JP2543521B2 - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JP2543521B2 JP62111775A JP11177587A JP2543521B2 JP 2543521 B2 JP2543521 B2 JP 2543521B2 JP 62111775 A JP62111775 A JP 62111775A JP 11177587 A JP11177587 A JP 11177587A JP 2543521 B2 JP2543521 B2 JP 2543521B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、オレフィン重合用触媒に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、特定の触媒の使用によっ
てオレフィン類、特に炭素数3以上のα−オレフィン、
の重合に適用した場合、高立体規則性重合体を安定した
重合条件で工業生産上有利に製造することを可能とする
ものである。
従来提案されているチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分として含有する固体触媒成分と有機アル
ミニウムからなるオレフィン重合用触媒は、活性は極め
て高いけれども、製品重合体の立体規則性が問題となる
場合には重合時に電子供与性化合物を使用する必要があ
った。
しかしながら、この様な第三成分(外部ドナー)とし
て電子供与性化合物を使用する触媒は、有機アルミニウ
ム化合物と電子供与性化合物が反応するために重合速度
が低下することや、重合速度を高めるべく重合温度を上
昇させると前記反応が促進されることから、重合温度を
高めて重合量アップ(製造効率アップ)を図ることが制
限されることなどから、製品重合体の分子量制御をはじ
め製品重合体性能を制御することが困難となる問題があ
る。
従って、上記問題点を解消する、第三成分(外部ドナ
ー)として電子供与性化合物を使用しないで高立体規則
性重合体を高い触媒収率で製造できる触媒系の開発が望
まれている。
先行技術 特開昭58−138715号公報には外部ドナーを使用しな
い、4価チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与
体を必須成分として含有するチタン複合体(1)と、Si
−O−C結合を有する有機ケイ素化合物(2)とを、有
機アルミニウム化合物の共存下で反応させるか、または
該チタン複合体を有機アルミニウム化合物で処理した
後、該有機ケイ素化合物と反応させて得られた固体成分
と、有機アルミニウムから形成される触媒系で重合する
方法が開示されている。
しかしながら、本発明者が知る限りではこの提案では
上記問題点の解消は進んでいるが、得られる製品重合体
の性能面での限界があって、更に触媒の経時劣化、重合
時のチタン成分と有機アルミニウム化合物の使用量の量
比に制約があるなどまだ改良すべき点が多い。
〔発明の概要〕
発明の要旨 本発明は、上記の点に解決を与えることを目的とする
ものである。すなわち、本発明によるオレフィン重合用
触媒は、下記成分(A)および成分(B)よりなるもの
である。
成分(A) 下記成分(i)〜(iii)を接触させて得られる固体
触媒成分。
成分(i):四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲ
ンを必須成分として含有する固体成分、 成分(ii):一般式 R1 mXnSi(OR24-m-n (ただし、R1およびR2は炭化水素残基であり、Xはハロ
ゲンであり、mおよびnはそれぞれ0≦m≦3および0
≦n≦3であって、しかも0≦m+n≦3である。)で
表わされるケイ素化合物、 成分(iii):有機マグネシウム化合物、 成分(B) 有機アルミニウム化合物。
発明の効果 本発明のオレフィン重合用触媒は、重合時に電子供与
性化合物(外部ドナー)を使用しないので重合速度の低
下が無く、従って重合温度を高くしても問題を生じない
など、公知触媒の問題点を解消するものである。
これらの特色は、工業生産上きわめて有利なことであ
って、触媒の特色として重要な点である。このような触
媒となった理由については、まだ充分に解析できていな
いが、本発明で使用する成分(ii)のケイ素化合物と成
分(iii)の有機マグネシウム化合物の相互作用による
ものと考えられる。
特に、成分(ii)のケイ素化合物は、後で詳細に説明
するように、分岐鎖状炭化水素残基を有するものが好ま
しいが、このような現象は公知技術から予期できないも
のであると言える。
〔発明の具体的説明〕
〔触媒〕 本発明の触媒は、特定の成分(A)および成分(B)
よりなるものである。ここで「よりなる」ということ
は、成分が挙示のもの(すなわち、AおよびB)のみで
あるということを意味するものではなく、合目的的な第
三成分の共存を排除しない。
成分(A) 本発明の触媒の成分(A)は、下記の成分(i)ない
し成分(iii)を接触させて得られる固体触媒成分であ
る。ここで、「接触させて得られる」ということは対象
が挙示のもの(すなわち(i)〜(iii))のみである
ということを意味するものではなく、合目的的な第四成
分の共存を排除しない。
成分(i) 成分(i)は、四価のチタン、マグネシウムおよびハ
ロゲンを必須成分として含有する固体成分である。ここ
で「必須成分として含有する」ということは、挙示の三
成分の外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、
これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物とし
て存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結
合したものとして存在してもよいこと、を示すものであ
る。このような固体成分は公知のものである。例えば、
特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同
54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−
131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−9051
1号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003
号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、
同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57
−3803号、同57−34103号、同57−92007号、同57−1210
03号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同
