JP2772372B2 - シクロスポリン類およびそれらの医薬用途 - Google Patents
シクロスポリン類およびそれらの医薬用途Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シクロスポリン
類に関する新規用途、特に新規医薬用途およびそれ自体
新規化合物である新規シクロスポリン類に関する。
類に関する新規用途、特に新規医薬用途およびそれ自体
新規化合物である新規シクロスポリン類に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロスポリン類は、各々程度の大小は
あるが、一般に薬理学的、特に免疫抑制、抗炎症および
/または抗寄生虫活性を有し、特有な構造を有する環状
のポリ−N−メチル化ウンデカペプチドの種類を包含す
る。最初に単離されたシクロスポリン類は、「シクロス
ポリンA」としても知られ、現在登録商標サンディミュ
ン(SANDIMMUN)の名称で市販されている、天然真菌代謝
物「シクロスポリン」(CiclosporinまたはCyclosporine)
であった。「シクロスポリン」は、式(A)
あるが、一般に薬理学的、特に免疫抑制、抗炎症および
/または抗寄生虫活性を有し、特有な構造を有する環状
のポリ−N−メチル化ウンデカペプチドの種類を包含す
る。最初に単離されたシクロスポリン類は、「シクロス
ポリンA」としても知られ、現在登録商標サンディミュ
ン(SANDIMMUN)の名称で市販されている、天然真菌代謝
物「シクロスポリン」(CiclosporinまたはCyclosporine)
であった。「シクロスポリン」は、式(A)
【化6】 [式中、−MeBmt−は、式(B)
【化7】 (式中、−x−y−はトランス−CH=CH−であり、
2'、3'および4'位は各々立体配置S、RおよびRを
有する)で示されるN−メチル−(4R)−4−ブタ−2
E−エン−1−イル−4−メチル−(L)トレオニル残基
を表す]で示されるシクロスポリンである。
2'、3'および4'位は各々立体配置S、RおよびRを
有する)で示されるN−メチル−(4R)−4−ブタ−2
E−エン−1−イル−4−メチル−(L)トレオニル残基
を表す]で示されるシクロスポリンである。
【0003】「シクロスポリン」の最初の発見以来、広範
な種類の天然シクロスポリン類が単離および確認され、
さらに多くの非天然シクロスポリンが完全もしくは半合
成手段または修正培養技術の適用により製造されてき
た。すなわち現在シクロスポリン類が包含する種類は多
く、例えば天然シクロスポリンA〜Z[参考、トラバー
等、1、「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.A
cta)、60巻、1247−1255頁(1977年)、ト
ラバー等、2、「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.
Chim.Acta)、65巻、1655−1667頁(1982
年)、コーベル等、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・
アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテ
クノロジー」(Europ.J.Applied Microbiology and Bio
technology)、14巻、273−240頁(1982年)
およびフォン・バルトブルグ等、「プログレス・イン・
アラージー」(Progress in Allergy)、38巻、28−4
5頁(1986年)]並びに様々な非天然シクロスポリン
誘導体およびジヒドロ−およびイソ−シクロスポリン類
[上記式(B)における−MeBmt−残基の−x−y−部分を
飽和させて−x−y−=−CH2−CH2−とする/上記式
(A)におけるシクロスポリン分子の11位の残基と−M
eBmt−残基の結合はα−N−原子でなく3'−O−原子
を介する]を含む人工または合成シクロスポリン類、誘
導体化シクロスポリン類(例、−MeBmt−残基の3'−
O−原子をアシル化するか、別の置換基を3位のサルコ
シル残基のα−炭素原子に導入する)、−MeBmt−残基
が異性体形態で存在するシクロスポリン類(例、−MeB
mt−残基の6'および7'位を横切る立体配置はトランス
ではなくてシスである)並びに例えばベンガー等により
開発されたシクロスポリン類の完全合成製造方法を用い
て、変異型アミノ酸をペプチド配列内の特定位置に導入
させるシクロスポリン類が含まれる[例えば、トラバー
等1、トラバー等2およびコーベル等、前出、米国特許
第4108985号、同第4210581号、同第42
20641号、同第4288431号、同第45543
51号および同第4396542号、ヨーロッパ特許公
開第0034567号および同第0056782号、国
際特許公開第WO86/02080号、ベンガー1、
「トランスプル・プロック」(Transpl.Proc.)、15巻、
補遺、1:2230(1983年)、ベンガー2、「アンゲ
バンテ・ヘミー、インターナショナル・エディション・
イン・イングリッシュ」(Angew.Chem.Int.Ed.)、24
巻、77頁(1985年)並びにベンガー3、「プログレ
ス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナ
チュラル・プロダクツ」(Progress in the Chemistry of
Organic Natural Products)、50巻、123頁(19
86年)参照]。
な種類の天然シクロスポリン類が単離および確認され、
さらに多くの非天然シクロスポリンが完全もしくは半合
成手段または修正培養技術の適用により製造されてき
た。すなわち現在シクロスポリン類が包含する種類は多
く、例えば天然シクロスポリンA〜Z[参考、トラバー
等、1、「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.A
cta)、60巻、1247−1255頁(1977年)、ト
ラバー等、2、「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.
Chim.Acta)、65巻、1655−1667頁(1982
年)、コーベル等、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・
アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテ
クノロジー」(Europ.J.Applied Microbiology and Bio
technology)、14巻、273−240頁(1982年)
およびフォン・バルトブルグ等、「プログレス・イン・
アラージー」(Progress in Allergy)、38巻、28−4
5頁(1986年)]並びに様々な非天然シクロスポリン
誘導体およびジヒドロ−およびイソ−シクロスポリン類
[上記式(B)における−MeBmt−残基の−x−y−部分を
飽和させて−x−y−=−CH2−CH2−とする/上記式
(A)におけるシクロスポリン分子の11位の残基と−M
eBmt−残基の結合はα−N−原子でなく3'−O−原子
を介する]を含む人工または合成シクロスポリン類、誘
導体化シクロスポリン類(例、−MeBmt−残基の3'−
O−原子をアシル化するか、別の置換基を3位のサルコ
シル残基のα−炭素原子に導入する)、−MeBmt−残基
が異性体形態で存在するシクロスポリン類(例、−MeB
mt−残基の6'および7'位を横切る立体配置はトランス
ではなくてシスである)並びに例えばベンガー等により
開発されたシクロスポリン類の完全合成製造方法を用い
て、変異型アミノ酸をペプチド配列内の特定位置に導入
させるシクロスポリン類が含まれる[例えば、トラバー
等1、トラバー等2およびコーベル等、前出、米国特許
第4108985号、同第4210581号、同第42
20641号、同第4288431号、同第45543
51号および同第4396542号、ヨーロッパ特許公
開第0034567号および同第0056782号、国
際特許公開第WO86/02080号、ベンガー1、
「トランスプル・プロック」(Transpl.Proc.)、15巻、
補遺、1:2230(1983年)、ベンガー2、「アンゲ
バンテ・ヘミー、インターナショナル・エディション・
イン・イングリッシュ」(Angew.Chem.Int.Ed.)、24
巻、77頁(1985年)並びにベンガー3、「プログレ
ス・イン・ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・ナ
チュラル・プロダクツ」(Progress in the Chemistry of
Organic Natural Products)、50巻、123頁(19
86年)参照]。
【0004】すなわちシクロスポリンに含まれる種類は
現在非常に多く、例えば[Thr]2−、[Val]2−、[Nva]
2−および[Nva]2−[Nva]5−シクロスポリン(各々シク
ロスポリンC、D、GおよびMとしても知られてい
る)、[3−O−アセチル−MeBmt]1−シクロスポリン
(シクロスポリンA酢酸エステルとしても知られてい
る)、[ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン
(ジヒドロ−シクロスポリンDとしても知られている)、
[イソ−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポリン(イソシク
ロスポリンGとしても知られている)、[(D)Ser]8−シ
クロスポリン、[MeIle]11−シクロスポリン、[(D)M
eVal]11−シクロスポリン(シクロスポリンHとしても
知られている)、[MeAla]6−シクロスポリン、[(D)P
ro]3−シクロスポリンなどが含まれる。
現在非常に多く、例えば[Thr]2−、[Val]2−、[Nva]
2−および[Nva]2−[Nva]5−シクロスポリン(各々シク
ロスポリンC、D、GおよびMとしても知られてい
る)、[3−O−アセチル−MeBmt]1−シクロスポリン
(シクロスポリンA酢酸エステルとしても知られてい
る)、[ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン
(ジヒドロ−シクロスポリンDとしても知られている)、
[イソ−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポリン(イソシク
ロスポリンGとしても知られている)、[(D)Ser]8−シ
クロスポリン、[MeIle]11−シクロスポリン、[(D)M
eVal]11−シクロスポリン(シクロスポリンHとしても
知られている)、[MeAla]6−シクロスポリン、[(D)P
ro]3−シクロスポリンなどが含まれる。
【0005】[シクロスポリン類の慣用的命名法に従
い、この明細書(特許請求の範囲を含む)の全体を通して
「シクロスポリン」(すなわちシクロスポリンA)の構造を
示すことによりこれらの定義を行う。これは、まず「シ
クロスポリン」に存在するものとは異なる、存在するア
ミノ酸残基を示し(例、[(D)Pro]3は、問題のシクロス
ポリンが3位に−Sar−残基ではなく−(D)Pro−を有
することを示す)、次いで残りの残基が「シクロスポリ
ン」に存在するものと同じであるという特徴を表すため
に「シクロスポリン」の語を適用することにより行なわれ
る。
い、この明細書(特許請求の範囲を含む)の全体を通して
「シクロスポリン」(すなわちシクロスポリンA)の構造を
示すことによりこれらの定義を行う。これは、まず「シ
クロスポリン」に存在するものとは異なる、存在するア
ミノ酸残基を示し(例、[(D)Pro]3は、問題のシクロス
ポリンが3位に−Sar−残基ではなく−(D)Pro−を有
することを示す)、次いで残りの残基が「シクロスポリ
ン」に存在するものと同じであるという特徴を表すため
に「シクロスポリン」の語を適用することにより行なわれ
る。
【0006】「シクロスポリン」の1位の残基−MeBmt
−はシクロスポリン発見以前には知られていなかった。
すなわち、この残基およびその変異型または修飾体
(例、下記のもの)は、一般にシクロスポリン類に特有の
ものである。一般に、[MeBmt]1に対する変異型または
代替物(alternative)は−MeBmt−構造を示すことによ
り定義される。すなわち、−x−y−部分[上記式(B)参
照]が−CH2−CH2−に還元されているジヒドロシク
ロスポリン類の場合、1位の残基は「−ジヒドロ−MeB
mt−」として定義される。−x−y−部分を横切る立体配
置がトランスではなくシスである場合、この残基は「−
シス−MeBmt−」として定義される。
−はシクロスポリン発見以前には知られていなかった。
すなわち、この残基およびその変異型または修飾体
(例、下記のもの)は、一般にシクロスポリン類に特有の
ものである。一般に、[MeBmt]1に対する変異型または
代替物(alternative)は−MeBmt−構造を示すことによ
り定義される。すなわち、−x−y−部分[上記式(B)参
照]が−CH2−CH2−に還元されているジヒドロシク
ロスポリン類の場合、1位の残基は「−ジヒドロ−MeB
mt−」として定義される。−x−y−部分を横切る立体配
置がトランスではなくシスである場合、この残基は「−
シス−MeBmt−」として定義される。
【0007】−MeBmt−残基の部分を削除する場合、
これは、決定基「−MeBmt−」、「−ジヒドロ−MeBmt
−」、「シス−MeBmt−」等の前に、削除位置を定め、修
飾語「デス」を用いて削除を示し、次いで削除される基ま
たは原子を定めることにより示される。すなわち、「−
N−デスメチル−MeBmt−」、「−3'−デスオキシ−M
eBmt−」および「−3'−デスオキシ−4'−デスメチル
−MeBmt−」は各々式(B1)、(B2)および(B3)で示さ
れる残基である。
これは、決定基「−MeBmt−」、「−ジヒドロ−MeBmt
−」、「シス−MeBmt−」等の前に、削除位置を定め、修
飾語「デス」を用いて削除を示し、次いで削除される基ま
たは原子を定めることにより示される。すなわち、「−
N−デスメチル−MeBmt−」、「−3'−デスオキシ−M
eBmt−」および「−3'−デスオキシ−4'−デスメチル
−MeBmt−」は各々式(B1)、(B2)および(B3)で示さ
れる残基である。
【0008】
【化8】
【0009】例えば−MeBmt−の位置または基を置換
する場合、これは置換の位置および性質を定義すること
により常法で表される。すなわち、−3'−O−アセチ
ル−MeBmt−は、式(B)[ただし、3'−OH基はアセ
チル化されている(3'−O−COCH3)]で示される残
基である。例えば−MeBmt−の置換基または基を置換
する場合、これは、i)上記「デス−用語」により置換され
た基の位置を示し、ii)置換基を定義することにより
行なわれる。すなわち、−7’−デスメチル−7'−フ
エニル−MeBmt−は、上記式(B)[ただし、末端(8')
メチル基はフエニルにより置換されている]で示される
残基である。3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt
−は上記式(B)(ただし、3'−OH基は=Oにより置換
されている)で示される残基である。
する場合、これは置換の位置および性質を定義すること
により常法で表される。すなわち、−3'−O−アセチ
ル−MeBmt−は、式(B)[ただし、3'−OH基はアセ
チル化されている(3'−O−COCH3)]で示される残
基である。例えば−MeBmt−の置換基または基を置換
する場合、これは、i)上記「デス−用語」により置換され
た基の位置を示し、ii)置換基を定義することにより
行なわれる。すなわち、−7’−デスメチル−7'−フ
エニル−MeBmt−は、上記式(B)[ただし、末端(8')
メチル基はフエニルにより置換されている]で示される
残基である。3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt
−は上記式(B)(ただし、3'−OH基は=Oにより置換
されている)で示される残基である。
【0010】さらに、省略形、例えば−Ala−、−Me
Val−、−αAbu−等により示されたアミノ酸残基は、
慣例に従い、例えば「−(D)Ala−」の場合のように特記
しない限り、(L)−立体配置を有するものと定める。
「−MeLeu−」の場合のように「Me」が先行する残基省略
形はα−N−メチル化残基を表す。当業界では、シクロ
スポリン分子の個々の残基において、1位の残基−Me
Bmt−、−ジヒドロ−MeBmt−等から出発して時計回
りの方向で番号を付す。この明細書(特許請求の範囲を
含む)では首尾一貫して同じ数値のシーケンスを用い
る。]
Val−、−αAbu−等により示されたアミノ酸残基は、
慣例に従い、例えば「−(D)Ala−」の場合のように特記
しない限り、(L)−立体配置を有するものと定める。
「−MeLeu−」の場合のように「Me」が先行する残基省略
形はα−N−メチル化残基を表す。当業界では、シクロ
スポリン分子の個々の残基において、1位の残基−Me
Bmt−、−ジヒドロ−MeBmt−等から出発して時計回
りの方向で番号を付す。この明細書(特許請求の範囲を
含む)では首尾一貫して同じ数値のシーケンスを用い
る。]
【0011】
【発明が解決しようとする課題】シクロスポリン類は、
それらの独特な医薬効果故に、医学界および大学関係者
のみならず専門外である報道関係者からも非常に顕著な
注目を集めている。現在シクロスポリン自体は、同種間
の臓器(例、心臓、心肺、腎臓および骨髄)移植後の拒絶
予防、並びにさらに最近では様々な自己免疫および関連
疾患および状態の処置に常用されている。また様々な寄
生虫疾患および感染症、例えばコクシジオイデス症、マ
ラリアおよび住血吸虫症の処置において可能性のある用
途の研究のために広範な作業が行なわれてきた。現在、
これらまたは関連適応症における非常に多くの他の既知
シクロスポリン類の有望な用途に対する研究作業の多く
の報告が文献に記載されている。
それらの独特な医薬効果故に、医学界および大学関係者
のみならず専門外である報道関係者からも非常に顕著な
注目を集めている。現在シクロスポリン自体は、同種間
の臓器(例、心臓、心肺、腎臓および骨髄)移植後の拒絶
予防、並びにさらに最近では様々な自己免疫および関連
疾患および状態の処置に常用されている。また様々な寄
生虫疾患および感染症、例えばコクシジオイデス症、マ
ラリアおよび住血吸虫症の処置において可能性のある用
途の研究のために広範な作業が行なわれてきた。現在、
これらまたは関連適応症における非常に多くの他の既知
シクロスポリン類の有望な用途に対する研究作業の多く
の報告が文献に記載されている。
【0012】この発明によると、現在驚くべきことに、
特定のシクロスポリン類が他の化学療法に対する感受性
の増強、および特に誘発性であろうと固有のものであろ
うと他の化学療法に対する抵抗性の解除の遂行に有用で
あることが判った。
特定のシクロスポリン類が他の化学療法に対する感受性
の増強、および特に誘発性であろうと固有のものであろ
うと他の化学療法に対する抵抗性の解除の遂行に有用で
あることが判った。
【0013】短期間または長期間にわたる処置後、一般
には比較的長い化学療法的薬物投与後の化学療法に対す
る高い抵抗性は、かなり以前から認められている広範囲
に及ぶ現象であり、当業界において広く文書に記載され
ている。古典的な例としては、個々の薬剤物質を用いる
長期または広範囲に及ぶ薬物療法後の、寄生体、特に細
菌性、ウイルス性または原生動物性微生物の増強または
誘発された抵抗性が挙げられる。かかる場合において、
感染微生物は、時間の経過に従い程度の大小はあるが薬
剤物質に対する耐性を強め、これに付随して闘争または
処置が困難になる。癌の化学療法処置、例えば癌腫、肉
腫もしくは他の腫ようまたは悪性腫ようの処置に関して
も類似の現象が観察される。
には比較的長い化学療法的薬物投与後の化学療法に対す
る高い抵抗性は、かなり以前から認められている広範囲
に及ぶ現象であり、当業界において広く文書に記載され
ている。古典的な例としては、個々の薬剤物質を用いる
長期または広範囲に及ぶ薬物療法後の、寄生体、特に細
菌性、ウイルス性または原生動物性微生物の増強または
誘発された抵抗性が挙げられる。かかる場合において、
感染微生物は、時間の経過に従い程度の大小はあるが薬
剤物質に対する耐性を強め、これに付随して闘争または
処置が困難になる。癌の化学療法処置、例えば癌腫、肉
腫もしくは他の腫ようまたは悪性腫ようの処置に関して
も類似の現象が観察される。
【0014】腫ようの成長または転移を縮小、阻害また
は制限する手段としての、例えば、薬剤物質、特に抗新
生物または細胞毒性薬剤例えばコルヒチン、エトポシ
ド、テノポシド、アドリアマイシン、ダウノルビシンお
よびビンクリスチンの投与による癌の化学療法処置は、
依然として様々な型の癌の処置の最も重要な研究であ
る。しかしながら、腫ようは最初は治療に感受性を示し
得るが、処置を続けるに従い、かかる治療に対する耐性
が現れ、その結果、治療効果の低下がもたらされること
が一般に判っている。一般的なこととして、特に後期ま
たは末期癌の処置において多面発現性または多種薬剤療
法を採用する場合、通例多種薬剤耐性が続いて現れる。
例えば特定形態の化学療法処置を長期間実施した場合、
似た障害が生じ、例えば固有または内生耐性を発現した
微生物の耐性株が生じる。その場合もまた、常用の抗新
生物または細胞毒性薬剤療法に対する内生耐性または低
レベルの感受性を呈する特定形態の癌または腫ようと遭
遇することが多い。
は制限する手段としての、例えば、薬剤物質、特に抗新
生物または細胞毒性薬剤例えばコルヒチン、エトポシ
ド、テノポシド、アドリアマイシン、ダウノルビシンお
よびビンクリスチンの投与による癌の化学療法処置は、
依然として様々な型の癌の処置の最も重要な研究であ
る。しかしながら、腫ようは最初は治療に感受性を示し
得るが、処置を続けるに従い、かかる治療に対する耐性
が現れ、その結果、治療効果の低下がもたらされること
が一般に判っている。一般的なこととして、特に後期ま
たは末期癌の処置において多面発現性または多種薬剤療
法を採用する場合、通例多種薬剤耐性が続いて現れる。
例えば特定形態の化学療法処置を長期間実施した場合、
似た障害が生じ、例えば固有または内生耐性を発現した
微生物の耐性株が生じる。その場合もまた、常用の抗新
生物または細胞毒性薬剤療法に対する内生耐性または低
レベルの感受性を呈する特定形態の癌または腫ようと遭
遇することが多い。
【0015】
【課題を解決するための方法および実施例】この発明に
よると、後記シクロスポリン類が、化学療法的薬物療法
に対する感受性の向上またはその効果の増強に有用であ
り、特に、様々な型(例、後天性または先天性)の化学療
法薬剤耐性の打ち消し、または施された薬剤療法に対す
る感受性の増強もしくは回復に有用であることが判っ
た。この発明が適用され得る化学療法的薬物療法の形態
には、例えば抗寄生体例えば抗ウイルス、抗細菌または
抗原生動物化学療法および、特に抗新生物または細胞増
殖抑制化学療法がある。
よると、後記シクロスポリン類が、化学療法的薬物療法
に対する感受性の向上またはその効果の増強に有用であ
り、特に、様々な型(例、後天性または先天性)の化学療
法薬剤耐性の打ち消し、または施された薬剤療法に対す
る感受性の増強もしくは回復に有用であることが判っ
た。この発明が適用され得る化学療法的薬物療法の形態
には、例えば抗寄生体例えば抗ウイルス、抗細菌または
抗原生動物化学療法および、特に抗新生物または細胞増
殖抑制化学療法がある。
【0016】この発明の用途に適したシクロスポリン類
は、下記に示す様々なクラスの下に定義され得る。 クラス1 1位の残基の3'−炭素原子または2位の残基のβ−炭
素原子がO−アシルまたはオキソ置換されているシクロ
スポリン。このクラスの好ましいシクロスポリンは次の
通りである。 (1a)1位の残基の3'−炭素原子がO−アシル置換され
ている場合。1位の残基の3'−炭素原子がO−アシル
置換されている場合、2位の残基もまたβ−O−アシル
化され得る。 (1a)タイプのシクロスポリン類の好ましい群は次の通
りである。 (1a1)1位の残基が式(I)で示される−3'−O−アシ
ル−MeBmt−または−3'−アシル−ジヒドロ−MeBm
t−残基である場合。
は、下記に示す様々なクラスの下に定義され得る。 クラス1 1位の残基の3'−炭素原子または2位の残基のβ−炭
素原子がO−アシルまたはオキソ置換されているシクロ
スポリン。このクラスの好ましいシクロスポリンは次の
通りである。 (1a)1位の残基の3'−炭素原子がO−アシル置換され
ている場合。1位の残基の3'−炭素原子がO−アシル
置換されている場合、2位の残基もまたβ−O−アシル
化され得る。 (1a)タイプのシクロスポリン類の好ましい群は次の通
りである。 (1a1)1位の残基が式(I)で示される−3'−O−アシ
ル−MeBmt−または−3'−アシル−ジヒドロ−MeBm
t−残基である場合。
【化9】 (式中、−x−y−は−CH2CH2−またはトランス−C
H=CH−であり、ACYL1はアシル基を表す)
H=CH−であり、ACYL1はアシル基を表す)
【0017】式(I)中のACYL1として適当なアシル
基は、式R1−CO−およびR2−O−CO−(式中、R1
はC1-4アルキルまたはC1-4アジドアルキルおよびR2
はC1-4アルキルである)で示される基、例、アセチル、
4−アジドブタノイルまたはメトキシカルボニルであ
る。好ましくはACYL1は式R1−CO−で示される基
であり、この場合R1は好ましくはC1-4アルキルであ
る。最も好ましくはR1−CO−はアセチルである。
基は、式R1−CO−およびR2−O−CO−(式中、R1
はC1-4アルキルまたはC1-4アジドアルキルおよびR2
はC1-4アルキルである)で示される基、例、アセチル、
4−アジドブタノイルまたはメトキシカルボニルであ
る。好ましくはACYL1は式R1−CO−で示される基
であり、この場合R1は好ましくはC1-4アルキルであ
る。最も好ましくはR1−CO−はアセチルである。
【0018】R1およびR2であるかまたはこれらを含む
アルキル基は、分枝状または直鎖であり得る。好ましく
はそれらは直鎖である。R1は最も好ましくはメチルで
ある。
アルキル基は、分枝状または直鎖であり得る。好ましく
はそれらは直鎖である。R1は最も好ましくはメチルで
ある。
【0019】式(1a1)で示される特に好ましいシクロス
ポリン類は、式(II)または(II')で示されるものであ
る。
ポリン類は、式(II)または(II')で示されるものであ
る。
【化10】 [式中、Aは上記(1a1)で定義された残基、Bは、−α
Abu−、−Thr−、−Val−、−Nva−またはβ−O−
アシル−α−アミノ酸の残基、 Xは−Sar−または
(D)−立体配置を有する光学活性の、α−N−メチル化
αアミノ酸残基、Yは、−Val−またはさらに、Bが−
Nva−である場合、−Nva−、およびWは、(D)−立体
配置を有するβ−ヒドロキシ−またはβ−O−アシル−
α−アミノ酸の残基である]Bがβ−O−アシル−α−
アミノ酸残基である場合、これは一般に(L)立体配置を
有する。好適にはそれは式(III)で示される残基であ
る。
Abu−、−Thr−、−Val−、−Nva−またはβ−O−
アシル−α−アミノ酸の残基、 Xは−Sar−または
(D)−立体配置を有する光学活性の、α−N−メチル化
αアミノ酸残基、Yは、−Val−またはさらに、Bが−
Nva−である場合、−Nva−、およびWは、(D)−立体
配置を有するβ−ヒドロキシ−またはβ−O−アシル−
α−アミノ酸の残基である]Bがβ−O−アシル−α−
アミノ酸残基である場合、これは一般に(L)立体配置を
有する。好適にはそれは式(III)で示される残基であ
る。
【化11】 式中、ACYL2はアシル基を表す。好ましくはそれは
O−アシル−(L)−トレオニル残基である。 Wは好適
には−(D)Ser−もしくは−(D)Thr−または式(III')
で示されるO−アシル−(D)Ser−もしくはO−アシル
−(D)Thr−である。
O−アシル−(L)−トレオニル残基である。 Wは好適
には−(D)Ser−もしくは−(D)Thr−または式(III')
で示されるO−アシル−(D)Ser−もしくはO−アシル
−(D)Thr−である。
【化12】 式中、ACYL2は式(III)の場合と同意義であり、Rは
水素またはメチルである。
水素またはメチルである。
【0020】式(III)および(III')におけるACYL2と
して好ましいアシル基は、式R3−CO−(式中、R3は
C1-4アルキルである)で示される基である。R3として
のアルキル基は分枝状または直鎖であり得る。好ましく
はそれらは直鎖である。好適にはACYL2はアセチル
である。
して好ましいアシル基は、式R3−CO−(式中、R3は
C1-4アルキルである)で示される基である。R3として
のアルキル基は分枝状または直鎖であり得る。好ましく
はそれらは直鎖である。好適にはACYL2はアセチル
である。
【0021】式(II)におけるXが−Sar−以外である場
合、それは好適には−(D)Ala−である。
合、それは好適には−(D)Ala−である。
【0022】この発明による用途に適したこのクラスの
シクロスポリン類の例は下記の通りである。 1.1 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−シクロスポリ
ン、 1.2 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Val]2−シクロ
スポリン、 1.3 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Thr]2−シクロ
スポリン、 1.4 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−シクロ
スポリン、 1.5 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−[Nva]
5−シクロスポリン、 1.6 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[(D)Ala]3−シ
クロスポリン、 1.7 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−[(D)
Ala]3−シクロスポリン、 1.8 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[(D)MeVal]11
−シクロスポリン、 1.9 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Val]11−シクロ
スポリン、 1.10 [3'−O−アセチル−ジヒドロ−MeBmt]1−シク
ロスポリン、 1.11 [3'−O−メトキシカルボニル−MeBmt]1−シク
ロスポリン、 1.12 [3'−O−(4−アジドブタノイル)−MeBmt]1−
シクロスポリン、 1.13 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[O−アセチル
−Thr]2−シクロスポリン、 1.14 [3'−O−アセチル−N−デスメチル−MeBmt]1
−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、および 1.15 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[O−アセチル
−(D)Ser]8−シクロスポリン。
シクロスポリン類の例は下記の通りである。 1.1 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−シクロスポリ
ン、 1.2 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Val]2−シクロ
スポリン、 1.3 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Thr]2−シクロ
スポリン、 1.4 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−シクロ
スポリン、 1.5 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−[Nva]
5−シクロスポリン、 1.6 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[(D)Ala]3−シ
クロスポリン、 1.7 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Nva]2−[(D)
Ala]3−シクロスポリン、 1.8 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[(D)MeVal]11
−シクロスポリン、 1.9 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Val]11−シクロ
スポリン、 1.10 [3'−O−アセチル−ジヒドロ−MeBmt]1−シク
ロスポリン、 1.11 [3'−O−メトキシカルボニル−MeBmt]1−シク
ロスポリン、 1.12 [3'−O−(4−アジドブタノイル)−MeBmt]1−
シクロスポリン、 1.13 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[O−アセチル
−Thr]2−シクロスポリン、 1.14 [3'−O−アセチル−N−デスメチル−MeBmt]1
−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、および 1.15 [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[O−アセチル
−(D)Ser]8−シクロスポリン。
【0023】この発明による用途に好適なシクロスポリ
ン類は、上記のシクロスポリン類1.1〜1.10全部および
1.15、および特にシクロスポリン類1.1、1.2、1.3、1.
