JP2898170B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、さらに詳しくは、導電性支持体上に形成せしめた感
光層の中にエナミン化合物を含有せしめた電子写真感光
体に関するものである。
し、さらに詳しくは、導電性支持体上に形成せしめた感
光層の中にエナミン化合物を含有せしめた電子写真感光
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に電
子写真プロセスにおいては種々の方式があり、その代表
的な例として直接方式や潜像転写方式等が知られてい
る。これら電子写真プロセスに使用される電子写真感光
体において、その光導電装置を構成する光導電層材料と
して必要とされる基本的な性質には、 (1)暗所においてコロナ放電による電荷の帯電性が高
いこと。 (2)得られたコロナ帯電による電荷が暗所において減
衰の少ないこと。 (3)光の照射によって電荷が速やかに散逸すること。 (4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。 (5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位
の低下が少ないこと。 (6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と 等があげられる。この様な材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
等の無機系の光導電性材料が用いられてきたが、近年さ
まざまな問題点が指摘されるようになった。すなわち、
酸化亜鉛系の材料においては、増感剤の添加による増感
効果を必要とするが、これら増感剤がコロナ放電による
帯電劣化や露光による光退色を生じるため、長期にわた
って安定した画像を与えることができない。硫化カドミ
ウム系の材料においては、多湿の条件下で安定した感度
が得られない。セレン系の材料においては、温度、湿度
等の外的要因で容易に結晶化が進行する。帯電性が低下
する。画像に白点が発生する。製造条件が難しい。毒性
が強い等である。
子写真プロセスにおいては種々の方式があり、その代表
的な例として直接方式や潜像転写方式等が知られてい
る。これら電子写真プロセスに使用される電子写真感光
体において、その光導電装置を構成する光導電層材料と
して必要とされる基本的な性質には、 (1)暗所においてコロナ放電による電荷の帯電性が高
いこと。 (2)得られたコロナ帯電による電荷が暗所において減
衰の少ないこと。 (3)光の照射によって電荷が速やかに散逸すること。 (4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。 (5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位
の低下が少ないこと。 (6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と 等があげられる。この様な材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
等の無機系の光導電性材料が用いられてきたが、近年さ
まざまな問題点が指摘されるようになった。すなわち、
酸化亜鉛系の材料においては、増感剤の添加による増感
効果を必要とするが、これら増感剤がコロナ放電による
帯電劣化や露光による光退色を生じるため、長期にわた
って安定した画像を与えることができない。硫化カドミ
ウム系の材料においては、多湿の条件下で安定した感度
が得られない。セレン系の材料においては、温度、湿度
等の外的要因で容易に結晶化が進行する。帯電性が低下
する。画像に白点が発生する。製造条件が難しい。毒性
が強い等である。
【0003】そこで将来的な展望から、資源の枯渇によ
る生産面の問題や、毒性による公害の心配、さらには環
境面への問題がある無機系の材料よりも、有機系の材料
よりなる電子写真感光体の研究が盛んに行われるように
なり、その結果、さまざまな有機化合物を用いた電子写
真感光体が研究されるようになった。とりわけ、ここ数
年の研究開発は、機能分離型の感光体の概念を積極的に
導入する方向にあり、その中でも特に導電層の上に電荷
発生層と、正孔移動性の電荷移動層とを順に積層し、電
荷移動層表面を負に帯電させる方法が主流となってい
る。
る生産面の問題や、毒性による公害の心配、さらには環
境面への問題がある無機系の材料よりも、有機系の材料
よりなる電子写真感光体の研究が盛んに行われるように
なり、その結果、さまざまな有機化合物を用いた電子写
真感光体が研究されるようになった。とりわけ、ここ数
年の研究開発は、機能分離型の感光体の概念を積極的に
導入する方向にあり、その中でも特に導電層の上に電荷
発生層と、正孔移動性の電荷移動層とを順に積層し、電
荷移動層表面を負に帯電させる方法が主流となってい
る。
【0004】そしてこの様に、機能を分離させる事によ
り、電荷発生と電荷移動とのそれぞれの機能を個別に有
する材料を独立して開発できるようになり、その結果、
さまざまな分子構造を有する電荷発生物質、並びに電荷
移動物質が多数開発された。電荷移動物質に注目して、
それらの中から代表的なものを構造的特徴から分類する
と、ヒドラゾン系(特開昭54−59143号)、スチ
ルベン・スチリル系(特開昭58−198043号)、
トリアリールアミン系(特公昭58−32372号)、
フェノチアジン系、トリアゾール系、キノキサリン系、
オキサジアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリン系、
トリフェニルメタン系、ジヒドロニコチンアミド化合
物、インドリン化合物、セミカルバゾン化合物等が開発
されている。
り、電荷発生と電荷移動とのそれぞれの機能を個別に有
する材料を独立して開発できるようになり、その結果、
さまざまな分子構造を有する電荷発生物質、並びに電荷
移動物質が多数開発された。電荷移動物質に注目して、
それらの中から代表的なものを構造的特徴から分類する
と、ヒドラゾン系(特開昭54−59143号)、スチ
ルベン・スチリル系(特開昭58−198043号)、
トリアリールアミン系(特公昭58−32372号)、
フェノチアジン系、トリアゾール系、キノキサリン系、
オキサジアゾール系、オキサゾール系、ピラゾリン系、
トリフェニルメタン系、ジヒドロニコチンアミド化合
物、インドリン化合物、セミカルバゾン化合物等が開発
されている。
【0005】しかしながら、この様に電荷移動材料とし
て数多くの有機化合物が開発されているにもかかわら
ず、 1)結着剤に対する相溶性が低い。 2)結晶が析出しやすい。 3)繰り返し使用した場合に感度変化が生じる。 4)帯電能、繰り返し特性が悪い。 5)残留電位特性が悪い。 等の問題点を全て満足する有機化合物はなく、先に挙げ
た感光体として要求される基本的な性質、更には機械的
強度、高耐久性等を満足するものは未だ充分に得られて
いないのが現状である。
て数多くの有機化合物が開発されているにもかかわら
ず、 1)結着剤に対する相溶性が低い。 2)結晶が析出しやすい。 3)繰り返し使用した場合に感度変化が生じる。 4)帯電能、繰り返し特性が悪い。 5)残留電位特性が悪い。 等の問題点を全て満足する有機化合物はなく、先に挙げ
た感光体として要求される基本的な性質、更には機械的
強度、高耐久性等を満足するものは未だ充分に得られて
いないのが現状である。
【0006】本発明の目的は、高感度で高耐久性を有す
る電子写真感光体を提供することである。特に本発明の
感光体は温湿度に対する安定性に秀れ、かつ帯電特性が
高く、繰り返し使用でも感度の低下がほとんど起らない
感光体を提供することである。
る電子写真感光体を提供することである。特に本発明の
感光体は温湿度に対する安定性に秀れ、かつ帯電特性が
高く、繰り返し使用でも感度の低下がほとんど起らない
感光体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、導電
性支持体上に形成される感光層が、式(I)
性支持体上に形成される感光層が、式(I)
【0008】
【化5】 [式中、nは2、3または4の整数であり、=Xは下式
(II)
(II)
【0009】
【化6】 (式中、A、Bは同一または異なって、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置
換基を有してもよいアラルキル基、または炭素数1〜5
のアルキル基を表す。)または式(III)
もよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置
換基を有してもよいアラルキル基、または炭素数1〜5
のアルキル基を表す。)または式(III)
【0010】
【化7】 (式中、R、Qはそれぞれ、同一又は異なって、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
環基、置換基を有してもよいアラルキル基、炭素数1〜
5のアルキル基または水素原子を表す。但し、Rおよび
Qが同時に水素原子の時は除く。)]で表されるエナミ
ン化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光
