JP3081756B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3081756B2
JP3081756B2 JP06194372A JP19437294A JP3081756B2 JP 3081756 B2 JP3081756 B2 JP 3081756B2 JP 06194372 A JP06194372 A JP 06194372A JP 19437294 A JP19437294 A JP 19437294A JP 3081756 B2 JP3081756 B2 JP 3081756B2
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晃弘 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、さらに詳しくは、導電性支持体上に形成せしめた感
光層の中に特定のエナミン誘導体を含有せしめた電子写
真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真プロセスにおいては種々
の方式があり、その代表的な例として直接方式や潜像転
写方式などが知られている。これら電子写真プロセスに
使用される電子写真感光体において、その光導電層を構
成する光導電性材料として必要とされる基本的な性質に
は 1)暗所においてコロナ放電による帯電電位が高いこ
と。 2)得られたコロナ放電による電荷が暗所において減衰
の少ないこと。 3)光照射によって電荷が速やかに散逸すること。 4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。 5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位の
減少がすくないこと。 6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と。 などがあげられる。
【0003】このような材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
などの無機系の光導電性材料が用いられてきたが、近年
さまざまな問題点が指摘されるようになった。すなわ
ち、酸化亜鉛系の材料においては、増感剤の添加による
増感効果を必要とするが、これら増感剤がコロナ放電に
よる帯電劣化や露光による光褪色を生じるため、長期に
わたって安定した画像を与えることができない。硫化カ
ドミウム系の材料においては、多湿の条件下で安定した
感度が得られない。セレン系の材料においては、温度、
湿度などの外的要因で容易に結晶化が進行すること、帯
電性が低下すること、画像に白点が発生すること、製造
条件が難しいこと、毒性が強いことなどである。
【0004】そこで将来的な展望から、資源枯渇の問題
や、毒性の懸念、さらには環境面への問題がある無機系
の材料よりも、有機系の材料よりなる電子写真感光体の
研究が盛んに行われるようになり、その結果、さまざま
な有機化合物を用いた電子写真感光体が研究されるよう
になった。とりわけ、ここ数年の研究開発は、機能分離
型の感光体の懸念を積極的に導入する方向にあり、その
中でも特に導電性基体上にキャリアー発生層と正孔移動
性のキャリアー移動層とを順に積層し、キャリアー移動
層表面を負に帯電させる方法が主流となっている。
【0005】そしてこの様に、機能を分離させる事によ
り、キャリアー発生とキャリアー移動とのそれぞれの機
能を個別に有する材料を独立して開発できるようにな
り、その結果、さまざまな分子構造を有するキャリアー
発生物質、並びにキャリアー移動物質が多数開発され
た。
【0006】キャリアー移動物質に注目して、それらの
中から代表的なものを構造的特徴から分類すると、ヒド
ラゾン系(特開昭54−59143)、スチルベン・ス
チリル系(特開昭58−198043)、トリアリール
アミン系(特公昭58−32372)、フェノチアジン
系、トリアゾール系、キノキサリン系、オキサジアゾー
ル系、オキサゾール系、ピラゾリン系、トリフェニルメ
タン系、ジヒドロニコチンアミド化合物、インドリン化
合物、セミカルバゾン化合物等が開発されている。
【0007】しかしながら、この様にキャリアー移動物
質として数多くの有機化合物が開発されているにもかか
わらず、 1)結着剤に対する相溶性が低い。 2)結晶が析出しやすい。 3)繰り返し使用した場合に感度変化が生じる。 4)帯電能、繰り返し特性が悪い。 5)残留電位特性が悪い。 等の問題点を全て満足する有機化合物はなく、先に挙げ
た感光体として要求される基本的な性質、更には機械的
強度、耐久性等を満足するものは未だ得られていないの
が現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で高耐久性を有する電子写真感光体を提供することで
ある。特に温度、湿度に対する安定性に優れ、かつ帯電
特性が高く、繰り返し使用でも高感度の特性が維持され
る電子写真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光導電性
物質について研究を重ねた結果、特定の構造を有する化
合物を感光層中に含有させることにより、高感度、高耐
久性を有する電子写真感光体を得ることを見出し本発明
を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の電子写真感光体は、一
般式(I)
【化9】 (ここで、Arは置換基を有してもよいアリール基、置
換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいア
ラルキル基または複素環置換アルキル基であり、nは
2,3もしくは4である)で示されるエナミン誘導体が
導電性支持体上に形成される感光層中に含有されている
ことを特徴とする。
【0011】好ましい一般式(I)で示されるエナミン
誘導体としては、一般式(II)
【化10】 (ここで、Arは前記一般式(I)と同じ)で示される
化合物をあげることができる。
【0012】他の好ましい一般式(I)で示されるエナ
ミン誘導体としては、一般式(III)
【化11】 (但し、RとR2は、同一または異なって、低級アル
キル基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は複素
環アルキル基、又はR1とR2は、これらが結合する窒素
原子とともに窒素含有複素環基を形成してもよい、
3、R4、R5とR6は同一又は異なって水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又は低級
ジアルキルアミン基、nは2−4)で示される化合物を
あげることができる。
【0013】前記複素環アルキル基は、チエニルメチル
基であるのが好ましい。前記一般式(III)のR1、R2
およびこれらと結合している窒素原子とによって形成さ
れる前記窒素含有複素環基が、
【化12】 からなる群から選ばれるのが好ましい。
【0014】また、前記一般式(III)のR1とR2が、
同一または異なって、低級アルキル基又はアリール基で
あり、又はこれらが結合する窒素原子とともに窒素含有
複素環基を形成してもよく、前記一般式(III)のR3
4、R5とR6が水素原子又はいずれか1つが低級アル
キル基であるのが好ましい。
【0015】前記低級アルキル基がメチル基であり、前
記アリール基がフェニル基であるのが好ましい。
【0016】もう一つの好ましい一般式(I)で示され
るエナミン誘導体としては、一般式(IV)
【化13】 〔式中R7とR8は、水素原子(但しR7とR8が共に水素
原子の場合は除く)、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有しても
よいアラルキル基、低級アルキル基または複素環アルキ
ル基であり、aは低級アルキル基、低級アルコキシ基、
ハロゲン原子または水素原子であり、mは1〜4の整数
であり(但し、mが2以上のとき、aは同一でも異なっ
ていてもよい。)nは2〜4の整数である。〕で示され
る化合物をあげることができる。
【0017】前記一般式(IV)で示されるエナミン誘導
体が、一般式(V)
【化14】 〔式中bは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、lは1〜5の整数
である(但し、lが2以上のとき、bは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕で示される化合物であるのが好ま
しい。
【0018】また、前記一般式(IV)で示されるエナミ
ン誘導体が、一般式(VI)
【化15】 〔式中dは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、rは1〜7の整数
である(但し、rが2以上のとき、dは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕で示される化合物であってもよ
い。
【0019】さらに、前記一般式(IV)で示されるエナ
ミン誘導体が、一般式(VII)
【化16】 〔式中eは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、pは1〜9の整数
である(但し、pが2以上のとき、eは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕で示される化合物でもよい。
【0020】前記感光層がキャリアー移動物質とキャリ
アー発生物質を含有し、該キャリアー移動物質が一般式
(I)、(III)又は(IV)のエナミン誘導体であるの
が好ましい。
【0021】前記感光層がキャリアー発生物質を含有す
るキャリアー発生層と、キャリアー移動物質を含有する
キャリアー移動層とからなり、該キャリアー移動物質が
一般式(I)、(III)又は(IV)のエナミン誘導体で
あるのが好ましい。
【0022】前記感光層の上に、更に表面保護層が形成
されているのが望ましい。また、前記導電性支持体と前
記感光層との間に、高分子物質からなる中間層が形成さ
れていてもよい。
【0023】本発明の電子写真感光体に用いる前記一般
式(I)で示されるエナミン誘導体の置換基Arは、置
換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい
複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または複
