JP3119399B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3119399B2 JP34743892A JP34743892A JP3119399B2 JP 3119399 B2 JP3119399 B2 JP 3119399B2 JP 34743892 A JP34743892 A JP 34743892A JP 34743892 A JP34743892 A JP 34743892A JP 3119399 B2 JP3119399 B2 JP 3119399B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、特に記録ヘッドおよびインクタンクが交換可
能であるインクジェット記録装置において、インクタン
クの交換時、インクジェット記録開始時の吐出不良の防
止および改善を効果的に行う手段を備えたインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置としては従来、
半永久的に使用可能な記録ヘッド(以下、「PH」とも
称する)とPHに供給されるインクを貯留する交換可能
なインクカートリッジとを具備するものがあった。しか
しながら、PHの場合には、吐出口におけるゴミづまり
などによる偶発的な故障やインクを吐出するために利用
されるエネルギーを発生するエネルギー発生体の劣化な
どによる経時的な故障などを皆無にすることがなかなか
難しく、記録性能を維持して記録装置自体の信頼性を確
保するために特別なメンテナンスサービス体制を必要と
するのが普通であった。
【0003】そこで信頼性向上の観点から、故障するこ
とが比較的多い記録ヘッドを所定のインク量ごとに容易
にかつ確実に交換することができるように、インクタン
クとヘッドとを一体化した交換カートリッジ型の記録ヘ
ッド(以下、「DH」とも称する)を用いるインクジェ
ット記録装置も実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DHの
信頼性確保の観点とDHの大きさおよび重さにかかわる
制限の観点となどから、インクタンクに貯留されるイン
クの量をあまり大きく設定できないので、ランニングコ
ストの増大による使用者の不利益が発生したり、インク
を使い切った時点でヘッドがまだ十分機能する場合でも
廃棄しなければならない事態となったりすることがあっ
た。これらは、近年の世界的な潮流である環境面での問
題にかかわる矛盾となるものである。
【0005】そこで、信頼性の面ではDHの特徴を生か
した上でランニングコストの増加や地球環境に対しても
配慮を施すべく、交換型のインクジェット記録ヘッドと
該インクジェット記録ヘッドに供給されるインクを貯留
する交換型のインクタンクとを搭載するインクジェット
記録装置が提案されてきている。特に、記録ヘッドにイ
ンクを効率的に供給できるように、インクタンクと記録
ヘッドとをキャリッジ上で一体的に結合したインクタン
ク・ヘッド分離交換型のものが重要視されてきている。
【0006】ところで、この構成のインクジェット記録
装置の課題のひとつとして、記録ヘッドおよびインクタ
ンクの交換時に通常のヘッド回復動作のみでは不十分で
あることが挙げられる。例えば、インクタンクの交換時
にはインクタンクと記録ヘッドとのインク供給路などに
気泡が混入する場合があるので、記録開始前などに除去
する必要がある。記録ヘッドの交換時には、記録ヘッド
製造時の記録特性が経時的劣化を生じている場合もある
ので、それを回復するための特別な予備吐出などのなら
し駆動(エージング)や、物流過程で吐出口などに固着
した増粘インクの除去などを必要とする。また、記録ヘ
ッドを搭載して操作するキャリッジへの記録ヘッドの装
着固定と、記録ヘッドとインクタンクとのインク供給路
に係る結合とによって、異なる回復動作を必要とするこ
ともある。
【0007】一方、記録ヘッドの電気的制御を行う必要
から、記録ヘッドの装着固定を行う際にはキャリッジで
の電気的接続の仕方も重要な課題である。さらにインク
供給路にかかわる結合に関しては、固体のインクでも問
題になるが、特に液状のインクを用いる場合には、接続
部からのインクの漏れ出しによる機内、記録紙、あるい
は手などの汚れを防止することも重要な課題である。特
にこのインク供給路にかかわる結合に関しては、上記の
問題から確実な結合が要求されることと、インクタンク
交換の容易性から簡単な分離が要求されることとから、
両方の要求を簡単な構成で満足することが難しく実用化
がなかなか困難であった。
【0008】以上のような点を改善するために、インク
タンク内では一定の負圧でインクを内部で保持し、そし
てインクタンクの結合部において、ヘッド部と触れる部
分が容易に開閉可能な機構を持つ弁部を設ける構造が考
案される。これによってインクジェット記録ヘッド部と
インクタンクとが結合される際の接続部からのインクの
漏れ出しについては回避できた。しかし、インクタンク
の結合時において、ヘッド部とインクタンク部の両者の
接触部で空気が介在することは免れず、この空気が作用
して、吸引回復の際に気泡をヘッド内から完全に除去で
きず、小気泡が残ったままになるという症状が生じてし
まった。これは回復操作を何回か繰り返しても状態は変
化しない。また吸引回復時における吸引ポンプの吸引量
および吸引圧を増減させても、前述の気泡の除去には効
果がなかった。特にインクタンク交換式の場合では、ヘ
ッド部のインク供給路中には、ヘッド内への異物混入を
防止するためにフィルターを設けることもよく行われる
ことから、この部分での流抵抗も大きくなり、上記問題
はますます免れない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
対し、鋭意研究を重ねた結果なされたものであり、特に
インクジェット記録ヘッド部とインクタンク部とが分離