4、1.10および1.15である。(1a)タイプのシクロスポリ
ン類の別の群は次の通りである。(1a2)式中、1位の残
基が式(IV)で示される−3'−O−アシル−8'−C1-8
アルコキシ− −シス−MeBmt−または−ジヒドロ−
MeBmt−残基である場合。
ン類は、上記のシクロスポリン類1.1〜1.10全部および
1.15、および特にシクロスポリン類1.1、1.2、1.3、1.
4、1.10および1.15である。(1a)タイプのシクロスポリ
ン類の別の群は次の通りである。(1a2)式中、1位の残
基が式(IV)で示される−3'−O−アシル−8'−C1-8
アルコキシ− −シス−MeBmt−または−ジヒドロ−
MeBmt−残基である場合。
【化13】 (式中、−x−y−はシス−CH=CH−または−CH2−
CH2−、R4はC2-9アルコキシメチルおよびACYL1
はアシル基を表す)式(IV)中のアシル基として特に適当
なものは、式R5−CO−(式中、R5はC1-4アルキルで
ある)で示される基である。
CH2−、R4はC2-9アルコキシメチルおよびACYL1
はアシル基を表す)式(IV)中のアシル基として特に適当
なものは、式R5−CO−(式中、R5はC1-4アルキルで
ある)で示される基である。
【0024】R5としてのアルキル基およびR4を含むア
ルキル部分は分枝状または直鎖であり得る。好ましくは
それらは直鎖である。好ましくはR4はC2-5アルコキシ
メチルである。式(IV)中のACYL1は好適にはアセチ
ルである。
ルキル部分は分枝状または直鎖であり得る。好ましくは
それらは直鎖である。好ましくはR4はC2-5アルコキシ
メチルである。式(IV)中のACYL1は好適にはアセチ
ルである。
【0025】(1a2)群の特に好ましいシクロスポリン類
は上記式(II)(ただし、Aは前記式(IV)の残基であり、
Bは式(II)の場合と同じ意味を有し、Xは−Sar−およ
びYは−Val−である)で示されるものである。
は上記式(II)(ただし、Aは前記式(IV)の残基であり、
Bは式(II)の場合と同じ意味を有し、Xは−Sar−およ
びYは−Val−である)で示されるものである。
【0026】この発明による用途に適した(1a2)群のシ
クロスポリン類の例は次の通りである。 1.16 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、 1.17 [3'−O−アセチル−8'−t−ブトキシ−シス−
MeBmt]1−シクロスポリン、 1.18 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、 1.19 [3'−O−アセチル−8'−t−ブトキシ−シス−
MeBmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、 1.20 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[Val]2−シクロスポリン、および 1.21 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[Nva]2−シクロスポリン。
クロスポリン類の例は次の通りである。 1.16 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、 1.17 [3'−O−アセチル−8'−t−ブトキシ−シス−
MeBmt]1−シクロスポリン、 1.18 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、 1.19 [3'−O−アセチル−8'−t−ブトキシ−シス−
MeBmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、 1.20 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[Val]2−シクロスポリン、および 1.21 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−Me
Bmt]1−[Nva]2−シクロスポリン。
【0027】1a3)式中、1位の残基が−3'−O−アシ
ル−シス−MeBmt−、−3'−O−アシル−7'−デス
メチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは
−シス−MeBmt−残基[ただし、ヒドロカルビル(炭化
水素残基)部分は少なくとも2個の炭素原子を含む]、ま
たは−3'−O−アシル−7'−デスメチル−7'−ヒド
ロカルビル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただし、ヒドロ
カルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を含み、前記
ヒドロカルビル部分に存在する脂肪族基または部分は全
て飽和しているものとする)である場合。
ル−シス−MeBmt−、−3'−O−アシル−7'−デス
メチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは
−シス−MeBmt−残基[ただし、ヒドロカルビル(炭化
水素残基)部分は少なくとも2個の炭素原子を含む]、ま
たは−3'−O−アシル−7'−デスメチル−7'−ヒド
ロカルビル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただし、ヒドロ
カルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を含み、前記
ヒドロカルビル部分に存在する脂肪族基または部分は全
て飽和しているものとする)である場合。
【0028】これらの残基は式(V)により表され得る。
【化14】 (式中、−x−y−はシスまたはトランス−CH=CH−
または−CH2−CH2−であり、R6はヒドロカルビル
であり、ACYL1はアシル基を表すが、ただし、−x−
y−がトランス−CH=CH−または−CH2−CH2−
である場合、R6は少なくとも2個の炭素原子を含み(す
なわち、メチル以外である)、−x−y−が−CH2−CH
2−である場合、R6としてまたはR6中に存在する脂肪
族基または部分は全て飽和しているものとする)
または−CH2−CH2−であり、R6はヒドロカルビル
であり、ACYL1はアシル基を表すが、ただし、−x−
y−がトランス−CH=CH−または−CH2−CH2−
である場合、R6は少なくとも2個の炭素原子を含み(す
なわち、メチル以外である)、−x−y−が−CH2−CH
2−である場合、R6としてまたはR6中に存在する脂肪
族基または部分は全て飽和しているものとする)
【0029】式(V)中のアシル基として特に適当なもの
は、式−R5−CO−(ただし、R5はC1-4アルキルであ
る)で示される基、特にアセチルである。
は、式−R5−CO−(ただし、R5はC1-4アルキルであ
る)で示される基、特にアセチルである。
【0030】R6としての炭化水素残基は、芳香族、脂
肪族および芳香脂肪族基を含むが、ただし脂肪族基およ
び部分は分枝状または直鎖であり得る。またかかる基は
さらに置換基例えばハロゲンまたはヒドロキシを含み得
るか、または非置換であり得る。
肪族および芳香脂肪族基を含むが、ただし脂肪族基およ
び部分は分枝状または直鎖であり得る。またかかる基は
さらに置換基例えばハロゲンまたはヒドロキシを含み得
るか、または非置換であり得る。
【0031】R6として適当な炭化水素残基は、アルキ
ル、アルケニル、アルキニル、フェニル、フェニルアル
キル、フェニルアルケニルおよびフェニルアルキニル、
特に最高20個、好ましくは最高8個の炭素原子を有す
るアルキル、アルケニルおよびアルキニル基、並びに最
高12個の炭素原子を含むフェニル、フェニルアルキル
およびフェニルアルキニル基である。
ル、アルケニル、アルキニル、フェニル、フェニルアル
キル、フェニルアルケニルおよびフェニルアルキニル、
特に最高20個、好ましくは最高8個の炭素原子を有す
るアルキル、アルケニルおよびアルキニル基、並びに最
高12個の炭素原子を含むフェニル、フェニルアルキル
およびフェニルアルキニル基である。
【0032】特に好ましい基R6は、フェニル、フェニ
ル−(C1-4アルキル)、C1-10アルキル、C2-10アルケ
ニルおよびC2-10アルキニル、特にフェニルおよびC1-
5アルキルである。
ル−(C1-4アルキル)、C1-10アルキル、C2-10アルケ
ニルおよびC2-10アルキニル、特にフェニルおよびC1-
5アルキルである。
【0033】式(V)中の−x−y−が−CH2−CH2−で
ある場合、R6としての炭化水素残基は、芳香族基、飽
和脂肪族基および脂肪族部分が飽和している芳香脂肪族
基を包含し、例えば前述のこのタイプに属する前記の基
全てを含む。
ある場合、R6としての炭化水素残基は、芳香族基、飽
和脂肪族基および脂肪族部分が飽和している芳香脂肪族
基を包含し、例えば前述のこのタイプに属する前記の基
全てを含む。
【0034】この群の特に好ましいシクロスポリン類
は、上式(II)(ただし、Aは前記式(V)の残基、Bは式
(II)の場合と同意義、Xは−Sar−およびYは−Val−
である)で示されるものである。
は、上式(II)(ただし、Aは前記式(V)の残基、Bは式
(II)の場合と同意義、Xは−Sar−およびYは−Val−
である)で示されるものである。
【0035】この発明による用途に適したこの群のシク
ロスポリン類の例は下記の通りである。 1.22 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.23 [3'−O−アセチル−シス−MeBmt]1−シクロス
ポリン、 1.24 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.25 [3'
−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビニル−シス
−MeBmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリ
ン、 1.26 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−i−
ペンチル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.27 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.28 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−n−
プロピル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.29 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−(β
−アリル)−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.30 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.31 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.32 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.33 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポリン、お
よび 1.34 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−(3
−ブロモ−n−プロピル)−シス−MeBmt]1−シクロス
ポリン。
ロスポリン類の例は下記の通りである。 1.22 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.23 [3'−O−アセチル−シス−MeBmt]1−シクロス
ポリン、 1.24 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.25 [3'
−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビニル−シス
−MeBmt]1−[O−アセチル−Thr]2−シクロスポリ
ン、 1.26 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−i−
ペンチル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.27 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.28 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−n−
プロピル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.29 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−(β
−アリル)−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、 1.30 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.31 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フ
ェニル−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.32 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、 1.33 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−ビ
ニル−シス−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポリン、お
よび 1.34 [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−(3
−ブロモ−n−プロピル)−シス−MeBmt]1−シクロス
ポリン。
【0036】クラス1のシクロスポリン類の別の群は次
の通りである。 (1b)式中、2位の残基のβ−炭素原子がO−アシル置
換されている場合、すなわち、2位の残基がβ−O−ア
シル−α−アミノ酸残基であり、1位の残基が上記(1
a)項記載のもの以外である場合。
の通りである。 (1b)式中、2位の残基のβ−炭素原子がO−アシル置
換されている場合、すなわち、2位の残基がβ−O−ア
シル−α−アミノ酸残基であり、1位の残基が上記(1
a)項記載のもの以外である場合。
【0037】2位の残基がβ−O−アシル−α−アミノ
酸残基である場合、この残基は一般に(L)立体配置を有
する。好適には、それは式(III')で示される残基であ
る。
酸残基である場合、この残基は一般に(L)立体配置を有
する。好適には、それは式(III')で示される残基であ
る。
【化15】 (式中、ACYL3はアシル基を表す) 好ましくはそれはO−アシル−(L)−トレオニル残基で
ある。
ある。
【0038】式(III")におけるACYL3として適当な
基は、式R3−CO−またはR7−CO−R8−CO−(た
だし、R3は式(III)の場合と同意義、R7は2位のβ−
オキシ−(L)−α−アミノ酸残基が前記残基のβ−酸素
原子を介して−CO−R8−CO−部分と結合している
シクロスポリンの残基、およびR8はC1-8アルキレンで
ある)で示されるものである。
基は、式R3−CO−またはR7−CO−R8−CO−(た
だし、R3は式(III)の場合と同意義、R7は2位のβ−
オキシ−(L)−α−アミノ酸残基が前記残基のβ−酸素
原子を介して−CO−R8−CO−部分と結合している
シクロスポリンの残基、およびR8はC1-8アルキレンで
ある)で示されるものである。
【0039】R8としてのアルキレン基は分枝状または
直鎖であり得る。好ましくはそれらは直鎖である。R8
は好ましくはC1-4アルキレンである。式R3−CO−で
示されるアシル基が一般に好ましく、R3−CO−の好
ましい意味は式(III)に関して前述した通りである。
直鎖であり得る。好ましくはそれらは直鎖である。R8
は好ましくはC1-4アルキレンである。式R3−CO−で
示されるアシル基が一般に好ましく、R3−CO−の好
ましい意味は式(III)に関して前述した通りである。
【0040】この群の特定のシクロスポリン類は、上記
式(II)(ただし、Aは−MeBmt−または−ジヒドロ−M
eBmt−、Bは上記(1b)項記載、例えば上記式(III')の
残基、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で示さ
れるものである。
式(II)(ただし、Aは−MeBmt−または−ジヒドロ−M
eBmt−、Bは上記(1b)項記載、例えば上記式(III')の
残基、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で示さ
れるものである。
【0041】この発明による用途に適した前記シクロス
ポリン類の例は次の通りである。 1.35 [O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、および 1.36 1,2−エタンジカルボン酸[O−トレオニル]2−
シクロスポリンジエステル。
ポリン類の例は次の通りである。 1.35 [O−アセチル−Thr]2−シクロスポリン、および 1.36 1,2−エタンジカルボン酸[O−トレオニル]2−
シクロスポリンジエステル。
【0042】シクロスポリン1.36は式(VI)で示される。
【化16】 クラス1のシクロスポリン類のさらに好ましい群は下記
の通りである。(1c)式中、1位の残基の3'−炭素原子
がオキソ置換されている場合。1位の残基の3'−炭素
原子がオキソ置換されている場合、これは好適には式(V
II)で示される−3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeB
mt−である。
の通りである。(1c)式中、1位の残基の3'−炭素原子
がオキソ置換されている場合。1位の残基の3'−炭素
原子がオキソ置換されている場合、これは好適には式(V
II)で示される−3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeB
mt−である。
【化17】 この群の特に好ましいシクロスポリン類は、上記式(II)
(ただし、Aは上記式(VII)の残基、Bは式(II)で与えら
れた意味、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で
示されるものである。
(ただし、Aは上記式(VII)の残基、Bは式(II)で与えら
れた意味、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で
示されるものである。
【0043】クラス1のシクロスポリン類のさらに別の
群は、下記の通りである。 (1d)式中、2位の残基のβ−炭素原子がβ−オキソ置
換されている場合、すなわち、2位の残基がβ−オキソ
−α−アミノ酸残基である場合。
群は、下記の通りである。 (1d)式中、2位の残基のβ−炭素原子がβ−オキソ置
換されている場合、すなわち、2位の残基がβ−オキソ
−α−アミノ酸残基である場合。
【0044】2位の残基がβ−オキソ−α−アミノ酸残
基である場合、この残基は一般に(L)立体配置を有す
る。好適には、それは式(VIII)で示される−α−メチル
ケト−Gly−である。
基である場合、この残基は一般に(L)立体配置を有す
る。好適には、それは式(VIII)で示される−α−メチル
ケト−Gly−である。
【化18】
【0045】この発明による用途に適した(1c)および
(1d)群に属するシクロスポリン類の例は次の通りであ
る。 1.37 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−シ
クロスポリン、 1.38 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−[V
al]2−シクロスポリン、 1.39 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−[N
va]2−シクロスポリン、 1.40 [α−メチルケト−Gly]2−シクロスポリン、およ
び 1.41 [ジヒドロ−MeBmt]1−[α−メチルケト−Gly]2
−シクロスポリン。シクロスポリン1.37〜1.39が特に好
ましい。
(1d)群に属するシクロスポリン類の例は次の通りであ
る。 1.37 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−シ
クロスポリン、 1.38 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−[V
al]2−シクロスポリン、 1.39 [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−[N
va]2−シクロスポリン、 1.40 [α−メチルケト−Gly]2−シクロスポリン、およ
び 1.41 [ジヒドロ−MeBmt]1−[α−メチルケト−Gly]2
−シクロスポリン。シクロスポリン1.37〜1.39が特に好
ましい。
【0046】クラス2 i)1位の残基の3'−炭素原子がC1-4アルコキシイミノ
置換されているシクロスポリン、例えば1位の残基が−
3'−デスオキシ−3'−(C1-4アルコキシイミノ)−Me
Bmt−残基であるシクロスポリン、または ii)2位の残基が(L)−イソロイシル残基であるシクロ
スポリン、または iii)11位の残基がN−メチル−(L)−アラニル、N−
メチル−(L)−イソロイシルまたはN−メチル−(L)−
アロイソロイシルまたはN−メチル−(L)−ロイシル残
基であるシクロスポリン。
置換されているシクロスポリン、例えば1位の残基が−
3'−デスオキシ−3'−(C1-4アルコキシイミノ)−Me
Bmt−残基であるシクロスポリン、または ii)2位の残基が(L)−イソロイシル残基であるシクロ
スポリン、または iii)11位の残基がN−メチル−(L)−アラニル、N−
メチル−(L)−イソロイシルまたはN−メチル−(L)−
アロイソロイシルまたはN−メチル−(L)−ロイシル残
基であるシクロスポリン。
【0047】上記(i)項記載の−3'−デスオキシ−3'
−(C1-4アルコキシイミノ)−MeBmt−残基は式(IX)で
示される。
−(C1-4アルコキシイミノ)−MeBmt−残基は式(IX)で
示される。
【化19】 (式中、R9はC1-4アルキルである) R9としてのアルキル基は分枝状または直鎖であり得
る。好ましくはそれらは直鎖である。
る。好ましくはそれらは直鎖である。
【0048】上記(iii)項で使用されているN−メチル
−(L)−アロイソロイシル(−MeアロIle−)の語は、
式(X)で示される残基を意味する。
−(L)−アロイソロイシル(−MeアロIle−)の語は、
式(X)で示される残基を意味する。
【化20】
【0049】このクラスの好ましいシクロスポリン類
は、式(XI)で示されるものである。
は、式(XI)で示されるものである。
【化21】 [式中、Aは、−MeBmt−、−ジヒドロ−MeBmt−ま
たは上記(i)項記載の残基であり、Bは、−αAbu−、
−Thr−、−Val−または−Nva−、またはさらに、A
が−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−である場合
−Ile−であり、そしてAが−MeBmt−または−ジヒ
ドロ−MeBmt−およびBが−αAbu−、−Thr−、−
Val−または−Nva−である場合、Zは−MeAla−、
−MeIle−、−MeアロIle−または−MeLeu−であ
るか、またはAが上記(i)項記載の残基であるか、また
はBが−Ile−である場合、Zは−MeVal−である]
この発明による用途に適したシクロスポリン類の例は、
次の通りである。
たは上記(i)項記載の残基であり、Bは、−αAbu−、
−Thr−、−Val−または−Nva−、またはさらに、A
が−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−である場合
−Ile−であり、そしてAが−MeBmt−または−ジヒ
ドロ−MeBmt−およびBが−αAbu−、−Thr−、−
Val−または−Nva−である場合、Zは−MeAla−、
−MeIle−、−MeアロIle−または−MeLeu−であ
るか、またはAが上記(i)項記載の残基であるか、また
はBが−Ile−である場合、Zは−MeVal−である]
この発明による用途に適したシクロスポリン類の例は、
次の通りである。
【0050】2.1 [3'−デスオキシ−3'−メトキシイ
ミノ−MeBmt]1−シクロスポリン、 2.2 [Ile]2−シクロスポリン、 2.3 [MeAla]11−シクロスポリン、 2.4 [MeIle]11−シクロスポリン、および 2.5 [MeアロIle]11−シクロスポリン、および 2.6 [MeLeu]11−シクロスポリン。
ミノ−MeBmt]1−シクロスポリン、 2.2 [Ile]2−シクロスポリン、 2.3 [MeAla]11−シクロスポリン、 2.4 [MeIle]11−シクロスポリン、および 2.5 [MeアロIle]11−シクロスポリン、および 2.6 [MeLeu]11−シクロスポリン。
【0051】このクラスの中で、2位の残基が上記(ii)
項記載の意味を有するシクロスポリン、特にシクロスポ
リン2.2が好ましい。11位の残基が上記(iii)項記載の
意味を有するシクロスポリン、例、シクロスポリン2.4
および2.5もまた特に興味深いものである。
項記載の意味を有するシクロスポリン、特にシクロスポ
リン2.2が好ましい。11位の残基が上記(iii)項記載の
意味を有するシクロスポリン、例、シクロスポリン2.4
および2.5もまた特に興味深いものである。
【0052】クラス3 上記式(XI)(ただし、Zは−Val−または−MeVal−、
ただし、Zが−Val−である場合、Aは−MeBmt−も
しくは−ジヒドロ−MeBmt−、またはZが−MeVal−
である場合、Aは−3'−デスオキシ−MeBmt−、3'
−デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt−、−N−デスメチ
ル−MeBmt−、−N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt
−、−3'−デスオキシ−4'−デスメチル−ジヒドロ−
MeBmt−または−MeLeu−、そしてZが−Val−であ
る場合、Bは−αAbu−または−Thr−、Zが−MeVa
l−およびAが−3'−デスオキシ−MeBmt−、−3'−
デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt−、−3'−デスオキシ
−4'−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt−または−Me
Leu−である場合、Bは−αAbu−、またはQが−Me
Val−およびAが−N−デスメチル−MeBmt−または
−N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt−である場合、
Bは−Thr−である)で示されるシクロスポリン類。
ただし、Zが−Val−である場合、Aは−MeBmt−も
しくは−ジヒドロ−MeBmt−、またはZが−MeVal−
である場合、Aは−3'−デスオキシ−MeBmt−、3'
−デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt−、−N−デスメチ
ル−MeBmt−、−N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt
−、−3'−デスオキシ−4'−デスメチル−ジヒドロ−
MeBmt−または−MeLeu−、そしてZが−Val−であ
る場合、Bは−αAbu−または−Thr−、Zが−MeVa
l−およびAが−3'−デスオキシ−MeBmt−、−3'−
デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt−、−3'−デスオキシ
−4'−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt−または−Me
Leu−である場合、Bは−αAbu−、またはQが−Me
Val−およびAが−N−デスメチル−MeBmt−または
−N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt−である場合、
Bは−Thr−である)で示されるシクロスポリン類。
【0053】このクラスのシクロスポリン類は次の通り
である。 3.1 [Val]11−シクロスポリン(シクロスポリンEとし
ても知られている)、 3.2 [ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]11−シクロスポリン
(またはジヒドロシクロスポリンE)、 3.3 [3'−デスオキシ−MeBmt]1−シクロスポリン(ま
たはシクロスポリンF)、 3.4 [3'−デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロ
スポリン(またはジヒドロシクロスポリンF)、 3.5 [N−デスメチル−MeBmt]1−[Thr]2−シクロス
ポリン(またはシクロスポリンP)、 3.6 [N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2
−シクロスポリン(またはジヒドロシクロスポリンP)、 3.7 [Thr]2−[Val]11−シクロスポリン(またはシクロ
スポリンW)、 3.8 [ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2−[Val]11−シクロ
スポリン(またはジヒドロシクロスポリンW)、 3.9 [3'−デスオキシ−4'−デスメチル−ジヒドロ−
MeBmt]1−シクロスポリン(またはシクロスポリン
Z)、 3.10 [MeLeu]1−シクロスポリン(またはシクロスポリ
ン28)。
である。 3.1 [Val]11−シクロスポリン(シクロスポリンEとし
ても知られている)、 3.2 [ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]11−シクロスポリン
(またはジヒドロシクロスポリンE)、 3.3 [3'−デスオキシ−MeBmt]1−シクロスポリン(ま
たはシクロスポリンF)、 3.4 [3'−デスオキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロ
スポリン(またはジヒドロシクロスポリンF)、 3.5 [N−デスメチル−MeBmt]1−[Thr]2−シクロス
ポリン(またはシクロスポリンP)、 3.6 [N−デスメチル−ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2
−シクロスポリン(またはジヒドロシクロスポリンP)、 3.7 [Thr]2−[Val]11−シクロスポリン(またはシクロ
スポリンW)、 3.8 [ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2−[Val]11−シクロ
スポリン(またはジヒドロシクロスポリンW)、 3.9 [3'−デスオキシ−4'−デスメチル−ジヒドロ−
MeBmt]1−シクロスポリン(またはシクロスポリン
Z)、 3.10 [MeLeu]1−シクロスポリン(またはシクロスポリ
ン28)。
【0054】(1a)群、特に(1a1)群および(1b)群の様
々なアシル化シクロスポリン類は公知のものである。す
なわちシクロスポリン1.1、1.4、1.8、1.9、1.13、1.14
および1.34は、例えばトラバー等、「ヘルベティカ・シ
ミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、60巻、124
7頁以下(1977年)、65巻、1655頁以下(19
82年)、70巻、13頁以下(1987年)、コーベル
等、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・アプライド・
マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー」
(Europ.J.Applied Microbiology and Biotechnolog
y)、14巻、273頁以下(1982年)並びにフォン・
バルトブルグ等、「プログレス・イン・アラージー」(Pro
gress in Allergy)、38巻、28頁以下(1986
年)から知られ、それらの製法と共に記載されている。
々なアシル化シクロスポリン類は公知のものである。す
なわちシクロスポリン1.1、1.4、1.8、1.9、1.13、1.14
および1.34は、例えばトラバー等、「ヘルベティカ・シ
ミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、60巻、124
7頁以下(1977年)、65巻、1655頁以下(19
82年)、70巻、13頁以下(1987年)、コーベル
等、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・アプライド・
マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー」
(Europ.J.Applied Microbiology and Biotechnolog
y)、14巻、273頁以下(1982年)並びにフォン・
バルトブルグ等、「プログレス・イン・アラージー」(Pro
gress in Allergy)、38巻、28頁以下(1986
年)から知られ、それらの製法と共に記載されている。
【0055】シクロスポリン1.2、1.3、1.5、1.6、1.7
および1.10は新規であり、それ自体新規化合物としてこ
の発明の一部を形成する。シクロスポリン1.2、1.5〜1.
