JP2778009B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2778009B2
JP2778009B2 JP23595389A JP23595389A JP2778009B2 JP 2778009 B2 JP2778009 B2 JP 2778009B2 JP 23595389 A JP23595389 A JP 23595389A JP 23595389 A JP23595389 A JP 23595389A JP 2778009 B2 JP2778009 B2 JP 2778009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電子写真感光体に係わるものであり、特に長
期間の繰り返し使用時においても残留電位上昇がなく、
帯電安定性に優れた電子写真感光体に関するものであ
る。
〔従来技術〕
従来から電子写真感光体の光導電素材として知られて
いるものにセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無
機物質がある。しかしながら、これら無機物質は電子写
真感光体として要求される光感度、熱安定性、耐久性等
の特性及び製造条件において必ずしも満足できるもので
はない。例えば、セレンは熱、汚れ等により結晶化しや
すく特性が劣化しやすい。又、製造コスト、耐衝撃性、
毒性等取り扱い上の注意を要するなどの欠点がある。硫
化カドミウムを用いた感光体は耐湿性、耐久性に劣り、
又、毒性等の問題がある。酸化亜鉛も、耐湿性、耐久性
に劣るという欠点をもつ。
これら無機光導電素材を用いた電子写真感光体に対
し、有機光導電性物質を用いた感光体は軽量性、成膜容
易性、製造コストあるいは有機化合物としてのバリエー
ションの広さから、活発に研究開発が行なわれるように
なっている。例えば、初期には特公昭50-10496号公報記
載のポリビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノンを含有した感光体、特公昭48-25658号公
報記載のポリビニルカルバゾールをピリリウム塩系色素
で増感した感光体、又は、共晶錯体を主成分とする感光
体が提案された。しかしながら、これらの感光体は感
度、耐久性の面で十分なものではない。そこで近年で
は、電荷発生層と電荷輸送層を分離した機能分離型の感
光体が提案され、特公昭55-42380号公報記載のクロルダ
イアンブルーとヒドラゾン化合物を組み合わせた感光
体、電荷発生物質としてはビスアゾ化合物として特開昭
53-133445号公報記載、特開昭54-21728号公報記載、特
開昭54-22834号公報記載のものが、電荷輸送物質として
は特開昭58-198043号公報、特開昭58-199352号公報等記
載のものが知られている。しかしながら、これら機能分
離型感光体においても特に耐久性においては満足できる
ものではなく、近年、増々耐久性に対する要求が高まっ
てくる中で、帯電安定性を確保することが無視できない
問題となっている。すなわち、帯電性が低下した場合、
複写機ではコピーの画像濃度低下をひきおこし、反転現
像方式を用いているレーザープリンターの場合は地肌汚
れを発生する等の画像品質の低下をひきおこす。これら
の問題を解決するために、導電性基板と感光層との間に
中間層を設ける事が提案されている。しかしながら中間
層は、帯電性を安定させるために、バリアー性の高い高
抵抗材料を用いた場合、帯電性は向上するものの、光感
度が低下し、残留電位が上昇するという欠点がある。ま
た残留電位が上昇しないような比較的抵抗の低い材料を
用いた場合は、帯電安定性が不充分となる。
一方、感光体を実際に複写機中で使用した場合、コロ
ナ帯電器より発生するオゾンに感光体がさらされること
になる。そしてこのオゾンが感光層中の電荷輸送物質等
を酸化し感度低下、残留電位の上昇、又は帯電電位低下
をひきおこすとの観点から、特開昭57-122444号公報、
特開昭61-156052号公報にみられるような感光層中への
酸化防止剤の添加、又、特開昭63-135955号公報にみら
れるような電荷輸送層上にガスバリヤー性樹脂層を設け
る等の提案がなされている。
しかしながら、以上のような対策によっても残留電位
上昇、感度低下等の弊害をもち、耐久性の向上がなお不
充分であるという点で満足できる感光体は得られていな
い。
〔目的〕
本発明の目的は上記従来の問題点を解決するものであ
る。具体的には耐オゾン性に優れ、繰り返し使用しても
帯電安定性に優れ、残留電位が上昇しない、すなわち画
像濃度低下や地汚れを生じない良好な画像を与える電子
写真感光体を提供することにある。
〔構成〕
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発
生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電子
写真感光体において、前記感光層中に下記一般式〔I〕
で示すベンゾフラン化合物および/または下記一般式
〔II〕で示すクマラン化合物を含有させたことを特徴と
する。
一般式〔I〕 (式中、R1,R2,R3,R4,R5はそれぞれ水素原子、ヒドロ
キシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、置換アミノ基、イミノ基、複素環基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表わす。
好ましくはR1,R2,R3,R4,R5のうち少なくとも1つが炭
素原子数の総和が4以上の基であり、さらに好ましくは
6以上の基である。) 一般式〔II〕 (式中、R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17はそれぞれ水
素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキ
シ基、アリーロキシ基、置換アミノ基、イミノ基、複素
環基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表わす。
好ましくはR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17のうち少な
くとも1つが炭素原子数の総和が4以上の基であり、さ
らに好ましくは6以上の基である。) 本発明電子写真感光体は感光層中に前記一般式〔I〕
および/または一般式〔II〕に示す化合物を含有させた
ことから繰り返し使用によっても、帯電安定性に優れ、
かつ残留電位の上昇しない、したがって画像濃度低下や
地汚れのない高寿命、高信頼性のものとなる。
本発明に用いることができる前記一般式〔I〕に示す
ベンゾフラン化合物の具体例を以下に挙げるが本発明は
これらに限定されるものではない。
これらの化合物は例えば、Chemical Abstracts誌11th
Collective Indexに記載されている。
本発明に用いることができる前記一般式〔II〕に示す
クマラン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
これらの化合物は例えば、Chemical Abstracts誌11th
Collective Indexに記載されている。
本発明電子写真感光体は、前記一般式〔I〕および/
または一般式〔II〕で示される化合物を1種又は2種以
上感光層中に含有させることにより耐久性の優れた感光
体が得られる理由については明らかではないが、感光層
構成物質−特に結着剤樹脂−との相溶性が優れること、
他の感光層構成物質と反応する等の悪影響を及ぼさない
こと、電荷担体のトラップとして働かないこと、ラジカ
ル物質と速やかに反応し、トラップの生成を防止する能
力が優れること等が挙げられる。
本発明の一般式〔I〕および/または一般式〔II〕に
示す化合物に対しては、さらに保存性、耐熱性向上の観
点から2次劣化防止剤を添加することが好ましい。2次
劣化防止剤としては燐系化合物、硫黄系化合物がよくし
られているが、特に燐系化合物をもちいることが好まし
い。燐系化合物の具体例としては、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(p-tert−オクチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス〔2,4,6−トリス(α−フェ
ニルエチル)〕ホスファイト、トリス(p−2−ブテニ
ルフェニル)ホスファイト、ビス(p−ノニルフェニ
ル)シクロヘキシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、4,4′−イソプロピリデン−ジフェノールアルキル
ホスファイト、テトラトリデシル−4,4′−ブチリデン
−ビス(3−メチル−6-tert−ブチルフェノール)ジホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)−4,4′−ビフェニレンジホスファイト、2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペン
タエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリト
ールジホスファイト、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エ
チルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ジ(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6
−ジ−tert−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・
ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられるが
2種以上併用してもよい。
本発明電子写真感光体に用いることができる電荷発生
物質としては光を吸収して電荷担体を発生するものであ
れば無機物質、有機物質、いずれも用いることができ
る。
無機物質としては例えば、無定形セレン、三方晶系セ
レン、セレン−ヒ素合金、セレン−テルル合金、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛、無定形シリコン等が挙げられる。
有機物質としては例えば、金属フタロシアニン及び無
金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレ
ニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を
有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサ
ジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を
有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料等が挙げられる。
次に本発明電子写真感光体に用いることができる電荷
輸送物質としては、例えばポリ−N−ビニルカルバゾー
ルおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグ
ルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ
ド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミ
ン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アント
ラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニ
ル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾ
リン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン
誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェ
ナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導
体、ベンゾイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が
挙げられる。
特に、このうち下記一般式で示される芳香族アミン化
合物が好ましい。
(式中、R1とR2は置換又は未置換のフェニル基、ナフ
チル基およびポリフェニル基から選ばれる芳香族環基を
示し、R3は置換又は未置換のアリール基、アルキル基、
アルコキシ基、複素環式芳香族基を示す。) 上記一般式で示される芳香族アミン化合物の具体例を
以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質、
電荷輸送物質を組み合わせて、単層型もしくは、機能分
離型をとることができる。
層構成としては単層型の場合、導電性基体の上に、結
着剤中に電荷発生物質、電荷輸送物質を分散させた感光
層を設ける。
機能分離型の場合は、基体上に電荷発生物質及び結着
剤を含む電荷発生層、その上に電荷輸送物質及び結着剤
を含む電荷輸送層を形成するものであるが、正帯電型と
する場合には、電荷発生層、電荷輸送層を逆に積層して
もよい。なお、機能分離型の場合、電荷発生層中に電荷
輸送物質を含有させてもよい。特に正帯電構成の場合感
度が良好となる。
又、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために
感光層と基体との間に中間層を設けてもよい。さらに耐
摩耗性等、機械的耐久性を向上させるために感光層上に
保護層を設けてもよい。電荷発生層、電荷輸送層及び分
離型感光層形成時に用いる結着剤としては、ポリカーボ
ネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタ
イプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチ
レン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリアリレート、ポリアクリルアミ
ド、ポリアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。こ
れらのバインダーは単独又は2種以上の混合物として用
いることができる。
以上のような層構成、物質を用いて感光体を作成する
場合には、膜厚、物質の割合に好ましい範囲がある。
負帯電型(基体/電荷発生層/電荷輸送層の積層)の
場合、電荷発生層において、電荷発生物質に対する結着
剤の割合は0〜400重量%、膜厚は0.1〜5μmが好まし
い。電荷輸送層においては結着剤に対する電荷輸送物質
の割合は、20〜200重量%、膜厚は5〜50μmとするの
が好ましい。
正帯電型(基体/電荷輸送層/電荷発生層の積層)の
場合、電荷輸送層においては、結着剤に対する電荷輸送
物質の割合は、20〜200重量%、膜厚は5〜50μmとす
るのが好ましい。電荷発生層においては電荷発生物質を
結着剤に対し10〜500重量%含有することが好ましい。
さらに電荷発生層中には電荷輸送物質を含有させること
が好ましく、含有させることにより残留電位の抑制、感
度の向上に対し効果をもつ。この場合の電荷輸送物質は
結着剤に対し20〜200重量%含有させることが好まし
い。なお、膜厚は0.1〜10μmが好ましい。
単層型の場合は、結着剤に対する電荷輸送物質及び電
荷発生物質の割合はそれぞれ50〜150重量%、10〜50重
量%とするのが好ましく、膜厚は5〜50μmとするのが
好ましい。
又、本発明の一般式〔I〕および/または一般式〔I