素環置換アルキル基である。具体的にはフェニル、トリ
ル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、イソプロピ
ルフェニル、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフ
ェニル、ジメチルアミノフェニル、ナフチル、メチルナ
フチル、ビフェニル、メチルビフェニル、メトキシビフ
ェニル、アントリル、テトラリニル、インダニルなどの
アリール基、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチオフラニ
ル、フルオレノニル、アクリジニル、2,1,3−ベン
ゾチアジアゾリル、2−ベンゾチアジアゾリル、6−メ
トキシ−2−ベンゾチアジアゾリル、2−ベンゾオキサ
ゾリル、2−メチル−5−ベンゾオキサゾリル、4−フ
ェニル−2−チアゾリル、5−エチル−2−1,3,4
−チアジアゾリル、5−メチル−3−イソオキサゾリル
などの複素環基、ベンジル、メトキシベンジル、メチル
ベンジルなどのアラルキル基、チエニルメチルなどの複
素環置換アルキル基などがあげられるが、無置換および
電子供与基で置換されたアリール基が有効である。
【0024】特に好ましくは、フェニル、p−メトキシ
フェニル、m−メトキシフェニル、p−エトキシフェニ
ル、m−エトキシフェニル、p−トリル、m−トリル、
m−エチルフェニル、m−イソプロピルフェニル、3,
5−キシリル、m−クロロフェニル、1−ナフチル、m
−ジメチルアミノフェニルなどのアリール基、2−ピリ
ジル、6−メトキシ−2−ベンゾチアゾリル、2−メチ
ル−5−ベンゾオキサゾリルなどの複素環基をあげるこ
とができる。
【0025】本発明の電子写真感光体にかかわる一般式
(I)のエナミン誘導体は種々の方法で合成することが
できるが、通常以下の合成過程で容易に合成される。す
なわち、下記式(VIII)で示される1級アミン化合物
と、下記式(IX)で示されるアルデヒド化合物の2当量
をベンゼンなどの溶媒中で酸触媒下加熱し、脱水縮合さ
せることにより本発明のエナミン誘導体(I)を得る。
【化17】
【0026】本発明においては、上記エナミン誘導体を
電子写真感光体のキャリアー移動物質として用いる。本
発明の電子写真感光体に用いる一般式(I)で示される
エナミン誘導体の具体例としてつぎの表1〜表5で示さ
れる置換基を有する例示化合物をあげることができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】
【表10】
【0037】
【表11】
【0038】
【表12】
【0039】
【表13】
【0040】
【表14】
【0041】
【表15】
【0042】これら例示化合物の中で、特に電子写真特
性、コスト面、合成面で優れるものは、No.1、2、
3、4、7、11、15、16、22、26、28、4
2、56、57、58、59、63、67、78、8
2、91、92、93、94、96、97の化合物であ
る。
【0043】他の好ましい一般式(I)で示されるエナ
ミン誘導体としては、一般式(III)
【化18】 (但し、R1とR2は、同一または異なって、低級アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は複素環
アルキル基、又はR1とR2は、これらが結合する窒素原
子とともに窒素含有複素環基を形成してもよい、R3
4、R5とR6は同一又は異なって水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又は低級ジア
ルキルアミン基、nは2−4)で示される化合物をあげ
ることができる。
【0044】このエナミン誘導体は、文献に未記載の化
合物である。本発明の一般式(III)で示されるエナミ
ン誘導体の置換基について説明する。R1とR2における
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、n−ペンチル基等がある。アリール基としては、
例えばフェニル、1−ナフチル、9−アントラセリル基
等が挙げられる。これらのアリール基は、水素原子の少
くとも1つがメチル、メトキシ、ハロゲンなどで置換さ
れていてもよい。その例としては、p−トリル、3,5
−キシリル、p−メトキシフェニル、p−クロロフェニ
ル、2−メチル−1−ナフチル基が挙げられる。
【0045】アラルキル基としては、例えばベンジル
基、フェニルエチル基等があり、更にこれらの置換基を
有するものとして、例えばp−メトキシベンジル、p−
メチルベンジル、p−クロルベンジル基等も用いること
ができる。複素環基としては、例えば2−フリル、3−
フリル、2−チェニル、3−チェニル、2−ピリジル、
2−ベンゾチアゾイル、2−ベンゾオキサゾリル基等が
あり、更にこれらの置換基を有するものも用いることが
できる。
【0046】複素環アルキル基としては、例えば、2−
チェニルメチル、2−フリルメチル、3−フリルメチ
ル、3−チェニルメチル、2−ピリジルメチル、2−ベ
ンゾチアゾイルメチル、2−ベンゾオキサゾイルメチル
基等があり、更にこれらの置換基を有するものも用いる
ことができる。これらの中でも、2−チェニルメチル、
3−チェニルメチル基が好ましい。
【0047】R1とR2が結合する窒素原子とともに形成
される窒素含有複素環基としては、例えば
【化19】 等がある。
【0048】R1とR2は、上記置換基の中でも低級アル
キル基又はアリール基、又はR1とR2は、これらが結合
する窒素原子とともに窒素含有複素環基を形成している
のが好ましい。低級アルキル基は、特にメチル基が好ま
しい。アルキル基は、特にフェニル基が好ましい。窒素
含有複素環基は、特に
【化20】 が好ましい。
【0049】更にこれらの置換基を有するものとして、
例えば
【化21】 等も好ましい。
【0050】R3、R4、R5とR6は、同一又は異なって
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基又は低級ジアルキルアミン基がよいが、水素原子
または電子供与性の置換基が好ましい。電子供与性の置
換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、メトキシ基、ジメチルアミノ基等を挙げることがで
きる。
【0051】この発明においては、R3、R4、R5とR6
が水素原子又はいずれか1つが低級アルキル基であるエ
ナミン誘導体が好ましい。この発明においては、一般式
(III)のエナミン誘導体を、例えば次の2つの方法に
よって合成することができる。
【0052】第1の方法は、まず式(a)に示すよう
に、4−ニトロベンズアルデヒド誘導体(X)とヒドラ
ジン誘導体(XI)を、縮合触媒の存在下、例えばエタノ
ール中で加熱することにより、4−ニトロベンズヒドラ
ゾン誘導体(XII)を合成する。
【化22】 上記触媒としては、例えば酢酸カリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸等が用いられる。
【0053】次いで式(b)に示すように、この4−ニ
トロベンズヒドラゾン誘導体(XII)を、例えば1,4
−ジオキサン/水混合溶媒中で加熱しながら鉄粉と酸を
用いて還元し、4−アミノベンズヒドラゾン誘導体(XI
II)を合成する。
【化23】 上記酸としては、例えば酢酸水溶液、塩酸水溶液等が用
いられる。
【0054】次いで式(c)に示すように、4−アミノ
ベンズヒドラゾン誘導体(XIII)と縮合多環式炭化水素
置換アルデヒド(XIV)を、例えばトルエン中で加熱し
ながら酸触媒の存在下で縮合させて目的化合物のエナミ
ン誘導体(III)を合成する。
【化24】 上記酸触媒としては、例えばP−トルエンスルホン酸、
カンファ−スルホン酸等が用いられる。
【0055】第2の方法は、まず式(d)に示すよう
に、アニリン誘導体(XV)と縮合多環式炭化水素置換ア
ルデヒド(XIV)を、例えばトルエン中で加熱しながら
酸触媒の存在下で縮合させて縮合多環式ビニリデン置換
アニリン誘導体(XVI)を合成する。
【化25】 上記酸触媒としては、例えばP−トルエンスルホン酸、
カンファ−スルホン酸等が用いられる。
【0056】次いで式(e)に示すように、縮合多環式
ビニリデン置換アニリン誘導体(XVI)を、例えばN,
N−ジメチルホルムアミド又はN−メチル−N−フェニ
ルホルムアミドとオキシ塩化リンで処理することによっ
てホルミル化し、ベンズアルデヒド誘導体(XVII)を合
成する。
【化26】
【0057】次いで式(f)に示すように、ベンズアル
デヒド誘導体(XVII)とヒドラジン誘導体(XI)を、例
えばエタノール中で加熱しながら触媒を用いて反応させ
ることにより目標化合物のエナミン誘導体(III)を合
成する。
【化27】 上記触媒としては、例えば酢酸、酢酸カリウム等が用い
られる。
【0058】この発明においては、上記合成法を用い
て、例えば表6〜表15に示す例示化合物を合成して電
子写真感光体のキャリアー移動物質として用いることが
できる。
【0059】
【表16】
【0060】
【表17】
【0061】
【表18】
【0062】
【表19】
【0063】
【表20】
【0064】
【表21】
【0065】
【表22】
【0066】
【表23】
【0067】
【表24】
【0068】
【表25】
【0069】
【表26】
【0070】
【表27】
【0071】
【表28】
【0072】
【表29】
【0073】
【表30】
【0074】
【表31】
【0075】上記例示化合物の中でも、一般式(III)
における置換基R1とR2の一方がフェニル基で他方がメ
チル基、フェニル基またはチエニルメチル基あるいは結
合する窒素原子とともに
【化28】 を形成しているエナミン誘導体は、電子写真特性がよ
く、製造コストが低く、合成が容易であるため好まし
い。
【0076】ただし、上記置換基のフェニル基、チエニ
ルメチル基、
【化29】 は、その水素原子の代りに置換基を有していてもよい。
この置換基としては、例えばメチル基、メトキシ基等が
ある。この発明においては、上記一般式(III)のエナ
ミン誘導体を電子写真感光体のキャリアー移動物質とし
て用いる。
【0077】もう一つの好ましい一般式(I)で示され
るエナミン誘導体としては、一般式(IV)
【化30】 〔式中R7とR8は、水素原子(但しR7とR8が共に水素
原子の場合は除く)、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有しても
