JP2793418B2 - ケーブル巻き付け構造 - Google Patents

ケーブル巻き付け構造

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JP2793418B2
JP2793418B2 JP6639892A JP6639892A JP2793418B2 JP 2793418 B2 JP2793418 B2 JP 2793418B2 JP 6639892 A JP6639892 A JP 6639892A JP 6639892 A JP6639892 A JP 6639892A JP 2793418 B2 JP2793418 B2 JP 2793418B2
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通昭 柳原
友彦 池田
裕二 浦辺
田代  勉
茂樹 松川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビル等の建築物内に
布設されるケーブルのドラムへの巻き付け構造に係り、
特に、分岐接続体を有するケーブルの巻き付け構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ビル等の建築物内に布設される幹線ケー
ブルには、電力を各階毎に供給する分岐ケーブル接続用
の分岐接続体がその長さ方向の所定間隔毎に予め具備さ
れている。この分岐接続体として、図10に示すものを
例にとって説明する。図において、符号1は、分岐接続
体である。この分岐接続体1は、ケーブル2の端部近傍
を覆うケーブルアダプタ3と、ケーブル2の端部の導体
露出部4に圧着固定された圧着端子5と、この圧着端子
5にボルト6、6…によって導通状態に固定された分岐
ユニット7と、この分岐ユニット7の側部方向に突出固
定されたチューリップコンタクト8と、これらケーブル
アダプタ3、圧着端子5、分岐ユニット7及びチューリ
ップコンタクト8の外周を覆う樹脂等からなるカバー9
とから概略構成されており、前記チューリップコンタク
ト8が、L形の分岐コネクタ11と接続される接続部1
0となっている。
【0003】分岐コネクタ11は、分岐ケーブル12の
端部近傍を覆うケーブルアダプタ13と、分岐ケーブル
12の端部の導体露出部14に圧着固定された圧着端子
15と、この圧着端子15に固定されたピンコンタクト
16と、これらケーブルアダプタ13、圧着端子15及
びピンコンタクト16を覆うカバー17とから概略構成
されている。
【0004】そして、上記のような分岐接続体1を有す
る幹線ケーブル2をビル等の建築物内において、水平方
向あるいは垂直方向に延線布設して、分岐接続体1の接
続部10に分岐コネクタ11を接続するとピンコンタク
ト16がチューリップコンタクト8に導通嵌合し、かく
して幹線ケーブル2から分岐ケーブル12を介して建築
物内の各階に設置されている各種電気機器に給電がなさ
れるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記分岐接
続体1を有するケーブル2をドラムの巻き胴へ巻き付け
ると、分岐接続体1の両端近傍におけるケーブルが過度
に屈曲され、損傷してしまう恐れがあった。 このため、
ドラムの巻き胴の一部に、円弧を平坦にした凹みを設け
た専用のドラムを用い、この専用ドラムの凹みに、分岐
接続体1を配置させるような技術が知られているが、こ
のような複雑な形状の巻き胴を有する高価な専用のドラ
ムを用いることにより、設備費の嵩みを招いてしまうと
いう問題があった。
【0006】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、コストアップを招くことなく分岐接続体を有する
ケーブルを、損傷させることなくドラムの巻き胴へ巻き
付けることが可能なケーブル巻き付け構造を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のケーブル巻き付
け構造は、分岐ケーブルの分岐コネクタが接続可能な分
岐接続体を有し、この分岐接続体がプロテクタによって
覆われているケーブルを、円筒形状に形成されたドラム
の巻き胴に巻き付けるケーブルの巻き付け構造であっ
て、前記巻き胴の外周と前記プロテクタによって覆われ
た分岐接続体の両端近傍のケーブルとの間に枕部材が介
在され、前記分岐接続体の両端近傍におけるケーブル部
分が前記巻き胴の外周上からドラムの半径方向外方へ向
かって離隔されていることを特徴としている。
【0008】
【作用】この発明の巻き付け構造においては、分岐接続
体の両端近傍におけるケーブルの曲率半径が大となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明のケーブル巻き付け構造の実施
例を図によって説明する。 まず、本発明のケーブル巻き
付け構造に用いられるケーブルについて説明する。
お、前記従来例と同一構造部分には、同一符号を付して
説明を省略する。図1ないし図3において、符号31
は、分岐接続体用プロテクタである。このプロテクタ3
1は、一対の横断面凹状に形成された保護部材32、3
2から構成されており、これら一対の保護部材32、3
2は、その外観形状においてそれぞれ一側部A側が外方
