JP2698698B2 - 吸引ポンプおよびそれを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

吸引ポンプおよびそれを用いるインクジェット記録装置

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JP2698698B2 JP2254641A JP25464190A JP2698698B2 JP 2698698 B2 JP2698698 B2 JP 2698698B2 JP 2254641 A JP2254641 A JP 2254641A JP 25464190 A JP25464190 A JP 25464190A JP 2698698 B2 JP2698698 B2 JP 2698698B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複写機,ファクシミリ,コンピュータ,ワ
ードプロセッサあるいはこれらの複合システム等におい
て記録装置として用いられるインクジェット記録装置に
関し、より具体的には、記録ヘッドの吐出回復処理等に
際して一度吸引したインク等の逆流を大幅に低減するこ
とが可能なインクジェット記録装置,該インクジェット
記録装置用吐出回復装置および前記各装置に用いられる
吸引ポンプに関する。
[従来の技術] インクジェット記録装置に用いられる吸引ポンプの一
構成例を第10図に示す。
第10図は、吸引ポンプにおいて負圧を発生させる動き
を示した断面図である。
第10図においてピストン525はピストン軸527に取り付
けられ、シリンダ530の内壁に沿って摺動しながら自在
に動作することができる。このピストン525の下死点へ
向う動作においてピストン525の端面がピストン軸のフ
ランジ部527aの一方の面に密着すること、また、ピスト
ン525の側面はシリンダ530の内壁と密着し、さらにピス
トンシール529がピストン軸527およびシリンダ530の内
壁と密着していることによって、図中Aで示される1つ
の閉じた空間が形成される。ただし、図中およびの
状態では空間Aは吸引口531を介し、吐出回復処理のた
めのキャップ(第10図には図示されない)と連通してい
る。
図中はピストン525が上死点にある状態を示し、空
間Aは小さなものである。そこからの状態までピスト
ン525を動作させる過程で、空間Aは密閉されたまま大
きくなる。これに従い空間Aの圧力は低下し、負圧を得
ることができる。この負圧を維持しているのは吸引口53
1がピストン525の側面との密着によって閉じられている
間だけであり吸引口531が開いた瞬間に上記負圧は上述
のキャップまで伝達される。
ピストン525がからの状態まで動作する間、上記
キャップは記録ヘッドに当接された状態を保っている。
また、の状態ではピストン525の3秒程度の停止時間
を設けている。これはの状態において記録ヘッドから
インクを充分に吸い出しキャップからシリンダ530内ま
でインクが満たされこれら連通路の圧力が安定するのを
待つためである。なお、この動作過程で、図中Bで示さ
れる空間内の廃インクは不図示の排出弁機構を介して排
出される。
の状態からの下死点の状態までピストン525が若
干の吸引のためのストロークを残している。これは主に
キャップから吸引口531に至るインク路内に満たされた
インクがキャップ外にこぼれるのを防止するための構成
である。すなわち、の状態で本来のインク吸引は完了
し次にはキャップを開く必要がある。しかしながら、こ
こで、単にキャップを開けば、の状態までの動作で記
録ヘッドから吸引されたインクは全てポンプ内に収容さ
れずキャップにも残留している。このインクが吸引力を
失ってキャップ外にこぼれると装置等を汚染し不都合で
ある。そこで、キャップを開くと同時にピストンをの
状態からの状態まで動作させキャップ内のインクをシ
リンダ530へ引きよせるものである。なおの状態でも
圧力が安定するまで1秒間の停止をする。なお、空間A
内に吸引されたインクは、ピストン525の上死点へ向う
過程でフランジ527aとピストン525との間に形成される
すき間およびピストン525とピストン軸527との間のすき
間を通って空間B側へ移動する。
上記動作の後の状態は、キャップ内のインクがシリン
ダ530側へ引き寄せられたもののキャップからシリンダ5
30に至るキャップレバー505等の各部材内の流路にイン
クが残留した状態であり、そのまま放置することはイン
クの固着をまねくおそれがある。そのため、上記動作の
後、空吸引動作を行う。
空吸引動作はキャップを「開」状態に保ち、ピストン
525を状態との間を3往復し、最後に状態との
間を1往復させることによって行う。状態ととの間
を3往復するのは、主にシリンダ530内までのインク流
路、例えばキャップレバー505内の流路の残留インクを
シリンダ530内に取り込むために行う。また、最後に状
態ととの間を1往復させるのは、主にシリンダ530
内のインクを排インクタンク(不図示)へと送りこむた
めである。
なお、の状態でピストン525がシリンダ530の吸引口
531を閉じていないことには重要な意味がある。すなわ
ち、キャップを記録ヘッドに当接させるときにはキャッ
プに多少の変形は避けられずその内部の空間が小さくな
る。このとき、もし、吸引口531が閉じていればキャッ
プからシリンダ530に至る流路の圧力はわずかであるが
高くなってしまう。この状態がくり返されることでヘッ
ドのインク液路内のインクに空気を押し込んでしまう可
能性がある。以上の現象は不吐出を引きおこすので好ま
しくない。以上の理由でキャップを閉じる時にキャップ
内の空間は大気に連通されていることが必要である。
第11図は回復動作をする時のシリンダ530内に発生す
る負圧を示す線図である。この圧力変化はキャップおよ
びキャップホルダー530をとりはずしキャップレバー505
に圧力漏れがないよう圧力センサを接続した圧力測定の
ための構成において得られたものである。図の中央付近
の破線より左側はキャップ閉状態で、右側はキャップ開
状態に対応する。図中〜で示すそれぞれの状態は第
10図のそれぞれ〜に対応する。
図の左からまずピストン525は状態からの状態に
動作し、これによって約−0.7気圧程度の負圧が得られ
る。そのまま3秒間停止する。この間圧力もれがないの
でこの負圧は保持される。実際の回復装置ではこの間シ
リンダ530内にインクが流れ込み圧力は大気圧までもど
る。次にキャップ開に対応して状態までピストン525
を動作させ、そこで1秒間停止する。その後空吸引動作
に対応したピストン525の往復動作が合計4往復行われ
るが、状態になったとき、圧力センサーは大気解放状
