JP2758415B2 - α−オレフィン重合体の製造 - Google Patents

α−オレフィン重合体の製造

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JP2758415B2 JP63290904A JP29090488A JP2758415B2 JP 2758415 B2 JP2758415 B2 JP 2758415B2 JP 63290904 A JP63290904 A JP 63290904A JP 29090488 A JP29090488 A JP 29090488A JP 2758415 B2 JP2758415 B2 JP 2758415B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、α−オレフィンのチーグラー型重合に関す
る。更に具体的には、本発明は、チーグラー型触媒の遷
移金属含有固体触媒成分に主要な特徴を有するα−オレ
フィンのチーグラー型重合に関するものである。
本発明の固体触媒成分をチーグラー型触媒の遷移金属
成分として使用してα−オレフィンの重合を行なうと、
高活性で、立体規則性に優れた重合体を、副生重合体の
派生を少なくして製造することが可能である。
発明の背景 従来提案されているチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分として含有する固体触媒成分と有機アル
ミニウム化合物からなるオレフィン重合用チーグラー型
触媒は、活性は極めて高いが、製品重合体の立体規則性
が問題となる場合には重合時に電子供与性化合物を使用
する必要があった。
しかしながら、この様な電子供与性化合物を第三成分
(外部ドナー)として使用する触媒は、有機アルミニウ
ム化合物と電子供与性化合物とが反応するために重合速
度が低下することや、重合速度を高めるべく重合温度を
上昇させるとこの反応が促進されるので、重合温度を高
めて重合量アップ(製造効率アップ)を図ることが制限
されること、などから製品重合体の分子量制御をはじめ
製品重合体性能を制御することが困難となる問題があ
る。また、立体規則性を充分保つためには、実質的にか
なりの量の電子供与性化合物が必要であるため、慣用さ
れているところに従って脱触工程を省略すると、製品ポ
リマー中の電子供与性化合物に起因する臭気が問題とな
る。
従って、上記問題点を解消するために、第三成分(外
部ドナー)として電子供与性化合物を使用しないで高立
体規則性重合体を高い触媒収率で製造できる触媒系の開
発が望まれている。
先行技術 特開昭58−138715号公報には、外部ドナーを使用しな
い方法として、4価チタン、マグネシウム、ハロゲン及
び電子供与体を必須成分として含有するチタン複合体
(1)とSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物
(2)とを有機アルミニウム化合物の共存下で反応させ
て、あるいは該チタン複合体を有機アルミニウム化合物
で処理した後、該有機ケイ素化合物と反応させて得られ
た固体成分と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒
系で重合を行う方法が開示されている。
しかしながら、この提案では上記問題点の解消は進ん
でいるが、得られる製品重合体の性能面での限界があ
り、更に触媒の経時劣化、重合時のチタン成分と有機ア
ルミニウム化合物の使用量の量比に制約があるなど、ま
だ改良すべき点が多いと思われる。
一方、特開昭62−187707号公報の提案によれば、特殊
な有機アルコキシケイ素化合物を用いることにより、重
合時の有機アルミニウム化合物の使用量の制約はかなり
解消された。しかし、分子量制御や共重合体の製造等を
目的とした場合は脱触工程が省略可能な触媒収率が常に
得られているという訳ではないようであって、もう一歩
の改良が望まれる。
〔発明の概要〕
発明の要旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、チ
ーグラー型触媒の固体触媒成分として特定の構成のもの
を使用することによってこの目的を達成しようとするも
のである。
すなわち、本発明によるチーグラー型触媒用固体触媒
成分は、下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得られ
る、ものである。
成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成
分として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブデンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物。
また、本発明によるα−オレフィン重合用触媒は、下
記の成分(A)および成分(B)よりなる、ものであ
る。
成分(A) 下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得られる、チ
ーグラー型触媒用固体触媒成分。
成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成
分として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブデンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物。
成分(B) 一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7は炭素数1
〜20の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびmはそれ
ぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である)で表わされる
有機アルミニウム化合物。
さらにまた、本発明によるα−オレフィン重合体の製
造法は、下記の成分(A)および成分(B)よりなるα
−オレフィン重合用触媒に少なくとも一種のα−オレフ
ィンを接触させて重合させること、を特徴とするもので
ある。
成分(A) 下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得られる、チ
ーグラー型触媒用固体触媒成分。
成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成
分として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブデンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物。
成分(B) 一 般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7は炭素数1