I〕に示す化合物の感光層への添加量としては、機能分
離型の場合、電荷輸送層に添加する場合は電荷輸送物質
に対し0.01〜10.0重量%であることが好ましい。電荷発
生層中に添加する場合は電荷発生物質に対し0.1〜20.0
重量%であることが好ましい。分散型の場合は、電荷輸
送物質に対し0.01〜5.0重量%添加することが好まし
い。
本発明の化合物の添加量が前記下限値より少ない場合
は添加による高耐久化の効果は得られず、前記上限値よ
り多い場合は、感度低下等悪影響をひきおこす。
本発明の一般式〔I〕および/または一般式〔II〕に
示す化合物は、機能分離型感光体の場合、電荷発生層、
電荷輸送層、いずれの層に添加してもよい。これは感光
層塗布時において塗布液分散媒、又は溶媒により本発明
に示す化合物の他の層への拡散が盛んに行なわれている
ためと考える。
必要に応じて設けられる中間層としては、一般には樹
脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を
溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対し
て耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このよう
な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロ
ン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目
構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のため
に酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、
酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の
微粉末顔料を加えてもよい。
また電荷発生層、電荷輸送層を形成するに際し使用さ
れる溶剤あるいは分散媒としては、N,N′−ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、モノクロ
ルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ
る。
感光層を形成する方法としては電荷発生層、電荷輸送
層の塗工液に基体を浸漬する方法、塗工液を基体にスプ
レーする方法などが用いられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる基体としては、
アルミニウム、黄銅、ステンレス、ニッケルなどの金属
ドラム及びシート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレン、ナイロン、紙などの材料にアルミニウム、
ニッケルなどの金属を蒸着するか、あるいは酸化チタ
ン、酸化スズ、カーボンブラックなどの導電性物質を適
当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチ
ック、紙等のシート状または円筒状基体があげられる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 アルキッド樹脂〔ベッコゾール1307-60-EL(大日本イ
ンキ化学工業社製)〕15重量部、メラミン樹脂〔スーパ
ーベッカミンG-821-60(大日本インキ化学工業社製)〕
10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、こ
れに酸化チタン粉末〔タイペークCR-EL(石原産業社
製)〕90重量部を加え、ボールミルで12時間分散し、中
間層用塗布液を作成した。
これを厚さ0.2mmのアルミニウム板〔A1080(住友軽金
属社製)〕に塗布、140℃20分間乾燥し厚さ2μmの中
間層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂〔エスレックBL-S(積
水化学工業社製)〕4重量部をシクロヘキサノン150重
量部に溶解し、これに下記構造式〔III〕に示すトリア
スアゾ顔料10重量部 を加え、ボールミルで48時間分散し、さらにシクロヘキ
サノン210重量部を加えて3時間分散を行った。これを
容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロ
ヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用
塗布液を前記中間層上に塗布、130℃20分間乾燥し厚さ
0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK-1300(帝
人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF-50(信
越化学工業社製)〕0.002重量部を塩化メチレン83重量
部に溶解し、これに構造式〔IV〕に示す電荷輸送物質7
重量部と 例示化合物No.95のベンゾフラン化合物を0.14重量部加
え溶解して電荷輸送層塗布液を作成した。これを前記電
荷発生層上に塗布し、乾燥し厚さ20μmの電荷輸送層を
形成した。
以上のようにして実施例1の電子写真感光体を作成し
た。