体を提供する。
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
環基、置換基を有してもよいアラルキル基、炭素数1〜
5のアルキル基または水素原子を表す。但し、Rおよび
Qが同時に水素原子の時は除く。)]で表されるエナミ
ン化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光
体を提供する。
【0011】上記一般式(II),(III)において、置
換を有してもよいアルキル基は好ましくは炭素数1〜5
のアルキル基、アリール基は好ましくは炭素数6〜14
のアリール基、アラルキル基は好ましくは炭素数7〜1
9のアラルキル基等が挙げられ、複素環基としては、好
ましくは5〜6員複素環基、たとえば1個の硫黄原子、
窒素原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基、2個
の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原
子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員
複素環基が挙げられる。これらの複素環基はベンゼン環
と縮合していてもよい。
換を有してもよいアルキル基は好ましくは炭素数1〜5
のアルキル基、アリール基は好ましくは炭素数6〜14
のアリール基、アラルキル基は好ましくは炭素数7〜1
9のアラルキル基等が挙げられ、複素環基としては、好
ましくは5〜6員複素環基、たとえば1個の硫黄原子、
窒素原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基、2個
の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原
子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員
複素環基が挙げられる。これらの複素環基はベンゼン環
と縮合していてもよい。
【0012】置換基を有していてもよい炭素数1〜5の
アルキル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル等、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜1
4のアリール基、例えばフェニル、ナフチル、テトラリ
ル、アンスリルまたはビフェニリルなどが挙げられ、炭
素数6〜19のアラルキル基、さらに好ましくは炭素数
6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキル基、例え
ばベンジルまたはフェネチルなどが用いられる。
アルキル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル等、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜1
4のアリール基、例えばフェニル、ナフチル、テトラリ
ル、アンスリルまたはビフェニリルなどが挙げられ、炭
素数6〜19のアラルキル基、さらに好ましくは炭素数
6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキル基、例え
ばベンジルまたはフェネチルなどが用いられる。
【0013】上記の置換基を有していてもよい5〜6員
複素環基の好ましい例としては、例えば2−ピリジル、
チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾピラニル、キノリ
ル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、フリル、ピロリ
ジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオ
キサゾリル、インドリル、ピペリジル、などが用いられ
る。
複素環基の好ましい例としては、例えば2−ピリジル、
チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾピラニル、キノリ
ル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、フリル、ピロリ
ジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオ
キサゾリル、インドリル、ピペリジル、などが用いられ
る。
【0014】上記の置換基はたとえば炭素数1〜10の
iso,tert,cycloを含んでもよいアルキル
基、炭素数1〜6のハロゲンで置換されてもよいアルキ
ル基(例、トリフッ化メチル)、ハロゲン(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等)、水酸基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されて
いてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ等)、アルコキシカルボニル
基、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ−カルボニ
ル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アリ
ールオキシ基等で1〜5個置換されていてもよい。
iso,tert,cycloを含んでもよいアルキル
基、炭素数1〜6のハロゲンで置換されてもよいアルキ
ル基(例、トリフッ化メチル)、ハロゲン(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等)、水酸基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されて
いてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ等)、アルコキシカルボニル
基、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ−カルボニ
ル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アリ
ールオキシ基等で1〜5個置換されていてもよい。
【0015】ここで、本発明のエナミン化合物の具体例
として、例えば次のA,B官能基を有するものがあげら
れる。
として、例えば次のA,B官能基を有するものがあげら
れる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】
【表8】
【0024】
【表9】
【0025】
【表10】
【0026】これらの例示化合物の中で、特に電子写真
特性、コスト面、合成面で秀れるものは、A,Bがフェ
ニル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−チェニル
メチレン基、メチル基、エチル基であり、いずれかの場
合もnが3である化合物があげられる。また、R、Q官
能基の具体例としては、つぎのものが挙げられる。
特性、コスト面、合成面で秀れるものは、A,Bがフェ
ニル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−チェニル
メチレン基、メチル基、エチル基であり、いずれかの場
合もnが3である化合物があげられる。また、R、Q官
能基の具体例としては、つぎのものが挙げられる。
【0027】
【表11】
【0028】
【表12】
【0029】
【表13】
【0030】
【表14】
【0031】
【表15】
【0032】
【表16】
【0033】
【表17】
【0034】
【表18】
【0035】
【表19】
【0036】
【表20】
【0037】これらの例示化合物の中で、特に電子写真
特性、コスト面、合成面で秀れるものは、R,Qのいず
か一方が水素原子であり残り一方がフェニル基、p−ト
リル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、p
−クロロフェニル基の化合物又は、R,Q両方がフェニ
ル基の化合物であり、いずれかの場合もnが3である化
合物があげられる。
特性、コスト面、合成面で秀れるものは、R,Qのいず
か一方が水素原子であり残り一方がフェニル基、p−ト
リル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、p
−クロロフェニル基の化合物又は、R,Q両方がフェニ
ル基の化合物であり、いずれかの場合もnが3である化
合物があげられる。
【0038】上記化合物の性質および製造方法は特願平
4−234485号公報および特願平4−195638
号公報にあげられているが、以下製造方法の例について
記す。本発明にかかわる一般式(I)の=Xが式(II)
で表されるエナミン化合物は種々の方法で合成すること
ができるが、通常以下の合成過程で容易に合成される。
すなわち、下記構造式(V)で示されるアセトアルデ
ヒド誘導体と、ジフェニルアミン(VI)とを脱水縮合さ
せエナミン誘導体(VII)を得る。
4−234485号公報および特願平4−195638
号公報にあげられているが、以下製造方法の例について
