JPH0514407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は分岐接続金具付ケーブルに関するもの
である。

＜先行技術と問題点＞ ビル等の高層建築物の屋内配線においては、幹
線ケーブルに各階層に対する支線ケーブルを分岐
接続する必要がある。

かかる屋内配線工事の簡易化のために、工場内
で幹線ケーブルの導体に分岐線接続用金具をプレ
ス機により圧縮接続し、このケーブルをドラム巻
運搬によつてケーブル布設現場に運搬し、該ケー
ブルを所定の布設ルートに沿つて延線し、而るの
ち、上記分岐接続用金具に支線ケーブルを接続す
ることが提案されている。この工法においては、
ケーブルの延線中に分岐線接続用金具を保護する
ためのカバーをケーブルに取付けることが必要で
ある。

しかしながら、カバーの両端をケーブルに固定
する方式では、ケーブル延線中にカバーに加わる
力（摩擦力または床面貫通孔における引掛り）が
ケーブル絶縁層に作用するので、カバーが床面貫
通孔に引掛つた場合にケーブル絶縁層を損傷させ
るおそれがあり、危険である。

＜考案の目的＞ 本考案の目的は、上記ケーブル絶縁層の損傷の
おそれなく、保護カバーをケーブルに取付けるこ
とにある。

＜考案の構成＞ 本考案に係る分岐接続金具付ケーブルは、幹線
ケーブルの所定間隔ごとにケーブル絶縁層を除去
して導体を露出しその露出導体部に、分岐線接続
用の孔付き端子を備えた分岐接続金具を夫々結着
し所定の絶縁処理を施してなる分岐接続金具付ケ
ーブルにおいて、前記分岐接続金具結着部分に
は、当該ケーブルを延線する際に分岐接続金具結
着部分を包囲し損傷から保護するための軽量でか
つ滑り性のよい材料より構成される上下分割形の
延線用保護カバーが、分岐接続金具結着露出導体
部両端のケーブル絶縁層に跨がつて着脱可能に設
けられており、これら延線用保護カバーの幹線ケ
ーブルへの取付固定は、前記分岐接続金具におけ
る孔付き端子の孔に挿通されるボルトを介して当
該カバーの上下片同志を結合させることにより取
付けたことを特徴とする。

＜実施例の説明＞ 以下、図面により本考案を説明する。

第１図において、１はビル内配線に使用する幹
線ケーブルであり、例えば複数本の導体を並行に
配列し、これらの外部にゴム・プラスチツク絶縁
層を被覆せる平型ケーブルを用いることができ
る。この幹線ケーブルにおいては一定間隔ごとに
ケーブル絶縁層１１を除去して、ケーブル導体を
露出してあり、１０，…はその露出導体部を示し
ている。２は端子２１を有する分岐線接続用金具
であり、第２図に示すように、互に係合せる本体
２ａと蓋片２ｂとからなり露出導体１０に圧着し
てある。３はゴム・プラスチツク絶縁層であり、
例えばポリ塩化ビニル樹脂によるモールド方式或
はブチルゴム絶縁テープによるテーピング方式を
用いることができる。４は保護カバーであり、第
３図Ｃに示すように、上カバー片４ａと下カバー
片４ｂとからなり、ケーブルの導体露出部を包囲
している。このカバー４はボルト４１によつて上
記分岐線接続用金具２の端子孔２１０に結合して
ある。

第３図Ａは本考案において使用する保護カバー
の一例を示す一部欠截上面図、第３図Ｂは側面
図、第３図Ｃは第３図Ａにおけるｃ−ｃ断面図で
ある。

第３図Ａ乃至第３図Ｃにおいて、４ａは上カバ
ー片、４ｂは下カバー片であり、ヒンジにより連
結してある。このヒンジのピン４２は、上下カバ
ー片４ａ，４ｂでケーブルを挾んだのちに、ヒン
ジの孔に挿入して両端を折り曲げるようにする。
４３はケーブル挿通孔であり、その孔面にはクツ
シヨン材４４例えばゴムシートを貼着してある。
４１はボルトである。第１図または第３図Ａ〜第
３図Ｃにおいて、４０ａ，４０ｂは保護カバーの
両端に設けたテーパガイド面であり、それらテー
パ角は15〜30°とするのが望ましい。保護カバー
４は、軽量でかつ滑り性のよい材料、例えばアル
ミ合金、硬質樹脂（ポリエステルプレミツクス、
ABS樹脂）によつて製作してある。

