JP2750288B2 - 電力用信号処理システム - Google Patents

電力用信号処理システム

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JP2750288B2
JP2750288B2 JP7308002A JP30800295A JP2750288B2 JP 2750288 B2 JP2750288 B2 JP 2750288B2 JP 7308002 A JP7308002 A JP 7308002A JP 30800295 A JP30800295 A JP 30800295A JP 2750288 B2 JP2750288 B2 JP 2750288B2
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J3/00Circuit arrangements for ac mains or ac distribution networks
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02HEMERGENCY PROTECTIVE CIRCUIT ARRANGEMENTS
    • H02H3/00Emergency protective circuit arrangements for automatic disconnection directly responsive to an undesired change from normal electric working condition with or without subsequent reconnection ; integrated protection

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統、配電系統等
の送配電系統における電力用保護システム、制御システ
ムに用いて好適な電力用信号処理システムに係り、特
に、処理手段を処理機能に基づいてそれぞれ複数のユニ
ットに最適分散してなる、マルチプロセッサ方式に基づ
く、電力用信号処理システムおよびそれに関連する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力系統においては、保護継電器
としてディジタルリレーが開発され、電圧、電流等の信
号を、一定時間間隔でサンプリングしたデータを演算処
理し、系統故障を検出し、系統を保護している。
【0003】この種のディジタルリレーとして、従来提
案されているものは、例えば、電気学会誌105巻12
号第12頁以下に記載されているように、入力部、処理
部、整定部および出力部を備えて構成される。このリレ
ーでは、前記入力部に、フィルタ、サンプルホールド回
路、マルチプレクサ、アナログディジタル変換器および
バッファを有している。また、前記処理部に、CPU
(マイクロプロセッサ)、RAMおよびROMを備え
て、リレー演算を行なう。この場合、複数のリレー機能
を、CPUが時分割多重処理により実行している。
【0004】また、同様のディジタルリレー装置とし
て、第29図に示すものが提案されている。
【0005】この装置は、入力部A、整定パネルB、出
力部Cおよびデータ処理部Dを有している。
【0006】入力部Aは、補助変成器A1,A2と、ア
ナログフィルタA3,A4と、サンプルホールド回路A
5,A6と、マルチプレクサA7と、アナログディジタ
ル変換器A8とを備えている。出力部Cは、引き外し回
路を備えている。また、データ処理部Dは、システム内
部の制御および入力データについての各種演算を実行す
る中央処理装置(CPU)D1と、該CPUD1のワー
クエリアおよびデータ記憶エリアとなるRAMD2と、
CPUD1の制御プログラムおよび演算プログラムを格
納するROMD2と、前記入力部Aおよび整定パネルB
からの入力信号を取り込む入力インタフェースD4と、
演算の結果得られる制御信号を出力部に出力する出力イ
ンタフェースD5とを備えて構成される。
【0007】このディジタルリレー装置は、送電線Lに
ついて配設された変流器CT、変圧器PT等から電流、
電圧の信号を得て、これについて、予め定めたアルゴリ
ズムに従って演算し、事故の有無を監視する。そして、
例えば、送電線Lに、地絡等の事故が発生すると、これ
により変動した電流、電圧信号を受け、これらの信号に
基づいて演算して、事故点を求め、最適な位置にある遮
断器の引き外しを指示する信号を出力する。
【0008】ところで、近年、系統事故現象の複雑化に
対処するため、保護性能の高度化、高速化、高精度化等
が要求されつつある。そのため、多数のデータを、種々
のアルゴリズムに従って、それぞれ高速で演算処理する
必要が生じている。
【0009】ところが、前述したような形式のディジタ
ルリレーでは、演算処理部の処理能力に限界があり、処
理すべきデータが多い場合には、対応が困難である。そ
のため、複数台のディジタルリレーを並設して対応せざ
るを得ず、システムが全体として大型化することが避け
られないという問題があった。
【0010】しかも、その場合でも、システムが、独立
して機能する複数のディジタルリレーの集合体であるた
め、それらの間での協調、例えば、演算結果の共用等が
容易でなく、結局、それぞれ独立に演算を実行せざるを
得ず、効率が悪いという問題がある。
【0011】これに対して、複数のマイクロプロセッサ
により処理を実行するマルチプロセッサ方式のものが提
案されている。
【0012】この種の方式としては、例えば、特開昭6
0−84912号公報に開示されるように、保護演算処
理を、保護リレーの要素別に個別の演算処理に分割し、
各演算処理をそれぞれ独立した演算モジュールで行なう
ように構成し、かつ、各演算モジュール間は、シリアル
情報伝送ラインで結合し、各演算モジュールで自己に必
要な情報のみを入力して、予め割り当てられた演算を行
なって、シリアル情報伝送ラインに出力するように接続
して構成されるものがある。
【0013】また、昭和61年電気学会全国大会No.131
9に記載される電力用のディジタル保護リレー装置があ
る。このものは、保護リレーに係る機能を複数のユニッ
トに分割し、それぞれのユニットを1枚のプリント板に
実装し、これらをシステムバスを介して接続した構成と
なっている。ユニットとしては、アナログ入力、演算、
整定、事故検出、電源、入力変換器、表示、出力、入
力、補助リレーに分割されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
複数個の演算モジュールにより構成される例は、保護演
算を要素別に分割し、各分割した保護演算を格別にパイ
プライン方式で演算している。
【0015】しかし、データをシリアル伝送ラインで転
送しているため、転送に時間がかかること、また、各モ
ジュールにおいてシリアルパラレル変換しなければなら
ないこと等により、各モジュールでの処理のオーバーヘ
ッドが大きくなり、多量のデータをリアルタイムで処理
しなければならない保護リレーには、処理能力の点で不
十分である。また、多数の要素があるリレー装置の場
合、多数の演算モジュールを必要として、装置が大型化
すると共に、各モジュールのデータの転送により多くの
時間がかかり、高速処理が困難と成る。
【0016】一方、電気学会誌に開示されたディジタル
リレーは、保護リレーに係る機能を複数のユニットに分
割した構成になってはいる。しかし、このものは、各ユ
ニット間のデータ転送、動作のタイミング等の制御につ
いて配慮されていない。
【0017】すなわち、あるユニットが、他のユニット
との間で、データ転送を実行しようとする場合に、バス
の使用権の確保、それぞれのユニットが相互に通信可能
か否か等の制御を、それぞれのユニットにおいて実行し