交換型のインクジェットカートリッジにおいて有効で、
信頼性の高い回復手段を備えたインクジェット記録装置
である。
【0010】すなわち本発明は、インクジェット記録ヘ
ッド部と該インクジェット記録ヘッド部に供給されるイ
ンクを貯留する交換型のインクタンクとを結合してな
る、少なくともインクタンクが分離交換型のインクジェ
ットカートリッジと、該インクジェットカートリッジか
らのインク吐出に関わる回復を、インクジェット記録ヘ
ッド部の吐出口をおおうキャップを介して該インクジェ
ットカートリッジからインクを吸引する吸引ポンプの動
作で行う回復シーケンスを制御する制御手段と、を具備
してなるインクジェット記録装置において、前記吸引ポ
ンプによる一回の吸引量が前記交換型のインクタンクの
前記インクジェット記録ヘッド部との接合部から前記イ
ンクジェット記録ヘッド部の吐出口までの内容積以上の
能力をもち、前記交換型のインクタンクが交換されたこ
とを検知する交換検知手段によってインクタンク交換が
検知された際に、前記吸引ポンプの動作を自動的に複数
回繰り返し、かつ少なくとも一回めの前記吸引ポンプの
動作における吸引によるインクの流動が完了した直後に
前記キャップを前記インクジェット記録ヘッド部から開
放して一定時間保持することを特徴とするインクジェッ
ト記録装置である。
【0011】このような構成をとることにより、吸引回
復を行った後は、常にインクジェット記録ヘッド内にお
いては気泡が残らず、理想的な回復状態を達成すること
ができた。このことは以下に述べる現象からその効果を
説明できる。
【0012】まず、吸引動作に入るにあたって、インク
ジェット記録ヘッドの吐出口配列面に、インクを吸い出
すための凹部をもつキャップを当接させる。一回めの吸
引動作でインクは弁部の中とインクジェット記録ヘッド
内の流路の一部にまで到達するが、この時点ではバルブ
室部およびヘッド内には小気泡は多く残ったままであ
る。この状態で更に吸引を続けて行っても、インクの流
れは起こるが、小気泡は残ったままとなっている。
【0013】しかし、このインクジェット記録ヘッドの
流路中に気泡が多く残った状態となっていても、いった
んその流路のインクをおとしこみ、弁部のみインクが残
っている状態にし、その後吸引操作を続行すると、イン
クジェット記録ヘッドの流路中の気泡が除去される性質
のあることが、本発明者らの研究により判明した。
【0014】この特性を利用し、次の動作が有効となっ
た。前記の一回めの吸引動作においては、インクの流れ
が完了したらすぐにキャップをインクジェット記録ヘッ
ドの吐出口配列面から解放し、これにより、いったんイ
ンクジェット記録ヘッドの流路内の一部にも流れてきた
インクはインクタンクの負圧で引き戻され、ヘッドとイ
ンクタンクとの接合部まで流路中のインクはなくなる。
したがって、ヘッドの流路内にはインクがない状態が達
成できる。この後に二回めの吸引を行うことでインクを
インクジェット記録ヘッドのインク噴出部まで満たすこ
とが可能となり、さらに流路内のインク中の小気泡も同
時に除去が可能となるものである。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明の実施例を具
体的に説明する。
【0016】図1は、本発明の実施例に関する記録装置
を示す斜視図である。同図において、キャリア203に
は、記録手段を構成する記録ヘッド200とインクタン
ク201とが連結したヘッドカートリッジ202が搭載
されている。このキャリア203の記録ヘッド200側
の一端部は、シャーシ1に回動自在に取りつけられたリ
ードスクリュー213に、その軸方向に摺動可能に嵌合
され、キャリア203の他端部には、ガイドが配設され
ており、該ガイドがシャーシ1に形成されたガイドレー
ル2にリードスクリュー213の軸方向と平行に摺動可
能に嵌合されている。そしてキャリア203は、その姿
勢が常に一定に保たれながらリードスクリュー213の
回転に伴ってその軸方向に往復移動可能な構成となって
いる。
【0017】すなわち、前記リードスクリュー213
は、図に示すようにスクリュー左端に固着されたリード
スクリューギヤ257と、キャリアモーター255の出
力軸に固着されたピニオンギア256とが歯合し、かつ
リードスクリュー213に螺旋状に所定のピッチで形成
された案内条268(図2)に、キャリア203に取り
つけられたリードピン209(図3)が嵌入している。
したがって、キャリアモーター255の正転、逆転駆動
に伴ってリードスクリュー213が回転すると、キャリ
ア203が往復移動する。
【0018】211はフレキシケーブルで図示せざる電
気回路から記録ヘッド200に印字信号を伝えるもので
あり、フレキシケーブルホルダ16によりピンチローラ
フレーム11に位置決めして保持されている。
【0019】前記キャリア203の往復移動に同期して
記録ヘッド200が駆動してインクを記録信号に応じて
吐出することにより、被記録材3に一行記録を行うもの
である。すなわち、この記録ヘッド200は微細な液体
吐出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設
けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作
用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生
手段を備えている。
【0020】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子などの電気機械変換体を
用いた記録方法、レーザーなどの電磁波を照射して発熱
させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー
発生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗を有する