7および1.10は、例えばシクロスポリン1.1の製法に関す
る当技術文献に記載された方法と同様にして、対応する
シクロスポリン類(ただし、1位の残基は−MeBmt−ま
たは−ジヒドロ−MeBmt−である)のアセチル化により
製造され得る。シクロスポリン出発材料は公知であり、
シクロスポリン1.6および1.7の場合例えばヨーロッパ特
許公開第0194972号に記載されている。生成物で
あるシクロスポリンは下記の物理特性を有する。
および1.10は新規であり、それ自体新規化合物としてこ
の発明の一部を形成する。シクロスポリン1.2、1.5〜1.
7および1.10は、例えばシクロスポリン1.1の製法に関す
る当技術文献に記載された方法と同様にして、対応する
シクロスポリン類(ただし、1位の残基は−MeBmt−ま
たは−ジヒドロ−MeBmt−である)のアセチル化により
製造され得る。シクロスポリン出発材料は公知であり、
シクロスポリン1.6および1.7の場合例えばヨーロッパ特
許公開第0194972号に記載されている。生成物で
あるシクロスポリンは下記の物理特性を有する。
【表1】
【0056】一般に、シクロスポリン出発材料の2位の
残基がβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸残基、例えば−T
hr−である場合、この位置のβ−OH基は、1位の例え
ば−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−の3'−ヒ
ドロキシよりも容易に反応に対して感受性を示す。すな
わち、1位の残基ではなく、2位の残基がアシル化され
ているシクロスポリン類[(1b)群のシクロスポリン類
(例、シクロスポリン1.35)の場合]、または1位および
2位の残基が共にアシル化されているシクロスポリン類
[(1a1)群のシクロスポリン1.13および1.14の場合]は、
上記の反応性における相対的な差を利用する当技術文献
に記載された方法に従うかまたはこれと類似の方法によ
り容易に製造され得る。1位が3'−アシル化されてい
るが2位に遊離β−OH基を有するシクロスポリン類
[例えばシクロスポリン1.3の場合]を製造するために
は、まず2位のヒドロキシ基を保護し、次いで1位の残
基をアシル化した後、保護基を除去することが必要であ
る。以下の実施例は一般的手順を示したものである。
残基がβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸残基、例えば−T
hr−である場合、この位置のβ−OH基は、1位の例え
ば−MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−の3'−ヒ
ドロキシよりも容易に反応に対して感受性を示す。すな
わち、1位の残基ではなく、2位の残基がアシル化され
ているシクロスポリン類[(1b)群のシクロスポリン類
(例、シクロスポリン1.35)の場合]、または1位および
2位の残基が共にアシル化されているシクロスポリン類
[(1a1)群のシクロスポリン1.13および1.14の場合]は、
上記の反応性における相対的な差を利用する当技術文献
に記載された方法に従うかまたはこれと類似の方法によ
り容易に製造され得る。1位が3'−アシル化されてい
るが2位に遊離β−OH基を有するシクロスポリン類
[例えばシクロスポリン1.3の場合]を製造するために
は、まず2位のヒドロキシ基を保護し、次いで1位の残
基をアシル化した後、保護基を除去することが必要であ
る。以下の実施例は一般的手順を示したものである。
【0057】実施例A [3'−O−アセチル−MeBmt]1−[Thr]2−シクロスポ
リン(シクロスポリン1.3)の製造。 1段階 : [Thr]2−シクロスポリンの−Thr−2におけ
るO−保護基の導入。 6.09gの[Thr]2−シクロスポリンを25mlの無水C
H2Cl2に溶かし、5mlのエチニルエーテルおよび0.2
mlのトリフルオロ酢酸を加える。反応混合物を窒素雰囲
気下室温で20時間撹はんする。反応混合物を冷20%
KHCO3と共に振り混ぜ、水で洗浄し、CH2Cl2で抽
出し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮する。得られた
泡状物において、440gのシリカゲル(0.04−0.0
6)を用い、溶離剤としてトルエン/アセトン(2:1)を
用い、500mlのフラクションに集めるクロマトグラフ
ィー精製を行う。生成物、[Thr−1−メチル−エトキ
シメチルエーテル]2−シクロスポリンをフラクション2
6〜29から回収する。mp=76.6°。
リン(シクロスポリン1.3)の製造。 1段階 : [Thr]2−シクロスポリンの−Thr−2におけ
るO−保護基の導入。 6.09gの[Thr]2−シクロスポリンを25mlの無水C
H2Cl2に溶かし、5mlのエチニルエーテルおよび0.2
mlのトリフルオロ酢酸を加える。反応混合物を窒素雰囲
気下室温で20時間撹はんする。反応混合物を冷20%
KHCO3と共に振り混ぜ、水で洗浄し、CH2Cl2で抽
出し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮する。得られた
泡状物において、440gのシリカゲル(0.04−0.0
6)を用い、溶離剤としてトルエン/アセトン(2:1)を
用い、500mlのフラクションに集めるクロマトグラフ
ィー精製を行う。生成物、[Thr−1−メチル−エトキ
シメチルエーテル]2−シクロスポリンをフラクション2
6〜29から回収する。mp=76.6°。
【0058】2段階 : [Thr]2−シクロスポリンの−T
hr−2O−保護形のアシル化。 1段階の生成物10.66g、無水酢酸106mlおよび4
−ジメチルアミノピリジン1.22gを合わせ、室温で2
0時間撹はんし、40℃でトルエンに吸収させる。残留
物を400mlのトルエンに溶かし、250mlの冷酢酸で
1回、250mlのH2Oで1回、200mlの冷20%K
HCO3で1回および250mlのH2Oで1回抽出する。
トルエン抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、
真空乾燥すると、[3'−O−アセチル−MeBmt]1−[T
hr−1−メチル−エトキシメチルエーテル]2−シクロス
ポリンが生成する。
hr−2O−保護形のアシル化。 1段階の生成物10.66g、無水酢酸106mlおよび4
−ジメチルアミノピリジン1.22gを合わせ、室温で2
0時間撹はんし、40℃でトルエンに吸収させる。残留
物を400mlのトルエンに溶かし、250mlの冷酢酸で
1回、250mlのH2Oで1回、200mlの冷20%K
HCO3で1回および250mlのH2Oで1回抽出する。
トルエン抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、
真空乾燥すると、[3'−O−アセチル−MeBmt]1−[T
hr−1−メチル−エトキシメチルエーテル]2−シクロス
ポリンが生成する。
【0059】3段階 : [3'−O−アセチル−MeBmt]1
−[Thr]2−シクロスポリンの−Thr−2O−保護形の脱
保護。 2段階の生成物11.38g、テトラヒドロフラン80ml
および67%酢酸160mlをN2下室温で48時間撹は
んする。反応混合物をトルエンに吸収させ、残留物をト
ルエンに溶かし、20%KHCO3と振り混ぜ、H2Oで
洗浄し、トルエン抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過す
る。ろ液を濃縮し、440gのシリカゲル(0.04−0.
06)を用い、溶離剤としてトルエン/アセトン(3:1)
を用い、500mlのフラクションに集めるクロマトグラ
フィー精製を行う。最終生成物、[3'−O−アセチル−
MeBmt]1−[Thr]2−シクロスポリンをフラクション5
−9から回収する。mp=75.6°、[α]D 20=−27
5.5°(c=0.65、CHCl3中)。
−[Thr]2−シクロスポリンの−Thr−2O−保護形の脱
保護。 2段階の生成物11.38g、テトラヒドロフラン80ml
および67%酢酸160mlをN2下室温で48時間撹は
んする。反応混合物をトルエンに吸収させ、残留物をト
ルエンに溶かし、20%KHCO3と振り混ぜ、H2Oで
洗浄し、トルエン抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過す
る。ろ液を濃縮し、440gのシリカゲル(0.04−0.
06)を用い、溶離剤としてトルエン/アセトン(3:1)
を用い、500mlのフラクションに集めるクロマトグラ
フィー精製を行う。最終生成物、[3'−O−アセチル−
MeBmt]1−[Thr]2−シクロスポリンをフラクション5
−9から回収する。mp=75.6°、[α]D 20=−27
5.5°(c=0.65、CHCl3中)。
【0060】式(II')で示されるシクロスポリン類は新
規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を
形成する。従って、この発明は別の態様において新規な
群のシクロスポリン類として下記のものを提供する。
(1a4)前記式(II')で示されるもの。
規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を
形成する。従って、この発明は別の態様において新規な
群のシクロスポリン類として下記のものを提供する。
(1a4)前記式(II')で示されるもの。
【0061】(1a4)群のシクロスポリン類は、対応する
シクロスポリン(ただし、1位の残基は−MeBmt−また
は−ジヒドロ−MeBmt−である)から出発する、シクロ
スポリン1.3の製法について前述されたか、またはこれ
と類似した、公知シクロスポリン類1.1、1.4等の製造手
順と全く同様にして製造され得る。必要とされる出発材
料は公知であり、それらの製法と共に、例えば英国特許
出願第2155936号、米国特許第4639434号
およびヨーロッパ特許公開第0056782号に記載さ
れている。前述した通り、式(II')[ただし、Wはβ−ヒ
ドロキシ−(β−O−アシル−以外)−α−アミノ酸残基
である]で示されるシクロスポリン類は、例えば実施例
Aと同様に、最初に8位を保護し、1位をアシル化し、
次いで8位を脱保護することにより製造される。
シクロスポリン(ただし、1位の残基は−MeBmt−また
は−ジヒドロ−MeBmt−である)から出発する、シクロ
スポリン1.3の製法について前述されたか、またはこれ
と類似した、公知シクロスポリン類1.1、1.4等の製造手
順と全く同様にして製造され得る。必要とされる出発材
料は公知であり、それらの製法と共に、例えば英国特許
出願第2155936号、米国特許第4639434号
およびヨーロッパ特許公開第0056782号に記載さ
れている。前述した通り、式(II')[ただし、Wはβ−ヒ
ドロキシ−(β−O−アシル−以外)−α−アミノ酸残基
である]で示されるシクロスポリン類は、例えば実施例
Aと同様に、最初に8位を保護し、1位をアシル化し、
次いで8位を脱保護することにより製造される。
【0062】(1a4)群のシクロスポリン1.15は次の特性
データを有する。[α]D 20=−272°(c=1.0、CH
Cl3中)。1位の残基の3'−炭素原子がアジドアルキル
カルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ置
換されているシクロスポリン類もまた新規であり、それ
自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
データを有する。[α]D 20=−272°(c=1.0、CH
Cl3中)。1位の残基の3'−炭素原子がアジドアルキル
カルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシ置
換されているシクロスポリン類もまた新規であり、それ
自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
【0063】このタイプのシクロスポリン類の群は次の
ものを含む。(1a5)式中、1位の残基が−3'−O−(C
1-4アジドアルキル)−カルボニル−または−3'−O−
(C1-4アルコキシ)−カルボニル− −MeBmt−または
−ジヒドロ−MeBmt−残基である場合、すなわち、上
記式(I)において、ACYL1が式R1'−CO−または
R2−O−CO−(式中、R1'はC1-4アジドアルキルお
よびR2はC1-4アルキルである)で示される基である場
合。この群の好ましいシクロスポリン類は上記式(II)
[ただし、Aは前記(1a5)項記載の残基、Bは式(II)に
おいて定義した意味、Xは−Sar−およびYは−Val−
である]で示されるものである。
ものを含む。(1a5)式中、1位の残基が−3'−O−(C
1-4アジドアルキル)−カルボニル−または−3'−O−
(C1-4アルコキシ)−カルボニル− −MeBmt−または
−ジヒドロ−MeBmt−残基である場合、すなわち、上
記式(I)において、ACYL1が式R1'−CO−または
R2−O−CO−(式中、R1'はC1-4アジドアルキルお
よびR2はC1-4アルキルである)で示される基である場
合。この群の好ましいシクロスポリン類は上記式(II)
[ただし、Aは前記(1a5)項記載の残基、Bは式(II)に
おいて定義した意味、Xは−Sar−およびYは−Val−
である]で示されるものである。
【0064】またこの発明は、下記工程を含む(1a5)群
のシクロスポリン類の製造方法を提供する。 a)対応するシクロスポリン(ただし、1位の残基は−Me
Bmt−または−ジヒドロ−MeBmt−である)を式(XII)
または(XIII) R1'−CO−Q (XII) R2−O−CO−Q (XIII) (式中、R1'およびR2は前記の意味およびQは脱離基で
ある)で示される化合物と反応させる。Qは好適にはハ
ロゲンまたは−OHである。Qがハロゲンである場合、
反応は好適には例えば触媒(例、n−ブチルリチウム)の
存在下に行なわれる。Qが−OHである場合、反応は好
適には活性剤の存在下に行なわれる。反応は、例えば下
記実施例B記載の要領で、好適には約−100〜−50
℃の温度で行なわれる。
のシクロスポリン類の製造方法を提供する。 a)対応するシクロスポリン(ただし、1位の残基は−Me
Bmt−または−ジヒドロ−MeBmt−である)を式(XII)
または(XIII) R1'−CO−Q (XII) R2−O−CO−Q (XIII) (式中、R1'およびR2は前記の意味およびQは脱離基で
ある)で示される化合物と反応させる。Qは好適にはハ
ロゲンまたは−OHである。Qがハロゲンである場合、
反応は好適には例えば触媒(例、n−ブチルリチウム)の
存在下に行なわれる。Qが−OHである場合、反応は好
適には活性剤の存在下に行なわれる。反応は、例えば下
記実施例B記載の要領で、好適には約−100〜−50
℃の温度で行なわれる。
【0065】実施例B 1.[3'−O−メトキシカルボニル−MeBmt]1−シク
ロスポリン(シクロスポリン1.11)の製造。 3.76mlのヘキサン中 n−ブチルリチウムの1.48モ
ル溶液3.76mlを−78°でテトラヒドロフラン中ジ
イソプロピルアミン0.87mlに加え、−78℃で30
分間全体を撹はんする。15mlの乾燥テトラヒドロフラ
ン中1.0gのシクロスポリンを同温度で加え、さらに3
0分間撹はんを続ける。0.326mlのメチルクロロホ
ルメートを加え、−78℃でさらに1時間撹はんを続け
る。次いで温度を室温に放暖する。10mlの水を加え、
テトラヒドロフランの大部分を濃縮により除去する。残
留物を100mlのエチルエーテルおよび50mlの水に吸
収させ、水層を分離し、エチルエーテルで2回抽出す
る。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥し、濃縮乾固
する。酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより残留物を精製すると、標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−234°(c=1.0、CHCl3中)。
ロスポリン(シクロスポリン1.11)の製造。 3.76mlのヘキサン中 n−ブチルリチウムの1.48モ
ル溶液3.76mlを−78°でテトラヒドロフラン中ジ
イソプロピルアミン0.87mlに加え、−78℃で30
分間全体を撹はんする。15mlの乾燥テトラヒドロフラ
ン中1.0gのシクロスポリンを同温度で加え、さらに3
0分間撹はんを続ける。0.326mlのメチルクロロホ
ルメートを加え、−78℃でさらに1時間撹はんを続け
る。次いで温度を室温に放暖する。10mlの水を加え、
テトラヒドロフランの大部分を濃縮により除去する。残
留物を100mlのエチルエーテルおよび50mlの水に吸
収させ、水層を分離し、エチルエーテルで2回抽出す
る。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥し、濃縮乾固
する。酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより残留物を精製すると、標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−234°(c=1.0、CHCl3中)。
【0066】2.[3'−O−(4−アジドブタノイル)−
MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリン1.12)の製
造。 7.74gのγ−アジド酪酸、8.6gの4−ジメチルアミ
ノピリジンおよび5.11gのムラヤマ試薬(2−クロロ
−1−メチル−ピリジニウムヨージド)を200mlの無
水CH2Cl2中12.02gのシクロスポリンに加え、反
応混合物を室温で80時間撹はんする。得られた生成物
をCH2Cl2で希釈し、100mlの氷冷10%NaOH、
200mlのH2Oおよび200mlの10%酢酸と振り混
ぜ、水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥する。ろ液
を濃縮し、再び乾燥する。生成物において、1.2kgの
シリカゲル(0.04−0.06mm)を用い、溶離剤として
ヘキサン/アセトン(3:1)を用い、フラクション20
まで250mlのフラクションに集め、次いでヘキサン/
アセトン(7:3)で溶離し、それ以降300mlのフラク
ションに集めるクロマトグラフィー精製を行う。標記化
合物がフラクション23−27から回収される。[α]D
20=−289.8°(c=0.5、CHCl3中)。 上記(1a2)群のシクロスポリン類もまた新規であり、そ
れ自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリン1.12)の製
造。 7.74gのγ−アジド酪酸、8.6gの4−ジメチルアミ
ノピリジンおよび5.11gのムラヤマ試薬(2−クロロ
−1−メチル−ピリジニウムヨージド)を200mlの無
水CH2Cl2中12.02gのシクロスポリンに加え、反
応混合物を室温で80時間撹はんする。得られた生成物
をCH2Cl2で希釈し、100mlの氷冷10%NaOH、
200mlのH2Oおよび200mlの10%酢酸と振り混
ぜ、水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥する。ろ液
を濃縮し、再び乾燥する。生成物において、1.2kgの
シリカゲル(0.04−0.06mm)を用い、溶離剤として
ヘキサン/アセトン(3:1)を用い、フラクション20
まで250mlのフラクションに集め、次いでヘキサン/
アセトン(7:3)で溶離し、それ以降300mlのフラク
ションに集めるクロマトグラフィー精製を行う。標記化
合物がフラクション23−27から回収される。[α]D
20=−289.8°(c=0.5、CHCl3中)。 上記(1a2)群のシクロスポリン類もまた新規であり、そ
れ自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
【0067】またこの発明は、下記工程を含む(1a2)群
のシクロスポリン類の製造方法を提供する。 b)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は式(XI
V)
のシクロスポリン類の製造方法を提供する。 b)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は式(XI
V)
【化22】 (式中、−x−y−およびR4は式(IV)に関して定義した意
味を有する)で示される−8'−C1-8アルコキシ−シス
−MeBmt−または−8'−C1-8アルコキシ−ジヒドロ
−MeBmt−残基である]をアシル化する、例えば、式(X
V)
味を有する)で示される−8'−C1-8アルコキシ−シス
−MeBmt−または−8'−C1-8アルコキシ−ジヒドロ
−MeBmt−残基である]をアシル化する、例えば、式(X
V)
【化23】R5−CO−Q (XV) (式中、R5はC1-4アルキルおよびQは脱離基、例えば
ハロゲン原子である)で示される化合物と反応させるこ
とにより、上記式(II)[ただし、Aは前記式(XIV)の残
基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは−Sar−お
よびYは−Val−である]で示されるシクロスポリンを
アシル化する、または
ハロゲン原子である)で示される化合物と反応させるこ
とにより、上記式(II)[ただし、Aは前記式(XIV)の残
基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは−Sar−お
よびYは−Val−である]で示されるシクロスポリンを
アシル化する、または
【0068】c)(1a2)群のシクロスポリン[ただし、1
位の残基は上記式(IV)(ただし、−x−y−はシス−CH
=CH−、R4は式(IV)に関して定義した意味およびA
CYL1はアシルO−保護基、例、アセチルである)の−
3'−O−アシル−8'−C1-8アルコキシ−シス−MeB
mt−残基である]の製造の場合、1位の残基が式(XV
I)
位の残基は上記式(IV)(ただし、−x−y−はシス−CH
=CH−、R4は式(IV)に関して定義した意味およびA
CYL1はアシルO−保護基、例、アセチルである)の−
3'−O−アシル−8'−C1-8アルコキシ−シス−MeB
mt−残基である]の製造の場合、1位の残基が式(XV
I)
【化24】 (式中、R10はアシルO−保護基、例えばアセチルであ
る)で示される−3'−O−アシル−5'−デス−(1−プ
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt−残基であるシク
ロスポリン、例えば上記式(II)(ただし、Aは式(XVI)で
示される残基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは
−Sar−およびYは−Val−である)で示されるシクロ
スポリンを式(XVII)
る)で示される−3'−O−アシル−5'−デス−(1−プ
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt−残基であるシク
ロスポリン、例えば上記式(II)(ただし、Aは式(XVI)で
示される残基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは
−Sar−およびYは−Val−である)で示されるシクロ
スポリンを式(XVII)
【化25】 (式中、R11は各々フェニルまたはC1-4アルキルであ
り、R4は式(IV)に関して定義した意味を有する)で示さ
れる化合物と反応させる。上記(c)工程による反応は、
例えば無水条件下、例えば不活性溶媒または希釈剤
(例、無水ベンゼン、テトラヒドロフラン、エチルエー
テルまたはトルエン)中、約−80℃〜20℃の温度
で、所望により塩(例、アルカリ金属ハロゲン化物)の存
在下にウィッティヒ反応の実施に用いられる標準的方法
に従い実施され得る。反応は好適には不活性雰囲気下で
行なわれる。
り、R4は式(IV)に関して定義した意味を有する)で示さ
れる化合物と反応させる。上記(c)工程による反応は、
例えば無水条件下、例えば不活性溶媒または希釈剤
(例、無水ベンゼン、テトラヒドロフラン、エチルエー
テルまたはトルエン)中、約−80℃〜20℃の温度
で、所望により塩(例、アルカリ金属ハロゲン化物)の存
在下にウィッティヒ反応の実施に用いられる標準的方法
に従い実施され得る。反応は好適には不活性雰囲気下で
行なわれる。
【0069】(c)工程に必要とされるシクロスポリン出
発材料は、対応するシクロスポリン類(ただし、1位の
残基は−3'−O−アシル−保護−MeBmt−、例えば−
3'−O−アセチル−MeBmt−である)から、 d)オゾン分解および穏やかな還元剤による直ちに得られ
たオゾン分解生成物の処理により生成され得る。
発材料は、対応するシクロスポリン類(ただし、1位の
残基は−3'−O−アシル−保護−MeBmt−、例えば−
3'−O−アセチル−MeBmt−である)から、 d)オゾン分解および穏やかな還元剤による直ちに得られ
たオゾン分解生成物の処理により生成され得る。
【0070】反応工程(d)によるオゾン分解は、標準的
技術に従い、例えば約−90〜約−40℃の温度で例え
ば酢酸エチルまたはジクロロメタンの存在下にオゾン発
生器中で実施され得る。適当な穏やかな還元剤はジメチ
ルスルフィドである。好適には、オゾン分解および穏や
かな還元剤による処理は、例えば下記実施例C記載の要
領で単一反応容器中で行なわれる。
技術に従い、例えば約−90〜約−40℃の温度で例え
ば酢酸エチルまたはジクロロメタンの存在下にオゾン発
生器中で実施され得る。適当な穏やかな還元剤はジメチ
ルスルフィドである。好適には、オゾン分解および穏や
かな還元剤による処理は、例えば下記実施例C記載の要
領で単一反応容器中で行なわれる。
【0071】(d)工程の出発材料は(1a1)群のシクロス
ポリンであり、公知であるかまたは前記の要領で製造さ
れ得る。(b)工程は、例えば文献に関連して前述した(1
a1)および(1b)群のシクロスポリン類の製造方法と類似
の方法で実施され得る。同様に、2位に遊離β−ヒドロ
キシ−α−アミノ酸残基、例えば−Thr−を有する(1a
2)群のシクロスポリン類は、例えば前記実施例Aに関連
して記載した方法と類似の手順で、中間体保護、続いて
β−OH基の脱保護により製造され得る。上記(b)工程
の出発材料は、
ポリンであり、公知であるかまたは前記の要領で製造さ
れ得る。(b)工程は、例えば文献に関連して前述した(1
a1)および(1b)群のシクロスポリン類の製造方法と類似
の方法で実施され得る。同様に、2位に遊離β−ヒドロ
キシ−α−アミノ酸残基、例えば−Thr−を有する(1a
2)群のシクロスポリン類は、例えば前記実施例Aに関連
して記載した方法と類似の手順で、中間体保護、続いて
β−OH基の脱保護により製造され得る。上記(b)工程
の出発材料は、
【0072】e)対応するシクロスポリン(ただし、1位
の残基は、−8'−C1-8アルコキシ−シス−MeBmt−
もしくは−8'−C1-8アルコキシ−ジヒドロ−MeBmt
−残基の3'−保護形である)の脱保護、または f)対応するシクロスポリン(ただし、1位の残基は−8'
−C1-8アルコキシ−シス−MeBmt−残基の遊離もしく
は3'−O−保護形である)の還元および、必要ならば
(e)工程の実施により製造され得る。
の残基は、−8'−C1-8アルコキシ−シス−MeBmt−
もしくは−8'−C1-8アルコキシ−ジヒドロ−MeBmt
−残基の3'−保護形である)の脱保護、または f)対応するシクロスポリン(ただし、1位の残基は−8'
−C1-8アルコキシ−シス−MeBmt−残基の遊離もしく
は3'−O−保護形である)の還元および、必要ならば
(e)工程の実施により製造され得る。
【0073】(e)工程の出発材料における適当な3'−O
−保護基は、アシルおよびエーテル保護基を含むペプチ
ド化学技術分野において常用される公知のものを全て包
含する。すなわち、(e)工程の出発材料は上記(c)工程の
生成物を含む。対応する出発材料(ただし、3'−O−保
護基はアシル以外である)は、適当な3'−O−保護シク
ロスポリン類から出発して(d)および(c)工程と類似の手
順で製造され得る。
−保護基は、アシルおよびエーテル保護基を含むペプチ
ド化学技術分野において常用される公知のものを全て包
含する。すなわち、(e)工程の出発材料は上記(c)工程の
生成物を含む。対応する出発材料(ただし、3'−O−保
護基はアシル以外である)は、適当な3'−O−保護シク
ロスポリン類から出発して(d)および(c)工程と類似の手
順で製造され得る。
【0074】(e)工程自体は、ペプチド化学技術分野で
常用される手順に従い、例えば塩基(例、アルカリ金属
アルコキシドまたは炭酸塩)の存在下における加水分解
によりアセチル保護基を除去するか、または例えばトリ
フルオロ酢酸またはHClの存在下における加水分解的
エーテル開裂により保護エーテル基を除去することによ
り実施され得る。(e)工程は好適には約−20〜約20
℃の温度で行なわれる(例えば、後記実施例D)。
常用される手順に従い、例えば塩基(例、アルカリ金属
アルコキシドまたは炭酸塩)の存在下における加水分解
によりアセチル保護基を除去するか、または例えばトリ
フルオロ酢酸またはHClの存在下における加水分解的
エーテル開裂により保護エーテル基を除去することによ
り実施され得る。(e)工程は好適には約−20〜約20
℃の温度で行なわれる(例えば、後記実施例D)。
【0075】(f)工程もまた、例えば英国特許明細書第
1567201号に開示された一般的方法に従い、例え
ば接触水素化による、天然シクロスポリンの対応するジ
ヒドロシクロスポリンへの還元に関する公知方法と類似
の手順で実施され得る。水素化は、好適には不活性溶媒
または希釈剤、例えば酢酸エチルまたは低級脂肪族アル
カノール類(例、メタノールおよびイソプロパノール)の
存在下、触媒、例えば白金または好ましくはパラジウム
(例、パラジウム炭素)の存在下に大気圧またはそれより
僅かに高い圧力下約20〜約30℃の温度で、中性pH
条件下に行なわれる。
1567201号に開示された一般的方法に従い、例え
ば接触水素化による、天然シクロスポリンの対応するジ
ヒドロシクロスポリンへの還元に関する公知方法と類似
の手順で実施され得る。水素化は、好適には不活性溶媒
または希釈剤、例えば酢酸エチルまたは低級脂肪族アル
カノール類(例、メタノールおよびイソプロパノール)の
存在下、触媒、例えば白金または好ましくはパラジウム
(例、パラジウム炭素)の存在下に大気圧またはそれより
僅かに高い圧力下約20〜約30℃の温度で、中性pH
条件下に行なわれる。
【0076】(b)工程のシクロスポリン出発材料もまた
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。従って、この発明はまた別の態様において
下記のものを提供する。 クラス4 1位の残基が上記式(XIV)で示される−8'−アルコキシ
−シス−MeBmt−または−8'−C1-8アルコキシ−ジ
ヒドロ−MeBmt−残基であるシクロスポリン。このクラ
スの好ましいシクロスポリン類は(b)工程記載の式(II)
で示されるものである。
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。従って、この発明はまた別の態様において
下記のものを提供する。 クラス4 1位の残基が上記式(XIV)で示される−8'−アルコキシ
−シス−MeBmt−または−8'−C1-8アルコキシ−ジ
ヒドロ−MeBmt−残基であるシクロスポリン。このクラ
スの好ましいシクロスポリン類は(b)工程記載の式(II)
で示されるものである。
【0077】またクラス4のシクロスポリン類は、中間
体としてのそれらの用途に加えて、例えば後記の免疫抑
制、抗炎症および抗寄生体活性を有する。すなわち前記
シクロスポリン類はそれら独自の用途を有する。
体としてのそれらの用途に加えて、例えば後記の免疫抑
制、抗炎症および抗寄生体活性を有する。すなわち前記
シクロスポリン類はそれら独自の用途を有する。
【0078】クラス4のシクロスポリン類はまた、前記
クラス1〜3のシクロスポリン類の場合と同様、化学療
法的薬物療法に対する感受性の向上またはその効果の増
強をもたらす活性、特に化学療法薬剤耐性、例えば抗新
生物または細胞増殖抑制化学療法に対する耐性を打ち消
す活性を呈する。しかしながら、例えばそれら固有の免
疫抑制特性に注目した場合、クラス4のシクロスポリン
類は総じて前記適応症での使用に関する適性が劣ってい
る。
クラス1〜3のシクロスポリン類の場合と同様、化学療
法的薬物療法に対する感受性の向上またはその効果の増
強をもたらす活性、特に化学療法薬剤耐性、例えば抗新
生物または細胞増殖抑制化学療法に対する耐性を打ち消
す活性を呈する。しかしながら、例えばそれら固有の免
疫抑制特性に注目した場合、クラス4のシクロスポリン
類は総じて前記適応症での使用に関する適性が劣ってい
る。
【0079】(c)工程のシクロスポリン出発材料もまた
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。勿論、これらの出発材料に対し、当技術分
野で公知の方法または実践されている方法に従い、例え
ば操作、輸送または貯蔵上の目的で、間に脱保護および
/または再保護が行なわれ得る。従って、この発明はま
たさらに別の態様において下記のものを提供する。
