JP4105490B2 - パチンコ機のヒンジ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、扉の上隅部に固定される構造で、その扉の回転中心となるヒンジピンを有するヒンジ片と、前記扉を支持する支持枠の上隅部に固定される構造で、前記ヒンジ片のヒンジピンの上端部を回転可能に支持するヒンジ受け片とを備えるパチンコ機のヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機のヒンジ装置は、一般的に、図7の斜視図に示すように構成されている。
即ち、ヒンジ装置80は、遊戯盤等が取付けられる表枠2の左上隅部と左下隅部とにそれぞれ固定される上部ヒンジ片83、下部ヒンジ片85と、略方形枠状に形成されてパチンコ機の本体ケースとなる機台枠3の左上隅部と左下隅部とにそれぞれ固定される上部ヒンジ受け片82、下部ヒンジ受け片84とを備えている。
【0003】
上部ヒンジ片83の先端部には下向きにヒンジピン83pが形成されており、上部ヒンジ受け片82の先端にはそのヒンジピン83pが挿入される貫通孔82kが形成されている。また、下部ヒンジ片85の先端部には貫通孔85kが形成されており、下部ヒンジ受け片84の先端にその貫通孔85kに挿入されるヒンジピン84pが上向きに形成されている。
このため、表枠2を持ち上げて下部ヒンジ片85の貫通孔85kに機台枠3の下部ヒンジ受け片84のヒンジピン84pを通し、同時に上部ヒンジ片83のヒンジピン83pを上部ヒンジ受け片82の貫通孔82kに通すことにより、機台枠3に対して表枠2を回動可能に組付けることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したパチンコ機のヒンジ装置80によると、重量の大きな表枠2を持ち上げた状態で、ヒンジ片83,85とヒンジ受け片82,84との位置合わせを上下同時に行なわなければならないため、機台枠3に対する表枠2の組付け作業に手間が掛かるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、組付け作業を容易に行なえるヒンジ装置を提供するとともに、組付けが容易であっても不正に組付け解除が行なえない構成のヒンジ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、扉の上隅部に固定される構造で、その扉の回転中心となるヒンジピンを有するヒンジ片と、前記扉を支持する支持枠の上隅部に固定される構造で、前記ヒンジ片のヒンジピンの上端部を回転可能に支持するヒンジ受け片とを備えるパチンコ機のヒンジ装置であって、前記ヒンジ受け片は、前記ヒンジピンをそのヒンジピンの半径方向から嵌め込むことが可能な構造で、前記ヒンジピンを回転可能に支持できる円弧部を備える切欠きと、前記切欠きの円弧部に嵌め込まれたヒンジピンの頭部に掛けられ、その切欠きからの前記ヒンジピンの外れ防止を図る係合部材とを有しており、前記係合部材は、前記支持枠に対して閉じられた扉の内面によって、前記ヒンジピンの頭部から外れる方向の移動が禁止される構成であることを特徴とする。
【0006】
本発明によると、支持枠の上隅部に固定されたヒンジ受け片の切欠きに対して扉の上隅部に固定されたヒンジ片のヒンジピンをそのヒンジピンの半径方向から嵌め込むことができるため、支持枠の下隅部のヒンジ受け片と扉の下隅部のヒンジ片との連結を行なった後で、その上隅部のヒンジ受け片とヒンジ片との連結を行なうことができる。このため、上下のヒンジ受け片とヒンジ片との位置合わせを同時に行なう必要がなくなり、支持枠に対する扉の組付け作業が容易になる。
また、係合部材は、支持枠に対して閉じられた扉の内面によって、前記ヒンジピンの頭部から外れる方向の移動が禁止される。このため、支持枠に対して扉が閉じられていれば、ヒンジ片のヒンジピンがヒンジ受け片の切欠きから不正に外されることがない。
【0007】