発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体
を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法など
がある。
【0021】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液体を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口を高密度に配列することができるために
高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電
気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッ
ドは、小型化も容易であり、かつ最近の半導体分野にお
ける技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイ
クロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化
が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0022】前期キャリア203のスキャンによって一
行記録を行うと、被記録材3を搬送手段によって一行分
搬送して次行記録を行うものであるが、この被記録材3
の搬送は、搬送ローラ4とこれに圧接するピンチローラ
8の回転体と、排出ローラ7とこれに当接する拍車6と
の回転体によって行われる。
【0023】これを具体的に説明すると、前記記録ヘッ
ド200の吐出口面に記録面が対向する被記録材3を、
ピンチローラ8によって搬送ローラ4に圧接し、前記搬
送ローラ4を紙送りモータ5によって適宜回転させるこ
とにより、記録位置へ必要なだけ搬送する。そして記録
後は、拍車6によって被記録材3を排出ローラ7に圧接
し、この排出ローラ7によって装置外へと排出搬送す
る。
【0024】前記搬送ローラ4および排紙ローラの駆動
は紙送りモータ5によって行われるが、その駆動力の伝
達は減速歯車列15により行われる。
【0025】前記被記録材3の記録面側に接触する拍車
6の回転軸の位置は固定され、被記録材3の厚さに関わ
らず、拍車6と被記録材3との接触位置は変化しないの
に対し、被記録材3の被記録面側に接触する排出ローラ
7は、被記録材3の厚さによって、排出ローラ7が変形
して被記録材3の厚さの変化に対応するようになってい
る。具体的には、排出ローラ7は薄肉のゴムよりなり、
円すい状に形成され、径方向に復元力を持って変形す
る。そこで、拍車6に対する圧接力と、被記録材3の厚
さに応じての変形が行われる。また、排出ローラ7を弾
性的変形の大きな材料、例えば多孔質のスポンジや硬度
の非常に低い樹脂やゴムなどの材料で構成することによ
って同様の効果が得られる。さらには、排出ローラ7全
体をバネ等で拍車6に圧接してもよい。したがって、被
記録材3の厚さに関わらず記録ヘッド200と被記録材
3の間隔を所定量に保つことができ安定した搬送を行う
ことができる。
【0026】14はペーパーセンサであり、被記録材3
の有無を検出する。
【0027】次に、ヘッドカートリッジ202およびキ
ャリア203の詳細について説明する。図4は本発明の
実施例に関する記録装置のヘッドカートリッジ部および
キャリア部を示す模式的斜視図である。同図において、
200は電気信号によりインクを吐出させる記録ヘッ
ド、201はインクを収納しておき記録ヘッド200に
供給するインクタンク、203は記録ヘッド200およ
びインクタンク201を保持・走査する記録装置本体に
設けられたキャリア、204は記録ヘッドの保持・解除
を行うヘッドレバー、205はインクタンク201の着
脱を行うインクタンクレバ−、207はキャリア203
に記録ヘッド200を固定しておくためのヘッドホルダ
バネ、208はインクタンク201を保持しているタン
クケースでありこれらの各部によって記録装置のヘッド
カートリッジ部およびキャリア部が構成される。
【0028】図5は本発明の実施例に関する記録装置の
記録ヘッド200およびインクタンク201を示した模
式的斜視図である。同図において、220はインクタン
ク201から記録ヘッドにインクを供給する通路となる
インク被供給孔、221はインクタンク201から記録
ヘッド200にインクを供給するインク供給孔、222
は記録ヘッド200とインクタンク201を一体化する
場合に両者をガイドして保持するための結合爪、223
は結合爪222と係合する結合爪がガイド溝、224は
インクタンク201と記録ヘッド200を着脱する場合
にインクタンク201を保持するためのインクタンクガ
イド溝でありこれらの各部によってヘッドカートリッジ
202が構成される。
【0029】記録ヘッド200は、インク吐出に利用さ
れる熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換素子およ
びこれを駆動するための駆動回路が形成された基板と、
この基板上に上記複数の電気熱変換素子のそれぞれに対
応した吐出口および流路、さらには各流路に連通する共
通液室を構成するための天板が積層されており、さらに
は前記駆動回路に記録装置本体から信号を与えるための
電気的接点が設けられている。さらに、ヘッド状態を記
録装置本体から検知するためのセンサを記録ヘッド20
0内に配することもでき、具体的には、前記電気熱変換
素子近傍の温度を検知するための温度検知センサ、イン
クの供給がなくなり前述の共通液室内からインクがなく
なった場合にこれを検知するインク残量検知センサ、あ
るいは、ヘッドカートリッジ内のインクの種類やヘッド
の種類が違う物を交換しながら使用する場合にヘッドカ
ートリッジの種類を特定するヘッド種類判別センサ等で
ある。これらのセンサからの信号を記録装置本体で判別