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。勿論、これらの出発材料に対し、当技術分
野で公知の方法または実践されている方法に従い、例え
ば操作、輸送または貯蔵上の目的で、間に脱保護および
/または再保護が行なわれ得る。従って、この発明はま
たさらに別の態様において下記のものを提供する。
【0080】クラス5 1位の残基が−5'−デス−(1−プロペニル)−5'−ホ
ルミル−MeBmt−の遊離または3'−O−保護形、すな
わち式(XVIII)
ルミル−MeBmt−の遊離または3'−O−保護形、すな
わち式(XVIII)
【化26】 (式中、R12は水素またはO−保護基である)で示され
る残基であるシクロスポリン。
る残基であるシクロスポリン。
【0081】R12として好ましい保護基はアシルO−保
護基、例えばアセチルである。このクラスの好ましいシ
クロスポリン類は上記式(II)(ただし、Aは上記式(XVII
I)の残基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは−S
ar−およびYは−Val−である)で示されるものであ
る。
護基、例えばアセチルである。このクラスの好ましいシ
クロスポリン類は上記式(II)(ただし、Aは上記式(XVII
I)の残基、Bは式(II)に関して定義した意味、Xは−S
ar−およびYは−Val−である)で示されるものであ
る。
【0082】R12が水素である場合、式(XVIII)で示さ
れる残基はまた式(XVIII')で示される環状互変異性体形
でも存在する。
れる残基はまた式(XVIII')で示される環状互変異性体形
でも存在する。
【化27】 上記互変異性体も、この発明の範囲内に存し、例えば上
記クラス5のシクロスポリン類の定義に包含されるもの
とする。
記クラス5のシクロスポリン類の定義に包含されるもの
とする。
【0083】以下、実施例により(1a2)群並びにクラス
4および5のシクロスポリン類の上記製造方法の説明を
行う。 実施例C (1a2)群のシクロスポリン類の製造。 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−MeBmt]1
−シクロスポリン(シクロスポリン1.16)の製造。 16gのメトキシメチルトリフェニルホスホニウムブロ
ミドをアルゴン中270mlの無水テトラヒドロフラン
(THF)に懸濁し、−75℃に冷却する。5gのカリウ
ム−t−ブチレートおよび200mlの無水THFから成
る溶液を30分間にわたって滴下し、混合物を再び撹は
んする。2時間後、10gの[3'−O−アセチル−5'−
デス−(1−プロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−
シクロスポリンおよび25mlのTHFから成る溶液を2
0分間にわたって滴下する。混合物を室温で4時間撹は
んし、次いで400mlの酢酸エチルで処理する。抽出物
を2N-HCl溶液、飽和NaHCO3および飽和食塩水で
洗浄する。ろ液を濃縮し、CHCl3(10−40%)アセ
トン/酢酸エチルを用いた1.2kgおよび0.44kgのシ
リカゲル(0.04〜0.063mm)によるクロマトグラフ
ィーを行うと、標記化合物が得られる。[α]D 20=−2
67°(c=0.53、CHCl3中)。
4および5のシクロスポリン類の上記製造方法の説明を
行う。 実施例C (1a2)群のシクロスポリン類の製造。 [3'−O−アセチル−8'−メトキシ−シス−MeBmt]1
−シクロスポリン(シクロスポリン1.16)の製造。 16gのメトキシメチルトリフェニルホスホニウムブロ
ミドをアルゴン中270mlの無水テトラヒドロフラン
(THF)に懸濁し、−75℃に冷却する。5gのカリウ
ム−t−ブチレートおよび200mlの無水THFから成
る溶液を30分間にわたって滴下し、混合物を再び撹は
んする。2時間後、10gの[3'−O−アセチル−5'−
デス−(1−プロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−
シクロスポリンおよび25mlのTHFから成る溶液を2
0分間にわたって滴下する。混合物を室温で4時間撹は
んし、次いで400mlの酢酸エチルで処理する。抽出物
を2N-HCl溶液、飽和NaHCO3および飽和食塩水で
洗浄する。ろ液を濃縮し、CHCl3(10−40%)アセ
トン/酢酸エチルを用いた1.2kgおよび0.44kgのシ
リカゲル(0.04〜0.063mm)によるクロマトグラフ
ィーを行うと、標記化合物が得られる。[α]D 20=−2
67°(c=0.53、CHCl3中)。
【0084】シクロスポリン類1.17〜1.21も同様にして
製造され得る。これらは下記の物理特性を有する。
製造され得る。これらは下記の物理特性を有する。
【表2】 上記方法の出発材料、すなわちクラス5のシクロスポリ
ンは下記の要領で製造される。
ンは下記の要領で製造される。
【0085】[3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プ
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−シクロスポリ
ン(シクロスポリン5.1)の製造。 70mlの酢酸エチル中48.5gの[3'−O−アセチル−
MeBmt]1−シクロスポリンを、フィッシャーオゾン発
生器(0.4気圧、流速110l/時)を用いて45分間−
70℃でオゾン処理する。得られた溶液をN2でガス処
理し、9.8mlのジメチルスルフィドを加える。溶液を
室温で2時間撹はんし、蒸発により濃縮し、ベンゼンで
2回洗浄し、高度真空乾燥すると、所望の生成物が得ら
れる。これは、これ以上精製せずに後の反応で直接使用
される。[α]D 20=−302°(c=1.15、CHCl
3中)。
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−シクロスポリ
ン(シクロスポリン5.1)の製造。 70mlの酢酸エチル中48.5gの[3'−O−アセチル−
MeBmt]1−シクロスポリンを、フィッシャーオゾン発
生器(0.4気圧、流速110l/時)を用いて45分間−
70℃でオゾン処理する。得られた溶液をN2でガス処
理し、9.8mlのジメチルスルフィドを加える。溶液を
室温で2時間撹はんし、蒸発により濃縮し、ベンゼンで
2回洗浄し、高度真空乾燥すると、所望の生成物が得ら
れる。これは、これ以上精製せずに後の反応で直接使用
される。[α]D 20=−302°(c=1.15、CHCl
3中)。
【0086】下記のシクロスポリン類も同様にして製造
される。 5.2 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[O−アセチル−Th
r]2−シクロスポリン、[α]D 20=−272.6°(c=0.
504、CHCl3中)、mp=156−160°、 5.3 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポ
リン、[α]D 20=−306°(c=1.03、CHCl
3中)、mp=168−170°、 5.4 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポ
リン、[α]D 20=−291.76°(c=0.51、CHCl
3中)。
される。 5.2 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[O−アセチル−Th
r]2−シクロスポリン、[α]D 20=−272.6°(c=0.
504、CHCl3中)、mp=156−160°、 5.3 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[Val]2−シクロスポ
リン、[α]D 20=−306°(c=1.03、CHCl
3中)、mp=168−170°、 5.4 [3'−O−アセチル−5'−デス−(1−プロペニ
ル)−5'−ホルミル−MeBmt]1−[Nva]2−シクロスポ
リン、[α]D 20=−291.76°(c=0.51、CHCl
3中)。
【0087】実施例D クラス4のシクロスポリン類の製造。 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−シクロスポリン(シ
クロスポリン4.1)の製造。 41mlのメタノール/水(5:1)中シクロスポリン1.16
(実施例Cより)4gを炭酸カリウム3.5gと共に加熱
し、室温で撹はんする。21時間後冷却した溶液を10
%酒石酸溶液により酸性化し、CHCl3で3回抽出す
る。抽出物を飽和NaHCO3および水で洗浄し、Na2S
O4で乾燥し、濃縮する。酢酸エチルおよび酢酸エチル
/ヘキサン(100〜20%)を用いた220gシリカゲ
ルによるクロマトグラフィーを行うことにより、標記化
合物が得られる。[α]D 20=−239°(c=0.53、C
HCl3中)。
クロスポリン4.1)の製造。 41mlのメタノール/水(5:1)中シクロスポリン1.16
(実施例Cより)4gを炭酸カリウム3.5gと共に加熱
し、室温で撹はんする。21時間後冷却した溶液を10
%酒石酸溶液により酸性化し、CHCl3で3回抽出す
る。抽出物を飽和NaHCO3および水で洗浄し、Na2S
O4で乾燥し、濃縮する。酢酸エチルおよび酢酸エチル
/ヘキサン(100〜20%)を用いた220gシリカゲ
ルによるクロマトグラフィーを行うことにより、標記化
合物が得られる。[α]D 20=−239°(c=0.53、C
HCl3中)。
【0088】次のシクロスポリン類も同様にして得られ
る。 4.2 [8'−t−ブトキシ−シス−MeBmt]1−シクロスポ
リン、[α]D 20=−228°(c=0.5、CHCl3中)、 4.3 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Thr]2−シクロ
スポリン、[α]D 20=−220°(c=0.37、CHCl3
中)、 4.4 [8'−t−ブトキシ−シス−MeBmt]1−[Thr]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−221°(c=0.43、C
HCl3中)、 4.5 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロ
スポリン、[α]D 20=−241°(c=0.54、CHCl3
中)、 4.6 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Nva]2−シク
ロスポリン、[α]D 20=−236°(c=0.634、CH
Cl3中)。 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロスポリ
ン(シクロスポリン4.7)の製造。
る。 4.2 [8'−t−ブトキシ−シス−MeBmt]1−シクロスポ
リン、[α]D 20=−228°(c=0.5、CHCl3中)、 4.3 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Thr]2−シクロ
スポリン、[α]D 20=−220°(c=0.37、CHCl3
中)、 4.4 [8'−t−ブトキシ−シス−MeBmt]1−[Thr]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−221°(c=0.43、C
HCl3中)、 4.5 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Val]2−シクロ
スポリン、[α]D 20=−241°(c=0.54、CHCl3
中)、 4.6 [8'−メトキシ−シス−MeBmt]1−[Nva]2−シク
ロスポリン、[α]D 20=−236°(c=0.634、CH
Cl3中)。 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロスポリ
ン(シクロスポリン4.7)の製造。
【0089】302mgのシクロスポリン4.1を10mlの
無水エタノールに溶かし、室温で大気圧下5%パラジウ
ム炭素を用いて水素化する。理論量の水素取り込み(5
0分)後、ハイフロによるろ過により触媒を分離し、溶
媒を減圧濃縮する。残留物を、ヘキサン−アセトン(1:
1)を用いた70gシリカゲル(O=0.015mm)による
クロマトグラフィーにかけると、標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−229°(c=0.52、CHCl3中)。
無水エタノールに溶かし、室温で大気圧下5%パラジウ
ム炭素を用いて水素化する。理論量の水素取り込み(5
0分)後、ハイフロによるろ過により触媒を分離し、溶
媒を減圧濃縮する。残留物を、ヘキサン−アセトン(1:
1)を用いた70gシリカゲル(O=0.015mm)による
クロマトグラフィーにかけると、標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−229°(c=0.52、CHCl3中)。
【0090】下記のシクロスポリン類も同様にして得ら
れる。 4.8 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−217.5°(c=0.3
2、CHCl3中)、 4.9 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−223.6°(c=0.5
8、CHCl3中)、 4.10 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Nva]2
−シクロスポリン、[α]D 20=−221.5°(c=0.5
94、CHCl3中)。
れる。 4.8 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Thr]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−217.5°(c=0.3
2、CHCl3中)、 4.9 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−
シクロスポリン、[α]D 20=−223.6°(c=0.5
8、CHCl3中)、 4.10 [8'−メトキシ−ジヒドロ−MeBmt]1−[Nva]2
−シクロスポリン、[α]D 20=−221.5°(c=0.5
94、CHCl3中)。
【0091】上記(1a3)群のシクロスポリン類もまた新
規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を
形成する。この発明はまた、下記工程を含む(1a3)群の
シクロスポリン類の製造方法を提供する。
規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を
形成する。この発明はまた、下記工程を含む(1a3)群の
シクロスポリン類の製造方法を提供する。
【0092】g)対応するシクロスポリン[ただし、1位
の残基は、−シス−MeBmt−、−7'−デスメチル−
7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは−シス−
MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル部分は少なくと
も2個の炭素原子を含む)、または−7'−デスメチル−
7'−ヒドロカルビル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただ
し、ヒドロカルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を
有し、前記ヒドロカルビル部分としてまたはその中に存
在する脂肪族基または部分は全て飽和している)であ
り、上記残基は、式(XIX)
の残基は、−シス−MeBmt−、−7'−デスメチル−
7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは−シス−
MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル部分は少なくと
も2個の炭素原子を含む)、または−7'−デスメチル−
7'−ヒドロカルビル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただ
し、ヒドロカルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を
有し、前記ヒドロカルビル部分としてまたはその中に存
在する脂肪族基または部分は全て飽和している)であ
り、上記残基は、式(XIX)
【化28】 (式中、−x−y−およびR6は式(V)に関して前述した意
味を有する)で示される得る]をアシル化する、例えば、
前記式(II)[ただし、Aは上記式(XIX)の残基、Bは式(I
I)に関して定義した意味、Xは−Sar−およびYは−V
al−である]で示されるシクロスポリンを、例えば前記
式(XV)で示される化合物と反応させることによりアシル
化するか、または
味を有する)で示される得る]をアシル化する、例えば、
前記式(II)[ただし、Aは上記式(XIX)の残基、Bは式(I
I)に関して定義した意味、Xは−Sar−およびYは−V
al−である]で示されるシクロスポリンを、例えば前記
式(XV)で示される化合物と反応させることによりアシル
化するか、または
【0093】h)(1a3)群のシクロスポリン[ただし、1
位の残基は、−3'−O−アシル−シス−MeBmt−(た
だし、アシル部分はアシルO−保護基である)、または
−7'−デスメチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt
−もしくは−シス−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカル
ビル部分は少なくとも2個の炭素原子を有し、O−アシ
ル部分はアシルO−保護基である)であり、前記残基は
上記式(V)(ただし、−x−y−はシスまたはトランス−
CH=CH−、R6は式(V)に関して記載した意味およ
びACYL1はアシルO−保護基、例えばアセチルであ
る)で示される得る]の製造の場合、1位の残基が上式(X
VI)で示される−3'−O−アシル−5'−デス−(1−プ
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt−残基であるシク
ロスポリン、例えば上式(II)(ただし、Aは上記式(XVI)
で示される残基、Bは式(II)に関して記載した意味、X
は−Sar−およびYは−Val−である)で示されるシク
ロスポリンを式(XX)
位の残基は、−3'−O−アシル−シス−MeBmt−(た
だし、アシル部分はアシルO−保護基である)、または
−7'−デスメチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt
−もしくは−シス−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカル
ビル部分は少なくとも2個の炭素原子を有し、O−アシ
ル部分はアシルO−保護基である)であり、前記残基は
上記式(V)(ただし、−x−y−はシスまたはトランス−
CH=CH−、R6は式(V)に関して記載した意味およ
びACYL1はアシルO−保護基、例えばアセチルであ
る)で示される得る]の製造の場合、1位の残基が上式(X
VI)で示される−3'−O−アシル−5'−デス−(1−プ
ロペニル)−5'−ホルミル−MeBmt−残基であるシク
ロスポリン、例えば上式(II)(ただし、Aは上記式(XVI)
で示される残基、Bは式(II)に関して記載した意味、X
は−Sar−およびYは−Val−である)で示されるシク
ロスポリンを式(XX)
【化29】 (式中、各R11はフェニルまたはC1-4アルキルおよびR
6'は少なくとも2個の炭素原子を有するヒドロカルビル
である)で示される化合物と反応させ、さらに必要なら
ば、所望の反応生成物を単離する。
6'は少なくとも2個の炭素原子を有するヒドロカルビル
である)で示される化合物と反応させ、さらに必要なら
ば、所望の反応生成物を単離する。
【0094】(g)および(h)工程は、例えば下記実施例E
で後述する通り、前記(b)および(c)工程と全く同様の要
領で実施され得る。(g)工程の出発材料は、 i)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は−3'
−O−アシル−シス−MeBmt−または−7'−デスメチ
ル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは−シ
ス−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル部分は少な
くとも2個の炭素原子を有する)であり、この残基は3'
−O−保護形である]の脱保護、または j)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は−7'
−デスメチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−も
しくは−シス−MeBmt−残基であり、前記残基は遊離
または3'−O−保護形である]の還元、および必要なら
ば(i)工程の実施により、上記(e)または(f)工程と完全
に同様の方法で製造され得る。
で後述する通り、前記(b)および(c)工程と全く同様の要
領で実施され得る。(g)工程の出発材料は、 i)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は−3'
−O−アシル−シス−MeBmt−または−7'−デスメチ
ル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−もしくは−シ
ス−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル部分は少な
くとも2個の炭素原子を有する)であり、この残基は3'
−O−保護形である]の脱保護、または j)対応するシクロスポリン[ただし、1位の残基は−7'
−デスメチル−7'−ヒドロカルビル− −MeBmt−も
しくは−シス−MeBmt−残基であり、前記残基は遊離
または3'−O−保護形である]の還元、および必要なら
ば(i)工程の実施により、上記(e)または(f)工程と完全
に同様の方法で製造され得る。
【0095】適当な3'−O−保護基は(e)および(f)工
程に関して前述したものと同じである。(j)工程を実施
する場合、ヒドロカルビル部分の不飽和結合は基−x−y
−と一緒に反応を受ける。別法として、シクロスポリン
出発材料(ただし、1位の残基は−シス−MeBmt−であ
る)は、例えばヨーロッパ特許公開第0034567号
または米国特許第4369542号に記載された、シク
ロスポリン類の全体的合成方法に従い製造され得る。
程に関して前述したものと同じである。(j)工程を実施
する場合、ヒドロカルビル部分の不飽和結合は基−x−y
−と一緒に反応を受ける。別法として、シクロスポリン
出発材料(ただし、1位の残基は−シス−MeBmt−であ
る)は、例えばヨーロッパ特許公開第0034567号
または米国特許第4369542号に記載された、シク
ロスポリン類の全体的合成方法に従い製造され得る。
【0096】(g)工程のシクロスポリン出発材料(ただ
し、1位の残基は−シス−MeBmt−以外である)もまた
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。従って、別の態様において、この発明は次
のものを提供する。
し、1位の残基は−シス−MeBmt−以外である)もまた
新規であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部
を形成する。従って、別の態様において、この発明は次
のものを提供する。
【0097】クラス6 1位の残基が、−7'−デスメチル−7'−ヒドロカルビ
ル− −MeBmt−もしくは−シス−MeBmt−残基(ただ
し、ヒドロカルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を
有する)または−7'−デスメチル−7'−ヒドロカルビ
ル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル
部分は少なくとも2個の炭素原子を有し、前記ヒドロカ
ルビル部分として、またはそこに存在する脂肪族基また
は部分は全て飽和している)であり、前記残基は式(XI
X')
ル− −MeBmt−もしくは−シス−MeBmt−残基(ただ
し、ヒドロカルビル部分は少なくとも2個の炭素原子を
有する)または−7'−デスメチル−7'−ヒドロカルビ
ル−ジヒドロ−MeBmt−残基(ただし、ヒドロカルビル
部分は少なくとも2個の炭素原子を有し、前記ヒドロカ
ルビル部分として、またはそこに存在する脂肪族基また
は部分は全て飽和している)であり、前記残基は式(XI
X')
【化30】 (式中、−x−y−はシスもしくはトランス−CH=CH
−または−CH2−CH2−およびR6"は少なくとも2個
の炭素原子を有するヒドロカルビル、ただし、−x−y−
が−CH2−CH2−である場合、R6"として、またはそ
こに存在する脂肪族基もしくは部分は全て飽和している
ものとする)で示され得るシクロスポリン。
−または−CH2−CH2−およびR6"は少なくとも2個
の炭素原子を有するヒドロカルビル、ただし、−x−y−
が−CH2−CH2−である場合、R6"として、またはそ
こに存在する脂肪族基もしくは部分は全て飽和している
ものとする)で示され得るシクロスポリン。
【0098】このクラスの好ましいシクロスポリンは、
前記式(II)(ただし、Aは前記式(XIX')の残基、Bは式
(II)に関して記載した意味、Xは−Sar−およびYは−
Val−である)で示されるものである。またクラス6の
シクロスポリン類は、中間体としてのそれらの用途に加
えて、例えば前記の免疫抑制、抗炎症および抗寄生体活
性を有する。すなわち前記シクロスポリン類はそれら独
自の用途を有する。
前記式(II)(ただし、Aは前記式(XIX')の残基、Bは式
(II)に関して記載した意味、Xは−Sar−およびYは−
Val−である)で示されるものである。またクラス6の
シクロスポリン類は、中間体としてのそれらの用途に加
えて、例えば前記の免疫抑制、抗炎症および抗寄生体活
性を有する。すなわち前記シクロスポリン類はそれら独
自の用途を有する。
【0099】またクラス6のシクロスポリン類は、前記
クラス1〜3のシクロスポリン類の場合と同様、化学療
法的薬物療法に対する感受性の向上またはその効果の増
強をもたらす活性、特に化学療法薬剤耐性、例えば抗新
生物または細胞増殖抑制化学療法に対する耐性を打ち消
す活性を呈する。しかしながら、例えばそれら固有の免
疫抑制特性に注目した場合、クラス6のシクロスポリン
類は総じて前記適応症での使用に関する適性が劣ってい
る。
クラス1〜3のシクロスポリン類の場合と同様、化学療
法的薬物療法に対する感受性の向上またはその効果の増
強をもたらす活性、特に化学療法薬剤耐性、例えば抗新
生物または細胞増殖抑制化学療法に対する耐性を打ち消
す活性を呈する。しかしながら、例えばそれら固有の免
疫抑制特性に注目した場合、クラス6のシクロスポリン
類は総じて前記適応症での使用に関する適性が劣ってい
る。
【0100】1位の残基が−シス−MeBmt−である、
本明細書に記載および例示されたシクロスポリン類は、
前記ヨーロッパ特許公開第0034567号および米国
特許第4369542号の範囲内に含まれるが、正式に
は新規である。以下、実施例により(1a3)群およびクラ
ス6のシクロスポリン類の上記製造方法を説明する。
本明細書に記載および例示されたシクロスポリン類は、
前記ヨーロッパ特許公開第0034567号および米国
特許第4369542号の範囲内に含まれるが、正式に
は新規である。以下、実施例により(1a3)群およびクラ
ス6のシクロスポリン類の上記製造方法を説明する。
【0101】実施例E [3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フェニル
−MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリン1.22)お
よび[3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フェ
ニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリ
ン1.27)の製造。 9.5gのベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドを
150mlの乾燥ベンゼンに溶かし、水分離器上24時間
還流下に2.7gのカリウム−t−ブチレートと反応させ
る。冷却後、懸濁液を不活性雰囲気下で新しいフラスコ
中へろ過する。50mlのベンゼン中5gのシクロスポリ
ン5.1(実施例C参照)を5分間にわたって加える。室温
で21時間後、反応混合物を氷に注ぎ、有機相を2N−
HCl、重炭酸塩溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮する。残留物に対し、8〜30ppvの
アセトンを含有するクロロホルムを用いた440gのシ
リカゲル(0.04−0.063mm)によるクロマトグラフ
ィーを2回行う。フラクション2はシクロスポリン1.27
を含み、フラクション5−15はシクロスポリン1.22を
含む。シクロスポリン1.23〜1.26および1.28〜1.34も同
様にして製造され得る。これらのシクロスポリンは下記
の物理特性を有する。
−MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリン1.22)お
よび[3'−O−アセチル−7'−デスメチル−7'−フェ
ニル−シス−MeBmt]1−シクロスポリン(シクロスポリ
ン1.27)の製造。 9.5gのベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドを
150mlの乾燥ベンゼンに溶かし、水分離器上24時間
還流下に2.7gのカリウム−t−ブチレートと反応させ
る。冷却後、懸濁液を不活性雰囲気下で新しいフラスコ
中へろ過する。50mlのベンゼン中5gのシクロスポリ
ン5.1(実施例C参照)を5分間にわたって加える。室温
で21時間後、反応混合物を氷に注ぎ、有機相を2N−
HCl、重炭酸塩溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮する。残留物に対し、8〜30ppvの
アセトンを含有するクロロホルムを用いた440gのシ
リカゲル(0.04−0.063mm)によるクロマトグラフ
ィーを2回行う。フラクション2はシクロスポリン1.27
を含み、フラクション5−15はシクロスポリン1.22を
含む。シクロスポリン1.23〜1.26および1.28〜1.34も同
様にして製造され得る。これらのシクロスポリンは下記
の物理特性を有する。
【0102】
【表3】
【0103】実施例F クラス6のシクロスポリン類の製造。 [7'−デスメチル−7'−フェニル−MeBmt]1−シクロ
スポリン(シクロスポリン6.1)の製造。 前記により得られた2.29gのシクロスポリン1.22を、
1.67gの炭酸カリウムを含有する20mlのメタノー
ル:水(4.5:1)に溶かす。室温で20時間後、10%
の酒石酸を含有する氷に反応混合物を注ぎ、クロロホル
ムで抽出する。粗抽出物を、アセトン(20−30%の
増加量)含有ジクロロメタンを用いた120gのシリカゲ
ル(0.04−0.063mm)によるクロマトグラフィーに
掛けると、標記化合物が得られる。[α]D 20=−209
°(c=0.99、CHCl3中)。
スポリン(シクロスポリン6.1)の製造。 前記により得られた2.29gのシクロスポリン1.22を、
1.67gの炭酸カリウムを含有する20mlのメタノー
ル:水(4.5:1)に溶かす。室温で20時間後、10%
の酒石酸を含有する氷に反応混合物を注ぎ、クロロホル
ムで抽出する。粗抽出物を、アセトン(20−30%の
増加量)含有ジクロロメタンを用いた120gのシリカゲ
ル(0.04−0.063mm)によるクロマトグラフィーに
掛けると、標記化合物が得られる。[α]D 20=−209
°(c=0.99、CHCl3中)。
【0104】下記シクロスポリンも同様の手順で得られ
る。 6.2 [7'−デスメチル−7'−フェニル−シス−MeBm
t]1−シクロスポリン、[α]D 20=−236°(c=1、C
HCl3中)、 6.3 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]1
−シクロスポリン、[α]D 20=−249°(c=1.17、
CHCl3中)、 6.4 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]1
−[Thr]2−シクロスポリン、[α]D 20=−248°(c=
1.44、CHCl3中)、 6.5 [7'−デスメチル−7'−(3−メチル−n−ブチル)
−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−24
0°(c=1.15、CHCl3中)、 6.6 [7'−デスメチル−7'−n−プロピル−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−220°(c=1.