請求項2の発明では、係合部材は、ヒンジ受け片に取付けられた支持軸が通される軸受けと、先端部分に形成されており、ヒンジピンの頭部に上方から掛けられる爪と、基端部に形成された操作用レバーとを有し、支持枠に固定されたヒンジ受け片に対して上下方向に回動可能な構成であり、前記係合部材の爪を前記ヒンジピンの頭部から外そうとして、その係合部材を上方に移動させると、前記操作用レバーが下前方に移動して閉状態の扉の内面に当接し、前記爪の移動が禁止される。
【0008】
このため、例えば、特殊工具を使用して係合部材の爪を上方に押上げ、ヒンジ片とヒンジ受け片との連結を不正に解除しようとしても、その係合部材の操作用レバーと扉の内面とによって不正行為を確実に防止できる。なお、扉が開かれた状態では、操作用レバーを引くことで係合部材の爪をヒンジピンの頭部から容易に外すことができる。
また、請求項3のように、係合部材を、弾性力により、爪がヒンジピンの頭部に掛けられる位置に保持する構造が好ましい。
【0009】
また、請求項4の発明によると、ヒンジピンの頭部には円錐面が形成されており、係合部材の爪の外側には前記円錐面とほぼ等しい傾きの傾斜面が形成されており、前記ヒンジピンがそのヒンジピンの半径方向からヒンジ受け片の切欠きに嵌め込まれる際に、そのヒンジピンの頭部の円錐面が前記係合部材の傾斜面を押圧することでその係合部材の爪が弾性力に抗して押上げられ、前記円錐面が傾斜面から外れて前記ヒンジピンが前記切欠きの円弧部に嵌め込まれた段階で、前記係合部材の爪が弾性力で前記ヒンジピンの頭部に掛けられる。
このため、ヒンジ受け片の切欠きに対するヒンジ片のヒンジピンの嵌め込みをワンタッチで行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図6に基づいて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機のヒンジ装置の説明を行う。ここで、図1は本実施形態に係るパチンコ機のヒンジ装置の分解斜視図、図2〜図4はヒンジ装置の連結手順を表す斜視図、図5は機台枠に対して表枠が閉じられた状態のヒンジ装置の側面図、図6は機台枠に対して表枠が開かれた状態のヒンジ装置の側面図である。
なお、機台枠及び表枠の左右方向をX方向、前後方向をY方向及び高さ方向をZ方向として以下の説明を行なう。
【0011】
本実施形態に係るパチンコ機のヒンジ装置10は、パチンコ機の本体ケースとなる略方形枠状の機台枠3に対して遊戯盤等が取付けられる表枠2を回動可能に組付ける装置である。
ヒンジ装置10は、表枠2の左上隅部に固定される上部ヒンジ片20(図2等参照)と左下隅部に固定される下部ヒンジ片85(図7参照)、及び機台枠3の左上隅部に固定される上部ヒンジ受け片30(図2等参照)と左下隅部に固定される下部ヒンジ受け片84(図7参照)とから構成されている。ここで、表枠2の下部ヒンジ片85と機台枠3の下部ヒンジ受け片84とは、図7に示す従来の下部ヒンジ片85及び下部ヒンジ受け片84と等しい構造のため、説明を省略する。即ち、機台枠3が本発明の支持枠に相当し、表枠2が本発明の扉に相当する。
【0012】
表枠2の左上隅部に固定される上部ヒンジ片20は、図1(A)に示すように、表枠2の前面に対して面接触状態でほぼ水平に取付けられる略長方形の取付板22と、その取付板22に対して直角に折り曲げられて、その表枠2の前方に突出する支持板24とを有している。支持板24は、取付板22の上側でその取付板22の中央より左側に位置しており、略U字形に成形されている。そして、支持板24の先端部分にヒンジピン26が取付けられるピン孔25が形成されている。また、取付板22には、上部ヒンジ片20をリベット等で表枠2に固定する際に使用される複数の貫通孔22kが形成されている。
【0013】