態となるのでこの圧力変化は大気圧まで戻る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した例では、吐出回復装置のキャ
ップとシリンダ530との間には、機構の簡素化等のため
に特別な弁機構を設けていない。このために、特に吐出
回復のための吸引によって流路内に残留したインクをと
りこむための空吸引動作を行った時に、ピストンの位置
によってはインクの逆流を生じてしまうことがあった。
逆流が生じた時の不都合な点には以下のことがあげられ
る。
(1)空吸引時に生じる上記逆流でキャップ内にインク
が残留し、キャッピングに際してキャップをヘッドに当
接させたときに記録ヘッドの吐出口近傍にインクを付着
させるなどし、結果として印字品位を著しく低下させ
る。
(2)上記逆流によりキャップ外にインクが飛び出し、
記録装置内を汚染する。
(3)上記逆流により回復装置内の残留インク量が増
し、記録装置が長期間放置された場合、インク固着を生
じ回復装置の故障をまねく恐れがある。
上記逆流の主たる原因として、以下のようなことが考
えられる。
第10図に示したの状態においては、前述したように
吸引口531はピストン525によって閉じられてはおらず、
大気解放状態、すなわち図に示される空間Bと連通して
いる。空間Bは常に排インクタンク側と連通しているの
で、一般的には圧力は上昇しないものである。しかしな
がら、排インクタンクへの流路は実際の装置においては
スペースの関係上、非常に狭いものとなる。これによ
り、ピストンが下死点側へ比較的短時間内に動かされる
とき空間Bに若干圧力の上昇が生じる。このため、吸引
口531と空間Bとが連通している時間が長い場合ピスト
ン525が吸引口531を完全に閉じてしまうまで正の圧力が
キャップ側へ伝わることになり、これによって逆流が生
じるものと考えられる。
本発明は上述の問題点を解消するためになされたもの
であり、その目的とするところは、空吸引動作において
一度吸引したインクあるいは空気の逆流を大幅に低減す
ることが可能な吸引ポンプおよび該ポンプを用いた吐出
回復装置ならびに該吐出回復装置を用いたインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、吸引した液体の排出を逆
流をほとんど生ぜずに確実に行うことが可能な吸引ポン
プを提供することにある。
[課題を解決するための手段] そのために本発明では、記録ヘッドから排出されたイ
ンクの処理に関して用いられる吸引ポンプであって、記
録ヘッドに当接可能に設けられ、弾性材料で形成された
キャップに対し記録ヘッドから排出されたインクを吸引
するため、流路部材を介してキャップと連通する吸引口
が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しなが
ら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、かつ
前記吸引のための負圧を発生するためのピストンと、を
備え、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが上
死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通した
状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動き
出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始めるよ
うな相対位置関係にあることを特徴とする。
また、記録ヘッドと、該記録ヘッドに当接可能であ
り、弾性材料で形成されるキャップであって、前記記録
ヘッドから排出されたインクを受けることが可能なキャ
ップと、該キャップが受けたインクを吸引するための吸
引ポンプであって、前記排出されたインクを吸引するた
めの吸引口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と
接触しながら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開
閉し、かつ前記吸引のための負圧を発生するためのピス
トンと、を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピ
ストンが上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部
と連通した状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死
点側へ動き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少さ
せ始めるような相対位置関係にある吸引ポンプと、該吸
引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する流路
部材と、を具えることを特徴とする。
さらに、記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料で形
成されるキャップであって、前記記録ヘッドから排出さ
れたインクを受けることが可能なキャップと、該キャッ
プが受けたインクを吸引するための吸引ポンプであっ
て、前記排出されたインクを吸引するための吸引口が設
けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しながら動
作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、かつ前記
吸引のための負圧を発生するためのピストンと、を有
し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが上死
点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通した状
態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動き出
すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始めるよう
な相対位置関係にある吸引ポンプと、該吸引ポンプの前
記吸引口と前記キャップとを連通する流路部材と、を具
えることを特徴とする。
さらに、記録ヘッドと、該記録ヘッドに当接可能であ
り、弾性材料で形成されるキャップであって、前記記録
ヘッドから排出されたインクを受けることが可能なキャ
ップと、該キャップが受けたインクを吸引するための吸
引ポンプであって、前記排出されたインクを吸引するた