よいアラルキル基、低級アルキル基または複素環アルキ
ル基であり、aは低級アルキル基、低級アルコキシ基、
ハロゲン原子または水素原子であり、mは1〜4の整数
であり(但し、mが2以上のとき、aは同一でも異なっ
ていてもよい。)nは2〜4の整数である。〕で示され
る化合物をあげることができる。
【0078】前記一般式(IV)におけるR7、R8の定義
において、用語「アリール基」、「アラルキル基」及び
「複素環基」における置換基としては、メチル、エチル
のような低級アルキル基、メトキシ、エトキシのような
低級アルコキシ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エ
チルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノのよ
うなアミノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子のよう
なハロゲン原子が含まれる。上記の各基は、これらの置
換基を1つ又は2つ有するのが好ましい。
【0079】「アリール基」としては、炭素数6〜14
を有する芳香族炭化水素残基、例えばフェニル、ナフチ
ル、アンスリル等が含まれる。「アラルキル基」として
は、フェニル−C1-3のアルキル基、例えばベンジル、
フェネチル等が含まれる。「複素環基」とは、1つ又は
2つのN原子を有する6員環、O,N又はS原子を1つ
又は2つ有する5員環が含まれる。これらの複素環基は
ベンゼン環と縮合していてもよい。例えばピリジル、ピ
リミジニル、フリル、ピローリル、チエニル、チアゾリ
ル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾ
リル等が挙げられる。
【0080】R7、R8の定義中の用語「置換基を有して
もよいアリール基」の具体例としては、フェニル、p−
トリル、p−エチルフェニル、p−メトキシフェニル、
p−エトキシフェニル、p−クロロフェニル、p−フロ
ロフェニル、3,5−キシリル、3,4−キシリル、
2,5−キシリル、p−ジメチルアミノフェニル、1−
ナフチル、2−ナフチル、2−メチル−1−ナフチル、
9−アンスリルなどが挙げられる。
【0081】R7、R8の定義中の用語「置換基を有して
もよいアラルキル基」具体例としては、ベンジル、p−
メチルベンジル、p−メトキシベンジル、p−クロロベ
ンジルなどが挙げられる。R7、R8の定義中の用語「置
換基を有してもよい複素環基」の具体例としては、2−
ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ピリ
ジル、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−
フリル等が挙げられる。
【0082】R7、R8の定義中の用語「低級アルキル
基」としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペン
チル等が挙げられる。R7、R8の定義中の用語「複素環
アルキル基」の具体例としては、2−チエニルメチル、
2−フリルメチル、3−フリルメチル、2−ピリジルメ
チル、2−ベンゾチアゾイルメチル、2−ベンゾオキサ
ゾイルメチル等が挙げられる。
【0083】aの定義中の用語「低級アルキル基」とし
ては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、その具体
例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル等が
挙げられる。aの定義中の用語「低級アルコキシ基」と
しては、炭素数1〜5、更に炭素数1〜3のアルコキシ
基が好ましく、その具体例としては、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、
n−ペントキシ等が挙げられる。
【0084】本発明の一般式(IV)のエナミン誘導体は
種々の方法で合成することができるが、例えば次の2つ
の方法により合成することができる。すなわち、第1の
方法は、下記式(XVIII)で示される種々の置換基を有
する4−ニトロベンズアルデヒド誘導体と下記式(XI
X)で示される種々の置換基を有するビッティヒ試薬を
テトラヒドロフラン中、カリウム−tert−ブトキシ
ドを作用させ、下記式(XX)で示されるスチリル誘導体
を得る。
【化31】 〔式中、R7、R8、a、mは一般式(IV)の定義と同一
意味であり、R9は低級アルキル基またはフェニル基で
ある。〕
【0085】次に、このスチリル誘導体(XX)を、触媒
として酢酸、塩酸等を使用して、1,4−ジオキサン/
水の混合溶媒中で鉄分により還元反応を行い、下記式
(XXI)で示されるアニリン誘導体を得る。
【化32】 〔式中、mは一般式(IV)の定義と同一意味である。〕
【0086】次に、このアニリン誘導体(XXI)を下記
式(XXII)で示されるアルデヒド化合物とトルエン中、
酸触媒下、脱水縮合させることにより本発明の一般式
(IV)で示されるエナミン誘導体を得ることができる。
【化33】 〔式中、nは一般式(IV)の定義と同一意味である。〕
【0087】第2の方法は、下記式(XXIII)で示され
る種々の置換基を有するアニリン誘導体を下記式(XXI
I)で示されるアルデヒド化合物と、トルエン中、酸触
媒下で脱水縮合させることにより下記式(XXIV)で示さ
れるエナミン誘導体を得る。
【化34】 〔式中、a、m、nは一般式(IV)の定義と同一意味で
ある。〕
【0088】次いで、式(XXIV)で示されるエナミン誘
導体をオキシ塩化リンとN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド等によりホ
ルミル化反応を行い、下記式(XXV)で示されるアルデ
ヒド化合物を得る。
【化35】 〔式中、a、m、nは一般式(IV)の定義と同一意味で
ある。〕
【0089】次に、上記アルデヒド化合物(XXV)を種
々の置換基を有するビッティヒ試薬(XIX)とテトラヒ
ドロフラン中、カリウム−tert−ブトキシドを作用
させ、本発明の一般式(IV)で示されるエナミン誘導体
を得ることができる。
【化36】 〔式中、R9は上記定義と同一意味であり、R7、R8
一般式(IV)の定義と同一意味である。〕
【0090】本発明において、上記合成法により、例え
ば以下の表16〜27に示す例示化合物を合成して、電
子写真感光体のキャリアー移動物質として用いることが
できる。
【0091】
【表32】
【0092】
【表33】
【0093】
【表34】
【0094】
【表35】
【0095】
【表36】
【0096】
【表37】
【0097】
【表38】
【0098】
【表39】
【0099】
【表40】
【0100】
【表41】
【0101】
【表42】
【0102】
【表43】
【0103】上記一般式(IV)のうち、好ましい化合物
としては、式(V)
【化37】 〔式中bは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、lは1〜5の整数
である(但し、lが2以上のとき、bは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕の化合物、
【0104】式(VI)
【化38】 〔式中dは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、rは1〜7の整数
である(但し、rが2以上のとき、dは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕の化合物
【0105】及び式(VII)
【化39】 〔式中eは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
1〜3のジアルキルアミノ基であり、pは1〜9の整数
である(但し、pが2以上のとき、eは同一でも異なっ
ていてもよい。)。〕の化合物が挙げられる。
【0106】b、d、eの定義中の用語「炭素数1〜5
のアルキル基」の具体例としては、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチ
ル、n−ペンチルなどが挙げられる。b、d、eの定義
中の用語「炭素数1〜3のアルコキシ基」の具体例とし
ては、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどが挙げられ
る。
【0107】これらの例示化合物の中で特に電子写真特
性、コスト面、合成面に特に優れるものは、R7、R8
一方が水素原子であり、他方がフェニル基、p−トリル
基、p−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェ
ニル基及び1−ナフチル基、或いはR7、R8の両方がフ
ェニル基であり、aが水素原子、又は電子供与性の置換
基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチルなどの
アルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i
−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシなどのア
ルコキシ基が挙げられる。
【0108】本発明では前記一般式(IV)のエナミン誘
導体を電子写真感光体のキャリアー移動物質として用い
る。本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に
感光層を積層して形成される。
【0109】上記導電性支持体は、この上に感光体層を
形成し、感光層に電場をかけ、感光層の光吸収によって
生成されたキャリアー(電子または正孔)を移動させる
ためのものであって、ドラム、板状体、シート等の形状
の導電体を用いることができる。この導電体としては、
金属、炭素、導電性加工を施した紙またはプラスチック
フィルム等を用いることができる。金属としては、例え
ば銅、アルミニウム等があり、導電性加工を施した紙と
しては、例えば炭素材料を分散した紙等があり導電加工
を施したプラスチックフィルムとしては、例えばアルミ
ニウムを蒸着したポリエステルフィルム等がある。
【0110】上記感光層は、静電荷の二次元分布からな
る潜像(静電潜像)を形成するためのものであつて、キ
ャリアー発生物質とキャリアー移動物質とからなり、更
にフィルム形成性結合剤、分光増感剤、電気特性劣化防
止剤、酸化防止剤、カール防止剤、レベリング剤を適宜