58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32
605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708
号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905
号、同59−149906号各公報等に記載のものが使用され
る。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグ
ネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネ
シウムのカルボン酸塩等があげられる。
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(OR
44-nXn(ここでR4は炭化水素残基であり、好ましくは
炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、
nは0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化合物があ
げられる。具体例としては、TiCl4、TiBr4、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(OC2H52Cl2、 Ti(OC2H53Cl、 Ti(O−iC3H7)Cl3、 Ti(O−nC4H9)Cl3、 Ti(O−nC4H92Cl2、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OC2H5)(OC4H92Cl、 Ti(O−nC4H93Cl、 Ti(O−C6H5)Cl3、 Ti(O−iC4H92Cl2、 Ti(OC5H11)Cl3、 Ti(OC6H13)Cl3、 Ti(OC2H5、 Ti(O−nC3H7、 Ti(O−nC4H9、 Ti(O−iC4H9、 Ti(O−nC6H13、 Ti(O−nC8H17、 Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H9等がある。
また、TiX′(ここではX′はハロゲンを示す)に
後述する電子供与体を反応させた分子化合物を用いるこ
ともできる。具体例としては、 TiCl4・CH3COC2H5、 TiCl4・CH3CO2C2H5、 TiCl4・C6H5NO2、 TiCl4・CH3COCl、 TiCl4・C6H5COCl、 TiCl4・C6H5CO2C2H5、 TiCl4・ClCOC2H5、 TiCl4・C4H4O等があげられる。
ハロゲン源としては、上述のマグネシウム及び/又は
チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通である
が、アルミニウムのハロゲン化物やケイ素のハロゲン化
物、リンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤か
ら供給することもできる。
触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素又はこれらの混合物であってよく、特に塩素
が好ましい。
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にSiCl
4、CH3SiCl3、メチルハイドロジェンポリシロキサン等
のケイ素化合物、 Al(O−iC3H7、AlCl3、 AlBr3、Al(OC2H5、 Al(OCH32Cl等のアルミニウム化合物及びB(OCH3
、B(OC2H5、B(OC6H5等のホウ素化合物等
の他成分の使用も可能であり、これらがケイ素、アルミ
ニウム及びホウ素等の成分として固体成分中に残存する
ことは差支えない。
更に、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を
内部ドナーとして使用して製造することもできる。
この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ド
ナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸類
のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類の
ような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリ
ル、イソシアネートの如き含窒素電子供与体などを例示
することができる。
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジル
アルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコ
ール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1
ないし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトー
ルなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフ
ェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデ
ヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ
酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸
プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン
酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メ
タクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサン
カルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチ
ル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息
香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メ
チル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチ
ル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリ
ン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2ないし20の
有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチ
ル、フェニルトリエトキシシランなどのケイ酸エステル
のような無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、
ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸ク
ロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭
素数2ないし15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテ
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソ
ール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2ないし20のエ
ーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイ
ル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペ
リジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピ
コリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニト
リルなどのニトリル類、などを挙げることができる。こ
れら電子供与体は、2種以上用いることができる。これ
らの中で好ましいのは有機酸エステルおよび酸ハライド
であり、特に好ましいのはフタル酸エステルおよびフタ
ル酸ハライドである。
上記各成分の使用量は、本発明の効果が認められるか
ぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内
が好ましい。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合
物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1000の範囲内が
よく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源
としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量
はチタン化合物および/またはマグネシウム化合物がハ
ロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネ
シウムの使用量に対してモル比で1×10-2〜1000の範囲
内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。ケイ
素、アルミニウムおよびホウ素化合物の使用量は、上記
のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10
-3〜100の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1の範囲内
である。
電子供与性化合物の使用量は、上記のマグネシウム化
合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜10の範囲内が
よく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
成分(i)は、上述のチタン源、マグネシウム源およ
びハロゲン源、更には必要により電子供与体等の他成分
を用いて、例えば以下の様な製造法により製造される。
(イ) ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供
与体とチタン含有化合物とを接触させる方法。
(ロ) アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ) ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコ
キシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて
得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物およびまた
はケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示される
ものが適当である。
(ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、nは
このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチスト
ークス程度となるような重合度を示す) これらのうちでは、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、1,3,5,7
テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9ペン
タメチルシクロペンタシロキサン、フェニルハイドロジ
ェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジェンポ
リシロキサンが特に好ましい。
(ニ) マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシ
ドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤または
チタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン
化合物を接触させる方法。
(ホ) グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物
をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要
に応じて電子供与体とチタン化合物とを接触させる方
法。
(ヘ) アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤
および/またはチタン化合物を電子供与体の存在もしく
は不存在下に接触させる方法。
成分(ii) 成分(A)を製造するために使用する成分(ii)は、
一般式R1 mXnSi(OR24-m-n(ただし、R1およびR2は炭
化水素残基であり、Xはハロゲンであり、mおよびnは
それぞれ0≦m≦3および0≦n≦3であって、しかも
0≦m+n≦3である)で表わされるケイ素化合物であ
る。R1およびR2は、それぞれ1〜20程度、好ましくは1
〜10、の炭化水素残基であることが好ましい。Xは、塩
素が少なくとも経済性からいって好ましい。
