JPH05318717A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH05318717A
JPH05318717A JP12701292A JP12701292A JPH05318717A JP H05318717 A JPH05318717 A JP H05318717A JP 12701292 A JP12701292 A JP 12701292A JP 12701292 A JP12701292 A JP 12701292A JP H05318717 A JPH05318717 A JP H05318717A
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JP
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piston
ink
recording
piston shaft
waste ink
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JP12701292A
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Inventor
Tsutomu Kawai
力 河合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回復系ポンプの吸引室を負圧にする際の動作
不良を防止する。 【構成】 回復系ポンプのピストン軸7は、係合部11
と、該係合部11およびカムフォロア8を除いたピスト
ン軸本体とが型成形による樹脂材料で個別に形成された
ものであって、一体のフランジとして弁部9のみを有す
る構造のため、弁部9のピストン6を押圧する面すなわ
ち図示右側の端面にパーティングラインのないピストン
軸7を使用できる。シリンダ5の吸引室16を負圧にす
る動作の際、弁部9の前記端面とピストン6との間に隙
間が生じないため、シリンダ5の吸引室16および排出
室17は不連通状態に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを記録ヘッドの
吐出口から吐出させて記録を行なうインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置におい
て、記録ヘッドには、インクが吐出される複数個の微細
な吐出口と前記各吐出口が配列されて開口する面である
吐出口形成面とが形成されている。前記各吐出口に塵埃
や増粘したインクが付着したり、記録ヘッド内のインク
に気泡が混入していたりすると、インクの吐出不良が発
生する。このインクの吐出不良が発生した場合には、記
録ヘッド内のインクに圧力を加えて各吐出口から強制的
にインクを排出させたり、記録ヘッドの吐出口形成面を
キャップで覆い該キャップの内部を負圧にして各吐出口
から強制的にインクを排出させたり、また、記録ヘッド
の各吐出口から記録時と同様にインクを吐出させたりす
ることにより、前記塵埃、増粘したインク、気泡等の吐
出不良要因を除去するヘッド回復処理が行なわれる。
【0003】前記ヘッド回復処理により記録ヘッドの各
吐出口から吐出不良要因とともに排出されたインク(以
下、「廃インク」という。)は、廃インクタンク等の貯
留部材に移送されて貯留される。前記廃インクを貯留部
材に移送する移送手段は、記録ヘッドの吐出口形成面を
覆うキャップと貯留部材の間に介装された、シリンダと
ピストンとを有する回復系ポンプとから構成される。
【0004】前記回復系ポンプを図6の(A)および
(B)に示す。シリンダ5X内を2室に区画するゴム等
の弾性材料で形成されたピストン6Xはシリンダ5X内
に矢印A方向および矢印B方向に摺動可能に嵌入されて
おり、前記ピストン6Xには後述するピストン軸7Xが
遊嵌する軸孔と一端面にリング状突起10Xが形成され
ている。前記ピストン軸7Xは、シリンダ5Xの図示左
側の端壁を貫通しており、該端壁とピストン軸7Xとの
間にはシール部材としてのOリング13Xが設けられて
いる。
【0005】ピストン軸7Xは、図7に示すように、型
成形による樹脂材料で成形され、一端に係合部11X、
略中央部に弁部9Xをそれぞれ一体的に有する上、一端
部には廃インク流路溝15Xが形成されている。この廃
インク流路溝15Xはピストン6Xの軸孔と連通してい
る。ピストン軸7Xの他端にはカムフォロア8Xが固着
されている。このピストン軸7Xは、一体のフランジと
しての係合部11Xおよび弁部9Xを有しているため、
成形上、係合部11Xや弁部9Xはパーティングライン
18Xを有している。
【0006】シリンダ5Xの周壁には弁口としての廃イ