含有させて形成することができる。
【0111】上記キャリアー発生物質は、光吸収によっ
てキャリアーを発生しうるものであって、例えば感光性
の顔料や染料を用いることができる。この中でも感光性
の顔料が好ましい。感光性の顔料としては、例えば各種
金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン
化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、
ペリレンイミド、ペリレン酸無水物等のペリレン酸顔
料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔
料、その他キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料
などがある。特に、キャリアーを発生する顔料に無金属
フタロシアニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、フ
ロレニリデン、フロレノン環を含有するビスアゾ顔料、
芳香族アミンから成るビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料を
用いたものは、高い感度を示す秀れた電子写真感光体を
与えることができる。
【0112】感光性の染料としては、例えばメチルバイ
オレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビ
クトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系染
料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、ア
クリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリ
ジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表
されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルー等
に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染料、ス
チリル染料、ピリリウム塩染料、チオピリリウム塩染料
などがある。これら染料は、単独で使用してもよいが、
上記顔料を共存させることにより更に高い効率でキャリ
アーを発生させる場合が多い。
【0113】本発明の電子写真感光体は、前記した一般
式(I)で示される化合物をキャリアー移動物質として
感光層に1種類もしくは2種類以上含有することによ
り、極めて高性能を発揮する。また、場合によって他の
キャリアー移動物質として、β−フェニル−〔4−(ジ
ベンジルアミノ)〕スチルベン、β−フェニル−〔4−
(N−エチル−フェニルアミノ)〕スチルベン、1,1
−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニルブタジエン等のスチリル化合物、4−(ジベンジ
ルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、4−(エチルフェニルアミノ)ベンズアルデヒ
ド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−ジ(P−トリ
ルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、3,3−ビス〔(4′−ジエチルアミノ)フェ
ニル〕アクロレイン−N,N−ジフェニルヒドラゾンな
どのヒドラゾン化合物、4−メトキシ−4′−(4−メ
トキシスチリル)トリフェニルアミン、4−メトキシ−
4′−スチリルトリフェニルアミン等のトリフェニルア
ミン化合物等を含有させることができる。
【0114】本発明の感光体における一般式(I)で示
されるエナミン誘導体またはキャリアー移動物質は、導
電性支持体上へフィルム形成能を有する結合剤樹脂の助
けを借りて皮膜にする。この場合、更に感度を上げるた
めには、前述のキャリアー発生物質および結合剤樹脂に
可塑性を付与する物質を加えて均一な感光体皮膜にする
のが望ましい。これらフィルム形成能を有する結合剤樹
脂としては、利用分野に応じて種々のものがあげられ
る。
【0115】すなわち、複写機用もしくはプリンター用
感光体の分野では、ポリスチレン、ポリビニルアセター
ル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレン
オキサイド、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアク
リレートなどが好ましい。これらは、単独または2種以
上混合して用いてもよい。中でも、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリアクリレート、ポリフェニレンオキ
サイドなどの樹脂は、体積抵抗値が1013Ω以上であ
り、また、皮膜性、電位特性などにも優れている。
【0116】また、これら結合剤樹脂の量は一般式
(I)で示されるエナミン誘導体に対して重量比で0.
2〜20倍で好ましくは0.5〜5倍の範囲である。
0.2倍未満の場合は、化合物が感光体表面より析出し
てくるという欠点が生じ、また、20倍をこえると著し
く感度低下をまねく。印刷版に使用するためには、特に
アルカリ性結合剤が必要である。アルカリ性結合剤と
は、水もしくはアルコール性のアルカリ性溶剤(混合系
含む)に可溶な酸性基、例えば酸無水物基、カルボキシ
ル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンア
ミド基またはスルホンイミド基を有する高分子物質であ
る。
【0117】これらアルカリ性結合剤は通常酸価が10
0以上の高い値を持っていることが好ましい。これらの
酸価の高い高分子物質すなわち結合剤樹脂はアルカリ性
溶剤に易溶もしくは容易に膨潤化する。これら結合剤樹
脂としては、例えばスチレン−無水マレイン酸共重合
体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル
−クロトン酸共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エ
ステル共重合体、フェノール樹脂、メタクリル酸−スチ
レン共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、メタクリル酸−スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体などが示される。
【0118】更に感度を上げるために、フィルム形成用
結合剤に対して、可塑性を付与しうる物質を加えて均一
な感光体フィルムにするのが好ましい。可塑性を付与し
うる物質としては、例えば、フタル酸エステル(例えば
DOP、DBPなど)、リン酸エステル(例えばTC
P、TOPなど)、アジピン酸エステル、ニトリルゴ
ム、塩素化炭化水素等を挙げることができる。
【0119】感光層中に添加される上記分光増感剤とし
ては、例えば増感染料等が用いられ、具体的にはメチル
バイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブル
ー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタ
ン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3
R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表される
アクリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等
に代表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブ
ルー等に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染
料、スチリル染料、ピリリウム塩染料、チオピリリウム
塩染料などがある。
【0120】上記電気特性劣化防止剤は、電子写真感光
体の繰り返し使用に対して、残留電位の増加、帯電電位
の低下、感度の低下等の劣化を防止するものであって、
感光層に含有させる物質としては、例えばトリベンジル
アミン、テトラベンジル−p−キシレンジアミン、1−
クロルアントラキノン、ベンゾキノン、2,3−ジクロ
ロナフトキノン、ナフトキノン、4,4′−ジニトロベ
ンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4
−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジ
ニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)ア
クリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジニ
トリル、1−シアノ−1−(p−ニトロフェニル)−2
−(p−クロルフェニル)エチレン、2,7−ジニトロ
フルオレノン等の電子吸引性化合物があげられる。
【0121】上記酸化防止剤としては、例えばBHT、
BHQ等が挙げられる。上記レベリング剤としては、例
えばシリコンオイル等が挙げられる。本発明の感光体
は、感光体の形態に応じて、上記の種々の添加物質と共
に一般式(I)で示されるエナミン誘導体を適当な溶剤
中に溶解または分散して、塗布液とし、これを先に述べ
た導電性支持体上に塗布・乾燥して感光体を製造する。
【0122】塗布溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、モノクロルベンゼン、などの芳香族炭化水
素、ジオキサン、ジメトキシメチルエーテル、ジメチル
ホルムアミド、塩化メチレンなどの溶剤の単独または2
種以上の混合溶剤または必要に応じてアルコール類、ア
セトニトリル、メチルエチルケトンなどの溶剤を更に加
え使用することができる。
【0123】本発明の感光体において、エナミン誘導体
を用いる態様には種々の方法が考えられる。たとえばエ
ナミン誘導体をキャリアー移動物質とし、キャリアー発
生物質や電子吸引性化合物を添加して、結合剤樹脂中に
溶解もしくは分散させたものを感光層として導電性支持
体上に塗布した感光体を示すことができる。また、電荷
