JP2776343B2 - 自動倉庫のスタッカークレーン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動倉庫のスタッカ
ークレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動倉庫として以下の如きものは
知られている。即ち、前後方向に所定間隔をあけるよう
にして設けられた、上下・左右に多数の物品収納棚を有
する前後一対のラック装置と、前記前後のラック装置間
の上下部に長手方向を左右方向に向けて設けられた上下
一対のガイドレールと、これら上下部のガイドレールに
沿って左右動自在となされたスタッカークレーンとを有
しており、前記スタッカークレーンが、下部ガイドレー
ルに沿って走行する走行台車と、この走行台車に設けら
れた左右一対のマストに昇降自在となされた昇降台と、
この昇降台に設けられた物品移載装置（例えば、前後方
向に摺動自在に設けられたスライドフォーク）とを有し
ており、前記左右のマストの上端は連結部材によって連
結され、この連結部材の左右部各々に水平張出腕が設け
られ、これら水平張出腕に軸心を上下方向に向けた前後
一対の上部ガイドローラーが設けられ、これら前後の上
部ガイドローラーが上部ガイドレールを前後方向から挟
持するようになされており、前記左右の上部ガイドロー
ラー間の中間部に位置するようにして、連結部材に、上
部ガイドレールを挟持・開放すべく相互に近接・離隔自
在となされた前後一対のクランプ片を有するクランプ装
置が設けられたものは知られている。前記クランプ装置
は、スタッカークレーン（走行台車）の停止と連動して
作動し、上部ガイドレールをややルーズに挟持して、ス
タッカークレーンの停止時において慣性によってマスト
の上部が左右方向（走行方向）に揺れるのを防止するた
めのものである。このクランプ装置は、マストが高くな
る程、また、スタッカークレーンの走行速度が高速化さ
れる程、必要とされるものである。

【０００３】

【従来技術の欠点】前記従来のスタッカークレーンには
以下の如き欠点があった。即ち、クランプ装置が、連結
部材の左右方向中間部に、即ち、左右の上部ガイドロー
ラー間の中間部に位置するようにして連結部材に設けら
れたものであったため、上部ガイドレールが前後方向に
僅かに蛇行していたり、前後方向に僅かに湾曲していた
りする場合、上部ガイドローラーは上部ガイドレールを
前後から挟持していて上部ガイドレールに完全に沿うこ
とになるため、連結部材の左右方向中間部に設けられた
クランプ装置の前側のクランプ片と上部ガイドレールと
の間隙長さと、後側のクランプ片と上部ガイドレールと
の間隙長さとが相違するようなことが起こり、その場
合、上部ガイドレールを挟持すべくクランプ片を作動し
ても、一方のクランプ片が上部ガイドレールを挟持せ
ず、クランプ装置がその機能を発揮し得ないおそれがあ
るという欠点があった。

【０００４】

【前記欠点を解消するための手段】本発明は前記欠点を
解消するために以下の如き手段を採用した。請求項１の
発明は、長手方向を左右方向に向けた上下一対のガイド
レールに沿って左右動自在となされた自動倉庫のスタッ
カークレーンにおいて、上部ガイドレールに案内される
スタッカークレーンの上部ガイドローラーの近傍に位置
するようにして、上部ガイドレールを挟持する前後一対
のクランプ片を有するクランプ装置が設けられているも
のである。

【０００５】

【発明の作用】請求項１の発明は以下の如き作用をなす
ものである。上部ガイドローラーの近傍に上部ガイドレ
ールを挟持する前後一対のクランプ片を有するクランプ
装置が設けられていて、上部ガイドローラーが上部ガイ
ドレールに追従案内されるのに従って、前後のクランプ
片も上部ガイドレールに追従することになるので、前後
のクランプ片の、上部ガイドレールに対する間隙を一定
に保持することが出来、その結果、クランプ装置を確実
に作動・機能させることが出来る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、この説明において、前と
は図１下側を、後とは同図上側をいい、左とは図１左部
を、右とは同図右側をいう。

