧まで設定詠
することが可能になった。
したがって、ゴミ詰まり、インク中の気泡発生、イン
キ固着等の要因で吐出口部1Aにひどい目詰まりが生じて
も、安定した吸引回復を行うことができ、インクジエツ
トヘツドの信頼性を向上させることができた。
さらに、チユーブポンプ50と廃インク処理側との間の
連通を開閉する開閉手段を、チユーブ押し潰し手段で構
成するとともに、そのチユーブ押し潰し動作の駆動力を
チユーブポンプ50の駆動源から得る構成としてポンプ動
作と連動させたので、簡単でしかも低コストのメカ構成
で以上の作用効果を達成することができた。
第9図は、チユーブポンプ50と廃インク処理側7との
間の連通を開閉する開閉手段の他の実施例の要部を示す
模式図である。
前途の実施例では、この開閉手段として、バネ加圧に
よりチユーブ3を押し潰す手段を使用したが、チユーブ
3を押し潰す動作を利用する場合は、第9図に示すよう
に、偏心カム16を矢印e方向に回転させることによりチ
ユーブ3を押し潰し、A位置とB位置との間の連通を開
閉するような構成を採ることもできる。
第10図は、チユーブポンプ50と廃インク処理側との間
の連通を開閉する開閉手段のさらに他の実施例の要部を
示す模式図であり、図示のようにチユーブポンプ50と廃
インク処理側7との間にチユーブ3の連通を開閉する弁
17を設ける構成を採ることもできる。
上記第1図乃至第10図の各例は、チユーブポンプの作
用域とキヤツプ又は排インクタンクのいずれかとの間の
インク経路を連通又は遮断する機構としてカムを利用し
た弁機構制御であるが、本発明としては加圧コロ5の回
動に応じて弁機構を電気的に制御するものも含まれる。
第11図乃至第14図を用いて他の制御手段の例を説明す
る。
これらの図で共通することであるが、特に第14図ブロ
ツク図に示したように、Aはキヤツプ2(吸引口側端
部)とチユーブポンプ203の加圧コロ作用域との間に設
けられたチユーブ連通遮断手段201(以下、吸引側弁A
と呼ぶ)である。又、Bは、排インクタンク(排出口側
端部)とチユーブポンプの加圧コロ作用域との間に設け
られたチユーブ連通遮断手段202(以下排出側弁Bと呼
ぶ)である。尚、200はこれらを制御するCPU又は特定制
御手段としての制御回路である。
第11図フローチヤートでは、回復モードとしてチユー
ブポンプ単体での吸引を行う通常回復モードと、吸引側
弁Aを用いて吸引力を増強した中程度の回復を行う中回
復モードと、吸引側弁Aを用いて吸引力を最大とした大
回復モードと、を切換えて行うシーケンスを示してい
る。これは第1図例の応用である。
第11図フローチヤートの回復モードIは、通常の装置
メインシーケンスに対して、サブルーチンとして用意さ
れ、回復指令204が手動又は自動で入力された時に作動
する。
本例での各圧コロの回転角は、第14図に示すように、
吸引開始点0に対して吸引終了点までを角度θとし、
この角度θよりも小さくθ3/2より大きい角度を角度
θとしている。従って、通常回復モードのときの回転
角と、大回復モードのときの回転角は本例では同じとな
る。無論これらは一致せずとも、本発明の技術内容に含
まれることは言うまでもないことである。
回復モードIにおいて、まず通常回復モードが要求さ
れているか否かがステツプS1で判別される。ここでYes
ならば、ステツプS11で通常回復用の加圧コロの再度θ
のみの回転が行われる。又、NoならばステツプS2で大
回復モードであるか否かが判定される。この判定がYES
ならば吸引側弁Aを遮断状態にして(ステツプS3)、加
圧コロの回転が角度θ実行される(ステツプS4)。さ
らに、これに続いて、この実行後吸引側弁Aを連通させ
る(ステツプS5)。逆にこの判定がNoならば、中回復モ
ードであるから吸引側弁Aを遮断して(ステツプS7)、
加圧コロの回転が角度θ(θ<θ)実行され(ス
テツプS8)、角度θの回転終了に伴って吸引側弁Aを
連通させる(ステツプS9)。この中回復モードは、さら
に加圧コロが回転され加圧コロがチユーブ押圧状態から
解放されるまでの補助回転を行う(ステツプS10)。ス
テツプS6は、ステツプS10とは異なり、加圧コロをチユ
ーブポンプのスタンバイ位置までの回転としても良い
が、本例では、さらに大回復モードに、弁Aを使用しな
い通常回復モードの角度θ分だけ加圧コロを補助回転
させる。これは吸引を急激に行った後の排インクを確実
に排出させるためのものである。
これらステツプS10、S6、S11のいずれかが終了する
と、ステツプ12で連続回復指令の有無が判定され、有の
場合ステツプS1へもどり、上述したシーケンスが行われ
る。このステツプS12はなくても良いが、本例のように
することでこれらの組合わせによる複合回復モードが種
々行える利点がある。
そして、ステツプS12の判定が無のとき、メインシー
ケンスS13へもどり、本サブルーチンは終了する。
ところで、角度θ、θは公知のエンコーダ利用の
回転角決定や、ギアの歯数制御等種々の制御手段で行え
ることは説明するまでもない。又、本例は判別を行った
が、装置に通常回復キー、中回復キー、大回復キーが設
けられる場合、操作者のキー入力によって、順にステツ
プS11、ステツプS7、ステツプS3が実行されるようにし
ても良い。
第12図は、第7図実施例のカム制御に替えてのフロー
チヤートである。第12図は、回復モードIIのフローチヤ
ートで、吸引側弁A及び排出側弁Bを共に用いて回復を
行う最高回復モードを示す。
回復モードIIが指定されると、ステツプP1で吸引側弁
Aが遮断され、続いて排出側弁Bが連通状態にされる
(ステツプP2)。この後、加圧コロ5の回転が実行され