記す。本発明にかかわる一般式(I)の=Xが式(II)
で表されるエナミン化合物は種々の方法で合成すること
ができるが、通常以下の合成過程で容易に合成される。
すなわち、下記構造式(V)で示されるアセトアルデ
ヒド誘導体と、ジフェニルアミン(VI)とを脱水縮合さ
せエナミン誘導体(VII)を得る。
【0039】
【化8】
【0040】ついでこのエナミン誘導体(VII)をオキシ
塩化リンとジメチルホルムアミド、あるいはフェニルメ
チルホルムアミドによりホルミル化置換反応を行ないビ
スホルミル化合物(VIII)を得る。
塩化リンとジメチルホルムアミド、あるいはフェニルメ
チルホルムアミドによりホルミル化置換反応を行ないビ
スホルミル化合物(VIII)を得る。
【0041】
【化9】
【0042】ついでこのビスホルミル化合物(VIII)を
種々の置換基よりなるヒドラジン試薬(VI)とエタノー
ル中反応させることにより本発明の一般式(I)で示さ
れるエナミン基含有ビスヒドラゾン化合物を得る事がで
きる。ここで=Xが式(II)であるため式(X)の構造
となる。
種々の置換基よりなるヒドラジン試薬(VI)とエタノー
ル中反応させることにより本発明の一般式(I)で示さ
れるエナミン基含有ビスヒドラゾン化合物を得る事がで
きる。ここで=Xが式(II)であるため式(X)の構造
となる。
【0043】
【化10】
【0044】なお、上記構造式中の各記号は一般式
(I)と同義である。本願発明の式(I)の=Xが式
(III)で表されるエナミン化合物の合成方法は、ビスア
ルデヒド化合物(VIII)を得るまでは、前記と同様方法
によって合成される。
(I)と同義である。本願発明の式(I)の=Xが式
(III)で表されるエナミン化合物の合成方法は、ビスア
ルデヒド化合物(VIII)を得るまでは、前記と同様方法
によって合成される。
【0045】ついで、このビスアルデヒド化合物(VII
I)を種々の置換基からなるウィッチヒ(Wittig)
試薬(XI)とカリウム−t−ブトキシドの存在下で、
テトラヒドロフラン中で反応させることにより、本願発
明の一般式(I)のうち、=Xが式(III)で表されるエ
ナミン化合物(XII)を得ることができる。
I)を種々の置換基からなるウィッチヒ(Wittig)
試薬(XI)とカリウム−t−ブトキシドの存在下で、
テトラヒドロフラン中で反応させることにより、本願発
明の一般式(I)のうち、=Xが式(III)で表されるエ
ナミン化合物(XII)を得ることができる。
【0046】
【化11】 [なお、式中R1は低級アルキルまたはアリール基であ
り、その他の記号は式(I)の定義と同じ意味であ
る。]本発明にかかる電子写真感光体は以上に示したエ
ナミン化合物を1種類あるいは2種類以上含有すること
により得られる。
り、その他の記号は式(I)の定義と同じ意味であ
る。]本発明にかかる電子写真感光体は以上に示したエ
ナミン化合物を1種類あるいは2種類以上含有すること
により得られる。
【0047】また、場合によっては他のスチリル化合物
{例えば、β−フェニル−〔4−(ジベンジルアミ
ノ)〕スチルベン、β−フェニル−〔4−(N−エチル
−N−フェニルアミノ)〕スチルベン、β−フェニル−
〔4−〔ジ(p−メチルフェニル)アミノ〕〕スチルベ
ン、1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニルブタジエン}、あるいは次のヒドラ
ゾン化合物、{例えば、4−(ジベンジルアミノ)ベン
ズアルデヒド−n,n−ジフェニルヒドラゾン、4−
(エチル,フェニルアミノ)ベンズアルデヒド−n,n
−ジフェニルヒドラゾン、3,3−ビス〔(4’−ジエ
チルアミノ)フェニル〕アクロレイン−n,n−ジフェ
ニルヒドラゾン}、あるいは、次のトリフェニルアミン
化合物{例えば4−メトキシ−4’−(4−メトキシス
チリル)トリフェニルアミン、4−メトキシ−4’−ス
チリルトリフェニルアミン}等を含有させることもでき
る。
{例えば、β−フェニル−〔4−(ジベンジルアミ
ノ)〕スチルベン、β−フェニル−〔4−(N−エチル
−N−フェニルアミノ)〕スチルベン、β−フェニル−
〔4−〔ジ(p−メチルフェニル)アミノ〕〕スチルベ
ン、1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニルブタジエン}、あるいは次のヒドラ
ゾン化合物、{例えば、4−(ジベンジルアミノ)ベン
ズアルデヒド−n,n−ジフェニルヒドラゾン、4−
(エチル,フェニルアミノ)ベンズアルデヒド−n,n
−ジフェニルヒドラゾン、3,3−ビス〔(4’−ジエ
チルアミノ)フェニル〕アクロレイン−n,n−ジフェ
ニルヒドラゾン}、あるいは、次のトリフェニルアミン
化合物{例えば4−メトキシ−4’−(4−メトキシス
チリル)トリフェニルアミン、4−メトキシ−4’−ス
チリルトリフェニルアミン}等を含有させることもでき
る。
【0048】これらエナミン化合物を電子写真感光体と
して用いる態様には種々の方法が考えられる。例えばエ
ナミン化合物とアゾ系顔料または増感染料等を、必要に
よっては化学増感剤や電子吸引性化合物を添加して、結
合剤樹脂中に溶解もしくは分散させたものを導電性支持
体上に設けて成る感光体あるいは、電荷キャリアー発生
効率の高いキャリアー発生層とキャリアー移動層となり
うる積層構造の形態において導電性支持体上に増感染料
又はアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料を代表とする顔
料を主体として設けられたキャリアー発生層上に本発明
のエナミン化合物を必要によって、酸化防止化合物やニ
トロ基やシアノ基を有する電子吸引性化合物を添加して
結合剤中に溶解もしくは分散させ、これをキャリアー移
動層として設けて成る積層感光体などがあるが、いずれ
の場合にも適用することが可能である。
して用いる態様には種々の方法が考えられる。例えばエ
ナミン化合物とアゾ系顔料または増感染料等を、必要に
よっては化学増感剤や電子吸引性化合物を添加して、結
合剤樹脂中に溶解もしくは分散させたものを導電性支持
体上に設けて成る感光体あるいは、電荷キャリアー発生
効率の高いキャリアー発生層とキャリアー移動層となり
うる積層構造の形態において導電性支持体上に増感染料
又はアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料を代表とする顔
料を主体として設けられたキャリアー発生層上に本発明
のエナミン化合物を必要によって、酸化防止化合物やニ
トロ基やシアノ基を有する電子吸引性化合物を添加して
結合剤中に溶解もしくは分散させ、これをキャリアー移
動層として設けて成る積層感光体などがあるが、いずれ
の場合にも適用することが可能である。
【0049】本発明の化合物を用いて感光体を作成する
に際しては金属ドラム、金属板、導電性加工を施した
紙、プラスチックフィルムの様な支持体上へ重合体フィ
ルム形成性結合剤の助けを借りて皮膜にする。この場
合、更に感度を上げるための後述するような増感剤及び
重合性フィルム形成結合剤に対する可塑性を付与する物
質を加えて均一な感光体皮膜にするのが望ましい。
に際しては金属ドラム、金属板、導電性加工を施した
紙、プラスチックフィルムの様な支持体上へ重合体フィ
ルム形成性結合剤の助けを借りて皮膜にする。この場
合、更に感度を上げるための後述するような増感剤及び
重合性フィルム形成結合剤に対する可塑性を付与する物
質を加えて均一な感光体皮膜にするのが望ましい。
【0050】これら重合性フィルム形成結合剤として
は、利用分野に応じて種々のものがあげられる。すなわ
ち、複写機用もしくはプリンター用感光体の分野では、
ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオ
キサイド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リアリレート樹脂等が好ましい。これらは、単独又は2
種以上混合して用いてもよい。中でも、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンオ
キサイド等の樹脂は、体積抵抗値が1013Ω以上であ
り、又皮膜性、電位特性等にもすぐれている。
は、利用分野に応じて種々のものがあげられる。すなわ
ち、複写機用もしくはプリンター用感光体の分野では、
ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオ
キサイド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リアリレート樹脂等が好ましい。これらは、単独又は2
種以上混合して用いてもよい。中でも、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンオ
キサイド等の樹脂は、体積抵抗値が1013Ω以上であ
り、又皮膜性、電位特性等にもすぐれている。
【0051】又、これら結合剤の本発明のエナミン化合
物に対して加える量は、重量比で0.2〜20倍の割合
で、好ましくは0.5〜5倍の範囲である。0.2以下
になると、エナミン化合物が感光体表面より析出してく
るという欠点が生じ、又5倍以上になると著しく感度低
下をまねく。印刷版に使用する為には特にアルカリ性結
合剤が必要である。アルカリ性結合剤とは水又はアルコ