〜20の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびmはそれ
ぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である)で表わされる
有機アルミニウム化合物。
発明の効果 本発明のオレフィン重合用触媒は、重合時に電子供与
性化合物(外部ドナー)を使用せずに、高活性/高立体
規則性を保つことが可能であるなど、公知触媒の問題点
を解消するものである。
これらの特色は工業生産上きわめて有利なことであ
り、触媒の特色として重要な点である。このように効果
が発現する理由については、まだ充分解析できていない
が、充分制御されていない不要なチタン成分を除去しつ
つ有効活性点の数を増し、分岐鎖状炭化水素残基を有す
る特定のケイ素化合物を有効使用することを可能にして
いることが大きな理由であると思われる。
〔発明の具体的説明〕
〔触媒〕 本発明によるα−オレフィン重合用触媒は、特定の成
分(A)および成分(B)よりなるものである。ここで
「よりなる」ということは、成分が挙示のもの(すなわ
ち、AおよびB)のみであるということを意味するもの
ではなく、合目的的な第三成分の共存を排除しない。前
記したように、本発明では外部ドナーは不要であるが、
希望するならば第三成分として併用することができる。
成分(A) 本発明での触媒の成分(A)は、下記の成分(i)〜
成分(iv)を接触させて得られるチーグラー型触媒用固
体触媒成分である。ここで、「接触させて得られる」と
いうことは対象が挙示のもの(すなわち(i)〜(i
v))のみであるということを意味するものではなく、
合目的的な第三成分の共存を排除しない。
成分(i) 成分(i)は四価のチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分として含有する固体成分である。ここで
「必須成分として含有する」ということは、挙示の三成
分の外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、こ
れらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として
存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合
したものとして存在してもよいこと、を示すものであ
る。チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含むチーグ
ラー触媒用固体成分そのものは公知のものである。例え
ば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092
号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、
同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55
−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−1
55003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001
号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、
同57−3803号、同57−34103号、同57−92007号、同57−
121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311
号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同
58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−
127708号、同58−183708号、同58−183709号、同59−14
9905号、同59−149906号各公報等に記載のものが使用さ
れる。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグ
ネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネ
シウムのカルボン酸塩等があげられる。
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(O
R4)4-nXn(ここで、R4は炭化水素残基、好ましくは炭素
数1〜10程度のもの、であり、Xはハロゲンを示し、n
は0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化合物があげ
られる。
具体例としては、TiCl4、TiBr4、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(OC2H5)2Cl2、 Ti(OC2H5)3Cl、 Ti(O-iC3H7)Cl3、 Ti(O-nC4H9)Cl3、 Ti(O-nC4H9)2Cl2、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OC2H5)(OC4H9)2Cl、 Ti(O-nC4H9)3Cl、 Ti(O-C6H5)Cl3、 Ti(O-iC4H9)2Cl2、 Ti(OC5H11)Cl3、 Ti(OC6H13)Cl3、 Ti(OC2H5)4、 Ti(O-nC3H7)4、 Ti(O-nC4H9)4、 Ti(O-iC4H9)4、 Ti(O-nC6H13)4、 Ti(O-nC8H17)4、 Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H94などが挙げられる。
また、TiX′4(ここではX′はハロゲンを示す)に後
述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源と
して用いることもできる。そのような分子化合物の具体
例としては、 TiCl4・CH3COC2H5、 TiCl4・CH3CO2C2H5、 TiCl4・C6H5NO2、 TiCl4・CH3COCl、 TiCl4・C6H5COCl、 TiCl4・C6H5CO2C2H5、 TiCl4・ClCOC2H5、 TiCl4・C4H4O等があげられる。
ハロゲンは、上述のマグネシウムおよび(または)チ
タンのハロゲン化合物から供給されるのが普通である
が、他のハロゲン源たとえばアルミニウムのハロゲン化
物やケイ素のハロゲン化物、リンのハロゲン化物といっ
た公知のハロゲン化剤から供給することもできる。
触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素またはこれらの混合物であってよく、特に塩
素が好ましい。
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にSiCl
4、CH3SiCl3、メチルハイドロジェンポリシロキサン等