に向かって凸となる緩やかな曲線状に形成されている。
【0010】そして、これら一対の保護部材32、32
を突き合わせて組み立てることにより、内部に前記分岐
接続体1を収納可能な空間部Bが形成される。即ち、保
護部材32、32を組み立てることにより形成される空
間部Bは、保護部材32、32の一側部A側にて拡張さ
れた形状に形成され、この空間部Bの拡張された側に前
記分岐接続体1の接続部10が配置されるようになって
いる。
【0011】また、保護部材32、32には、外周側に
溝部33、33…が形成されており、これら保護部材3
2、32を組み合わせることにより、これら溝部33、
33…同士が円周方向へ亘って連結されるようになって
いる。そして、この円周方向へ連結された溝部33、3
3…へは、結束バンド34、34…が巻き付けられ、保
護部材32、32同士が一体化される。
【0012】なお、分岐接続体1の接続部10には、キ
ャップ35が被せられており、このキャップ35によっ
て分岐接続体1の接続部10を保護している。また、こ
の分岐接続体1の接続部10の突出方向と反対側には、
断面コ字状に形成された金属製の補強板41が沿わされ
ており、この補強板41によって分岐接続体1を補強し
ている。
【0013】上記構成のプロテクタ31によって分岐接
続体1を覆うには、まず、プロテクタ31によって覆わ
れるべき分岐接続体1の接続部10にキャップ35を被
せる。ついで、この分岐接続体1の接続部10の突出方
向と反対側の部分に、結束バンド等を用いてにより補強
板41を固定する。この状態において、分岐接続体1の
接続部10とプロテクタ31の一側部A側を対向させて
一対の保護部材32、32により分岐接続体1を両側か
ら挟み、これら両保護部材32、32同士を突き合わせ
る。
【0014】こうすることにより、一対の保護部材3
2、32の空間部B内に分岐接続体1が収納状態とな
る。この後、両保護部材32、32の周囲に形成されて
いる溝部33、33…を結束バンド34、34…により
締め付け、両保護部材32、32を一体化させる。こう
して分岐接続体1がプロテクタ31によって保護された
ケーブル2を建築物内に布設する。
【0015】上記分岐接続体1がプロテクタ31によっ
て保護されたケーブル2を建築物内に布設するには、先
ず図4に示すようにケーブル2が巻き付けられているド
ラム51を建築物Cの下部に設置する。そして、建築物
Cの各階の床52、52…に設けられているケーブル貫
通孔20、20…に建築物Cの上部に設置した巻取装置
54のワイヤー55を挿通し、このワイヤー55の引き
出し端部にドラム51から引き出したケーブル2の先端
部を連結する。次に上記巻取装置54によってワイヤー
55を巻き取りつつケーブル2を鉛直上方へ向かって牽
引して、ケーブル2を建築物Cの各階の床52、52…
に設けられているケーブル貫通孔20、20…を走行通
過させる。
【0016】ここで、建築物Cの各階の床52、52…
に形成されているケーブル貫通孔20、20…をケーブ
ル2の分岐接続体1が通過する様子は図5に示す通りで
ある。すなわち、ケーブル2の上方への引き上げに際し
て、ケーブル2の分岐接続体1を覆っているプロテクタ
31は、図5(a)〜(d)に示すようにケーブル貫通
孔20の縁端部に摺接しながら該貫通孔20に引っ掛
ることなく円滑に通過する。
【0017】つまり上記プロテクタ31は、分岐接続体
1の側部方向に突出している接続部10側を覆う部分が
外方に向かって凸となる緩やかな曲線状の外形形状を有
することより、ケーブル貫通孔20の縁端部にプロテク
タ31が当接したとしても、ケーブル貫通孔20の縁端
部からの反力により、ねじられながらあるいは縁端部か
ら離間する方向へ移動しながら、ケーブル貫通孔20の
縁端部に引っ掛かることなく極めて円滑にケーブル貫通
孔20を走行通過する。
【0018】なお、上記の例ではプロテクタ31を構成
する一対の保護部材32、32を突き合わせて結束バン
ド34、34…によって一体化させているが、図6に示
すように、保護部材32、32の互いに当接される当接
面に、それぞれ係合する突起56及び係止孔57を形成
し、保護部材32、32を突き合わせた際に、これら突
起56及び係止孔57が互いに係合することにより、こ
れら一対の保護部材32、32同士が一体化するように
しても良い。また、図7に示すように、一対の保護部材
32、32の一側部側を繋ぎ合わせて、ひんじ部58と
するとともに、他側部側の当接面を上記と同様に、突起
56及び係止孔57からなる係止構造に形成しても良
い。
【0019】次に、上記構造のケーブル2のドラムへの
巻き付け構造を説明する。上記のように分岐接続体1を
プロテクタ31によって覆ってなるケーブル2は、通常
ドラム51に巻き付けられて建築物Cの布設現場に搬入
される。ここで、ケーブル2の分岐接続体1は、プロテ
クタ31によって覆われて保護されているが、このケー
ブル2を単にドラム51に巻き付けると、プロテクタ3
1の両端部近傍にてケーブル2が急曲率で曲げられて応
力集中に基づく破損を生じる恐れを招く。
【0020】そこで図8に示すように、ケーブル2が巻
き付けられるドラム51の巻き胴51Aの外周上に、一
対の枕部材61、61を相互に所定間隔を置いて設けて
おき、両枕部材61、61間にプロテクタ31が位置す
