JP2796131B2 - ホトマスクケース及びホトマスクの保管方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、ホトマスクを収納するホトマスクケース及
びホトマスクの保管方法に関する。

＜従来の技術＞ 従来のホトマスクケースを第６図及び第７図により説
明する。

第６図に示すホトマスクケース30は、マスク収納部31
と、該マスク収納部31に蝶番32を介して回動自在に設け
た蓋部33とから成る。

前記マスク収納部31にはマスク支持部34が設けられて
いる。又前記蓋部33にはマスク押え部35が設けられてい
る。更に、該蓋部33には止め具36が設けられている。

上記ホトマスクケース30では、蓋部33を開閉してホト
マスク50の出し入れが行われる。又ホトマスクケース30
に収納されたホトマスク50はマスク支持部34に支持され
る。更に蓋部33を閉じた時には、ホトマスク50がマスク
押え部35に押圧されて固定される。

更に別のホトマスクケース40としては、第７図に示す
如く、マスク収納溝41を設けたマスク収納部と蓋部43と
から成る。

上記ホトマスクケース40では、マスク収納溝41にホト
マスク50が挿入されて収納される。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかしながら、上記構成の前者のホトマスクケースで
は、平置状にする為、蓋部を開閉した時に蝶番や係合部
等が擦れてホトマスクケースの磨耗粉が発生し、ホトマ
スクケースや収納したホトマスクを汚染する。

又マスク支持部やマスク押え部等の突起部が多い為に
洗浄が容易でない。

一方後者のホトマスクケースでは、縦置状にする為広
い収納空間を必要とする。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、上記課題を解決する為に成されたもので、
収納されたマスクの清浄度を維持するとともに、広い保
管空間を必要としないホトマスクケース及びホトマスク
の保管方法を提供することを目的とする。

即ち、請求項１記載のホトマスクケースの特徴は、矩
形の枠体からなり、前記枠体の上面に上面嵌合部を有
し、かつ前記枠体の下面に下面嵌合部を有し、前記枠体
の４つの内側側面を利用してマスクを位置決めするマス
ク支持体と、前記マスク支持体の上面に設けられた前記
上面嵌合部に嵌合可能な蓋部嵌合部を有する蓋部と、前
記マスク支持体の下面に設けられた前記下面嵌合部に嵌
合可能な底部嵌合部を有する底部とから構成されている
ことにある。

請求項２に記載のホトマスクケースの特徴は、前記マ
スク支持体に、傾動部と爪部とからなり、前記マスクの
主面に垂直方向の前記マスクの固定を行うマスク固定手
段が設けられていることにある。

請求項３記載のホトマスクケースの特徴は、前記マス
ク支持体を複数有し、前記各マスク支持体は、その上面
嵌合部及び下面嵌合部に於いて、互いに対して嵌合可能
としていることにある。

請求項４に記載ホトマスクケースの特徴は、前記蓋部
又は前記底部と、前記マスク支持体とを固定するクリッ
プを有することにある。

請求項５記載のホトマスクの保管方法の特徴は、本発
明の請求項１ないし前記請求項４のうちのいずれかに記
載のホトマスクケースを用いてマスクを保管することに
ある。

＜作用＞ 請求項１記載のホトマスクケースは、マスク支持体と
蓋部と底部とから構成され、マスク支持体の上面嵌合部
と蓋部の蓋部嵌合部、マスク支持体の下面嵌合部と底部
の底部嵌合部とが嵌合されるので、 （ａ）マスク面方向の寸法が小さくなる。

（ｂ）マスク支持体と蓋部又は底部とは、それぞれの側
面同士で擦れ合うことがない為にホトマスクケースより
発塵を生じない。

（ｃ）マスク支持体と蓋部と底部とに分解される為にホ
トマスクの洗浄を容易にする。

請求項２記載のホトマスクケースは、マスク固定手段
を有するので、マスク支持体内でマスクの主面に垂直方
向にマスクが固定される。

請求項３記載のホトマスクケースは、マスク支持体を
複数有し、各マスク支持体は、その上面嵌合部及び下面
嵌合部に於いて、互いに対して嵌合可能であるので、マ
スク支持体を積み重ねて複層に設けられる為にホトマス
クケースの収納空間を小さくする。

請求項４記載のホトマスクケースは、蓋部又は底部
と、マスク支持体とを固定するクリップを有するので、
クリップにより蓋部、底部がマスク支持体に挟着され
る。

請求項５記載のホトマスクの保管方法は、請求項１〜
請求項４のうちのいずれかに記載のホトマスクケースを
用いてマスクを保管するので、マスクの保管スペースを
小さくする。またマスクは清浄に保たれる。

