JP2798616B2 - パチンコ機の前枠ヒンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はパチンコ機の前枠ヒンジ
に関するものであり、より詳しくは前枠への組付けが容
易であり、前枠を簡易かつ確実に外枠に取付けることが
可能なパチンコ機の前枠ヒンジに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本願出願人は、パチンコ機において取付
ピンが不意に前枠内部へ退行して前枠が外枠から脱落す
ることを防止し、前枠を簡易かつ確実に外枠に取付ける
ことが可能なパチンコ機の前枠ヒンジ構造を提供するべ
く、以下の技術内容に関し特許出願を行った。すなわ
ち、前枠の上端部および／または下端部に取付けられ、
外枠ヒンジと係合することによって前枠を外枠に取付け
るためのパチンコ機の前枠ヒンジ構造であって、前記前
枠ヒンジ構造は、前記前枠の内部に設けられた取付ピン
と、前記取付ピンの一方の端部が前記前枠から上下方向
に突出し得るように前記取付ピンを付勢しつつ前記取付
ピンを上下方向に可動状態にて支持することが可能な取
付ピン支持手段と、前記前枠から突出した前記取付ピン
を前記前枠方向に退行させることが可能な取付ピン退行
手段とから構成され、前記取付ピン支持手段または前記
取付ピン退行手段には、前記取付ピンが上下方向に突出
した状態にて前記取付ピンの前記前枠方向への退行を阻
止することが可能なロック機構が設けられていることを
特徴とするパチンコ機の前枠ヒンジ構造に関する出願で
ある。これは、従来のパチンコ機の前枠ヒンジ構造にお
いて、取付ピンは支持手段によって上下方向に可動状態
にて支持されているため、前枠が外枠に取付けられた状
態において、不意に取付ピンが前枠の内部に退行してし
まい前枠が外枠から脱落するおそれがあるという問題点
を解決するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願出
願人が行ったパチンコ機の前枠ヒンジ構造においては、
前枠に対して取付ピン、取付ピン支持手段および取付ピ
ン退行手段をそれぞれ組み込むことにより前枠のヒンジ
構造を構成しているため、前枠ヒンジの組付け時の作業
性が悪いといった問題点がある。そこで、本発明の目的
は、前枠への組付けが容易であり、前枠を簡易かつ確実
に外枠に取付けることが可能なパチンコ機の前枠ヒンジ
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、請求項１の発明は、前枠の上端部および／また
は下端部に取付けられ、外枠ヒンジと係合することによ
って前記前枠を外枠に取付けるためのパチンコ機の前枠
ヒンジであって、前記前枠ヒンジは、前記前枠に固定可
能な基体と、取付ピン支持手段とからなり、前記取付ピ
ン支持手段は、前記基体に上下動可能に配置されかつ取
付ピンを一体状に有する支持部材と、前記取付ピンの端
部が前記基体から上下方向に突出するように前記支持部
材とともに前記取付ピンを付勢する支持ばねと、前記支
持部材に一体状に設けられかつ前記基体から突出した前
記取付ピンを前記基体内部方向へと退行させることが可
能な取付ピン退行レバーと、前記取付ピン退行レバーに
設けられかつ前記取付ピンが上下方向に突出した状態に
て前記取付ピンが前記基体内部方向に退行することを阻
止するロック位置と前記取付ピンが前記基体内部方向に
退行することを許容するロック解除位置とに配置切り換
えされるロック部材と、を備え、前記前枠ヒンジが一体
的なユニット構造をなしている。

【０００５】

【作用】請求項１の発明によれば、前枠を外枠に取付け
る際に、取付ピン支持手段の支持ばねの付勢作用によっ
て取付ピンが前枠から上下方向に突出した際に、取付ピ
ンはロック位置に配置されたロック部材によってロック
され、取付ピンが前枠方向に退行することが阻止され
る。かかる前枠ヒンジは一体的なユニット構造として構
成されており、前枠への組付け作業が容易である。

