JP2758414B2 - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JP2758414B2 JP28335788A JP28335788A JP2758414B2 JP 2758414 B2 JP2758414 B2 JP 2758414B2 JP 28335788 A JP28335788 A JP 28335788A JP 28335788 A JP28335788 A JP 28335788A JP 2758414 B2 JP2758414 B2 JP 2758414B2
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満幸 松浦
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、オレフィン重合用触媒に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、特定の触媒の使用によっ
てオレフィン類、特に炭素数3以上のα−オレフィン、
の重合に適用した場合、高立体規則性重合体を安定した
重合条件で工業生産上有利に製造することを可能とする
ものである。
従来提案されているチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分として含有する固体触媒成分と有機アル
ミニウムからなるオレフィン重合用触媒は、活性は極め
て高いけれども、製品重合体の立体規則性が問題となる
場合には重合時に電子供与性化合物を使用する必要があ
った。
しかしながら、この様な第三成分(外部ドナー)とし
て電子供与性化合物を使用する触媒は、有機アルミニウ
ム化合物と電子供与性化合物が反応するために重合速度
が低下することや、重合速度を高めるべく重合温度を上
昇させると前記反応が促進されることから、重合温度を
高めて重合量アップ(製造効率アップ)を図ることが制
限されることなどから、製品重合体の分子量制御をはじ
め製品重合体性能を制御することが困難となる問題があ
る。
従って、上記問題点を解消する、第三成分(外部ドナ
ー)として電子供与性化合物を使用しないで高立体規則
性重合体を高い触媒収率で製造できる触媒系の開発が望
まれている。
先行技術 特開昭58−138715号公報には外部ドナーを使用しな
い、四価チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与
体を必須成分として含有するチタン複合体(1)と、Si
−O−C結合を有する有機ケイ素化合物(2)とを、有
機アルミニウム化合物の共存下で反応させるか、または
該チタン複合体を有機アルミニウム化合物で処理した
後、該有機ケイ素化合物と反応させて得られた固体成分
と、有機アルミニウムから形成される触媒系で重合する
方法が開示されている。
しかしながら、この提案では上記問題点の解消は進ん
でいるが、得られる製品重合体の性能面での限界があり
更に触媒の経時劣化、重合時のチタン成分と有機アルミ
ニウム化合物の使用量の量比に制約があるなどまだ改良
すべき点が多い。
〔発明の概要〕
発明の要旨 本発明は、上記の点に解決を与えることを目的とする
ものである。すなわち、本発明によるオレフィン重合用
触媒は、下記成分(A)および成分(B)よりなるもの
である。
成分(A) 下記成分(i)〜(iv)を接触させて得られた固体触
媒成分。
成分(i):四価のチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分として含有する固体成分、 成分(ii):一般式 R1 mXnSi(OR2)4-m-n (ただし、R1およびR2は炭化水素残基であり、Xはハ
ロゲンであり、mおよびnはそれぞれ0≦m≦3および
0≦n≦3であって、しかも0≦m+n≦3である。)
で表わされるケイ素化合物、 成分(iii):三価のチタンハロゲン化合物、 成分(iv):一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭
素数1〜20の炭化水素残基または水素原子であり、R7
炭化水素残基であり、Xはハロゲンであり、nおよびm
はそれぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で表
わされる有機アルミニウム化合物、 成分(B) 一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭
素数1〜20の炭化水素残基または水素原子であり、R7
炭化水素残基であり、Xはハロゲンであり、nおよびm
はそれぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で表
わされる有機アルミニウム化合物。
発明の効果 本発明のオレフィン重合用触媒は、重合時に電子供与
性化合物(外部ドナー)を使用しないので重合速度の低
下が無く、また生成ポリマーの沸騰ヘプタン抽出試験に
よる立体規則性の低下も少なく、従って重合温度を高く
しても問題を生じないなど、公知触媒の問題点を解消す
るものである。
これらの特色は、工業生産上きわめて有利なことであ
って、触媒の特色として重要な点である。このような触
媒となった理由については、まだ充分に解析できていな
いが、本発明で使用する成分(ii)のケイ素化合物、成
分(iii)のチタン化合物、成分(iv)の有機アルミニ
ウム化合物の相互作用によるものと思われる。
さらに本発明の触媒の特色として、触媒活性がきわめ
て高いことがあげられる。従来、知られている触媒の約
2倍程度の触媒活性を出すことも可能である。
〔発明の具体的説明〕
〔触媒〕 本発明の触媒は、特定の成分(A)および成分(B)
よりなるものである。ここで「よりなる」ということ
は、成分が挙示のもの(すなわち、AおよびB)のみで
あるということを意味するものではなく、合目的的な第
三成分の共存を排除しない。
成分(A) 本発明の触媒の成分(A)は、下記の成分(i)ない
し成分(iv)を接触させて得られる固体触媒成分であ
る。ここで、「接触させて得られる」ということは対象
が挙示のもの(すなわち(i)〜(iv)のみであるとい
うことを意味するものではなく、合目的的な第五成分の
共存を排除しない。
成分(i) 成分(i)は、四価のチタン、マグネシウムおよびハ
ロゲンを必須成分として含有する固体成分である。ここ
で「必須成分として含有する」ということは、挙示の三
成分の外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、
これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物とし
て存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結
合したものとして存在してもよいこと、を示すものであ
る。チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む固体成
分そのものは公知のものである。例えば、特開昭53−45
688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483
号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589
号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、
同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同
56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−8
6905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−3803
号、同57−34103号、同57−92007号、同57−121003号、
同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−87
06号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605
号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708
号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905
号、同59−149906号各公報等に記載のものが使用され
る。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグ
ネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネ
シウムのカルボン酸塩等があげられる。これらのマグネ
シウム化合物の中でもマグネシウムハライドが好まし
い。
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(O
R3)4-nXn(ここでR3は炭化水素残基であり、好ましくは
炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、
nは0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化合物があ
げられる。具体例としては、TiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)C
l3、 Ti(OC2H5)2Cl2、 Ti(OC2H5)3Cl、 Ti(O-iC3H7)Cl3、 Ti(O-nC4H9)Cl3、 Ti(O-nC4H9)2Cl2、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OC2H5)(OC4H9)2Cl、 Ti(O-nC4H9)3Cl、 Ti(O-C6H5)Cl3、 Ti(O-iC4H9)2Cl2、 Ti(OC5H11)Cl3、 Ti(OC6H13)Cl3、 Ti(OC2H5)4、 Ti(O-nC3H7)4、 Ti(O-nC4H9)4、 Ti(O-iC4H9)4、 Ti(O-nC6H13)4、 Ti(O-nC8H17)4、 Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H94などが挙げられる。
また、TiX′4(ここではX′はハロゲンを示す)に後
述する電子供与体を反応させた分子化合物を用いること
もできる。具体例としては、 TiCl4・CH3COC2H5、 TiCl4・CH3CO2C2H5、 TiCl4・C6H5NO2、 TiCl4・CH3COCl、 TiCl4・C6H5COCl、 TiCl4・C6H5CO2C2H5、 TiCl4・ClCOC2H5、 TiCl4・C4H4O等があげられる。
これらのチタン化合物の中で好ましいものは、TiC
l4、Ti(OEt)4、 Ti(OBu)4、Ti(OBu)Cl3等である。
ハロゲン源は、上述のマグネシウム及び(又は)チタ
ンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、
アルミニウムのハロゲン化物やケイ素のハロゲン化物、
リンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供
給することもできる。
触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素又はこれらの混合物であってよく、特に塩素
が好ましい。
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にSiCl
4、CH3SiCl3、メチルハイドロジェンポリシロキサン等
のケイ素化合物、 Al(OiC3H7)3、AlCl3、 AlBr3、Al(OC2H5)3、 Al(OCH3)2Cl等のアルミニウム化合物及びB(OCH3)3、B(O
C2H5)3、B(OC6H5)3等のホウ素化合物等の他成分の使用
も可能であり、これらがケイ素、アルミニウム及びホウ
素等の成分として固体成分中に残存することは差支えな
い。
更に、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を
内部ドナーとして使用して製造することもできる。
この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ド
ナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸類
のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類の
ような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリ
ル、イソシアネートのような含窒素電子供与体などを例
示することができる。
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、ドデカノール、オクデシルアルコール、ベンジルア
ルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコー
ル、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1な
いし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトー
ルなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフ
ェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデ
ヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ
酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸
プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン
酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メ
タクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサン
カルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチ
ル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息
香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メ
チル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチ
ル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリ
ン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2ないし20の
有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチ
ル、フェニルトリエトキシシランなどのケイ酸エステル
のような無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、
ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸ク
ロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭
素数2ないし15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテ
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソ
ール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2ないし20のエ
ーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイ
ル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペ
リジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピ
コリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、(ル)アセトニリトル、ベンゾニトリル、トリニト
リルなどのニトリル類、などを挙げることができる。こ
れら電子供与体は、二種以上用いることができる。これ
らの中で好ましいのは有機酸エステルおよび酸ハライド
であり、特に好ましいのはフタル酸エステルおよびフタ
ル酸ハライドである。
上記各成分の使用量は、本発明の効果が認められるか
ぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内
が好ましい。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合
物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1000の範囲内で
よく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源
としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量
はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物が
ハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグ
ネシウムの使用量に対してモル比で1×10-2〜1000の範
囲内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。
ケイ素、アルミニウムおよびホウ素化合物の使用量
は、上記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比
で1×10-3〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1
の範囲内である。
電子供与性化合物の使用量は、上記のマグネシウム化
合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜10の範囲内が
よく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
成分(i)は、上述のチタン源、マグネシウム源およ
びハロゲン源、更には必要により電子供与体等の他成分
を用いて、例えば以下の様な製造法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与
体とチタン含有化合物とを接触させる方法。
(ロ)アルミナまたはマグネシウムをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキ
シドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得
られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(また
は)ケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示される
ものが適当である。
(ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、nは
このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチスト
ークス程度となるような重合度を示す) これらのうちでは、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサ
ン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハ
イドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロ
ジェンポリシロキサン、などが好ましい。
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシド
および電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチ
タンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化
合物を接触させる方法。
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に
応じて電子供与体とチタン化合物を接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤お
よび(または)チタン化合物を電子供与体の存在もしく
は不存在下に接触させる方法。
本発明に用いる触媒成分(i)は、上述の様にして得
られた固体成分をそのまま用いることもできるし、この
固体成分を有機アルミニウム化合物の存在下にオレフィ
ン類と接触させて予備重合を行なって得たものであって
もよい。
成分(i)が予備重合したものである場合、この成分
(i)を製造するためのオレフィン類の予備重合条件と
しては特に制限はないが、一般的には次の条件が好まし
い。重合温度としては、0〜80℃、好ましくは10〜60℃
である。重合量としては固体成分1グラムあたり0.001
〜50グラムのオレフィン類を重合することが好ましく、
さらに好ましくは0.1〜10グラムのオレフィン類を重合
することが好ましい。
予備重合時の有機アルミニウム成分としては一般的に
知られているものが使用できる(たとえば、成分(B)
として後記したようなもの、但し、成分(B)として使
用するものと同一であっても、異なっていてもよい)。
この様な有機アルミニウム化合物の具体例としては、 Al(C2H5)3、Al(iC4H9)3、 Al(C5H13)3、Al(C8H17)3、 Al(C10H21)3、Al(C2H5)2Cl、 Al(iC4H9)2Cl、Al(C2H5)2H、 Al(iC4H9)2H、Al(C2H5)2(OC2H5)等があげられる。
これらの中で好ましいのは、 Al(C2H5)3、Al(iC4H9)3である。またトリアルキルアル
ミニウムとアルキルアルミニウムハライドの併用、トリ
アルキルアルミニウムとアルキルアルミニウムハライド
とアルキルアルミニウムエトキシドの併用等も有効であ
る。
具体例を示すと、Al(C2H5)3と Al(C2H5)2Clの併用、 Al(iC4H9)3とAl(iC4H9)2Clの併用、Al(C2H5)3と Al(C2H5)1.5Cl1.5の併用、 Al(C2H5)3とAl(C2H5)2ClとAl(C2H5)2(OC2H5)の併用等
があげられる。
予備重合時の有機アルミニウム成分の使用量は、固体
成分(A)の中のTi成分に対してAl/Ti(モル比)で好
ましくは1〜20、より好ましくは2〜10、である。また
予備重合時にこれらの他にアルコール、エステル、ケト
ン等の公知の電子供与体を添加することもできる。
予備重合時使用するオレフィン類としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−ペンテン−1等が挙げられる。また予備重合時水素
を共存させることも可能である。
かくして予備重合した成分(i)が得られる。
成分(ii) 成分(A)を製造するために使用する成分(ii)は、
一般式R1 mXnSi(OR2)4-m-n(ただし、R1およびR2は炭化
水素残基であり、Xはハロゲンであり、mおよびnはそ
れぞれ0≦m≦3および0≦n≦3であって、しかも0
≦m+n≦3である)で表わされるケイ素化合物であ
る。R1およびR2は、それぞれ炭素数1〜20程度、好まし
くは1〜10、の炭化水素残基であることが好ましい。X
は、塩素が少なくとも経済性からいって好ましい。
具体例としては、 (CH3)Si(OCH3)3、 (CH3)Si(OC2H5)3、 (C2H5)2Si(OCH3)2、 (n-C6H11)Si(OCH3)3、 (C2H5)Si(OC2H5)3、 (n-C10H21)Si(OC2H5)3、 (CH2=CH)Si(OCH3)3、 Cl(CH2)3Si(OCH3)3、 Si(OCH3)4、Si(OC2H5)3Cl、 (C2H5)2Si(OC2H5)2、 (C17H35)Si(OCH3)3、 Si(OC2H5)4、 (C6H5)Si(OCH3)3、 Si(OCH3)2Cl2、 (C6H5)2Si(OCH3)2、 (C6H5)(CH3)Si(OCH3)2、 (C6H5)Si(OC2H5)3、 (C6H5)2Si(OC2H5)2、 NC(CH2)2Si(OC2H5)3、 (C6H5)(CH3)Si(OC2H5)2、 (n-C3H7)Si(OC2H5)3、 (CH3)Si(OC3H7)3、 (C6H5)(CH2)Si(OC2H5)3 (CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2、 (CH3)3CSi(HC(CH3)2)(OCH3)2、 (CH3)3CSi(CH3)(OC2H5)2、 (C2H5)3CSi(CH3)(OCH3)2、 (CH3)(C2H5)CH-Si(CH3)(OCH3)2、 ((CH3)2CHCH2)Si(OCH3)2、 C2H5C(CH3)2Si(CH3)(OCH3)2、 C2H5C(CH3)2Si(CH3)(OC2H5)2、 (CH3)3CSi(OCH3)3、 (CH3)3CSi(OC2H5)3、 (C2H5)3CSi(OC2H5)3、 (CH3)(C2H5)CHSi(OCH3)3 等があげられる。
これらの中で好ましいのは、R1のα位の炭素が2級又
は3級で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素残基、特にR1
のα位の炭素が3級であって炭素数4〜10の分岐鎖状炭
化水素残基、を有するケイ基化合物である。