なければないため、制御が複雑になると共に、各ユニッ
トにそのための機能を必要として、オーバーヘッドが大
きくなるという問題がある。しかも、バスが他のユニッ
トにより使用されていれば、データの転送を待たなけれ
ばならない。これは、短時間で多量のデータを処理する
必要のある電力用のリレー装置としては、無視できない
問題である。
【0018】また、これらの制御機能は、システムの構
成に合わせて各ユニット単位で設けられるため、システ
ムごとに異なり、標準化しにくいという欠点がある。
【0019】さらに、前記従来のリレー装置では、シス
テムを拡張する場合に、各ユニットごとに、制御機能の
再設定を行なう必要がある。この再設定は、各ユニット
のマイクロプロセッサの制御プログラムの書き換えによ
り行なうことになるので、すべてのマイクロプロセッサ
の制御プログラムを書き換えなければならず、手間がか
かる。しかも、この場合、各ユニットの機能の特性の相
違を考慮して、制御プログラムを作成する必要があるの
で、拡張の許容範囲が狭いという問題がある。
【0020】また、マイクロプロセッサを用いて演算等
の処理を行なっているため、特に、高速演算を行なうユ
ニットの処理能力にも限界があり、高速性を求めると精
度が低下し、精度を求めると速度が低下するという問題
がある。これに対して、処理能力を向上させようとする
場合には、多くのユニットを追加せざるを得ない。しか
し、システム内にユニットを追加することは、前述した
ように種々の問題がある。
【0021】このため、システム自体を複数台並設し
て、全体の処理能力を向上することが考えられるが、装
置が大規模化すると共に、消費電力の増大、コストの上
昇などの問題があった。また、並設されるシステム間の
連携が容易でないため、並設して動作するシステムの連
携が必要な機能については、信頼度が低下するので、高
度な機能の実現が困難である。
【0022】さらに、一般的に、アナログ入力部は信頼
度が低いので、データの信頼性を上げるには、入力信号
を点検信号に切り換えて一定周期(例えば、1回/1日
程度)で、全チャネルを点検せざるをえない。このた
め、従来は、点検用の特別の追加回路を有している。そ
のため、ハードウェア量が多くなると共に、ソフトウェ
ア処理も複雑化し、高信頼度化のネックとなっていた。
【0023】本発明の目的は、電力系統の広い範囲、例
えば、電圧階級500kV〜6.6kVで、送電線、母
線、変圧器、発電機、電圧安定制御装置、静止形無効電
力補償装置などにシリーズ展開ができるようにするため
に、ユニットの追加、組み替えができて、小形で装置の
拡張性、柔軟性、高機能化、多機能化に対応できる、電
力用信号処理システムを提供することにある。
【0024】本発明の他の目的は、システムを大型化さ
せることなく、ユニットのディジタル演算処理能力を大
幅に向上させ(高速処理)、処理機能の高速化を図って
高精度化を実現することができる電力用信号処理システ
ムを提供することにある。
【0025】さらに、本発明の他の目的は、ユニットの
最適機能分割および各ユニットにプロセッサを搭載する
ことによって、診断機能を充実させ、装置の信頼度の向
上を図ると共に、装置のアナログ入力部からの点検入力
を入れて行なう自動点検機能をなくした小形で高信頼
度、高性能な電力用信号処理システムを提供することに
ある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、次のよ
うにして達成される。
【0027】すなわち、電力用信号処理システムにおけ
る信号の取り込みから演算結果に基づく信号の出力まで
の一連の処理を、処理機能に基づいて分割して実行する
複数のユニットを設け、かつ、これらのユニット間のデ
ータ転送を、前記一連の処理が分割された処理機能ごと
に順次実行されるよう制御する機能を有するシステムコ
ントロールユニットを設けことにより達成される。
【0028】また、本発明において、前記処理を分割し
て実行するユニットのうち、高速演算を実行するユニッ
トに、ディジタル・シグナル・プロセッサを搭載するこ
とにより、高速演算処理が可能となる。
【0029】本発明の電力用信号処理システムにおける
信号の取り込みから演算結果に基づく信号の出力までの
一連の処理処理機能は、好ましくは、システムコント
ロール、アナログ入力、保護演算(リレー演算)ま
たは制御演算、シーケンス処理、整定・表示、デ
ィジタル入出力、に分割して、各々を個別のユニットと
する。また、これに、フェイルセーフを考慮して、独立
に機能する、事故検出ユニットを付加することが好まし
い。
【0030】これらのユニットは、次のように構成する
ことが好ましい。
【0031】(1)上記〜およびのユニットには、
プロセッサを搭載する。
【0032】(2)上記〜は、汎用システムバス、好
ましくは、例えば、マルチバス、VMEバスなどの世界
標準バスを介して接続する。
【0033】(3)上記のディジタル入出力ユニット
は、上記のシーケンス処理ユニットと上記汎用システ
ムバスとは異なるバスを介して接続する。
【0034】(4)上記の事故検出ユニットは、上記
〜とはハードウェアを全く分離して設ける。これは、
互いに干渉を避けるためである。
【0035】さらに、処理高速化の目的を達成するため
に、上記したように、〜のユニットにはプロセッサ
を搭載し、特に、のアナログ入力ユニットとの保護
(制御)演算ユニットには、高速演算ができるディジタ
ル・シグナル・プロセッサDSPを搭載する。他のユニ
ットのプロセッサは、汎用のマイクロプロセッサを搭載
する。そして、〜のユニットは、それぞれに並列動
作ができるようにする。すなわち、システムコントロー
ルユニットにより、各ユニットに対してデータを順次転
送するよう制御を行なうことにより、一連の処理を、各
ユニットが協調して実行するように制御する。
【0036】さらに、上記他の目的を達成するため、本
発明は、各処理ユニットに、それ自身と他のユニットの
両者がアクセスできるメモリを設け、このメモリに、予
め設定した情報を、当該ユニットまたは他のユニットが
周期的に書き込み、これを書き込んだユニットとは異な
るユニットが周期的に読みだして、読みだした情報が予
め設定した情報か否か判定して、ユニットの動作状態を
監視する機能を備える構成と成っている。
【0037】また、各ユニットはプロセッサを搭載して
いるので、前記相互チェックのほか、自己判断(セルフ
チェック)を実施するようにしてユニット単位の不良を
検出できるようにしてもよい。
【0038】さらに、アナログ入力信号に、ハードチェ
ックのためのチェック信号を常に重畳させ、このチェッ
ク信号を、ディジタルフィルタによりシステムの性能に
影響のない値まで除去すると共に、この信号成分のみを
上記のアナログ入力ユニット内のディジタル・シグナ
ル・プロセッサで抽出し、アナログ入力部の正常性を常
にチェックするようにしてもよい。
【0039】
【作用】電力系統の保護または制御に係る処理機能は、
前記〜を適宜選択、組み合わせることにより実現で
きる。しかも、各ユニット間のデータ転送を、システム
コントロールユニットが制御するので、システムを構築
する際、システムコントロールユニットによる転送制御
について当該システム対応に設定するのみで、各ユニッ
トは必要な機能のものを必要な数量接続すればよい。従
って、システムの標準化が図れる。
【0040】例えば、前記した前記〜のユニットを
1ユニットずつ揃えたシステムを、基本システムとして
標準化しておく。そして、構築すべきシステムによっ
て、入力データのチャネル数が多い場合には、アナログ
入力ユニットを増設し、また、演算量が多い場合には、
演算ユニットを増設することにより、対応ができる。
【0041】従って、本発明の信号処理システムを適用