上記保護カバーは工場内でケーブルに取付け、
このケーブルをドラム巻によつて現場に運搬し、
ケーブルをケーブル布設ルートに沿い延線し、而
るのち保護カバーを取外し、支線ケーブルを接続
する。

上述した通り、本考案に係る分岐接続金具付ケ
ーブルは、ケーブルを延線する際に分岐接続金具
結着部分を包囲し損傷から保護するための保護カ
バー４を、ケーブル導体１０に固着した分岐接続
金具２の端子孔２１０および分岐接続金具２結着
露出導体部１０両端のケーブル絶縁層１１，１１
に結合してなる３点支持としてあるから、保護カ
バーの両端のみを幹線ケーブルに固定した従来の
２点支持構成に比し、保護カバー４を幹線ケーブ
ル１に対して安定に且つ強固に取付けることがで
きる。このため、ケーブルの延線中に保護カバー
４がケーブルラツクのサイドメンバーまたはクロ
スメンバーに或は床又は壁の貫通孔に接触して保
護カバー４に外力が作用しても、その外力の殆ど
をケーブル導体１０部分でもつて負担させること
ができ、その結果、ケーブル絶縁層１１への外力
の作用は充分に軽減され、ケーブル絶縁層１１の
損傷を効果的に防止できる。

また、保護カバー４は、着脱可能な上下分割形
とされ、しかも、軽量でかつ滑り性のよい材料よ
り構成してあるから、幹線ケーブル１への取付
け、取外しが頗る容易となり、ケーブルの全体重
量も然程増加させることがなく、ラツク上ならび
に貫通孔内の延線作業もスムースに行い得る。こ
の保護カバー４は延線が済めば簡単に取外しで
き、他のケーブルへの再使用が可能となり甚だ経
済的でもある。

従つて、本考案の分岐接続金具付ケーブルは、
ビル等の高層建築物の屋内配線に使用される長尺
の分岐接続金具付幹線ケーブルとして特に有用で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る分岐接続金具付ケーブル
を示す説明図、第２図は第１図における−断
面図、第３図Ａは本考案において使用する保護カ
バーを示す説明図、第３図Ｂは同カバーを示す側
面図、第３図Ｃは第３図Ａにおけるｃ−ｃ断面図
である。 図において、１は幹線ケーブル、２，…は分岐
線接続用金具、２１，…は端子、２１０，…は端
子孔、４は保護カバー、４１はボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幹線ケーブル１の所定間隔ごとにケーブル絶縁
   層１１を除去して導体１０を露出しその露出導体
   部１０に、分岐線接続用の孔２１０付き端子２１
   を備えた分岐接続金具２を夫々結着し所定の絶縁
   処理３を施してなる分岐接続金具付ケーブルにお
   いて、前記分岐接続金具２結着部分には、当該ケ
   ーブルを延線する際に分岐接続金具２結着部分を
   包囲し損傷から保護するための軽量でかつ滑り性
   のよい材料より構成される上下分割形の延線保護
   カバー４が、分岐接続金具２結着露出導体部１０
   両端のケーブル絶縁層１１，１１に跨がつて着脱
   可能に設けられており、これら延線用保護カバー
   ４の幹線ケーブル１への取付固定は、前記分岐接
   続金具２における孔付き端子２１の孔２１０に挿
   通されるボルト４１を介して当該カバー４の上下
   片４ａ，４ｂ同志を結合させることにより取付け
   たことを特徴とする分岐接続金具付ケーブル。