JP2772170B2 - サーマルヘッド駆動回路及び印字装置 - Google Patents

サーマルヘッド駆動回路及び印字装置

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JP2772170B2
JP2772170B2 JP20671291A JP20671291A JP2772170B2 JP 2772170 B2 JP2772170 B2 JP 2772170B2 JP 20671291 A JP20671291 A JP 20671291A JP 20671291 A JP20671291 A JP 20671291A JP 2772170 B2 JP2772170 B2 JP 2772170B2
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茂雄 太田
史明 田頭
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ファクシミリなどに
使用されるサーマルヘッドなどの駆動用回路に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド駆動用ICを用いて発熱
抵抗体を駆動する場合、従来は図3のような回路を用い
ていた。この回路はサーマルヘッドを形成する発熱抵抗
体列21とこの発熱抵抗体列21を駆動する複数のサー
マルヘッド駆動用のIC(IC1〜IC8 )とで構成され
ている。また各ICは図4の構成をしており、印字用デ
ータを記憶するシフトレジスタ22と、シフトレジスタ
22のデータを受けるラッチ回路23と、ラッチ回路か
らの印字用データを受け発熱抵抗体列21を駆動するN
ANDゲート列24とで構成されている。
【0003】そして、このサーマルヘッド駆動用ICと
印字装置側の制御回路とは、NANDゲート24に供給
されるイネーブル信号ENAと、ラッチ回路に供給され
るラッチ信号LAと、シフトレジスタ22に供給される
クロック信号CPと、印字用データを伝送するDI,D
Oとで接続されている。また、NANDゲート24の出
力は、発熱抵抗体列21に接続されている。尚、サーマ
ルヘッド駆動用ICは、1素子当たり32ビットや64
ビットのデータを扱うものが多く、また、1素子当たり
96ビットや128ビットのデータを扱うものもある。
次に、図4の回路の動作を説明すると、制御回路は、ク
ロック信号CPに同期して印字用データをシフトレジス
タ22に記憶させる。続いて、制御回路は、ラッチ信号
LAを出力してシフトレジスタ22のデータをラッチ回
路23に転送する。その後、NANDゲート列24は、
制御回路がイネーブル信号ENAを出力するタイミング
で、ラッチ回路23の印字用データを出力して発熱抵抗
体列21を駆動する。
【0004】ところで、印字ヘッドは、多数の発熱抵抗
体によって構成されるので、全ての発熱抵抗体を同時に
動作させると印字用の電流が大きくなり過ぎる為、イネ
ーブル信号ENAによって発熱抵抗体を何グループかに
分割して動作させるのが通例である。そして、図3の回
路構成の場合、駆動用ICの2個に1種類のイネーブル
信号を供給しているので、結局、発熱抵抗体列21を4
分割して動作させていることになる。
【0005】なお、発熱抵抗体を分割して動作させる手
法には他の方法もあり、図5に示すサーマルヘッド駆動
用ICでは64ビットの印字用データを前半の32ビッ
トと後半の32ビットに分割し、それぞれにイネーブル
信号ENA2とENA1 を供給することでサーマルヘッ
ドを分割して動作させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3の回路構
成の場合、イネーブル信号ENAi を利用して発熱抵抗
体列21を4分割して動作させたとしても、各IC内の
素子は同時に動作することになる。従って、各IC内の
NANDゲート等が全て電流を流すことを想定して各I
Cを設計しなければならず、ICのGND端子数やその
パターン幅等の設計に制約があった。
【0007】また、IC内部の素子を2分割して動作さ
せる場合もあるが(図5参照)、単に、前半と後半のグ
ループに2分割しているに過ぎないので通電電流の分散
の効果は少なく、上記の問題点を十分に改善するとはい
えない。また、サーマルヘッドの印字幅や発熱体密度の
設定によっては、同時に動作するNANDゲート等の数
が均等化されず、装置本体側の電源回路の電流容量の設
計に制約が生じるという問題点もある。例えば、A4サ
イズのサーマルヘッドの場合に、27個の駆動用ICを
搭載するのが通例であるが、この27個のICを例えば
8種類のイネーブル信号で時間順次に分割して動作させ
ようとすると、4個のICに接続されるイネーブル信号
(3種類)と3個のICに接続されるイネーブル信号
(5種類)別れることになる。その為、装置本体側の電
源回路は、4個のICの全てのNANDゲートが同時に
印字用電流を流すことを想定して電源装置を設計しなけ
ればならず、従って、電源装置が無用に大型化してしま
うという問題点がある。
【0008】この発明はこの問題点に着目してなされた
