JP2778594B2 - 電子楽器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータを用い
て鍵盤や各種操作子の情報を処理して楽音を発生する電
子機器に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】電子楽器には極めて単純な楽音の発生機
能しか持たない低位機種から複雑な楽音の発生機能を備
えた高位機種まで各種のものがあり、近時においてはこ
のような楽音発生機能をコンピュータ（マイクロコンピ
ュータ）の制御によって実現するものも増加している。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におい
てこのような低位機種から高位機種に亘る電子楽器を構
成する場合、通常、各機種別に例えば音色や効果や自動
伴奏などの各種機能を選択する操作子などのハードウエ
アを異ならせている。このため、コンピュータをハード
ウエアの制御および楽音発生処理などに使用する場合に
は各機種別に異なるソフトウエアを開発しなければなら
なくなり、各機種の設計が面倒になってしまう欠点が生
じている。 【０００４】この発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的は各機種の設計が極めて容易となる電子楽
器を提供することにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】このために、この発明
は、電子楽器の複数の機種のうち当該電子楽器の機種を
特定するための機種コードが設定された機種コード設定
手段（９）と、前記複数の機種に対して共通な１つのプ
ログラムを記憶したプログラム記憶手段（５）と、前記
プログラム記憶手段に記憶された１つのプログラムを前
記機種コード設定手段に設定された機種コードに応じた
データを用いて実行するプログラム実行手段（４）とを
設けたものである。 【０００６】 【作用】この発明においては、電子楽器の複数の機種の
うち当該電子楽器の機種を特定するための機種コードを
設定し、プログラム実行手段は、プログラム記憶手段に
記憶された複数の機種に対して共通な１つのプログラム
を機種コードに応じたデータを用いて実行する。 【０００７】 【発明の実施の形態】第１図はこの発明の一実施例を示
すブロック図である。同図において、１は鍵盤部（図示
せず）の各鍵に対応したキースイッチを備えたキースイ
ッチ回路、２は楽音の音色や効果さらには自動伴奏など
を選択する多数の操作子を備えた操作回路、３はこの電
子楽器の機種コードを設定する機種コード設定回路、４
はＲＯＭ（読出し専用メモリ）５に予め記憶された楽音
処理プログラムに従ってキースイッチ回路１におけるキ
ースイッチ動作状態、操作子回路２における操作子状
態、機種コード設定回路３において設定された機種コー
ドを検出するコンピュータ（以下ＣＰＵ）、６はＣＰＵ
４の各種処理結果や回路１〜３の状態情報を記憶するＲ
ＡＭ（ランダムアクセスメモリ）、７はＣＰＵ４からコ
モンバスＣＯＭ・ＢＵＳを介して転送される音高情報、
音色情報などの各種パラメータ情報に基づいて楽音信号
を形成し、スピーカ８から発音させるトーンジェネレー
タである。９は機種コード設定回路３とＣＰＵ４とイン
ターフェース回路である。 【０００８】機種コード設定回路３は第２図にその一例
を示すように、回路基板10の一部に設けた端子Ｐ₁ 〜Ｐ
₆ に対しジャンパ線ＪＰを用いて理論「１」に対応した
電圧＋Ｖを印加することにより、当該電子楽器の機種コ
ードを設定するように構成されている。一方、ＲＯＭ５
には例えば第３図のフローチャートに示すようなプログ
ラムが予め記憶されている。 【０００９】以上のような構成において、ＣＰＵ４は第
３図のフローチャートのステップ 100においてキースイ
ッチ回路１における各キースイッチを順次走査すること
により動作しているキースイッチがあるか否かを検出
し、動作中のキースイッチ有ればこのキースイッチに対
応した音高情報を生成し、この音高情報をトーンジェネ
レータ７における複数の発音チャンネルのいずれかに割
当てる。この場合、発音チャンネル数は機種によって異
なることがあるので、機種コード設定回路３で設定され
た機種コードによってチャンネル数を判別して割当て処
理を実行する。次にＣＰＵ４はステップ 101において操
作子回路２における操作子状態を検出した後、次のステ
ップ 102において自動伴奏機能付機種か否かを機種コー
ド設定設定回路３で設定された機種コードによって判別
する。この結果、自動伴奏機能付機種に該当する場合は
ステップ 103において自動伴奏音を発生させるための処