し、前記電気熱変換素子に印加する信号を制御して印字
状態を最適にすることができる。そして、このようにし
て構成された記録ヘッドの吐出口を配列した吐出口面が
記録媒体に対向するように記録装置に搭載される。
【0030】インクタンク201は、インクを保持しな
がら記録により消費されたインクを補うために適宜記録
ヘッド200にインクを供給するためのタンクであり、
インクタンク201単体で存在するときにはインク供給
口221からインクがもれないように図示せざる封止手
段によって封止されている。この封止手段は記録ヘッド
200と一体化された時点で自動的あるいは手動で解放
され、インク流路が形成される。封止手段は、たとえば
金属球をゴム栓にバネで押圧しておく機構で実現するこ
とができる。また、インクの消費により減少するインク
体積に応じて外部から大気を導入するような機構を備え
ていてもよい。さらには、記録ヘッドに供給するインク
の圧力をわずかに負圧に保つ機構を内部にもつことで、
印字品位を向上させインク漏れを防止することもでき
る。本実施例においては、インクタンク201内部に図
示せざる多孔質性のインク吸収体が収納されており、そ
の中にインクが含浸保持され、インク供給孔221につ
ながるように構成されている。インクタンク201内に
おいては、この多孔質体が所定範囲の負圧状態を発生保
持するように、空孔等を調整されている。
【0031】記録ヘッド200とインクタンク201は
一体化したヘッドカートリッジ202の状態で記録動作
中の記録装置上で使用されるが、次に両者を一体化する
方法を説明する。基本的には記録ヘッド200とインク
タンク201はインク被供給孔220とインク供給孔2
21を結合することによって一体化されるため、この部
分はインクの漏れ、あるいはインク流路への侵入を防止
する形になっている。本実施例においては図8に示され
るように、剛体のパイプと弾性体の栓を利用する方式を
とっている。すなわち、インク被供給孔220はモール
ド部材で筒状に成形されており、これに対向するインク
供給孔221はゴム材により成型された円筒穴の開いた
部材である。インク被供給孔220の外径はインク供給
孔221の内径よりもわずかに大きくつくられている。
そこでインク供給孔221に圧入すると、インク供給孔
221は半径方向にわずかに変形しながらインク被供給
孔220に密着して一体化される。
【0032】次に、記録ヘッド200をキャリアに20
3に機械的、電気的に接続する方法を説明する。図5に
キャリア203へ記録ヘッド200の接続部分を示す図
4のa方向からみた断面図を、図6には取り付け順序を
示した模式的斜視図を示す。同図において225はキャ
リア203に固定され記録ヘッド200に設けられた穴
に係合して図6の矢印a、矢印b方向の位置決めをする
位置決めピン、226はキャリア203に固定され、図
5のa方向に押しつけられる記録ヘッド200を受けと
めるストッパ、211は記録装置本体と記録ヘッド20
0とを電気的に接続するためのフレキシケーブル、21
1aはフレキシケーブル211に設けられた位置決め穴
a、211bはフレキシケーブル211に設けられた位
置決め穴b,212はフレキシケーブル211とキャリ
ア203の間に挟まれたフレキシケーブル211を弾性
的に支持するフレキシケーブルパッド、212aはフレ
キシケーブルパッド212に設けられた位置決め穴a、
212bはフレキシケーブルパッド212に設けられた
位置決め穴b、212cはコンタクト部へのインクの侵
入を防ぐインクバリア、227は記録ヘッド200に設
けられた記録ヘッド200内のヒーター部と電気的に接
続されたヘッドコンタクト部、227aはヘッドコンタ
クト部227に設けられた位置決め穴a、227bはヘ
ッドコンタクト部227に設けられた位置決め穴b、2
27cはストッパ226の端面があたるストッパ当接場
所である。
【0033】記録ヘッド200はヘッドホルダバネ20
7から図示せざるレバーを介してa方向に押しつけられ
ており、その位置は記録ヘッド200に設けられた穴と
位置決めピン225との係合、およびストッパ226と
の干渉により一意に決まる。このようにして記録ヘッド
200とキャリア203は機械的に接続される。また、
記録ヘッド200に設けられたヘッドコンタクト部22
7とフレキシケーブル211の端面には相対する位置に
複数の電気的な接点が設けられており、これらを所定の
圧力をもって押圧することにより記録装置本体と記録ヘ
ッド200が電気的に接続される。この際に複数の電気
的接点を一度に圧接する必要があるので、これらを均一
に圧接するために弾性材料でできたフレキシケーブルパ
ッド212を押圧部に入れている。フレキシケーブルパ
ッド212の材質はたとえばシリコーンゴムなどを用い
ており、前述の電気的接点に対応した位置に複数の突起
をもって、押圧の圧力が接点に集中するように構成して
いる。さらに、フレキシケーブル211に設けられた前
述の電気的接点は、押圧された際の応力をさらに集中さ
せて接続を確実なものにするために突起状に構成しても
よい。また、押圧されたときに発生する反力は記録ヘッ
ド200を押さえつけているヘッドホルダバネ207の
力よりはるかに小さくなるように構成されているため、
フレキシケーブルパッド212からの反力により記録ヘ
ッド200の位置がずれてしまうことはない。
【0034】また、キャリア203、フレキシケーブル
パッド212、フレキシケーブル211、ヘッドコンタ
クト部227およびヘッドカートリッジ203は確実な
電気接続や良好な記録品位を得るために互いに正確に位
置決めされている必要があるが、そのために以下のよう
に構成している。すなわち、キャリア203の位置決め
ピン225を基準として、片方の位置決めピン225が
位置決め穴a212a、位置決め穴211aおよび位置
決め穴a227aに共通に嵌合し、またもう一方の位置
決めピン225が位置決め穴b212b、位置決め穴b