ものであって、サーマルヘッド駆動用ICにおいて、内
部の素子を時間分割して動作させるが、その制御に複雑
な操作を伴わないサーマルヘッド駆動用回路を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する
為、請求項1の説明は、動作選択用の信号を受け、時間
順次に複数のタイミングに分割して個別のイネーブル信
号を出力するデコーダ回路と、前記イネーブル信号を受
け発熱抵抗体列を時間順次に分割して駆動する複数の駆
動素子からなり、同一タイミングのイネーブル信号が、
前記駆動素子の複数分の間隔に飛ばされた位置の駆動素
子に与えられる駆動素子列と、この駆動素子列に印字用
データを供給する記憶回路と、で構成されている。
【0010】また、請求項2の発明は、動作選択用の信
号を受け、時間順次に複数のタイミングに分割して個別
のイネーブル信号を出力するデコーダ回路、前記イネー
ブル信号を受け発熱抵抗体列を時間順次に分割して駆動
する複数の駆動素子からなり、同一タイミングのイネー
ブル信号が、前記駆動素子の複数分の間隔に飛ばされた
位置の駆動素子に与えられる駆動素子列、この駆動素子
列に印字用データを供給する記憶回路、を備えるサーマ
ルヘッド駆動回路と、印字ヘッドを形成する発熱抵抗体
列と、前記サーマルヘッド駆動回路内の記憶回路に印字
用データを供給し、かつサーマルヘッド駆動回路の動作
を制御する制御回路と、で構成されている。
【0011】
【作用】サーマルヘッド駆動回路内のデコーダ回路は、
複数(nとする)の動作選択用の信号(2進数データ)
をデコードして、これを2n −1個以下の複数のタイミ
ングに分割された個別のイネーブル信号に変換する。各
イネーブル信号は駆動素子の複数分の間隔に飛ばされた
位置の駆動素子に供給されるが、駆動素子列は、このイ
ネーブル信号を受けた場合に動作して、記憶回路の印字
用データを発熱抵抗列に出力する。つまり、サーマルヘ
ッド駆動回路内の駆動素子は、動作選択用の信号によっ
駆動素子の複数分の間隔に飛ばされた位置の駆動素子
毎に時間的に分割されて動作する。
【0012】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す回路図であ
る。このサーマルヘッド駆動回路は、発熱抵抗体列を駆
動するNANDゲート列1と、このNANDゲート列1
に印字用データを出力するラッチ回路2と、ラッチ回路
2に印字用データを出力するシフトレジスタ3と、NA
NDゲート列1にイネーブル信号を出力するデコード回
路4とで構成されている。そして、このサーマルヘッド
駆動回路には、印字装置の本体側から、動作選択信号D
1 〜D3 と、ラッチ信号LAと、クロックパルスCP
と、印字入力データDIが供給されている。尚、印字出
力データDOは、印字装置本体側に帰還されている。ま
た、このサーマルヘッド駆動回路は、発熱抵抗体列にN
ANDゲート列の出力データO1 〜O64を出力する。
【0013】デコーダ回路4は、印字装置本体側から動
作選択信号D1 〜D3 を受けてイネーブル信号ENA1
〜ENA4(図1には〜と表現している)を出力す
る回路である。そして、デコーダ回路4の入出力関係を
図示すると図2の通りである。つまり、デコーダ回路4
は、動作選択信号(D3 ,D2 ,D1 )が(L,L,
L)の場合は全てのイネーブル信号ENA1 〜ENA4
をLレベルにするが、例えば動作選択信号が(L,H,
H)であれば第3のイネーブル信号ENA3 のみをHレ
ベルにするなど、いわゆる2進/10進デコードの処理
をする。尚、8種類のイネーブル信号を利用する場合
は、4ビットの入力信号D1 〜D4 をデコードして8種
類の出力信号がENA1 〜ENA8 を得る回路に設計変
更すればよい。
【0014】このようにして得られるイネーブル信号E
NA1 〜ENA4 は、NANDゲート列1に加えられて
いる。すなわち、イネーブル信号ENA1 (図2では
と表現)は、4つ飛びで、第1と第5と第9と第13…
…と第61のNANDゲートの入力端子に接続されてい
る。またイネーブル信号ENA2 (図2ではと表現)
は、4つ飛びで、第2と第6と第10と第14……と第
62のNANDゲートの入力端子に接続されている。以
下ENA3 (),ENA4 ()も同様であり、それ
ぞれ4つ飛びのNANDゲートの入力端子に接続されて
いる。
【0015】次に、図1の回路の動作を説明する。印字
装置本体側の制御回路は、クロックパルスCPに同期し
てシフトレジスタ3に64ビットの印字用データを供給
する。そして、シフトレジスタ3に対する印字用データ
の記憶が完了すると、制御回路は、ラッチ信号LAを出
力してシフトレジスタ3の印字用データをラッチ回路2
に転送する。
【0016】その後、制御回路は動作選択信号(D3
2 ,D1 )の値を(L,L,L)から(L,L,H)
の値に変化させる。すると、デコード回路4の動作によ
りイネーブル信号ENA1 のみがHレベルになり、第1
と第5と……第61のNANDゲートは、ラッチ回路2
の印字用データを発熱抵抗体列に出力する。そして、N
