JP3114986B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3114986B2
JP3114986B2 JP02210787A JP21078790A JP3114986B2 JP 3114986 B2 JP3114986 B2 JP 3114986B2 JP 02210787 A JP02210787 A JP 02210787A JP 21078790 A JP21078790 A JP 21078790A JP 3114986 B2 JP3114986 B2 JP 3114986B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電子写真感光体に係わるものであり、特に長
期間の繰り返し使用時においても残留電位上昇がなく、
帯電安定性に優れた電子写真感光体に関するものであ
る。
〔従来技術〕
従来から電子写真感光体の光導電素材として知られて
いるものにセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無
機物質がある。しかしながら、これら無機物質は電子写
真感光体として要求される光感度、熱安定性、耐久性等
の特性及び製造条件において必ずしも満足できるもので
はない。例えば、セレンは熱、汚れ等により結晶化しや
すく特性が劣化しやすい。又、製造コスト、耐衝撃性、
毒性等取り扱い上の注意を要するなどの欠点がある。硫
化カドミウムを用いた感光体は耐湿性、耐久性に劣り、
又、毒性等の問題がある。酸化亜鉛も、耐湿性、耐久性
に劣るという欠点をもつ。
これら無機光導電素材を用いた電子写真感光体に対
し、有機光導電性物質を用いた感光体は軽量性、成膜容
易性、製造コストあるいは有機化合物としてのバリエー
ションの広さから、活発に研究開発が行なわれるように
なっている。例えば、初期には特公昭50−10496号公報
記載のポリビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノンを含有した感光体、特公昭48−25658
号公報記載のポリビニルカルバゾールをピリリウム塩系
色素で増感した感光体、又は、共晶錯体を主成分とする
感光体が提案された。しかしながら、これらの感光体は
感度、耐久性の面で十分なものではない。そこで近年で
は、電荷発生層と電荷輸送層を分離した機能分離型の感
光体が提案され、特公昭55−42380号公報記載のクロル
ダイアンブルーとヒドラゾン化合物を組み合わせた感光
体、電荷発生物質としてはビスアゾ化合物として特開昭
53−133445号公報記載、特開昭54−21728号公報記載、
特開昭54−22834号公報記載のものが、電荷輸送物質と
しては特開昭58−198043号公報、特開昭58−199352号公
報等記載のものが知れている。しかしながら、これら機
能分離型感光体においても特に耐久性においては満足で
きるものではなく、近年、増々耐久性に対する要求が高
まってくる中で、帯電安定性を確保することが無視でき
ない問題となっている。すなわち、帯電性が低下した場
合、複写機ではコピーの画像濃度低下をひきおこし、反
転現像方式を用いているレーザープリンターの場合は地
肌汚れを発生する等の画像品質の低下をひきおこす。こ
れらの問題を解決するために、導電性基板と感光層との
間に中間層を設ける事が提案されている。しかしながら
中間層は、帯電性を安定させるために、バリアー性の高
い高抵抗材料を用いた場合、帯電性は向上するものの、
光感度が低下し、残留電位が上昇するという欠点があ
る。また残留電位が上昇しないような比較的抵抗の低い
材料を用いた場合は、帯電安定性が不充分となる。
一方、感光体を実際に複写機中で使用した場合、コロ
ナ帯電器より発生するオゾンに感光体がさらされること
になる。そしてこのオゾンが感光層中の電荷輸送物質等
を酸化し感度低下、残留電位の上昇、又は帯電電位低下
をひきおこすとの観点から、特開昭57−122444号公報、
特開昭61−156052号公報にみられるような感光層中への
酸化防止剤の添加、又、特開昭63−135955号公報にみら
れるような電荷輸送層上にガスバリヤー性樹脂層を設け
る等の提案がなされている。
しかしながら、以上のような対策によっても残留電位
上昇、感度低下等の弊害をもち、耐久性の向上がなお不
充分であるという点で満足できる感光体は得られていな
い。
〔目的〕
本発明は上記従来の問題点を解決するものである。具
体的には耐オゾン性に優れ、繰り返し使用しても帯電安
定性に優れ、残留電位が上昇しない、すなわち画像濃度
低下や地汚れを生じない良好な画像を与える電子写真感
光体を提供することにある。
〔構成〕
本発明は、導電性支持体上に電荷発生物質と電荷輸送
物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体におい
て、前記感光層中に下記一般式〔I〕で示す化合物を含
有させることに着目した点に端を発するものである。
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換また
は無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール
基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または
無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミ
ノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルア
ミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイ
ル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホンアミ
ド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモ
イル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオ
キシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環
基を表わす。
但し、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも1つは炭素原