めの吸引口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と
接触しながら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開
閉し、かつ前記吸引のための負圧を発生するためのピス
トンと、を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピ
ストンが上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部
と連通した状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死
点側へ動き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少さ
せ始めるような相対位置関係にある吸引ポンプと、該吸
引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する流路
部材と、前記ピストンが前記吸引口を閉じた位置から前
記ピストンを動作させて前記吸引ポンプ内に負圧を発生
するよう前記ピストンを駆動制御する駆動制御手段と、
を具えることを特徴とする。
さらに、記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料で形
成されるキャップであって、前記記録ヘッドから排出さ
れたインクを受けることが可能なキャップと、該キャッ
プが受けたインクを吸引するための吸引ポンプであっ
て、前記排出されたインクを吸引するための吸引口が設
けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しながら動
作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、かつ前記
吸引のための負圧を発生するためのピストンと、を有
し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが上死
点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通した状
態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動き出
すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始めるよう
な相対位置関係にある吸引ポンプと、該吸引ポンプの前
記吸引口と前記キャップとを連通する流路部材と、前記
ピストンが前記吸引口を閉じた位置から前記ピストンを
動作させて前記吸引ポンプ内に負圧を発生するよう前記
ピストンを駆動制御する駆動制御手段と、を具えること
を特徴とする。
さらに、液体の処理に関して用いられる吸引ポンプで
あって、液受け部材に排出された液体を吸引するため、
流路部材を介して液受け部材と連通する吸引口が設けら
れたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しながら動作
し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、かつ前記吸
引のための負圧を発生するためのピストンと、前記吸引
によって前記シリンダ内に吸引された液体を前記ピスト
ンの動作に伴って排出するための排出弁手段と、を備
え、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが上死
点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通した状
態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動き出
すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始めるよう
な相対位置関係にあることを特徴とする。
本発明係るインクジェット記録装置の全体構成図を第
1図に示す。
この装置は、記録媒体Pに対して液体を吐出する記録
ヘッド101と、この記録ヘッド101から排出されたインク
を受けるインク受け部材103と、このインク受け部材103
が受けたインクを吸引するための吸引ポンプ105と、こ
の吸引ポンプ105を駆動制御する駆動制御手段107とを備
える。前記吸引ポンプ105の構成ならびに駆動制御手段1
07による吸引ポンプ105の駆動制御方法は前述のとおり
である。
図中、破線はインクを示し、実線は駆動制御手段107
により行われる吸引ポンプ105の制御を示す。
[作 用] 以上の構成によれば、ピストンとシリンダに設けられ
る吸引口との位置関係を、ピストンが上死点にあるとき
に吸引口を閉とせずにシリンダ内部と連通した状態と
し、かつ、ピストンが下死点側へ動き出すと同時に吸引
口を閉じるべくその開口面積を減少させ始めるような位
置関係とすることにより、インク吸引後にさらに行われ
る空吸収時に、ピストンが上死点から動き出してからす
ぐにこのピストンによって吸引口を閉じた状態とするこ
とが可能となり、これによって、空吸引の間にこの吸引
口を介して、一度吸引したインク、液体あるいは空気の
逆流が生じることを抑制することができる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第2図は本発明の一実施例にかかる吸引ポンプの概略
断面図である。
アに示される状態はピストン525が上死点にある状態
を示している。この状態では第10図に示される例と同様
にインク吸引口が開かれている。しかし、この位置から
ピストン525が下死点側にわずかに動けば吸引口531を閉
じる始めようピストン525の側面の長さと吸引口531の位
置との関係が構成されている。換言するならば、ピスト
ン側面のシリンダと接触する領域は、ピストン525が上
死点にあるとき吸引口531に隣接する位置にある。な
お、この位置は、上記領域が吸引口531の一部を覆う位
置にあってもよい。また、必ずしも上記位置関係に限ら
れず、要はピストンとシリンダの相対位置関係が、ピス
トンが上死点にあるときにピストンによって吸引口が閉
とならず、かつピストンが上死点から下死点側へ動き出
すと同時にピストンが吸引口を閉じ始める関係であれば
よく、このように構成することにより、ピストンが下死
点側へ移動するときに吸引口と空間Bとが連通している
時間を最小とすることができ、逆流の発生を最小限に抑
えることができる。
状態イはピストン525でアで示される位置からわずか
に下死点側へ動作した位置を示したものであり、このと
き、吸引口531は確実に閉じた状態となる。