＜実施例＞ 本発明の実施例を第１図乃至第５図により説明する。

第１図に示すホトマスクケース１は、マスク支持体２
と蓋部３と底部４とから成る。

前記マスク支持体２は矩形の枠体で形成されている。
該マスク支持体２の内周にはマスク支持部５が設けられ
ている。又該マスク支持体２の上面には、外周に沿って
環状突部６が設けられている。この環状突部６がマスク
支持体２の上面に設けられた上面嵌合部になる。更に該
マスク支持体２の下面には、外周に沿って環状溝７が設
けられている。この環状溝７がマスク支持体２の下面に
設けられた下面嵌合部になる。更に又該マスク支持体２
の上面外周及び下面外周には鍔８及び鍔９が設けられて
いる。

該マスク支持体２の厚さｈは、ホトマスク50とペリク
ル51との厚さにより所定の厚さに設けられる。当然のこ
とながら、ペリクル51を装着しないホトマスク50を収納
する場合には、ペリクル51の厚さ分だけマスク支持体２
の厚さを薄く設けることができる。

前記蓋部３は、板状体から形成される。該蓋部３の下
面には、凹状部10が設けられるとともに、前記環状突部
６に係合（つまり嵌合）する環状溝11が外周に沿って設
けられる。又該蓋部３の下面外周には鍔12が設けられ
る。この環状溝11がマスク支持体２の上面に設けられた
環状突部６に嵌合可能な蓋部嵌合部となる。

又底部４は、板状体から形成される。該底部４の上面
には、凹状部13が設けられるとともに前記環状溝７に係
合（つまり嵌合）するもので環状突部14が外周に沿って
設けられる。又該底部４の上面外周には鍔15が設けられ
る。この環状突部14がマスク支持体２の下面に設けられ
た環状溝７に嵌合可能な底部嵌合部となる。

上記構成のホトマスクケース１にホトマスク50を収納
するには、先ずマスク支持体２のマスク支持部５にホト
マスク50を設置する。該ホトマスク50にペクリル51が装
着されている場合には、ペリクル装着面を上面又は下面
の何れに向けてもよい。そして、環状突部６に環状溝11
を係合（例えば嵌合）させてマスク支持体２に蓋部３が
静かに設置するとともに環状突部14に環状溝７を係合
（つまり嵌合）させて底部４にマスク支持体２を静かに
設置する。

上記の様に各環状突部と環状溝とを係合（つまり嵌
合）させることにより、ホトマスクケース１内に外部か
ら塵埃が侵入するのを防止する。又マスク支持体２と蓋
部３又は底部４とが互いに擦れ合うことがないので磨耗
による発塵が生じない。

更にマスク支持体2,蓋部３及び底部４に分解されるの
で洗浄が容易になる。

尚前記ホトマスク50を収納した前記ホトマスクケース
１を運搬する際には、第２図に示す如く、鍔８と鍔12,
鍔９と鍔15の夫々をクリップ16で挟着するのが好まし
い。

該クリップ16はコ字形状でかつ弾性体で形成されてい
る。そして、該クリップ16によって、蓋部３及び底部４
がマスク支持体２から外れるのを防止する。

又前記マスク支持体２には、収納したホトマスク50を
固定する為のマスク固定手段を設けることが望ましい。

第３図に該マスク固定手段17の説明図を示す。又第４
図に第３図中のＡ−Ａ線断面図を示す。

該マスク固定手段17は、傾動部18と爪部19とから成る
逆Ｌ字形状に形成されている。該傾動部18は、弾性体か
ら成り、溝20を介して、前記マスク支持体２に対して傾
動自在に設けられる。

該マスク固定手段17は、マスク支持体２の対向する２
ケ所に設けられるのが好ましい。

前記マスク固定手段17を設けたマスク支持体２にホト
マスク50を収納するには、先ず各傾動部18を傾動させ各
爪部19をマスク支持体２に対して外側方向に開く。そし
てホトマスク50をマスク支持体２に挿入し、傾動部18を
復元させて爪部19でホトマスク50を固定する。