ール性のアルカリ性溶剤(混合系を含む)に可溶な酸性
基、例えば酸無水物基、カルボキシル基、フェノール性
水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、又はスルホ
ンイミド基を有する高分子物質である。
物に対して加える量は、重量比で0.2〜20倍の割合
で、好ましくは0.5〜5倍の範囲である。0.2以下
になると、エナミン化合物が感光体表面より析出してく
るという欠点が生じ、又5倍以上になると著しく感度低
下をまねく。印刷版に使用する為には特にアルカリ性結
合剤が必要である。アルカリ性結合剤とは水又はアルコ
ール性のアルカリ性溶剤(混合系を含む)に可溶な酸性
基、例えば酸無水物基、カルボキシル基、フェノール性
水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、又はスルホ
ンイミド基を有する高分子物質である。
【0052】これらアルカリ性結合剤は通常酸価が10
0以上の高い値を持っていることが好ましい。酸価の大
きな結合剤樹脂はアルカリ性溶剤に易溶もしくは容易に
膨潤化する。これら結合剤樹脂としては、例えばスチレ
ン:無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル:無水マレイ
ン酸共重合体、酢酸ビニル:クロトン酸共重合体、メタ
クリル酸:メタクリル酸エステル共重合体、フェノール
樹脂、メタクリル酸:スチレン:メタクリル酸エステル
共重合体等である。
0以上の高い値を持っていることが好ましい。酸価の大
きな結合剤樹脂はアルカリ性溶剤に易溶もしくは容易に
膨潤化する。これら結合剤樹脂としては、例えばスチレ
ン:無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル:無水マレイ
ン酸共重合体、酢酸ビニル:クロトン酸共重合体、メタ
クリル酸:メタクリル酸エステル共重合体、フェノール
樹脂、メタクリル酸:スチレン:メタクリル酸エステル
共重合体等である。
【0053】又これら樹脂の光導電性有機物質に対して
加える割合は複写機用感光体の場合と大略同じでよい。
次に感光層中に添加される増感染料としては、メチルバ
イオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、
ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系
染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、
アクリジンオレンジ、フラペオシンなどに代表されるア
クリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に
代表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブル
ーなどに代表されるオキサジン染料、その他シアニン染
料、スチリル染料、ピリリュウム塩染料、チオピリリュ
ウム塩染料などがある。
加える割合は複写機用感光体の場合と大略同じでよい。
次に感光層中に添加される増感染料としては、メチルバ
イオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、
ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系
染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、
アクリジンオレンジ、フラペオシンなどに代表されるア
クリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に
代表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブル
ーなどに代表されるオキサジン染料、その他シアニン染
料、スチリル染料、ピリリュウム塩染料、チオピリリュ
ウム塩染料などがある。
【0054】又感光層において、光吸収によって極めて
高い効率で電荷キャリアーを発生させる光導電性の顔料
としては、各種金属フタロシアニン、無金属フタロシア
ニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など
のペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料
などのアゾ系顔料、その他キナクリドン系顔料、アント
ラキノン系顔料などがある。
高い効率で電荷キャリアーを発生させる光導電性の顔料
としては、各種金属フタロシアニン、無金属フタロシア
ニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など
のペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料
などのアゾ系顔料、その他キナクリドン系顔料、アント
ラキノン系顔料などがある。
【0055】特に電荷キャリアーを発生する顔料に無金
属フタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、
フロレニリデン、フロレノン環を含有するビスアゾ顔
料、芳香族アミンから成るビスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料を用いたものは高い感度を示す、秀れた電子写真感光
体を与える。又、前述の染料も電荷キャリアー発生物質
として用いてもよい。これら染料は、単独で使用しても
よいが、顔料を共存させることにより更に高い効率で電
荷キャリアーを発生させる場合が多い。
属フタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、
フロレニリデン、フロレノン環を含有するビスアゾ顔
料、芳香族アミンから成るビスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料を用いたものは高い感度を示す、秀れた電子写真感光
体を与える。又、前述の染料も電荷キャリアー発生物質
として用いてもよい。これら染料は、単独で使用しても
よいが、顔料を共存させることにより更に高い効率で電
荷キャリアーを発生させる場合が多い。
【0056】以上に挙げた分光増感剤とは別にくり返し
使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度
の低下等を防止する目的で種々の化学物質を添加する場
合が必要となってくる。これら添加する物質としては1
−クロルアントラキノン、ベンゾキノン、2,3−ジク
ロロナフトキノン、ナフトキノン、4,4’−ジニトロ
ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、
4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロン
ジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)
アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジ
ニトリル、1−シアノ−1−(p−ニトロフェニル)−
2−(p−クロルフェニル)エチレン、2,7−ジニト
ロフルオレノン等の電子吸引性化合物やトリベンジルア
ミン、ジベンジルアニリン、テトラベンジル−p−キシ
レンジアミン等の第3級アミン化合物があげられる。
使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度
の低下等を防止する目的で種々の化学物質を添加する場
合が必要となってくる。これら添加する物質としては1
−クロルアントラキノン、ベンゾキノン、2,3−ジク
ロロナフトキノン、ナフトキノン、4,4’−ジニトロ
ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、
4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロン
ジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)
アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジ
ニトリル、1−シアノ−1−(p−ニトロフェニル)−
2−(p−クロルフェニル)エチレン、2,7−ジニト
ロフルオレノン等の電子吸引性化合物やトリベンジルア
ミン、ジベンジルアニリン、テトラベンジル−p−キシ
レンジアミン等の第3級アミン化合物があげられる。
【0057】その他、感光体中への添加物として酸化防
止剤、カール防止剤、レベリング剤などを必要に応じて
添加することができる。本発明のエナミン化合物は感光
体の形態に応じて上記の種々の添加物質と共に適当な溶
剤中に溶解又は分散し、その塗布液を先に述べた導電性
支持体上に塗布し、乾燥して感光体を製造する。
止剤、カール防止剤、レベリング剤などを必要に応じて
添加することができる。本発明のエナミン化合物は感光
体の形態に応じて上記の種々の添加物質と共に適当な溶
剤中に溶解又は分散し、その塗布液を先に述べた導電性
支持体上に塗布し、乾燥して感光体を製造する。