(ステツプP3)、所望回転角(本例では角度θとし
た)が終了したか否かをステツプP4で判別し、終了する
までステツプP2、P3が行われる。ステツプP4でYesの場
合、終了に連動して排出側弁Bが遮断され(ステツプP
5)、さらなる回復要求があるか否かをステツプP6で判
別される。
ここで否と判別された時は、ステツプP9で吸引側弁A
を連通させて、吸引を行う。このときチユーブ内の負圧
分だけ吸引が急激に行われるので、通常回復よりは優れ
た吸引量を得ることができる。このステツプP9は、第11
図フローチヤートの大回復モードと同等の作用を行え
る。この後、ステツプ11で排出側弁Bを連通させてイン
クを排インク側へ吸引せしめる。これが終了するとメイ
ンシーケンスに至る(ステツプP12)。
ところで、ステツプP6でYesの場合は、第7図と同様
に、弁A遮断で、弁Bを連通させさらなる角度θの加
圧コロ加圧コロを吸引開始点0まで回転し(ステツプし
P7)、(ステツプP8)で吸引開始が判定されるとの吸引
動作が実行される(ステツプP3)。この後上記フローが
継続される。
従って、特別なカム構成を用いなくても、タイミング
制御によっても本発明は実行できることが理解できよ
う。
第13図のブロツク図の説明は前述したとうりである
が、制御回路200自体に上記第11図、第12図のフローチ
ヤートを選択できるようにしても良い。即ち、回復モー
ドI、IIの選択を行えることでさらに回復条件を種々に
することができる。
第14図は、本発明チユーブポンプの加圧コロ5のより
好ましい構成を示すものである。先の例では、複数チユ
ーブに対して長手ロールを用いていたが、本例は、複数
チユーブ夫々に単独で変位可能な加圧コロを設けたこと
に特徴がある。ガイドローラー4は、区画された部分に
4本のチユーブ3(C、M、Y、Bk)夫々に対して作用
する4つの加圧コロ5(C、M、Y、Bk)を有してい
る。ガイドローラー4は、4つの加圧コロ5(C、M、
Y、Bk)が独立して変位できるように加圧コロの両側軸
5Aを変位方向に案内する一対溝として各チユーブ3
(C、M、Y、Bk)ごとに一対溝100C、100M、100Y、10
0Bkを有している。そして各加圧コロ5(C、M、Y、B
k)は、ガイドローラー4の軸4Aと、夫々の軸5Aとの間
にバネ101(C、M、Y、Bk)を有していて、各チユー
ブ3を押圧する方向に付勢されている。
この構成によれば、各チユーブに対して夫々独立した
加圧コロ5を作用させることができるので、各チユーブ
圧力は一定化でき、長手ロールで複数チユーブを押圧す
ることに比べて軽圧力でも確実に吸引できた。特に、負
荷が小さくなるので、ガイドローラー4の回動負荷も小
さくなり、駆動モータを小型化できる利点がある。
このように複数チユーブの加圧即ち遮断手段として、
第14図のように各チユーブごとに分離した加圧部材を用
いることは、より好ましい実施例であり、上述した吸引
側弁Aや排出側弁Bにこの技術を適用することも好まし
い。
以上のように、本発明は、簡単ではあるが吸引力や作
用条件を変更できなかったチユーブポンプの欠点を解決
して、必要に応じた回復装置を提供でき、それを用いた
インクジエツト記録装置の構成をも最適化できるもので
ある。
本発明は、特にインクジエツト記録方式の中でもキヤ
ノン(株)が提唱するバブルジエツト方式の記録ヘツ
ド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものであ
る。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンテイニユアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘツドの熱
作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一
対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効で
ある。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に
関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことが
できる。
記録ヘツドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数
の電気熱変換体に対して共通するスリツトを電気熱変換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670号
公報や熱エネルギーの圧力液を吸収する開孔を吐出部に
対応させる構成を開示する特開昭59年第138461号公報に
基づいた構成としても本発明は有効である。
更に、記録装置が記録出来る最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘツドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ツドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘツドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装着させることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチツプタイプの記録ヘツド、あるいは記録
ヘツド自体に一体的に設けられたカートリツジタイプの