すれば、広い用途について、システム構成を展開するこ
とができる。広い範囲の電圧クラス、例えば、500k
V〜6.6kVで、種々の保護対象、例えば、送電線、
トランス、発電機、母線等について、保護または制御す
るシステムが構築できる。
【0042】さらに、ユニットの増減、変更が容易であ
るから、小形で高信頼度な多機能・高機能なディジタル
保護(制御)装置が実現できる。すなわち、拡張性・柔
軟性に富んだシステム構成が実現できる。
【0043】また、前記したおよびのユニットにつ
いて、高速演算が可能なディジタル・シグナル・プロセ
ッサ(DSP)を搭載することにより、 1) 系統に発生する高調波成分をDSPを用いたディジ
タルフィルタにより除去でき、アナログ入力ユニット
の小形化、高信頼度化が実現できると共に、従来の数倍
(2〜3倍)の高性能(高精度、高安定度)化が実現で
きる。
【0044】2) 電力系統の保護または制御に係る演算
が、短時間で処理できると共に、浮動小数点演算形DS
Pではダイナミックレンジが広くなり、スケーリングな
どの手間も不要となる。さらには、処理が高速になるた
め、多くの機能(多機能)、高機能な処理が可能とな
り、制御および保護特性の高性能化(高精度、高速動
作)、小形化・高信頼度化、低コスト化が実現できる。
【0045】一方、ユニット〜は、プロセッサを搭
載し、それぞれに演算周期をフルに使用したオーバーヘ
ッドのない並列動作が可能であるため、それぞれのユニ
ット、すなわち、システムの処理能力を向上(スループ
ットの向上)させることができる。
【0046】さらに、のユニットに高速のDSPを適
用し、電力系統に発生する高調波をディジタルフィルタ
により除去することにより、公知アナログフィルタにお
ける抵抗やコンデンサなどのばらつきによる特性のばら
つきがない(高精度)、安定(経年変化がない、温度変
動の影響を受けない)な特性を実現できる。
【0047】また、のDSPは、アナログ入力信号に
重畳させた点検・監視(チェック)用信号を、電力系統
の保護または制御に係る性能に悪影響を与えないような
値まで除去すると共に、該点検・監視用信号の振幅値お
よび周波数を高精度に常時チェックできる。従って、ア
ナログ入力信号を点検信号に切り換えて、装置の異常の
有無をチェックする、従来の自動点検を省くことができ
る。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0049】第1図に本発明の信号処理システムを適用
した電力用ディジタル保護リレー装置の一実施例の全体
ブロック構成図を示す。
【0050】図示のように、本実施例は、保護リレーに
係る処理機能を9種のユニットに分割して構成されてい
る。それらのユニットは、マルチプロセッサシステムの
ためのシステムコントロールユニット1、アナログ入力
のA/D変換およびディジタルフィルタ処理を行なうア
ナログ入力ユニット2、リレー演算ユニット3、シーケ
ンス処理ユニット4、整定・表示処理ユニット5、ディ
ジタル入出力ユニット6、事故検出ユニット7、補助リ
レーユニット8、表面パネルユニット9から構成されて
いる。
【0051】ユニット1〜5はそれぞれ汎用システムバ
スB1を介して接続されている。
【0052】また、シーケンス処理ユニットとディジタ
ル入出力ユニット6とは、汎用システムバスB1とは異
なる入出力I/OバスB2で接続されている。
【0053】さらに、事故検出ユニット7内のリレー演
算部71とシーケンス処理部72は、上記したバスB1
およびB2とは異なる入出力I/OバスB3で接続され
ている。
【0054】なお、システムには、図示しないが電源装
置を備え、これにより、各ユニットが駆動される。
【0055】次に、汎用システムバスB1に接続される
1〜5のユニット間のデータ転送制御、すなわち、マル
チプロセッサのデータ転送制御の一例について、を第2
図および第3図を用いて説明する。第2図において、ユ
ニット1〜5は、第1図のユニット1〜5と全く同一の
ものである。
【0056】システムコントロールユニット1におい
て、10は汎用マイクロプロセッサを含む制御部、11
は高速データ転送のためのダイレクト・メモリ・アクセ
ス・コントローラ(DMAC)、12はデータメモリで
ある。
【0057】アナログ入力ユニット2において、20は
浮動小数点演算形(固定小数点演算形でも可)のディジ
タル・シグナル・プロセッサDSPを含む信号処理部、
21は例えばデュアルポートランダムアクセスデータメ
モリ(DPRAM)からなるデュアルポートデータメモ
リである。
【0058】リレー演算ユニット3において、30は浮
動小数点演算形(固定小数点演算形でも可)のDSPを
含む演算処理部、31はデュアルポート・ランダムアク
セス・データメモリ(DPRAM)からなるデュアルポ
ートデータメモリである。
【0059】シーケンス処理ユニット4において、40
は汎用マイクロプロセッサを含むシーケンス処理部、4
1は前記データメモリ31と同様にDPRAMからなる
デュアルポートデータメモリである。
【0060】整定・表示処理ユニット5において、50
は汎用マイクロプロセッサを含む整定・表示処理部、5
1はDPRAMからなるデュアルポートデータメモリで
ある。
【0061】また、第2図中の信号線αは、データの取
り込み周期を知らせるための割込み信号、信号線a〜e
は、各ユニットの異常報知および異常認知信号(SYS
FAIL)である。
【0062】次に、この実施例におけるデータ転送方式
について、第3図をも参照して説明する。
【0063】第3図は、データ転送のタイミングを時系
列的に表現する。第3図において、(a)がシステムコン
トロールユニット1の処理、(b)がアナログ入力ユニッ
ト2の処理、(c)がリレー演算ユニット3の処理(d)がシ
ーケンス処理ユニット4の処理、(e)が整定・表示処理
ユニット5の処理、をそれぞれ示す。同図において、
〜の点線の矢印の方向はデータ転送の方向を示すもの
である。
【0064】まず、マスタユニット(汎用システムバス
の使用権を得、データ転送を開始できるユニット)であ
るシステムコントロールユニット1が、スレーブユニッ
ト(マスタによって行なわれるデータ転送に応答するユ
ニット)であるアナログ入力ユニット2からN周期のデ
ータを入力する。このデータは、N−1周期以前のサ
ンプルデータを用いて、該アナログ入力ユニット2が、
N周期にディジタルフィルタリング処理を行なった、例
えば、電力系統の電圧および電流情報である。このデー
タの入力は、ユニット1内の制御部10で行なっても
よいし、DMAC11で行なってもよいものである。そ
して、入力したデータはデータメモリ12に記憶す
る。
【0065】次に、システムコントロールユニット1
は、入力し記憶しているデータを、スレーブユニット
であるリレー演算ユニット3にデータ転送する。これ
が、第2図中のである。
【0066】さらに、N周期に演算したリレー演算結果
(N−1周期以前のアナログ入力ユニット出力を使用し
ている)を入力し、ユニット1内のデータメモリ12
に記憶する。
【0067】次に、システムコントロールユニット1
は、入力し、記憶しているデータを、スレーブユニッ
トであるシーケンス処理ユニット4にデータ転送する。
これが、第2図中のである。
【0068】さらに、N周期に演算したシーケンス処理
結果(N−1周期以前のリレー演算結果を使用してい
る)を入力し、ユニット1内のデータメモリ12に記
憶する。
【0069】次に、システムコントロールユニット1
は、入力し、記憶しているデータを、スレーブユニッ
トである整定・表示処理ユニット5にデータ転送する。
これが、第2図中のである。
【0070】さらに、ユニット5中のDPRAMに記憶
されているリレー用整定値を入力し、システムコント
ロールユニット1中のデータメモリ12に記憶する。こ