発生効率の高いキャリアー発生層とキャリアー移動層と
からなる積層構造の感光層とする。すなわち、(増感)
染料もしくは顔料を主体としたキャリアー発生層の上
に、該エナミン誘導体を、必要によって、酸化防止化合
物や電子吸引性化合物を添加して結合剤樹脂中に溶解も
しくは分散させこれをキャリアー移動層として積層して
感光層として、この感光層を導電性支持体上に積層した
感光体を示すことができる。
【0124】本発明の電子写真感光体の態様をさらに具
体的に図1〜図6に基づいて模式的に説明する。図1
は、導電性支持体1の上に感光層4として、キャリアー
発生物質2を主成分としてバインダー中に分散させたキ
ャリアー発生層5とキャリアー移動物質3を主成分とし
てバインダー中に分散させたキャリアー移動層6との積
層よりなる機能分離型感光体であり、キャリアー発生層
5の表面にキャリアー移動層6が形成されており、この
キャリアー移動層6中にキャリアー移動物質3として、
本発明のエナミン誘導体を用いた感光体の構成を示すも
のである。
【0125】図2は、図1の感光体と同一のキャリアー
発生層5と、キャリアー移動層6との積層よりなる機能
分離型感光体であるが、図1の感光体とは逆に電荷キャ
リアー移動層6の表面にキャリアー発生層5が形成され
ており、このキャリアー移動層6中にキャリアー移動物
質3として、本発明のエナミン誘導体を用いた感光体の
構成を示すものである。
【0126】図3は、導電性支持体1の上に感光層4′
として、キャリアー発生物質2とキャリアー移動物質3
をバインダー中に分散させた単層よりなる感光体の構成
を示すものである。図4は図3の感光体の表面にさらに
表面保護層7を設けたものであり、単層よりなる感光体
の構成を示すものである。
【0127】図5は導電性支持体1と図1と同一の感光
層4の間に中間層8を設けたものであり、積層よりなる
機能分離型感光体の構成を示すものである。図6は導電
性支持体1と図3と同一の感光層4′の間に中間層8を
設けたものであり、単層よりなる感光体の構成を示すも
のである。
【0128】感光層4の表面に設けられる表面保護層7
は、機械的ストレスに対して耐久性を向上し、暗所でコ
ロナ放電の電荷を受容し保持することを目的としたもの
であり、化学的に安定な物質で構成され、キャリアー発
生層が感光する光を透過する性能を有し、露光時に光を
透過してキャリアー発生層に到着させ、発生した電荷の
注入を受けて表面電荷を中和消滅させる必要があり、さ
らにキャリアー発生物質の光の吸収極大の波長領域にお
いて、できるだけ透明であることが要求される。
【0129】このような性質を有する材料としては、ア
クリル樹脂、ポリアリール、ポリカーボネート、ウレタ
ン樹脂などの有機絶縁性皮膜形成材料、この有機絶縁性
皮膜形成材料に、酸化スズや酸化インジウムなどの低抵
抗化合物を分散させたもの、アクリル変性シリコーン樹
脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリ
コーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタ
ン変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、ハー
ドコート剤としてのシリコーン樹脂、より耐久性を向上
させる目的で酸化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウ
ム、酸化ジルコニウムを主成分とし、シリコーン樹脂と
被膜を形成できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混
合材料などが適当である。
【0130】また、有機プラズマ重合膜も使用でき、必
要に応じて、酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第II
I、第V族原子を含めることも可能で、さらには無機材
料の金属、金属酸化物などを蒸着、スパッタリングなど
の手法により、形成させることも可能である。表面保護
層の厚みは0.1μ〜5μで、好ましくは0.5〜2μ
である。
【0131】また、導電性支持体1と感光層4との間に
設けられる中間層8は、保護機能や接着機能を付与し、
塗工性を高め、さらには基盤から感光層への電荷注入改
善を目的としたものであり、このような材料としては、
カゼイン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマ
ー、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
など)、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムな
どが適当である。中間層の厚みとしては0.1〜20μ
で好ましくは0.5〜5μである。
【0132】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する
が、本発明はこれらにより、なんら限定されるものでは
ない。
【0133】合成例(例示化合物No.1) P−メトキシアニリンと2当量の1−ホルミル−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレンをp−トルエンス
ルホン酸を触媒としてベンゼン中で加熱し脱水縮合さ
せ、エタノール/酢酸エチルで再結晶を行ない、融点1
64.0〜166.0℃の化合物を得た。得られた化合
物は13C−NMRスペクトルにより例示化合物No.1で
あることを確認した。
【0134】図7は通常の13C−NMRスペクトル、図
8はDEPT−135による13C−NMRスペクトルで
ある。これら図7および図8に示される2つのスペクト
ルは、例示化合物No.1を特徴づけるピークとして、5
5.61ppmにメトキシ基、23.03,27.15,
30.31ppmにそれぞれ3個のメチレン基が観測され
る。
【0135】実施例1 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μ)を支
持体とし、その上に下記構造式
【化40】 で示されるビスアゾ顔料をフェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製;“PKHH”)を溶かした1%のテトラ
ヒドロフラン(THF)溶液中に重量で樹脂と同量加
え、次いでペイントコンディショナー(レッドデビル社
製)中で直径1.5mmのガラスビーズと一緒の状態で約
2時間分散を行いドクターブレイド法により塗布、乾燥
した。乾燥後の膜厚は、0.2μであった。
【0136】この顔料層(電荷キャリアー発生層)の上
に本発明の例示化合物No.1を1gとポリアリレート
〔ユニチカ(株)製;“U−100”〕1.2gを塩化
メチレンに溶かした15%の溶液をスキージングドクタ
ーにより塗布し、乾燥膜厚25μの樹脂−エナミン誘導
体固溶相(電荷キャリアー移動層)を作製し、積層型の
電子写真感光体を得た。
【0137】この積層型の電子写真感光体を静電記録紙
試験装置(川口電機製;SP−428)により電子写真
特性を評価した。測定条件は、加電圧:−6kV、スタ
ティック:No.3であり白色光照射(照射光:5lu
x)による−700Vから−100Vに減衰させるに要
する露光量E100(ルックス・秒)および初期電位V
0(−ボルト)を測定し、その値を表25に示した。更
に同装置を用いて、加電−除電(除電光:白色光で40
ルックスで1秒照射)を1サイクルとして1万回同様の
操作を行った後の初期電位V0(−−ボルト)およびE
100(ルックス・秒)を測定し、V0およびE100の変化
(感度繰り返し特性)を調べた。結果を表28に示す。
【0138】合成例2(例示化合物No.3) p−メチルアニリンと2当量の1−ホルミル−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタレンをp−トルエンスルホ
ン酸を触媒としてベンゼン中で加熱し脱水縮合させ、エ
タノール/酢酸エチルより再結晶を行ない、融点125
〜126℃の化合物を得た。得られた化合物は13C−N
MRスペクトルにより例示化合物No.3であることを確
認した。
【0139】図9は、通常の13C−NMRスペクトル、
図10はDEPT−135による13C−NMRスペクト
ルである。これら図9および図10に示される2つのス
ペクトルには、例示化合物No.3を特徴づけるピークと
して、20.55ppmにメチル基、23.00,27.
18,30.31ppmにそれぞれ3個のメチレン基が観
測される。
【0140】合成例3(例示化合物No.16) p−エトキシアニリンと2当量の1−ホルミル−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレンをp−トルエンス
ルホン酸を触媒としてベンゼン中で加熱し、脱水縮合さ
せ、エタノール/酢酸エチルより再結晶を行ない、融点
172〜173℃の化合物を得た。得られた化合物は13
C−NMRスペクトルにより例示化合物No.16である
ことを確認した。
【0141】図11は、通常の13C−NMRスペクト
ル、図12はDEPT−135による 13C−NMRスペ
クトルである。これら図11および図12に示される2
つのスペクトルには、例示化合物No.16を特徴づける
ピークとして、14.91ppmにエトキシ基のメチル
基、63.84ppmにエトキシ基のメチレン基、23.
03,27.15,30.34ppmにそれぞれ3個のメ
チレン基が観測される。
【0142】合成例4(例示化合物No.26) 3,4−(メチレンジオキシ)アニリンと2当量の1−
ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンを
p−トルエンスルホン酸を触媒としてベンゼン中で加熱
し脱水縮合させ、エタノール/酢酸エチルより再結晶を
行ない融点155〜156℃の化合物を得た。得られた
化合物は13C−NMRスペクトルにより例示化合物No.
26であることを確認した。
【0143】図13は、通常の13C−NMRスペクト
ル、図14はDEPT−135による13C−NMRスペ
クトルである。これら図13および図14に示される2
つのスペクトルは例示化合物No.26を特徴づけるピー
クとして、101.11ppmにジオキシメチレン基、2
3.03,27.15,30.31ppmにそれぞれ3個
のメチレン基が観測される。
【0144】実施例2〜7 例示化合物をNo.3,No.16,No.26,No.28,No.