【０００６】

【実施例】以下、実施例として、本発明に係る前枠ヒン
ジ３０を用いたパチンコ機１について図面に基づいて説
明する。図７に示すように、本実施例のパチンコ機１
は、前枠１０、外枠２０とを主体として構成されてい
る。そして、本実施例における前枠ヒンジ３０は、前枠
１０の上端隅部に設けられており、外枠２０の上端隅部
に設けられた外枠ヒンジ７０と係合することにより、前
枠１０は外枠２０に取付けられるものである。また、前
枠１０の下端隅部には通常のヒンジ、すなわち、前枠ヒ
ンジに設けられた可動し得ない取付ピンを外枠ヒンジに
形成されたヒンジ孔に嵌合させる構造のものが用いられ
ており、特に図示しない。なお、前枠１０の下端隅部に
も本実施例の前枠ヒンジ３０を用いてもよい。

【０００７】なお、特に図示はしないが、前枠１０の上
端隅部には、前枠ヒンジ３０を収納するための空洞部が
形成されている。

【０００８】前枠ヒンジ３０は、図１乃至図３に示すよ
うに、基体３１と支持部材４５と取付ピン退行レバ−４
９とロック６１とを主体として構成される。

【０００９】基体３１は、後述する支持部材４５を設置
するための部材であり、図１乃至図３に示すように、直
角状に折曲された板状体にて形成されるとともに、基片
部には取付ネジ３３にて前枠１０に前枠ヒンジ３０を螺
着固定するための取付孔３７が適宜穿設されている。ま
た、図５に示すように、基体３１の上面側には、取付ピ
ン４７を嵌入し取付けるための取付ピン用孔４３が穿設
されており、また取付ピン用孔４３の下部には、取付ピ
ン４７を上下方向に可動状態とするためのボス４１が形
成されている。なお、取付ピン用孔４３の穿設位置は特
に限定されず、基体３１の上面の外周近傍あるいは上面
中央いずれの位置であってもよい。また、基体３１の前
面側には、取付ピン４７と一体的に上下動を行う支持部
材４５の可動範囲に対応して、支持部材４５の上下動を
許容するための支持部材移動孔３９が穿設されている。
また、図２および図３に示すように、基体３１の下部に
は、支持バネ５５の下端部を適宜支持し得るように支持
バネ取付用のブラケット５１ａが形成されている。

【００１０】支持部材４５は、図１乃至図３および図５
に示すように、取付ピン４７と、支持バネ取付部５１と
を有し、前述の支持部材移動孔３９内を上下動可能に、
かつ取付ピン４７がボス４１を介して取付ピン用孔４３
を上下動可能となるように基体３１に対して設置されて
いる。また、支持部材４５の一端側は、取付ピン退行レ
バ−４９に連結されている。

【００１１】取付ピン４７は、後述する外枠ヒンジ７０
の前枠取付部７３に穿設された取付ピン係合孔７５に挿
通されることにより前枠ヒンジ３０と外枠ヒンジ７０と
を係合させ、前枠１０を外枠２０に取付けるための部材
であり（図６および図７参照）、支持部材４５表面から
上方に突出して形成されている。また、取付ピン４７の
上端部には、取付ピン４７を取付ピン係合孔７５へ容易
に挿通するために、テ−パ−部５３が形成されている。

【００１２】また、支持バネ５５は、支持部材４５およ
び支持部材４５に形成された取付ピン４７を上下動可能
に支持するための部材である。すなわち、支持バネ５５
は、支持部材４５の略中央下面に形成された支持バネ取
付部５１と、基体３１の下部に形成されたブラケット５
１ａ（図２、図３参照）との間に取付けられ、支持部材
４５を支持するとともに上方に付勢する部材である。