【0058】塗布溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、モノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、
ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素、ジオキサン、ジメトキシメチルエーテル、ジメチ
ルホルムアミドなどの溶剤の単独又は2種以上の混合溶
剤または必要に応じてアルコール類、アセトニトリル、
メチルエチルケトンなどの溶剤を更に加え使用すること
ができる。
キシレン、モノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、
ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素、ジオキサン、ジメトキシメチルエーテル、ジメチ
ルホルムアミドなどの溶剤の単独又は2種以上の混合溶
剤または必要に応じてアルコール類、アセトニトリル、
メチルエチルケトンなどの溶剤を更に加え使用すること
ができる。
【0059】本発明の電子写真感光体は前記一般式
(I)で示されるエナミン化合物をキャリアー移動物質
として用いるもので、その態様には種々の方法が考えら
れるが、感光体の構成を図1から図6に模式的に示す
と、図1は導電性支持体(1)の上に感光層(4)とし
て、キャリアー発生物質(2)を主成分としてバインダ
ー中に分散させたキャリアー発生層(5)とキャリアー
移動物質(3)を主成分としてバインダー中に分散させ
たキャリアー移動層(6)との積層よりなる機能分離型
感光体であり、キャリアー発生層(5)の表面にキャリ
アー移動層(6)が形成されており、このキャリアー移
動層(6)中にキャリアー移動物質(3)として、本発
明のエナミン化合物を用いた感光体の構成を示すもので
ある。
(I)で示されるエナミン化合物をキャリアー移動物質
として用いるもので、その態様には種々の方法が考えら
れるが、感光体の構成を図1から図6に模式的に示す
と、図1は導電性支持体(1)の上に感光層(4)とし
て、キャリアー発生物質(2)を主成分としてバインダ
ー中に分散させたキャリアー発生層(5)とキャリアー
移動物質(3)を主成分としてバインダー中に分散させ
たキャリアー移動層(6)との積層よりなる機能分離型
感光体であり、キャリアー発生層(5)の表面にキャリ
アー移動層(6)が形成されており、このキャリアー移
動層(6)中にキャリアー移動物質(3)として、本発
明のエナミン化合物を用いた感光体の構成を示すもので
ある。
【0060】図2は、図1と同一のキャリアー発生層
(5)と、キャリアー移動層(6)との積層よりなる機
能分離型感光体てあるが、図1とは逆にキャリアー移動
層(6)の表面にキャリアー発生層(5)が形成されて
おり、このキャリアー移動層(6)中にキャリアー移動
物質(3)として、本発明のエナミン化合物を用いた感
光体の構成を示すものである。
(5)と、キャリアー移動層(6)との積層よりなる機
能分離型感光体てあるが、図1とは逆にキャリアー移動
層(6)の表面にキャリアー発生層(5)が形成されて
おり、このキャリアー移動層(6)中にキャリアー移動
物質(3)として、本発明のエナミン化合物を用いた感
光体の構成を示すものである。
【0061】図3は導電性支持体(1)の上に感光層
(4)として、キャリアー発生物質(2)とキャリアー
移動物質(3)をバインダー中に分散させた単層よりな
る感光体の構成を示すものである。図4は図3の感光体
の表面にさらに表面保護層(7)を設けたものであり、
単層よりなる感光体の構成を示すものである。
(4)として、キャリアー発生物質(2)とキャリアー
移動物質(3)をバインダー中に分散させた単層よりな
る感光体の構成を示すものである。図4は図3の感光体
の表面にさらに表面保護層(7)を設けたものであり、
単層よりなる感光体の構成を示すものである。
【0062】図5は導電性支持体(1)と図1と同一の
感光層(4)の間に中間層(8)を設けたものであり、
積層よりなる機能分離型感光体の構成を示すものであ
る。図6は導電性支持体(1)と図3と同一の感光層
(4’)の間に中間層(8)を設けたものであり、単層
よりなる感光体の構成を示すものである。なお、感光層
(4)の表面に設けられる表面保護層(7)は、機械的
ストレスに対して耐久性を向上し、暗所でコロナ放電の
電荷を受容し保持する事を目的としたものであり、化学
的に安定な物質で構成され、電荷発生層が感光する光を
透過する性能を有し、露光時に光を透過して電荷発生層
に到着させ、発生した電荷の注入を受けて表面電荷を中
和削減させる必要があり、さらに電荷発生物質の光の吸
収極大の波長領域において、できるだけ透明であること
が要求される。
感光層(4)の間に中間層(8)を設けたものであり、
積層よりなる機能分離型感光体の構成を示すものであ
る。図6は導電性支持体(1)と図3と同一の感光層
(4’)の間に中間層(8)を設けたものであり、単層
よりなる感光体の構成を示すものである。なお、感光層
(4)の表面に設けられる表面保護層(7)は、機械的
ストレスに対して耐久性を向上し、暗所でコロナ放電の
電荷を受容し保持する事を目的としたものであり、化学
的に安定な物質で構成され、電荷発生層が感光する光を
透過する性能を有し、露光時に光を透過して電荷発生層
に到着させ、発生した電荷の注入を受けて表面電荷を中
和削減させる必要があり、さらに電荷発生物質の光の吸
収極大の波長領域において、できるだけ透明であること
が要求される。
【0063】この様な性質を有する材料としては、アク
リル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ウレタン樹脂などの有機絶縁性皮膜形成材料に、独断あ
るいは、酸化スズや酸化インジウム等の低抵抗化合物を
分散させたもの、変性シリコン樹脂として、アクリル変
性シリコン樹脂、エポキシ変性シリコン樹脂、アルキッ
ド変性シリコン樹脂、ポリエステル変性シリコン樹脂、
ウレタン変性シリコン樹脂、ハードコート剤としてのシ
リコン樹脂を単独あるいは、より耐久性を向上させる目
的で酸化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化ジ
ルコニウムを主成分とし、被膜を形成できる金属アルコ
キシ化合物の縮合物との混合材料などが適当である。ま
た、有機プラズマ重合膜も使用でき、必要に応じて、酸
化、窒素、ハロゲン、周期律表の第III、第V族原子を
含めることも可能で、さらには、無機材料の金属、金属
酸化物などを蒸着、スパッタリングなどの手法により、
形成させることも可能である。導電性支持体(1)と感
光層(4)との間に設けられる中間層(8)は、保護機
能や接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基盤か
ら感光層への電荷注入改善を目的としたものであり、こ
の様な材料としては、カゼイン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコート、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどが適当である。
リル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ウレタン樹脂などの有機絶縁性皮膜形成材料に、独断あ
るいは、酸化スズや酸化インジウム等の低抵抗化合物を
分散させたもの、変性シリコン樹脂として、アクリル変
性シリコン樹脂、エポキシ変性シリコン樹脂、アルキッ
ド変性シリコン樹脂、ポリエステル変性シリコン樹脂、
ウレタン変性シリコン樹脂、ハードコート剤としてのシ
リコン樹脂を単独あるいは、より耐久性を向上させる目
的で酸化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化ジ
ルコニウムを主成分とし、被膜を形成できる金属アルコ
キシ化合物の縮合物との混合材料などが適当である。ま
た、有機プラズマ重合膜も使用でき、必要に応じて、酸
化、窒素、ハロゲン、周期律表の第III、第V族原子を
含めることも可能で、さらには、無機材料の金属、金属
酸化物などを蒸着、スパッタリングなどの手法により、
形成させることも可能である。導電性支持体(1)と感
光層(4)との間に設けられる中間層(8)は、保護機
能や接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基盤か
ら感光層への電荷注入改善を目的としたものであり、こ
の様な材料としては、カゼイン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコート、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどが適当である。
【0064】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらにより、なんら限定されるもので
はない。 合成例1(例示化合物表1のNo.1) ジフェニルアミンと1−ホルミル-1,2,3,4−テトラヒド
ロナフタレンをベンゼン中でp−トルエンスルホン酸を
触媒として、脱水縮合させてエナミン化合物(融点135.