成分(iii) 成分(A)を製造するために使用する成分(iii)
は、三価のチタンハロゲン化合物である。この様な三価
のチタンハロゲン化合物の具体例としては、四価のチタ
ンハロゲン化合物を還元したものであり、例えば、四価
のチタンハロゲン化合物をH2で還元したもの、金属アル
ミニウム、金属マグネシウム、金属チタニウム等で還元
したもの、有機アルミニウム、有機マグネシウム、有機
亜塩等で還元したものがあげられる。より具体的には、
TiCl3(水素還元)、TiCl3(チタン還元)、TiCl3(ア
ルミニウム還元)、TiCl3(トリエチルアルミニウム還
元)、TiCl3(ジエチルアルミニウムクロライド還
元)、TiCl3(ジエチル亜塩還元)等の三価チタンハロ
ゲン化合物があげられる。
また、前記の三価のチタンハロゲン化合物を活性化さ
せるために、振動ミル等で機械的な粉砕をしたり、エー
テルやエステル等の電子供与性化合物と接触させたり、
特定の溶剤で洗浄したりすることも可能である。
これらの中で好ましいものとしては、アルミニウム還
元、トリエチルアルミニウム還元、ジエチルアルミニウ
ムクロライド還元の、TiCl3等があげられる。
成分(iv) 成分(A)を製造するために使用する成分(iv)は、
有機アルミニウム化合物である。
成分(iv)としての有機アルミニウム化合物は、後記
の成分(B)としてのそれと同じものでも異なるもので
もよく、その具体例も成分(B)について後記したもの
の中から選ぶことができる。
成分(iv)として好ましい具体例として個々の化合物
(一般式で表わした具体例は、成分(B)についてのそ
れを参照されたい)を挙げれば、 Al(C2H5)3、Al(iC4H9)3、 Al(nC4H9)3、Al(C5H13)3、 Al(C8H17)3、Al(C10H21)3、 Al(C2H5)Cl、Al(iC4H9)2Cl、Al(C2H5)2H、Al(iC4H9)
2H、Al(C2H5)2(OC2H5)、等があげられる。
任意成分 また、本発明の性能を改良するために任意成分とし
て、炭素数2〜20のオレフィンを使用することも可能で
ある。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペ
ンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2
−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテ
ン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペン
テン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−
ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−
2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテ
ン、3−オクテン、4−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ウンデセン、1−ドデカン、1−トリデカ
ン、1−テトラデカン、1−ペンタデカン、1−ヘキサ
デカン、1−ヘプタデカン、1−オクタデカン、1−ノ
ナデカン、等があげられる。
成分(A)の製造 上述の成分(i)〜成分(iv)の接触条件は、本発明
の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一
般的には、次の条件が好ましい。接触温度は、−50〜20
0℃程度、好ましくは0〜100℃、である。接触方法とし
ては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体
攪拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存
在下に、攪拌により接触させる方法などがあげられる。
このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または
芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン
等があげられる。
本発明の成分(A)を製造するときの成分(i)〜
(iv)の接触順序は、本発明の効果が認められるかぎり
任意のものである。
このような接触態様の具体例としては、次のようなも
のがあげられる。
(イ)成分(i)→{成分(ii)+成分(iii)+成分
(iv)} (ロ)成分(i)→{成分(iii)+成分(iv)}→成
分(ii) (ハ)成分(i)→成分(iii)→{成分(ii)+成分
(iv)} (ニ)成分(i)→成分(iii)→成分(iv)→成分(i
i) (ホ)成分(i)→成分(iv)→成分(ii)→成分(ii
i) (ヘ)成分(i)→成分(iv)→成分(iii)→成分(i
i) (ト)成分(i)→{成分(ii)+成分(iii)+成分
(iv)}→{成分(ii)+成分(iii)+成分(iv)} (チ)成分(i)→成分(iii)→{成分(ii)+成分
(iv)}→{成分(ii)+成分(iv)} (リ)成分(i)→{成分(ii)+成分(iii)+成分
(iv)}→{成分(ii)+成分(iv)} 成分(i)〜成分(iv)の量比は本発明の効果が認め
られるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次
の範囲内が好ましい。
成分(i)と成分(ii)の量比は、成分(i)を構成
するチタン成分に対する成分(ii)のケイ素の原子比
(ケイ素/チタン)で0.01〜1000、の範囲内が好まし
く、より好ましくは0.1〜100の範囲内である。
成分(iii)の使用量は、成分(i)を構成するチタ
ン成分に対する成分(iii)のチタンの原子比{チタン
(成分(iii)}/{チタン(成分(i)}で0.01〜10
0、の範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜20、の範
囲内である。
成分(iv)の使用量は、成分(i)を構成するチタン
成分に対する成分(iv)のアルミニウムの原子比(アル
ミニウム/チタン)で0.01〜100、の範囲内が好まし
く、より好ましくは0.1〜30、の範囲内である。
成分(B) 成分(B)は、一般式R5 3-nAlXnまたは、 R6 3-mAl(OR7)m(ここでR5及びR6は同一または異なって
もよい炭素数1〜20の炭化水素残基または水素原子、R7
は炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびmはそれぞれ
0≦n<3、0<m<3の数である。)で表わされる有
機アルミニウム化合物である。具体的には、(イ)トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、な
どのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノ
クロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エ
チルアルミニウムジクロライド、などのアルキルアルミ
ニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドラ
イド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、(ニ)
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウ
ムフェノキシドなどのアルミニウムアルコキシドなどが
あげられる。
これら(イ)〜(ハ)の有機アルミニウム化合物に他
の有機金属化合物、たとえば R8 3-aAl(OR9)a(ここで、1≦a≦3、R8およびR9は同
一または異なってもよい炭素数1〜20程度の炭化水素残
基である。)で表わされるアルキルアルミニウムアルコ
キシドを併用することもできる。たとえば、トリエチル
アルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドの併
用、ジエチルアルミニウムモノクロライドとジエチルア
ルミニウムエトキシドとの併用、エチルアルミニウムジ
クロライドとエチルアルミニウムジエトキシドとの併
用、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエ
トキシドとジエチルアルミニウムクロライドとの併用が
あげられる。
成分(B)の使用量は、重量比で成分(B)/成分
(A)が0.1〜1000、好ましくは1〜10、の範囲であ
る。
〔触媒の使用/重合〕
本発明の触媒は、通常のスラリー重合に適用されるの
はもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶
媒重合、溶液重合、または気相重合法にも適用される。
また連続重合、回分式重合または予備重合を行なう方式
にも適用される。スラリー重合の場合の重合溶媒として
は、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水
素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度は室温
から200℃程度、好ましくは50〜150℃、特に60〜90℃、
であり、そのときの分子量調節剤として補助的に水素を
用いることができる。スラリー重合の場合、成分(A)
の使用量は、0.0001〜0.1グラム成分(A)/リットル
溶剤の範囲内が好ましい。
本発明の触媒系で重合するオレフィン類は、一般式R
−CH=CH2(ここでRは水素原子、または炭素数1〜10
の炭化水素残基であり、分枝基を有してもよい。)で表
わされるものである。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1などのオレフィン類がある。好ましく
はエチレンおよびプロピレンである。これらの重合の場
合に、エチレンに対して50重量パーセントまで、好まし
くは20重量パーセントまで、の上記オレフィンとの共重
合を行なうことができ、プロピレンに対して30重量パー
セントまでの上記オレフィン、特にエチレン、との共重
合を行なうことができる。その他の共重合性モノマー
(たとえば酢酸ビニル、ジオレフィン等)との共重合を
行なうこともできる。
〔実験例〕
実施例1 〔成分(A)の製造〕 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.4モル、Ti(O-nC4H9)4を0.8モル導入し、95℃で2時間
反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメ
チルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのも
の)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成
した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
ついで充分に窒素置換したフラスコに上記と同様に精
製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合
成した固体成分をMg原子換算で0.24モル導入した。つい
でn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl40.4モルを混合し
て30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応
させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで
n−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.02
4モルを混合して、70℃、30分間デフラスコへ導入し、9
0℃で1時間反応させた。
反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでSiCl42
0ミリリットルを導入して80℃で6時間反応させた。反
応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。このものの
チタン含量は、1.21重量パーセントであった。
充分に窒素置換したフラスコに充分に精製したn−ヘ
プタンを50ミリリットル導入し、次いで上記で得た成分
(i)を5グラム導入し、次いで成分(ii)のケイ素化
合物として(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2を1.2ミリリットル導
入し、次いで成分(iii)のTiCl3(アルミニウム還元)
を1.1グラム、成分(iv)のトリエチルアルミニウムを
3.0グラムをそれぞれ導入して、30℃で2時間接触させ
た。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、成分
(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、成分