【００１３】取付ピン退行レバ−４９は、図４に示すよ
うに、取付ピン係合孔７５に挿通されて前枠１０から上
方に突出した取付ピン４７を退行させることによって、
前枠ヒンジ３０と外枠ヒンジ７０との係合を解除するた
めの部材である。取付ピン退行レバ−４９は、図１乃至
図３および図５に示すように、略コ字状の板状体として
形成され、その上縁部にて支持部材４５に連結されて支
持部材４５と一体化されている。また、図５に示すよう
に、取付ピン退行レバ−４９の側縁部には、ロック６１
を取付けるための支軸取付孔６５が穿設されるととも
に、取付ピン４７をロックした際にロック６１が不意に
解除されるのを防止するためのストッパ−孔８１が形成
されている。

【００１４】ロック６１は、取付ピン４７が前枠１０か
ら突出した状態にて取付ピン４７の退行を阻止するため
に、取付ピン４７をロックし、また、必要時には取付ピ
ン４７のロックを解除する部材であり、図５に示すよう
に、板状体を弓状に撓ませた形状に形成されている。そ
して、板状体の下部を係合レバ−６２とし、上部を係合
解除レバ−６９としている。また、ロック６１の中央部
両側面には、ロック６１を取付ピン退行レバ−４９の側
縁部に取付けるための支軸６３が設けられている。ま
た、係合レバ−６２の片側の側面部には、ロック６１が
不意に解除されるのを防止するためのストッパ−８０が
突出状に形成されている。

【００１５】しかして、前枠ヒンジ３０が構成される。
すなわち、図１乃至図３に示すように、支持部材４５は
前枠１０の空洞部（図示しない）内にて上下方向に可動
とされるとともに、通常は支持バネ５５によって付勢さ
れ、図６に示すように、取付ピン４７が前枠１０から突
出した状態とされる。

【００１６】次に、外枠ヒンジ７０について説明する。
外枠ヒンジ７０は、図６に示すように、外枠２０の上端
隅部に設けられており、枠体７１と、枠体７１から前枠
１０方向に突出して形成された前枠取付部７３とからな
る。枠体７１は、図６乃至図７に示すように、外枠ヒン
ジ７０を外枠２０に取付けるための部材であり、外枠２
０の上端隅部に取付ネジ７７によって螺着固定される。
また、前枠取付部７３は、取付ピン４７と係合して前枠
１０を外枠２０に取付けるための部材であり、前枠取付
部７３の略中央には取付ピン４７が嵌入し係合するため
の取付ピン係合孔７５が穿設されている。

【００１７】次に、前枠１０の外枠２０への取付を行
う。すなわち図６に示すように、前枠１０を外枠２０に
対向させ、取付ピン４７を前枠取付部７３に当接させ
る。そして、取付ピン４７は、テ−パ−部５３の作用に
よって前枠取付部７３に押されて下降し（図４参照）、
取付ピン係合孔７５の位置に達した時に支持バネ５５の
付勢作用によって突出し、取付ピン４７は取付ピン係合
孔７５に嵌入し係合されるのである。これによって、図
７に示すように、前枠１０は外枠２０に取付けられ、本
実施例のパチンコ機１が形成されるものである。なお、
パチンコ機１には、例えば中間枠、機構板、遊戯板等が
付設されるが、本実施例においてはその説明は省略す
る。

【００１８】次に、本実施例における、取付ピンのロッ
クおよびロック解除の作用について説明する。前枠１０
を外枠２０に取付けた状態においては、図７に示すよう
に、取付ピン４７は外枠ヒンジ７０の取付ピン係合孔７
５に係合している。この時、支持バネ５５の付勢作用に
より、支持部材４５、取付ピン退行レバ−４９、ロック
６１は取付ピン４７に対応して上限に位置し、また、ロ
ック６１のうち係合レバ−６２に形成された係合突起６
７は、前枠ヒンジ３０の基体３１に穿設された支持部材
移動孔３９と対面することとなる。しかして、例えば指
などによって係合レバ−６２を押し、図３に示すよう
に、係合突起６７を支持部材移動孔３９に係合させる。
これによって、支持部材４５、取付ピン退行レバ−４
９、ロック６１は一体的に上下動を阻止され、これによ
り取付ピン４７の前枠１０方向への退行が阻止され、取
付ピン４７はロックされることとなる。また、この時上
述したストッパ−８０がストッパ−孔８１に係合するた
め、ロック６１が不意に解除されてしまうことが効果的
に防止されることとなる。