ンク流入孔14Xが形成されており、該廃インク流入孔
14Xは記録ヘッド1Xの吐出口形成面2Xを覆うキャ
ップ3Xと連通されている。前記シリンダ5Xには排出
口としての廃インク流出孔12Xが形成されており、該
廃インク流出孔12Xは廃インク移送路(不図示)を介
して貯留部材(不図示)に連通されている。
【0007】前記ピストン軸7Xは、図示左側のカムフ
ォロア8Xの端部が溝カム4Xにより矢印A方向および
矢印B方向に移動されることにより、シリンダ5Xに対
して往復移動する。前記ピストン軸7Xが矢印A方向に
移動するときには、ピストン軸7Xに設けられた弁部9
Xがピストン6Xを矢印A方向に押圧して移動させ、ま
た、ピストン軸7Xが矢印B方向に移動するときには、
ピストン軸7Xに設けられた係合部11Xがピストン6
Xと係合してピストン6Xを矢印B方向に移動させる。
【0008】前記ピストン6Xが図6の(A)に示すよ
うに、上死点から下死点まで矢印A方向に移動されると
き、弁部9Xは移動中、ピストン6Xのリング状突起1
0Xを押圧することにより、ピストン6Xの軸孔を密封
するので、シリンダ5Xの図示左室すなわち吸引室16
Xが負圧となる。ピストン6Xが廃インク流入孔14X
を超えると、キャップ3Xに排出された廃インクは廃イ
ンク流入孔14Xを通過してシリンダ5Xの吸引室16
Xに一気に吸引される。また、図6の(B)に示すよう
に、ピストン6Xが矢印B方向に移動されるときには、
弁部9Xとピストン6Xとの間に隙間ができるので、吸
引室16Xに吸引された廃インクはピストン6Xの軸孔
および廃インク流路溝15Xを順次通過してシリンダ5
Xの排出室17Xに移動する。排出室17Xに移動した
廃インクは、ピストン6Xが矢印A方向に移動したとき
にシリンダ5Xの廃インク流出孔12Xから貯留部材に
向けて排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、シリ
ンダの吸引室を負圧にする吸引動作において、ピストン
軸に設けられた弁部がピストンを押圧するが、この際、
弁部のピストンを押圧する面にパーティングラインが形
成されていることに起因して、弁部とピストンとの間に
隙間が生じ易い。その結果、シリンダの2室すなわち吸
引室および排出室が前記隙間を介して連通状態になるた
め、排出室内の空気や廃インクが前記隙間を通って吸引
室に洩れ、負圧の動作不良が発生するという問題点があ
る。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、回復系ポンプの吸引室を負
圧にする際の動作不良が発生しないインクジェット記録
装置を提供することを目的とする。
【0011】また、廃インクの排出動作時において、ピ
ストンのシリンダに接する摺動部位と、ピストンのピス
トン軸の係合部に係合される係合部位すなわちピストン
作動点が、ピストンの軸方向において大きく離れている
ため、ピストンの摺動部位がめくれて変形するような大
きな力が前記摺動部位に働き、前記変形に起因して、ピ
ストンによるシリンダの廃インク流入孔の開閉タイミン
グがずれたり、ピストン軸の移動負荷が増大する等の問
題点もある。さらに、ピストンの剛性を高めるために
は、ピストンをその軸方向に肉厚の構造にしなければな
らないため、シリンダひいてはポンプが大型化してしま
う。
【0012】本発明は、上記目的に加えて、廃インク流
入孔の開閉タイミングが一定でピストン軸の移動負荷の
小さな小型の回復系ポンプを備えたインクジェット記録
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のインクジェット記録装置は、被記録媒体にイ
ンクを吐出口から吐出することにより記録を行なう記録
ヘッドと、ヘッド回復処理により前記記録ヘッドの吐出
口から排出された廃インクを受けるためのキャップと、
前記廃インクを貯留するための貯留部材と、前記キャッ
プと前記貯留部材との間に介装された、前記キャップに
排出された廃インクを吸引して前記貯留部材へ排出する
ための、弁部および係合部を有するピストン軸とシリン
ダと弾性材料で形成されたピストンとを有する回復系ポ
ンプとを備え、前記ピストン軸は、前記係合部と該係合
部を除いたピストン軸本体とが型成形による樹脂材料で
個別に形成されたものであって、前記弁部の前記ピスト
ンを押圧する面にはパーティングラインがないことを特
徴とする。
【0014】また、他の発明は、被記録媒体にインクを
吐出口から吐出することにより記録を行う記録ヘッド
と、ヘッド回復処理により前記記録ヘッドの吐出口から
排出された廃インクを受けるためのキャップと、前記廃
インクを貯留するための貯留部材と、前記キャップと前
記貯留部材との間に介装された、前記キャップに排出さ