58もしくはNo.86にかえる以外は、実施例1と同様
に行った。結果を表28に示す。
【0145】
【表44】
【0146】表28より、本発明のエナミン誘導体は感
度繰り返し特性も良好であることがわかった。
【0147】実施例8 アルミ蒸着のポリエステルフィルム上に、x型無金属フ
タロシアニン〔大日本インキ化学工業(株)製:“ファ
ストゲンブル−8120”〕0.4gを塩ビ:酢ビ共重
合体樹脂〔積水化学工業(株)製:“エスレックス
M”〕0.3gを溶かした酢酸エチル溶液30ml中に加
え、ペイントコンディショナー中で約20分間分散を行
い、ドクターブレイド法により塗布し、乾燥後の膜厚
0.4μになるようにキャリヤ発生層を形成させた。
【0148】この電荷キャリヤ発生層の上に例示化合物
No.4のエナミン誘導体を重量比50%含有したポリア
リレート層を積層して2層構成からなる感光体を作成し
た。本感光体の780nmの分光した光を用いて電位半減
に要したエネルギー(E50)および初期電位(−V0
を求めたところ、V0=880(ボルト),E50=2.
9(エルグ/cm2)と非常に感度の高い、かつ高帯電性
の感光体であった。
【0149】また、シャープ社製レーザープリンター
(WD−580P)を改造し、ドラム部に本感光体を張
り付け、連続空コピー(Non Copy Aging)を1万回行っ
た後、初期電位低下、感度の低下の度合いを調べた。そ
の結果は、Vo=870(ボルト)、E50=2.9(エ
ルグ/cm2)と第1回目と比べてほとんど値の変動は見
られなかった。
【0150】実施例9〜12 アルミ基盤表面をアルマイト加工(アルマイト層:7
μ)した支持体の上に前記例示化合物No.11、No.4
6、No.91もしくはNo.93の1g、下記構造式で示さ
れるポリアリレート1.1gおよびN,N−3,5−キ
シリル−3,4−キシリル−3,4,9,10−ペリレ
ンテトラカルボキシルイミド0.15gおよび紫外線吸
収剤0.05gを塩化メチレン中に溶解した(イミド化
合物は一部分散状態)溶液をアプリケーターにより塗布
し、乾燥膜厚20μの単層感光体を得た。
【化41】
【0151】このようにして感光体を静電記録紙試験装
置により電子写真特性を測定した。測定条件は、加電
圧:+5.5kV、スタティック:No.3で行った。白
色光照射による+700Vから+100Vに減少させる
のに必要な露光量E100(ルックス・秒)を測定し、そ
の値を表29に示した。また、1万回の空コピーテスト
を行い、感度(E100)の低下の度合いも表29に示し
た。
【0152】
【表45】
【0153】本発明のエナミン誘導体を用いた感光体
は、正帯電においても優れた感度および繰り返し特性を
有する感光体であることがわかった。
【0154】実施例13〜17 本発明の例示化合物No.1,No.3,No.28,No.58,
No.86を用いて実施例1、2、5、6、7で作成した
と同じ条件で積層型電子写真感光体を作成し、静電記録
紙試験装置(川口電気製SP−428)により気温35
℃、湿度85%の環境下での電子写真特性を評価した。
【0155】測定条件は、加電圧;−6kV、スタティ
ック;No.3であり、初期電位Vo(−ボルト)を測定
し、その値を表30に示した。更に同装置で用いて、加
電−除電(除電光、白色光で40ルックスで1秒照射)
を1サイクルとして1万回同様の操作を行なった後の初
期電位Vo(−ボルト)を測定し、Voの変化を調べた。
結果を表30に示す。
【0156】
【表46】
【0157】表30より本発明のエナミン誘導体は温
度、湿度に対する安定性に優れていることがわかった。
【0158】合成例(例示化合物No.130) p−ニトロベンズアルデヒドとN,N−ジフェニルヒド
ラジン塩酸塩を酢酸カリウム触媒を用いてエタノール中
で加熱することにより、p−ニトロベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾンを得る。ついでこの化合
物を1,4−ジオキサン/水の混合触媒中で鉄粉により
還元反応を行ないp−アミノベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾンを得る。ついでこの化合物をト
ルエン中、1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒド
ロナフタレン2当量と脱水縮合させることにより例示化
合物No.130(融点154−156℃)を得る(な
お、再結晶はエタノール/酢酸エチルよりおこなっ
た。)。
【0159】得られた化合物は13C−NMRスペクトル
を測定することにより例示化合物No.130であること
を確認した。図15は、通常の13C−NMRスペクトル
であり、図16はDEPT−135による13C−NMR
スペクトルである。これらの2つのスペクトルから例示
化合物No.130を特徴づけるシグナルとして22.9
7,27.21及び30.29ppmにそれぞれ3個のメ
チレン基が観測されている。
【0160】実施例18 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μ)を導
電性支持体として、その上に下記構造式
【化42】 で示されるビスアゾ顔料を、フェノキシ樹脂(ユニオン
カーバイド社製;PKHH)の1%THF溶液中に重量
で樹脂と同量加え、次いでペイントコンディショナー
(レッドデビル社製)中で直径1.5mmのガラスビーズ
とともに約2時間分散を行いドクターブレイド法により
塗布、乾燥し顔料層(キャリアー発生層)を形成した。
乾燥後の膜厚は、0.2μであった。
【0161】この顔料層(キャリアー発生層)の上に、
例示化合物No.130の1gとポリアリレート樹脂(ユ
ニチカ社製;U−100)の1.2gを塩化メチレンに
溶かした15%の溶液をスキージングドクターにより塗
布し、乾燥膜厚25μのエナミン誘導体固溶相(キャリ
アー移動層)を作成した。このようにして作成した積層
型電子写真感光体を静電記録紙試験装置(川口電機社
製;SP−428)により電子写真特性を測定した。
【0162】測定条件は、加電圧:−6kV、スタティ
ック:No.3であり白色光照射(照射光:51ux)に
よる−700Vから−100Vに減衰させるに要する露
光量E100(ルックス・秒)及び初期電位Vo(−ボル
ト)測定し、その値を表31に示した。更に同装置を用
いて、加電−除電(除電光:白色光で40ルックスで1
秒照射)を1サイクルとして1万回同様の操作を行った
後の初期電位Vo(−ボルト)及びE100(ルックス・
秒)を測定し、Vo及びE100の変化を調べた。結果を表
31に示す。
【0163】実施例19〜22 実施例18において、ヒドラゾン誘導体として例示化合
物No.130を用いる代りにNo.111(実施例19)、
No.195(実施例20)、No.200(実施例21)又
はNo.147(実施例22)を用い、その他は実施例1
8と同様にしてそれぞれの電子写真感光体を作成し、特
性を測定した。測定結果は、表31に示す。
【0164】
【表47】
【0165】表31より、これらのエナミン誘導体はい
ずれも感度繰り返し特性の良好な電子写真感光体を作成
しうることがわかった。
【0166】実施例23 アルミ蒸着のポリエステルフィルム上に、x型無金属フ
タロシアニン(大日本インキ社製;ファストゲンブル−
8120)0.4gを塩ビ:酢ビ共重合体樹脂(積水化
学社製;エスレックスM)0.3gを溶かした酢酸エチ
ル溶液30ml中に加え、ペイントコンディショナー中で
約20分間分散を行い、ドクターブレイド法により塗布
し、乾燥後の膜厚0.4μになる様にキャリアー発生層
を形成させた。
【0167】このキャリアー発生層の上に例示化合物N
o.127のエナミン誘導体を重量比50%含有したポリ
アリレート層(キャリアー移動層)を積層して2層構成
からなる感光体を作成した。光感光体の780nmの分光
した光を用いて電位半減を要したエネルギー(E50)及
び初期電位(−Vo)を求めたところ、Vo=880(ボ
ルト)、E50=2.1(エルグ/cm2)と非常に感度の
高い、かつ高帯電性の感光体であった。また、シャープ
社製レーザープリンター(WD−580P)を改造し、
ドラム部に本感光体を張り付け、連続空コピー(Non Co
py Aging)を1万回行った後、初期電位低下、感度の低
下の度合いを調べた。その結果は、Vo=875(ボル
ト)、E50=2.1(エルグ/cm2)と第1回目と比べ
てほとんど値の変動は見られず繰り返し特性が良好であ
ることがわかった。
【0168】実施例24 アルミ基盤表面をアルマイト加工(アルマイト層:7
μ)した導電性支持体の上にNo.117のエナミン誘導
体1g、下記構造式で示されるポリアリレート樹脂1.