0〜136.0℃)を得る。このエナミン化合物をジメチルホ
ルムアミドと4.2 当量のオキシ塩化リンとによりビスホ
ルミル化を行ない、ビスアルデヒド化合物(融点214.0
〜215.0℃)を得る。このビスアルデヒド化合物をエタ
ノール中でフェニルメチルヒドラジンと反応させること
により例示化合物表1のNo.1(融点205.0〜206.0
℃)を得る。なお再結晶はエタノール/酢酸エチルより
行った。
るが、本発明はこれらにより、なんら限定されるもので
はない。 合成例1(例示化合物表1のNo.1) ジフェニルアミンと1−ホルミル-1,2,3,4−テトラヒド
ロナフタレンをベンゼン中でp−トルエンスルホン酸を
触媒として、脱水縮合させてエナミン化合物(融点135.
0〜136.0℃)を得る。このエナミン化合物をジメチルホ
ルムアミドと4.2 当量のオキシ塩化リンとによりビスホ
ルミル化を行ない、ビスアルデヒド化合物(融点214.0
〜215.0℃)を得る。このビスアルデヒド化合物をエタ
ノール中でフェニルメチルヒドラジンと反応させること
により例示化合物表1のNo.1(融点205.0〜206.0
℃)を得る。なお再結晶はエタノール/酢酸エチルより
行った。
【0065】得られた化合物13C−NMRスペクトルよ
り例示化合物表1のNo.1である事を確認した。すな
わち図7は通常の13C−NMRスペクトルであり、図8
はDEPT135による13C−NMRスペクトルであ
る。例示化合物表1のNo.1を特徴づけるジクナルと
して、22.73,27.03,30.25ppmにそれぞれ3個のメチレン
基が、また33.02ppmにメチル基が観測されている。
り例示化合物表1のNo.1である事を確認した。すな
わち図7は通常の13C−NMRスペクトルであり、図8
はDEPT135による13C−NMRスペクトルであ
る。例示化合物表1のNo.1を特徴づけるジクナルと
して、22.73,27.03,30.25ppmにそれぞれ3個のメチレン
基が、また33.02ppmにメチル基が観測されている。
【0066】合成例2(例示化合物表11のNo.1) ジフェニルアミンと、1−ホルミル-1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタレンをベンゼン中でp−トルエンスルホン酸
を触媒として、脱水縮合させてエナミン化合物(融点13
5.0〜136.0℃)を得る。このエナミン化合物をジメチル
ホルムアミドと4.2当量のオキシ塩化リンとによりビス
ホルミル化を行ないビスアルデヒド化合物(融点214.0
〜215.0 ℃)を得る。このビスアルデヒド化合物をカリ
ウム−t−ブトキサイド存在下、テトラビトロフラン中
でベンジルホスホン酸ジエチルと反応させることにより
例示化合物表11のNo.1(融点164.0 〜165.0 ℃)
を得る。なお再結晶はエタノール/酢酸エチルより行っ
た。
ドロナフタレンをベンゼン中でp−トルエンスルホン酸
を触媒として、脱水縮合させてエナミン化合物(融点13
5.0〜136.0℃)を得る。このエナミン化合物をジメチル
ホルムアミドと4.2当量のオキシ塩化リンとによりビス
ホルミル化を行ないビスアルデヒド化合物(融点214.0
〜215.0 ℃)を得る。このビスアルデヒド化合物をカリ
ウム−t−ブトキサイド存在下、テトラビトロフラン中
でベンジルホスホン酸ジエチルと反応させることにより
例示化合物表11のNo.1(融点164.0 〜165.0 ℃)
を得る。なお再結晶はエタノール/酢酸エチルより行っ
た。
【0067】得られた化合物13C−NMRスペクトルよ
り例示化合物表11のNo.1である事を確認した。す
なわち図9は通常の13C−NMRスペクトルであり、図
10はDEpT135による13C−NMRスペクトルで
あり、これら図9および図10に示されるスペクトルに
より表11の例示化合物No.1を特徴づけるピークと
して、22.76,27.03,30.25ppmにそれぞれ3個のメチレン
基が観測されている。
り例示化合物表11のNo.1である事を確認した。す
なわち図9は通常の13C−NMRスペクトルであり、図
10はDEpT135による13C−NMRスペクトルで
あり、これら図9および図10に示されるスペクトルに
より表11の例示化合物No.1を特徴づけるピークと
して、22.76,27.03,30.25ppmにそれぞれ3個のメチレン
基が観測されている。
【0068】実施例1〜5 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μm)を
支持体とし、その上に下記構造式
支持体とし、その上に下記構造式
【0069】
【化12】 で示されるビスアゾ顔料をフェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製;PKKH)を溶かした1%のTHF溶液
中に重量で樹脂と同量加え、次いでペイントコンディシ
ョナー(レッドレベル社製)中で直径1.5mmのガラス
ビーズと一緒の状態で約2時間分散を行ない、ドクター
ブレイド法により塗布、乾燥した。乾燥後の膜厚は0.
2μmであった。
ーバイド社製;PKKH)を溶かした1%のTHF溶液
中に重量で樹脂と同量加え、次いでペイントコンディシ
ョナー(レッドレベル社製)中で直径1.5mmのガラス
ビーズと一緒の状態で約2時間分散を行ない、ドクター
ブレイド法により塗布、乾燥した。乾燥後の膜厚は0.