具体例としては、 (CH3)Si(OCH3、 (CH3)Si(OC2H5、 (C2H52Si(OCH3、 (n−C6H11)Si(OCH3、 (C2H5)Si(OC2H5、 (n−C10H21)Si(OC2H5、 (CH2=OH)Si(OCH3、 Cl(CH23Si(OCH3、 Si(OCH3、Si(OC2H53Cl、 (C2H52Si(OC2H5、 (C17H35)Si(OCH3、 Si(OC2H5、 (C6H5)Si(OCH3、 Si(OCH32Cl2、 (C6H52Si(OCH3、 (C6H5)(CH3)Si(OCH3、 (C6H5)Si(OC2H5、 (C6H52Si(OC2H5、 NC(CH22Si(OC2H5、 (n−C3H7)Si(OC2H5、 (CH3)Si(OC3H7、 (C6H5)(CH2)Si(OC2H5 (CH33CSi(CH3)(OCH3、 (CH33CSi(HC(CH3)(OCH3、 (CH33CSi(CH3)(OC2H5、 (C2H53CSi(CH3)(OCH3、 (CH3)(C2H5)CH−Si(CH3)(OCH3、 ((CH32CHCH2)Si(OCH3、 C2H5C(CH32Si(CH3)(OCH3、 C2H5C(CH32Si(CH3)(OC2H5、 (CH33CSi(OCH3、 (CH33CSi(OC2H5、 (C2H53CSi(OC2H5、 (CH3)(C2H5)CHSi(OCH3等があげられる。
これらの中で好ましいのは、R1のα位の炭素が2級又
は3級で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素残基、特にR1
のα位の炭素が3級であって炭素数4〜10の分岐鎖状炭
化水素残基、を有するケイ素化合物である。
成分(iii) 成分(A)を製造するために使用する成分(iii)
は、有機マグネシウム化合物である。
有機マグネシウム化合物としては、一般式R3 2-aMgXa
(ただし、R3は炭素数1〜20の炭化水素残基、Xはハロ
ゲン、aは0≦a<2の数を表わす)で表わされるもの
が適当である。ハロゲンは、塩素が少なくとも経済性か
らいって好ましい。
具体例としては(C2H5)MgCl、 (nC3H8)MgCl、(nC4H9) MgCl、(iC5H11)MgCl、 (C6H5)MgCl、(nC4H9)MgBr、 (C2H5)MgI、(C2H52Mg、 (nC3H82Mg、(nC4H92Mg、 (nC6H112Mg、(C2H5) (nC4H9)Mg、(C6H52Mg等があげられる。
成分(A)の製造 上述の成分(i)〜成分(iii)の接触条件は、本発
明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、
一般的には、次の条件が好ましい。接触温度は、−50〜
200℃程度、好ましくは0〜100℃、である。接触方法と
しては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒
体攪拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の
存在下に、攪拌により接触させる方法などがあげられ
る。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族ま
たは芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキ
サン(たとえば、前記したポリマーケイ素化合物)等が
あげられる。
成分(i)〜成分(iii)の量比は本発明の効果が認
められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、
次の範囲内が好ましい。成分(i)と成分(ii)の量比
は、成分(i)を構成するチタン成分に対する成分(i
i)のケイ素の原子比(ケイ素/チタン)で0.01〜1000
の範囲内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。
成分(iii)の使用量は、成分(i)を構成するチタン
成分に対する成分(iii)のマグネシウムの原子比(マ
グネシウム/チタン)で0.01〜100の範囲内がよく、好
ましくは0.1〜30の範囲内である。
成分(B) 成分(B)は、有機アルミニウム化合物である。具体
例としては、R5 3-nAlXnまたは、R6 3-mAl(OR7(こ
こでR5及びR6は同一または異なってもよい炭素数1〜20
程度の炭化水素残基または水素原子、R7は炭化水素残
基、Xはハロゲン、nおよびmはそれぞれ0≦n<3、
0<m<3の数である。)で表わされるものがある。具
体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキ
シルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデ
シルアルミニウム、などのトリアルキルアルミニウム、
(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブ
チルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウム
セスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、
などのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルミニ
ウムアルコキシドなどがあげられる。
これら(イ)〜(ハ)の有機アルミニウム化合物に他
の有機金属化合物、たとえばR8 3-aAl(OR9(ここ
で、1≦a<3、R8およびR9は同一または異なってもよ
い炭素数1〜20程度の炭化水素残基である。)で表わさ
れるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用すること
もできる。たとえば、トリエチルアルミニウムとジエチ
ルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアルミニウ
ムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドと
の併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアル
ミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアルミニウ
ムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミ
ニウムクロライドとの併用があげられる。
成分(B)の使用量は、重量比で成分(B)/成分
(A)が0.1〜1000、好ましくは1〜100の範囲である。
〔触媒の使用/重合〕
本発明の触媒は、通常のスラリー重合に適用されるの
はもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶
媒重合、溶液重合、または気相重合法にも適用される。
また連続重合、回分式重合または予備重合を行なう方式
にも適用される。スラリー重合の場合の重合溶媒として
は、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水
素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度は室温
から200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、そのとき
の分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。
本発明の触媒系で重合するオレフィン類は、一般式R
−CH=CH2(ここでRは水素原子、または炭素数1〜10
の炭化水素残基であり、分枝基を有してもよい。)で表
わされるものである。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1などのオレフィン類がある。好ましく
はエチレンおよびプロピレンである。これらの重合の場
合に、エチレンに対して50重量パーセントまで、好まし
くは20重量パーセントまで、の上記オレフィンとの共重
合を行なうことができ、プロピレンに対して30重量パー
セントまでの上記オレフィン、特にエチレン、との共重
合を行なうことができる。その他の共重合性モノマー
(たとえば酢酸ビニル、ジオレフィン等)との共重合を
行なうこともできる。
〔実 験 例〕
実施例1 〔成分(A)の製造〕 充分に乾燥し、窒素置換した0.4リットルのボールミ
ルに12mmφのステンレス鋼製ボールを40個充てんし、こ
れにMgCl2を20g、フタル酸ジヘプチルを15.5ミリリット
ル導入して回転ボールミルで48時間粉砕した。粉砕終了
後、ドライボックス内で混合粉砕組成物をミルより取り
出した。続いて、充分に窒素置換したフラスコに、粉砕
組成物を8.8グラム導入し、さらにn−ヘプタン25ミリ
リットルとTiCl425ミリリットルを導入して100℃で3時
間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄
した。得られた固体成分〔成分(i)〕の一部分をとり
出して組成分析したところ、Ti含量は、3.01重量パーセ
ントであった。
次に、充分に窒素置換したフラスコに充分に精製した
n−ヘプタンを50ミリリットル導入し、これに上記で得
た成分(i)を5グラム、次いで成分(ii)として(CH
33CSi(CH3)(OCH3を1.2ミリリットルおよび成
分(iii)としてMg(C2H5)(C4H9)を0.99グラム導入
して、30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプ
タンで充分に洗浄し、成分(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレープに、充分に脱水および
脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、成分
(B)としてトリエチルアルミニウム125ミリグラム、
および上記で合成した触媒成分(A)を15ミリグラム導
入した。次いで、H2を60ミリリットル導入し、昇温昇圧
して、重合圧力=5kg/cm2G、重合温度=75℃、重合時間
=2時間の条件で重合を行なった。重合終了後、得られ
たポリマースラリーを過により分離し、ポリマーを乾
燥した。
その結果、77.4グラムのポリマーが得られた。一方、
過液から0.8グラムのポリマーが得られた。沸騰ヘプ
タン抽出試験より、全製品I.I(以下T−I.Iと略す)
は、97.1重量パーセントであった。MFR=4.6g/10分、ポ
リマー嵩比重=0.40g/ccであった。
実施例2 〔成分(A)の製造〕 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.1モル、Ti(O−nC4H9を0.2モル導入し、95℃で
2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次
いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークス
のもの)を12ミリリットル導入し、3時間反応させた。
生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。ついで充
分に窒素置換したフラスコに前記と同様に精製したn−
ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体
成分をMg原子換算で0.03モル導入した。ついで、n−ヘ
プタン25ミリリットルにSiCl40.05モルを混合して30
℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させ
た。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−
ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.003モ
ルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、95℃
で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄
した。次いでTiCl45ミリリットルを導入して、100℃で
6時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に
洗浄した。チタン含量は、2.45重量パーセントであっ
た。固体成分(A)を製造するための成分(i)とし
た。
この成分(i)を用い、成分(ii)の(CH33CSi(C
H3)(OCH3の使用量を1.6ミリリットルに変更した
以外は実施例1と同様の条件で接触を行なった。接触終
了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、成分(A)とし
た。
〔プロピレンの重合〕
成分(B)のトリエチルアルミニウムの使用量を150
ミリグラムとした以外は実施例1のプロピレンの重合と
同様の条件でプロピレンの重合を行なった。
その結果、146グラムのポリマーが得られ、MFR=3.2g
/10分、T−I.I=97.9重量パーセント、ポリマー嵩比重
=0.48g/ccであった。
実施例3〜6 実施例2の固体成分(A)の製造において、成分(i
i)のケイ素化合物として(CH33CSi(CH3)(OCH3
のかわりに表−1に示す化合物を使用した以外は実施
例2と同様に触媒の製造を行ない、プロピレンの重合も
実施例2と同様に行なった。その結果を表−1に示す。
実施例7〜9 実施例3のプロピレンの重合において、成分(B)の
有機アルミニウムのかわりに表−2に示す有機アルミニ