1gおよびN,N−3.5−キシリル−3,4−キシリ
ル3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシルイミ
ド0.15gおよび紫外線吸収剤0.05gを塩化メチ
レン中に溶解した(イミド化合物は一部分分散状態)溶
液をアプリケーターにより塗布し、乾燥膜厚20μの単
層の電子写真感光体を得た。
【化43】
【0169】この様にして感光体を静電記録紙試験装置
により電子写真特性を測定した。測定条件は、加電圧:
+5.5kV、スタティック:No.3で行った。白色光
照射による+700Vから+100Vに減少させるのに
必要な露光量E100(ルックス・秒)を測定し、その値
を表32に示した。また、1万回の空コピーテストを行
い、感度(E100)の低下の度合いも表32に示した。
【0170】実施例25〜29 実施例24において、エナミン誘導体として例示化合物
No.117を用いる代りにNo.140(実施例25)、N
o.177(実施例26)及びNo.187(実施例27)
を用い、その他は実施例24と同様にして電子写真感光
体を得、特性を測定した。測定結果は、表32に示す。
【0171】
【表48】
【0172】上記エナミン誘導体を用いたいずれの電子
写真感光体も、正帯電において感度に秀れ良好な繰り返
し特性を有することがわかった。
【0173】実施例28〜32 本発明の例示化合物No.130、No.111、No.19
5、No.200、No.147を用いて実施例18〜22で
作成した時と同じ条件で積層型電子写真感光体を作成
し、静電記録紙試験装置(川口電機製SP−428)に
より気温35℃、湿度85%の環境の中で電子写真特性
を評価した。測定条件は、加電圧;−6kV、スタティ
ックNo.3であり初期電位Vo(−ボルト)を測定し、そ
の値を表33に示した。更に同装置を用いて加電−除電
(除電光;白色光で40ルックスで1秒照射)を1サイ
クルとし1万回同様の操作を行なった後の初期電位Vo
(−ボルト)を測定し、Voの変化を調べた。
【0174】
【表49】
【0175】表33により本発明のエナミン誘導体は温
度、湿度に対する安定性にも優れていることがわかっ
た。
【0176】合成例(例示化合物No.261) p−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドをカリウム−
t−ブトキシド存在下、テトラヒドロフラン中で、p−
ニトロベンジルホスホン酸ジエチルと反応させ、4−
(ジメチルアミノ)−4′−ニトロスチルベンを得た。
次いでこの化合物を1,4−ジオキサン/水の混合溶媒
中で塩酸触媒、鉄粉により還元反応を行い、4−(ジメ
チルアミノ)−4′−アミノスチルベンを得た。ついで
この化合物をトルエン中、1−ホルミル−1,2,3,
4−テトラヒドロナフタレン2当量と脱水縮合させるこ
とにより、例示化合物No.261(融点201〜203
℃)を得た。
【0177】得られた化合物は13C−NMRスペクトル
を測定することにより例示化合物No.261であること
を確認した。すなわち、図17は通常の13C−NMRス
ペクトルであり、図18はDEPT−135による13
−NMRスペクトルである。図17及び図18の2つの
スペクトルから例示化合物No.261を特徴づけるシグ
ナルとして、23.00,27.21、30.28ppm
にそれぞれ3個のメチレン基が、また40.48ppmに
N−メチル基に帰属する炭素が観測されている。
【0178】実施例33〜37 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μ)を支
持体とし、その上に下記構造式
【化44】 で示されるビスアゾ顔料をフェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社製;PKHH)を溶かした1%のTHF溶液
中に重量で樹脂と同量加え、次いでペイントコンディシ
ョナー(レッドデビル社製)中で直径1.5mmのガラス
ビーズと一緒の状態で約2時間分散を行いドクターブレ
イド法により塗布、乾燥した。乾燥後の膜厚は0.2μ
であった。
【0179】この顔料層(キャリアー発生層)の上に本
発明の例示化合物No.226、No.234、No.261、N
o.280及びNo.297各1gをポリアリレート樹脂
(ユニチカ社製;U−100)1.2gを塩化メチレン
に溶した15%の溶液をスキージングドクターにより塗
布し、乾燥膜厚25μの樹脂−エナミン誘導体固溶相
(キャリアー移動層)を作成した。このようにして作成
した積層型電子写真感光体を静電記録紙試験装置(川口
電機社製;SP−428)により電子写真特性を測定し
た。測定条件は、加電圧:−6kV、スタティック:N
o.3であり白色光照射(照射光:5lux)による−7
00Vから−100Vに減衰させるに要する露光量E
100(ルックス・秒)及び初期電位Vo(−ボルト)測定
し、その値を表34に示した。
【0180】更に同装置を用いて、加電−除電(除電
光:白色光で40ルックスで1秒照射)を1サイクルと
して1万回同様の操作を行った後の初期電位Vo(−ボ
ルト)及び露光量E100(ルックス・秒)を測定し、Vo
及びE100の変化を調べた。
【0181】
【表50】
【0182】表34より本発明のエナミン誘導体は、感
度、繰り返し特性も良好であることがわかった。
【0183】実施例38 アルミ蒸着のポリエステルフィルム上に、x型無金属フ
タロシアニン(大日本インキ社製;ファストゲンブル−
8120)0.4gを塩化ビニル:酢酸ビニル共重合体
樹脂(積水化学社製;エスレックスM)0.3gを溶か
した酢酸エチル溶液30ml中に加え、ペイントコンディ
ショナー中で約20分間分散を行い、ドクターブレイド
法により塗布し、乾燥後の膜厚0.4μmになるように
キャリアー発生層を形成させた。
【0184】このキャリアー発生層の上に例示化合物N
o.258のエナミン誘導体を重量比50%含有したポリ
アリレート層を積層して2層構成からなる感光体を作成
した。780nmの分光した光を用いて、本感光体の電位
半減を要したエネルギー(E50)および初期電位V
o(−ボルト)を求めたところ、Vo=870(ボル
ト)、E50=2.0(エルグ/cm2)と非常に感度の高
い、かつ高帯電性の感光体であった。また、シャープ社
製レーザープリンター(WD−580P)を改造し、ド
ラム部に本感光体を張り付け、連続空コピー(Non Copy
Aging)を1万回行った後、初期電位低下、感度の低下
の度合いを調べた。その結果は、Vo=865(ボル
ト)、E50=2.0(エルグ/cm2)と第1回目と比べ
てほとんど値の変動は見られなかった。
【0185】実施例39〜42 アルミ基盤表面をアルマイト加工(アルマイト層:7
μ)した支持体の上に本発明の例示化合物No.225、N
o.260、No.262、No.294を各1g、下記構造式
で示されるポリアリレート樹脂1.1gおよびN,N−
3.5−キシリル−3,4−キシリル−3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボキシルイミド0.15gおよ
び紫外線吸収剤0.05gを塩化メチレン中に溶解した
(イミド化合物は一部分散状態)溶液をアプリケーター
により塗布し、乾燥膜厚20μの単層感光体を得た。
【化45】
【0186】この様にして感光体を静電記録紙試験装置
により電子写真特性を測定した。測定条件は、印加電
圧:+5.5kV、スタティック:No.3で行った。白
色光照射による+700Vから+100Vに減少させる
のに必要な露光量E100(ルックス・秒)を測定し、そ
の値を表35に示した。また、1万回の空コピーテスト
を行い、感度(E100)の低下の度合いも表35に示し
た。
【0187】
【表51】
【0188】本発明のエナミン誘導体を用いた感光体は
正帯電においても秀れた感度及び繰り返し特性を有する
感光体であることがわかった。
【0189】実施例43〜47 本発明の例示化合物No.226、No.234、No.26
1、No.280、No.297を用いて実施例33〜37で
作成したと同じ条件で積層型電子写真感光体を作成し、
静電記録紙試験装置(川口電機製SP−428)によ
り、気温35℃、湿度85%の環境下での電子写真特性
を評価した。測定条件は、印加電圧;−6kV、スタテ
ィックNo.3で行った。初期電位Vo(−ボルト)を測定
し、その値を表36に示した。更に同装置を用いて、加
電−除電(除電光:白色光で40ルックスで1秒照射)
を1サイクルとして1万回同様の操作を行った後の、初
期電位Vo(−ボルト)を測定しVoの変化を調べ表36
に示した。
【0190】
【表52】
【0191】表36より本発明のエナミン誘導体は温
度、湿度に対する安定性にも優れていることがわかっ
た。
【0192】
【発明の効果】本発明のエナミン誘導体をキャリアー移
動物質として含有する感光体を備えた電子写真感光体は
高感度で、高耐久性を有する。従来の無機系のものにく
らべて、無毒で、資源的にも問題がなく、透明性がよ
く、軽量で成膜性も容易で、正負の両帯電性を有してお
り、感光体の製造も容易という有機系感光体の利点を備
えていると共に、温度、湿度に対する安定性に優れ、か
つ帯電特性が高く、繰り返し使用でも光感度の低下がほ
とんど起らないなど優れた特性を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光層がキャリアー発生層とキャリアー移動層
からなる積層型の電子写真感光体を模式的に示した断面
図である。
【図2】図1の積層型の電子写真感光体の層構成と逆の
層構成を模式的に示した断面図である。
【図3】感光層が単層である電子写真感光体を模式的に
示した断面図である。
【図4】図3の感光層に表面保護層が設けられた電子写
真感光体を模式的に示した断面図である。
【図5】図1の感光層と導電性支持体との間に中間層が
介在する電子写真感光体を模式的に示した断面図であ