2μmであった。
【0070】この顔料層(電荷発生層)の上に本発明の
例示化合物表1のNo.1、表2のNo.18、表4の
No.28、表5のNo.37、表6のNo.51を各
々1gをポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−100)
1.2gを塩化メチレンに溶かした15%の溶液中に溶
解させ、この溶液をスキージングドクターにより塗布
し、乾燥膜厚20μmの樹脂−エナミン化合物固溶相
(電荷移動層)を作成した。
例示化合物表1のNo.1、表2のNo.18、表4の
No.28、表5のNo.37、表6のNo.51を各
々1gをポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−100)
1.2gを塩化メチレンに溶かした15%の溶液中に溶
解させ、この溶液をスキージングドクターにより塗布
し、乾燥膜厚20μmの樹脂−エナミン化合物固溶相
(電荷移動層)を作成した。
【0071】このようにして作成した積層型電子写真感
光体を静電記録紙試験装置(川口電機製SP−428)
により電子写真特性を評価した。測定条件は(加電圧:
−6KV,スタティック:No3)であり、白色光照射
(照射光:5lux )により−700Vから−100Vに
減衰させるに要する露光量E100 (ルックス・秒)及び
初期電位Vo(−ボルト)を測定し、その値を表21に
示した。
光体を静電記録紙試験装置(川口電機製SP−428)
により電子写真特性を評価した。測定条件は(加電圧:
−6KV,スタティック:No3)であり、白色光照射
(照射光:5lux )により−700Vから−100Vに
減衰させるに要する露光量E100 (ルックス・秒)及び
初期電位Vo(−ボルト)を測定し、その値を表21に
示した。
【0072】更に、同装置を用いて加電−除電(除電
光:白色光で40ルックスで1秒照射)を1サイクルと
して1万回同様の操作を行った後の初期電位V0 (−ボ
ルト)及びE100 (ルックス・秒)を測定し、V0 及び
E100 の変化を調べた。
光:白色光で40ルックスで1秒照射)を1サイクルと
して1万回同様の操作を行った後の初期電位V0 (−ボ
ルト)及びE100 (ルックス・秒)を測定し、V0 及び
E100 の変化を調べた。
【0073】
【表21】 表21より、本願発明のエナミン化合物は感度繰返し特
性も良好であることが分った。
性も良好であることが分った。
【0074】実施例6〜10 上記実施例1〜5の例示化合物の代りに、実施例6〜1
0においては、顔料層(電荷発生層)の上にそれぞれ表
11のNo.1、No.6、表12のNo.11、表1
2のNo.22および表17の56の例示化合物を用い
たほかは、実施例1〜5と同様の条件にて電子写真特性
を評価した。評価結果は表22に示した。
0においては、顔料層(電荷発生層)の上にそれぞれ表
11のNo.1、No.6、表12のNo.11、表1
2のNo.22および表17の56の例示化合物を用い
たほかは、実施例1〜5と同様の条件にて電子写真特性
を評価した。評価結果は表22に示した。
【0075】
【表22】 表22より、本願発明のエナミン化合物は感度繰返し特
性も良好であることが分った。
性も良好であることが分った。
【0076】実施例11 アルミ蒸着のポリエステルフィルム上にx型蒸金層フタ
ロシアニン(大日本インキ社製 ファストゲンブルー8
120)0.4gを塩化ビニル:酢酸ビニル共重合体樹
脂(積水化学社製;エスレックスM)0.3gを溶かし
た酢酸エチル溶液30ml中に加え、ペイントコンディシ
ョナー中で約20分間分散を行ない、ドクターブレイド
法により塗布し、乾燥後の膜厚0.4μmになる様に電
荷発生層を形成させた。
ロシアニン(大日本インキ社製 ファストゲンブルー8
120)0.4gを塩化ビニル:酢酸ビニル共重合体樹
脂(積水化学社製;エスレックスM)0.3gを溶かし
た酢酸エチル溶液30ml中に加え、ペイントコンディシ
ョナー中で約20分間分散を行ない、ドクターブレイド
法により塗布し、乾燥後の膜厚0.4μmになる様に電
荷発生層を形成させた。
【0077】この電荷発生層の上に例示化合物表4のN
o.31のエナミン化合物を重量比50%を含有したポ
リアリレート層を積層して2層構成からなる感光体を作
成した。本感光体の780nmの分光感度を電位半減に要
したエネルギー(E50)及び初期電位(−Vo)を求め
たところ、Vo=−890(ボルト)、E50=2.6
(エルグ/cm2)と非常に感度の高い、かつ高帯電性の感
光体であった。
o.31のエナミン化合物を重量比50%を含有したポ
リアリレート層を積層して2層構成からなる感光体を作
成した。本感光体の780nmの分光感度を電位半減に要
したエネルギー(E50)及び初期電位(−Vo)を求め
たところ、Vo=−890(ボルト)、E50=2.6
(エルグ/cm2)と非常に感度の高い、かつ高帯電性の感
光体であった。
【0078】またシャープ社製レーザープリンター(W
D−580P)を改造し、ドラム部に本感光体をはりつ
け、連続空コピー(Non Copy Aging)を
1万回行ない、初期電位低下、感度の低下の度合を調べ
た。その結果はVo=880(ボルト)、E50=2.7
(エルグ/cm2)と第1回目と比べて、ほとんど値の変動
は見られなかった。
D−580P)を改造し、ドラム部に本感光体をはりつ
け、連続空コピー(Non Copy Aging)を
1万回行ない、初期電位低下、感度の低下の度合を調べ
た。その結果はVo=880(ボルト)、E50=2.7
(エルグ/cm2)と第1回目と比べて、ほとんど値の変動
は見られなかった。
【0079】実施例12 実施例11の電荷発生層の上に、表16のNo.53の
例示化合物を用いたほかは、実施例11と同様の条件に
て、感光体を作成した。実施例11と同様に、本感光体
の780nmの分光感度を電位半減に要したエネルギー
(E50)及び初期電位(−Vo)を求めたところ、Vo
=−880(ボルト)、E50=2.5(エルグ/cm2)と
非常に感度の高い、かつ高帯電性の感光体であった。
例示化合物を用いたほかは、実施例11と同様の条件に
て、感光体を作成した。実施例11と同様に、本感光体
の780nmの分光感度を電位半減に要したエネルギー
(E50)及び初期電位(−Vo)を求めたところ、Vo
=−880(ボルト)、E50=2.5(エルグ/cm2)と
非常に感度の高い、かつ高帯電性の感光体であった。
【0080】またシャープ社製レーザープリンター(W
D−580P)を改造し、ドラム部に本感光体をはりつ
け、連続空コピー(Non Copy Aging)を
1万回行ない、初期電位低下、感度の低下の度合を調べ
た。その結果はVo=870(ボルト)、E50=2.6
(エルグ/cm2)と第1回目と比べて、ほとんど値の変動
は見られなかった。
D−580P)を改造し、ドラム部に本感光体をはりつ
け、連続空コピー(Non Copy Aging)を
1万回行ない、初期電位低下、感度の低下の度合を調べ
た。その結果はVo=870(ボルト)、E50=2.6
(エルグ/cm2)と第1回目と比べて、ほとんど値の変動
は見られなかった。
【0081】実施例13〜16 アルミ基盤表面をアルマイト加工(アルマイト層:7μ
m)した支持体の上に本発明のエナミン化合物1g、下
記構造式で示されるポリアリート樹脂1.1gおよびN,
N-3,5-キシリル-3,4−キシリル-3,4,9,10-ペリレンテト
ラカルボキシルイミド0.15gおよび紫外線吸収剤0.05g
を塩化メチレン中に溶解した(イミド化合物は一部分散
状態)溶液をアプリケーターにより塗布し、乾燥膜厚2
0μmの単層感光体を得た。
m)した支持体の上に本発明のエナミン化合物1g、下
記構造式で示されるポリアリート樹脂1.1gおよびN,
N-3,5-キシリル-3,4−キシリル-3,4,9,10-ペリレンテト
ラカルボキシルイミド0.15gおよび紫外線吸収剤0.05g
を塩化メチレン中に溶解した(イミド化合物は一部分散
状態)溶液をアプリケーターにより塗布し、乾燥膜厚2
0μmの単層感光体を得た。
【0082】
【化13】
【0083】この様にして感光体を静電記録紙試験装置
により電子写真特性を測定した。測定条件は、(加電
圧:+5.5 kV、スタティック:No.3)で行った。
白色光照射による+700Vから+100Vに減少させ
るのに必要な露光量E100(ルックス・秒)を測定し、そ
の値を表23に示した。また、1万回の空コピーテスト
を行い、感度(E100)の低下の度合いも表23に示し
た。
により電子写真特性を測定した。測定条件は、(加電
圧:+5.5 kV、スタティック:No.3)で行った。
白色光照射による+700Vから+100Vに減少させ
るのに必要な露光量E100(ルックス・秒)を測定し、そ
の値を表23に示した。また、1万回の空コピーテスト
を行い、感度(E100)の低下の度合いも表23に示し
た。
【0084】
【表23】 本発明のエナミン化合物を用いた感光体は、正帯電にお
いても秀れた感度および繰り返し特性を有する感光体で