子数の総和が4以上の基である。) 前記一般式〔I〕に示す化合物を含有させたことによ
り繰り返し使用によっても帯電安定性に優れ、かつ残留
電位の上昇しないすなわち、画像濃度低下や地汚れのな
い、高寿命、高信頼性のものとなる。
前記一般式〔I〕で示される化合物のうち下記一般式
〔II〕で示される化合物が好ましく用いられる。
(式中、R5、R6はそれぞれ水素原子、置換または無置換
のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換
または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロ
アルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換ま
たは無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アシル基、複素環基を表わす。
但し、R5、R6のうち少なくとも1つは炭素原子数の総
和が6以上、さらに好ましくは8以上の基である。) 本発明の要点は、前記一般式〔I〕や〔II〕のうち、
とくに一般式〔III〕の化合物を選択、使用した点にあ
る。
(式中Q1を表わし、R1は炭素数4から20の置換または未置換のア
ルキル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、シクロア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、またはQ1を表わ
し、R7とR8は水素原子またはアルキル基を表わし、また
R9と結合して炭素数5から10の環を形成してもよいが、
R7とR8は同時に水素であることはなく、R9は置換または
未置換のアリール基、アリールチオ基、アリールオキシ
基、アリールアシルアミノ基、アリールカルバモイル
基、アリールスルフォニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールアシルオキシ基、アリールアミノ基、ア
リールスルホンアミド基、アリールスルホニルオキシ基
を表わし、nは1から5を表わし、mは1または2を表
わす。) 本発明においては前記一般式〔III〕で示す化合物の
中でも次の一般式〔IV〕で表わされる化合物が好まし
く、 (式中Q2を表わし、R1、R7、R8、R9は一般式〔III〕で定義した
通りであり、nは1から5を表わす。) 一般式〔IV〕で示す化合物の中でも次の一般式〔V〕で
表わされる化合物が特に有効である。
(式中Q2を表わし、R9は一般式〔III〕で定義した通りであり、R
10、R11は炭素数1〜5のアルキル基を表わすが、R9
結合して炭素数5から10の環を形成してもよく、nは1
から5を表わし、R1は置換または未置換のシクロアルキ
ル基、アリール基、Q2を表わす。) 前記一般式〔I〕で表される化合物の具体例を以下に
挙げる。
電子写真感光体において、前記一般式〔I〕に示す化
合物を感光層中に含有させることにより耐久性の優れた
感光体が得られる理由については明らかではないが、感
光層構成物質−特に結着剤樹脂−との相溶性が優れるこ
と、他の感光層構成物質と反応する等の悪影響を及ぼさ
ないこと、電荷担体のトラップとして働かないこと、ラ
ジカル物質と速やかに反応し、トラップの生成を防止す
る能力が優れること等が挙げられる。又、炭素原子数の
総和が4以上、さらに好ましくは6以上である基を少な
くとも1つもつことにより、さらに感光層構成物質との
相溶性が優れ、かつ電子写真感光体乾燥時、及び保存時
において昇華等することなく安定に感光層中に保持さ
れ、効果的に感光体の耐久性向上に寄与するものであ
る。
前記一般式〔I〕に示す化合物に対しては、さらに保
存性、耐熱性向上の観点から2次劣化防止剤を添加する
ことが好ましい。2次劣化防止剤としては燐系化合物、
硫黄系化合物がよく知られているが、特に燐系化合物を
もちいることが好ましい。燐系化合物の具体例として
は、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(p−tert−オクチルフェニル)ホスファイト、トリス
〔2,4,6−トリス(α−フェニルエチル)〕ホスファイ
ト、トリス(p−2−ブテニルフェニル)ホスファイ
ト、ビス(p−ノニルフェニル)シクロヘキシルホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホ
スファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、4,4′−イソプロピ
リデン−ジフェノールアルキルホスファイト、テトラト
リデシル−4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)ジホスファイト、テトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェ
ニレンジホスファイト、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホ
スファイト、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル・ステア
リル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、2,6−ジ−tert−アミル−
4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトール
ジホスファイト等が挙げられるが2種以上併用してもよ
い。
本発明電子写真感光体に用いることができる電荷発生
物質としては光を吸収して電荷担体を発生するものであ
れば無機物質、有機物質、いずれも用いることができ
る。
無機物質としては例えば、無定形セレン、三方晶系セ
レン、セレン−ヒ素合金、セレン−テルル合金、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛、無定形シリコン等が挙げられる。
有機物質としては例えば、金属フタロシアニン及び無
金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレ
ニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を