実施例2,3 実施例1において例示化合物No.95のかわりにそれぞ
れ例示化合物No.76,23のベンゾフラン化合物を用いたほ
かは実施例1と同様にして実施例2,3の電子写真感光体
を作成した。
比較例1 実施例1において例示化合物No.95のベンゾフラン化
合物を添加しないほかは実施例1と同様にして比較例1
の電子写真感光体を作成した。
比較例2〜4 実施例1において例示化合物No.95のベンゾフラン化
合物のかわりに下記に示す比較化合物1,2,3 を0.07重量部添加したほかは実施例1と同様にして比較
例2,3,4の電子写真感光体を作成した。
実施例4 アルコール可溶性ポリアミド〔CM-8000(東レ社
製)〕3重量部をMeOH/n-BuOH=8/2の混合溶媒100重量
部に加熱溶解し中間層用塗工液を作成した。これを厚さ
0.2mmのアルミニウム板〔A1080(住友軽金属社製)〕に
塗布、120℃10分間乾燥して厚さ0.2μmの中間層を形成
した。
次にポリビニルブチラール樹脂〔XYHL(ユニオンカー
バイド社製)〕4重量部をシクロヘキサノン150重量部
に溶解し、これに下記構造式〔V〕に示すジスアゾ顔料
10重量部を加え、ボールミルにて48時間分散、さらにシ
クロヘキサノン210重量部を加え、3時間ボールミル分
散を行った。これを容器に取り出し固型分が1.0重量%
になるように撹拌しながらシクロヘキサノンで希釈し
た。こうして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層
上に浸漬塗布を行い、120℃で10分間乾燥し厚さ0.2μm
の電荷発生層を設けた。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK-1300(帝
人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF-50(信
越化学工業社製〕0.002重量部を塩化メチレン85重量部
に溶解し、これに構造式〔VI〕に示す電荷輸送物質9重
量部と 例示化合物No.21のベンゾフラン化合物を0.1重量部加
え、溶解して電荷輸送層塗布液を作成した。これを前記
電荷発生層上に塗布、130℃20分間乾燥し厚さ20μmの
電荷輸送層を形成、実施例4の電子写真感光体を作成し
た。
実施例5,6 実施例4において、例示化合物No.21のかわりにそれ
ぞれ例示化合物No.76,95のベンゾフラン化合物を用いた
ほかは実施例4と同様にして実施例5,6の電子写真感光
体を作成した。
比較例5 実施例4において、例示化合物No.21のベンゾフラン
化合物を添加しないほかは実施例4と同様にして比較例
5の電子写真感光体を作成した。
比較例6〜8 実施例4において例示化合物No.21のベンゾフラン化
合物のかわりに前に示した比較化合物1,2,3をそれぞれ
0.07重量部添加したほかは実施例4と同様にして比較例
6〜8の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体の静電特性
をSP-428(川口電気製作所製)を用い、ダイナミック方
式にて測定した。まず印加電圧−6KVで20秒間帯電した
後20秒間暗減衰、さらに表面照度61uxになるようにして
30秒間露光を行った。
帯電電位は帯電2秒後の表面電位V2(−V)を、感度
は露光後、表面電位が−800Vから−80Vになるのに要す
る露光量E110(lux・sec)を、残留電位は露光30秒後
の表面電位を測定した。
その後、色温度2856Kのタングステン光51uxの光照
射、−6KVでの帯電のくり返し疲労を3時間行った後、
再び前と同様にしてV2(−V)、E110(lux・sec)、
V30(−V)を測定した。
測定結果を表−1に示す。
実施例7 実施例1と同様にしてアルミニウム板上に中間層を形
成し、さらに実施例1に示される電荷輸送層塗布液を前
記中間層上に浸漬塗工法により塗布、乾燥し膜厚20μm
の電荷輸送層を作成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトL-1250(帝
人化成社製)〕10重量部を1,2−ジクロロエタン75重量
部、1,1,2−トリクロロエタン75重量部の混合溶媒に溶
解し、これに前記構造式〔III〕のトリスアゾ顔料3重
量部を加え、ボールミルにて48時間分散を行った。さら
にこの分散液に前記構造式〔IV〕に示す電荷輸送物質7
重量部、1,2−ジクロロエタン150重量部、1,1,2−トリ
クロロエタン150重量部を加え、ボールミルにて24時間
分散、溶解し電荷発生用塗布液を作成した。これを前記
電荷輸送層上にスプレー塗布、乾燥して膜厚3μmの電
荷発生層を設け、電子写真感光体を作成した。
実施例8 実施例7の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.95
のベンゾフラン化合物のかわりにNo.76のベンゾフラン
化合物を用いた他は実施例7と同様にして実施例8の電
子写真感光体を作成した。
比較例9 実施例7の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.95
のベンゾフラン化合物を除いたほかは実施例7と同様に
して比較例9の電子写真感光体を作成した。