れた廃インクを吸引して前記貯留部材へ排出するため
の、廃インク流路溝が形成された弁部を有するピストン
軸とシリンダと弾性材料で形成されたピストンとを有す
る回復系ポンプとを備え、前記ピストン軸は型成形によ
る樹脂材料で形成されたものであって、前記弁部の前記
ピストンを押圧する面にはパーティングラインがなく、
前記ピストンは一端に大径孔を、他端に小径孔をそれぞ
れ有する上、前記弁部の幅よりも大きな幅の中空部を有
し、前記ピストンの中空部には、ピストン軸の弁部が前
記大径孔より挿入されていることを特徴とする。
【0015】さらに、記録ヘッドは、被記録媒体の記録
領域の全幅にわたって吐出口が形成されているフルライ
ンタイプであるものや、熱エネルギーを利用してインク
を吐出するものであって、該熱エネルギーを発生するた
めの電気熱変換体を備えたものとすることができる。
【0016】
【作用】上記のとおり構成された請求項1に記載の発明
では、ピストン軸本体と係合部とを個別に型成形するこ
とにより、ピストン軸には一体のフランジとして弁部し
か設けられていないため、弁部のピストンを押圧する面
にパーティングラインのないピストン軸を成形できる。
本発明では、このピストン軸を使用するものなので、シ
リンダの吸引室の負圧動作の際、弁部とピストンとの間
に隙間が生じないため、シリンダの2室すなわち吸引室
と排出室は不連通状態に保持される。
【0017】請求項2に記載の発明では、廃インクの排
出動作時において、ピストンのピストン軸の弁部に係合
される係合部位が、ピストンの摺動部位の内方に位置す
るため、前記係合部位および摺動部位のピストンの軸方
向における距離が小さくなり、ピストンの摺動部位がめ
くれて変形するような力が前記摺動部位に働きにくい。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (第1実施例)先ず、第1実施例の全体構成について、
図1を参照して説明する。
【0019】本実施例のインクジェット記録装置は、記
録ヘッド1が装着されたキャリッジ26が、駆動モータ
28の駆動力を伝達する駆動ベルト27の一部に連結さ
れて、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト2
9,30に対して摺動可能に取付けられており、前記駆
動モータ28の駆動力により、前記記録ヘッド1が、該
記録ヘッド1の吐出口形成面に対向して配置されたプラ
テン25上に、不図示の媒体給送装置から給送される記
録紙(被記録媒体)の全幅にわたって往復運動して該記
録紙への記録を行なう構成となっている。
【0020】また、本実施例のインクジェット記録装置
は、記録ヘッド1の記録動作における往復運動の範囲外
で、ヘッド回復動作の際に記録ヘッド1が移動される位
置(図中ガイドシャフト29の左端、以下、回復ポジシ
ョンと称す。)において、該記録ヘッド1の吐出口形成
面に対向して伝動機構24を介したクリーニング用モー
タ22の駆動力によって駆動され、前記記録ヘッド1の
吐出口形成面をキャッピングするキャップ3を備えたヘ
ッド回復装置21が設けられている。
【0021】このヘッド回復装置21は、ヘッド回復動
作の際、キャップ3による記録ヘッド1の吐出口形成面
のキャッピングに関連して、後述する回復系ポンプ(不
図示)によるインク吸引もしくは、記録ヘッド1へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行ない、インクを吐出口より強制的に排出させて、吐
出口内の増粘インクを除去する等のヘッド回復動作を行
なう。このヘッド回復処理により記録ヘッド1の各吐出
口から吐出不良要因とともに排出された廃インクは、貯
留部材としての廃インクタンク31に移送されて貯留さ
れる。
【0022】さらに、ヘッド回復装置21の側面には、
シリコンゴムで形成されるワイピング部材としてのブレ
ード20がブレード保持部材23によってカンチレバー
形態で保持され、ヘッド回復装置21と同様、クリーニ
ング用モータ22および伝動機構によって動作し、記録
ヘッド1の吐出口形成面との係合が可能となる。これに
より、ヘッド回復装置21を用いたヘッド回復動作後
に、ブレード20を記録ヘッド1の移動経路中に突出さ
せ、該記録ヘッド1の移動動作に伴なって記録ヘッド1
の吐出口形成面における結露、濡れあるいは塵埃等を拭
き取る。
【0023】ここで、記録ヘッド1の詳細について説明
する。
【0024】図2に示すように、記録ヘッド1には、列
状に設けられた複数個の吐出口1aYから記録液を吐出
させるために、印加電圧が供給される熱エネルギーを発
生させる電気熱変換体1aXが各液路毎に配設されてい
る。そして駆動信号を印加することによって、前記電気