のデータは、リレー用の整定値であるので、上記した
データに含ませて、システムコントロールユニット1
が、リレー演算ユニット3に毎サンプリング、ユニット
2より入力したデータと一緒に転送し、ユニット3中
のDPRAM31に記憶するようにするものである。こ
のようにすることにより、整定値に変更があっても直ち
に対応することができる。
【0071】第3図から明らかなように、各ユニット
は、それぞれのデータ転送が終了すると、次のサンプル
時刻まで、各ユニットに与えられた機能をフルに処理で
きるものであることが理解できる。すなわち、各ユニッ
トは、その時刻のデータ転送が終了してから、その時刻
のデータを用いた演算処理をサンプル周期を全て使用し
て演算が可能である。これは、第2図に示した各ユニッ
ト内のデュアルポートデータメモリ21,31,41,
51を設けていることの効果によるものである。
【0072】第3図に示した、のデータ転送タイミン
グは、第3図に示した割込み信号線αによって行なうも
のである。この信号線αは、電力系統の電圧、電流をサ
ンプリングするサンプル指令に同期した信号線であり、
ユニット2より発せられるものである。このタイミング
は、原サンプリング信号のサンプリング周期を分周した
ものである。
【0073】上記したデータ転送〜はのデータ転
送の後、引き続いて行なわれるものであることは言うま
でもない。
【0074】以上、本実施例の適用されたディジタル保
護リレー装置の機能分割、全体ブロック構成および分割
された各ユニット間のデータ転送例について述べた。
【0075】ところで、上記実施例では、システムコン
トロールユニット1が、他の四つのユニット2〜5を制
御している。しかし、システムコントロールユニット1
の制御し得るユニットはこれに限られない。第3図に示
すように、システムコントロール処理の1周期内にすべ
てのユニットに対する転送処理が納まる範囲であれば、
さらに被制御ユニットを増加することができる。
【0076】ユニットの増設は、当該ユニットをシステ
ムバスB1に接続すると共に、該ユニットにアドレスを
設定し、かつ、システムコントロールユニットの制御プ
ログラムを変更すればよい。
【0077】増設するユニットは、例えば、あるユニッ
トの処理能力を向上する目的の場合には、同一機能のユ
ニットを増設すればよい。また、システムに、異なる機
能を付加したい場合には、当該機能を有するユニットを
増設すればよい。
【0078】例えば、アナログ入力ユニットを増設すれ
ば、より多くの信号の処理が可能となる。また、リレー
演算ユニットを増設すれば、より多くの演算が実行で
き、リレーの多機能化および高機能化が図れる。
【0079】一方、異なる機能を有するユニットを増設
することにより、ディジタルリレーに各種の機能を付加
することができる。例えば、通信機能を設けて、他のリ
レー装置との情報交換を行なったり、本システムを子機
として、親機において集中制御を行なったりすることが
可能となる。
【0080】また、本システムでは、ユニットの増加の
みならず、削減、変更が可能であることは、いうまでも
ない。
【0081】例えば、演算ユニットを、より高速処理の
できるユニットと交換することができる。これにより、
例えば、1周期内での演算処理能力が向上するので、処
理できる情報量が増大する。従って、より多くの信号の
処理が可能となる。また、それまで、複数の演算ユニッ
トで実行していた演算を、それより少ない数のユニット
で処理可能となり、ユニット数を削減することができ
る。逆に、処理すべき情報が同じであれば、より高精度
の演算、複雑な演算が限られた時間内で実行可能となる
ので、システムの高精度化、高機能化を図り得る。
【0082】このようなことは、システム構築の際にも
適用でき、目的に応じてユニットを選択することによ
り、ディジタルリレー装置の他、種々のシステムが構築
できる。
【0083】このように、本実施例の方式によれば、目
的に応じて種々のシステムが構築できると共に、一旦構
築したシステムの拡張、機能付加、高速化、高精度化、
高機能化等が容易に行なえる柔軟性あるシステムが構成
できる。
【0084】次に、各ユニットのそれぞれの詳細説明の
前に電力用ディジタル保護装置の概要について述べる。
処理の概要を第4図、第5図および第6図を用いて説明
する。まず、第4図を用いて、電力用保護装置の処理概
要を述べる。
【0085】ステップ2001では、電力系統よりの情
報、すなわち、例えば、送電線の電圧、電流を入力し、
さらにアナログ量をディジタル量に変換する。
【0086】ステップ2002では、事故検出あるいは
制御用の電気量を導出する。この電気量の導出には、電
力系統事故時の電圧、電流の大きさ、事故点までのイン
ピーダンスZ、抵抗分R、リアクタンス分X、事故点の
方向、事故時の周波数などがある。
【0087】ステップ2003では、ステップ2002
で導出した電気量を所定の整定値と比較判定する。比較
判定結果、事故と判定されたら、ステップ2004に進
む。
【0088】ステップ2004では、ステップ2003
で判定された事故条件が継続されているかどうかの判定
を行ない、継続されていればステップ2005に進む。
【0089】ステップ2005では、事故と判定された
のでその情報を記憶する。
【0090】ステップ2006では、ステップ2005
で記憶されている各種リレーの動作を基に、公知のシス
テムのシーケンス処理(外部条件、タイマーとの組み合
わせもある)を行ない、事故と判定された場合には、遮
断器に対する遮断指令を発するものである。
【0091】ステップ2007は、装置の点検・監視処
理である。
【0092】電力用のディジタル制御保護装置は、上記
した処理をアナログ入力のサンプリング周期内に実行
し、毎サンプル繰り返し実行するものである。
【0093】第5図には公知のリアクタンスリレー(1
要素分)とモーリレー(1要素分)の特性例を示す。図
において、jxはインピーダンスの誘導リアクタンス分
である。
【0094】第4図のステップ2002では、上記リレ
ー要素を約30〜50要素分処理し、ステップ2006
のシーケンス処理はこれらのリレー要素出力を基に、シ
ステムに対応した所期のシーケンス処理を行なうもので
ある。第5図に示したZ1およびZ2が整定値であり、保
護リレーの場合には、この値が保護範囲を決定する。こ
の値は電力系統の変更、これに伴う保護範囲の変更の場
合には、人間により装置外部よりオンラインにて変更さ
れるものであることは公知の技術である。
【0095】第6図には、第5図に示したリアクタンス
リレーの処理フロー例(第6図(a))とそれぞれの処理
ステップに対応する処理波形例(第6図(b))を示す。
図において、(a)と(b)のS1〜S7はそれぞれ対応す
るものである。
【0096】このリアクタンスリレーの場合、まず、電
圧・電流データを入力し(ステップS1,2)、これら
について種々の演算を実行し(ステップS3〜S7)、
演算結果を整定値と比較する(ステップS8)。ここ
で、演算結果が整定値より大きければ、異常状態の持続
時間を調べるためのカウンタ(図示せず)を+1歩進す
る(ステップ9)。
【0097】ついで、このカウンタの計数値が所定計数
値より大きくなったか否かを調べる(ステップS10)。
ここで、カウンタの計数値が所定計数値より大きけれ
ば、リレーを動作させるべき状態と判断して、要素リレ
ーの出力を1とする(ステップS11)。一方、計数値
が所定値に達していなければ、要素リレーの出力を0と
して、動作させないでおく(ステップS12)。
【0098】ところで、前記ステップS8において、演
算結果が整定値より小さければ、前記カウンタをクリア
し(ステップS13)、当然のことながら、要素リレー
の出力は0である(ステップS14)。