ヒンジピン26は、表枠2の回転中心となるピンであり、ピン本体26mと、ピン本体26mの上寄りに形成された大径部26rと、ピン本体26mの上端部に形成された略円錐台形の頭部26hとから構成されている。ヒンジピン26は大径部26rが支持板24のピン孔25に嵌め込まれ、その位置で例えばカシメられることにより、その支持板24に固定される。
【0014】
機台枠3の左上隅部に固定される上部ヒンジ受け片30は、図1(A)に示すように、互いに直角に形成された横平板32と縦平板33とを備えており、両平板32,33の幅寸法(X方向寸法、Z方向寸法)が上部ヒンジ片20の取付板22の長さ寸法にほぼ等しく設定されている。また、横平板32と縦平板33との奥行き寸法(Y方向寸法)が機台枠3の奥行き寸法L(厚み寸法L)にほぼ等しく設定されている。また、横平板32及び縦平板33には、上部ヒンジ受け片30を機台枠3に固定する際に使用される複数のネジ孔39等が形成されている。
【0015】
横平板32の中央より左側には、機台枠3の前方に突出する受け部32uがその横平板32と同一面上に形成されている。受け部32uは、上部ヒンジ片20の支持板24と平面視において同一形状に成形されている。
受け部32uのほぼ中央部分は、横平板32との境界部分からその受け部32uの先端にかけて略長方形状に切欠かれており、その切欠き部分32cの左右両側に一定高さ寸法の縦壁34が垂下されている。さらに、左右の縦壁34の下端は連結板35によって互いに連結されている。
このため、切欠き部分32cと左右の縦壁34及び連結板35とによって、受け部32uのほぼ中央部分には溝状の空間が形成される。また、横平板32と受け部32uとの境界部分の下側には、左右の縦壁34と連結板35とによって区画される開口32xが形成されている。
【0016】
連結板35には、上部ヒンジ片20のヒンジピン26をそのヒンジピン26の半径方向から嵌め込むことが可能なピン用切欠き36が形成されている。ピン用切欠き36は、図1(B)に示すように、連結板35の先端からほぼ中央部にかけて形成されている。即ち、ピン用切欠き36は、先端の拡開部36wと、ヒンジピン26のピン本体26mの外径寸法とほぼ等しい幅寸法を有するスリット状の導入部36dと、ピン本体26mが嵌合する円弧部36eとから構成されている。
そして、ヒンジピン26のピン本体26m(頭部26hと大径部26rとの間)がピン用切欠き36の円弧部36eと嵌合し、そのヒンジピン26の略円錐台形の頭部26hが連結板35によって下方から支持されることにより、上部ヒンジ片20は上部ヒンジ受け片30によって回動可能に支持される。
【0017】
ここで、上部ヒンジ受け片30の受け部32uに対する円弧部36eの位置は、上部ヒンジ片20の支持板24に対するピン孔25の位置に等しく設定されている。このため、上部ヒンジ片20のヒンジピン26を上部ヒンジ受け片30の円弧部36eに嵌め込み、機台枠3に対して表枠2が閉じた状態で、上部ヒンジ片20の支持板24と上部ヒンジ受け片30の受け部32uとは完全に重複するようになる。また、受け部32uの周縁には、連結板35の部分を除いて、縦壁34とほぼ等しい高さ寸法の補強用縦壁37が垂下されており、その補強用縦壁37の先端が縦壁34の先端に接続されている。さらに、左側の補強用縦壁37の基端部が縦平板33に接続されている。
【0018】
上部ヒンジ受け片30の受け部32uにおける左右の縦壁34と連結板35とによって形成される溝状の空間には、係合部材40が上下回動可能な状態で取付けられている。係合部材40は、前述のようにピン用切欠き36の円弧部36eに嵌め込まれたヒンジピン26の頭部26hに掛けられることで、そのヒンジピン26がピン用切欠き36から外れるのを防止する働きをする。係合部材40は、図5等に示すように、先端寄りにその係合部材40の回動中心となる軸受け部42が形成されており、その軸受け部42に、図1(A)に示すように、連結ピン41が通されている。連結ピン41は、その両端部が左右の縦壁34に形成された取付け孔34tと左側の補強用縦壁37に形成された取付け孔37tとに固定されており、連結板35とほぼ平行に位置決めされている。