のケイ素化合物、 Al(O-iC3H7)3、AlCl3、 AlBr3、Al(OC2H5)3、 Al(OCH3)2Cl等のアルミニウム化合物およびB(OCH3)3、B
(OC2H5)3、B(OC6H5)3等のホウ素化合物等の他成分の使
用も可能であり、これらがケイ素、アルミニウムおよび
ホウ素等の成分として固体成分中に残存することは差支
えない。
更に、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を
内部ドナーとして使用して製造することもできる。
この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ド
ナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸
類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類
のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニト
リル、イソシアネートのような含窒素電子供与体などを
例示することができる。
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジル
アルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコ
ール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1
ないし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトー
ルなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフ
ェノール類(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン
などの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、
ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒド
などの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ酸メ
チル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロ
ピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セロソ
ルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチ
ル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トル
イル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、
エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、γ−ブチロラクト
ン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エ
チレンなどの炭素数2ないし20の有機酸エステル類、
(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、フェニルトリエト
キシシランなどのケイ酸エステルのような無機酸エステ
ル類、(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、
トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイ
ル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし15の酸ハ
ライド類、(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエー
テルなどの炭素数2ないし20のエーテル類、(リ)酢酸
アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸ア
ミド類、(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチル
アミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジル
アミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチル
エチレンジアミンなどのアミン類、(ル)アセトニリト
ル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、
などを挙げることができる。これら電子供与体は、二種
以上用いることができる。これらの中で好ましいのは有
機酸エステルおよび酸ハライドであり、特に好ましいの
はフタル酸エステル、酢酸セロソルブエステルおよびフ
タル酸ハライドである。
上記各成分の使用量は、本発明の効果が認められるか
ぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内
が好ましい。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合
物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1000の範囲内が
よく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源
としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量
はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物が
ハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグ
ネシウムの使用量に対してモル比で1×10-2〜1000の範
囲内がよく、好ましくは0.01〜100の範囲内である。
ケイ素、アルミニウムおよびホウ素化合物を使用する
ときの使用量は、上記のマグネシウム化合物の使用量に
対してモル比で1×10-3〜100の範囲内がよく、好まし
くは0.01〜1の範囲内である。
電子供与性化合物を使用するときの使用量は、上記の
マグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3
〜10の範囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内であ
る。
成分(i)は、上述のチタン源、マグネシウム源およ
びハロゲン源、ならびに必要により電子供与体等の他成
分を用いて、例えば以下の様な製造法により製造され
る。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与