熱変換体1aXに熱エネルギーを発生せしめて膜沸騰を
生じインク液路内に気泡を形成する。そしてこの気泡の
成長によって前記吐出口1aYからインク滴を吐出させ
る。
【0025】次に、本実施例の特徴である前記回復系ポ
ンプの詳細構成について説明する。
【0026】図3はこの回復系ポンプの断面図であり、
排出動作時の状態を示している。
【0027】図3に示すように、ピストン軸7は、係合
部11と、該係合部11およびカムフォロア8を除いた
ピストン軸本体とが型成形による樹脂材料で個別に形成
されたものであって、ピストン軸7は一体のフランジと
して弁部9のみを有する構造のため、弁部9のピストン
6を押圧する面すなわち図示右側の端面にパーティング
ラインのないピストン軸7を成形でき、本実施例ではこ
のピストン軸7を使用したものである。ピストン軸7と
個別の係合部11はねじ18でピストン軸7の先端に固
着されており、その他の構成は従来例のものと同一であ
る。
【0028】上記のとおり構成された本実施例では、弁
部9のピストン6を押圧する面にパーティングラインの
ないピストン軸7を使用するものなので、シリンダ5の
吸引室16を負圧にする動作の際、弁部9とピストン6
との間に隙間が生じないため、シリンダ5の吸引室16
および排出室17は不連通状態に保持され、排出室17
内の空気や廃インクが吸引室16に洩れることがない。
その他の動作は従来例のものと同様である。 (第2実施例)図4は本発明のインクジェット記録装置
の第2実施例に係る回復系ポンプの断面図であり、廃イ
ンク排出動作時の状態を示している。
【0029】図4に示すように、本実施例でも、ピスト
ン軸7aは、係合部11aと、該係合部11aおよびカ
ムフォロア8aを除いたピストン軸本体とが型成形によ
る樹脂材料で個別に形成されたものであるため、弁部9
aのピストン6aを押圧する面すなわち図示右側の端面
にパーティングラインのないピストン軸7aを成形で
き、本実施例ではこのピストン軸7aを使用したもので
ある。
【0030】ピストン軸7aの係合部11aは、該係合
部11aとシリンダ5aの図示右側の端壁との間に設け
られた圧縮テーパコイルばね18aにより、ピストン軸
7aの先端に常に圧接されて固定されている。
【0031】本実施例では、ピストン軸7aの反矢印A
方向への移動は、圧縮テーパコイルばね18aの押圧力
により行なわれるため、ピストン軸7aの駆動手段とし
て、ピストン軸7aを矢印A方向にのみ移動させること
のできる端面カム4aを用いている。その他の構成は図
3のものと同一である。 (第3実施例)図5は本発明のインクジェット記録装置
の第3実施例に係る回復系ポンプの断面図であり、
(A)は廃インク吸引動作時の状態を示しており、
(B)は廃インク排出動作時の状態を示している。
【0032】図5に示すように、ピストン軸7bは型成
形による樹脂材料で形成されたものであって、係合部の
機能を兼ね、かつ廃インク流路溝15bが形成されたフ
ランジとしての弁部9bを一端に有している。ピストン
6bは、一端に大径孔を、他端に小径孔をそれぞれ有す
る上、弁部9bの幅よりも大きな幅の中空部19bを有
している。また、ピストン6bの図示右側の壁部内面に
はリング状突起10bが形成されている。このピストン
6bの中空部19bには、ピストン軸7bの弁部9bが
前記大径孔より挿入されており、弁部9bはピストン6
bの内周面に対して摺動自在である。弁部9bのピスト
ン6bを押圧する面すなわち図示右側の側面にはパーテ
ィングラインが形成されていない。
【0033】次に、本実施例の動作について説明する。
【0034】ピストン6bが図5の(A)に示すよう
に、上死点から下死点まで矢印A方向に移動されると
き、弁部9bは移動中、ピストン6bの図示右側の壁部
のリング状突起10bを押圧することにより、ピストン
6bの小径孔を密封するので、シリンダ5Xの図示左室
すなわち吸引室16bが負圧となる。ピストン6bが廃
インク流入孔14bを超えると、キャップ3bに排出さ
れた廃インクは廃インク流入孔14bを通過してシリン
ダ5bの吸引室16bに一気に吸引される。また、図5
の(B)に示すように、ピストン6bが矢印B方向に移
動されるときには、係合部11bとリング状突起10b
との間に隙間ができるので、吸引室16bに吸引された
廃インクはピストン6bの大径孔、廃インク流路溝15
bおよび小径孔を順次通過して排出室17bに移動す
る。排出室17bに移動した廃インクは、ピストン6b
が矢印A方向に移動したときシリンダ5bの廃インク流
出孔12bから貯留部材としての廃インクタンク(不図
示)に向けて排出される。
【0035】本実施例では、第1および第2実施例と同
様に、シリンダ5bの吸引室16bを負圧にする動作の