211bおよび位置決め穴b227bに共通に嵌合して
図7のaおよび図7のb方向の位置を決定している。さ
らにストッパ226の端面がヘッドコンタクト部227
のストッパ当接場所227cに当接するまでa方向から
押圧してやる事により、記録ヘッド200の図7のc方
向の位置も正確に決定することができる。
【0035】さらには、電気的な接触面すなわちフレキ
シケーブル211とヘッドコンタクト部227の間に、
何らかの原因でインクが侵入すると電気的に短絡してし
まう可能性があるので、これを防止する必要がある。そ
のために本実施例ではフレキシケーブルパッド212の
一部を突起状にしてインクバリア212cとし、記録ヘ
ッド200の端面に押圧するようにしてヘッド200の
吐出口から出たインクの侵入を防止している。
【0036】なお、本実施例においては電気的あるいは
機械的な結合部を記録ヘッド側に設けたが、これには拘
束されず、インクタンク201側、あるいは記録ヘッド
200側とインクタンク201側の両方に設けるように
するか、また、どちらかに電気的結合部と機械的結合部
を分けて設けるようにしてもよい。
【0037】次に記録ヘッド200およびインクタンク
201の取扱い方法、すなわちインクがなくなったイン
クタンク201を新しいインクタンク201に交換する
場合や何らかの原因によって使用不能となった記録ヘッ
ド200を交換する場合の方法について説明する。
【0038】図9にキャリア203上で記録ヘッド20
0からインクタンク201を分離した状態の模式的斜視
図を示す。この場合、タンクレバー205を図4の状態
から図9のa方向に回転させこのような位置まで引き起
こすことにより、タンクレバー205に設けられた図示
せざるカムによってタンクケース208が図9のb方向
に移動する。タンクケース208に設けられた突起がイ
ンクタンク201の側面に設けられたインクタンクガイ
ド溝224に係合してインクタンク201を図9のb方
向に移動させる。このとき、記録ヘッド200の固定は
図4の状態と同様であり、インクタンク201と共に移
動することはないので、記録ヘッド200とインクタン
ク201の係合部がはずれ、分離することができる。さ
らにインクタンク201を図9のc方向に移動させるこ
とによりキャリア203からはずすことがでる。なお、
このとき本実施例のように記録ヘッド200をヘッドホ
ルダバネ207によって弾性的に押圧している場合には
分離の際の力がかかりかたによってヘッドの固定がはず
れてしまう可能性があるので以下のように構成するとよ
い。図10に力のかかり方を示す模式的平面図を示す。
同図において記録ヘッド200はヘッドホルダバネ20
7によってf1 の力でキャリア203に押圧されてい
る。また、記録ヘッド200とインクタンク201を分
離するため、結合爪222と結合つめガイド溝223の
係合およびインク被供給孔220とインク供給孔221
の係合をはずすのにf2 の力が必要であるとする。この
とき、力の大きさをf1 >f2 としておくことで、分離
作業中に記録ヘッド200の固定がはずれてしまうこと
を防止することができる。なお、本実施例においてはタ
ンクレバー205を用いてf2 に相当する力を出して分
離しているが、これには拘束されず、直接インクタンク
201をもって図9中のb方向に引っ張り記録ヘッド2
00とインクタンク201を分離するように構成しても
よい。
【0039】図11は、本発明の実施例に関する記録装
置の回復機構を示す斜視図である。
【0040】同図において記録ヘッド200の吐出口面
をキャッピングするキャップ101と、その内部を負圧
にし、吐出口面からインクをキャップ101を通して吸
引して、廃インク吸収体に送り出すポンプユニット15
0と、さらには前記キャップ101を吐出口面に対して
前後移動させ、かつ前記ポンプユニット150に駆動力
を伝動し、さらに吐出口面に付着したインクをふき取る
ワイピング機構を動作させるための公知のカム、歯車機
構からなる伝動機構部のコントロールギア102が構成
されている。そして前記コントロールギア102には、
前述のクラッチギア259を介して、キャリアモーター
255の回転駆動力が伝えられる。
【0041】次に前記コントロールギア102の回転に
より回復手段が駆動する構成について説明する。
【0042】コントロールギア102には、キャップ開
閉用カム102aとワイピング動作用カム(不図示)が
備わっている。そしてこのコントロールギア102は、
図11および図12に示すように、後述のプランジャ1
15を往復移動させるストロークギア103とかみ合わ
さっており、コントロールギア102が回転することに
より、ストロークギア103が回転し、プランジャ11
5が往復運動するようになっている。
【0043】また図11において、104はブレードで
あり、記録ヘッド200のインク吐出口面をワイピング
してインク吐出口面をクリーニングするものである。こ
のブレード104はHNBR、ウレタン等のゴムでてき
ており、ブレードスライダ105のブレード取り付け溝
105aに一端をスライドさせるように挿入して取りつ
けてある。ブレード104をスライド軸106に沿って
往復運動させることにより、ワイピング動作が行われ
る。
【0044】次にポンプユニット150についてである
が、これは図12に示すようなプランジャンボの構成に
なっている。
【0045】図12において、113はシリンダであ
り、円筒状のシリンダ部113aと、後述するプランジ
ャ115をガイドする部(不図示)を有しており、軸方
向に一部を切り欠いて、インク流路を形成している。1
13bはキャップレバー受けで後述するキャップレバー
シールが嵌入するように形成される。また、113cは
インク吸引口で、所定の位置に開口している。113d
は廃インク管で一体に形成された先端部を廃インク吸収
体に挿入してある。また、113eはキャップ開閉用の