又ホトマスク50をマスク支持体２から外すには、傾動
部18を傾動させ爪部19を開いて、ホトマスク50を取り出
す。

次に、マスク支持体２を積み重ねて複層に設けた場合
を第５図により説明する。

ホトマスクケース１は、前記第１図により説明したも
のと同様のマスク支持体2,2と蓋部３と底部４とから成
る。

前記マスク支持体２には、上面に環状突部６が設けら
れ、下面に環状溝７が設けられる。

各マスク支持体2,2は、一方の前記環状突部６に他方
の前記環状溝７が係合（つまり嵌合）されて複層に形成
される。

前記蓋部３の下面には、上層のマスク支持体の環状突
部６に係合（つまり嵌合）する環状溝11が設けられる。

又前記底部４の上面には、下層のマスク支持体２の環
状溝７に係合（つまり嵌合）する環状突部15が設けられ
る。

更に該マスク支持体２には、前記第３図及び第４図に
より説明したマスク固定手段17を設けることが望まし
い。

上記構成のホトマスクケース１にホトマスク50を収納
するには、先ずマスク支持体2,2の夫々にホトマスク50,
50を設置する。そして環状突部６に環状溝11を係合（つ
まり嵌合）させて上層のマスク支持体２に蓋部３を静か
に設置する。次に上層のマスク支持体２の環状溝７に下
層のマスク支持体２の環状突部６を係合（つまり嵌合）
させて、マスク支持体２を複層に設ける。そして、下層
のマスク支持体２の環状溝７と環状突部15を係合（つま
り嵌合）させて、底部４に該マスク支持体２を静かに設
置する。

この様にホトマスクケース１は、マスク支持体２を積
み重ねて複層に設けたので、収納空間が小さくなる。

尚該ホトマスクケース１を運搬する際には、前記第２
図により説明したクリップ16により、各マスク支持体２
同志、蓋部３とマスク支持体２、底部４とマスク支持体
２の夫々を挟着するのが好ましい。

＜発明の効果＞ 以上説明した様に、本発明の請求項１記載のホトマス
クケースによれば、マスク支持体と蓋部と底部とから構
成され、マスク支持体の上面嵌合部と蓋部の蓋部嵌合
部、マスク支持体の下面嵌合部と底部の底部嵌合部とが
嵌合されることにより、 （ｉ）マスク面方向の寸法を小さくできるので、小さい
スペースに保管することができる。

（ii）マスク支持体と蓋部又は底部とがそれぞれの側面
で擦れ合うことがない為にホトマスクケースからの発塵
がなく、収納されるマスクを清浄に保管することができ
る。

（iii）マスク支持体，蓋部及び底部に分解できるので
洗浄が容易になり、清浄度が向上できる。

請求項２記載のホトマスクケースによれば、マスク固
定手段を有することにより、マスク支持体内でマスクの
主面に垂直方向にマスクを固定することができる。

請求項３記載のホトマスクケースによれば、マスク支
持体を複数有し、各マスク支持体は、その上面嵌合部及
び下面嵌合部に於いて、互いに対して嵌合可能であるこ
とにより、マスク支持体を積み重ねて複層に設けること
ができるのでホトマスクケースの収納スペースを小さく
することができる。

請求項４記載のホトマスクケースによれば、蓋部又は
底部と、マスク支持体とを固定するクリップを有するこ
とにより、クリップにより蓋部、底部をマスク支持体に
挟着することができるので、マスク支持体に蓋部、底部
を固定することができる。

請求項５記載のホトマスクの保管方法によれば、請求
項１〜請求項４のうちのいずれかに記載のホトマスクケ
ースを用いることにより、小さいスペースにマスクを保
管することができ、また清浄に保った状態でマスクを保
管することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例を説明する縦断面図、 第２図は、クリップの説明図、 第３図は、マスク固定手段の説明図、 第４図は、第３図中のＡ−Ａ線縦断面図、 第５図は、他の実施例を説明する縦断面図、 第６図及び第７図は、従来のホトマスクケースの斜視図
である。 １……ホトマスクケース,2……マスク支持体， ３……蓋部,4……底部,5……マスク支持部， 17……マスク固定手段,18……傾動部， 19……爪部,50……ホトマスク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03F 1/08 - 1/14

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形の枠体からなり、前記枠体の上面に上
   面嵌合部を有し、かつ前記枠体の下面に下面嵌合部を有
   し、前記枠体の４つの内側側面を利用してマスクを位置
   決めするマスク支持体と、 前記マスク支持体の上面に設けられた前記上面嵌合部に
   嵌合可能な蓋部嵌合部を有する蓋部と、 前記マスク支持体の下面に設けられた前記下面嵌合部に
   嵌合可能な底部嵌合部を有する底部とを有することを特
   徴とするホトマスクケース。
2. 【請求項２】前記マスク支持体に、傾動部と爪部とから
   なり、前記マスクの主面に垂直方向の前記マスクの固定
   を行うマスク固定手段を有することを特徴とする請求項
   １記載のホトマスクケース。
3. 【請求項３】前記マスク支持体を複数有し、前記各マス
   ク支持体は、その上面嵌合部及び下面嵌合部に於いて、
   互いに対して嵌合可能であることを特徴とする請求項１
   記載のホトマスクケース。
4. 【請求項４】前記蓋部又は前記底部と、前記マスク支持
   体とを固定するクリップを有することを特徴とする請求
   項１記載のホトマスクケース。
5. 【請求項５】前記請求項１ないし前記請求項４のうちの
   いずれかに記載のホトマスクケースを用いてマスクを保
   管することを特徴とするホトマスクの保管方法。