際、排出室17b内の空気や廃インクが吸引室16bに
洩れることがない。また、廃インクの排出動作時におい
て、ピストン6bのピストン軸7bの弁部9bに係合さ
れる係合部位は内壁部となって、ピストン6bの摺動部
位の内方に位置するため、前記係合部位および摺動部位
のピストン6bの軸方向における距離が小さくなり、ピ
ストン6bの摺動部位がめくれて変形するような力が前
記摺動部位に働きにくい。その結果、ピストン6bの摺
動部位が変形せず、ピストン6bによる廃インク流入孔
14bの開閉タイミングが一定となる。
【0036】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキヤノン株式会社が提唱する、熱エネルギーを利
用してインクを吐出する方式の記録ヘッド、インクジェ
ット記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0037】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、
結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、
収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行な
われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことが
できる。
【0038】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
【0039】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0040】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0041】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての加圧手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段等を行なうことも安定した記録を行なう
ために有効である。
【0042】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
【0043】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は、上述のインクジェットではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調節を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するか又は、イ
ンクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインク
を用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信
号に応じた付与によってインクが液化してインク液状と
して吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに
固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初
めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
【0044】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。
【0045】さらに加えて、本発明のインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態をとるものであってもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0047】請求項1に記載の発明では、シリンダの吸
引室を負圧にする動作の際、ピストンとピストン軸の弁
部との間に隙間が生じないので、排出室内の空気や廃イ
ンクの吸引室への洩れが発生せず、負圧動作が良好に行
なわれる。
【0048】請求項2に記載の発明では、上記効果の
他、ピストンの剛性を高めることなく、排出動作の際の
ピストンの摺動部位の変形を防止できるため、ピストン
によるシリンダの廃インク流入孔の開閉タイミングが一
定になり、ピストン軸の移動負荷も小さい上、小型のポ
ンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例
の全体構成図である。
【図2】図1に示した記録ヘッドの斜視図である。
【図3】第1実施例に係る回復系ポンプの断面図であ