【０００７】スタッカークレーン通路１０をあけるよう
にして前後一対のラック装置１が床面に立設されてい
る。前記ラック装置１は、所定間隔で左右に並ぶ前側の
多数の支柱２と、これら前側の支柱２の後方にそれとの
間に所定間隔をあけて並ぶ後側の支柱２と、これら前後
の支柱２に高さ方向に所定間隔で設けられた多数の物品
支承部材４とを有しており、支柱２を介することなく対
向する左右一対の物品支承部材４によって物品収納棚３
が構成されている。左右一対の物品支承部材４間は、後
述のスライドフォーク１７の上下方向の移動を許容する
フォーク通過間隙５となされている。前記前後のラック
装置１の物品収納棚３の出し入れ口６は相互に対向して
いる。

【０００８】前記ラック装置１の左側方には搬送方向を
左右方向に向けた入出庫ローラーコンベア８が設けられ
ている。この入出庫ローラーコンベア８のラック装置１
側には公知の物品昇降機（図示略）が設けられている。
この物品昇降機は、入出庫ローラーコンベア８のローラ
ー下方の公知の昇降装置によって昇降自在な昇降台と、
この昇降台に立設されていて、入出庫ローラーコンベア
８のローラー間に位置する一対の支承枠とを有してい
る。この物品昇降機は、支承枠によって物品Ｗを持ち上
げることによって、入出庫ローラーコンベア８の搬送面
と物品Ｗの下面との間にフォーク挿入間隙を形成した
り、上昇した位置の支承枠によってスライドフォーク１
７から物品Ｗを受け取り、その後、下降することによっ
て入出庫ローラーコンベア８に物品Ｗを降ろす作用をな
すものである。

【０００９】前記スタッカークレーン通路１０に上下一
対のガイドレール１１が長手方向を左右方向に向けるよ
うにして配され、これらガイドレール１１にスタッカー
クレーン１３が左右動自在に案内されるようになされて
おり、このスタッカークレーン１３は、下部ガイドレー
ル１１に沿って走行する走行台車１４と、この走行台車
１４に設けられた左右一対のマスト１５に昇降自在とな
された昇降台１６と、この昇降台１６に公知の進退機構
によって前後方向に水平摺動自在に設けられたスライド
フォーク１７とを有している。前記スライドフォーク１
７は、公知のごとく、物品Ｗの下方への突出・昇降台１
６の上昇による物品Ｗの持ち上げ・昇降台１６側への退
入という動作を行なって物品Ｗを昇降台１６に引き込
み、前記と逆の動作によって物品収納棚３等に物品Ｗを
降ろすことが出来る。

【００１０】前記左右のマスト１５の上端は連結部材２
０によって連結され、この連結部材２０の左右部各々に
水平張出腕２１が設けられている。前記左側の水平張出
腕２１には、軸心を上下方向に向けた前後一対の上部ガ
イドローラー２２が回転自在に設けられ、これら前後の
上部ガイドローラー２２同士が上部ガイドレール１１を
前後方向から挟持するようになされている。

【００１１】前記右側の水平張出腕２１には、軸心を上
下方向に向けた中心軸２５を介して旋回板２６がその前
後・左右方向中央部において水平旋回自在に設けられ、
この旋回板２６にその旋回中央部に位置するようにして
クランプ装置２８が設けられている。前記クランプ装置
２８は、ケーシング２９と、このケーシング２９に上部
ガイドレール１１を挟持・開放すべく相互に近接・離隔
作動するように設けられた前後一対のクランプ片２０
と、これらクランプ片３０を近接・離隔作動させる、電
磁石・ばね等を含む作動装置（図示略）とを有してい
る。前記クランプ片３０の上部ガイドレール１１を挟持
する部分はゴム等の弾性体によって構成されている。な
お、両クランプ片３０は、スタッカークレーン１３が停
止する時及び停止状態の時以外は、上部ガイドレール１
１から同一距離だけ離れている。

【００１２】前記旋回板２６に、クランプ装置２８を挾
んで左右に位置するようにして軸心を上下方向に向けた
前後一対の上部ガイドローラー２２及び同前後一対の補
助ガイドローラー３２が回転自在に設けられ、前記上部
ガイドローラー２２同士及び補助ガイドローラー３２同
士が、上部ガイドレール１１を前後方向から挟持するよ
うになされている。なお、右側の上部ガイドローラー２
２及び補助ガイドローラー３２は、中心軸２５の中心か
ら同距離だけ離れている。このような構成によって、旋
回板２６の水平旋回を伴って上部ガイドローラー２２及
び補助ガイドローラー３２が上部ガイドレール１１にス
ムーズに追従案内されるものであるから、前後のクラン
プ片３０の、上部ガイドレール１１に対する間隙を高い
精度で確実に一定に保持することが出来る。