【００１９】次に、例えば前枠１０を外枠２０から取り
外すような場合には、図４に示すように、例えば指など
によってロック６１のうち係合解除レバ−６９を押す。
そして、支軸６３を中心とするロック６１の回転作用に
よって係合突起６７の支持部材移動孔３９への係合を解
除させるのである。これによって、取付ピン４７のロッ
クは解除され、取付ピン退行レバ−４９を下降させるこ
とにより、取付ピン４７は容易に前枠１０方向に退行可
能となる（図４参照）。そして、取付ピン４７と取付ピ
ン係合孔７５との係合を解除し、前枠１０を外枠２０か
ら取り外すことが可能となる。

【００２０】なお、本実施例の前枠ヒンジ３０および、
これに対応する外枠ヒンジ７０は、前枠１０および外枠
２０の上端隅部のみに用いたが、例えばこれを前枠１０
および外枠２０の下端隅部のみに、或いは、上端隅部お
よび下端隅部の両方に用いても良い。

【００２１】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、基体、支持部
材、取付ピン、取付ピン退行レバ−およびロック部材が
一体化された一体的なユニット構造をなす前枠ヒンジを
用いて前枠への組付けを容易に行い得るため、前枠を簡
易かつ確実に外枠に取付けることが可能なパチンコ機の
前枠ヒンジが提供されることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の前枠ヒンジの構造を示す正面図であ
る。

【図２】同じく、本実施例の前枠ヒンジの構造を示す背
面図である。

【図３】同じく、本実施例の前枠ヒンジの構造を示すＡ
視図である。

【図４】図３において、取付ピンのロックを解除し、取
付ピンを退行させた構造を示す図である。

【図５】本実施例の前枠ヒンジの構造を示す斜視図であ
る。

【図６】本実施例における前枠と外枠の取付状態を示す
斜視図である。

【図７】同じく、本実施例における前枠と外枠の取付状
態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ パチンコ機 １０ 前枠 ２０ 外枠 ３０ 前枠ヒンジ ３１ 基体 ４５ 支持部材 ４７ 取付ピン ４９ 取付ピン退行レバ− ５５ 支持バネ ６１ ロック ６２ 係合レバ− ６７ 係合突起 ６９ 係合解除レバ− ７０ 外枠ヒンジ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前枠の上端部および／または下端部に取
   付けられ、外枠ヒンジと係合することによって前記前枠
   を外枠に取付けるためのパチンコ機の前枠ヒンジであっ
   て、 前記前枠ヒンジは、前記前枠に固定可能な基体と、取付
   ピン支持手段とからなり、 前記取付ピン支持手段は、前記基体に上下動可能に配置
   されかつ取付ピンを一体状に有する支持部材と、 前記取付ピンの端部が前記基体から上下方向に突出する
   ように前記支持部材とともに前記取付ピンを付勢する支
   持ばねと、 前記支持部材に一体状に設けられかつ前記基体から突出
   した前記取付ピンを前記基体内部方向へと退行させるこ
   とが可能な取付ピン退行レバーと、 前記取付ピン退行レバーに設けられかつ前記取付ピンが
   上下方向に突出した状態にて前記取付ピンが前記基体内
   部方向に退行することを阻止するロック位置と前記取付
   ピンが前記基体内部方向に退行することを許容するロッ
   ク解除位置とに配置切り換えされるロック部材と、 を備え、前記前枠ヒンジが一体的なユニット構造をなし
   ている パチンコ機の前枠ヒンジ。