有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサ
ジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を
有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。
次に本発明電子写真感光体に用いることができる電荷
輸送物質としては、例えばポリ−N−ビニルカルバゾー
ルおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグ
ルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ
ド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミ
ン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アント
ラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニ
ル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾ
リン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン
誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェ
ナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導
体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が
挙げられる。
特に下記一般式で示される芳香族アミン化合物が好ま
しい。
(式中、R7とR8は置換又は未置換のフェニル基、ナフチ
ル基およびポリフェニル基から選ばれる芳香族環基を示
し、R9は置換又は未置換のアリール基、アルキル基、ア
ルコキシ基、複素環式芳香族基を示す。) 上記一般式で示される芳香族アミン化合物の具体例を
以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質、
電荷輸送物質を組み合わせて、単層型もしくは、機能分
離型をとることができる。
層構成としては単層型の場合、導電性基体の上に、結
着剤中に電荷発生物質、電荷輸送物質を分散させた感光
層を設ける。
機能分離型の場合は、基体上に電荷発生物質及び結着
剤を含む電荷発生層、その上に電荷輸送物質及び結着剤
を含む電荷輸送層を形成するものであるが、正帯電型と
する場合には、電荷発生層、電荷輸送層を逆に積層して
もよい。なお、機能分離型の場合、電荷発生層中に電荷
輸送物質を含有させてもよい。特に正帯電構成の場合感
度が良好となる。
又、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために
感光層と基体との間に中間層を設けてもよい。さらに耐
摩耗性等、機械的耐久性を向上させるために感光層上に
保護層を設けてもよい。電荷発生層、電荷輸送層及び分
散型感光層形成時に用いる結着剤としては、ポリカーボ
ネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタ
イプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチ
レン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルア
ミド、ポリアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。
これらのバインダーは単独又は2種以上の混合物として
用いることができる。
以上のような層構成、物質を用いて感光体を作成する
場合には、後述するように膜厚、物質の割合に好ましい
範囲がある。
負帯電型(基体/電荷発生層/電荷輸送層の積層)の
場合、電荷発生層において、電荷発生物質に対する結着
剤の割合は0〜400重量%、膜厚は0.1〜5μmが好まし
い。電荷輸送層においては結着剤に対する電荷輸送物質
の割合は、20〜200重量%、膜厚は5〜50μmとするの
が好ましい。
正帯電型(基体/電荷輸送層/電荷発生層の積層)の
場合、電荷輸送層においては、結着剤に対する電荷輸送
物質の割合は、20〜200重量%、膜厚は5〜50μmとす
るのが好ましい。電荷発生層においては電荷発生物質を
結着剤に対し10〜500重量%含有することが好ましい。
さらに電荷発生層中には電荷輸送物質を含有させること
が好ましく、含有させることにより残留電位の抑制、感
度の向上に対し効果をもつ。この場合の電荷輸送物質は
結着剤に対し20〜200重量%含有させることが好まし
い。なお、膜厚は0.1〜10μmが好ましい。
単層型の場合は、結着剤に対する電荷輸送物質及び電
荷発生物質の割合はそれぞれ50〜150重量%、10〜50重
量%とするのが好ましく、膜厚は5〜50μmとするのが
好ましい。
又、前記一般式〔I〕に示す化合物の感光層への添加
量としては、機能分離型の場合、電荷輸送層に添加する
場合は電荷輸送物質に対し0.01〜10.0重量%であること
が好ましい。電荷発生層中に添加する場合は電荷発生物
質に対し0.1〜20.0重量%であることが好ましい。分散
型の場合は、電荷輸送物質に対し0.01〜5.0重量%添加
することが好ましい。
前記一般式〔I〕に示す化合物の添加量が前記下限値
より少ない場合は添加による高耐久化の効果は得られ
ず、前記上限値より多い場合は、感度低下等悪影響をひ
きおこす。
前記一般式〔I〕に示す化合物は、機能分離型感光体
の場合、電荷発生層、電荷輸送層、いずれの層に添加し
てもよい。これは感光層塗布時において塗布液分散媒、
又は溶媒により本発明のハイドロキノン系化合物の他の
層への拡散が盛んに行なわれているためと考える。
必要に応じて設けられる中間層としては、一般には樹
脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を
溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対し
て耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このよう
な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロ
ン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目
構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のため
に酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、
酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の
微粉末顔料を加えてもよい。
また電荷発生層、電荷輸送層を形成するに際し使用さ
れる溶剤あるいは分散媒としては、N,N′−ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、モノクロ
ルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ
る。
感光層を形成する方法としては電荷発生層、電荷輸送
層の塗工液に基体を浸漬する方法、塗工液を基体にスプ
レーする方法などが用いられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる基体としては、
アルミニウム、黄銅、ステンレス、ニッケルなどの金属
ドラム及びシート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレン、ナイロン、紙などの材料にアルミニウム、
ニッケルなどの金属を蒸着するか、あるいは酸化チタ
ン、酸化スズ、カーボンブラックなどの導電性物質を適
当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチ
ック、紙等のシート状または円筒状基体があげられる。
〔実 施 例〕
以下、実施例、参考例、比較例により本発明を詳細に
説明する。
参考例1 アルキッド樹脂〔ベッコゾール1307−60−EL(大日本
インキ化学工業社製)〕15重量部、メラミン樹脂〔スー
パーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社
製)〕10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解
し、これに酸化チタン粉末〔タイペークCR−EL(石原産
業社製)〕90重量部を加え、ボールミルで12時間分散
し、中間層用塗布液を作成した。
これを厚さ0.2mmのアルミニウム板〔A1080(住友軽金
属社製)〕に塗布、140℃20分間乾燥し厚さ2μmの中
間層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂〔エスレックBL−S
(積水化学工業社製)〕4重量部をシクロヘキサノン15
0重量部に溶解し、これに下記構造式〔VI〕に示すトリ
アスアゾ顔料10重量部 を加え、ボールミルで48時間分散し、さらにシクロヘキ
サノン210重量部を加えて3時間分散を行った。これを
容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロ
ヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用
塗布液を前記中間層上に塗布、130℃20分間乾燥し厚さ
0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK−1300
(帝人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF−50
(信越化学工業社製)〕0.002重量部を塩化メチレン83
重量部に溶解し、これに構造式〔VII〕に示す電荷輸送
物質7重量部と 例示化合物No.I−5の化合物を0.04重量部加え溶解して
電荷輸送層塗布液を作成した。これを前記電荷発生層上
に塗布、130℃20分間乾燥し、厚さ20μmの電荷輸送層
を形成した。
以上のようにして参考例1の電子写真感光体を作成し
た。
実施例1〜5、参考例2〜4 参考例1において例示化合物No.I−5のかわりにそれ
ぞれ例示化合物No.I−30,I−61,I−82,I−54,I−263,I
−269,I−276,I−114,I−36の化合物を用いたほかは参
考例1と同様にして実施例1〜5、参考例2〜4の電子
写真感光体を作成した。
比較例1 参考例1において例示化合物No.I−5の化合物を添加
しないほかは参考例1と同様にして比較例1の電子写真
感光体を作成した。
比較例2〜5 参考例1において例示化合物No.I−5の化合物のかわ
りに下記に示す比較化合物1,2,3および4 をそれぞれ0.07重量部添加したほかは参考例1と同様に
して比較例2〜5の電子写真感光体を作成した。
参考例5 アルコール可溶性ポリアミド〔CM−8000(東レ社
製)〕3重量部をMeOH/n−BuOH=8/2の混合溶媒100重量
部に加熱溶解し中間層用塗工液を作成した。これを厚さ
0.2mmのアルミニウム板〔CA1080(住友軽金属社製)〕
に塗布、120℃10分間乾燥して厚さ0.2μmの中間層を形
成した。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL:ユニオンカー
バイド社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに下記構造式〔VIII〕に示すジスアゾ顔料
10重量部を加え、ボールミルにて48時間分散、さらにシ
クロヘキサノン210重量部を加え、3時間ボールミル分
散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.0重量%
になるように撹拌しながらシクロヘキサノンで希釈し
た。こうして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層
上に浸漬塗布を行い、120℃で10分間乾燥し厚さ0.2μm
の電荷発生層を設けた。
次に、ポリカーボネート樹脂〔パンライトK−1300
(帝人化成社製)〕10重量部、シリコンオイル〔KF−50
(信越化学工業社製)〕0.002重量部を塩化メチレン85
重量部に溶解し、これに構造式〔IX〕に示す電荷輸送物
質9重量部と 例示化合物No.I−5の化合物を0.04重量部加え溶解して
電荷輸送層塗布液を作成した。これを前記電荷発生層上
に塗布、130℃20分間乾燥し厚さ20μmの電荷輸送層を