体とチタン含有化合物とを接触させる方法。
(ロ)アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化合
物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与
体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキ
シドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得
られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(また
は)ケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示される
ものが適当である。
(ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、nは
このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチスト
ークス程度となるような重合度を示す) 具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、
エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハイド
ロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジェ
ンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタ
シロキサンなどが好ましい。
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシド
および電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチ
タンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化
合物を接触させる方法。
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に
応じて電子供与体とチタン化合物を接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤お
よび(または)チタン化合物を電子供与体の存在もしく
は不存在下に接触させる方法。
本発明に用いる触媒成分(i)を、上述の様にして得
られた固体成分をそのまま用いることもできるし、この
固体成分を必要に応じて有機アルミニウム化合物の存在
下にオレフィン類と接触させて予備重合を行なって得た
ものであってもよい。
成分(i)が予備重合に付したものである場合、この
成分(i)を製造するためのオレフィン類の予備重合条
件としては特には制限はないが、一般的には次の条件が
好ましい。重合温度は、0〜80℃程度、好ましくは10〜
60℃程度である。重合量としては、固体成分1グラムあ
たり0.001〜50グラムのオレフィン数が重合することが
好ましく、さらに好ましくは0.1〜10グラムのオレフィ
ン類が重合することが好ましい。
予備重合時の有機アルミニウム成分としては、チーグ
ラー型触媒用として一般的に知られているものが使用で
きる。
具体例としては、Al(C2H5)3、 Al(iC4H9)3、 Al(C5H13)3、Al(C8H17)3、 Al(C10H21)3、 Al(C2H5)2Cl、 Al(iC4H9)Cl、 Al(C2H5)2H、Al(iC4H9)2H、 Al(C2H5)2(OC2H5)等があげられる。これらの中で好まし
いのは、Al(C2H5)3およびAl(iC4H9)3である。
また、トリアルキルアルミニウムとアルキルアルミニ
ウムハライドの併用、トリアルキルアルミニウムとアル
キルアルミニウムハライドとアルキルアルミニウムエト
キシドの併用なども有効である。
具体例を示すと、 Al(C2H5)3とAl(C2H5)2Clの併用、 Al(iC4H9)3とAl(iC4H9)2Clの併用、 Al(C2H5)3とAl(C2H5)1.5Cl1.5の併用、 Al(C2H5)3とAl(C2H5)2Clと Al(C2H5)2(OC2H5)の併用等があげられる。
予備重合時の有機アルミニウム成分の使用量は、固体
成分(A)の中のTi成分に対してAl/Ti(モル比)で1
〜20、好ましくは2〜10、である。また、予備重合時に
これらの他にアルコール、エステル、ケトン等の公知の
電子供与体を添加することもできる。
予備重合に使用するオレフィン類としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−ペンテン−1、3−メチルブテン−1、1,5−ヘキ
サジエン、スチレン、ビニルシクロヘキセン等が挙げら
れる。また予備重合時に水素を共存させることも可能で
ある。
このようにして、チタン、マグネシウムおよびハロゲ
ンを必須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成
分(i)が得られる。
成分(ii) 成分(A)を製造するために使用する成分(ii)は、
一般式R1R2 3-nSi(OR3)n(ここで、R1は分岐鎖状炭化水
素残基を、R2はR1と同一かもしくは異なる炭化水素残基
を、R3は炭化水素残基を、nは1≦n≦3の数を、それ
ぞれ示す)で表わされるケイ素化合物である。
ここで、R1はケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐
しているものが好ましい。その場合の分岐基は、アルキ
ル基、シクロアルキル基またはアリール基(たとえば、
フェニル基またはメチル置換フェニル基)であることが
好ましい。さらに好ましいR1は、ケイ素原子に隣接する
炭素原子、すなわちα−位炭素原子、が2級または3級
の炭素原子であるものである。とりわけ、ケイ素原子に
結合している炭素原子が3級のものが好ましい。
R1の炭素数は、通常3〜20、好ましくは4〜10、であ
る。
R2は、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、の分岐ある
いは直鎖状の脂肪族炭化水素基であることがふつうであ
る。
R3は脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の直
鎖状脂肪族炭化水素基、であることがふつうである。
成分(ii)のケイ素化合物の具体例としては、たとえ
ば下記に示すものがある。