平行ピンでコントロールギア102のキャップ開閉カム
102aによって平行ピン113eが押されると、シリ
ンダ113が回転してキャップ101が記録ヘッド20
0の吐出口面に密着および離隔する開閉動作を行う。
【0046】ここでコントロールギア102のキャップ
開閉用カム102aとキャップ開閉動作の関連を図13
を用いて説明する。
【0047】キャップ開閉用カム102aには切り替え
シート102dが取りつけられており、これによってキ
ャップ開閉動作は、キャリアモーター255の正転、逆
転でその動きを変えることが可能である。
【0048】本実施例では、キャップ101内にノズル
内のインク増粘物の排除を目的とする予備吐出をするよ
うになっているため、記録中にキャップ101内に溜っ
たインクを、キャリア203が回復手段に入りキャッピ
ングする前に、一度キャップ101内のインクをシリン
ダ113内に吸引する必要がある。
【0049】そこでキャリアモーター255の逆転によ
ってコントロールギア102が回転し始めると、シリン
ダ113に挿入された平行ピン113eはまずカム10
2e面を通る。図ではコントロールギア102の中心に
近いカムほどキャップ101が開いている状態である。
したがって、この場合はキャップ101が開いたまま吸
引ができる(この吸引を予備吐出吸引と呼ぶ)。
【0050】次にコントロールギア102が回転し終え
て、吸引動作を終了し、正転を始めると、今度は平行ピ
ン113eはカム102f面を通り、コントロールギア
102が回転開始から初めてキャップ101が閉じるこ
とになる。通常はこのキャップ閉の状態で待機してい
る。
【0051】その後記録を始める場合には、キャリアモ
ーター255は正転しコントロールギア102は図中矢
印H方向に回転する。
【0052】しかし吸引を始める場合には、キャリアモ
ーター255は逆転しコントロールギア102は矢印H
とは逆方向に回転する。この場合平行ピン113eがカ
ム102f面を通るため、本来のキャップ101を閉じ
たままの吸引が行える。
【0053】このように切り替えシート102dを設け
ることによって、コントロールギアひとつで本来の吸引
と予備吐出吸引の二つの吸引動作を実現している。
【0054】また記録中は平行ピン113eがカム面に
設けられた切り欠き102gに入り込んでおり、キャッ
プバネ114の力による摩擦力でコントロールギア10
2が回転しないようにしている。もし記録中にコントロ
ールギア102が回転すると、不正な場合に回復動作が
開始することになり、正常な記録が不可能になる。
【0055】プランジャ115は動作軸115a、ピス
トン受け115b、ピストン押さえ115c、ポンプシ
ール押さえ115dが形成されており、インク流路とな
る溝115eが前記動作軸115aに連続して形成され
ている。この溝は前述のシリンダ113のガイド部(不
図示)に一部が嵌入しており、プランジャ115の回転
を止めている。動作軸115aにはブランジャ115の
往復運動を制御するリード溝115fが形成されてお
り、ストロークギア103の内面に形成された不図示の
突起部がこのリード溝115bに嵌入されている。この
ため、キャリアモーター255の逆転駆動によりストロ
ークギア103を一方向へ回転させると、プランジャ1
15が図11の矢印I方向へストロークし、キャリアモ
ーター255の正転駆動によりストロークギア103を
他方向へ回転させると、プランジャ115が図12の矢
印J方向へストロークする。
【0056】前記プランジャ115にはNBR等のゴム
材で構成されたピストン116が取りつけられている。
このピストン116の外形は前記シリンダ113の内径
より所定量大きく構成されており、前記シリンダ113
に挿入された時は適度に圧縮するようになっている。こ
れによりプランジャ115が図12の矢印I方向へスト
ロークすると負圧を発生し記録ヘッド200内の廃イン
クを吸引し、矢印J方向へストローク前記吸引した廃イ
ンクを廃インク管113dから廃インク吸収体へと排出
する。
【0057】前記プランジャ115にはポンプシール1
17が取りつけられている。このポンプシール117は
シリコーンやNBR等のゴム材で構成され、前記プラン
ジャ115と所定の圧接力が得られるように、その内径
はプランジャ115の外形より若干小さく設定されてお
り、かつシリンダ13内をプランジャ115のポンプシ
ール押さえ115dおよびピストン受け115bに押さ
れて、往復運動することが可能である。なお、表面に潤
滑塗装を施して、シリンダ113およびプランジャ11
5との摺動力を低減してもよい。またシリンダ内のグリ
スを廃止する目的で、自己潤滑性のあるゴムを使用して
もよい。
【0058】また図11において、118はキャップレ
バーで、インクガイド(不図示)が、ギャップレバーシ
ール119に付勢して、他方の回転軸118aがシリン
ダ113の穴113fにスナップフィットで取りつけら
れており、回転自在になっている。キャップレバーシー
ル119は前記のキャップレバー118のインクガイド
が圧入され、更にシリンダ113のキャップレバー受け
113bに圧入される。
【0059】キャップ101は断面がおむすび状の環状
の塩素化ブチルゴム等の弾性部材であり、前記キャップ
レバー118のキャップ取り付け部118bに取りつけ
られている。
【0060】120は予備吐出パッドであり、前述のブ
レードクリーナー108と同様に高分子吸収体でできて
おり、前述のキャップレバー118に装着されている。
該予備吐出パッドは、吐出口面のインク乾燥を防止する
ために記録中に、通常の記録作業とは別にインクを吐出
させる予備吐出のインクを吸収するためのものである。
【0061】121はポンプ吸収体であり、シリンダ内
の廃インクを確実に廃インク吸収体に移動させる役目を
なしている高分子の吸収体である。
【0062】ここで、キャリアモーター255の回転駆
動力による回復手段のタイミングチャートを図14に示