状態ウはポンピング後の停止位置を示す。このとき、
吸引口531は第10図の例と同様に開かれている。
上述の構成に基づき、状態イとウの間をピストン525
が往復することによって空吸引動作を行えば、インク等
の逆流が非常に少ない空吸引動作を実現することができ
る。
すなわち、図中アのピストン525が上死点にある状態
において、ピストン525の側面が吸引口531を閉じない範
囲内で、ピストン525のシリンダ530の内壁との接触幅52
5aが最大となるようピストン525の側面の長さと吸引口5
31の位置との関係を定める。このような構成において、
状態イとウとの間の往復を行えば、まずイからウへピス
トン525を移動させるとき吸引口531は空間Bに対して閉
じられているので、もし空間Bの圧力が高まっても逆流
を生ずることがなく、しかも接触幅525aを吸引口531の
位置に応じて最大限の長さとするためイからウまでのス
トロークを大きくとることができ、空吸引時の吸引圧,
吸引量ともに大きなものとすることができる。
また、状態ウからイにピストン525を移動させる時に
は空間Aの圧力が若干高くなり逆流の原因となるが、こ
れは、状態ウのピストン位置を、ピストン525がわずか
に上死点側に動作すれば吸引口531が閉じる位置に選ぶ
ことにより防止することができる。
なお、ピストン側面とシリンダ内壁との上記接触幅と
は、上例に示されるものに限られない。すなわち、ピス
トン側面の形状が例えばピストンの両端部に2つの環状
の突起を有しこれら突起の部分がシリンダ内壁との接触
部となす場合には、上記接触幅は2つの突起間の長さに
よって定義される。
第3図は上記ポンプを用いた吐出回復装置における回
復動作時の圧力変化を示す線図であり、第11図と同様の
方法で得られる圧力変化を示す。
第3図において、空吸引を行っている部分、すなわ
ち、吸引口が閉じられた状態イとウの間を往復している
時の圧力変化が、第10図の場合とあからかに異なるのが
わかる。ウの状態あるいはピストンが下死点に至った状
態で大きな負圧が発生するが、これらの状態からイの状
態に戻る過程では直ちに吸引口531が閉じられてしま
い、かつイの状態でも閉じたままであるので負圧が一定
の値より小さくなることがない。
なお、空吸引時の動作制御を上記実施例では3回およ
び1回と記したが、本発明はその回数に限定されるもの
ではない。
また、上記実施例では空吸引のピストン動作の最終点
を第1図におけるウの位置あるいは第10図の下死点の
位置としたが本発明はこの位置に限定されるものではな
い。
さらに、上記実施例では吐出回復装置の空吸引に本発
明が適用される例を示したが、本発明が適用される吸引
ポンプはこれに限られず、例えば、空吐出されたインク
を受容するインク受け部材からこれらインクを吸引する
場合に吸引ポンプを用いることができ、この構成におい
ても本発明を適用することができる。
第4図は第2図に示した吸引ポンプを吐出回復のため
の構成に用いたインクジェット記録装置の斜視図であ
る。
ここで9はインクジェット記録ヘッドを有したヘッド
カートリッジ、11はこれを搭載して図中S方向に操作す
るためのキャリッジである。13はヘッドカートリッジ9
をキャリッジ11に取付けるためのフック、15はフック13
を操作するためのレバーである。19はヘッドカートリッ
ジ9に対する電気接続部を支持する支持板である。21は
その電気接続部と本体制御部とを接続するためのFPCで
ある。
23は、キャリッジ11をS方向に案内するためのガイド
軸であり、キャリッジ11の軸受25に挿通されている。27
はキャリッジ11が固着され、これをS方向に移動させる
ための動力を伝達するタイミングベルトであり、装置両
側部に配置されたプーリ29A,29Bに張架されている。一
方のプーリ29Bには、ギヤ等の伝導機構を介してキャリ
ッジモータ31より駆動力が伝達される。
33は紙等の記録媒体(以下記録紙ともいう)の被記録
面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送するた
めの搬送ローラであり、搬送モータ35によって駆動され
る。37は記録媒体をペーパーサポータ5側より記録位置
に導くためのペーパーパン、39は記録媒体の送給経路途
中に配設されて記録媒体を搬送ローラ33に向けて押圧
し、これを搬送するためのフィードローラである。34は
ヘッドカートリッジ9の吐出口に対向し記録媒体の記録
面を規制するためのプラテンである。41は記録媒体搬送
方向上、記録位置より下流側に配置され、記録媒体を不
図示の排紙口へ向けて排紙するための排紙ローラであ
る。42は排紙ローラ41に対応して設けられる拍車であ
り、記録媒体を介してローラ41を押圧し、排紙ローラ41
による記録媒体の搬送力を生じさせる。43は記録媒体の
セット等に際してフィードローラ39,拍車42それぞれの
付勢を解除するための解除レバーである。
プラテン34は、両端を排紙ローラ41の軸によって回転
可能に支持され、プラテン34が左右プレート75,75と係
合する位置からペーパーパン37の前面部45方向に付勢さ
れている。これにより、記録用紙がない状態では、プラ
テンローラ33においてその最外周より小さくしている部
分33Aに対応したプラテン34の複数箇所に設けているす
くい部34Aがペーパーパンの前面部45の内側と接する。
51はホームポジションにおいて記録ヘッドのインク吐
出口形成面と対向するゴム等の弾性材料で形成したキャ
ップであり、記録ヘッドに対し当接/離脱が可能に支持
されている。このキャップ51は、非記録時等の記録ヘッ
ドの保護や、記録ヘッドの吐出回復処理に際して用いら
れる。吐出回復処理とは、キャップ51を吐出口形成面に
対向させ、インク吐出口内方に設けられてインク吐出の
ために利用されるエネルギ発生素子を駆動することによ
り全吐出口からインクを吐出させ、これによって気泡や
塵埃,増粘して記録に適さなくなったインク等の吐出不
良要因を除去する処理(予備吐出)や、これとは別に吐
出口形成面とキャップ51で覆った状態で吐出口よりイン
クを強制的に排出させることにより吐出不良要因を除去
する処理である。
53は第2図にて示されたポンプであり、インクの強制
排出のために吸引力を作用するとともに、かかる強制排
出による吐出回復処理や予備吐出による吐出回復処理に
際してキャップ51に受容されたインクを吸引するために
用いられる。55はこのポンプ53によって吸引された廃イ
ンクを貯留するための第1の廃インクタンク、57はポン
プ53と廃インクタンク55とを連通するチューブである。
また、70は第2の廃インクタンクであり、チューブ71を
介して第1の廃インクタンク55と接続されている。