(B)としてトリエチルアルミニウム100グラムおよび
上記で製造した成分(A)を10ミリグラム、次いで、水
素を60ミリリットル導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5k
g/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件で
重合した。重合終了後、得られたポリマースラリーを濾
過により分離し、ポリマーを乾燥した。その結果、181.
4グラムのポリマーが得られた。一方の濾過液から0.48
グラムのポリマーが得られた。沸騰ヘプタン抽出試験よ
り、全製品I.I(以下T−I.Iと略す)は、99.1重量パー
セントであった。
MFR=1.2g/10分、ポリマー嵩比重=0.49g/CCであっ
た。
実施例2 〔成分(A)の製造〕 実施例1の成分(A)製造において、フタル酸クロラ
イドのかわりにフタル酸ジヘプチルを使用し、SiCl420
ミリリットルのかわりにTiCl4の使用量を25ミリリット
ルを使用した以外は実施例1と同様の固体成分の製造を
行った。得られた固体成分のチタン含有量は2.33重量パ
ーセントであった。
充分に窒素置換したフラスコに充分に精製したn−ヘ
プタンを50ミリリットル導入し、次いでこれに上記で得
た成分(i)を5グラム導入し、次いで成分(ii)の(C
H3)3CSi(CH3)(OCH3)2を1.3ミリリットルを導入し、次い
で成分(iii)のTiCl3(金属チタニウム還元)を1.0グ
ラム、成分(iv)のトリエチルアルミニウム2.7グラム
を導入し、40℃で2時間接触させた。接触終了後、n−
ヘプタンで充分に洗浄し、成分(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例1のプロピレンの重合において、成分(B)の
トリエチルアルミニウムの使用量を250ミリグラムにし
た以外は、同様の条件で行なった。その結果、166.3グ
ラムのポリマーが得られ、T−I.I=99.0重量パーセン
トであり、MFR=1.3g/10分、ポリマー嵩比重=0.48g/CC
であった。
実施例3 〔成分(A)の製造〕 充分に乾燥し、窒素置換した0.4リットルのボールミ
ルに12mmφのステンレス鋼製ボールを40個充てんし、こ
れにMgCl2を20g、フタル酸ジエチルを12.4ミリリットル
導入して回転ボールミルで48時間粉砕した。粉砕終了
後、ドライボックス内で混合粉砕組成物をミルより取り
出した。続いて、充分に窒素置換したフラスコに、粉砕
組成物を8.1グラム導入し、さらにn−ヘプタン25ミリ
リットルとTiCl425ミリリットルを導入して100℃で3時
間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄
した。得られた固体成分〔成分(i)〕の一部分をとり
出して組成分析したところ、Ti含量は、3.43重量パーセ
ントであった。
次に、充分に窒素置換したフラスコに充分に精製した
n−ヘプタンを50ミリリットル導入し、これに上記で得
た成分(i)を5グラム、次いで成分(ii)のジメチル
ジメトキシシラン2.1ミリリットルを導入し、次いで成
分(iv)のトリイソブチルアルミニウムを2.9グラム、
成分(iii)のTiCl3(ジエチルアルミニウムクロライド
で還元)1.6グラムを導入し、15℃で2時間接触させ
た。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、成分
(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例1と全く同様の条件でプロピレンの重合を行な
った。84.2グラムのポリマーが得られ、T−I.I=97.1
重量パーセント、MFR=5.9g/10分、ポリマー嵩比重=0.
40g/CCであった。
実施例4 〔成分(A)の製造〕 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン100ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.1モル、Ti(O-nC4H9)4を0.2モル導入し、95℃で2時間
反応させた。反応終了後、35℃に温度を下げ、1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン15ミリリットル
導入し、5時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘ
プタンで洗浄した。ついで充分に窒素置換したフラスコ
にn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成し
た固体成分をMg原子換算で0.03モル導入した。ついでSi
Cl40.06モルを20℃、30分間で導入し、50℃で3時間反
応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄し、成分
(A)を製造するための固体成分(i)とした。この固
体成分中のチタン含量は、4.52重量パーセントであっ
た。
この成分(i)を用い、成分(ii)の(CH3)3CSi(CH3)
(OCH3)2のかわりに(CH3)3CSi(CH3)(OC2H5)22.1ミリリッ
トルとした以外は、実施例1と全く同様の条件で接触を
行った。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、成
分(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例1の重合条件において、成分(A)の使用量を
15ミリグラムにし、重合温度を70℃にした以外は、実施
例1と同様にプロピレンの重合を行った。その結果、88
グラムのポリマーが得られ、MFR=7.3g/10分、T−I.I
=96.3重量パーセント、ポリマー嵩比重=0.46g/CCであ
った。
実施例5 実施例1の成分(A)の製造において、フタル酸クロ
ライドのかわりに安息香酸エチルを使用した以外は実施
例1と同様の条件で成分(A)の製造を行なった。プロ
ピレンの重合も実施例1と同様に行った。その結果、7
0.9グラムのポリマーが得られ、MFR=5.8g/10分、T−
I.I=94.8重量パーセント、ポリマー嵩比重=0.40g/CC
であった。
実施例6〜10 実施例1の成分(A)の製造において、成分(ii)お
よび成分(iv)の種類および使用量を表−1に示す化合
物にした以外は、全く同様に製造を行ない、プロピレン