(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2、 (CH3)3CSi(CH(CH3)2)(OCH3)2、 (CH3)3CSi(CH3)(OC2H5)2、 (C2H5)3CSi(CH3)(OCH3)2、 (CH3)(C2H5)CHSi(CH3)(OCH3)2、 ((CH3)2CHCH2)2Si(OCH3)2、 (C2H5)(CH3)2CSi(CH3)(OCH3)2、 (C2H5)(CH3)2CSi(CH3)(OC2H5)2、 (CH3)3CSi(OCH3)3、 (CH3)3CSi(OC2H5)3、 (C2H5)3CSi(OC2H5)3、 (CH3)(C2H5)CHSi(OCH3)、 (C2H5)(CH3)2CSi(OCH3)3 成分(iii) チーグラー触媒用固体触媒成分を構成すべき成分(ii
i)は、タングステンもしくはモリブデンのハロゲン化
合物である。これらの化合物は、チーグラー触媒の遷移
金属成分として単独で使用した場合に活性がでないの
で、使われなかったものである。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素のいず
れであってもよい。これらのうちでは後の三者が代表的
である。
成分(iii)としてのタングステンもしくはモリブデ
ンのハロゲン化合物は、当該金属とハロゲンとのみから
成るものであることがふつうである。また、タングステ
ンおよびモリブデンは、その可能なすべての原子価のも
のでありうる。
成分(iii)として適当なタングステンおよびモリブ
デンのハロゲン化合物の具体例を挙げれば、六塩化タン
グステン、五塩化タングステン、四塩化タングステン、
二塩化タングステン、六臭化タングステン、五臭化タン
グステン、二臭化タングステン、四ヨウ化タングステ
ン、二ヨウ化タングステン、五塩化モリブデン、四塩化
モリブデン、三塩化モリブデン、二塩化モリブデン、四
臭化モリブデン、三臭化モリブデン、二臭化モリブデ
ン、二ヨウ化モリブデン等がある。これらのうちで好ま
しいのは、六塩化タングステン、五塩化タングステン、
五塩化モリブデン等である。
成分(iv) チーグラー型触媒用固体触媒成分を構成すべき成分
(iv)は、アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物で
ある。
有機金属化合物であるからこの化合物は少なくとも一
つの有機基−金属結合を持つ。その場合の有機基として
は、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度、のヒド
ロカルビル基が代表的である。
原子価の少なくとも一つを有機基で充足されている有
機金属化合物の金属の残りの原子価(もしそれがあれ
ば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキ
シ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1〜10程度、好まし
くは1〜6程度)、あるいは酸素原子を介した当該金属
(具体的には、メチルアルモキサンの場合の その他で充足される。
このような有機金属化合物の具体例を挙げれば、
(イ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合
物、(ロ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエト
キシド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン等の有機
アルミニウム化合物があげられる。このうちでは、特に
有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム
化合物のさらなる具体例は、成分(B)として後記する
有機アルミニウム化合物の例示の中に見出すことができ
る。
固体触媒成分(A)の調製 成分(i)〜(iv)の接触方法および使用量は効果が
認められる限り任意のものでありうるが、一般的には、
次の条件が好ましい。
成分(i)と成分(ii)の量比は、成分(i)を構成
するチタン成分に対する成分(ii)のケイ素の原子比
(ケイ素/チタン)で0.01〜1000の範囲内がよく、好ま
しくは0.1〜100の範囲である。成分ivの成分(i)に対
する量比は、有機金属化合物の金属原子比(金属/チタ
ン)で0.01〜100、好ましくは、0.1〜30、の範囲であ
る。成分(iii)の成分(i)に対する量比は、タング
ステンあるいはモリブデン原子比(タングステンあるい
はモリブデン/チタン)で0.01〜100、好ましくは0.05
〜10、の範囲内である。
接触順序および接触回数は特に制限はないが、例え
ば、(イ)成分(i)と成分(ii)を接触させ、次に成
分(iii)と接触させ、最後に成分(iv)と接触させる
方法、(ロ)成分(i)と成分(iii)を接触させ、次
に成分(ii)および成分(iv)を逐次接触させる方法、
(ハ)成分(ii)と成分(iv)を予め接触させたもの
を、成分(i)と接触させ、さらに成分(iv)と接触さ
せる方法、(ニ)成分(i)と成分(iv)を接触させ、
次に成分(ii)、成分(iii)と逐次接触させる方法、
(ホ)成分(i)、成分(ii)、成分(iii)、および
成分(iv)を同時に接触させる方法、等がある。また、
各接触の間に洗浄工程を行なってもよい。
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃
程度、である。接触方法としては、回転ボールミル、振
動ミル、ジェットミル、媒体攪拌粉砕機などによる機械
的な方法、不活性稀釈剤の存在下に、攪拌により接触さ
せる方法などがあげられる。このとき使用する不活性稀
釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハ
ロ炭化水素、ポリシロキサン等があげられる。これらの
接触に際し、本発明の効果を損なわない限りにおいて
は、成分(i)〜(iv)以外のその他の成分、たとえば
メチルハイドロジェンポリシロキサン、ホウ酸エチル、
アルミニウムトリイソプロポキシド、三塩化アルミニウ
ム、四塩化ケイ素等、を共存させることも可能である。
また、接触時に、エチレン、プロピレン、1−ヘキセ
ン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジェン、3−
メチルブテン−1、ビニルシクロヘキサン、スチレン等
の不飽和単量体を共存させてもよい。
成分(B) 成分(B)は、一般式▲R5 3-n▼AlXnまたは、▲R6 3-m
▼Al(OR7)m(ここで、R5およびR6は同一または異っても
よい炭素数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7
炭素数1〜20の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよび
mはそれぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で
表される有機アルミニウム化合物である。具体的には、
(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウム、などのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエ
チルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミ
ニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキ
ルアルニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドな
どのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフエ
ノキシドなどのアルミニウムアルコキシド、などがあげ
られる。
これら(イ)〜(ハ)の有機アルミニウム化合物に他
の有機金属化合物、たとえば▲R8 3-a▼Al(OR9)a(ここ
で、1≦a≦3、R8およびR9は、同一または異なっても
よい炭素数1〜20程度の炭化水素残基である。)で表わ
されるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用するこ
ともできる。たとえば、トリエチルアルミニウムとジエ
チルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシド
の併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアル
ミニウムジエトキシドの併用、トリトエチルアルミニウ
ムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミ
ニウムクロライドの併用があげられる。
成分(B)の使用量は、重量比で成分(B)/成分
(A)比が0.1〜1000、好ましくは1〜100、の範囲であ
る。
〔触媒の使用/重合〕
本発明による触媒は、通常のスラリー重合に適用され
るのはもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相
無溶媒重合、溶液重合、または気相重合法にも適用され
る。また、連続重合、回分式重合または予備重合を行な
う方式にも適用される。スラリー重合の場合の重合溶媒
としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族
炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度
は室温から200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、重
合圧力は大気圧〜300kg/cm2程度、好ましくは大気圧〜5
0kg/cm2であり、そのときの分子量調節剤として補助的
に水素を用いることができる。
本発明の触媒系で重合するα−オレフィンは、一般式
R−CH=CH2(ここでRは水素原子、または炭素数1〜1
0の炭素水素残基であり、分枝基を有してもよい。)で
表わされるものである。具体的には、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1などのオレフィン類がある。好まし
いのはエチレンおよびプロピレンである。これらのα−
オレフィンの単独重合のほかに、共重合、たとえばエチ
レンとその50重量パーセントまで、好ましくは20重量パ
ーセントまで、の上記オレフィンとの共重合を行なうこ
とができ、プロピレンに対して30重量パーセントまでの
上記オレフィン、特にエチレン、との共重合を行なうこ
とができる。その他の共重合性モノマー(たとえば酢酸
ビニル、ジオレフィン等)との共重合を行なうこともで
きる。
〔実験例〕
実施例1 〔成分(A)の製造〕 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.1モル、Ti(O-nC4H9)4を0.2モル導入して、95℃で2時
間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いで
メチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのも
の)を12ミリリットル導入して、3時間反応させた。生
成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。ついで、充
分に窒素置換したフラスコに前記と同様に精製したn−
ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体
成分をMg原子換算で0.03モル導入した。ついでn−ヘプ
タン25ミリリットルにSiCl40.05モルを混合して30℃、3
0分間でフラスコへ導入して、70℃で3時間反応させ
た。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。ついで、n
−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド、0.00
3モルを混合して、90℃、30分間でフラスコ導入し、95
℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗
浄した。次いで、SiCl45ミリリットルおよびヘプタン8
0ミリリットルを導入して、90℃で4時間反応させた。
反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。生成固体
中のチタン含量は、1.78重量パーセントであった。これ
を固体成分(A)を製造するための成分(i)とした。
次に充分に窒素置換したフラスコに充分に精製したn
−ヘプタンを80ミリリットル導入し、これに上記で得た
成分(i)を4グラム、次いで成分(ii)として(CH3)3
CSi(CH3)(OCH3)2を5.56ミリモル、成分(iii)として六
塩化タングステンを0.2グラム(0.5ミリモル)導入後、
成分(iv)としてn−ヘプタンで稀釈したトリエチルア
ルミニウム22.5ミリモルを、15℃条件下30分かけて滴下
した。滴下終了後、30℃に昇温して、2時間にわたって
各成分を接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分
洗浄して、成分(A)とした。この成分(A)中には、
チタンが1.26重量パーセント含まれていた。
〔プロピレンの重合〕
攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、成分
(B)としてトリエチルアルミニウム125ミリグラム、
および上記で合成した触媒成分(A)を15ミリグラム導
入した。次いで、H2を60ミリリットル導入し、昇温昇圧
して、重合圧力=5kg/cm2G、重合温度=75℃、重合時
間=2時間の条件で重合を行なった。重合終了後、得ら
れたポリマースラリーを過により分離し、ポリマーを
乾燥した。
その結果、224.4グラムのポリマーが得られた。ま
た、過液からは0.65グラムのポリマーが回収された。
従って、触媒あたりの活性は14,000グラムポリマー/固
体触媒であった。MFR=1.6g/10分、ポリマー嵩比重=0.