59は記録ヘッドの吐出口形成面のワイピングを行うた
めのブレードであり、記録ヘッド側に突出してヘッド移
動の過程でワイピングを行うための位置と、吐出口形成
面に係合しない後退位置とに移動可能に支持されてい
る。61はモータ、63はモータ61から動力の伝達を受けて
ポンプ53の駆動およびキャップ51やブレード59の移動を
それぞれ行わせるためのカム装置である。
第5図は上述したインクジェット記録装置における吐
出回復装置の主要部の分解斜視図である。
ここで、501はキャップ51内部に配置されるインク吸
収体、503はキャップ51を保持する保持部材、505はピン
507を中心に回動可能に取付けられ、ピン507に加えられ
る力によってキャップ51を吐出ユニット9aの吐出口形成
面に当接/離脱させるためのキャップレバーである。51
1はキャップレバー505の端部509に係合してキャップレ
バー505の回動範囲を規制するためのピンである。
513はキャップレバー505のピン507が嵌入される穴部
を有するキャップレバーシールであり、キャップレバー
505をポンプ53に設けた支持部515に取付けるのに用いら
れる。510はその取付け状態を確保するための留め部材
である。517は記録ヘッドの吐出口形成面に当接させる
ための力をキャップ51に作用する作用部であり、キャッ
プ51の後側部のほぼ中央に係合する。この作用部は吸引
されたインクの導入口517Aを有し、また、キャップレバ
ー505内部,ピン507内部,キャップレバーシール513内
部および支持部515内部にはそれぞれインク流路が形成
されている。これにより、キャップ51の吸引口からポン
プ53に至る連通路が形成され、これら各部材の連通路は
互いに緊密に接続しているため、ポンプ53において発生
した負圧はほぼその値を減じることなく、キャップ51ま
で伝えることができる。そして、ポンプ53が吸引力を作
用すると、インクはこれら流路を経てポンプ53内に導入
される。なお、キャップレバー505の内部に形成される
流路の径は約1mm程度である。
519はポンプ53の端面中央に突設し、内部にインク流
路を形成した軸であり、側壁部520に回動可能に取付け
られる。これによるポンプ53自体の回動力は支持部515
を介してキャップレバー505に加えられ、これに伴って
キャップ51が進退する。521はポンプ軸519に結合する流
路形成部材、523はチューブ57の取付け部材である。す
なわちこれら軸519,流路形成部材521および取付け部材5
23の内部にインク流路が形成され、ポンプ53に吸引され
たインクが、これらの流路を経てチューブ57を介し廃イ
ンクタンク55に導入される。
525はポンプ53のピストン、527はその軸であるピスト
ン軸、529はパッキン,532はポンプ53のキャップであ
る。533はピストン軸527に取付けられ、ピストン525を
作動させるための力の伝達を受けるピンである。
535はブレード59が取付けられるブレードレバーであ
り、ポンプ53の端面に突設した軸のまわりに回動可能に
支持され、当該回動に伴ってブレード59を記録ヘッド側
に突設または後退させる。537はブレードレバー535にブ
レード59を突出させる方向への回動力を付勢するばねで
ある。また、539はポンプ53自体に対しキャップ53が記
録ヘッド側に向う方向への回動習性を与えるばねであ
る。
541はモータ61の回転をカム装置63に伝達するギア列
である。カム装置63は、ポンプ53に設けた係合部545に
係合してこれを回動させるためのカム547と、ポンプ53
のピストン軸527に設けたピン533に係合してポンプを作
動させるためのカム549と、ブレードレバー535に設けた
係合部551に係合してこれを回動させるためのカム553
と、カム装置63のホームポジションを検出するためのス
イッチ555に係合するカムう557とを有している。
第6図はカム装置の各カムの輪郭曲線、第7図は主要
なカム位置(第6図の〜,,に対応したポンプ
を除く各部の動作位置、第7図は同じくポンプ53の動作
位置をそれぞれ示す説明図である。なお、第6図中の数
値はカムの回転角度である。
以上第6図および第7図を用いて、本実施例に係る回
復系ユニットの機能について説明する。
第6図においての状態はカム549のホームポジショ
ン位置であり、記録動作中の回復装置の待機状態であ
る。このとき、スイッチ555はオンであり、キャップ51
はヘッド吐出口形成面より離隔した状態(以下オープン
状態とよぶ)にあり、ブレード59はオフ状態すなわちこ
れもヘッド吐出口形成面より離隔した状態にある。ま
た、ポンプ53は上死点にある。
次にの状態はキャッピング状態であり、プリンタ装
置を使用しない場合等の状態でヘッド吐出口形成面を覆
い保護している状態である。このときスイッチ555はオ
フ、キャップ51はヘッド吐出口形成面に接合し(クロー
ズ状態)、ポンプ53は上死点にあり、さらにブレードは
オフ状態である。
の状態はポンピングが終了した状態である。スイッ
チ555はオン、キャップ51はクローズ、ポンプ53は弁が
開ききった状態にあるが下死点にはいたらない状態であ
る。またブレード59はオフ状態にある。
の状態はポンピング終了の後キャップ51をオープン
させ、同時にキャップ51およびキャップレバー505内に
充満しているインクをポンプ53内にとり込むための小空
吸引を実行し終えた状態である。このときスイッチ555
はオン、キャップ51は半分程度オープン、ポンプ53は下
死点、ブレードはオフ状態にある。
次にの状態を先に説明する。これはポンピングによ
ってポンプ53内に充満した廃インクタンク側へ排出する
ための空吸引をはじめる準備位置である。このとき、ス
イッチ555はオン、キャップ51はオープン、ポンプ53は
上死点より若干下ったところにある。
またブレード59はオフ状態にある。
およびは、それぞれ、大空吸引および中空吸引を
行ったときの停止位置である。どちらの位置でもスイッ
チ555はオン、キャップ51はオープン、ブレード59はオ
フ状態であるが、ポンプ53の状態はでは下死点にある
の対しでは完全に下りきっていない。
の状態はワイピングを行うときの状態である。この
ときスイッチ555はオン、キャップ51はオープン、ポン
プは上死点にある。そしてブレード59がオン状態にあ
り、この状態でヘッドカートリッジ9を搭載したキャリ
ッジ11が移動することでヘッド吐出口形成面のワイピン
グが実行できる。
第8図は、以上の構成による記録装置の制御系の構成
例を示すブロック図である。
キャリッジ11のキャップ位置や移動位置は、回復系ホ
ームセンサ64やキャリッジホームセンサ67の検出に基づ
いて知ることができる。同図において1000は第9図等に
ついて後述する制御手段を実行して各部を制御するMP