す。この図はキャリア203が回復手段に入り、クラッ
チギア259のトリガ歯259aがコントロールギア1
02にかみ合って、コントロールギア102が回転を開
始する時点を、キャリアモーター255の0パルスとし
ている。
【0063】本実施例ではキャリアモーター255が2
40ステップ(5回転)を正転、逆転することによっ
て、すべての回復動作を行うようになっており、キャリ
アモーター255の回転と同時に、クラッチギア25
9、コントロールギア102そしてストロークギア10
3が回転し始める。プランジャ115はストロークギア
103によってその往復運動が制御されているため、キ
ャリアモーター255の回転と同時に移動を始め、その
往復運動はキャリアモーター255の回転と一対一の対
応となっている。
【0064】ブレード104の動きは前述のようにキャ
リアモーター255の正転、逆転で一部その経路が変わ
るようになっている。
【0065】またキャップ101は前述のように切り替
えシート102dによって、予備吐出吸引ができるよう
に、キャリアモーター255の0パルスからの逆転で回
復動作が開始した場合には、キャップ101は開いたま
まプランジャ115が動く。
【0066】以上述べたポンプユニットを用いて、本発
明のインクタンクを交換する時の回復シートケンスにつ
いて、図15を参照しながら説明する。まずステップS
1において、吸引指示が出ているか否かを判定し、出て
いれば次のステップS2に進み、出ていなければこれか
ら述べるシーケンスは適用されずに終了する。ステップ
S2では先の吸引指示がインクタンク交換を検知して出
されてものかそうでないかを判断する。ここでインクタ
ンク交換後と判断されればステップS3に進み、そうで
ない場合はステップS6に進む。ステップS6では故イ
ンクタンク交換のフラグTCに0を代入した後、ステッ
プS7に飛ぶ(TCが0のときはインクタンクが交換さ
れていないという意味)。
【0067】なお、ここでインクタンクが交換されたか
否かの判断についてであるが、検知の手法は、一般に考
えられる方法があってもすべて適用できる。たとえば図
9におけるキャリア203のインクタンクが載せられる
底の部分にマイクロスイッチ等を配置し、インクタンク
が取りつけられたりまたは取りはずされたりする度にこ
のスイッチの出力の切替を行い、インクタンクの交換を
判断する。インクタンクの交換検知としては、他にはキ
ャリアの走行する周囲に、キャリアをはさんで光源と受
光素子を設置し、両者の間の光がさえぎられたかどうか
で受光素子の出力を読み取り、それにより判断する方
法、キャリア上に搭載されている記録ヘッドおよびイン
クタンクの重量より判断する方法、記録ヘッドとインク
タンクとが接続される部分で、インクが通過すべきとこ
ろに一定の間隔をあけて電極を設置し、その電極間の抵
抗値でインクタンクの交換を判断する方法、等各種の手
法が考えられる。
【0068】続いてステップS2でインクタンクの交換
後であると判断された場合に進んだステップS3では、
インクタンク交換のフラグを1とし、続いてステップS
4に進んで変数iに1を代入する。ここでiは、これか
ら行う吸引動作が吸引指示が出てから何回目であるかを
示している。その後ステップS5に進んで、変数iが3
を越えているかどうかを判定する。変数iが3を越えて
いれば今後吸引動作を行う必要がないので終了する。変
数iが3を越えていないとき、ステップS7に進んで吸
引動作に移る。
【0069】ステップS7よりステップS10では、前
述のポンプユニット150の一連の動作を示している。
次いでステップS11ではインクの吸引が終えるところ
までポンプの動作を停止させておくことであり、このこ
とでインクの吸引が途中で中断されることのないように
している。その後ステップS12へ進み、インクタンク
交換のフラグTCが1か0かを判定する。TCが1でな
ければステップS16に飛び、1であればステップS1
3に進む。ステップS13では吸引の回数iの値が1か
どうかを判定する。ここでiが1でなければステップS
16に飛び、iが1であればステップS14に進む。
【0070】ステップS14に進むときは、TC=1お
よびi=1が成り立つ場合、すなわちインクタンク交換
後の一回目の吸引動作のときであるので、ステップS1
4とステップS15とで、吸引完了直後、吐出口面をお
おっていたキャップを解放したのち3秒間保持する。こ
れによりインクタンクと記録ヘッドとの間の接触部を通
って、記録ヘッド内の流路の途中まで進んできたインク
は、インクタンクの負圧の作用でインクタンク側へ戻さ
れ、記録ヘッド流路内にはインクがなくなった状態にな
る。しかしインクタンクと記録ヘッドとの間の接触部に
おいて記録ヘッド側には金属製のメッシュフィルターが
取りつけられているため、このフィルター中にインクの
メニスカスによる保持力が働き、インクの後退はこの部
分より更にインクタンク側には進まない。その後前述の
ポンプユニットの動作に従い、ステップS18のワイピ
ング、およびステップS19のキャップ当接を行い、更
にステップS20へ進む。ステップS20では、あらた
めてフラグTCの値を確認し、これが1であれば更に吸
引動作が続くので、ステップS21に進む。
【0071】ステップS21では吸引動作回数を示す変
数iの値を1だけ増やし、再びステップS5にもどる。
【0072】ところでステップS12またはステップS
13において、いずれも「否」となった場合、すなわち
インクタンク交換時でないか、またはインクタンク交換
時でも一回目の吸引動作でないときは、ステップS16
に飛ぶが、ここではステップS11にて吸引が完了した
後もキャップは、記録ヘッドの吐出面を覆ったままで2
秒間保持する。このようにしてポンプユニットおよびキ
ャップ内の負圧状態を完全に復帰させてからステップS
17にてキャップを解放する。
【0073】以上が本発明の一実施形態の回復操作の流