り、廃インク排出動作時の状態を示している。
【図4】本発明の第2実施例に係る回復系ポンプの断面
図であり、廃インク吸引動作時の状態を示している。
【図5】本発明の第3実施例に係る回復系ポンプの断面
図であり、(A)は廃インク吸引動作時の状態を示し、
(B)は廃インク排出動作時の状態を示している。
【図6】従来のインクジェット記録装置の回復系ポンプ
の断面図であり、(A)は廃インク吸引動作時の状態を
示し、(B)は廃インク排出動作時の状態を示してい
る。
【図7】図6に示したピストン軸の斜視図である。
【符号の説明】
1,1a,1b インクジェット記録ヘッド 1aX 電気熱変換体 1aY 吐出口 2,2a,2b 吐出口形成面 3,3a,3b キャップ 4,4b 溝カム 4a 端面カム 5,5a,5b シリンダ 6,6a,6b ピストン 7,7a,7b ピストン軸 8,8a,8b カムフォロア 9,9a,9b 弁部 10,10a,10b リング状突起 11,11a 係合部 12,12a,12b 廃インク流出孔 13,13a,13b Oリング 14,14a,14b 廃インク流入孔 15,15a,15b 廃インク流路溝 16,16a,16b 吸引室 17,17a,17b 排出室 18 ねじ 18a 圧縮テーパコイルばね 19b 中空部 20 ブレード 21 ヘッド回復装置 22 クリーニング用モータ 23 ブレード保持部材 24 伝動機構 25 プラテン 26 キャリッジ 27 駆動ベルト 28 駆動モータ 29,30 ガイドシャフト 31 廃インクタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/165 8306−2C B41J 3/04 102 N

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体にインクを吐出口から吐出す
    ることにより記録を行なう記録ヘッドと、 ヘッド回復処理により前記記録ヘッドの吐出口から排出
    された廃インクを受けるためのキャップと、 前記廃インクを貯留するための貯留部材と、 前記キャップと前記貯留部材との間に介装された、前記
    キャップに排出された廃インクを吸引して前記貯留部材
    へ排出するための、弁部および係合部を有するピストン
    軸とシリンダと弾性材料で形成されたピストンとを有す
    る回復系ポンプとを備え、 前記ピストン軸は、前記係合部と該係合部を除いたピス
    トン軸本体とが型成形による樹脂材料で個別に形成され
    たものであって、前記弁部の前記ピストンを押圧する面
    にはパーティングラインがないことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 被記録媒体にインクを吐出口から吐出す
    ることにより記録を行なう記録ヘッドと、 ヘッド回復処理により前記記録ヘッドの吐出口から排出
    された廃インクを受けるためのキャップと、 前記廃インクを貯留するための貯留部材と、 前記キャップと前記貯留部材との間に介装された、前記
    キャップに排出された廃インクを吸引して前記貯留部材
    へ排出するための、廃インク流路溝が形成された弁部を
    有するピストン軸とシリンダと弾性材料で形成されたピ
    ストンとを有する回復系ポンプとを備え、 前記ピストン軸は型成形による樹脂材料で形成されたも
    のであって、前記弁部の前記ピストンを押圧する面には
    パーティングラインがなく、前記ピストンは一端に大径
    孔を、他端に小径孔をそれぞれ有する上、前記弁部の幅
    よりも大きな幅の中空部を有し、前記ピストンの中空部
    には、ピストン軸の弁部が前記大径孔より挿入されてい
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 記録ヘッドは、被記録媒体の記録領域の
    全幅にわたって吐出口が形成されているフルラインタイ
    プのものである請求項1または2のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 記録ヘッドは、熱エネルギーを利用して
    インクを吐出するものであって、該熱エネルギーを発生
    するための電気熱変換体を備えたものとした請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装
    置。
JP12701292A 1992-05-20 1992-05-20 インクジェット記録装置 Pending JPH05318717A (ja)

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