JP2775763B2 - テレビジョン受像機付浴室装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はテレビジョン受像機付浴室ユニットに関する
ものである。

従来の技術 従来、浴室においてテレビジョンを見られるようにす
るためには、第９図に示すように、浴室１と例えば脱衣
室などの浴室と隣接する部屋または空間２との間の壁３
に透明板窓４を設け、浴室と隣接する部屋または空間２
側において、透明板窓４に対応させたテレビジョン設置
スペース５を設け、テレビジョン６のブラウン管と透明
板窓４とが対応するようにテレビジョンを設置してい
る。または、第10図に示すように、浴室壁面の平面部分
７に開口部８を設け、透明板９などで防水されたキャビ
ネット10の中にテレビジョン６のブラウン管と透明板と
が対応するようにテレビジョン６を収納し、開口部８よ
りキャビネットを壁面に埋込み設置するものであった。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、テレビジョン設置スペー
ス５が、浴室内空間に凸出しないため浴室内を広く使え
るという利点はある。しかし、別途、脱衣室などの浴室
に隣接する部屋または空間２にテレビジョン設置スペー
ス５を確保する必要がある。また、第10図に示すように
テレビジョン６を収納したキャビネット10を浴室壁面の
平面部分７に埋込み設置した場合、浴室で見るのに適当
と考えられる８インチ〜14インチ程度のテレビジョンの
奥行きは、一般的に建築物の壁の厚みより大きいため、
キャビネット10は浴室に隣接する部屋または空間２に凸
出することになる。このように、浴室でテレビジョンを
見るために、テレビジョン設置スペースが浴室に隣接す
る部屋または空間２に及んでおり、浴室に隣接する部屋
または空間２の有効スペース狭め、外観的にも見苦しい
ものにしている。

また、第10図において、テレビジョン６を収納したキ
ャビネット10を、浴室内にてテレビジョンが見易い高
さ，位置で、浴室に隣接する部屋または空間２に影響し
ないように浴室壁面の平面部分７に埋込み設置する場合
を考えたとき、浴室内の有効スペースにキャビネット10
が凸出して、浴室内有効空間を狭めるとともに浴室内に
おいて凸出部が外観性を非常に悪いものにするという課
題があった。

本発明はこのような課題を解決するもので、入浴しな
がら浴室内よりテレビジョンを操作し見ることができる
のは勿論のこと、テレビジョンを設置するためのスペー
スが浴室に隣接する部屋または空間に及ぶことがなく、
かつ、浴室内を広く有効に利用できるようにし、また、
浴槽に入ってゆったりとした姿勢からでも、洗い場で入
浴作業をしながらでもテレビジョンを見ることができる
ようにし、より快適な入浴を可能にしたものである。

課題を解決するための手段 本発明のテレビジョン受像機付浴室ユニットは、浴室
内の浴槽側コーナ壁面に開口または凹部を設け、この開
口または凹部内にテレビジョン受像機を配設したもので
ある。

作用 本発明のテレビジョン受像機付浴室ユニットは、テレ
ビジョン受像機を浴室内の浴槽側コーナ壁面の開口また
は凹部内に配設しているので、浴室内空間を狭めること
なくテレビジョン受像機の配設ができ、浴室内をより快
適な空間に演出でき、また、テレビジョン受像機は、浴
槽内からはもちろんのこと、洗い場側からも見ることが
できるものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例について、第１図〜第６図を
参照しながら説明する。

図において11は、浴室ユニットで、浴室ユニット11の
基本部材である床14,浴槽15,壁パネル16,17,18,19、天
井20,ドア21より構成されている。12は建築物における
浴室ユニット設置スペースで、その周囲の浴室と隣接す
る部屋または空間13が位置することになる。浴室内の洗
い場正面側にはカンウンター22を配置してあり、また浴
槽15と洗い場14′に給湯できるよう水栓23を設けてあ
る。24はシャワーヘッド、25は鏡である。