る。
【図6】図3の感光層と導電性支持体との間に中間層が
介在する電子写真感光体を模式的に示した断面図であ
る。
【図7】本発明の例示化合物No.1の通常の13C−NM
Rスペクトルである。
【図8】本発明の例示化合物No.1のDEPT−135
による13C−NMRスペクトルである。
【図9】本発明の例示化合物No.3の通常の13C−NM
Rスペクトルである。
【図10】本発明の例示化合物No.3のDEPT−13
5による13C−NMRスペクトルである。
【図11】本発明の例示化合物No.16の通常の13C−
NMRスペクトルである。
【図12】本発明の例示化合物No.16のDEPT−1
35による13C−NMRスペクトルである。
【図13】本発明の例示化合物No.26の通常の13C−
NMRスペクトルである。
【図14】本発明の例示化合物No.26のDEPT−1
35による13C−NMRスペクトルである。
【図15】本発明の例示化合物No.130の通常の13
−NMRスペクトルである。
【図16】本発明の例示化合物No.130のDEPT−
135による13C−NMRスペクトルである。
【図17】本発明の例示化合物No.261の通常の13
−NMRスペクトルである。
【図18】本発明の例示化合物No.261のDEPT−
135による13C−NMRスペクトルである。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリアー発生物質 3 キャリアー移動物質 4 感光層 4’感光層 5 キャリアー発生層 6 キャリアー移動層 7 表面保護層 8 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−195455(JP,A) 特開 平4−344655(JP,A) 特開 平4−70668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/06

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に形成される感光層中
    に、一般式(I) 【化1】 (ここで、Arは置換基を有してもよいアリール基、置
    換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいア
    ラルキル基または複素環置換アルキル基であり、nは
    2,3もしくは4である)で示されるエナミン誘導体が
    含有されていることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で示されるエナミン誘
    導体が、一般式(II) 【化2】 (ここで、Arは置換基を有してもよいアリール基、置
    換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいア
    ラルキル基または複素環置換アルキル基である)で示さ
    れる請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で示されるエナミン誘
    導体が、一般式(III) 【化3】 (但し、RとR2は、同一または異なって、低級アル
    キル基、アリール基、アラルキル基、複素環基又は複素
    環アルキル基、又はR1とR2は、これらが結合する窒素
    原子とともに窒素含有複素環基を形成してもよい、
    3、R4、R5とR6は同一又は異なって水素原子、ハロ
    ゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又は低級
    ジアルキルアミン基、nは2−4)で示される請求項1
    記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記複素環アルキル基が、チエニルメチ
    ル基である請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記一般式(III)のR1、R2およびこ
    れらと結合している窒素原子とによって形成される前記
    窒素含有複素環基が、 【化4】 からなる群から選ばれる請求項3記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記一般式(III)のR1とR2が、同一
    または異なって、低級アルキル基又はアリール基であ
    り、かつ、前記一般式(III)のR3、R4、R5とR6
    水素原子又はいずれか1つが低級アルキル基である請求
    項3記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記一般式(III)のR1とR2は、これ
    らが結合する窒素原子とともに窒素含有複素環基を形成
    し、かつ、前記一般式(III)のR3、R4、R5とR6
    水素原子又はいずれか1つが低級アルキル基である請求
    項3記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記低級アルキル基がメチル基であり、
    前記アリール基がフェニル基である請求項3記載の電子
    写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記一般式(I)で示されるエナミン誘
    導体が、一般式(IV) 【化5】 〔式中R7とR8は、水素原子(但しR7とR8が共に水素
    原子の場合は除く)、置換基を有してもよいアリール
    基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有しても
    よいアラルキル基、低級アルキル基または複素環アルキ
    ル基であり、aは低級アルキル基、低級アルコキシ基、
    ハロゲン原子または水素原子であり、mは1〜4の整数
    であり(但し、mが2以上のとき、aは同一でも異なっ
    ていてもよい。)nは2〜4の整数である。〕で示され
    る請求項1記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記一般式(IV)で示されるエナミン
    誘導体が、一般式(V) 【化6】 〔式中bは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
    1〜3のジアルキルアミノ基であり、lは1〜5の整数
    である(但し、lが2以上のとき、bは同一でも異なっ
    ていてもよい。)。〕で示される請求項9の電子写真感
    光体。
  11. 【請求項11】 前記一般式(IV)で示されるエナミ
    ン誘導体が、一般式(VI) 【化7】 〔式中dは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
    1〜3のジアルキルアミノ基であり、rは1〜7の整数
    である(但し、rが2以上のとき、dは同一でも異なっ
    ていてもよい。)。〕で示される請求項9記載の電子写
    真感光体。
  12. 【請求項12】 前記一般式(IV)で示されるエナミン
    誘導体が、一般式(VII) 【化8】 〔式中eは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数
    1〜3のジアルキルアミノ基であり、pは1〜9の整数
    である(但し、pが2以上のとき、eは同一でも異なっ
    ていてもよい。)。〕で示される請求項9記載の電子写
    真感光体。
  13. 【請求項13】 前記感光層がキャリアー移動物質とキ
    ャリアー発生物質を含有し、該キャリアー移動物質が一
    般式(I)のエナミン誘導体である請求項1記載の電子
    写真感光体。
  14. 【請求項14】 前記感光層がキャリアー移動物質とキ
    ャリアー発生物質を含有し、該キャリアー移動物質が一
    般式(III)のエナミン誘導体である請求項3記載の電
    子写真感光体。
  15. 【請求項15】 前記感光層がキャリアー移動物質とキ
    ャリアー発生物質を含有し、該キャリアー移動物質が一
    般式(IV)のエナミン誘導体である請求項9記載の電子
    写真感光体。
  16. 【請求項16】 前記感光層がキャリアー発生物質を含
    有するキャリアー発生層と、キャリアー移動物質を含有
    するキャリアー移動層とからなり、該キャリアー移動物
    質が一般式(I)のエナミン誘導体である請求項1記載
    の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 前記感光層がキャリアー発生物質を含
    有するキャリアー発生層と、キャリアー移動物質を含有
    するキャリアー移動層とからなり、該キャリアー移動物
    質が一般式(III)のエナミン誘導体である請求項3記
    載の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 前記感光層がキャリアー発生物質を含
    有するキャリアー発生層と、キャリアー移動物質を含有
    するキャリアー移動層とからなり、該キャリアー移動物
    質が一般式(IV)のエナミン誘導体である請求項9記載
    の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 前記感光層の上に、更に表面保護層が
    形成されている請求項1、3又は9記載の電子写真感光
    体。
  20. 【請求項20】 前記導電性支持体と前記感光層との間
    に、高分子物質からなる中間層が形成されている請求項
    1、3又は9記載の電子写真感光体。
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