【００１３】

【変形例等】以下に変形例等について説明を加える。 （１）旋回板２６を旋回しないように固定するようにし
てもよい。 （２）補助ガイドローラー３２はなくてもよい。 （３）左側の上部ガイドローラー２２に近接してクラン
プ装置２８を設けるようにしてもよい。 （４）中心軸２５の軸心と右側の上部ガイドローラー２
２及び補助ガイドローラー３２の軸心との距離は可能な
範囲で短い方がよい。 （５）上部ガイドレール１１を断面倒コ字状として、そ
の下向きに開放した凹所に左右各１個の上部ガイドロー
ラー２２を、上部ガイドレール１１の両垂下壁との間に
隙間が形成されないように嵌め入れ、ガイドレール１１
の垂下壁をクランプ片３０によって挟持するような構造
としてもよい。

【００１４】

【発明の効果】本発明は前記した如き構成によって以下
の如き効果を奏するものである。 請求項１の発明によれば、上部ガイドローラーの近傍
に上部ガイドレールを挟持する前後一対のクランプ片を
有するクランプ装置が設けられていて、上部ガイドロー
ラーが上部ガイドレールに追従案内されるのに従って、
前後のクランプ片も上部ガイドレールに追従することに
なるので、前後のクランプ片の、上部ガイドレールに対
する間隙を一定に保持することが出来、その結果、クラ
ンプ装置を確実に作動・機能させることが出来る。 請求項２の発明によれば、上部ガイドローラー及び補
助ガイドローラーが上部ガイドレールに追従案内される
ものであるから、即ち、クランプ装置の左右両側部が上
部ガイドレールに追従案内されるものであるから、前後
のクランプ片の、上部ガイドレールに対する間隙をより
確実に一定に保持することが出来、その結果、クランプ
装置をより確実に作動・機能させることが出来る。 請求項３の発明によれば、旋回板の水平旋回を伴って
上部ガイドローラー及び補助ガイドローラーが上部ガイ
ドレールにスムーズに追従案内されるものであるから、
前後のクランプ片の、上部ガイドレールに対する間隙を
より確実に一定に保持することが出来、その結果、クラ
ンプ装置をより確実に作動・機能させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す中間省略の簡略平面
図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩに沿う中間省略の拡大断面図
である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線拡大断面図である。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１１ ガイドレール １３ スタッカークレーン ２２ 上部ガイドローラー ２８ クランプ装置 ３０ クランプ片

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向を左右方向に向けた上下一対の
   ガイドレールに沿って左右動自在となされた自動倉庫の
   スタッカークレーンにおいて、上部ガイドレールに案内
   されるスタッカークレーンの上部ガイドローラーの近傍
   に位置するようにして、上部ガイドレールを挟持する前
   後一対のクランプ片を有するクランプ装置が設けられて
   いる自動倉庫のスタッカークレーン。
2. 【請求項２】 前記クランプ装置を挾んで上部ガイドロ
   ーラーに対向する、上部ガイドレールに案内される補助
   ガイドローラーが設けられている請求項１記載の自動倉
   庫のスタッカークレーン。
3. 【請求項３】 前記スタッカークレーンの上部に旋回板
   がその左右方向中央部において水平旋回自在に設けら
   れ、旋回板にその旋回中央部に位置するようにしてクラ
   ンプ装置が設けられると共に、旋回板に、クランプ装置
   を挾んで左右に位置するようにして軸心を上下方向に向
   けた前後一対の上部ガイドローラー及び同前後一対の補
   助ガイドローラーが回転自在に設けられ、前記上部ガイ
   ドローラー同士及び補助ガイドローラー同士が、上部ガ
   イドレールを前後方向から挟持するようになされている
   請求項２記載の自動倉庫のスタッカークレーン。