比較例10,11 実施例7の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.95
のベンゾフラン化合物のかわりにそれぞれ前記比較化合
物1,3を添加したほかは実施例7と同様にして比較例10,
11の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた実施例7,8、比較例9,10,11
の静電特性は帯電の印加電圧を+6KVに、電位の評価を
プラスで行った以外は実施例1の電子写真感光体を評価
したのと同様の方法にて評価を行った。
評価結果を表−2に示す。
実施例9 アルキッド樹脂〔ベッコゾール1307-60-EL(大日本イ
ンキ化学工業社製)〕15重量部、メラミン樹脂〔スーパ
ーベッカミンG-821-60(大日本インキ化学工業社製)〕
10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、こ
れに酸化チタン粉末〔タイペークCR-EL(石原産業社
製)〕90重量部を加え、ボールミルで12時間分散し、中
間層用塗布液を作成した。
これを厚さ0.2mmのアルミニウム板〔A1080(住友軽金
属社製)〕に塗布、140℃20分間乾燥し厚さ2μmの中
間層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂〔エスレックBL-S(積
水化学工業社製)〕4重量部をシクロヘキサノン150重
量部に溶解し、これに前記構造式〔III〕に示すトリア
スアゾ顔料10重量部を加え、ボールミルで48時間分散
し、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間
分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5重量
%となるようにシクロヘキサノンで希釈した。こうして
得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に塗布、13
0℃20分間乾燥し厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK-1300(帝
人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF-50(信
越化学工業社製)〕0.002重量部を塩化メチレン83重量
部に溶解し、これに前記構造式〔IV〕に示す電荷輸送物
質7重量部と例示化合物No.343のクマラン化合物0.14重
量部加え溶解して電荷輸送層塗布液を作成した。これを
前記電荷発生層上に塗布、乾燥し厚さ20μmの電荷輸送
層を形成した。
以上のようにして実施例9の電子写真感光体を作成し
た。
実施例10,11 実施例9において例示化合物No.343のかわりにそれぞ
れ例示化合物No.213,321のクマラン化合物を用いたほか
は実施例1と同様にして実施例10,11の電子写真感光体
を作成した。
比較例12 実施例9において例示化合物No.343のクマラン化合物
を添加しないほかは実施例9と同様にして比較例12の電
子写真感光体を作成した。
比較例13〜15 実施例9において例示化合物No.343のクマラン化合物
のかわりに前記比較化合物1,2,3を0.07重量部添加した
ほかは実施例9と同様にして比較例13,14,15の電子写真
感光体を作成した。
実施例12 アルコール可溶性ポリアミド〔CM-8000(東レ社
製)〕3重量部をMeOH/n-BuOH=8/2の混合溶媒100重量
部に加熱溶解し中間層用塗工液を作成した。これを厚さ
0.2mmのアルミニウム板〔A1080(住友軽金属社製)〕に
塗布、120℃10分間乾燥して厚さ0.2μmの中間層を形成
した。
次にポリビニルブチラール樹脂〔XYHL(ユニオンカー
バイド社製)〕4重量部をシクロヘキサノン150重量部
に溶解し、これに前記構造式〔V〕に示すジスアゾ顔料
10重量部を加え、ボールミルにて48時間分散、さらにシ
クロヘキサノン210重量部を加え、3時間ボールミル分
散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.0重量%
になるように撹拌しながらシクロヘキサノンで希釈し
た。こうして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層
上に浸漬塗布を行い、120℃で10分間乾燥し厚さ0.2μm
の電荷発生層を設けた。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK-1300(帝
人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF-50(信
越化学工業社製)〕0.002重量部を塩化メチレン85重量
部に溶解し、これに前記構造式〔VI〕に示す電荷輸送物
質9重量部と例示化合物No.213のクマラン化合物0.10重
量部加え、溶解して電荷輸送層塗布液を作成した。これ
を前記電荷発生層上に塗布、130℃、20分間乾燥し厚さ2
0μmの電荷輸送層を形成、実施例12の電子写真感光体
を作成した。
実施例13,14 実施例12において例示化合物No.213のかわりにそれぞ
れ例示化合物No.321,343のクマラン化合物を用いたほか
は実施例12と同様にして実施例13,14の電子写真感光体