【0099】以上の説明で電力用保護リレー装置の概要
が理解できるであろう。
【0100】次に、電力系統用ディジタル保護装置に対
し、小形で装置の拡張、高機能、多機能化に対応でき、
さらに、高性能(高精度、高速度)、高信頼度化が実現
できるように最適機能分散化を図った第1図の各ユニッ
トについての一実施例の構成とその処理機能について、
以下に詳細に述べる。
【0101】まず、第1図のアナログ入力ユニット2の
一実施例について、構成および処理概要を第7図、第8
図を用いて述べる。第7図はアナログ入力ユニット(第
1図の2)の構成を示す。
【0102】図において、201は複数チャネルの折り
返し誤差防止用フィルタ、202は複数チャネルのサン
プルホールド回路(S/H)(全チャネル同時サンプリ
ング方式)、203はマルチプレクサ(MPX)、20
4はアナログ/ディジタル変換回路、205はデュアル
ポート・ランダムアクセス・メモリ(以下DPRAMと
略記する)を用いたデュアルポートのバッファメモリ、
206はタイミング発生回路、207はユニット間,他
系統,その他(入力信号など)と該ユニットとの同期化
を図るためのインターフェイス回路である。
【0103】また、200はディジタル・シグナル・プ
ロセッサ(以下DSPと略記する)、208は前記DS
P200用プログラムメモリ、209はDPRAMを用
いたデュアルポートデータメモリ、210はシステムバ
スインターフェイス回路、211は割込み発生回路、2
12は異常検出回路である。
【0104】また、信号線αはデータ取り込み用の割込
み発生信号(ユニット1に対する発生信号)、信号線e
は異常報知および認知信号(SYS FAIL)であ
る。
【0105】前記バッファメモリ205、DSP20
0、プログラムメモリ208、デュアルポートデータメ
モリ209、割込み発生回路211および異常検出回路
212は、ローカルバスLBに接続されている。また、
前記割込み発生回路211および異常検出回路212
は、システムバスB1にも接続される。さらに、デュア
ルポートデータメモリ209は、システムバスインター
フェイス回路210を介してシステムバスB1に接続さ
れる。
【0106】次に、第8図を用いて処理概要を述べる。
【0107】ステップ2020でイニシャル処理後、ス
テップ2021で、第7図に示した信号線Xを監視し、
入力情報(系統の電圧・電流)のA/D変換後のデータ
入力割込みが発生しているかをチェックする。これは、
第7図に示すDSP200が行なう。
【0108】データ入力割込みがある場合には、そのサ
ンプル時刻の全チャネルのデータをステップ2022で
入力し、ステップ2023では、そのデータおよび必要
とするそれ以前のサンプル時刻の記憶してあるデータを
用いて、全チャネル分のフィルタ演算(ディジタルフィ
ルタ演算)を行なう。もちろん、この演算は、DSP2
00が、プログラムメモリ208に記憶されている命令
に従って実行するものである。DSPの概要とディジタ
ルフィルタ演算の概要については後述する。
【0109】ステップ2024では、信頼度向上のため
の監視処理を行なう。この監視処理についていは後述す
る。
【0110】ステップ2025ではカウンタCの歩進を
行ない、ステップ2026で上記カウンタCがある一定
値(α)になったかどうかの判定を行なう。ステップ2
025,2026の処理は、ステップ2021のデータ
入力割込みの回数を計数している。このカウンタCは、
例えば、DSP200内に設定される。
【0111】ステップ2026でカウンタCがある一定
値に達した場合、ステップ2027でこのカウンタをク
リアする。ステップ2023で、フィルタ演算結果を全
チャネル分、第7図のデュアルポートデータメモリ(D
PRAM)209に記憶して、ステップ2029で、第
1図システムコントロールユニット1に対して、該デー
タを取り出す割込み発生処理を行なう。
【0112】以上の説明から明らかなように、本実施例
のアナログ入力ユニット2は、前述した電気学会誌10
5巻12号記載のディジタルリレーにおけるアナログ入
力とは、処理手順に差異がある。
【0113】すなわち、後者の公知のアナログ入力で
は、フィルタ(アナログ)→S/H(サンプルホール
ド)→MPX(マルチプレクサ)→A/D(アナログ/
ディジタル変換)→所期の演算の順であるのに対し、本
実施例のアナログ入力部は、S/H→MPX→A/D→
ディジタルフィルタ→所期の演算となっている。
【0114】また、第8図の処理フローのステップ20
26から明らかなように、ステップ2023のディジタ
ルフィルタ演算の周期は、他のユニットにデータ転送す
る周期の1/α(αは正の整数)で行なう。例えば、デ
ィジタルフィルタの演算周期を167μs(6kHzサン
プリング)として、α=10とすると、他のユニット
(本実施例では第1図のシステムコントロールユニット
1)にデータ転送する周期は、1667μs(600Hz
サンプリング相当)となる。すなわち、ディジタルフィ
ルタ演算周期をディジタル保護演算周期の1/10で行な
うものである。このαは、システムにより、任意に設
定、変更可能なものであることは言うまでもない。
【0115】また、システムにより、多くの入力チャネ
ル数を必要とする場合では、このユニットを複数システ
ムバスに接続し、これら複数ユニット間の同期を、第7
図のインターフェイス回路207を介してとり、並列処
理させるようにすればよいことは、いうまでもない。
【0116】以上の説明から明らかなように、本実施例
のアナログ入力ユニットによれば、S/H、MPX、A
/D部の誤差(オフセット電圧、ノイズ、量子化誤差)
を一括して、ディジタルフィルタが除去したデータを用
いて所期のリレー演算などが実行できるため、従来構成
に比して、大幅な特性改善ができる。
【0117】次に、第9図を用いて、第1図に示すシス
テムコントロールユニット1の一実施例について説明す
る。
【0118】同図において、100は汎用のマイクロプ
ロセッサ、101は高速データ転送用のダイレクト・メ
モリ・アクセス・コントローラ(以下DMACと略記す
る)である。
【0119】また、102は例えばPROMを用いたプ
ログラムメモリ、103はRAMを用いたデータメモ
リ、104は電気的消去・書替え可能な不揮発性メモリ
2PROMを用いて整定値等の設定値、定数、係数な
どの設定データを記憶する設定データメモリ、105は
スタティック・ランダムアクセス・メモリ(SRAM)
と上記と同様の不揮発性メモリE2PROMとを同一チ
ップ(IC)内に実装して、データを不良発生時に高速
に記憶し、不良解析を行なうための解析データメモリで
ある。
【0120】さらに、106はシステムリセット、シス
テムクロック、バスアクセス調停回路などを有するシス
テムロジック、107はシステム割込み判定回路、10
8は異常検出回路、109は、パーソナルコンピュータ
等と接続する通信インターフェイス(RS−232C)
回路、110はシステムバスインターフェイス回路であ
る。
【0121】前記解析データメモリ205は、前述のよ
うにSRAMとE2PROMとを有して構成され、スト
ア制御信号(パルス)によって、SRAMの全データが
PROMに一度に転送し、また、リコール制御信号
(パルス)によって、E2PROMの全データを一度に
SRAMに転送する機能を有する。
【0122】従って、例えば、電源オフ時、ユニットの
異常検出時等に、前記ストア制御信号を発生する構成と
しておくことにより、直前のデータが不揮発性のE2
ROMに保存でき、運転再開、不良解析に好適である。
【0123】前記マイクロプロセッサ100は、ローカ
ルバスLBに接続される。また、このローカルバスLB
には、DMAC101、設定データメモリ104、解析
データメモリ105、システムバスインターフェイス回