ANDゲートがLレベルの印字データを出力した場合
は、そのNANDゲートに接続される発熱抵抗体(及び
そのNANDゲート)に印字電流が流れ、該当する位置
のドットが印字される。尚この時、第1と第5と……第
61以外のNANDゲートにはLレベルのイネーブル信
号が供給されているので、これらのNANDゲートはH
レベルのデータを出力することになる。従って、これら
のNANDゲートや、これらと接続される発熱抵抗体に
印字電流が流れることはない。
【0017】次に、制御回路は動作選択信号(D3 ,D
2 ,D1 )の値を(L,L,H)から(L,H,L)の
値に変化させる。すると、イネーブル信号ENA2 のみ
がHレベルになるので、第2と第6と……第62のNA
NDゲートのみがラッチ回路2の印字データを発熱抵抗
体列に出力し、該当する発熱抵抗体の印字処理がされ
る。尚この時は、第2と第6と……第62以外のNAN
DゲートはHレベルのデータを出力しており、従って、
これらのNANDゲートや、これらと接続される発熱抵
抗体に印字電流が流れることはない。
【0018】これ以降の動作も同様であり、制御回路
は、動作選択信号(D3 ,D2 ,D1)の値を(L,
H,H),(H,L,L)と変化させて残りの発熱抵抗
体を時間順次に動作させる。従って、NANDゲート列
にも時間順次に印字電流が流れて、64ビットの印字用
データについての印字処理が終了する。以上のように、
この実施例の場合はイネーブル信号ENAi を4つ飛び
のNANDゲートに接続しているので、隣同志のNAN
Dゲートに同時に電流が流れることがなく通電電流分散
の効果が大きい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、この発明ではサー
マルヘッド駆動回路内の素子が時間順次に動作してい
る。従って、印字率が高い(印字ドット中の黒点が多
い)場合でも回路内の全ての素子が同時に動作すること
がなく、その為、素子内部のGNDパターン幅やGND
端子数の削減ができ、ICの小型化を図ることができ
る。また、サーマルヘッド駆動回路内での動作分割数
(イネーブル信号数)を増加させても、装置本体側とは
イネーブル信号数より少ない信号線を接続すれば足りる
ので、駆動回路(IC)内の端子数を低減でき、また、
信号線への配線の負担が軽減される。
【0020】また、印字装置に搭載するサーマルヘッド
駆動用のICの個数がいくらであっても、各イネーブル
信号に同期して動作する駆動素子の数は均等であり、従
って、印字装置本体側の電源装置の電流容量を必要最小
限の値に設定できる。更に、同一タイミングのイネーブ
ル信号は、駆動素子の複数分の間隔に飛ばされた位置の
駆動素子に与えられるので、隣同志の駆動素子に同時に
電流が流れることがなく、通電電流分の効果が大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1の回路の一部の回路の動作状態図である。
【図3】従来の回路のブロック図である。
【図4】図3の一部を詳細に示す回路図である。
【図5】図4と同じ部分を示す別の従来例の回路図であ
る。
【符号の説明】
1 駆動素子列(NANDゲート列) 2、3 記憶回路 4 デコード回路 〜 イネーブル信号 D1 〜D3 動作選択用の信号

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動作選択用の信号を受け、時間順次に複数
    のタイミングに分割して個別のイネーブル信号を出力す
    るデコーダ回路と、 前記イネーブル信号を受け発熱抵抗体列を時間順次に分
    割して駆動する複数の駆動素子からなり、同一タイミン
    グのイネーブル信号が、前記駆動素子の複数分の間隔に
    飛ばされた位置の駆動素子に与えられる駆動素子列と、 この駆動素子列に印字用データを供給する記憶回路と、
    を備えるサーマルヘッド駆動回路。
  2. 【請求項2】動作選択用の信号を受け、時間順次に複数
    のタイミングに分割して個別のイネーブル信号を出力す
    るデコーダ回路、前記イネーブル信号を受け発熱抵抗体
    列を時間順次に分割して駆動する複数の駆動素子からな
    り、同一タイミングのイネーブル信号が、前記駆動素子
    の複数分の間隔に飛ばされた位置の駆動素子に与えられ
    る駆動素子列、この駆動素子列に印字用データを供給す
    る記憶回路、を備えるサーマルヘッド駆動回路と、 印字ヘッドを形成する発熱抵抗体列と、 前記サーマルヘッド駆動回路内の記憶回路に印字用デー
    タを供給し、かつサーマルヘッド駆動回路の動作を制御
    する制御回路と、 で構成されることを特徴とする印字装置。
JP20671291A 1991-08-19 1991-08-19 サーマルヘッド駆動回路及び印字装置 Ceased JP2772170B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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