るようにして、プロテクタ31の両端部近傍のケーブル
2部分を枕部材61、61上に載置するようにする。こ
のようにすると、プロテクタ31の両端部近傍のケーブ
ル2部分が巻き胴51Aの外周上からドラム51の半径
方向外方へ向かって離隔され、したがって該プロテクタ
31の両端部近傍のケーブル2部分が急曲率で曲がる恐
れが排除される。そして、本実施例によれば、分岐接続
体1の両端近傍において、ケーブル2と巻き胴51Aと
の間に枕部材61、61を介在させてケーブル2を巻き
胴5Aへ巻き付ける構造であるので、複雑な形状をした
巻き胴を有する専用のドラムを用いることなく、分岐接
続体1を有するケーブル2を巻き取ることができ、これ
により、専用のドラムを用いることによる設備費の嵩み
をなくすことができる。
【0021】なお、図8に示す実施例では枕部材61、
61として断面半月状のものを用いたが、これを図9に
示すような円筒状の枕部材62、62とさせても良い。
また、上記実施例のプロテクタ31の具体的な構造は実
施例に限定されない。
【0022】
【発明の効果】本発明よれば、下記の通りの効果が得ら
れる。この発明の巻き付け構造によれば、ドラムの巻き
胴の外周とプロテクタによって覆われた分岐接続体の両
端近傍のケーブルとの間に枕部材が介在され、分岐接続
体の両端近傍におけるケーブルの曲率半径が大きくされ
るので、該プロテクタの両端部におけるケーブルが急曲
率で曲がって応力集中による破損を生じる恐れを排除す
ることができる。そして、本発明によれば、分岐接続体
の両端近傍において、ケーブルと巻き胴との間に枕部材
を介在させてケーブルを巻き胴へ巻き付ける構造である
ので、複雑な形状をした巻き胴を有する専用のドラムを
用いることなく、分岐接続体を有するケーブルを巻き取
ることができ、これにより、専用のドラムを用いること
による設備費の嵩みをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の巻き付け構造に用いられる
ケーブルの分岐接続体用プロテクタを示す側面図であ
る。
【図2】 図1に示すプロテクタの横断面図である。
【図3】 図1に示すプロテクタの縦断面図である。
【図4】 本発明の実施例の巻き付け構造に用いられる
ケーブルの布設方法を実施している状況を示す説明図で
ある。
【図5】 (a)ないし(d)は、分岐接続体用プロテ
クタがケーブル貫通孔を通過する状況を示す説明図であ
る。
【図6】 本発明の実施例の巻き付け構造に用いられる
ケーブルの分岐接続体用プロテクタの他の例の構造を示
す図2に対応する横断面図である。
【図7】 本発明の実施例の巻き付け構造に用いられる
ケーブルの分岐接続体用プロテクタのさらに異なる例の
構造を示す図2に対応する横断面図である。
【図8】 分岐接続体用プロテクタ付近のケーブルのド
ラムへの巻き付け構造を示す側面図である。
【図9】 分岐接続体用プロテクタ付近のケーブルのド
ラムへの巻き付け構造の他の例を示す側面図である。
【図10】 ケーブルの分岐接続体に分岐ケーブルの分
岐コネクタが接続されている状態を示す一部破断側面図
である。
【図11】 ケーブルの分岐接続体がケーブル貫通孔を
通過する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】1…分岐接続体、2…ケーブル、11…分岐コネクタ、
12…分岐ケーブル、31…分岐接続体用プロテクタ、
51…ドラム、51A…巻き胴、61,62…枕部材
フロントページの続き (72)発明者 田代 勉 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 松川 茂樹 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−107614(JP,A) 実開 昭62−76422(JP,U) 実開 昭62−76423(JP,U) 実開 昭50−83573(JP,U) 実開 昭49−149280(JP,U) 実公 昭59−30980(JP,Y2) 実公 昭53−40682(JP,Y2) 実公 昭53−18210(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02G 15/00 - 15/196 B65H 75/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐ケーブル(12)の分岐コネクタ
    (11)が接続可能な分岐接続体(1)を有し、この分
    岐接続体(1)がプロテクタ(31)によって覆われて
    いるケーブル(2)を、円筒形状に形成されたドラム
    (51)の巻き胴(51A)に巻き付けるケーブルの巻
    き付け構造であって、 前記巻き胴(51A)の外周と前記プロテクタ(31)
    によって覆われた分岐接続体(1)の両端近傍のケーブ
    ル(2)との間に枕部材(61,62)が介在され、前
    記分岐接続体(1)の両端近傍におけるケーブル(2)
    部分が前記巻き胴(51A)の外周上からドラムの半径
    方向外方へ向かって離隔されていることを特徴とするケ
    ーブル巻き付け構造。
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