理を行った後、ステップ 104においてプリセット機能付
機種か否かを機種コードに基づいて判別する。しかし、
自動伴奏機能付機種に該当しない場合は自動伴奏処理を
行わずにステップ 104の判別処理に移行する。 【００１０】ステップ 104の判別処理の結果、当該電子
楽器がプリセット機能付機種に該当する場合はステップ
105においてプリセット処理を行う。すなわちＣＰＵ４
はＲＯＭ６の中に設けられたプリセットメモリ領域から
操作子回路２のプリセットセレクトスイッチによって選
択されたプリセットパラメータ情報を読出す。しかし、
プリセット機能付き機種に該当しない場合はプリセット
処理を実行せず、ステップ 106のデータ転送処理に移行
する。 【００１１】ＣＰＵ４は、ステップ１０６においてはト
ーンジェネレータ７の各発音チャンネルに割当てた音高
情報、操作子回路２の操作子状態に対応した音色情報な
どの各種パラメータ情報をコモンバス（ＣＯＭ，ＢＵ
Ｓ）を介してトーンジェネレータ７に転送する。また、
自動伴奏付機種に該当する場合は、自動伴奏音の音高情
報をトーンジェネレータ７に転送する。さらに、プリセ
ット機能付機種に該当する場合は、操作子回路２の操作
子状態に対応したパラメータ情報に代えてプリセットメ
モリ領域から読出したプリセットパラメータ情報をトー
ンジェネレータ７に転送する。この後、ＣＰＵ４は同様
の処理を繰返し実行する。 【００１２】これによって、トーンジェネレータ７にお
いてはデータ転送処理において転送されてきた各種情報
に基づき楽音信号が形成され、スピーカ８から楽音とし
て発音されるようになる。なお、機種コードはジャンパ
線を接続することによって設定する代わりに、切換えス
イッチなどによって設定するものであってもよい。 【００１３】 【発明の効果】以上のように、この発明は、電子楽器の
複数の機種のうち当該電子楽器の機種を特定するための
機種コードを設定し、プログラム実行手段は、プログラ
ム記憶手段に記憶された複数の機種に対して共通な１つ
のプログラムを機種コードに応じたデータを用いて実行
するようにしたものである。従って、例えば、発音チャ
ンネル数は機種によって異なることがあるので、機種コ
ード設定手段で設定された機種コードによってチャンネ
ル数を判別して割当て処理を実行するといった処理が可
能になり、このプログラムにより実現される機能が機種
に応じた態様で実現されることとなり、異なる機種の電
子楽器で共通のプログラムを利用した場合でも、誤動作
を防ぐことができる。 【００１４】この発明は、さらに、電子楽器の複数の機
種のうち当該電子楽器の機種を特定するための機種コー
ドを設定し、プログラム実行手段は、プログラム記憶手
段に記憶された１つのプログラムを連続して繰返し実行
し、この１つのプログラムのうち所定の機能を実現する
ための第１の部分については、当該電子楽器の機種とは
無関係に実行するとともに、複数の異なる機能を実現す
る他の複数の第２の部分については、各第２の部分毎に
実行すべきか否かを機種コードに応じて判別し、実行す
べきと判断された第２の部分のみを選択的に実行するよ
うにして具体的に実施することができる。これによっ
て、機種が異なる電子楽器においても共通のプログラム
を利用することができ、開発コストの削減を図ることが
できる。また、１つのプログラムを連続して繰返し実行
することにより、操作子の操作などがあった場合でも、
割込み方式のように、その時点で処理されているプログ
ラム記憶手段を停止させるということがなく、従って、
操作子操作などが全体の処理に悪影響を与えることがな
い。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明の一実施例を示すブロック図である。 【図２】機種コード設定回路の一例を示す図である。 【図３】処理プログラムの一例を示すフローチャートで
ある。 【符号の説明】 １…キースイッチ回路、 ２…操作子回路、３…機
種コード設定回路、 ４…コンピュータ、７…トーン
ジェネレータ、 10…回路基板、ＪＰ…ジャンパ線。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．電子楽器の複数の機種のうち当該電子楽器の機種を
   特定するための機種コードが設定された機種コード設定
   手段と、 前記複数の機種に対して共通な１つのプログラムを記憶
   したプログラム記憶手段と、 前記プログラム記憶手段に記憶された１つのプログラム
   を前記機種コード設定手段に設定された機種コードに応
   じたデータを用いて実行するプログラム実行手段とを備
   えたことを特徴とする電子楽器。