456g/ccであった。また、プレス成型により、ポリマー
密度を測定したところ、0.9080g/ccであった。
実施例−2 〔成分(A)の製造〕 成分(iii)として五塩化モリブデンを0.5g(1.8ミリ
モル)用いる以外は全て実施例−1と同一条件で成分
(A)を製造した。この成分(A)中のチタン含量は、
0.89重量パーセントであった。
〔プロピレンの重合〕
実施例−1と同一条件で重合を行なった。結果は、表
−1に示す通りであった。
比較例−1、2、3 成分(ii)、(iii)、(iv)の使用を表−1に示す
条件で行なう以外は全て実施例−1と同一条件で成分
(A)を製造し、プロピレンの重合を行なった。結果
は、表−1に示す通りであった。
実施例−3 〔成分(A)の製造〕 充分に乾燥し、窒素置換した0.4リットルのボールミ
ルに12mmφのステンレス鋼製ボールを40個充填し、これ
にMgCl2を20g、フタル酸ジn−ブチルを5.2ミリリット
ル導入して、回転ボールミルで48時間粉砕した。粉砕終
了後、ドライボックス内で混合粉砕組成物をミルより取
り出した。続いて、充分に窒素置換したフラスコに、粉
砕組成物を8.8グラム導入し、さらにn−ヘプタン25ミ
リリットルとTiCl425ミリリットルを導入して100℃で3
時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗
浄した。得られた固体成分〔成分(i)〕の一部分を取
り出して組成分析したところ、Ti含量は3.01重量パーセ
ントであった。
次に、充分に窒素置換したフラスコに充分に精製した
n−ヘプタンを120ミリリットル導入し、これに上記で
得た成分(i)を4グラム、次いで成分(ii)として、
(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2を1.25ミリモル、成分(iii)と
して六塩化タングステンを0.2グラム(0.5ミリモル)、
成分(iv)としてトリエチルアルミニウムを15ミルモル
導入し、30℃で2時間接触させた。終了後、n−ヘプタ
ンで充分に洗浄して、固体成分(A)とした。この成分
(A)中には、チタンが2.30重量パーセント含有されて
いた。
〔プロピレンの重合〕
成分(A)として上記触媒成分を15ミリグラム用い、
成分(B)のトリエチルアルミニウムの使用量を250ミ
リグラムにする以外は全て実施例−1と同一条件でプロ
ピレンの重合を行なった。結果は、表−2に示す通りで
あった。
実施例−4 充分に窒素置換したフラスコに充分精製したn−ヘプ
タンを120ミリリットル導入し、これに実施例−3で得
た成分(i)を4グラム、次いで成分(iii)として六
塩化タングステンを0.2グラム(0.5ミリモル)、成分
(iv)としてトリエチルアルミニウムを15ミルモル導入
して、30℃で1時間接触させた。終了後、n−ヘプタン
で洗浄した。次いで、第三ブチルメチルジメトキシシラ
ン(任意成分)を1.25ミリモル導入して、30℃で1時間
接触させた。終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、
固体成分(A)とした。この成分中には、チタンが2.56
重量パーセント含有されていた。
〔プロピレンの重合〕
実施例−3と同一条件で重合を行なった。結果は、表
−2に示す通りであった。
実施例−5〜8、比較例−3〜4 成分(ii)〜(iv)を表−2のように変更する以外は
全て実施例−3と同一条件で固体成分(A)を製造し、
プロピレンの重合を行なった。結果は、表−2に示す通
りであった。
【図面の簡単な説明】
第1図はチーグラー触媒に関する本発明の技術内容の理
解を助けるためのものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得
    られる、チーグラー型触媒用固体触媒成分。 成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分枝鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
    かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
    を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
    るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブテンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物。
  2. 【請求項2】下記の成分(A)および成分(B)よりな
    るα−オレフィン重合用触媒。 成分(A) 下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得られる、チー
    グラー型触媒用固体触媒成分。 成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分枝鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
    かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
    を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
    るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブテンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物、 成分(B) 一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
    数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7は炭素数1
    〜20の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびmはそれ
    ぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である)で表わされる
    有機アルミニウム化合物。
  3. 【請求項3】下記の成分(A)および成分(B)よりな
    るα−オレフィン重合用触媒に少なくとも一種のα−オ
    レフィンを接触させて重合させることを特徴とする、α
    −オレフィン重合体の製造法。 成分(A) 下記の成分(i)〜(iv)を接触させて得られる、チー
    グラー型触媒用固体触媒成分。 成分(i) 四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii) 一般式R1R2 3-nSi(OR3)n (ここで、R1は分枝鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
    かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
    を、nは1≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされ
    るケイ素化合物、 成分(iii) タングステンもしくはモリブテンのハロゲン化合物、 成分(iv) アルミニウムまたは亜鉛の有機金属化合物、 成分(B) 一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
    数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7は炭素数1
    〜20の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびmはそれ
    ぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である)で表わされる
    有機アルミニウム化合物。
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