即ち、連結ピン41が本発明の支持軸に相当する。
【0019】
係合部材40の軸受け部42のほぼ真上位置から先端にかけては、連結板35とほぼ等しい幅寸法及び長さ寸法の上板部43が形成されている。上板部43の先端は下方内側に折り返されており、傾斜板部44が形成されている。さらに、傾斜板部44の先端が上板部43とほぼ平行になるまで折り返されて爪45が形成されている。爪45は平面円弧形の切欠き部(図示されていない)を有しており、その切欠き部がヒンジピン26のピン本体26mと嵌合可能に形成されている。
【0020】
係合部材40は、爪45の下面が連結板35の上面に当接する位置まで図5等において右回動が可能であり、右回動限界位置(図5、図6参照)でその爪45がピン用切欠き36に嵌め込まれたヒンジピン26の頭部26hに掛けられるとともに、爪45の切欠き部がヒンジピン26のピン本体26mと嵌合する。この状態で、爪45の切欠き部とピン用切欠き36の円弧部36eとは円周方向においてほぼ円状に連続する。したがって、ヒンジピン26は、爪45の切欠き部とピン用切欠き36の円弧部36eとの働きで軸回りにスムーズに回転可能になるとともに、ヒンジピン26の頭部26hが連結板35及び爪45によって下方から支持される。
【0021】
また、係合部材40が右回動限界位置にあるときに、その係合部材40の上板部43は受け部32uの上面とはほぼ同一面上に保持される。さらに、係合部材40の傾斜板部44はヒンジピン26の頭部26hの外周面(円錐面)とほぼ平行になる。したがって、後記するように、ヒンジピン26を連結板35のピン用切欠き36に嵌合させる際に、ヒンジピン26の頭部26hの円錐面で係合部材40の傾斜板部44の表面を押圧することにより、係合部材40の爪45を前記円錐面で押上げることが可能になる。即ち、傾斜板部44の表面が本発明の傾斜面に相当する。
【0022】
係合部材40の軸受け部42に通された連結ピン41の回りには、図1(A)に示すように、その係合部材40を図において右回動させるように付勢されたコイルバネ47が装着されている。即ち、係合部材40の爪45は、コイルバネ47のバネ力により、ヒンジピン26の頭部26hと係合する位置(右回動限界位置)に保持される。
また、係合部材40をコイルバネ47のバネ力に抗して、図1(A)において左回動させることにより、その係合部材40の爪45とヒンジピン26の頭部26hとの係合を解除することができる。
【0023】
係合部材40には、軸受け部42の後方に操作用レバー48が設けられている。操作用レバー48は、係合部材40をコイルバネ47のバネ力に抗し、図5、図6等において、左回動させる際に使用するレバーである。また、操作用レバー48は、機台枠3に対して表枠2が閉じられた状態で、係合部材40の爪45がヒンジピン26の頭部26hから不正に外されるのを防止する機能も有している。
【0024】
操作用レバー48は、横レバー48fと縦レバー48sとにより側面略横L字形に形成されており、その横レバー48fが上板部43よりも若干低い位置で、その上板部43と平行に形成されている。そして、横レバー48fが、図6等に示すように、横平板32の内側に配置されるとともに、その横レバー48fの先端が開口32xに通され、段差48dを介して上板部43に接続されている。このため、係合部材40がコイルバネ47のバネ力で爪45とヒンジピン26との係合位置(右回動限界位置)に保持されている状態で、横レバー48fは横平板32の下面にほぼ当接するようになる。
【0025】
操作用レバー48の縦レバー48sは、図5に示すように、機台枠3に対して表枠2は閉じられた状態で、その表枠2の裏面にほぼ当接する位置に保持されている。このため、図5において、例えば、特殊工具を使用し、係合部材40の爪45を押上げようとしても、その係合部材40が左回動を開始した時点で操作用レバー48の縦レバー48sが下前方に傾斜して表枠2の裏面に当接するため、係合部材40の左回動が禁止される。