れであるが、インクタンク交換時における連続吸引回
数、および各種のキャッピング時の保持時間は使用する
インクジェットカートリッジや吸引ポンプの種類等によ
って各種適切に定めればよく、図15に記載の設定値に
限定されるものではない。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればイ
ンクタンク交換式のインクジェットカートリッジにおい
て、若干の吸引回復ポンプの動作シーケンスの改良によ
って、インクタンク結合時に小気泡を残すことなく、ま
たインクの無駄な消費を生むことなく安定した回復状態
を作ることができた。このことは今後記録装置をより小
型化する際に非常に有効な手法となり得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本記録装置の実施例を示す模式的斜視図。
【図2】実施例のリードスクリュー機構図。
【図3】実施例のキャリア軸受けA228部拡大断面
図。
【図4】実施例のキャリア部を示す模式的斜視図。
【図5】実施例のヘッドカートリッジ部を示す模式的斜
視図。
【図6】実施例のキャリア部の部分的拡大図を示す模式
的斜視図。
【図7】実施例のキャリア部とヘッドカートリッジ部の
結合方法を示す模式的斜視図。
【図8】実施例のヘッドカートリッジ結合部を示す模式
的斜視図。
【図9】実施例の交換方式を示す模式的斜視図。
【図10】実施例の力のかかり方を表す模式的斜視図。
【図11】実施例の回復装置の詳細図。
【図12】実施例のポンプユニットの詳細図。
【図13】実施例のキャップ開閉用カムの説明図。
【図14】実施例の回復手段のタイミングチャート。
【図15】実施例の回復動作のフローチャート。
【符号の説明】
1 シャーシ 2 ガイドレール 3 被記録材 4 搬送ローラ 5 紙送りモータ 6 拍車 7 排出ローラ 8 ピンチローラ 9 ピンチローラバネ 10 ピンチローラホルダ 11 ピンチローラフレーム 12 リリースアングル 13 リリースレバー 14 ペーパセンサ 15 減速歯車列 101 キャップ 102 コントロールギア 103 ストロークギア 104 ブレード 105 ブレードスライダ 106 スライド軸 107 ブレードリンク 108 ブレードクリーナ 109 ブレードストッパ 110 ブレードバネ 111 キャリアストッパ 112 キャリアフックバネ 113 シリンダ 114 キャップバネ 115 プランジャ 116 ピストン 117 ポンプシール 118 キッャプレバー 119 キャップレバーシール 120 予備吐出パッド 121 ポンプ吸収体 122 軸受け 150 ポンプユニット 200 記録ヘッド 201 インクタンク 202 ヘッドカートリッジ 203 キャリア 204 ヘッドレバー 205 タンクレバー 206 ヘッドホルダ 207 ヘッドホルダバネ 208 タンクケース 209 リードピン 210 リードピンバネ 211 フレキシケーブル 212 フレキシケーブルパッド 213 リードスクリュー 221 インク供給孔 222 結合爪 223 結合爪ガイド溝 224 インクタンクガイド溝 225 位置決めピン 226 ストッパ 227 ヘッドコンタクト部 230 遮蔽板 231 キャリアフック 255 キャリアモータ 256 ピニオンギア 257 リードスクリューギア
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 環樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中島 一浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−131251(JP,A) 特開 平4−73159(JP,A) 特開 平4−250066(JP,A) 特開 平6−31929(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/18 B41J 2/185 B41J 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッド部と該インク
    ジェット記録ヘッド部に供給されるインクを貯留する交
    換型のインクタンクとを結合してなる、少なくともイン
    クタンクが分離交換型のインクジェットカートリッジ
    と、該インクジェットカートリッジからのインク吐出に
    関わる回復を、インクジェット記録ヘッドの吐出口を
    おおうキャップを介して該インクジェットカートリッジ
    からインクを吸引する吸引ポンプの動作で行う回復シー
    ケンスを制御する制御手段と、を具備してなるインクジ
    ェット記録装置において、前記 吸引ポンプによる一回の吸引量が前記交換型のイン
    クタンクの前記インクジェット記録ヘッド部との接合部
    から前記インクジェット記録ヘッド部の吐出口までの内
    容積以上の能力をもち、前記交換型のインクタンクが交
    換されたことを検知する交換検知手段によってインクタ
    ンク交換が検知された際に、前記吸引ポンプの動作を自
    動的に複数回繰り返し、かつ少なくとも一回めの前記吸
    引ポンプの動作における吸引によるインクの流動が完了
    した直後に前記キャップを前記インクジェット記録ヘッ
    ド部から開放して一定時間保持することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インクジェット記録ヘッド部は、イ
    ンクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー
    発生手段として電気熱変換体を備える請求項1に記載の
    インクジェット記録装置。
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