U、1001はその制御手順に対応したプログラム等を格納
したROM、1002は制御手順実行時におけるワークエリア
として用いられるRAMである。また、1003は後述の時計
を計測するタイマである。
第9図のフローチャートには、第8図のMPU1000の制
御の下に回復系ユニットによって実行される吐出回復処
理手順の一例を示す。
本手順は、まず、第6図および第7図に示されるとこ
ろのキャッピング状態から始まる(ステップS1)。そ
して状態で動くことでポンピングが実行され(ステッ
プS3)、その状態でインク吸引が充分に行われるよう3
秒間の停止が行われる(ステップS5)。ではキャップ
オープンと同時に小空吸引が行われ(ステップS7)、キ
ャップ51内およびキャップレバー505内のインクのとり
こみが行われるよう1秒間停止する(ステップS9)。次
に予備吐出を行う(ステップS11)。
次にポンプ53内に充満したタンクの排出のための空吸
引が行われる。まずの空吸引位置に移り(ステップS1
3)、そこから中空吸引停止位置の間(第2図のイと
ウの間に相当)を3回往復させる(ステップS15〜2
1)。次にからまで移動させることにより大空吸引
が行われ(ステップS23)、ポンプ53内のインクは充分
に廃インク収納部側へ押し出される。引き続きの位置
に移り(ステップS25)、記録ヘッドをブレードON位置
に移動させ(ステップS27)、の位置でブレードONと
し(ステップS29)、そして記録ヘッドをブレードOFF位
置まで移動させることでワイピングを実行する(ステッ
プS31)。最後に位置でブレードOFFし(ステップS3
3)、記録ヘッドをキャッピング位置に戻し(ステップS
35)、でキャッピングをする(ステップS37)。
以上述べたように本発明によれば、特殊な弁機構を設
けることなく、記録ヘッドに不要なインクが付着するこ
とが防止されるが、仮に特殊な弁機構を設けたポンプで
あっても作動不良によりインクの逆流が生じるような場
合に本発明は有効に適用可能である。
(その他) なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中で
もキヤノン株式会社が提供しているバブルジェット方式
の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらす
ものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精
細化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合に
は、液体(インク)が保持されているシートや液路に対
応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応
していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なく
とも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱交
換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一
で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有
効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介
して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴
を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第446335
9号明細書,同第4345262号明細書に開示されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載され
ている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うこと
ができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱交換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱冷用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱交換体に対して、共通するスリットを電気熱交換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公
報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッ
ドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さ
を満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッド
としての構成のいずれでもよい。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装
置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装
着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体か
らのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプ
の記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にイン
クタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧或は吸引手段、電気熱交換体或はこれとは別の加熱素
子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定
した記録を行なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化してもしくは
液化するもの、あるいはインクジェット方式ではインク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってイ
ンクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するも
のが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが
液状をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネ
ルギによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギとして使用せしめることで防止する
か、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固
化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネル
ギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液
状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点
ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギに
よって始めて液化する性質のインクを使用する場合も本
発明は適用可能である。このような場合のインクは、特
開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に
記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液
状又は固形物として保持された状態で、電気熱交換体に
対して対向するような形態としてもよい。本発明におい
ては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上
述した膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態
としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端
末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写
装置、さらには受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るもの等であってもよい。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によればピス
トンとシリンダに設けられる吸引口との位置関係を、ピ
ストンが上死点にあるときに吸引口を閉とせずにシリン
ダ内部と連通した状態とし、かつ、ピストンが下死点側
へ動き出すと同時に吸引口を閉じるべくその開口面積を
減少させ始めるような位置関係とすることにより、イン
ク吸引後にさらに行われる空吸収時に、ピストンが上死
点から動き出してからすぐにこのピストンによって吸引
口を閉じた状態とすることが可能となり、これによっ
て、空吸引の間にこの吸引口を介して、一度吸引したイ
ンク、液体あるいは空気の逆流が生じることを抑制する
ことができる。
これにより、キャップ内に残留するインクの付着に
よっての印字品位の低下を解消できる。キャップ内よ
り装置内にインクを飛ばすことがなくなり、装置内を常
に清潔に保つことができる。回復装置内のインク残留
が少なくなり装置寿命を長くできる。逆流を防止する
ための弁機構を設ける必要がなくなり、装置の小型化,
コストダウンに貢献し、さらに単純な構成は故障率も低
く、高い信頼性が得られる等の効果を上げることができ
非常に有益である。
また、吸引した液体を逆流をほとんど生ぜずに確実に
排出することができる吸引ポンプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図、 第2図は本発明の一実施例にかかる吐出回復装置に用い
られる吸引ポンプの各動作段階を示す概略断面図、 第3図は上記吸引ポンプの回復動作時の圧力変化を示す
線図、 第4図は上記実施例にかかるインクジェット記録装置の
一例を示す斜視図、 第5図は上記装置に用いられる吐出回復装置の分解斜視
図、 第6図は上記吐出回復装置におけるカム動作を説明する
ための図、 第7図は上記カム動作の主要なカム位置における各部の
動作を説明するための説明図、 第8図は本例にかかる装置の制御系の構成例を示すブロ
ック図、 第9図は本例の吐出回復処理におけるクリーニング動作
手順の一例を示すフローチャート、 第10図は上記吐出回復装置に用いられる吸引ポンプおよ
び該ポンプのピストン動作の一例を示す概略断面図、 第11図は上記ポンプの回復動作時の圧力変化を示す線図
である。 51……キャップ、 53……ポンプ、 525……ピストン、 530……シリンダ、 531……吸引口、 525a……ピストンのシリンダ内壁接触幅、 527……ピストン軸、 529……ピストンシール。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録ヘッドから排出されたインクの処理に
    関して用いられる吸引ポンプであって、 記録ヘッドに当接可能に設けられ、弾性材料で形成され
    たキャップに対し記録ヘッドから排出されたインクを吸
    引するため、流路部材を介してキャップと連通する吸引
    口が設けられたシリンダと、 該シリンダ内壁と接触しながら動作し、当該動作に伴っ
    て前記吸引口を開閉し、かつ前記吸引のための負圧を発
    生するためのピストンと、 を備え、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にあることを特徴とする吸引ポン
    プ。
  2. 【請求項2】前記相対位置関係は、前記ピストンが上死
    点にあるとき、当該ピストンの前記シリンダ内壁との接
    触する部分が、前記吸引口に隣接しまたは前記吸引口の
    一部を覆う位置関係であることを特徴とする請求項1に
    記載の吸引ポンプ。
  3. 【請求項3】記録ヘッドと、 該記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料で形成される
    キャップであって、前記記録ヘッドから排出されたイン
    クを受けることが可能なキャップと、 該キャップが受けたインクを吸引するための吸引ポンプ
    であって、前記排出されたインクを吸引するための吸引
    口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しな
    がら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、か
    つ前記吸引のための負圧を発生するためのピストンと、
    を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にある吸引ポンプと、 該吸引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する