記録ヘツドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘツドに対しての回復手段、予備的な補助手段を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので好ましいも
のである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘツドに対
しての、キヤピング手段、クリーニング手段、加圧或は
吸引手段、電気熱交換対或はこれとは別の加熱素子或は
これらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の
吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記
録を行なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘツドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
〔発明の効果〕
本発明は、開閉機構の適正導入によって、チユーブポ
ンプの利点を最大に利用でき、従来では予想できなかっ
た吸引効果を奏することができ、これを利用したインク
ジエツト記録装置においては、装置の小型化を達成しつ
つも記録ヘツドに対して好ましい回復処理を行なえるの
で、記録画像の信頼性を大幅に向上できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の参考例を示す正面図、 第2図は第1図の参考例の平面図、 第3図は本発明が適用されるカラーインクジエツトプリ
ンタの要部斜視図、 第4図は第3図のキヤツプユニツトにチユーブポンプを
組合わせた構成の上面図、 第5図、第6図はそれぞれ本発明の他の参考例の正面
図、 第7図は本発明の実施例の正面図、 第8図は第7図の平面図、 第9図は第7図中のチユーブ連通開閉手段の他の構造例
を模式的に示す側面図、 第10図は第7図中のチユーブ連通開閉手段のさらに他の
構造例を模式的に示す側面図、 第11図は第1図本発明参考例に類似する実施例のフロー
チヤート、 第12図は第7図本発明実施例に類似する実施例のフロー
チヤート、 第13図は第11図、第12図実施例に利用されるブロツブ
図、 第14図は本発明チユーブポンプの要部変形例を示す説明
図である。 1……記録ヘツド 3……チユーブポンプのチユーブ 5……加圧コロ 7……廃インク処理部材 9……チユーブ開閉用の加圧ローラ 8……カム 50……チユーブポンプ 800……弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被記録材にインクを吐出して記録を行うた
    めのインクジェット記録ヘッドと、 該インクジェット記録ヘッドのキャッピングを行うため
    のキャップと、 該キャップがキャッピングを行っているときに前記キャ
    ップを介して前記インクジェット記録ヘッドから吸引を
    行うためのチューブポンプであって、チューブと該チュ
    ーブを押し潰すための加圧コロとを含むチューブポンプ
    と、 該チューブポンプから排出される廃インクを受け入れる
    廃インク処理手段と、 該廃インク処理手段と前記チューブポンプとの間の連通
    を開閉するための開閉手段と、 前記キャップと前記チューブポンプとの間の連通を開閉
    するための連通/遮断手段と、 を有するインクジェット記録装置の回復方法であって、 前記連通/遮断手段を閉状態にし前記加圧コロをして前
    記チューブを押し潰ながら移動させることにより、前記
    チューブ内に負圧を生成する工程と、 前記連通/遮断手段を閉状態に維持し前記開閉手段を閉
    状態にして、前記加圧コロが前記チューブを押し潰すこ
    となく前記加圧コロを初期位置に戻す工程と、 前記連通/遮断手段を閉状態に維持し前記加圧コロをし
    て前記チューブを押し潰しながら移動させることによ
    り、前記チューブ内に更なる負圧を生成する工程と、 前記連通/遮断手段を開状態にして前記吸引を行う工程
    と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置の回
    復方法。
  2. 【請求項2】前記開閉手段の開閉動作と前記チューブポ
    ンプのポンプ動作が連動していることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置の回復方法。
  3. 【請求項3】前記インクジェット記録ヘッドが、熱エネ
    ルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、前
    記熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えて
    いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置の回復方法。
  4. 【請求項4】前記電気熱変換体によって印加される熱エ
    ネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長によっ
    て、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請
    求項3に記載のインクジェット記録装置の回復方法。
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