を作成した。
比較例16 実施例12において例示化合物No.213のクマラン化合物
を添加しないほかは実施例12と同様にして比較例16の電
子写真感光体を作成した。
比較例17〜19 実施例12において例示化合物No.213のクマラン化合物
のかわりに前に示した比較化合物1,2,3を0.07重量部添
加して電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体の静電特性
をSP-428(川口電機製作所製)を用い、ダイナミック方
式にて測定した。まず印加電圧−6KVで20秒間帯電した
後20秒間暗減衰、さらに表面照度61uxになるようにして
30秒間露光を行った。
帯電電位は帯電2秒後の表面電位V2(−V)を、感度
は露光後、表面電位が−800Vから−80Vになるのに要す
る露光量E110(lux・sec)を、残留電位は露光30秒後
の表面電位を測定した。
その後、色温度2856Kのタングステン光5luxの光照
射、−6KVでの帯電のくり返し疲労を3時間行った後、
再び前と同様にしてV2(−V),E110(lux・sec),
V30(−V)を測定した。
測定結果を表−3に示す。
実施例15 実施例9と同様にしてアルミニウム板上に中間層を形
成し、さらに実施例9に示される電荷輸送塗布液を前記
中間層上に浸漬塗工法により塗布、乾燥し膜厚20μmの
電荷輸送層を作成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトL-1250(帝
人化成社製)〕10重量部を1,2−ジクロロエタン75重量
部、1,1,2−トリクロロエタン75重量部の混合溶媒に溶
解し、これに前記構造式〔III〕のトリスアゾ顔料3重
量部を加え、ボールミルにて48時間分散を行った。さら
にこの分散液に前記構造式〔IV〕に示す電荷輸送物質7
重量部、1,2−ジクロロエタン150重量部、1,1,2−トリ
クロロエタン150重量部を加え、ボールミルにて24時間
分散、溶解し電荷発生層用塗布液を作成した。これを前
記電荷輸送層上にスプレー塗布、乾燥して膜厚3μmの
電荷発生層を設け、電子写真感光体を作成した。
実施例16 実施例15の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.343
の化合物のかわりにNo.221のクマラン化合物を用いた他
は実施例15と同様にして実施例16の電子写真感光体を作
成した。
比較例20 実施例15の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.343
のクラマン化合物を除いたほかは実施例15と同様にして
比較例20の電子写真感光体を作成した。
比較例21,22 実施例15の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.343
のクラマン化合物のかわりにそれぞれ前記比較化合物1,
3を添加したほかは実施例15と同様にして比較例21,22の
電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた実施例15,16、比較例20,2
1,22の静電特性は帯電の印加電圧を+6KVに電位評価を
プラスで行った以外は実施例9の電子写真感光体を評価
したのと同様の方法にて評価を行った。
評価結果を表−4に示す。
〔効果〕 本発明の電子写真感光体は、前記構成からなるので表
−1〜表−4に示すとおり長期の繰り返し使用によって
も帯電性等の感光体特性が劣化しないため、その実用的
価値が極めて高いものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に電荷発生物質と電荷輸送
    物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体におい
    て、前記感光層中に下記一般式〔I〕で示すベンゾフラ
    ン化合物および下記一般式〔II〕に示すクマラン化合物
    よりなる群から選らばれた安定剤を含有することを特徴
    とする電子写真感光体。 一般式〔I〕 (式中、R1,R2,R3,R4,R5はそれぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリ
    ール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキ
    シ基、置換アミノ基、イミノ基、複素環基、アルキルチ
    オ基、アリールチオ基を表わす。) 一般式〔II〕 (式中、R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17はそれぞれ水素
    原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アル
    ケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ
    基、アリーロキシ基、置換アミノ基、イミノ基、複素環
    基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表わす。)
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