    流路部材と、 を具えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用し
    て吐出口からインクを吐出させるもので、インクに与え
    る熱エネルギーを発生するための電気熱交換体を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用し
    てインク中に膜沸騰を生じさせ該膜沸騰による気泡の成
    長に伴ってインクを吐出することを特徴とする請求項3
    または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料で
    形成されるキャップであって、前記記録ヘッドから排出
    されたインクを受けることが可能なキャップと、 該キャップが受けたインクを吸引するための吸引ポンプ
    であって、前記排出されたインクを吸引するための吸引
    口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しな
    がら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、か
    つ前記吸引のための負圧を発生するためのピストンと、
    を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にある吸引ポンプと、 該吸引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する
    流路部材と、 を具えることを特徴とするインクジェット記録装置用吐
    出回復装置。
  7. 【請求項7】前記相対位置関係は、前記ピストンが上死
    点にあるとき、当該ピストンの前記シリンダ内壁との接
    触する部分が、前記吸引口に隣接しまたは前記吸引口の
    一部を覆う位置関係であることを特徴とする請求項6に
    記載のインクジェット記録装置用吐出回復装置。
  8. 【請求項8】記録ヘッドと、 該記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料で形成される
    キャップであって、前記記録ヘッドから排出されたイン
    クを受けることが可能なキャップと、 該キャップが受けたインクを吸引するための吸引ポンプ
    であって、前記排出されたインクを吸引するための吸引
    口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しな
    がら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、か
    つ前記吸引のための負圧を発生するためのピストンと、
    を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にある吸引ポンプと、 該吸引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する
    流路部材と、 前記ピストンが前記吸引口を閉じた位置から前記ピスト
    ンを動作させて前記吸引ポンプ内に負圧を発生するよう
    前記ピストンを駆動制御する駆動制御手段と、 を具えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用し
    て吐出口からインクを吐出させるもので、インクに与え
    る熱エネルギーを発生するための電気熱交換体を有する
    請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインク中に膜沸騰を生じさせ該膜沸騰による気泡の
    成長に伴ってインクを吐出することを特徴とする請求項
    8または9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】記録ヘッドに当接可能であり、弾性材料
    で形成されるキャップであって、前記記録ヘッドから排
    出されたインクを受けることが可能なキャップと、 該キャップが受けたインクを吸引するための吸引ポンプ
    であって、前記排出されたインクを吸引するための吸引
    口が設けられたシリンダと、該シリンダ内壁と接触しな
    がら動作し、当該動作に伴って前記吸引口を開閉し、か
    つ前記吸引のための負圧を発生するためのピストンと、
    を有し、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にある吸引ポンプと、 該吸引ポンプの前記吸引口と前記キャップとを連通する
    流路部材と、 前記ピストンが前記吸引口を閉じた位置から前記ピスト
    ンを動作させて前記吸引ポンプ内に負圧を発生するよう
    前記ピストンを駆動制御する駆動制御手段と、 を具えることを特徴とするインクジェット記録装置用吐
    出回復装置。
  12. 【請求項12】前記閉じた位置は、前記ピストンが上死
    点から下死点側へ移動して前記吸引口を閉じた直後の位
    置であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェ
    ット記録装置用吐出回復装置。
  13. 【請求項13】前記相対位置関係は、前記ピストンが上
    死点にあるとき、当該ピストンの前記シリンダ内壁との
    接触する部分が、前記吸引口に隣接しまたは前記吸引口
    の一部を覆う位置関係であることを特徴とする請求項12
    に記載のインクジェット記録装置用吐出回復装置。
  14. 【請求項14】液体の処理に関して用いられる吸引ポン
    プであって、 液受け部材に排出された液体を吸引するため、流路部材
    を介して液受け部材と連通する吸引口が設けられたシリ
    ンダと、 該シリンダ内壁と接触しながら動作し、当該動作に伴っ
    て前記吸引口を開閉し、かつ前記吸引のための負圧を発
    生するためのピストンと、 前記吸引によって前記シリンダ内に吸引された液体を前
    記ピストンの動作に伴って排出するための排出弁手段
    と、 を備え、前記吸引口と前記ピストンは、前記ピストンが
    上死点にあるとき、前記吸引口はシリンダ内部と連通し
    た状態で、かつ前記ピストンが上死点から下死点側へ動
    き出すと同時に前記吸引口の開口面積を減少させ始める
    ような相対位置関係にあることを特徴とする吸引ポン
    プ。
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