路110、プログラムメモリ102、データメモリ10
3、異常検出回路108、通信インターフェイス回路1
09およびシステム割込み判定回路107が接続されて
いる。
【0124】次に、第10図を用いて、第1図に示すリ
レー演算ユニット3の一実施例の構成について説明す
る。
【0125】同図において、300は演算処理用のプロ
ッセッサ(DSP)、301はEPROMを用いたDS
P用プログラムメモリ、302はデータ記憶用のDPR
AMを用いたデュアルポートデータメモリ、303はシ
ステムバスインターフェイス回路、304は異常検出回
路である。なお、上記DSPの概要については後述す
る。
【0126】このリレー演算ユニットが、第4図のステ
ップ1〜ステップ5の処理を高速に処理するものであ
る。すなわち、電力用ディジタル制御および保護のため
の処理を行なうプロセッサユニットである。システムに
よっては、このユニットを複数個、システムバスに接続
して、並列処理させることができる。
【0127】次に、第11図(a)を用いて、第9図に
示すシステムコントロールユニット1の一実施例の処理
概要を述べる。第11図(b)には第10図に示すリレ
ー演算ユニット3の処理概要を併せて示している。
【0128】システムコントロールユニット1の処理
は、第11図(a)に示すように行なわれる。
【0129】イニシャル処理後、アナログ入力ユニッ
ト2からのデータ取り込み要求(ディジタルフィルタ演
算周期のα倍)があるかどうかの判定(割込み待ち)を
行なう(ステップ1000,1001)。
【0130】第2図および第3図を用いて説明したよ
うに、各ユニットとのデータ転送処理を行なう(ステッ
プ1002)。すなわち、ユニット間のデータ転送制御
は、このシステムコントロールユニット1が行なう。
【0131】各ユニット間とのデータ転送が正常に行
なわれているかどうかの相互チェック処理を行なう(ス
テップ1003〜1007)。
【0132】ローカルおよびシステム割込み処理を行
なう(ステップ1008,1009)。
【0133】第9図の設定データメモリ104および
解析データメモリ105に記憶すべきデータの編集を行
ない、かつ、系統に事故が発生したときには、データの
セーブ処理を行なう(ステップ1010〜1012)。
【0134】自己診断(セルフチェック)処理を行な
う(ステップ1013,1015)。
【0135】システムコントロールユニット1は、以上
述べたような処理を繰り返し、データ取り込み要求、す
なわち、保護(または制御)演算周期ごとに実行するも
のである。もちろん、ユニットの組み替え、追加などに
はそれに対応してデータ転送制御を変更して処理を実行
するようにするものであることは、容易に推測できるも
のであり、図示はしていないが、これらを制御するハー
ドウェアおよびソフトウェアをユニット内に内蔵してい
ることはいうまでもない。
【0136】次に、第10図に示すリレー演算ユニット
3の処理概要を第11図(b)を参照して説明する。
【0137】(a)イニシャル処理後、前記システムコン
トロールユニット1からのデータ転送が終了したかどう
かの判定(第10図の信号線INTRYを用いた割込み
待ち)を行なう(ステップ3000,3001)。
【0138】(b)第10図のデュアルポートデータメモ
リ302に転送されたデータをDSP300内部のデー
タメモリに転送する(ステップ3002)。これは、D
SP300を用いた演算処理を高速にするためである。
【0139】(c)所期のアルゴリズムに従った電力用保
護リレー演算処理を行なう(ステップ3003)。
【0140】(d)演算結果を、第10図に示したデュア
ルポートデータメモリ302に転送する(ステップ30
04)。この演算結果を、前記したシステムコントロー
ルユニット1が後述するシーケンス処理ユニット4に転
送する。
【0141】(e)システムコントロールユニット1との
データ転送が正常に行なわれているかどうか(ステップ
3005〜3007)の相互チェック、セルフチェック
である常時監視処理を行なう(ステップ3009〜30
11)。
【0142】以上述べたように、リレー演算ユニット3
は、データ転送周期ごと、すなわち、演算周期ごとに、
繰り返し、実行されるものである。演算時間は、データ
転送終了割込みがあってから、次のデータ転送割込みが
あるまで、オーバヘッド処理がなく、フルに使用するこ
とができ、処理能力を向上することができる。また、ス
テップ3003のリレー演算処理は、第5図および第6
図で説明したような処理を、多種かつ多数実行するもの
である。
【0143】次に、第11図を用いてユニット間(シス
テムコントロールユニット1とリレー演算ユニット3)
のデータ転送による相互監視によって不良を検出する手
法例について述べる。
【0144】まず、第11図(a)のシステムコントロ
ールユニット1の監視処理について述べる。
【0145】(ステップ1003)このステップは、リ
レー演算ユニット3側がシステムコントロールユニット
1より、毎周期、所定のデータ(この例ではA)が転送
されているかどうかをチェックするための処理である。
システムコントロールユニット1は、第10図のデュア
ルポートデータメモリ302のある固定エリア(例えば
N番地とする)に毎周期、固定データAを転送する。
【0146】(ステップ1004)このステップは、シ
ステムコントロールユニット1が、第10図のデュアル
ポートデータメモリ302のある固定エリア(例えばM
番地とする)から固定データBを取り込む処理である。
このM番地のデータBは、毎周期、システムコントロー
ルユニット1でクリアされ、毎周期、リレー演算ユニッ
ト3でセットされるものである。
【0147】(ステップ1005)このステップは、ス
テップ1004で第10図のデュアルポートデータメモ
リ302のM番地からデータ(正常であればB)を入力
したので、リレー演算ユニット3が正常であれば次の周
期で再びM番地にデータBを記憶するはずであるので、
前データが残っている場合との区別のためにクリアする
処理である。
【0148】(ステップ1006)このステップは、M
番地より入力したデータがBかどうかの判定を行なうス
テップである。Bであれば、リレー演算ユニット3との
データ転送も正常と判定できる。さらに、Bであれば、
リレー演算ユニット3も、毎周期、第11図(b)のス
テップ3005の処理を正常に処理していると判定でき
る。M番地より入力したデータがBでない場合には、リ
レー演算ユニット3が正常に動作していないと判定でき
る。なぜなら、データの転送が異常かどうかは、M番地
とのアクセスが正常にできなければ、別の番地(例えば
M+1番地)をアクセスすることにより、その異常の有
無は容易に判定することができるからである。
【0149】次に、第11図(b)のリレー演算の監視
処理について述べる。
【0150】(ステップ3005)このステップは、第
10図のデュアルポートデータメモリ302のN番地に
固定値Bを、毎周期、記憶する処理である。これは、シ
ステムコントロールユニット1が上記したように、毎周
期取り込んで、該リレー演算ユニット3が正常に動作し
ているかどうかを判定するためのものである。すなわ
ち、このステップは、他のユニットに自分を監視しても
らうための処理である。
【0151】(ステップ3006,3007,300
8)これらのステップは、リレー演算ユニット3がシス
テムコントロールユニット1を監視するための処理であ
る。
【0152】ステップ3006は、第10図のデュアル
ポートデータメモリ302のM番地よりデータを取り込
む。このM番地には、上記したように、システムコント
ロールユニット1が、正常に動作していれば、固定値A
を毎周期転送している。
【0153】ステップ3007は、同M番地の内容を3