あることがわかった。
いても秀れた感度および繰り返し特性を有する感光体で
あることがわかった。
【0085】実施例17〜20 実施例13〜16の単層感光体の例示化合物の代りに、
実施例17〜20においてはそれぞれ表11のNo.
2、表13のNo.22、表17のNo.55および表
20のNo.85の例示化合物を用いたほかは、実施例
13〜16と同様の条件にて単層感光体を得た。このよ
うにして得た単層感光体を、実施例13〜16と同様条
件にて評価した結果を、表24に示した。
実施例17〜20においてはそれぞれ表11のNo.
2、表13のNo.22、表17のNo.55および表
20のNo.85の例示化合物を用いたほかは、実施例
13〜16と同様の条件にて単層感光体を得た。このよ
うにして得た単層感光体を、実施例13〜16と同様条
件にて評価した結果を、表24に示した。
【0086】
【表24】 前記同様に、本実施例の化合物においても、感光体は正
帯電においても優れた感度および繰返し特性を有するも
のであることが分った。
帯電においても優れた感度および繰返し特性を有するも
のであることが分った。
【0087】
【発明の効果】本発明のエナミン化合物を含有する感光
体は高感度で、高耐久性を有する有機質の電子写真感光
体であり、無機系のものにくらべて、無毒で、資源的に
も問題がなく、透明性がよく、軽量で成膜性も容易で、
正負の両帯電性を有しており、感光体の製造も容易とい
う有機系感光体の利点を備えていると共に、温度、湿度
に対する安定性に優れ、かつ帯電特性が高く、繰り返し
使用でも光感度の低下がほとんど起こらないという優れ
た特性を備えている。
体は高感度で、高耐久性を有する有機質の電子写真感光
体であり、無機系のものにくらべて、無毒で、資源的に
も問題がなく、透明性がよく、軽量で成膜性も容易で、
正負の両帯電性を有しており、感光体の製造も容易とい
う有機系感光体の利点を備えていると共に、温度、湿度
に対する安定性に優れ、かつ帯電特性が高く、繰り返し
使用でも光感度の低下がほとんど起こらないという優れ
た特性を備えている。
【図1】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した断面図である。
体の層の構成を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
【図3】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
【図4】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
【図5】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
【図6】本発明のエナミン化合物を用いた電子写真感光
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
体の層の構成を模式的に示した他の断面図である。
【図7】例示化合物表1のNo.1の通常の13C−NM
Rスペクトルである。
Rスペクトルである。
【図8】例示化合物表1のNo.1の(DEPT−13
5)による13C−NMRスペクトルである。
5)による13C−NMRスペクトルである。
【図9】例示化合物表11のNo.1の通常の13C−N
MRスペクトルである。
MRスペクトルである。
【図10】例示化合物表11のNo.1の(DEPT−
135)による13C−NMRスペクトルである。
135)による13C−NMRスペクトルである。
1 導電性支持体 2 キャリアー発生物質 3 キャリアー移動物質 4 4’−感光層 5 キャリアー発生層 6 キャリアー移動層 7 表面保護層 8 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 清文 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 榎本 和弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−59143(JP,A) 特開 昭63−170651(JP,A) 特開 平2−24663(JP,A) 特開 平4−353856(JP,A) 特開 平2−184857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 313
Claims (5)
- 【請求項1】 導電性支持体の上に形成される感光層中
に、下式(I): 【化1】 [式中、nは2、3または4の整数であり、=Xは下式
(II) 【化2】 (式中、A、Bはそれぞれ、同一または異なって、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複
素環基、置換基を有してもよいアラルキル基、または炭
素数1〜5のアルキル基を表す。)または式(III) 【化3】 (式中、R、Qはそれぞれ、同一又は異なって、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
環基、置換基を有してもよいアラルキル基、炭素数1〜
5のアルキル基または水素原子を表す。但し、Rおよび
Qが同時に水素原子の時は除く。)]で表されるエナミ
ン化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光
体。 - 【請求項2】 nが3であり、=Xが式(II)である請
求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 nが3であり、=Xが式(II)であり、
式(II)中Bが下式(IV) 【化4】 (式中、mは1〜5の整数であり、aは同一または異な
ってもよい、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜
3のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子または水素原子
を表す)である請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】 感光層がキャリアー移動物質とキャリア
ー発生物質とを含有し、該キャリアー移動物質が式
(I)のエナミン化合物である請求項1記載の電子写真
感光体。 - 【請求項5】 感光層がキャリアー発生物質を含有する
キャリアー発生層と、キャリアー移動物質を含有するキ
ャリアー移動層との積層感光体において、該キャリアー
移動物質が式(I)のエナミン化合物である請求項1記
載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12002193A JP2898170B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12002193A JP2898170B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電子写真感光体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06332204A JPH06332204A (ja) | 1994-12-02 |
| JP2898170B2 true JP2898170B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=14775952
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12002193A Expired - Fee Related JP2898170B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2898170B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP12002193A patent/JP2898170B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06332204A (ja) | 1994-12-02 |
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Legal Events
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Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080312 |
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Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312 Year of fee payment: 11 |
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