【0026】
次に、本実施形態に係るパチンコ機のヒンジ装置10を使用して機台枠3に対する表枠2の組付け等について説明する。
機台枠3に対して表枠2を組付ける場合には、先ず、図7の下半分に示すように、表枠2を持ち上げて、機台枠3の下部ヒンジ受け片84のヒンジピン84pをその表枠2の下部ヒンジ片85の貫通孔85kに挿入する。これによって、下部ヒンジ片85と下部ヒンジ受け片84との連結が終了する。
【0027】
次に、図2に示すように、機台枠3に対して表枠2をほぼ直角に保持した状態で、表枠2の上部ヒンジ片20のヒンジピン26を機台枠3の上部ヒンジ受け片30のピン用切欠き36の方向に移動させる。そして、図3に示すように、ヒンジピン26の頭部26hの外周面(円錐面)を係合部材40の傾斜板部44の表面に当接させた状態で、そのヒンジピン26のピン本体26m(頭部26hと大径部26r間)を半径方向からピン用切欠き36に押込む。これによって、ヒンジピン26の頭部26hの円錐面と係合部材40の傾斜板部44の表面との摺動作用により、その係合部材40がコイルバネ47のバネ力に抗し、図6において、左回動する。
【0028】
そして、ヒンジピン26の頭部26hが係合部材40の傾斜板部44から外れ、ヒンジピン26のピン本体26mがピン用切欠き36の円弧部36e(図1(B)参照)に嵌合した段階で、係合部材40がコイルバネ47のバネ力で右回動する。これによって、図4、図6に示すように、係合部材40の爪45がヒンジピン26の頭部26hに掛けられ、上部ヒンジ片20と上部ヒンジ受け片30との連結が終了する。
【0029】
このようにして、下部ヒンジ片85と下部ヒンジ受け片84及び上部ヒンジ片20と上部ヒンジ受け片30との連結が終了すると、表枠2は機台枠3に対してヒンジピン84p,26を中心に回動可能となる。機台枠3に対して表枠2が閉じられると、図5に示すように、係合部材40おける操作用レバー48の縦レバー48sがその表枠2の裏面にほぼ当接する位置に保持される。このため、例えば、特殊工具を使用し、係合部材40の爪45を押上げようとしても、その係合部材40が左回動を開始した時点で操作用レバー48の縦レバー48sが表枠2の裏面に当接し、係合部材40の左回動が禁止される。したがって、機台枠3に対して表枠2が閉じられていれば、上部ヒンジ片20のヒンジピン26が上部ヒンジ受け片30のピン用切欠き36から不正に外されることがない。
【0030】
次に、機台枠3から表枠2を外す手順を説明する。
先ず、機台枠3に対して表枠2を約90°開く(図6参照)。次に、この状態で、操作用レバー48を手前に引いて係合部材40を図中左回動させる。これによって、係合部材40の爪45が上方に移動し、その爪45とヒンジピン26の頭部26hとの係合が解除される。この状態で、ヒンジピン26をピン用切欠き36から引き抜くことにより、上部ヒンジ片20と上部ヒンジ受け片30との連結を解除することができる。
次に、表枠2を持ち上げて、下部ヒンジ受け片84のヒンジピン84pを下部ヒンジ片85の貫通孔85kから引き抜くことにより、下部ヒンジ片85と下部ヒンジ受け片84との連結を解除できる。
【0031】
このように、本実施形態に係るパチンコ機のヒンジ装置10によると、機台枠3に対して表枠2を組付ける際に、上下のヒンジ受け片30,84とヒンジ片20,85との位置合わせを同時に行なう必要がなくなり、前記組付け作業が容易になる。
また、係合部材40は、機台枠3に対して閉じられた表枠2の内面によって、ヒンジピン26の頭部26hから外れる方向の移動が禁止される。このため、機台枠3に対して表枠2が閉じられていれば、上部ヒンジ片20のヒンジピン26が上部ヒンジ受け片30のピン用切欠き36から不正に外されることがない。
【0032】