75、CHCl3中) 6.7 [7'−デスメチル−7'−(β−アリル)−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−239°(c=0.
97、CHCl3中)、 6.8 [7'−デスメチル−7'−フェニル−MeBmt]1−
[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−208°(c=
1.025、CHCl3中)、 6.9 [7'−デスメチル−7'−フェニル−シス−MeBm
t]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−240°
(c=0.91、CHCl3中、) 6.10 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]
1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−254.8°
(c=0.48、CHCl3中)、 6.11 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]
1−[Nva]2−シクロスポリン、[α]D 20=−246.1°
(c=0.52、CHCl3中)、 6.12 [7'−デスメチル−7'−(3−ブロモ−n−プロピ
ル)−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−
226°(c=1.44、CHCl3中)。
る。 6.2 [7'−デスメチル−7'−フェニル−シス−MeBm
t]1−シクロスポリン、[α]D 20=−236°(c=1、C
HCl3中)、 6.3 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]1
−シクロスポリン、[α]D 20=−249°(c=1.17、
CHCl3中)、 6.4 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]1
−[Thr]2−シクロスポリン、[α]D 20=−248°(c=
1.44、CHCl3中)、 6.5 [7'−デスメチル−7'−(3−メチル−n−ブチル)
−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−24
0°(c=1.15、CHCl3中)、 6.6 [7'−デスメチル−7'−n−プロピル−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−220°(c=1.
75、CHCl3中) 6.7 [7'−デスメチル−7'−(β−アリル)−シス−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−239°(c=0.
97、CHCl3中)、 6.8 [7'−デスメチル−7'−フェニル−MeBmt]1−
[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−208°(c=
1.025、CHCl3中)、 6.9 [7'−デスメチル−7'−フェニル−シス−MeBm
t]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−240°
(c=0.91、CHCl3中、) 6.10 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]
1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−254.8°
(c=0.48、CHCl3中)、 6.11 [7'−デスメチル−7'−ビニル−シス−MeBmt]
1−[Nva]2−シクロスポリン、[α]D 20=−246.1°
(c=0.52、CHCl3中)、 6.12 [7'−デスメチル−7'−(3−ブロモ−n−プロピ
ル)−シス−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−
226°(c=1.44、CHCl3中)。
【0105】シクロスポリン1.23の脱保護により[シス
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−235°(c
=0.9、CHCl3中)が製造される。 [7'−デスメチル−7'−フェニル−ジヒドロ−MeBm
t]1−シクロスポリン(シクロスポリン6.13)の製造。 シクロスポリン6.1および6.2の混合物796mgを、室温
で6時間50mlのエタノール中100mgの10%Pd炭
素を用いて水素化する。ハイフロでろ過すると、純粋な
標記化合物が生成する。[α]D 20=−210°(c=0.
7、CHCl3中)。
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−235°(c
=0.9、CHCl3中)が製造される。 [7'−デスメチル−7'−フェニル−ジヒドロ−MeBm
t]1−シクロスポリン(シクロスポリン6.13)の製造。 シクロスポリン6.1および6.2の混合物796mgを、室温
で6時間50mlのエタノール中100mgの10%Pd炭
素を用いて水素化する。ハイフロでろ過すると、純粋な
標記化合物が生成する。[α]D 20=−210°(c=0.
7、CHCl3中)。
【0106】同様の方法で下記シクロスポリンが得られ
る。 6.14 [7'−デスメチル−7'−n−プロピル−ジヒドロ
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−188°(c
=6.16、CHCl3中)、シクロスポリン6.6または6.7
から得られる、 6.15 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Thr]2−シクロスポリン、[α]20=−224
°(c=0.4、CHCl3中)、シクロDスポリン6.4から得
られる、 6.16 [7'−デスメチル−7'−(3−メチル−n−ブチ
ル)−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20
=−222°(c=0.995、CHCl3中)、シクロスポ
リン6.5から得られる、 6.17 [7'−デスメチル−7'−i−プロピル−ジヒドロ
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−229°(c
=1.32、CHCl3中)、 6.18 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−23
2.9°(c=0.48、CHCl3中)、シクロスポリン6.1
0から得られる、 6.19 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Nva]2−シクロスポリン、[α]D 20=−22
7.29°(c=0.54、CHCl3中)、シクロスポリン
6.11から得られる、 6.20 [7'−デスメチル−7'−フェニル−ジヒドロ−M
eBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−21
4°(c=1.19、CHCl3中)、シクロスポリン6.8ま
たは6.9から得られる、 6.21 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−233°(c=1.
15、CHCl3中)、シクロスポリン6.3から得られる。
る。 6.14 [7'−デスメチル−7'−n−プロピル−ジヒドロ
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−188°(c
=6.16、CHCl3中)、シクロスポリン6.6または6.7
から得られる、 6.15 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Thr]2−シクロスポリン、[α]20=−224
°(c=0.4、CHCl3中)、シクロDスポリン6.4から得
られる、 6.16 [7'−デスメチル−7'−(3−メチル−n−ブチ
ル)−ジヒドロ−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20
=−222°(c=0.995、CHCl3中)、シクロスポ
リン6.5から得られる、 6.17 [7'−デスメチル−7'−i−プロピル−ジヒドロ
−MeBmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−229°(c
=1.32、CHCl3中)、 6.18 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−23
2.9°(c=0.48、CHCl3中)、シクロスポリン6.1
0から得られる、 6.19 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−[Nva]2−シクロスポリン、[α]D 20=−22
7.29°(c=0.54、CHCl3中)、シクロスポリン
6.11から得られる、 6.20 [7'−デスメチル−7'−フェニル−ジヒドロ−M
eBmt]1−[Val]2−シクロスポリン、[α]D 20=−21
4°(c=1.19、CHCl3中)、シクロスポリン6.8ま
たは6.9から得られる、 6.21 [7'−デスメチル−7'−エチル−ジヒドロ−Me
Bmt]1−シクロスポリン、[α]D 20=−233°(c=1.
15、CHCl3中)、シクロスポリン6.3から得られる。
【0107】明らかなことであるが、前述の(1a2)およ
び(1a3)群並びにクラス4、5および6のシクロスポリ
ン類は、全て新規なものであり、構造上関連性が有り、
便宜上、例えば1位の残基が下式(XXI)で示される残基
であるシクロスポリン類を含む統一カテゴリーに問題な
く包含され得る。
び(1a3)群並びにクラス4、5および6のシクロスポリ
ン類は、全て新規なものであり、構造上関連性が有り、
便宜上、例えば1位の残基が下式(XXI)で示される残基
であるシクロスポリン類を含む統一カテゴリーに問題な
く包含され得る。
【0108】
【化31】 [式中、(i)Raはホルミルであり、Rbは式(XVIII)に関
して定義したR12と同意義であるか、または、(ii)Ra
は−x'−y'−Rc(式中、−x'−y'−Rcは前記式(IV)、
(V)、(XIV)および(XIX')に関して定義した−x−y−
R3、−x−y−R5または−x−y−R5"と同意義である)
であり、Rbは水素またはアシルである] 同様に、(1a2)および(1a3)群並びにクラス4および6
のシクロスポリン類は、全て新規であって中間体として
以外の用途を有し、例えば1位の残基が上記式(XXI)[た
だし、RaおよびRbは式(XXI)に関して(ii)項で定義し
た意味を有する]で示される残基であるシクロスポリン
類を含む統一されたサブカテゴリーに包含され得る。
して定義したR12と同意義であるか、または、(ii)Ra
は−x'−y'−Rc(式中、−x'−y'−Rcは前記式(IV)、
(V)、(XIV)および(XIX')に関して定義した−x−y−
R3、−x−y−R5または−x−y−R5"と同意義である)
であり、Rbは水素またはアシルである] 同様に、(1a2)および(1a3)群並びにクラス4および6
のシクロスポリン類は、全て新規であって中間体として
以外の用途を有し、例えば1位の残基が上記式(XXI)[た
だし、RaおよびRbは式(XXI)に関して(ii)項で定義し
た意味を有する]で示される残基であるシクロスポリン
類を含む統一されたサブカテゴリーに包含され得る。
【0109】Rbとしてのアシル基は、好ましくは式(II
I)および(IV)に関して定義された基ACYL1、特に(C
1-4アルキル)−カルボニル、例えばアセチルである。前
記カテゴリー/サブカテゴリーの好ましいシクロスポリ
ン類は、上記式(II)[ただし、Aは前記式(XXI)で示され
る残基、Bは式(II)の場合と同意義、Xは−Sar−およ
びYは−Val−である]で示されるものである。
I)および(IV)に関して定義された基ACYL1、特に(C
1-4アルキル)−カルボニル、例えばアセチルである。前
記カテゴリー/サブカテゴリーの好ましいシクロスポリ
ン類は、上記式(II)[ただし、Aは前記式(XXI)で示され
る残基、Bは式(II)の場合と同意義、Xは−Sar−およ
びYは−Val−である]で示されるものである。
【0110】前述の(1b)群の様々なシクロスポリン
類、例えば2位の残基が上記式(III')(ただし、ACY
L3はアセチルである)で示される残基であるシクロスポ
リンは公知である。すなわち、シクロスポリン1.35は公
知であり、その製法と共に、トラバー等、「ヘルベティ
カ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、60巻、1
247頁以下(1977年)に記載されている。(1b)群
の他のシクロスポリン類も同様に製造され得る。しかし
ながら、シクロスポリン1.36は完全な新規タイプに属す
る。従って、この発明によるシクロスポリンのさらに別
の群は次の群を含む。
類、例えば2位の残基が上記式(III')(ただし、ACY
L3はアセチルである)で示される残基であるシクロスポ
リンは公知である。すなわち、シクロスポリン1.35は公
知であり、その製法と共に、トラバー等、「ヘルベティ
カ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、60巻、1
247頁以下(1977年)に記載されている。(1b)群
の他のシクロスポリン類も同様に製造され得る。しかし
ながら、シクロスポリン1.36は完全な新規タイプに属す
る。従って、この発明によるシクロスポリンのさらに別
の群は次の群を含む。
【0111】(1e)群 i)2位にβ−ヒドロキシ−(L)−α−アミノ酸残基を有
するシクロスポリンのジカルボン酸ジエステル、特に、 ii)2位ら(L)−トレオニル残基を有するシクロスポリ
ンのジカルボン酸ジエステル、および特に、 iii)式(XXII)
するシクロスポリンのジカルボン酸ジエステル、特に、 ii)2位ら(L)−トレオニル残基を有するシクロスポリ
ンのジカルボン酸ジエステル、および特に、 iii)式(XXII)
【化32】 [式中、R13はC1-8アルキレンであり、CY は各々上式
(II)(ただし、Aは−MeBmt−または−ジヒドロ−Me
Bmt−、Bは式(XXIII)
(II)(ただし、Aは−MeBmt−または−ジヒドロ−Me
Bmt−、Bは式(XXIII)
【化33】 で示される(L)−トレオニル残基、Xは−Sar−および
Yは−Val−である)で示される残基を表す]で示される
ジカルボン酸ジエステル。
Yは−Val−である)で示される残基を表す]で示される
ジカルボン酸ジエステル。
【0112】好ましくはR13はC1-4アルキレンであ
る。この発明はまた、下記の工程を含む(1e)群のシク
ロスポリンの製法を提供する。 k)2位の残基がβ−ヒドロキシ−(L)−α−アミノ酸残
基であるシクロスポリンのβ−O−ヘミエステル、例え
ば式(XXIV)
る。この発明はまた、下記の工程を含む(1e)群のシク
ロスポリンの製法を提供する。 k)2位の残基がβ−ヒドロキシ−(L)−α−アミノ酸残
基であるシクロスポリンのβ−O−ヘミエステル、例え
ば式(XXIV)
【化34】 (式中、CY およびR13は前記の意味)で示されるβ−O
−ヘミエステルまたはその反応性官能性誘導体を、2位
の残基がβ−ヒドロキシ−(L)−α−アミノ酸残基であ
るシクロスポリン、例えば上記式(II)(ただし、Aは−
MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−、Bは−Thr
−、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で示され
るシクロスポリンと反応させる。
−ヘミエステルまたはその反応性官能性誘導体を、2位
の残基がβ−ヒドロキシ−(L)−α−アミノ酸残基であ
るシクロスポリン、例えば上記式(II)(ただし、Aは−
MeBmt−または−ジヒドロ−MeBmt−、Bは−Thr
−、Xは−Sar−およびYは−Val−である)で示され
るシクロスポリンと反応させる。
【0113】反応は、好適には下記実施例Gの一般的手
順に従い実施され得る。 実施例G 1,2−エタンジカルボン酸[O−(L)トレオニル]2−シ
クロスポリンジエステル(シクロスポリン1.36)の製造。 0.255gの2−クロロ−1−メチル−ピリジニウムヨ
ージドおよび0.244gの4−ジメチルアミノピリジン
を、0℃で5mlの無水CH2Cl2中1.318gの[(O−
ヘミスクシニル)−Thr]2−シクロスポリンに加える。
1.218gの[Thr]2−シクロスポリンを加え、反応混
合物を0℃で3時間撹はんし、さらに撹はんしながら温
度を20℃に上昇させる。反応混合物をCH2Cl2で希
釈し、氷を加えて10mlの0.1N−NaOHと振り混ぜ
る。混合物をH2Oで2回洗浄し、有機相をNa2SO4で
乾燥し、ろ過し、濃縮する。シリカゲルおよび溶離剤と
してヘキサン/アセトン(1:1)を用いるクロマトグラ
フィーにより粗生成物を精製すると標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−209.4°(c=0.5、CHCl3中)。
順に従い実施され得る。 実施例G 1,2−エタンジカルボン酸[O−(L)トレオニル]2−シ
クロスポリンジエステル(シクロスポリン1.36)の製造。 0.255gの2−クロロ−1−メチル−ピリジニウムヨ
ージドおよび0.244gの4−ジメチルアミノピリジン
を、0℃で5mlの無水CH2Cl2中1.318gの[(O−
ヘミスクシニル)−Thr]2−シクロスポリンに加える。
1.218gの[Thr]2−シクロスポリンを加え、反応混
合物を0℃で3時間撹はんし、さらに撹はんしながら温
度を20℃に上昇させる。反応混合物をCH2Cl2で希
釈し、氷を加えて10mlの0.1N−NaOHと振り混ぜ
る。混合物をH2Oで2回洗浄し、有機相をNa2SO4で
乾燥し、ろ過し、濃縮する。シリカゲルおよび溶離剤と
してヘキサン/アセトン(1:1)を用いるクロマトグラ
フィーにより粗生成物を精製すると標記化合物が得られ
る。[α]D 20=−209.4°(c=0.5、CHCl3中)。
【0114】出発材料として必要とされる[(O−ヘミス
クシニル)−Thr]2−シクロスポリンは公知である。例
えば国際特許出願第PCT/EP85/00501号、
国際特許公開第WO86/02080号、実施例5参
照。(1e)群のシクロスポリン類の製造に適した他のヘ
ミエステル出発材料も同様にして製造され得る。前記
(1c)群のシクロスポリンは新規であり、それ自体新規
化合物としてこの発明の一部を形成する。
クシニル)−Thr]2−シクロスポリンは公知である。例
えば国際特許出願第PCT/EP85/00501号、
国際特許公開第WO86/02080号、実施例5参
照。(1e)群のシクロスポリン類の製造に適した他のヘ
ミエステル出発材料も同様にして製造され得る。前記
(1c)群のシクロスポリンは新規であり、それ自体新規
化合物としてこの発明の一部を形成する。
【0115】この発明はまた、下記の工程を含む(1c)
群のシクロスポリン類の製法を提供する。 l)1位の残基が3'−ヒドロキシ置換されている、例え
ば−MeBmt−であるシクロスポリンを酸化する。 上記(l)工程は、例えば下記実施例Hの手順に従い、例
えばN−クロロ−スクシンイミド/ジメチルスルフィド
と、例えば−30°〜10℃の温度で反応させることに
より実施され得る。
群のシクロスポリン類の製法を提供する。 l)1位の残基が3'−ヒドロキシ置換されている、例え
ば−MeBmt−であるシクロスポリンを酸化する。 上記(l)工程は、例えば下記実施例Hの手順に従い、例
えばN−クロロ−スクシンイミド/ジメチルスルフィド
と、例えば−30°〜10℃の温度で反応させることに
より実施され得る。
【0116】実施例H [3'−デスオキシ−3'−オキソ−MeBmt]1−シクロス
ポリン(シクロスポリン1.37)の製造。 8.48mlのジメチルスルフィドを0℃で12.8gのN
−クロロスクシンイミドおよび400mlのトルエンから
成る溶液に加える。混合物を0℃で5時間撹はんし、−
12℃に冷却し、40mlのトルエン中9.62gの「シク
ロスポリン」を加える。得られた懸濁液を−10℃で1.
5時間および−10〜−5℃で1.0時間撹はんする。
19.4gのトリエチルアミンを加えると、そこに淡い沈
澱が生成する。混合物を0℃で5時間撹はんし、250
mlのエチルエーテルで希釈する。192mlの1N−HC
lを加え、冷却し、抽出する。有機相を500mlのH2O
で2回洗浄し、250mlの10%冷NaHCO3と振り混
ぜ、500mlのH2O、250mlの10%酒石酸および
再びH2Oで2回洗浄する。酸性および塩基性水溶液を
2×500mlのエチルエーテルで再抽出する。有機相を
合わせ、Na2SO4で乾燥し、40℃で濃縮乾固する。
300gのシリカゲルおよび飽和酢酸エチル水溶液を用
いるクロマトグラフィーにより残留物を精製すると、標
記化合物が得られる。[α]D 20=−241.3°(c=0.
531、CHCl3中)および−169.5°(c=0.5、
CH3OH中)。
ポリン(シクロスポリン1.37)の製造。 8.48mlのジメチルスルフィドを0℃で12.8gのN
−クロロスクシンイミドおよび400mlのトルエンから
成る溶液に加える。混合物を0℃で5時間撹はんし、−
12℃に冷却し、40mlのトルエン中9.62gの「シク
ロスポリン」を加える。得られた懸濁液を−10℃で1.
5時間および−10〜−5℃で1.0時間撹はんする。
19.4gのトリエチルアミンを加えると、そこに淡い沈
澱が生成する。混合物を0℃で5時間撹はんし、250
mlのエチルエーテルで希釈する。192mlの1N−HC
lを加え、冷却し、抽出する。有機相を500mlのH2O
で2回洗浄し、250mlの10%冷NaHCO3と振り混
ぜ、500mlのH2O、250mlの10%酒石酸および
再びH2Oで2回洗浄する。酸性および塩基性水溶液を
2×500mlのエチルエーテルで再抽出する。有機相を
合わせ、Na2SO4で乾燥し、40℃で濃縮乾固する。
300gのシリカゲルおよび飽和酢酸エチル水溶液を用
いるクロマトグラフィーにより残留物を精製すると、標
記化合物が得られる。[α]D 20=−241.3°(c=0.
531、CHCl3中)および−169.5°(c=0.5、
CH3OH中)。
【0117】シクロスポリン1.38および1.39も同様にし
て製造され得る。
て製造され得る。
【表4】 前記(1d)群のシクロスポリン類もまた新規であり、そ
れ自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
れ自体新規化合物としてこの発明の一部を形成する。
【0118】この発明はまた、下記の工程を含む(1d)
群のシクロスポリン類の製法を提供する。 m)2位の残基がβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸残基、例
えば(L)−トレオニル残基であるシクロスポリンを酸
化、例えば選択的に酸化する。(m)工程は、例えば下記
実施例Iの一般的手順に従い、上記(l)工程と全く同様
にして実施され得る。
群のシクロスポリン類の製法を提供する。 m)2位の残基がβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸残基、例
えば(L)−トレオニル残基であるシクロスポリンを酸
化、例えば選択的に酸化する。(m)工程は、例えば下記
実施例Iの一般的手順に従い、上記(l)工程と全く同様
にして実施され得る。
【0119】実施例I [α−メチルケト−Gly]2−シクロスポリン(シクロスポ
リン1.40)の製造。 484mgのジメチルスルフィドを0℃で26mlのトルエ
ン中868mgのN−クロロスクシンイミドに加える。1
0分間0℃で撹はん後、懸濁液を−30℃に冷却し、
6.5ml中1584mgの[Thr]2−シクロスポリンを加え
る。反応混合物を26−30℃で1時間撹はんし、1.
81mlのトリエチルアミンを加える。冷却を解除し、さ
らに5分後、25mlのエチルエーテルを加える。反応混
合物を150mlの氷水/10mlの1N−HClに注ぎ、
撹はんし、さらに100mlのエチルエーテルを加える。
有機相を150mlの氷水で3回洗浄し、エチルエーテル
で2回抽出する。有機相を合わせてNa2SO4で乾燥
し、濃縮する。残留物を10mlのCH2Cl2に溶かし、
ハイフロでろ過し、ヘキサンにより希釈し、濃縮する
と、標記化合物が得られる。[α]20=−229°(c=
1.0、CHClD3中)および−184.8°(c=1.0、
CH3OH中)。シクロスポリン1.41も同様にして製造さ
れ得る。[α]D 20=−226.7°(c=1.0、CHCl3
中)。
リン1.40)の製造。 484mgのジメチルスルフィドを0℃で26mlのトルエ
ン中868mgのN−クロロスクシンイミドに加える。1
0分間0℃で撹はん後、懸濁液を−30℃に冷却し、
6.5ml中1584mgの[Thr]2−シクロスポリンを加え
る。反応混合物を26−30℃で1時間撹はんし、1.