天井20には換気扇26,照明器具27,点検口28が設けてあ
る。ドアの横の壁パネル18には防湿形スピーカー31,テ
レビジョン操作用の防湿形リモコン装置32,給湯機リモ
コン33などが配置してある。34はテレビジョン30,換気
扇26,照明器具27への電源供給スイッチである。また、
カウンター22に面する壁パネル16と浴槽15に面する壁パ
ネル17の同じ高さに設けられた同じ大きさの切り欠き35
により、洗い場正面側で浴槽側に位置するコーナー57に
収納キャビネット29の後端部を嵌入する大きさ程度の開
口部36が形成されている。開口部36の周りに補強用の合
板37を貼り付け、11インチのテレビジョン30を内装した
テレビジョン収納キャビネット29の後端部を埋込み設置
してある。上記キャビネット29はコーナー部に内側より
設置できる構造であり、その埋込み部分29′は浴室ユニ
ット設置スペース12より凸出しない大きさのものであ
る。キャビネット29は収納ケース29−a,透明板取り付け
パネル38、パネル38の突出部に嵌着する化粧前パネル29
−ｂ、配線中継板40で構成されており、透明板取り付け
パネル38を収納ケース29−ａに取り付けたとき内装され
たテレビジョンのブラウン管43と透明板39とが対応す
る。また、収納ケース29−ａと透明板取り付けパネル38
および透明板取り付けパネル38と透明板38との間に防湿
用のパッキン材41,42が配置してある。透明板39は、曇
りを防止するため表面が吸湿性の防曇材でコーティング
処理されている。配線中継板40には電源コンセント46,
テレビターミナル47,音声出力リード線51とリモコンリ
ード線52用のコネクタ48,49が配置してある。45は赤外
線発信部であり、テレビジョンの受信部44と対応して内
装されており、リモコン装置32に接続されている。音声
出力リード線51は防湿形スピーカー31に接続されてお
り、テレビ音声を浴室内に流すことができる。

上記の構成において、テレビジョン30を内装した防湿
構造のテレビジョン収納キャビネット29が浴室ユニット
11の壁面に設置されるとともに、テレビジョン操作用の
防湿形リモコン装置32とテレビジョン音声用防湿形スピ
ーカー31を備えており、テレビジョン30の操作はリモコ
ン装置より行なえ直接テレビジョン30に触れる必要が無
く、また音声はスピーカーより浴室内に流れ出るため、
テレビジョン30を浴室内の湿気より完全に隔絶すること
ができ、浴室内において安全にテレビ鑑賞を楽しむこと
ができる。

また、テレビジョン収納キャビネット29は、浴室ユニ
ット11の洗い場正面側で浴槽側に位置するコーナー57の
適当な高さに、浴室ユニット内11と浴室ユニット11外の
浴室ユニット設置スペースを利用して設置される形とな
る。浴室ユニット設置スペース12は、建築物において浴
室ユニット11が設置される空間であり、その寸法は、建
築物設計時にある程度任意に設定することも可能であ
り、平面寸法においてテレビジョンを設置することを前
提に、あらかじめ浴室ユニットの寸法よりも充分に大き
く設定して浴室に隣接する部屋又は空間13への影響を無
くすこともできるが、そのほとんどの部分が建築物にお
いては無駄な空間となる。従来、一般的には、浴室ユニ
ットを設置した状態で浴室各壁面16,17,18,19から浴室
に隣接する部屋または空間13までの距離が100mm程度と
なる広さとされている。そこで、テレビジョン収納キャ
ビネット29を、その埋込み部分29′が浴室ユニットの壁
面から浴室に隣接する部屋または空間13までの距離以内
の範囲で納まる構造にすれば、上記キャビネットは浴室
に隣接する部屋または空間13に凸出することなく、テレ
ビジョンを設置するスペースを浴室ユニット設置空間12
外に別途確保する必要が無く、浴室周囲の外観をそこね
ないとともに、浴室ユニット内において上記キャビネッ
トが凸出する洗い場正面側で浴槽側に位置するコーナー
57は、一般的に浴室内においてデットスペースにあた
り、浴室内の有効スペースを狭めることなくテレビジョ
ンを納めることができる。また、テレビジョンの画面は
浴槽15に入ってゆったりと寛いだ姿勢からでも、洗い場
14′において入浴作業をしながらでも無理なく見ること
ができる方向となるものである。