なお、本実施形態では、機台枠3に対して表枠2を回動可能に組付けるヒンジ装置10を例に説明を行なったが、このヒンジ装置10の構造を表枠に対してガラス枠等を回動可能に組付けるヒンジ装置に応用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、上下のヒンジ片とヒンジ受け片とを同時に連結させる場合と比較して、支持枠に対する扉の組付け作業を容易に行なうことができる。また、支持枠に対して扉が閉じられた状態で、ヒンジ受け片の切欠きからヒンジ片のヒンジピンが不正に外されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るパチンコ機のヒンジ装置の分解斜視図(A図)、及びピン用切欠きを表す平面図(A図のB部拡大図、B図)である。
【図2】前記ヒンジ装置の連結手順を表す斜視図である。
【図3】前記ヒンジ装置の連結手順を表す斜視図である。
【図4】前記ヒンジ装置の連結手順を表す斜視図である。
【図5】機台枠に対して表枠が閉じられた状態におけるヒンジ装置の側面図である。
【図6】機台枠に対して表枠が開かれた状態におけるヒンジ装置の側面図である。
【図7】従来のパチンコ機のヒンジ装置を表す斜視図である。
【符号の説明】
2 表枠(扉)
3 機台枠(支持枠)
20 上部ヒンジ片
26 ヒンジピン
26h 頭部
26m ピン本体
30 上部ヒンジ受け片
36 ピン用切欠き(切欠き)
36e 円弧部
40 係合部材
41 連結ピン(支持軸)
44 傾斜板部(傾斜面)
45 爪
47 コイルバネ
48 操作用レバー
Claims (4)
- 扉の上隅部に固定される構造で、その扉の回転中心となるヒンジピンを有するヒンジ片と、前記扉を支持する支持枠の上隅部に固定される構造で、前記ヒンジ片のヒンジピンの上端部を回転可能に支持するヒンジ受け片とを備えるパチンコ機のヒンジ装置であって、
前記ヒンジ受け片は、
前記ヒンジピンをそのヒンジピンの半径方向から嵌め込むことが可能な構造で、前記ヒンジピンを回転可能に支持できる円弧部を備える切欠きと、
前記切欠きの円弧部に嵌め込まれたヒンジピンの頭部に掛けられ、その切欠きからの前記ヒンジピンの外れ防止を図る係合部材とを有しており、
前記係合部材は、前記支持枠に対して閉じられた扉の内面によって、前記ヒンジピンの頭部から外れる方向の移動が禁止される構成であることを特徴とするパチンコ機のヒンジ装置。 - 請求項1に記載のパチンコ機のヒンジ装置であって、
係合部材は、
ヒンジ受け片に取付けられた支持軸が通される軸受けと、
先端部分に形成されており、ヒンジピンの頭部に上方から掛けられる爪と、
基端部に形成された操作用レバーとを有し、
支持枠に固定されたヒンジ受け片に対して上下方向に回動可能な構成であり、前記係合部材の爪を前記ヒンジピンの頭部から外そうとして、その係合部材を上方に移動させると、前記操作用レバーが下前方に移動して閉状態の扉の内面に当接し、前記爪の移動が禁止されることを特徴とするパチンコ機のヒンジ装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のパチンコ機のヒンジ装置であって、
係合部材は、弾性力により、ヒンジピンの頭部に掛けられる位置に保持されていることを特徴とするパチンコ機のヒンジ装置。 - 請求項3に記載のパチンコ機のヒンジ装置であって、
ヒンジピンの頭部には円錐面が形成されており、
係合部材の爪の外側には前記円錐面とほぼ等しい傾きの傾斜面が形成されており、
前記ヒンジピンがそのヒンジピンの半径方向からヒンジ受け片の切欠きに嵌め込まれる際に、そのヒンジピンの頭部の円錐面が前記係合部材の傾斜面を押圧することでその係合部材の爪が弾性力に抗して押上げられ、前記円錐面が傾斜面から外れて前記ヒンジピンが前記切欠きの円弧部に嵌め込まれた段階で、前記係合部材の爪が弾性力で前記ヒンジピンの頭部に掛けられる構成であることを特徴とするパチンコ機のヒンジ装置。
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