006ステップで既に入力したので、クリアしておく。
システムコントロールユニット1が正常に動作していれ
ば、次周期までにはこのM番地に再び固定値Aが転送さ
れているはずである。
【0154】ステップ3008は、M番地より入力した
データがAかどうかの判定を行なう。Aであれば、シス
テムコントロールユニット1は正常と判定する。Aでな
ければ、システムコントロール不良と判定する。
【0155】判定結果、Aでないケースとしては、M番
地を含めたメモリ不良も考えられるが、これはリレー演
算ユニット3のDSP300でアクセスしてみて、その
良否は判定できる。なお、判定結果Aでないときには、
第10図のシステムバスインターフェイス回路303の
不良も考えられるが、その場合には、システムコントロ
ールユニット1側の処理(N番地とのアクセス)も不良
となるはずであるので、その区別は可能である。
【0156】以上の説明より、双方のユニット1,3に
プロセッサを搭載しているので、相互チェックが可能で
あることが分かるであろう。これにより、ユニット単位
の不良が高速かつ容易に検出できる。
【0157】なお、システムコントロールユニット1は
他のユニットとも上記と全く同様の相互チェックを行な
うものである(第11図のステップ1007)。
【0158】次に、第12図を用いて、シーケンス処理
ユニット4の一実施例の構成について説明する。
【0159】同図において、400は電力用保護リレー
装置において、汎用マイクロコンピュータを用いてシー
ケンス処理を行なうシーケンス処理プロセッサ、401
はシーケンス処理プログラムを格納するPROMを用い
たプログラムメモリ、402はデータメモリ(RAM)、
403は例えばDPRAMを用いたデュアルポートデー
タメモリ、404はシステムバスインターフェイス回
路、405は後述するディジタル入出力ユニット(第1
図における6)とのインターフェイスをとる入出力バス
(以下I/Oバスという)インターフェイス回路、40
6は異常検出回路、407はパーソナルコンピュータな
どとのインターフェイスをとる汎用通信インターフェイ
ス回路(例えば、汎用RS− 232Cなど)である。
【0160】次に、第13図を用いて、上記したシーケ
ンスユニットとI/Oバスを介して接続されるディジタ
ル入出力ユニット6の一実施例の構成について説明す
る。
【0161】同図において、600はI/Oバスインタ
ーフェイス回路、601はデータラッチ回路、602は
フォトカプラ、603は出力バッファ回路、604は入
力バッファ回路、605はフォトカプラである。上記フ
ォトカプラ602および605は、共に、電気的絶縁の
ためのインターフェイスである。
【0162】次に、第14図を用いて、上記したシーケ
ンス処理ユニット4の処理の概要を述べる。
【0163】リレー演算ユニット3と同様、イニシャ
ル処理(ステップ4000)後、システムコントロール
ユニット1より、シーケンス処理に必要なデータの転送
が全て終了したかどうかの判定を行なう(ステップ40
01)。この判定は、第12図に示したように、システ
ムコントロールユニット1からのデータ転送が終了する
と発生する割込み信号INTSEQをチェックすること
により行なう。
【0164】システムコントロールユニット1からの
データ転送は、第12図に示すデュアルポートデータメ
モリ403に行なわれるので、これをデータメモリ40
2にデータ転送する(ステップ4002)。
【0165】I/OバスB2を介してディジタル入力
処理を行なう(ステップ4003)。
【0166】所定のアルゴリズムに従ったシーケンス
処理を行なう(ステップ4004)。
【0167】ユニット内の監視処理、システムコント
ロールユニット1およびリレー演算ユニット3で述べた
と同様のユニット間相互監視処理を実行する(ステップ
4005,4006)。
【0168】シーケンス処理結果をI/OバスB2を
介して出力(ディジタル出力)する(ステップ400
7)。この出力は、第13図のディジタル出力部を介
し、さらに、第1図に示す補助リレーユニット8に与え
られる。この情報の中には、例えば、目的とする遮断器
に対する遮断指令が含まれていることは言うまでもな
い。
【0169】さらに、第12図のデータメモリ402
に記憶されているシーケンス処理結果をデュアルポート
データメモリ403に転送する(ステップ4008)。
これは、システムコントロールユニット1がこのデータ
をアクセスできるようにするための処理である。システ
ムコントロールユニット1は、このデータを後述する整
定・表示処理ユニット5に転送する。
【0170】次に、第15図および第16図を用いて、
整定・表示処理ユニット5の一実施例の構成および処理
の概要について説明する。第15図は整定・表示処理ユ
ニットの構成を示す。
【0171】同図において、500はマイクロプロセッ
サ、501はプログラムメモリ(PROM)、502は
データメモリ(RAM)、503はデュアルポートデー
タメモリ(DPRAM)、504はシステムバスインタ
ーフェイス回路、505は整定値を記憶する不揮発性メ
モリE2PROMからなる整定値メモリ、506は異常
検出回路、507はパーソナルコンピュータなどとの通
信インターフェイス回路、508は表面パネル(第1図
の9)とのパネルインターフェイス回路である。
【0172】次に、この整定・表示処理ユニット5の処
理概要を第16図を用いて説明する。
【0173】シーケンス処理ユニット4などと全く同
様、イニシャル処理(ステップ5000)後、システム
コントロールユニット1からのデータ転送が全て終了し
たかどうかの判定を行なう(ステップ5001)。
【0174】第1図に示す表面パネル9に対する表示
処理を行なう(ステップ5003)。
【0175】第1図の表面パネル9からの整定値(係
数)変更に対する処理を行なう(ステップ5004,5
005)。
【0176】ユニット内の監視およびユニット間の相
互監視は、前記したシーケンス処理ユニット4と全く同
様に行なう(ステップ5006)。
【0177】第15図の整定値メモリ505に記憶し
ている係数(整定値)を、第15図のデュアルポートデ
ータメモリ503に転送する(ステップ5007)。これ
は、前記したシステムコントロールユニット1が、この
ユニットからの整定値を他のユニット(例えば、リレー
演算ユニットなど)へ転送できるようにするための処理
である。
【0178】以上の説明より、整定・表示処理ユニット
5の構成および処理概要が理解できるであろう。
【0179】最後に、第1図に示す事故検出ユニット7
の機能および処理概要を述べる。
【0180】このユニット7は、システムの信頼度を考
慮し、これまで説明した他のユニットとはハードウェア
的に分離させる。すなわち、これまで説明した各ユニッ
トとは入力から出力まで電気的な接続がないものであ
る。
【0181】この事故検出ユニットの処理の内容は、こ
れまでの各ユニットの組み合わせと同様の処理を行なう
ものである。従って、第1図に示したように、電力系統
からの情報を入力し、この入力に対して所定のアルゴリ
ズムに従った処理を施し、この結果を、これまでの説明
と同様、第1図の補助リレーユニット8に与える。すな
わち、この事故検出ユニット7は、フェイルセーフ用の
ユニットである。処理内容の規模は、これまでの各ユニ
ットの組み合わせに対して、相当小さいものが一般的で
ある。
【0182】以下に、構成および処理の概要を述べる。
【0183】(1)第1図において、71は、事故検出ユ
ニット7のリレー演算部であり、構成は第1図に示すア
ナログ入力ユニット2と同様である。処理の内容は、 アナログ入力のA/D変換およびディジタルフィルタ
処理 整定値の入力(後述の72より入力する) 事故検出用リレー演算 診断処理 などである。
【0184】(2)第1図において、72は、事故検出ユ