またテレビジョン30本体が浴室ユニット11内の湿気と
隔絶されるとともにテレビジョン30の操作部と音声出力
部が浴室ユニット11内に配置されているため、浴室内で
操作しながらテレビジョン30を見ることができる。ま
た、テレビジョン収納キャビネット29の設置スペースは
従来の浴室ユニット設置スペース12内で納まり、浴室に
隣接する部屋又は空間13に凸出しない。また、浴室内に
おいて上記キャビネット29は洗い場正面側で浴槽側のコ
ーナー57に設置されているため浴室内の有効スペースを
狭めることなく、浴槽15からも洗い場14′からも見易い
位置にあり、シャワー24の水滴なども掛かりにくい。テ
レビジョン30は直交する壁面材16,17と、ねじ58とによ
り壁面材16,17に支持固定する構成としているので、特
別に支持用金具を用意することがなく、また取付け作業
も簡素化するものである。また、上記キャビネット29が
分割できる構造であるため化粧前パネル29−ｂと透明板
取り付けパネル38を取り外すと浴室内よりテレビジョン
30のメンテナンスをすることができる。さらにテレビジ
ョン操作用のリモコン装置32はシャワー24とは反対側の
出入口用のドア21近くに配設しているので、操作が浴槽
15をのりこえての不自然な操作ではなく手近かに操作で
き、またシャワー24の水もかかりにくいものである。な
お、上記実施例では、壁面材16,17に切欠きによる開口3
6を設ける構成としたが、これに限定されるものではな
く、第７図に示すように壁面材16に凹設部16aを設け、
この凹設部16a内にテレビジョン30を組込む構成のもの
でも本発明の効果を奏するものであり、また浴室の形態
も上記実施例に限定されるものでなく、第８図に示すよ
うに横長状の浴室のコーナー壁面にテレビジョン30を配
設するものでもよいものである。

発明の効果 以上実施例の説明より明らかなように、テレビジョン
受像機を浴室内の浴槽側コーナの２つの壁面にまたがっ
て設けた開口または凹部内に配設しているので、浴室内
空間の有効スペースを狭めることなく、テレビジョン受
像機の配設ができ、浴室内をより快適な空間に演出で
き、また、テレビジョン受像機は浴槽からも洗い場から
も見易い。しかもテレビジョン受像機は浴槽コーナの２
つの壁面で確実に支持固定できること、建築物における
浴室ユニット設置スペース内に収めることにより浴室に
隣接する空間への影響を無くすことができること、浴室
内という湯気や湿度の多い環境下でテレビを鑑賞するこ
とができること等、種々の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すテレビジョン付浴室ユ
ニットの平面断面図、第２図は同側面断面図、第３図は
テレビジョン収納キャビネット取り付け部の分解斜視
図、第４図は同斜視図、第５図はテレビジョン収納キャ
ビネットの分解斜視図、第６図はシステムのブロック
図、第７図，第８図は同他実施例を示す要部平面断面
図、第９図，第10図は従来例を示す平面断面図である。 14′……洗い場、15……浴槽、16,17……壁パネル、29
……テレビジョン収納キャビネット、30……テレビジョ
ン、32……防湿形リモコン装置、36……開口部、57……
コーナー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井谷 一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−160929（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−40972（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−15885（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−185852（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−120654（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−56858（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−118849（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04H 1/12 301 E04B 2/74 541 A47K 4/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室ユニットにおいて、浴室内の浴槽側コ
   ーナの２つの壁面にまたがって開口を設け、この開口内
   に少なくともテレビジョン収納キャビネットとテレビジ
   ョン受像機を配設し、前記テレビジョン受像機が浴室ユ
   ニット内の湿気と隔絶されてなるテレビジョン受像機付
   浴室装置。
2. 【請求項２】浴室ユニットにおいて、浴室内の浴槽側コ
   ーナの２つの壁面にまたがって凹部を設け、この凹部内
   にテレビジョン受像機を配設し、前記テレビジョン受像
   機が浴室ユニット内の湿気と隔絶されてなるテレビジョ
   ン受像機付浴室装置。
3. 【請求項３】テレビジョン収納キャビネットは、浴室ユ
   ニットを入れる浴室ユニット設置スペース内に納まる請
   求項１記載のテレビジョン受像機付浴室装置。
4. 【請求項４】テレビジョン収納キャビネットは、少なく
   とも収納ケースと表面が吸湿性の防曇材でコーティング
   処理された透明板と透明板取り付けパネルとから構成さ
   れる請求項３記載のテレビジョン受像機付浴室装置。