81mlのトリエチルアミンを加える。冷却を解除し、さ
らに5分後、25mlのエチルエーテルを加える。反応混
合物を150mlの氷水/10mlの1N−HClに注ぎ、
撹はんし、さらに100mlのエチルエーテルを加える。
有機相を150mlの氷水で3回洗浄し、エチルエーテル
で2回抽出する。有機相を合わせてNa2SO4で乾燥
し、濃縮する。残留物を10mlのCH2Cl2に溶かし、
ハイフロでろ過し、ヘキサンにより希釈し、濃縮する
と、標記化合物が得られる。[α]20=−229°(c=
1.0、CHClD3中)および−184.8°(c=1.0、
CH3OH中)。シクロスポリン1.41も同様にして製造さ
れ得る。[α]D 20=−226.7°(c=1.0、CHCl3
中)。
【0120】前述のクラス2(i)およびクラス2(ii)の
シクロスポリン類もまた新規であり、それ自体新規化合
物としてこの発明の一部を形成する。さらに、この発明
はまた、下記の工程を含むクラス2(i)および2(ii)の
シクロスポリン類の製法を提供する。
シクロスポリン類もまた新規であり、それ自体新規化合
物としてこの発明の一部を形成する。さらに、この発明
はまた、下記の工程を含むクラス2(i)および2(ii)の
シクロスポリン類の製法を提供する。
【0121】m)クラス2(i)のシクロスポリンを製造す
る場合、1位の残基の3'−炭素原子がオキソ置換され
ているシクロスポリン、例えば1位の残基が−3'−デ
スオキシ−3'−オキソ−MeBmt−であるシクロスポリ
ンをC1-4アルコキシアミンと反応させるか、または n)クラス2(ii)のシクロスポリンを製造する場合、2位
に(L)−イソロイシル残基を有するシクロスポリンの配
列を含む開鎖ペプチド(ただし、この開鎖ペプチドは、
N−末端として前記シクロスポリンの8位残基に対応す
る残基から始まり、C−末端として前記シクロスポリン
の7位残基に対応する残基で終わる)を閉環、例えば下
記配列を含む開鎖ペプチドを閉環する。
る場合、1位の残基の3'−炭素原子がオキソ置換され
ているシクロスポリン、例えば1位の残基が−3'−デ
スオキシ−3'−オキソ−MeBmt−であるシクロスポリ
ンをC1-4アルコキシアミンと反応させるか、または n)クラス2(ii)のシクロスポリンを製造する場合、2位
に(L)−イソロイシル残基を有するシクロスポリンの配
列を含む開鎖ペプチド(ただし、この開鎖ペプチドは、
N−末端として前記シクロスポリンの8位残基に対応す
る残基から始まり、C−末端として前記シクロスポリン
の7位残基に対応する残基で終わる)を閉環、例えば下
記配列を含む開鎖ペプチドを閉環する。
【化35】
【0122】上記(m)工程は、例えば下記実施例Jの一
般的手順に従い、例えば約−10°〜約80℃の温度で
塩基(例、ピリジン)の存在下に、選択されたC1-4アル
コキシアミンの好適には酸付加塩形と反応させることに
より実施され得る。上記工程(n)は、例えば米国特許第
4554531号またはヨーロッパ特許公開第0098
456号に記載された、シクロスポリン類の全体的合成
に関する一般的手順と全く同様にして実施され得る。す
なわちシクロスポリン2.2は、例えば、前記特許/特許
公開の実施例1の(a)工程においてBOC−αAbu−O
HをBOC−Ile−OHと置換し、続いて前記特許/特
許公開に記載された(b)〜(x)工程を直接的類似方式で進
行させることにより製造される。シクロスポリン2.2自
体は下記の特性データを有する。 融点151℃、[α]D 20=−224°(c=1.0、CHC
l3中)。
般的手順に従い、例えば約−10°〜約80℃の温度で
塩基(例、ピリジン)の存在下に、選択されたC1-4アル
コキシアミンの好適には酸付加塩形と反応させることに
より実施され得る。上記工程(n)は、例えば米国特許第
4554531号またはヨーロッパ特許公開第0098
456号に記載された、シクロスポリン類の全体的合成
に関する一般的手順と全く同様にして実施され得る。す
なわちシクロスポリン2.2は、例えば、前記特許/特許
公開の実施例1の(a)工程においてBOC−αAbu−O
HをBOC−Ile−OHと置換し、続いて前記特許/特
許公開に記載された(b)〜(x)工程を直接的類似方式で進
行させることにより製造される。シクロスポリン2.2自
体は下記の特性データを有する。 融点151℃、[α]D 20=−224°(c=1.0、CHC
l3中)。
【0123】実施例J [3'−デスオキシ−3'−メトキシイミノ−MeBmt]1−
シクロスポリン(シクロスポリン2.1)の製造。 2.5mlのエタノール/2.5mlのピリジン中実施例Hの
生成物600mgおよびメトキシルアミン塩酸塩835mg
をアルゴン雰囲気下50℃で14時間撹はんする。ピリ
ジンを濃縮除去し、残留物をろ過する。ろ液をCH2Cl
2に吸収させ、食塩水で洗浄する。食塩水をCH2Cl2で
数回抽出し、有機相を合わせて再び食塩水で洗浄し、乾
燥し、濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精
製すると、標記化合物が得られる。[α]D 20=−214
°(c=1.09、CHCl3中)。
シクロスポリン(シクロスポリン2.1)の製造。 2.5mlのエタノール/2.5mlのピリジン中実施例Hの
生成物600mgおよびメトキシルアミン塩酸塩835mg
をアルゴン雰囲気下50℃で14時間撹はんする。ピリ
ジンを濃縮除去し、残留物をろ過する。ろ液をCH2Cl
2に吸収させ、食塩水で洗浄する。食塩水をCH2Cl2で
数回抽出し、有機相を合わせて再び食塩水で洗浄し、乾
燥し、濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより精
製すると、標記化合物が得られる。[α]D 20=−214
°(c=1.09、CHCl3中)。
【0124】明らかなことであるが、前述の(1c)群お
よびクラス2(i)のシクロスポリン類は、全て新規なも
のであり、中間体として以外の用途を有し、例えば1位
の残基が式(XXV)
よびクラス2(i)のシクロスポリン類は、全て新規なも
のであり、中間体として以外の用途を有し、例えば1位
の残基が式(XXV)
【化36】 [式中、R4は酸素または式R15N=(式中、R15はC1-
4アルコキシである)で示される基である]の残基である
シクロスポリンを含む、統一されたサブカテゴリー中に
包含され得る。
4アルコキシである)で示される基である]の残基である
シクロスポリンを含む、統一されたサブカテゴリー中に
包含され得る。
【0125】クラス2(iii)のシクロスポリン類は公知
である。すなわちシクロスポリン2.3〜2.6は、例えばウ
ェンガー等、「トランスプランテーション・プロシーデ
ィングズ」(Transplantation Proc.)、18巻(6)補遺5
(12月)、213頁以降(1986年)に記載されてい
る。これらのシクロスポリン類およびクラス2(iii)の
他のシクロスポリン類は、例えば米国特許第45545
31号およびヨーロッパ特許公開第0098456号に
記載されたシクロスポリン類の全体的合成の一般的手順
に従い、例えばその実施例1の(g)工程でH−MeVal−
BzlをH−MeIle−BzlまたはH−MeアロIle−Bzl
と置換することにより製造され得る。シクロスポリン2.
3〜2.5は下記の特性データを有する。
である。すなわちシクロスポリン2.3〜2.6は、例えばウ
ェンガー等、「トランスプランテーション・プロシーデ
ィングズ」(Transplantation Proc.)、18巻(6)補遺5
(12月)、213頁以降(1986年)に記載されてい
る。これらのシクロスポリン類およびクラス2(iii)の
他のシクロスポリン類は、例えば米国特許第45545
31号およびヨーロッパ特許公開第0098456号に
記載されたシクロスポリン類の全体的合成の一般的手順
に従い、例えばその実施例1の(g)工程でH−MeVal−
BzlをH−MeIle−BzlまたはH−MeアロIle−Bzl
と置換することにより製造され得る。シクロスポリン2.
3〜2.5は下記の特性データを有する。
【表5】
【0126】クラス3のシクロスポリン3.1〜3.5、3.7
および3.9は公知である[例えば、トラバー等、「ヘルベ
ティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、65
巻、1655頁以降(1982年)および70巻、13頁
以降(1987年)参照]。
および3.9は公知である[例えば、トラバー等、「ヘルベ
ティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、65
巻、1655頁以降(1982年)および70巻、13頁
以降(1987年)参照]。
【0127】シクロスポリン3.6、3.8および3.10は新規
であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を形
成する。シクロスポリン3.6および3.8は、例えば(f)工
程に関して前述した、他の公知ジヒドロシクロスポリン
類の製造に使用される方法と全く同様の方法で製造され
得る。
であり、それ自体新規化合物としてこの発明の一部を形
成する。シクロスポリン3.6および3.8は、例えば(f)工
程に関して前述した、他の公知ジヒドロシクロスポリン
類の製造に使用される方法と全く同様の方法で製造され
得る。
【0128】シクロスポリン3.10は、例えば下記の実施
例Kに記載された、[(D)Ser]8−シクロスポリンの製
造で使用される発酵ブロスからの小中間代謝物フラクシ
ョンとして(ヨーロッパ特許公開第0056782号参
照)、例えば「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Ch
im.Acta)65巻、1655頁以降(1982年)に記載
された、シクロスポリンの小中間代謝物の一般的分離手
順に従い製造され得る。
例Kに記載された、[(D)Ser]8−シクロスポリンの製
造で使用される発酵ブロスからの小中間代謝物フラクシ
ョンとして(ヨーロッパ特許公開第0056782号参
照)、例えば「ヘルベティカ・シミカ・アクタ」(Helv.Ch
im.Acta)65巻、1655頁以降(1982年)に記載
された、シクロスポリンの小中間代謝物の一般的分離手
順に従い製造され得る。
【0129】実施例K [MeLeu]1−シクロスポリン(シクロスポリン3.10)の製
造。 ヨーロッパ特許公開第0056782号の実施例3によ
る培養後に得られたバイオマスを浄化分離器(ウエスト
ファリア)中でスピンダウンし、液相(培養ろ液)を毎回
等量の酢酸エチルで3回抽出する。酢酸エチル抽出物を
真空下濃縮する。固相(菌糸体)をメタノールで処理し
て、ホモジネートし、固相および液相を浄化分離器で分
離する。この抽出処理を90%メタノールを用いて2回
繰り返す。メタノール性抽出物を合わせ、水を加え、抽
出物を真空下濃縮する。残りの水性抽出濃縮物を等量の
酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル抽出物を真空下濃
縮する。両方の粗抽出物(培養ろ液および菌糸体から)
を、シリカゲル(0.040−0.063mm)およびH2O
−飽和酢酸エチルを用いるクロマトグラフィーに掛け
る。先に溶離するフラクションは主として[Val]2−シ
クロスポリン(シクロスポリンD)を含み、後のフラクシ
ョンは主として[MeLeu]1−シクロスポリン(シクロス
ポリン3.10)および「シクロスポリン」(シクロスポリン
A)を含む。ピークフラクションに対し、再びシリカゲ
ル(0.020−0.045mm)および溶離剤としてアセト
ン/ヘキサン(1:1)を用いるクロマトグラフィーを行
う。リコプレプ(LiChoprep、商標)RP−18(0.04
0−0.063mm)および溶離剤としてメタノール/H2
O(85:15)、次いでシリカゲル(0.020−0.04
5mm)および溶離剤としてH2O−飽和酢酸エチルを用い
て、[MeLeu]1−シクロスポリン含有フラクションを再
クロマトグラフィーに掛けると、標記化合物が得られ
る。mp=142−148℃、[α]D 20=−303°(c=
0.54、CHCl3中)。シクロスポリン3.6の物理特性
は次の通りである。mp=180−182℃、[α]D 20=
−211°(c=0.64、CHCl3中)。
造。 ヨーロッパ特許公開第0056782号の実施例3によ
る培養後に得られたバイオマスを浄化分離器(ウエスト
ファリア)中でスピンダウンし、液相(培養ろ液)を毎回
等量の酢酸エチルで3回抽出する。酢酸エチル抽出物を
真空下濃縮する。固相(菌糸体)をメタノールで処理し
て、ホモジネートし、固相および液相を浄化分離器で分
離する。この抽出処理を90%メタノールを用いて2回
繰り返す。メタノール性抽出物を合わせ、水を加え、抽
出物を真空下濃縮する。残りの水性抽出濃縮物を等量の
酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル抽出物を真空下濃
縮する。両方の粗抽出物(培養ろ液および菌糸体から)
を、シリカゲル(0.040−0.063mm)およびH2O
−飽和酢酸エチルを用いるクロマトグラフィーに掛け
る。先に溶離するフラクションは主として[Val]2−シ
クロスポリン(シクロスポリンD)を含み、後のフラクシ
ョンは主として[MeLeu]1−シクロスポリン(シクロス
ポリン3.10)および「シクロスポリン」(シクロスポリン
A)を含む。ピークフラクションに対し、再びシリカゲ
ル(0.020−0.045mm)および溶離剤としてアセト
ン/ヘキサン(1:1)を用いるクロマトグラフィーを行
う。リコプレプ(LiChoprep、商標)RP−18(0.04
0−0.063mm)および溶離剤としてメタノール/H2
O(85:15)、次いでシリカゲル(0.020−0.04
5mm)および溶離剤としてH2O−飽和酢酸エチルを用い
て、[MeLeu]1−シクロスポリン含有フラクションを再
クロマトグラフィーに掛けると、標記化合物が得られ
る。mp=142−148℃、[α]D 20=−303°(c=
0.54、CHCl3中)。シクロスポリン3.6の物理特性
は次の通りである。mp=180−182℃、[α]D 20=
−211°(c=0.64、CHCl3中)。
【0130】既に示した通り、この発明により、クラス
1[(1a1)〜(1a5)群および(1b)〜(1e)群のシクロス
ポリン類を含む]、2および3のシクロスポリン類、特
に既に具体的に名称を記したこれらのクラスの個々のシ
クロスポリンは、他の化学療法的薬物療法、特に抗微生
物(例、抗細菌、抗ウイルス、抗真菌または抗原生動物)
化学療法および特に抗癌または抗腫よう(例、抗新生物
または細胞増殖抑制)化学療法の効力を増強もしくは向
上させ得、またはこれに対する感受性を増強もしくは向
上させ得ることが判った。従って、それらは、全体的な
薬剤毒性を減少させる手段として、さらに詳しくは化学
療法に対する先天的および後天的耐性の両方を含む耐性
を打ち消すか、または低下させる手段として、例えば抗
新生物または細胞増殖抑制薬物療法の場合において、例
えば通例の化学療法用量レベルを低下させる手段として
有用である。
1[(1a1)〜(1a5)群および(1b)〜(1e)群のシクロス
ポリン類を含む]、2および3のシクロスポリン類、特
に既に具体的に名称を記したこれらのクラスの個々のシ
クロスポリンは、他の化学療法的薬物療法、特に抗微生
物(例、抗細菌、抗ウイルス、抗真菌または抗原生動物)
化学療法および特に抗癌または抗腫よう(例、抗新生物
または細胞増殖抑制)化学療法の効力を増強もしくは向
上させ得、またはこれに対する感受性を増強もしくは向
上させ得ることが判った。従って、それらは、全体的な
薬剤毒性を減少させる手段として、さらに詳しくは化学
療法に対する先天的および後天的耐性の両方を含む耐性
を打ち消すか、または低下させる手段として、例えば抗
新生物または細胞増殖抑制薬物療法の場合において、例
えば通例の化学療法用量レベルを低下させる手段として
有用である。
【0131】実施例1 抗新生物/細胞増殖抑制、抗腫よう薬剤物質に対する感
受性回復における用途(インビトロ−1)。 トゥエンテ
ィーマン等、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キ
ャンサー」(Br.J.Cancer)、54巻、253頁(198
6年)に記載された方法に従い、ダウノルビシン(D
R)、ビンクリスチン(VC)、アドリアマイシン(A
M)、エトポシド(ET)、テノポシド(TE)およびコル
ヒチン(CC)から成る群から選ばれる癌治療薬剤物質
(CTDS)の1種またはそれ以上に対して耐性のある、
例えば肺のヒト小細胞癌腫由来の癌セルライン(CCL)
を成長させる。
受性回復における用途(インビトロ−1)。 トゥエンテ
ィーマン等、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キ
ャンサー」(Br.J.Cancer)、54巻、253頁(198
6年)に記載された方法に従い、ダウノルビシン(D
R)、ビンクリスチン(VC)、アドリアマイシン(A
M)、エトポシド(ET)、テノポシド(TE)およびコル
ヒチン(CC)から成る群から選ばれる癌治療薬剤物質
(CTDS)の1種またはそれ以上に対して耐性のある、
例えば肺のヒト小細胞癌腫由来の癌セルライン(CCL)
を成長させる。
【0132】連続的CTDS曝露間における細胞成長の
抑制を測定することにより、耐性サブライン(CCL−
R)の感受性を親の感受性ライン(CCL−S)の場合と
比較、例えばDR−耐性ライン(CCL−DRR)の場
合、最初から成長培地に含有されたDRの存在下におけ
るCCL−DRSおよびCCL−DRRラインの成長を
比較する。そのために、電子細胞カウンターを用いて細
胞を計数することにより細胞増殖を測定し、計数は指数
関数的成長段階の終わりに近い時点で行われるものとす
る。CCL−Rラインについては、IC80[非−CTD
S(例、DR)処理対照の場合の20%まで最終細胞数を
減少させるのに必要とされる薬剤濃度、例えばDR濃
度]が親のCCL−Sラインの場合より>80倍、好ま
しくは>100倍大きいものを選択する。
抑制を測定することにより、耐性サブライン(CCL−
R)の感受性を親の感受性ライン(CCL−S)の場合と
比較、例えばDR−耐性ライン(CCL−DRR)の場
合、最初から成長培地に含有されたDRの存在下におけ
るCCL−DRSおよびCCL−DRRラインの成長を
比較する。そのために、電子細胞カウンターを用いて細
胞を計数することにより細胞増殖を測定し、計数は指数
関数的成長段階の終わりに近い時点で行われるものとす
る。CCL−Rラインについては、IC80[非−CTD
S(例、DR)処理対照の場合の20%まで最終細胞数を
減少させるのに必要とされる薬剤濃度、例えばDR濃
度]が親のCCL−Sラインの場合より>80倍、好ま
しくは>100倍大きいものを選択する。
【0133】次いで、試験シクロスポリンの存在および
非存在下における選択されたCCL−RラインのCTD
S(例、DR)に対する感受性を、上記と同様に増殖尺度
として細胞計数法を用いて測定する。このために、様々
な濃度のCTDSおよび試験シクロスポリン両物質の存
在下で細胞を最初から培養する。スクリーニングにおい
て、後者についてはそれ自体が増殖の顕著な低下の原因
とはならない程度の濃度を選択する。CTDSの存在し
ない状態で様々な濃度のシクロスポリンの存在下にCC
L−SおよびCCL−Rを培養することにより適当な濃
度を確立する。シクロスポリン類は、通常0.01〜5
0、特に0.1〜10μg/ml、例えば0.01、0.0
2、0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、
5.0、10.0および50μg/mlの濃度で試験され
る。試験シクロスポリンの非存在下細胞増殖の50%抑
制に必要とされるCTDS(例、DR)の濃度(IC50−
CS)を試験シクロスポリンの存在下に得られた前記濃
度(IC50+CS)と比較して得た割合を、シクロスポリ
ンにより誘発されたCTDSに対するCCL−Rライン
の感受性増強の尺度と定める。使用されるCCL−Rラ
インの安定性は、CTDSに対するその感受性を既に確
立された事項でクロスチェックすることにより確実にさ
れる。
非存在下における選択されたCCL−RラインのCTD
S(例、DR)に対する感受性を、上記と同様に増殖尺度
として細胞計数法を用いて測定する。このために、様々
な濃度のCTDSおよび試験シクロスポリン両物質の存
在下で細胞を最初から培養する。スクリーニングにおい
て、後者についてはそれ自体が増殖の顕著な低下の原因
とはならない程度の濃度を選択する。CTDSの存在し
ない状態で様々な濃度のシクロスポリンの存在下にCC
L−SおよびCCL−Rを培養することにより適当な濃
度を確立する。シクロスポリン類は、通常0.01〜5
0、特に0.1〜10μg/ml、例えば0.01、0.0
2、0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、
5.0、10.0および50μg/mlの濃度で試験され
る。試験シクロスポリンの非存在下細胞増殖の50%抑
制に必要とされるCTDS(例、DR)の濃度(IC50−
CS)を試験シクロスポリンの存在下に得られた前記濃
度(IC50+CS)と比較して得た割合を、シクロスポリ
ンにより誘発されたCTDSに対するCCL−Rライン
の感受性増強の尺度と定める。使用されるCCL−Rラ
インの安定性は、CTDSに対するその感受性を既に確
立された事項でクロスチェックすることにより確実にさ
れる。
【0134】上記試験モデルで、クラス1〜3のシクロ
スポリン、特に具体的に列挙したシクロスポリンは、上
記濃度、特に約10μg/mlまたはそれ以下の濃度にお
いてCTDS(例、DR、VC、AM等)に対する感受性
を高めるのに有効である。高い濃度、例えば約50μg
/mlにおいて、特定の場合に、CCL−SおよびCCL
−R両ラインの増殖抑制は、CTDSの非存在下試験シ
クロスポリンにより誘発されるが、これが起こる場合、
その現象は一般にCCL−Rラインの方がCCL−Sラ
インの場合ほど顕著ではない。さらに重要なことに、試
験シクロスポリンは、CTDSの非存在下で細胞増殖に
影響を及ぼさない濃度でCCL−RラインにおけるCT
DSに対する感受性を高めるのに有効であることが判っ
た。
スポリン、特に具体的に列挙したシクロスポリンは、上
記濃度、特に約10μg/mlまたはそれ以下の濃度にお
いてCTDS(例、DR、VC、AM等)に対する感受性
を高めるのに有効である。高い濃度、例えば約50μg
/mlにおいて、特定の場合に、CCL−SおよびCCL
−R両ラインの増殖抑制は、CTDSの非存在下試験シ
クロスポリンにより誘発されるが、これが起こる場合、
その現象は一般にCCL−Rラインの方がCCL−Sラ
インの場合ほど顕著ではない。さらに重要なことに、試
験シクロスポリンは、CTDSの非存在下で細胞増殖に
影響を及ぼさない濃度でCCL−RラインにおけるCT
DSに対する感受性を高めるのに有効であることが判っ
た。
【0135】すなわちAM耐性ヒト小肺癌セルライン並
びにシクロスポリン2.4、1.1および1.32を用いる一連の
試験において、確立されたAM感作比率(AMIC50−
CS/AM IC50+CS)は下記の通りである(*)。
びにシクロスポリン2.4、1.1および1.32を用いる一連の
試験において、確立されたAM感作比率(AMIC50−
CS/AM IC50+CS)は下記の通りである(*)。
【表6】 [*トゥエンティーマン、エムアールシー・クリニカル
・オンコロジー・アンド・ラジオセラピューティック・
ユニット(ヒルズ・ロード、ケンブリッジ、イギリス国)
から得られた研究報告およびデータ−参考、「ブリティ
ッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー」(Br.J.Cance
r)57巻、254−258頁(1988年)]
・オンコロジー・アンド・ラジオセラピューティック・
ユニット(ヒルズ・ロード、ケンブリッジ、イギリス国)
から得られた研究報告およびデータ−参考、「ブリティ
ッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー」(Br.J.Cance
r)57巻、254−258頁(1988年)]
【0136】実施例2 抗新生物/細胞増殖抑制、抗腫よう薬剤物質に対する感
受性回復における用途(インビトロ−2)。 この試験
は、例えばリング等、「ジャーナル・オブ・セリュラー
・フィジオロジー」(J.Cell.Physiol.)、83巻、10
3−116頁(1974年)およびベッヘ-ハンゼン等、
「ジャーナル・オブ・セリュラー・フィジオロジー」(J.
Cell.Physiol.)88巻、23−32頁(1976年)に
よる記載に従い生成された、任意の適当な薬剤耐性セル
ラインおよび対照(親)セルラインを用いて実施され得
る。選択された特定のクローンは、多種薬剤耐性(例、
コルヒチン耐性)ラインCHR(サブクローンC5S3.
2)および親の感受性ラインAUX B1(サブクローン
AB1 S11)である[参考、リング等、前出およびジ
ュリアーノ等、「ビオシミカ・エ・ビオフィジカ・アク
タ」(Biochim.Biophys.Acta)、455巻、152−1
62頁(1976年)、カールセン等、「ビオシミカ・エ
・ビオフィジカ・アクタ」(Biochim.Biophys.Acta)、
455巻、900−912頁(1976年)、ラランデ
等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシーズ」(Proc.Natl.Acad.
Sci.)、78巻(1)、363−367頁(1981年)、
カートナー等、「サイエンス」(Science)、221巻、1
285−1288頁(1983年)、カートナー等、「ネ
イチャー」(Nature)、316巻、820−823頁(1
985年)、リオーダン等、「ネイチャー」(Nature)、3
16巻、817−819頁(1985年)、ファン・デル
・ブリック等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bi
ol.)、6巻、1671−1678頁(1968年)、エン
ディコルト等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bi
ol.)、7巻、4075−4081頁(1987年)、ドゥ
シャール等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bio
l.)、7巻、718−724頁(1987年)並びにゲル
ラッハ等、「ネイチャー」(Nature)、324巻、485
−489頁(1986年)]。
受性回復における用途(インビトロ−2)。 この試験
は、例えばリング等、「ジャーナル・オブ・セリュラー
・フィジオロジー」(J.Cell.Physiol.)、83巻、10
3−116頁(1974年)およびベッヘ-ハンゼン等、
「ジャーナル・オブ・セリュラー・フィジオロジー」(J.
Cell.Physiol.)88巻、23−32頁(1976年)に
よる記載に従い生成された、任意の適当な薬剤耐性セル
ラインおよび対照(親)セルラインを用いて実施され得
る。選択された特定のクローンは、多種薬剤耐性(例、
コルヒチン耐性)ラインCHR(サブクローンC5S3.
2)および親の感受性ラインAUX B1(サブクローン
AB1 S11)である[参考、リング等、前出およびジ
ュリアーノ等、「ビオシミカ・エ・ビオフィジカ・アク
タ」(Biochim.Biophys.Acta)、455巻、152−1
62頁(1976年)、カールセン等、「ビオシミカ・エ
・ビオフィジカ・アクタ」(Biochim.Biophys.Acta)、
455巻、900−912頁(1976年)、ラランデ
等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシーズ」(Proc.Natl.Acad.