ウム化合物を使用した以外は実施例3と同様に重合を行
なった。その結果を表−2に示す。
実施例10 〔成分(A)の製造〕 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン100ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.1モル、Ti(O−nC4H9を0.2モル導入し、95℃で
2時間反応させた。反応終了後、35℃に温度を下げ、1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを15ミリ
リットル導入して、5時間反応させた。生成した固体成
分をn−ヘプタンで洗浄した。ついで、充分に窒素置換
したフラスコにn−ヘプタン50ミリリットルを導入し、
上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.03モル導入し
た。ついでSiCl40.06モルを20℃、30分間で導入して、5
0℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで
洗浄して、成分(A)を製造するための固体成分(i)
とした。固体成分中のチタン含量は、4.52重量パーセン
トであった。
次に、充分に窒素置換したフラスコに充分に精製した
n−ヘプタンを50ミリリットル導入し、これに上記で得
た成分(i)を5グラム、次いで成分(iii)としてMg
(nC6H13を1.8グラム導入して、30℃で1時間接触
させ、接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。次
いで、成分(ii)として(CH33CSi(CH3)(OCH3
を4.7ミリリットル導入して、40℃で1時間接触させ
た。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、成分
(A)とした。
〔プロピレンの重合〕
実施例2の重合条件において、成分(B)のトリエチ
ルアルミニウムの使用量を63ミリグラムにし、重合温度
を70℃にした以外は実施例2と同様にプロピレンの重合
を行なった。95グラムのポリマーが得られ、MFR=8.9g/
10分、T−I.I=95.6重量パーセント、ポリマー嵩比重
=0.46g/ccであった。
実施例11 実施例2の成分(A)の製造において、フタル酸クロ
ライドのかわりに安息香酸エチルを使用した以外は実施
例2と同様の条件で成分(A)の製造を行なった。プロ
ピレンの重合も実施例2と同様に行なった。その結果、
70.8グラムのポリマーが得られ、MFR=6.9g/10分、T−
I.I=93.0重量パーセント、ポリマー嵩比重=0.41g/cc
であった。
実施例12 実施例1の成分(A)の製造において、成分(ii)と
して(CH33CSi(CH3)(OCH3を1.8ミリリット
ル、成分(iii)としてMg(C4H9)Clを0.52グラム導入
して50℃で1時間接触させた以外は全く同様に製造を行
ない、プロピレンの重合も全く同様に行なった。71.5グ
ラムのポリマーが得られ、T−I.I=95.3重量パーセン
ト、MFR=5.7g/10分、ポリマー嵩比重=0.41g/ccであっ
た。
実施例13〜16 実施例2の成分(A)の製造において、成分(ii)の
ケイ素化合物として表−3に示す化合物を使用した以外
は実施例2と同様に触媒の製造を行ない、プロピレンの
重合も実施例2と同様に行なった。その結果を表−3に
示す。
実施例17 〔成分(A)の製造〕 実施例2と同様にMgCl2、Ti(O−nC4H9およびメ
チルハイドロジェンポリシロキサンを反応させて固体成
分を合成し、充分に精製したフラスコに上記で合成した
固体成分をMg原子換算で0.03モル導入した。ついでn−
ヘプタン25ミリリットルにSiCl40.05モルを混合して、3
0℃、1時間でフラスコへ導入し、90℃で4時間反応さ
せた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn
−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.0027
モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、95
℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗
浄した。次いでSiCl40.02モルを導入し、90℃で4時間
反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し
た。チタン含量は、1.78含量であった。固体成分(A)
を製造するための成分(i)とした。
この成分(i)を用い、成分(ii)の(CH33CSi(C
H3)(OCH3の使用量を1.2ミリリットルに変更した
以外は実施例1と同様の条件で接触を行なった。接触終
了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、成分(A)とし
た。
〔プロピレンの重合〕 実施例2の重合条件において、重合温度を85℃にした
以外は、全く同様の条件でプロピレンの重合を行なっ
た。153グラムのポリマーが得られ、MFR=4.3g/10分、
T−I.I=98.2重量パーセント、ポリマー嵩比重=0.44g
/ccであった。
比較例1〜2 実施例1〜2の成分(A)の製造において、成分(ii
i)としてMg(C2H5)(C4H9)を使用しなかった以外
は、全く同様に成分(A)の製造を行ない、プロピレン
の重合も全く同様に行なった。その結果を表−4に示
す。
比較例3 実施例2の成分(A)の製造において、成分(ii)お
よび成分(iii)を使用しないで成分(A)の製造を行
ない、プロピレンの重合も全く同様に行なった。118グ
ラムのポリマーが得られ、MFR=30.6g/10分、ポリマー
嵩比重=0.32g/cc、T−I.I=68.9重量パーセントであ
った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)および成分(B)よりなる
    オレフィン重合用触媒。 成分(A) 下記成分(i)〜(iii)を接触させて得られる固体触
    媒成分。 成分(i):四価のチタン、マグネシウムおよびハロゲ
    ンを必須成分として含有する固体成分、 成分(ii):一般式 R1 mXnSi(OR24-m-n (ただし、R1およびR2は炭化水素残基であり、Xはハロ
    ゲンであり、mおよびnはそれぞれ0≦m≦3および0
    ≦n≦3であって、しかも0≦m+n≦3である。)で
    表わされるケイ素化合物、 成分(iii):有機マグネシウム化合物、 成分(B) 有機アルミニウム化合物。
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