形成、参考例5の電子写真感光体を作成した。
実施例6〜9、参考例5〜7 参考例5において、例示化合物No.I−5のかわりにそ
れぞれ例示化合物No.I−61,I−82,I−54,I−263,I−26
9,I−276の化合物を用いたほかは参考例5と同時にして
実施例6〜9、参考例5〜7の電子写真感光体を作成し
た。
比較例6 参考例5において、例示化合物No.I−5の化合物を添
加しないほかは参考例5と同様にして比較例6の電子写
真感光体を作成した。
比較例7〜10 参考例5において例示化合物No.I−5の化合物のかわ
りに前に示した比較化合物1,2,3,4をそれぞれ0.07重量
部添加したほかは参考例5と同様にして比較例7〜10の
電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体の静電特性
をSP−428(川口電気製作所製)を用い、ダイナミック
方式にて測定した。まず印加電圧−6KVで20秒間帯電し
た後20秒間暗減衰、さらに表面照度6luxになるようにし
て30秒間露光を行った。帯電電位は帯電2秒後の表面電
位V2(−V)を、感度は露光後、表面電位が−800Vから
−80Vになるのに要する露光量E1/10(lux・sec)を、残
留電位は露光30秒後の表面電位を測定した。
その後、色温度2856Kのタングステン光5luxの光照
射、−6KVでの帯電のくり返し疲労を3時間行った後、
再び前と同様にしてV2(−V)、E1/10(lux・sec)、V
30(−V)を測定した。
測定結果を表−1に示す。
参考例8 参考例1と同様にしてアルミニウム板上に中間層を形
成し、さらに参考例1に示される電荷輸送層塗布液を前
記中間層上に浸漬塗工法により塗布、乾燥し膜厚20μm
の電荷輸送層を作成した。
次に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1250、
帝人化成社製)10重量部を1,2−ジクロロエタン75重量
部、1,1,2−トリクロロエタン75重量部の混合溶媒に溶
解し、これに前記構造式〔VI〕のトリスアゾ顔料3重量
部を加え、ボールミルにて48時間分散を行った。さらに
この分散液に前記構造式〔VII〕に示す電荷輸送物質7
重量部、1,2−ジクロロエタン150重量部、1,1,2−トリ
クロロエタン150重量部を加え、ボールミルにて24時間
分散、溶解し電荷発生層用塗布液を作成した。これを前
記電荷輸送層上にスプレー塗布、乾燥して膜厚3μmの
電荷発生層を設け、電子写真感光体を作成した。
実施例10〜12、参考例9〜10 参考例8の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.I−
5の化合物のかわりにNo.I−61,I−82,I−54,I−263,I
−269の例示化合物を用いた他は参考例8と同様にして
実施例10〜12、参考例9〜10の電子写真感光体を作成し
た。
比較例11 参考例8の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.I−
5の化合物を除いたほかは参考例8と同様にして比較例
11の電子写真感光体を作成した。
比較例12,13 参考例8の電荷輸送層中に含まれる例示化合物No.I−
5の化合物のかわりにそれぞれ前記比較化合物1,3を0.0
7重量部添加したほかは参考例8と同様にして比較例12,
13の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた実施例10〜12、参考例9〜
10、比較例11〜13の静電特性は帯電の印加電圧を+6KV
に、電位の評価をプラスで行った以外は参考例1の電子
写真感光体を評価したのと同様の方法にて評価を行っ
た。
評価結果を表−2に示す。
〔効果〕 本発明の電子写真感光体は、実施例の結果からわかる
ように、前記構成からなるので長期の繰り返し使用によ
っても帯電性等の感光体特性が劣化しないため、その実
用的価値が極めて高いものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に電荷発生物質と電荷輸送
    物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体におい
    て、前記感光層中に下記一般式〔III〕で示される化合
    物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 (式中Q1を表わし、R1は炭素数4から20の置換または未置換のア
    ルキル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、シクロア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、またはQ1を表わ
    し、R7とR8は水素原子またはアルキル基を表わし、また
    R9と結合して炭素数5から10の環を形成してもよいが、
    R7とR8は同時に水素であることはなく、R9は置換または
    未置換のアリール基、アリールチオ基、アリールオキシ
    基、アリールアシルアミノ基、アリールカルバモイル
    基、アリールスルフォニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、アリールアシルオキシ基、アリールアミノ基、ア
    リールスルホンアミド基、アリールスルホニルオキシ基
    を表わし、nは1から5を表わし、mは1または2を表
    わす。)
  2. 【請求項2】導電性支持体上に電荷発生物質と電荷輸送
    物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体におい
    て、前記感光層中に下記一般式〔V〕で示される化合物
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。 (式中Q2を表わし、R9は一般式〔III〕で定義した通りであり、R
    10、R11は炭素数1〜5のアルキル基を表わすがR9と結
    合して炭素数5から10の環を形成してもよく、nは1か
    ら5を表わし、R11は置換または未置換のシクロアルキ
    ル基、アリール基、Q2を表わす。)
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