Sci.)、78巻(1)、363−367頁(1981年)、
カートナー等、「サイエンス」(Science)、221巻、1
285−1288頁(1983年)、カートナー等、「ネ
イチャー」(Nature)、316巻、820−823頁(1
985年)、リオーダン等、「ネイチャー」(Nature)、3
16巻、817−819頁(1985年)、ファン・デル
・ブリック等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bi
ol.)、6巻、1671−1678頁(1968年)、エン
ディコルト等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bi
ol.)、7巻、4075−4081頁(1987年)、ドゥ
シャール等、「モル・セル・バイオル」(Mol.Cell.Bio
l.)、7巻、718−724頁(1987年)並びにゲル
ラッハ等、「ネイチャー」(Nature)、324巻、485
−489頁(1986年)]。
【0137】(L)−アスパラギン0.02mg/ml、ME
Mビタミン(IX)、ペニシリン−ストレプトマイシン10
0UT/ml、(L)−グルタミン2ミリモルおよび10%
加熱不活化うし胎児血清を補ったαMEM培地中でセル
ラインを成長させる。96ウェルプレートを用いて検定
を行う。培養培地に50μlのコルヒチン溶液を加えて
同じものを3組調製し、耐性ライン(RL)については3
0−10−3−1−0.3−0.1−0μg/mlおよび感
受性ライン(SL)については0.3−0.1−0.03−
0.01−0.003−0.001−0μg/mlの最終濃度
を達成する。必要な場合、すなわち試験シクロスポリン
が非常に大幅にコルヒチンに対するIC50応答を低下さ
せる場合、さらに用量範囲の下方延長を行う。
Mビタミン(IX)、ペニシリン−ストレプトマイシン10
0UT/ml、(L)−グルタミン2ミリモルおよび10%
加熱不活化うし胎児血清を補ったαMEM培地中でセル
ラインを成長させる。96ウェルプレートを用いて検定
を行う。培養培地に50μlのコルヒチン溶液を加えて
同じものを3組調製し、耐性ライン(RL)については3
0−10−3−1−0.3−0.1−0μg/mlおよび感
受性ライン(SL)については0.3−0.1−0.03−
0.01−0.003−0.001−0μg/mlの最終濃度
を達成する。必要な場合、すなわち試験シクロスポリン
が非常に大幅にコルヒチンに対するIC50応答を低下さ
せる場合、さらに用量範囲の下方延長を行う。
【0138】試験シクロスポリンを無水C2H5OHに1
mg/mlの割合で溶かす。各試験シクロスポリンを0.1
および1.0μg/mlの濃度で常法によりスクリーニング
し、対照については対応するC2H5OH溶媒希釈液で処
理を行う。試験シクロスポリンまたは対照を各ウェルに
加え(50μl)、既存のコルヒチン溶液と混合する。S
Lに関しては4×103細胞/ml(400細胞/ウェル)
およびRLに関しては8×103細胞/mlの細胞懸濁液
100μlを加える。
mg/mlの割合で溶かす。各試験シクロスポリンを0.1
および1.0μg/mlの濃度で常法によりスクリーニング
し、対照については対応するC2H5OH溶媒希釈液で処
理を行う。試験シクロスポリンまたは対照を各ウェルに
加え(50μl)、既存のコルヒチン溶液と混合する。S
Lに関しては4×103細胞/ml(400細胞/ウェル)
およびRLに関しては8×103細胞/mlの細胞懸濁液
100μlを加える。
【0139】3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イ
ル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MT
T)を用いる比色定量検定法[モスマン、「ジャーナル・
オブ・イミュノロジカル・メソッズ」(J.Immunol.Meth
ods)、65巻、55−63頁(1983年)]により増殖
を測定する。まず100μlの細胞不含有上清を除去
し、次いでRPMI1640培地(ギブコ)中5mg/ml濃
度のMTT溶液10μlを各プレートに加え、プレート
を37℃で3時間インキュベーションする。次いで10
0μlのブタノール/イソプロパノール/1N-HCl(1
92:96:12ml)を各プレートに加え、完全に溶解す
るまでプレートを振動させる。光学密度(OD)を540
nmで読み取る。
ル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MT
T)を用いる比色定量検定法[モスマン、「ジャーナル・
オブ・イミュノロジカル・メソッズ」(J.Immunol.Meth
ods)、65巻、55−63頁(1983年)]により増殖
を測定する。まず100μlの細胞不含有上清を除去
し、次いでRPMI1640培地(ギブコ)中5mg/ml濃
度のMTT溶液10μlを各プレートに加え、プレート
を37℃で3時間インキュベーションする。次いで10
0μlのブタノール/イソプロパノール/1N-HCl(1
92:96:12ml)を各プレートに加え、完全に溶解す
るまでプレートを振動させる。光学密度(OD)を540
nmで読み取る。
【0140】細胞成長範囲(MTT−依存ODにより測
定)をコルヒチン濃度の関数として表し、用量反応曲線
を各試験シクロスポリンについて描き、コルヒチンIC
50(CIC50)(すなわち50%の増殖抑制に必要とされ
るコルヒチン濃度)を測定する。0.1および1.0μg/
mlの両濃度における各試験シクロスポリンにより誘発さ
れたコルヒチン感受性の増強度を次の要領で計算する。
定)をコルヒチン濃度の関数として表し、用量反応曲線
を各試験シクロスポリンについて描き、コルヒチンIC
50(CIC50)(すなわち50%の増殖抑制に必要とされ
るコルヒチン濃度)を測定する。0.1および1.0μg/
mlの両濃度における各試験シクロスポリンにより誘発さ
れたコルヒチン感受性の増強度を次の要領で計算する。
【数1】 試験シクロスポリンはRLおよびSLの両方におけるコ
ルヒチン感受性に影響を与え得る。
ルヒチン感受性に影響を与え得る。
【0141】2種のラインにおける相対的影響は次の要
領で計算され得る。
領で計算され得る。
【数2】 クラス1〜3のシクロスポリン類は、上記濃度において
コルヒチンに対するRLの感受性を増強させる。SLの
感受性の増強度は、RLの場合より一般に劣るが、通例
等濃度で観察される。この発明による用途において、前
述の相対耐性の高いシクロスポリン類の方が一般に適し
ていると考えられる。一連の実験において、前述のコル
ヒチンに対する感受性における下記増強度を例えばRL
およびSLについて記録した。
コルヒチンに対するRLの感受性を増強させる。SLの
感受性の増強度は、RLの場合より一般に劣るが、通例
等濃度で観察される。この発明による用途において、前
述の相対耐性の高いシクロスポリン類の方が一般に適し
ていると考えられる。一連の実験において、前述のコル
ヒチンに対する感受性における下記増強度を例えばRL
およびSLについて記録した。
【表7】
【0142】実施例3 抗新生物/細胞増殖抑制、抗腫よう薬剤物質に対する感
受性の回復における用途(インビボ)。薬剤物質DR、V
C、AM、ET、TEまたはCCに対して耐性を示すエ
ールリヒ腹水癌(EA)サブラインを、スラター等、「ジ
ャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーショ
ン」(J.Clin.Invest.)、70巻、1131頁(1982
年)記載の方法に従い、EA細胞の、次世代のバルブ(BA
LB)/c宿主マウスへの連続継代により成長させる。この
ため、死ぬ前の動物から採取した0.2mlの非希釈悪性
腹水を用いた宿主マウスに対する接種の24時間後から
始めて5回投与にわたって0.2〜0.5mg/kgの用量で
薬剤物質を毎日腹腔内投与する。
受性の回復における用途(インビボ)。薬剤物質DR、V
C、AM、ET、TEまたはCCに対して耐性を示すエ
ールリヒ腹水癌(EA)サブラインを、スラター等、「ジ
ャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーショ
ン」(J.Clin.Invest.)、70巻、1131頁(1982
年)記載の方法に従い、EA細胞の、次世代のバルブ(BA
LB)/c宿主マウスへの連続継代により成長させる。この
ため、死ぬ前の動物から採取した0.2mlの非希釈悪性
腹水を用いた宿主マウスに対する接種の24時間後から
始めて5回投与にわたって0.2〜0.5mg/kgの用量で
薬剤物質を毎日腹腔内投与する。
【0143】試験を正確なものにするため、宿主マウス
に前述の耐性EA−Rまたは感受性(親)EA−SのEA
ラインを投与する。EA−Rを投与したマウスを下記の
群に分ける。 1.薬剤無し/シクロスポリン無し、 2.薬剤物質治療/シクロスポリン無し、 3.薬剤無し/試験シクロスポリン、 4.薬剤物質+試験シクロスポリン。
に前述の耐性EA−Rまたは感受性(親)EA−SのEA
ラインを投与する。EA−Rを投与したマウスを下記の
群に分ける。 1.薬剤無し/シクロスポリン無し、 2.薬剤物質治療/シクロスポリン無し、 3.薬剤無し/試験シクロスポリン、 4.薬剤物質+試験シクロスポリン。
【0144】抗新生物薬剤物質を生成EA−Rラインに
おいて採用された用量で投与する。EA−Rによる接種
の24時間後から始めてシクロスポリン試験物質を5分
割一日用量で腹腔内注射(エタノール/オリーブ油中)に
より1〜80mg/kg、特に5もしくは25または40mg
/kg以下の範囲の総試験用量で投与する。第2、3およ
び4群における平均生存時間を適用された治療法の効果
の尺度として第1群と比較する。
おいて採用された用量で投与する。EA−Rによる接種
の24時間後から始めてシクロスポリン試験物質を5分
割一日用量で腹腔内注射(エタノール/オリーブ油中)に
より1〜80mg/kg、特に5もしくは25または40mg
/kg以下の範囲の総試験用量で投与する。第2、3およ
び4群における平均生存時間を適用された治療法の効果
の尺度として第1群と比較する。
【0145】得られた結果は、第1、2および3群間に
おいて平均生存時間に顕著な差異の無いことを示してい
る。第4群の場合、前記の用量でクラス1〜3のシクロ
スポリンを投与すると、第1および2群の両群と比べて
生存時間の実質的な増加(例、2〜3倍またはそれ以上
のオーダー)が観察される。 比較可能な設計の試験モ
デル(例、インビトロ)においてクラス1〜3のシクロス
ポリン類を用いるか、または薬剤耐性ウイルス性株、抗
生物質(例、ペニシリン)耐性細菌株、抗真菌剤耐性真菌
株および薬剤耐性原生動物株、例えばマラリア病原虫
株、例えば後天的化学療法抗マラリア薬剤耐性を呈する
プラスモディウム・ファルシパルム(Plasmodium falcip
arum)の天然亜株に感染させた試験動物を用いても等し
い結果を得ることができる。また臨床試験、例えば下記
の要領で実施される予備試験においてこの発明によるク
ラス1〜3のシクロスポリンの用途を立証することもで
きる。
おいて平均生存時間に顕著な差異の無いことを示してい
る。第4群の場合、前記の用量でクラス1〜3のシクロ
スポリンを投与すると、第1および2群の両群と比べて
生存時間の実質的な増加(例、2〜3倍またはそれ以上
のオーダー)が観察される。 比較可能な設計の試験モ
デル(例、インビトロ)においてクラス1〜3のシクロス
ポリン類を用いるか、または薬剤耐性ウイルス性株、抗
生物質(例、ペニシリン)耐性細菌株、抗真菌剤耐性真菌
株および薬剤耐性原生動物株、例えばマラリア病原虫
株、例えば後天的化学療法抗マラリア薬剤耐性を呈する
プラスモディウム・ファルシパルム(Plasmodium falcip
arum)の天然亜株に感染させた試験動物を用いても等し
い結果を得ることができる。また臨床試験、例えば下記
の要領で実施される予備試験においてこの発明によるク
ラス1〜3のシクロスポリンの用途を立証することもで
きる。
【0146】臨床試験1 悪性の癌の増大を呈するものとして診断され、抗新生物
/細胞増殖抑制薬物療法が行なわれるべき患者から対象
(男性および女性)を選択する。試験を開始した各対象に
ついて、病歴、病状、病気の進行の確立速度および推定
される予後を列挙した詳細な記録を提示する。癌のタイ
プおよび範囲に関して、担当医が、適用すべき抗新生物
/細胞増殖抑制薬物療法のタイプおよびシクロスポリン
療法を行わない場合に必要とされる見積用量割合を決定
する。
/細胞増殖抑制薬物療法が行なわれるべき患者から対象
(男性および女性)を選択する。試験を開始した各対象に
ついて、病歴、病状、病気の進行の確立速度および推定
される予後を列挙した詳細な記録を提示する。癌のタイ
プおよび範囲に関して、担当医が、適用すべき抗新生物
/細胞増殖抑制薬物療法のタイプおよびシクロスポリン
療法を行わない場合に必要とされる見積用量割合を決定
する。
【0147】試験シクロスポリンを、1.0〜20.0mg
/kg/日の用量割合で経口投与または0.5〜5.0mg/
kg/日の用量割合で非経口(例、静脈内または筋肉内)投
与する。病状が許せば、試験シクロスポリンによる処理
を抗新生物療法を始める少なくとも1または2日、好ま
しくは10〜14日前に開始することにより、進行中の
治療用量レベルに対する増強を図る。かかる場合では、
開始シクロスポリン用量を上記用量範囲の低い方の値
(例、経口経路の場合、1.0〜5.0mg/kg/日のオー
ダー、または非経口経路の場合、0.5〜1.5mg/kg/
日のオーダー)として高い用量レベル(例、経口経路の場
合、5.0〜15.0または20.0mg/kg/日までのオ
ーダー、または非経口経路の場合、2.0〜5.0mg/kg
/日のオーダー)へと増やし、試験開始時における対象
の状態を考慮して担当医が正確な摂取量を決定する。場
合により、シクロスポリンおよび抗新生物/細胞増殖抑
制療法を同時に開始および終了することが必要ともなり
得るが、低い開始シクロスポリン用量から指示最大用量
へと日毎に増やすのが好ましい。
/kg/日の用量割合で経口投与または0.5〜5.0mg/
kg/日の用量割合で非経口(例、静脈内または筋肉内)投
与する。病状が許せば、試験シクロスポリンによる処理
を抗新生物療法を始める少なくとも1または2日、好ま
しくは10〜14日前に開始することにより、進行中の
治療用量レベルに対する増強を図る。かかる場合では、
開始シクロスポリン用量を上記用量範囲の低い方の値
(例、経口経路の場合、1.0〜5.0mg/kg/日のオー
ダー、または非経口経路の場合、0.5〜1.5mg/kg/
日のオーダー)として高い用量レベル(例、経口経路の場
合、5.0〜15.0または20.0mg/kg/日までのオ
ーダー、または非経口経路の場合、2.0〜5.0mg/kg
/日のオーダー)へと増やし、試験開始時における対象
の状態を考慮して担当医が正確な摂取量を決定する。場
合により、シクロスポリンおよび抗新生物/細胞増殖抑
制療法を同時に開始および終了することが必要ともなり
得るが、低い開始シクロスポリン用量から指示最大用量
へと日毎に増やすのが好ましい。
【0148】最初の抗新生物/細胞増殖抑制療法はシク
ロスポリン療法を行わない場合に必要とされる見積用量
割合の約3分の1で開始されるが、担当医の判断で開始
用量の正確な選択が行われる。観察された応答による必
要性に応じて抗新生物/細胞増殖抑制用量を増加させ
る。試験経過中、終始シクロスポリンおよび抗新生物/
細胞増殖抑制薬剤の投与割合を含む全ての関連した臨床
パラメーターのモニターを行う。制御/腫よう成長の低
減/転移の発生および起こり得る腫よう緩解に関して対
象をモニターする。病状および推定される予後に関する
報告を試験期間中間隔をおいて提出する。
ロスポリン療法を行わない場合に必要とされる見積用量
割合の約3分の1で開始されるが、担当医の判断で開始
用量の正確な選択が行われる。観察された応答による必
要性に応じて抗新生物/細胞増殖抑制用量を増加させ
る。試験経過中、終始シクロスポリンおよび抗新生物/
細胞増殖抑制薬剤の投与割合を含む全ての関連した臨床
パラメーターのモニターを行う。制御/腫よう成長の低
減/転移の発生および起こり得る腫よう緩解に関して対
象をモニターする。病状および推定される予後に関する
報告を試験期間中間隔をおいて提出する。
【0149】試験結果を評価すると、参加した対象は、
シクロスポリン療法を行わない場合において同等の効果
の達成に必要であると推定される抗新生物/細胞増殖抑
制薬剤用量割合に満たない用量割合で腫よう成長の制限
または腫よう緩解および転移の減少を伴う症状の有効な
制御または改善を呈することが示されている。抗新生物
/細胞増殖抑制薬物療法のみを施した群に関する報告と
比較すると、抗新生物/細胞増殖抑制薬剤耐性の発生の
低下および施された抗新生物/細胞増殖抑制薬剤療法に
対する毒性副作用発生の低下が報告されている。
シクロスポリン療法を行わない場合において同等の効果
の達成に必要であると推定される抗新生物/細胞増殖抑
制薬剤用量割合に満たない用量割合で腫よう成長の制限
または腫よう緩解および転移の減少を伴う症状の有効な
制御または改善を呈することが示されている。抗新生物
/細胞増殖抑制薬物療法のみを施した群に関する報告と
比較すると、抗新生物/細胞増殖抑制薬剤耐性の発生の
低下および施された抗新生物/細胞増殖抑制薬剤療法に
対する毒性副作用発生の低下が報告されている。
【0150】臨床試験2 あらゆるタイプの末期悪性癌の増大を呈する入院または
外来患者(男性および女性)から対象を選択する。試験に
選ばれた対象は、既に最大限の抗新生物/細胞増殖抑制
薬物療法を受け、総じて多種薬剤処置の末期に位置し、
腫よう成長の再発/転移等を呈する、すなわちその癌が
多種薬剤耐性としての明確な証拠である患者である。試
験に参加した各対象について、特に6〜18箇月前から
現在までの過程で適用された薬物療法、病歴および最近
の病状、例えば病気の進行の見積速度および推定される
予後を列挙した詳細な報告を提出する。
外来患者(男性および女性)から対象を選択する。試験に
選ばれた対象は、既に最大限の抗新生物/細胞増殖抑制
薬物療法を受け、総じて多種薬剤処置の末期に位置し、
腫よう成長の再発/転移等を呈する、すなわちその癌が
多種薬剤耐性としての明確な証拠である患者である。試
験に参加した各対象について、特に6〜18箇月前から
現在までの過程で適用された薬物療法、病歴および最近
の病状、例えば病気の進行の見積速度および推定される
予後を列挙した詳細な報告を提出する。
【0151】この試験の目的のため、参加した患者に対
して抗新生物/細胞増殖抑制薬物療法の予定用量および
スケジュールを続行するが、選ばれた療法は薬剤耐性の
確認および試験開始時に適用されるものである。試験中
終始抗新生物薬物療法を前耐性−測定レベルおよびスケ
ジュールで続行する。一日用量割合約1〜約20、例え
ば約5〜約15mg/kg/日の経口用量形態または一日用
量割合約0.5〜約7.5、例えば約2.0〜約5.0mg/
kg/日の非経口(例、静脈内)経路による試験シクロスポ
リンの投与により化学療法を補う。患者によってはシク
ロスポリン療法を抗新生物療法開始の1〜14日前に開
始することもあり得、全処置期間中これを継続する。他
方、シクロスポリンおよび抗新生物療法を同時に開始お
よび終了することが必要な場合もあり得る。
して抗新生物/細胞増殖抑制薬物療法の予定用量および
スケジュールを続行するが、選ばれた療法は薬剤耐性の
確認および試験開始時に適用されるものである。試験中
終始抗新生物薬物療法を前耐性−測定レベルおよびスケ
ジュールで続行する。一日用量割合約1〜約20、例え
ば約5〜約15mg/kg/日の経口用量形態または一日用
量割合約0.5〜約7.5、例えば約2.0〜約5.0mg/
kg/日の非経口(例、静脈内)経路による試験シクロスポ
リンの投与により化学療法を補う。患者によってはシク
ロスポリン療法を抗新生物療法開始の1〜14日前に開
始することもあり得、全処置期間中これを継続する。他
方、シクロスポリンおよび抗新生物療法を同時に開始お
よび終了することが必要な場合もあり得る。
【0152】対象を腫よう成長の縮小/転移の発生およ
び起こり得る腫ようの緩解についてモニターする。試験
時点における病状および推定される予後に関する報告を
試験期間中間隔をおいて提出する。適当な期間内に病状
の改善または悪化の抑制が報告されない場合には、別の
以前適用された療法に対する担当医の判断で基本的な抗
新生物/細胞増殖抑制薬物療法を修正する。試験期間
中、特に抗新生物/細胞増殖抑制薬剤およびシクロスポ
リンの血清レベル並びにクリアランス割合を含む全ての
関連臨床パラメーターを終始モニターする。
び起こり得る腫ようの緩解についてモニターする。試験
時点における病状および推定される予後に関する報告を
試験期間中間隔をおいて提出する。適当な期間内に病状
の改善または悪化の抑制が報告されない場合には、別の
以前適用された療法に対する担当医の判断で基本的な抗
新生物/細胞増殖抑制薬物療法を修正する。試験期間
中、特に抗新生物/細胞増殖抑制薬剤およびシクロスポ
リンの血清レベル並びにクリアランス割合を含む全ての
関連臨床パラメーターを終始モニターする。
【0153】試験報告を評価すると、参加対象は、シク
ロスポリン療法の導入後に腫よう増大の抑制または腫よ
う緩解および転移の減少を伴う状態の顕著な改善を示
し、続いて病気の予後にも改善を示すことが判る。従っ
て、クラス1〜3のシクロスポリン類は、化学療法薬剤
処置に対する後天的耐性を呈する疾患状態の処置または
化学療法薬剤処置に対するアジュバントとして有用であ
る。
ロスポリン療法の導入後に腫よう増大の抑制または腫よ
う緩解および転移の減少を伴う状態の顕著な改善を示
し、続いて病気の予後にも改善を示すことが判る。従っ
て、クラス1〜3のシクロスポリン類は、化学療法薬剤
処置に対する後天的耐性を呈する疾患状態の処置または
化学療法薬剤処置に対するアジュバントとして有用であ
る。
【0154】従って、この発明は下記のものを提供す
る。 1.1 化学療法的薬物療法の効果の改善もしくは増強また
はそれに対する感受性の増強方法、または 1.2 有効化学療法薬剤用量割合の低減方法であって、処
置を必要とする対象における、前記クラス1〜3のシク
ロスポリンの共投与を含む方法、または 2.1 化学療法処置に対する後天的、誘発性もしくは先天
的耐性を呈するか、またはこれを特徴とする疾患状態の
処置方法、または 2.2 前記処置に対する後天的、誘発性もしくは先天的耐
性を呈するか、またはこれを特徴とする疾患状態の化学
療法処置の促進または改善方法、または 2.3 化学療法処置に対する後天的、誘発性もしくは先天
的耐性の打ち消しまたは低減方法、または 2.4 化学療法処置に対する感受性の回復方法であって、
処置を必要とする対象において、前記クラス1〜3のい
ずれか1つに属するシクロスポリンの有効量を前記対象
に投与することを含む方法。
る。 1.1 化学療法的薬物療法の効果の改善もしくは増強また
はそれに対する感受性の増強方法、または 1.2 有効化学療法薬剤用量割合の低減方法であって、処
置を必要とする対象における、前記クラス1〜3のシク
ロスポリンの共投与を含む方法、または 2.1 化学療法処置に対する後天的、誘発性もしくは先天
的耐性を呈するか、またはこれを特徴とする疾患状態の
処置方法、または 2.2 前記処置に対する後天的、誘発性もしくは先天的耐
性を呈するか、またはこれを特徴とする疾患状態の化学
療法処置の促進または改善方法、または 2.3 化学療法処置に対する後天的、誘発性もしくは先天
的耐性の打ち消しまたは低減方法、または 2.4 化学療法処置に対する感受性の回復方法であって、
処置を必要とする対象において、前記クラス1〜3のい
ずれか1つに属するシクロスポリンの有効量を前記対象
に投与することを含む方法。
【0155】他方、この発明は次のものを提供する。 3.処置を必要とする対象において適当な化学療法活性
薬剤物質と一緒に前記薬剤物質に対するアジュバント処
置として前記クラス1〜3のいずれか1つに属するシク
ロスポリンを投与することを含む化学療法処置方法。 またこの発明は次のものも提供する。 4.上記1.1、1.2、2.1、2.2、2.3、2.4または3のいず
れか1項記載の方法で使用される前記クラス1〜3のい
ずれか1つに属するシクロスポリン、または 5.上記1.1、1.2、2.1、2.2、2.3、2.4または3のいず
れか1項記載の方法で使用される医薬組成物の製造に使
用される前記クラス1〜3のいずれか1つに属するシク
ロスポリン。
薬剤物質と一緒に前記薬剤物質に対するアジュバント処
置として前記クラス1〜3のいずれか1つに属するシク
ロスポリンを投与することを含む化学療法処置方法。 またこの発明は次のものも提供する。 4.上記1.1、1.2、2.1、2.2、2.3、2.4または3のいず
れか1項記載の方法で使用される前記クラス1〜3のい
ずれか1つに属するシクロスポリン、または 5.上記1.1、1.2、2.1、2.2、2.3、2.4または3のいず
れか1項記載の方法で使用される医薬組成物の製造に使
用される前記クラス1〜3のいずれか1つに属するシク
ロスポリン。
【0156】クラス1〜3のシクロスポリンの中で以前
に医薬または治療用途に関して提案または推薦されたも
のは無く、またクラス1〜3の特定のシクロスポリンは
事実新規化合物または完全に新しいタイプのシクロスポ
リンであることから、この発明はまた次のものを提供す
る。 6.医薬として使用される、例えば、新規であるものと
して既に示された個々のシクロスポリン類並びに(1
a2)、(1a3)、(1a4)、(1a5)、(1d)、(1e)群および
クラス2(i)および2(iii)のシクロスポリン類を含む具
体的に前述されたクラス1〜3のシクロスポリン類。
に医薬または治療用途に関して提案または推薦されたも
のは無く、またクラス1〜3の特定のシクロスポリンは
事実新規化合物または完全に新しいタイプのシクロスポ
リンであることから、この発明はまた次のものを提供す
る。 6.医薬として使用される、例えば、新規であるものと
して既に示された個々のシクロスポリン類並びに(1
a2)、(1a3)、(1a4)、(1a5)、(1d)、(1e)群および
クラス2(i)および2(iii)のシクロスポリン類を含む具
体的に前述されたクラス1〜3のシクロスポリン類。
【0157】この発明による方法が適用される化学療法
処置の特定の状態/形態は、1種またはそれ以上の抗微
生物もしくは抗生物質薬剤、例えば抗ウイルス、抗細
菌、抗真菌もしくは抗原生動物薬剤物質に耐性がある株
を含む微生物、例えばウイルス、細菌、真菌または原生
動物感染が原因となる状態を包含する。この発明の方法
は、例えば腫ようの成長、転移の発生等を低減または打
ち消す手段として、1種またはそれ以上の抗癌化学療法
薬剤物質、例えば抗新生物もしくは細胞増殖抑制剤、例
えばアントラサイクリン類もしくはビンカアルカロイド
薬剤物質または特定薬剤物質のダウノルビシン、ビンク
リスチン、アドリアマイシン、エトポシド、テノポシド
および/もしくはコルヒチンに対して誘発性または後天
的耐性を呈する、特に癌、例えば癌腫、肉腫もしくは他
の腫ようまたは悪性腫ようの処置に適用可能である。
処置の特定の状態/形態は、1種またはそれ以上の抗微
生物もしくは抗生物質薬剤、例えば抗ウイルス、抗細
菌、抗真菌もしくは抗原生動物薬剤物質に耐性がある株
を含む微生物、例えばウイルス、細菌、真菌または原生
動物感染が原因となる状態を包含する。この発明の方法
は、例えば腫ようの成長、転移の発生等を低減または打
ち消す手段として、1種またはそれ以上の抗癌化学療法
薬剤物質、例えば抗新生物もしくは細胞増殖抑制剤、例
えばアントラサイクリン類もしくはビンカアルカロイド
薬剤物質または特定薬剤物質のダウノルビシン、ビンク
リスチン、アドリアマイシン、エトポシド、テノポシド
および/もしくはコルヒチンに対して誘発性または後天
的耐性を呈する、特に癌、例えば癌腫、肉腫もしくは他
の腫ようまたは悪性腫ようの処置に適用可能である。
【0158】この発明による使用に好ましいシクロスポ
リン類は、比較的免疫抑制活性が低い、例えば定められ
た用量レベルで実質的に免疫抑制活性を示さないもの、
または実質的に「シクロスポリン」の場合よりも低い、例
えば<50%のオーダーの免疫抑制活性を呈するもので
ある。この発明の方法による使用に適した特定のシクロ
スポリン類はクラス1〜3として具体的に前述したシク
ロスポリン類である。
リン類は、比較的免疫抑制活性が低い、例えば定められ