の重合も全く同様に行なった。その結果を表−1に示
す。
実施例11 〔成分(A)の製造〕 実施例1と同様に成分(i)の製造を行った。
充分に窒素置換したフラスコに充分に精製したn−ヘ
プタンを50ミリリットル導入し、次いで上記で得た成分
(i)を5グラム導入し、次いで成分(ii)のケイ素化
合物として(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2を0.32ミリリット
ル、成分(iii)のTiCl3(トリエチルアルミニウム還
元)、成分(iv)のトリエチルアルミニウム1.5グラム
をそれぞれ導入し、30℃で1時間接触させた。接触終了
後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。次いで同量の成分
(ii)〜(iv)を使用して、同様に接触を行ない、同様
に洗浄して、成分(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例1の重合条件において、重合温度を80℃に変更
た以外は、全く同様の条件で重合を行なった。188.6グ
ラムのポリマーが得られ、T−I.I=99.3重量パーセン
ト、MFR=1.1g/10分、ポリマー嵩比重=0.47g/ccであっ
た。
実施例12 〔成分(A)の製造〕 実施例2と同様に成分(i)の製造を行った。
次いで、攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5
リットルのステンレス鋼製攪拌槽に、充分に脱水および
脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、トリエチ
ルアルミニウム2.2グラム、上記で得た固体成分を20グ
ラムそれぞれ導入した。攪拌槽内の温度を20℃にして、
プロピレンを一定の速度で導入し、30分間プロピレンの
重合を行なった。重合終了後、n−ヘプタンで充分に洗
浄した。一部分を取り出してプロピレンの重合量を調べ
たところ、固体成分1グラムあたりプロピレン1.13グラ
ムの成分(i)であった。充分に窒素置換したフラスコ
に充分に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入
し、次いで上記の成分(i)を5グラム導入し、これに
さらに成分(iv)のトリエチルアルミニウムを3.0グラ
ム導入し、30℃で1時間接触させた。次いで成分(ii)
の(CH3)3CSi(CH3)(OCH3)2を0.36ミリリットル導入し、4
0℃で1時間接触させた。次いで成分(iii)のTiCl
3(トリエチルアルミニウム還元)1.0グラムを導入し、
30℃で1時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで
充分に洗浄し、成分(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例1の重合条件において、重合温度を85℃に変更
した以外は、全く同様の条件で重合を行なった。173.4
グラムのポリマーが得られ、T−I.I=99.1重量パーセ
ント、MFR=1.3g/10分、ポリマー嵩比重=0.47g/ccであ
った。
実施例−13〜14 実施例1および実施例11で製造した成分(A)を使用
して6時間重合を行なった。ただし、重合条件としては
成分(B)のトリエチルアルミニウムの使用量を80ミリ
グラム、成分(A)の使用量を7ミリグラムに変更した
以外は、全く同様の条件で重合を行なった。その結果を
表−2に示す。
実施例15 〔成分(A)の製造〕 実施例1の成分(A)の製造において、成分(i)を
フラスコに導入し、次いで1−ヘキセン1.4ミリリット
ルを導入し、トリエチルアルミニウムの使用量を2.0グ
ラムに変更した以外は、全く同様に製造した。
(プロピレンの重合) 実施例1と全く同様の条件でプロピレンの重合を行な
った。233.6グラムのポリマーが得られ、T−I.I=99.3
重量パーセント、MFR=1.1g/10分、ポリマー嵩比重=0.
49g/ccであった。
比較例1 実施例−1の成分(A)の製造において、成分(ii
i)のTiCl3を使用しなかった以外は全く同様の製造を行
ない、プロピレンの重合も全く同様に行なった。108.4
グラムのポリマーが得られ、T−I.I=98.4重量%、MFR
=1.9g/10分、ポリマー嵩比重=0.47g/ccであった。
比較例2 比較−1で製造した成分(A)を使用して実施例13〜
14と同様に6時間重合を行なった。その結果を表−2に
示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのフローチャート図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)および成分(B)よりなる
    オレフィン重合用触媒。 成分(A) 下記成分(i)〜(iv)を接触させて得られた固体触媒
    成分。 成分(i):四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲ
    ンを必須成分として含有する固体成分、 成分(ii):一般式R1 mXnSi(OR2)4-m-n (ここで、R1およびR2は炭化水素残基であり、Xはハロ
    ゲンであり、mおよびnはそれぞれ0≦m≦3および0
    ≦n≦3であって、しかも0≦m+n≦3である。)で
    表わされるケイ素化合物、 成分(iii):三価のチタンハロゲン化合物、 成分(iv):一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
    数1〜20の炭化水素残基または水素原子であり、R7は炭
    化水素残基であり、Xはハロゲンであり、nおよびmは
    それぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で表わ
    される有機アルミニウム化合物、 成分(B) 一般式R5 3-nAlXnまたはR6 3-mAl(OR7)m (ここで、R5およびR6は同一または異なってもよい炭素
    数1〜20の炭化水素残基または水素原子であり、R7は炭
    化水素残基であり、Xはハロゲンであり、nおよびmは
    それぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で表わ
    される有機アルミニウム化合物。
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