た用量レベルで実質的に免疫抑制活性を示さないもの、
または実質的に「シクロスポリン」の場合よりも低い、例
えば<50%のオーダーの免疫抑制活性を呈するもので
ある。この発明の方法による使用に適した特定のシクロ
スポリン類はクラス1〜3として具体的に前述したシク
ロスポリン類である。
【0159】勿論、上記方法を実施する場合に使用され
るべきシクロスポリンの用量は、例えば処置される状態
(例えば病気のタイプおよび耐性の性質)、使用される特
定のシクロスポリン、所望の効果および投与方法により
異なる。しかしながら一般には、1日1回または2〜4
回の分割用量で1〜20ないし50mg/kg/日のオーダ
ー、例えば5〜10ないし15mg/kg/日のオーダーの
用量における経口投与、または0.5〜7.5ないし10
mg/kg/日のオーダー、例えば1.5または2.0ないし
5.0mg/kg/日のオーダーの用量における非経口(例、
静脈内、例えば静脈内点滴または注入)投与を行うこと
により満足すべき結果が得られる。
るべきシクロスポリンの用量は、例えば処置される状態
(例えば病気のタイプおよび耐性の性質)、使用される特
定のシクロスポリン、所望の効果および投与方法により
異なる。しかしながら一般には、1日1回または2〜4
回の分割用量で1〜20ないし50mg/kg/日のオーダ
ー、例えば5〜10ないし15mg/kg/日のオーダーの
用量における経口投与、または0.5〜7.5ないし10
mg/kg/日のオーダー、例えば1.5または2.0ないし
5.0mg/kg/日のオーダーの用量における非経口(例、
静脈内、例えば静脈内点滴または注入)投与を行うこと
により満足すべき結果が得られる。
【0160】すなわち、患者に適した一日用量は、50
〜1000ないし2500mgのオーダー(経口)、例えば
250〜500/600mgのオーダー(経口)、または2
5.0〜375.0ないし500mgのオーダー(静脈内)、
例えば75.0〜100/250mgのオーダー(静脈内)
内である。別法としてさらに好ましくは、投与量は、例
えばRIA(ラジオイムノアッセイ)技術により測定され
る、予め定められたトラフ(trough)血中濃度を与える患
者特定方式で配分され得る。すなわち患者の投与量を調
節することにより、50または150ないし500また
は1000ng/mlのオーダーのRIAにより測定される
一定の連続トラフ血中濃度を達成し得る。すなわちこの
場合、通例の「シクロスポリン」免疫抑制療法で最近使用
されている投与法と同様の方法を行う。
〜1000ないし2500mgのオーダー(経口)、例えば
250〜500/600mgのオーダー(経口)、または2
5.0〜375.0ないし500mgのオーダー(静脈内)、
例えば75.0〜100/250mgのオーダー(静脈内)
内である。別法としてさらに好ましくは、投与量は、例
えばRIA(ラジオイムノアッセイ)技術により測定され
る、予め定められたトラフ(trough)血中濃度を与える患
者特定方式で配分され得る。すなわち患者の投与量を調
節することにより、50または150ないし500また
は1000ng/mlのオーダーのRIAにより測定される
一定の連続トラフ血中濃度を達成し得る。すなわちこの
場合、通例の「シクロスポリン」免疫抑制療法で最近使用
されている投与法と同様の方法を行う。
【0161】この発明による方法を実施する場合、上記
クラス1〜3のシクロスポリン類の経口投与に適した医
薬組成物は、例えば下記の要領で製造され得る。
クラス1〜3のシクロスポリン類の経口投与に適した医
薬組成物は、例えば下記の要領で製造され得る。
【表8】 成 分 相対量(g) i)ラブラフィル(Labrafil) M1944CS 150 ii)シクロスポリン(例、シク ロスポリン1.1、1.2、1.3、 25 1.11または1.36) (乾燥重量値) iii)エタノール(無水) 50 iv)オリーブ油 約237(適量) 合計約462.0
【0162】全成分を撹はん容器中で直接秤量する。成
分(i)および(iii)を最初に秤量する。次いで成分(ii)を
溶解するまで連続撹はんしながら加える。その後、成分
(iv)をさらに10分間撹はんしながら加える。得られた
溶液を約0.5〜0.8バールでゲルマン・プレフロー・
フィルター(400μm)によりろ過し、50mlのレクソ
(Rexo)瓶に満たす。瓶をゴム製コルクおよびキャップで
密閉する。全段階において窒素を供給しながら(0.25
バール)室温で水不含有条件下に全工程を実施する。経
口投与に適した瓶詰め溶液は、50mgのシクロスポリン
(乾燥重量)/mlを含有する。別法として、味を遮断する
手段としてゼラチン、例えばゼラチン硬または軟カプセ
ルに溶液を満たすこともできる。
分(i)および(iii)を最初に秤量する。次いで成分(ii)を
溶解するまで連続撹はんしながら加える。その後、成分
(iv)をさらに10分間撹はんしながら加える。得られた
溶液を約0.5〜0.8バールでゲルマン・プレフロー・
フィルター(400μm)によりろ過し、50mlのレクソ
(Rexo)瓶に満たす。瓶をゴム製コルクおよびキャップで
密閉する。全段階において窒素を供給しながら(0.25
バール)室温で水不含有条件下に全工程を実施する。経
口投与に適した瓶詰め溶液は、50mgのシクロスポリン
(乾燥重量)/mlを含有する。別法として、味を遮断する
手段としてゼラチン、例えばゼラチン硬または軟カプセ
ルに溶液を満たすこともできる。
【0163】クラス4および6のシクロスポリン類、特
に具体的に名称を列挙した前記クラスの各シクロスポリ
ン類もまた医薬活性を呈する。特ににそれらは、例えば
後述のインビトロおよびインビボ試験で示すように、免
疫抑制、抗炎症および抗寄生虫活性を呈する。また前記
シクロスポリン類は同様に後述するラットにおける実験
的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)に関する活性をも有す
る。
に具体的に名称を列挙した前記クラスの各シクロスポリ
ン類もまた医薬活性を呈する。特ににそれらは、例えば
後述のインビトロおよびインビボ試験で示すように、免
疫抑制、抗炎症および抗寄生虫活性を呈する。また前記
シクロスポリン類は同様に後述するラットにおける実験
的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)に関する活性をも有す
る。
【0164】実施例4 免疫抑制活性 4.1 ゲル中インビトロでの局所溶血[ミシェルおよびダ
ットン、「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メ
ディシン」(J.Exp.Medicine)、126巻、423−4
42頁(1976年)]。クラス4および6のシクロスポ
リン類は、0.03〜10.0μg/mlの濃度で未処置対
照と比べて溶血ゾーンを抑制する。 4.2 ジャノッシーおよびグリーブズによるリンパ球刺激
試験[「クリン・エクスプ・イミュノル」(Clin.Exp.Imm
unol.)、9、483頁(1971年)および10、525
頁(1972年)]−クラス4および6のシクロスポリン
類は、0.001〜3.0μg/mlの濃度で未処置対照と
比べてマウスひ臓リンパ球においてコンカナバリンA刺
激DNA合成を阻止し(H3−チミジン取り込みの阻
止)、細胞増殖および遺伝質発生(blastogenis)を阻止す
る。
ットン、「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メ
ディシン」(J.Exp.Medicine)、126巻、423−4
42頁(1976年)]。クラス4および6のシクロスポ
リン類は、0.03〜10.0μg/mlの濃度で未処置対
照と比べて溶血ゾーンを抑制する。 4.2 ジャノッシーおよびグリーブズによるリンパ球刺激
試験[「クリン・エクスプ・イミュノル」(Clin.Exp.Imm
unol.)、9、483頁(1971年)および10、525
頁(1972年)]−クラス4および6のシクロスポリン
類は、0.001〜3.0μg/mlの濃度で未処置対照と
比べてマウスひ臓リンパ球においてコンカナバリンA刺
激DNA合成を阻止し(H3−チミジン取り込みの阻
止)、細胞増殖および遺伝質発生(blastogenis)を阻止す
る。
【0165】4.3 混合リンパ球反応[バッハ等、「ジャー
ナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン」(J.Ex
p.Med.)、136巻、1430頁(1972年)]−照射
マウスから得られた異型的ひ臓細胞(CBA)と5日間コ
-インキュベーションを続けたリンパ球[マウス(バルブ
(Balb)/c)ひ臓細胞]の反応(すなわち、増殖および分
化)を試験物質の存在下および非存在下で測定する。試
験物質の非存在下での反応を対照として用い、100%
とする。試験物質の存在下での反応を100%対照反応
と比較した%変化として表す。0.001〜3.0μg/m
lの濃度のクラス4および6のシクロスポリンを用いて
反応の阻止を観察する。
ナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン」(J.Ex
p.Med.)、136巻、1430頁(1972年)]−照射
マウスから得られた異型的ひ臓細胞(CBA)と5日間コ
-インキュベーションを続けたリンパ球[マウス(バルブ
(Balb)/c)ひ臓細胞]の反応(すなわち、増殖および分
化)を試験物質の存在下および非存在下で測定する。試
験物質の非存在下での反応を対照として用い、100%
とする。試験物質の存在下での反応を100%対照反応
と比較した%変化として表す。0.001〜3.0μg/m
lの濃度のクラス4および6のシクロスポリンを用いて
反応の阻止を観察する。
【0166】実施例5 抗炎症活性 ラットにおけるアジュバント関節炎試験において抗炎症
活性が示され得る。この試験のために、ピアソンおよび
ウッドの方法[「アースル・リューム」(Arthr.Rheum.)、
2巻、440頁(1959年)]に従ってアジュバント関
節炎を誘発する。この試験においてクラス4および6の
シクロスポリンは、5〜30mg/kg/日(経口)の用量で
進行性および慢性関節炎に対して活性を示す。
活性が示され得る。この試験のために、ピアソンおよび
ウッドの方法[「アースル・リューム」(Arthr.Rheum.)、
2巻、440頁(1959年)]に従ってアジュバント関
節炎を誘発する。この試験においてクラス4および6の
シクロスポリンは、5〜30mg/kg/日(経口)の用量で
進行性および慢性関節炎に対して活性を示す。
【0167】実施例6 抗寄生体(抗マラリア)活性 レーン、「ケモセラピー・アンド・ドラッグ・レジスタ
ンス・イン・マラリア」(Chemotherapy and Drug Resist
ance in Malaria)(ペーターズ編、アカデミック・プレ
ス、ニューヨーク、1970年)による抗マラリア試
験。第0日に、プラスモディウム・ベルゲイ(Plasmodiu
m berghei)(NK65株)種の寄生虫細胞107個を含有
する懸濁液0.2ml(腹腔内投与)によりマウス(OF1、
雄)を感染させる。第3日に5〜10マウス/用量を用
いる様々な用量で試験物質を皮下投与する。生存時間を
記録し、未処置対照の場合と生存時間を比較することに
より、最少有効用量(MED)を計算する。対照の場合、
生存時間は約7日間である。MEDは生存時間が2倍に
なる用量である。この試験においてクラス4および6の
シクロスポリン類は、10〜100mg/kg/日の用量で
有効である。
ンス・イン・マラリア」(Chemotherapy and Drug Resist
ance in Malaria)(ペーターズ編、アカデミック・プレ
ス、ニューヨーク、1970年)による抗マラリア試
験。第0日に、プラスモディウム・ベルゲイ(Plasmodiu
m berghei)(NK65株)種の寄生虫細胞107個を含有
する懸濁液0.2ml(腹腔内投与)によりマウス(OF1、
雄)を感染させる。第3日に5〜10マウス/用量を用
いる様々な用量で試験物質を皮下投与する。生存時間を
記録し、未処置対照の場合と生存時間を比較することに
より、最少有効用量(MED)を計算する。対照の場合、
生存時間は約7日間である。MEDは生存時間が2倍に
なる用量である。この試験においてクラス4および6の
シクロスポリン類は、10〜100mg/kg/日の用量で
有効である。
【0168】実施例7 ラットにおけるEAEに対する作用。 1.慢性EAEに対する作用。 ボーレル等、「エイジェンツ・アンド・アクションズ」(A
gents and Actions)、6巻、468頁(1976年)によ
り記載された技術に従い、体重150〜200gの別段
健康に問題の無い雄ラット8〜12匹から成る群におい
てEAEを誘発する。実験室条件下にラットを保ち、無
制限に食物および水に接近させる。10〜13日後には
EAEの開始が観察され、例えば後足において麻ひ症状
がはっきりと認められる。EAE開始後連続5日間、毎
日25〜50mg/kg(経口)の用量で試験化合物を試験動
物に投与する。病気の兆候および回復したラットの数並
びに回復が認められた日に関してラットを毎日検査す
る。処置開始後さらに5〜8週間観察を続けて再発症例
があればそれを検出する。再び再発したラットの数およ
び再発日を記録する。
gents and Actions)、6巻、468頁(1976年)によ
り記載された技術に従い、体重150〜200gの別段
健康に問題の無い雄ラット8〜12匹から成る群におい
てEAEを誘発する。実験室条件下にラットを保ち、無
制限に食物および水に接近させる。10〜13日後には
EAEの開始が観察され、例えば後足において麻ひ症状
がはっきりと認められる。EAE開始後連続5日間、毎
日25〜50mg/kg(経口)の用量で試験化合物を試験動
物に投与する。病気の兆候および回復したラットの数並
びに回復が認められた日に関してラットを毎日検査す
る。処置開始後さらに5〜8週間観察を続けて再発症例
があればそれを検出する。再び再発したラットの数およ
び再発日を記録する。
【0169】上記用量範囲でクラス4および6のシクロ
スポリンを投与後、プラセボ(オリーブ油)のみを与えた
対照群の場合と比較した回復時間の減少を記録する。 7.2 EAEの発生予防における作用。 上記4.1記載の方法と同様にして試験を行う。しかしな
がら、この場合、感作(EAEの誘発)の日から始めて1
4日間試験化合物を毎日25〜50mg/kg(経口)の用量
で投与する。麻ひの兆候についてラットを毎日観察し、
り病した各ラットにおけるEAEの開始日を記録する。
数箇月間にわたり観察を続けて起こる可能性があるEA
Eの後発的開始を検出する。
スポリンを投与後、プラセボ(オリーブ油)のみを与えた
対照群の場合と比較した回復時間の減少を記録する。 7.2 EAEの発生予防における作用。 上記4.1記載の方法と同様にして試験を行う。しかしな
がら、この場合、感作(EAEの誘発)の日から始めて1
4日間試験化合物を毎日25〜50mg/kg(経口)の用量
で投与する。麻ひの兆候についてラットを毎日観察し、
り病した各ラットにおけるEAEの開始日を記録する。
数箇月間にわたり観察を続けて起こる可能性があるEA
Eの後発的開始を検出する。
【0170】上記用量範囲でのクラス4および6の「シ
クロスポリン」の投与後、EAEの開始阻止を観察期間
中プラセボ(オリーブ油)のみで処理した対照と比較しな
がら観察する。クラス4および6のシクロスポリン類
は、それらの免疫抑制活性の観点から、免疫応答の低下
を必要とする疾患および状態の予防および処置において
有用である。すなわち、それらを用いることにより、例
えば自己免疫疾患の処置または臓器移植(例えば心臓、
心肺、皮膚、角膜、骨髄、すい臓および腎臓)の拒絶の
予防を行う場合にリンパ球および免疫細胞の増殖を抑制
することができる。
クロスポリン」の投与後、EAEの開始阻止を観察期間
中プラセボ(オリーブ油)のみで処理した対照と比較しな
がら観察する。クラス4および6のシクロスポリン類
は、それらの免疫抑制活性の観点から、免疫応答の低下
を必要とする疾患および状態の予防および処置において
有用である。すなわち、それらを用いることにより、例
えば自己免疫疾患の処置または臓器移植(例えば心臓、
心肺、皮膚、角膜、骨髄、すい臓および腎臓)の拒絶の
予防を行う場合にリンパ球および免疫細胞の増殖を抑制
することができる。
【0171】またクラス4および6のシクロスポリン
は、それらの抗炎症活性およびEAEに関する活性の観
点から、炎症状態、特に自己免疫要素を含む病因を伴う
炎症状態の処置、例えば関節炎(例、慢性関節リューマ
チ、慢性または進行性関節炎および変形性関節炎)およ
びリューマチ性疾患並びに自己免疫血液学的障害(例え
ば溶血性貧血、再生不能性貧血、純赤血球貧血および特
発性血小板減少症を含む)、全身性エリテマトーデス、
多発性軟骨炎、硬皮症、ウェグネル肉芽腫症、皮膚筋
炎、慢性活性肝炎、重症筋無力症、乾せん、スチーブン
-ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性
腸疾患(例えば潰よう性大腸炎およびクローン病を含
む)、内分泌性眼病、グレーブズ病、サルコイドーシ
ス、原発性胆管周囲炎性肝硬変、原発性若年型糖尿病
(真性糖尿病I型)、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質
性肺繊維症、乾せん性関節炎、糸球体腎炎(ネフローゼ
症候群を伴う場合および伴わない場合、例えば特発性ネ
フローゼ症候群または微少変化ネフロパシーを含む)並
びに多発性硬化症の処置に有用である。
は、それらの抗炎症活性およびEAEに関する活性の観
点から、炎症状態、特に自己免疫要素を含む病因を伴う
炎症状態の処置、例えば関節炎(例、慢性関節リューマ
チ、慢性または進行性関節炎および変形性関節炎)およ
びリューマチ性疾患並びに自己免疫血液学的障害(例え
ば溶血性貧血、再生不能性貧血、純赤血球貧血および特
発性血小板減少症を含む)、全身性エリテマトーデス、
多発性軟骨炎、硬皮症、ウェグネル肉芽腫症、皮膚筋
炎、慢性活性肝炎、重症筋無力症、乾せん、スチーブン
-ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性
腸疾患(例えば潰よう性大腸炎およびクローン病を含
む)、内分泌性眼病、グレーブズ病、サルコイドーシ
ス、原発性胆管周囲炎性肝硬変、原発性若年型糖尿病
(真性糖尿病I型)、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質
性肺繊維症、乾せん性関節炎、糸球体腎炎(ネフローゼ
症候群を伴う場合および伴わない場合、例えば特発性ネ
フローゼ症候群または微少変化ネフロパシーを含む)並
びに多発性硬化症の処置に有用である。
【0172】クラス4および6のシクロスポリンはま
た、それらの抗寄生虫活性の観点から、寄生虫感染の処
置に有用である。例えばコクシジオイデス症および住血
吸虫症、並びに特に原生動物感染、特にマラリアがあ
る。勿論上記用途の場合、用量は、選択されたシクロス
ポリン、投与方法、処置すべき特定の状態および望まし
い療法により異なる。しかしながら一般に、約1〜10
0、好ましくは約5〜50、最も好ましくは10〜20
mg/kg(動物体重)の経口一日用量で投与すると、満足す
べき結果が得られる。大形ほ乳類(例、ひと)の場合、合
計一日用量は、約75〜約2000、好ましくは約20
0〜約1000、最も好ましくは約300〜約700mg
の範囲内に存する。経口投与に適した用量形態は、固体
または液体医薬用希釈剤または担体と混合した約20〜
約2000、好ましくは約50〜約1000、最も好ま
しくは約75〜700mgのシクロスポリンを含有し、好
都合には1日1回または2〜4回の分割用量で投与され
る。
た、それらの抗寄生虫活性の観点から、寄生虫感染の処
置に有用である。例えばコクシジオイデス症および住血
吸虫症、並びに特に原生動物感染、特にマラリアがあ
る。勿論上記用途の場合、用量は、選択されたシクロス
ポリン、投与方法、処置すべき特定の状態および望まし
い療法により異なる。しかしながら一般に、約1〜10
0、好ましくは約5〜50、最も好ましくは10〜20
mg/kg(動物体重)の経口一日用量で投与すると、満足す
べき結果が得られる。大形ほ乳類(例、ひと)の場合、合
計一日用量は、約75〜約2000、好ましくは約20
0〜約1000、最も好ましくは約300〜約700mg
の範囲内に存する。経口投与に適した用量形態は、固体
または液体医薬用希釈剤または担体と混合した約20〜
約2000、好ましくは約50〜約1000、最も好ま
しくは約75〜700mgのシクロスポリンを含有し、好
都合には1日1回または2〜4回の分割用量で投与され
る。
【0173】既に示した通り、適当な一日用量割合は、
特に、例えば作用の相対効力を考慮して選択された特定
のシクロスポリンにより異なる。クラス4および6の好
ましいシクロスポリン類の場合、上記実施例4による一
連の実験において得られた結果[IC50値(μg/ml)]は
下記の通りである。
特に、例えば作用の相対効力を考慮して選択された特定
のシクロスポリンにより異なる。クラス4および6の好
ましいシクロスポリン類の場合、上記実施例4による一
連の実験において得られた結果[IC50値(μg/ml)]は
下記の通りである。
【表9】 抗寄生虫適応症における使用に適したシクロスポリンは
シクロスポリン4.7である。実施例6の方法におけるこ
のシクロスポリンに関して得られたED50値は約15.
0mg/kgである。
シクロスポリン4.7である。実施例6の方法におけるこ
のシクロスポリンに関して得られたED50値は約15.
0mg/kgである。
【0174】前述したことから、この発明はまた下記の
ものを提供する。 7.上記クラス4または6のシクロスポリンを医薬的に
許容し得る希釈剤または担体と共に含有する医薬組成
物。 8.処置を必要とする対象における、炎症疾患もしくは
状態の処置または寄生体感染の処置における免疫抑制誘
発方法であって、前記対象に上記クラス4または6のシ
クロスポリンの有効量を投与することを含む方法、並び
に 9.医薬として、例えば免疫抑制剤、抗炎症剤または抗
寄生体剤として用いられるクラス4または6のシクロス
ポリン。
ものを提供する。 7.上記クラス4または6のシクロスポリンを医薬的に
許容し得る希釈剤または担体と共に含有する医薬組成
物。 8.処置を必要とする対象における、炎症疾患もしくは
状態の処置または寄生体感染の処置における免疫抑制誘
発方法であって、前記対象に上記クラス4または6のシ
クロスポリンの有効量を投与することを含む方法、並び
に 9.医薬として、例えば免疫抑制剤、抗炎症剤または抗
寄生体剤として用いられるクラス4または6のシクロス
ポリン。
【0175】クラス4および6のシクロスポリンが適用
され得る特定の免疫抑制、抗炎症および抗寄生体用途
は、例えば先に列挙した特定形態の臓器移植、炎症疾
患、自己免疫疾患または寄生体感染症を含む前述の用途
を全て包含する。
され得る特定の免疫抑制、抗炎症および抗寄生体用途
は、例えば先に列挙した特定形態の臓器移植、炎症疾
患、自己免疫疾患または寄生体感染症を含む前述の用途
を全て包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 AEB A61K 37/02 ADZ C07K 7/64 ZNA AEB (31)優先権主張番号 8714098 (32)優先日 1987年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 8714115 (32)優先日 1987年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 8714118 (32)優先日 1987年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 8714119 (32)優先日 1987年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 8714125 (32)優先日 1987年6月17日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (72)発明者 マンフレット・クリーゲル スイス国ツェハー−4422アリスドルフ、 ハウプトストラッセ91番 (72)発明者 トレボル・グリン・ペイネ スイス国ツェハー−3005ベルン、ダルマ チライン26番 (72)発明者 ルネ・ペー・トラベル スイス国ツェハー−4056バーゼル、ビル ヘルム−ヒス−ストラッセ11番 (72)発明者 ローラント・ベンゲル スイス国ツェハー−4125リーヘン、グレ ンツァッヘルベーグ45番 (56)参考文献 特開 昭56−128725(JP,A) 特開 昭61−212599(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/13 C07K 7/64 CA(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】式(II) 【化1】 [式中、 Aは式(VII) 【化2】 で示される残基、 Bは−αAbu−、−Thr−、−Val−、−Nva
−またはβ−O−アシル−α−アミノ酸残基、 Xは−Sar−、 Yは−Val−である]で示されるシクロスポリンを有
効成分とする、化学療法処置に対する抵抗性の解除もし
くは低減、または化学療法処置に対する感受性の回復
剤。
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GB878714118A GB8714118D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB878714119A GB8714119D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB8714093 | 1987-06-17 | ||
GB8714098 | 1987-06-17 | ||
GB8714090 | 1987-06-17 | ||
GB8714100 | 1987-06-17 | ||
GB878714115A GB8714115D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB878714098A GB8714098D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB878714125A GB8714125D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB878714100A GB8714100D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB8714118 | 1987-06-17 | ||
GB878714090A GB8714090D0 (en) | 1987-06-17 | 1987-06-17 | Organic compounds |
GB8714125 | 1987-06-17 | ||
GB8714115 | 1987-06-17 | ||
GB8714119 | 1987-06-17 |
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---|---|
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JP2772372B2 true JP2772372B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=27571252
Family Applications (2)
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---|---|---|---|
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JP7208783A Expired - Lifetime JP2772372B2 (ja) | 1987-06-17 | 1995-08-16 | シクロスポリン類およびそれらの医薬用途 |
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