ニット7のシーケンス処理部である。以下に処理の概要
を示す。
【0185】(a)上記した事故検出用リレー演算部71
の演算結果を、第1図に示したI/Oバス(B3)を介
して入力する処理およびディジタル入出力処理 (b)事故検出リレー用シーケンス処理 (c)事故検出リレー用整定・表示処理 (d)診断処理 などがある。
【0186】このシーケンス処理部72は、ハードウェ
ア構成的には、第1図のシーケンスユニット4の内部に
ディジタル入出力ユニット6と表面パネルインターフェ
イス回路とを実装したものと同じ構成となることは容易
に推測できる。
【0187】前述した実施例の各ユニットは、各々IC
等の回路素子をプリント基板上に搭載して構成される。
この場合、各ユニット毎にIC等を選定して構成しても
よいが、ユニット間で共通に構成することが好ましい。
以下に、その一実施例を示す。
【0188】第1図に示す実施例では、アナログ入力ユ
ニット2およびリレー演算ユニット3について、例え
ば、次の構成要素が共通化できる。
【0189】1a.DSP 1b.DSP用プログラムメモリ(PROM) 1c.デュアルポートデータメモリ(DPRAM) 1d.システムバスインターフェイス回路 1e.異常検出回路 1f.ローカルバス また、第1図に示す実施例では、システムコントロール
ユニット1、シーケンス処理ユニット4および整定・表
示処理ユニット5について、例えば、次の構成要素が共
通化できる。
【0190】2a.汎用マイクロプロセッサ 2b.プログラムメモリ(PROM) 2c.データメモリ 2d.システムバスインターフェイス回路 2e.異常検出回路 2f.通信インターフェイス回路 2g.ローカルバス さらに、前記ユニット1〜5について、例えば、次の構
成要素が共通化できる。
【0191】3a.プログラムメモリ(PROM) 3b.システムバスインターフェイス回路 3c.異常検出回路 3d.ローカルバス 上記した共通化は、例示であって、各素子の容量、実装
の便宜等を考慮して、種々の態様が可能である。共通化
する場合には、共通の構成要素を、共通のプリント基板
上に搭載すると共に、共通でない構成要素をこれに付加
して搭載することにより、各ユニットが構成される。従
って、プリント基板には、ローカルバスと、共通構成要
素を搭載するスペースと、非共通構成要素を搭載するス
ペースとを、予めレイアウトしておく。
【0192】さらに、一歩進めて、共通化できる構成要
素を適宜組み合わせてLSI化しておくこともできる。
【0193】なお、構成要素の共通化に際し、あるユニ
ットには不要である構成要素についても搭載する構成と
すれば、それだけ共通化が進むことになり、プログラム
メモリに固有のプログラムを書き込めば、同一ハードウ
ェア構成のシステムにより、異なる機能を有するシステ
ムを構成することが可能となる。従って、システムの標
準化、規格化に好適である。
【0194】ユニットの共通化した部分のハードウェア
構成を例示すれば、次のとおりである。
【0195】汎用マイクロプロセッサ、PROM、DP
RAM、RAM、システムバスインターフェイス回路、
異常検出回路、通信インターフェイス回路およびローカ
ルバスにより、共通化されたユニットのハードウェアが
1枚のプリント基板上に構成される。
【0196】また、DSP、DPRAM、PROM、シ
ステムバスインターフェイス回路、異常検出回路および
ローカルバスにより、共通化されたユニットのハードウ
ェアが1枚のプリント基板上に構成される。
【0197】なお、本実施例のハードウェア構成におい
て用いている各デバイスは、一例に過ぎないものであっ
て、同じ機能を実現できるものであれば他のデバイスを
用いることもできる。例えば、ダイナミックRAMをス
タティックRAMとしたり、PROMをEPROMとし
たりすることができる。また、プロセッサをより高速か
つ処理能力の大きいものに変えたりすることができる。
逆に、処理すべき信号量が少ない場合、性能が落ちる
が、安価なデバイスに変えることができる。
【0198】この場合、各ユニットのシステムバスに対
する入出力の機能および性能に変化がなければ、システ
ム全体には影響が及ばない。従って、各ユニット毎に自
由な設計ができ、また、設計変更も容易である。
【0199】すなわち、本実施例では、各ユニットは、
システムコントロールユニットに対して、一定の仕様で
データを入出力できれば、システムに組み込むことがで
きる。従って、本実施例では、種々の機能を有するユニ
ットを自由にシステムに取り入れることができ、また、
システムを構築した後でも、必要に応じてユニット自身
の改良・変更の他、ユニットの増減、変更が可能であ
る。
【0200】次に、本発明の実施例の構成に際し、キー
コンポーネントとなるDSP(ディジタル・シグナル・
プロセッサ)について述べる。
【0201】第17図にDSPの一実施例の構成の詳細
図を示す。
【0202】本実施例のDSPは、図示のように、外部
メモリのアドレス指定を行なうアドレスレジスタ22
2、パラレル・ポートとして使用するデータレジスタ2
23、データRAM224、mビット×mビットの高速
並列乗算器225、インストラクション用ROM22
6、加減算等を行なうALU(Arithmetic Logic Uni
t)227、アキュムレータ等のレジスタ228、外部
との制御信号(a,bおよびcなど)の割込み等をコン
トロールする制御回路229、DSP内の内部バス23
0を含んで構成されている。
【0203】前記乗算器225は、1インストラクショ
ンサイクルの間に入力信号A,Bの内容を乗算し、その
結果Cを、内部バス230に出力するものである。
【0204】また、ALU227は、内部バス230か
らのデータとレジスタ228のデータとを加減算し、結
果をレジスタ228に書き込む。
【0205】なお、DSPは、周知のように、1インス
トラクションサイクルの間に積和演算が可能であるこ
と、パイプライン処理が可能であることなどにより、固
定および浮動小数点データの高速な数値演算を実現でき
ることを特徴とする。これにより、多入力点数に係る入
力データを実時間でフィルタリング可能とするものであ
る。この点、汎用のマイクロプロセッサでは処理速度が
遅いので、適用できない。
【0206】次に、上記したDSPを用いたディジタル
フィルタの実施例を述べる。
【0207】第18図は、ディジタルフィルタの代表的
なブロック概念構成を示す。第18図の(a)はIIR
形(Infinite-extent Impulse Response)フィルタ、
(b)はFIR形(Finite-extent Impulse Response)
フィルタである。
【0208】同図(a)において、Xnは入力信号符
号、241は各々係数ブロックであり、Kはゲイン係
数、A1,A2,B1およびB2はフィルタ係数である。2
42は遅延ブロックであり、信号Wnを周期Tの1時刻
分遅延するブロック(Wn-1)と、同様に2時刻分遅延す
るブロック(Wn-2)とがある。243は加算ブロッ
ク、Ynはフィルタ出力データである。
【0209】図から判るように、図の構成において、フ
ィルタ係数を調整することにより、次式(5),(6),(7),
(8),(9)に示す各種のフィルタを実現できる。なお、H
(z)は伝達関数であり、Zはアナログ系のSに相当す
る。
【0210】
【数1】
【0211】
【数2】
【0212】
【数3】
【0213】
【数4】
【0214】
【数5】
【0215】第18図(b)において、X’nは入力デ
ータを、Y’nは出力データを示す。244は遅延ブロ
ックであり、X’n-1は前述と同様に1時刻分遅延する
ブロック、X’n-2は2時刻分遅延するブロックを示
す。245はフィルタ係数ブロックであり、各フィルタ
係数A’0,A’1,A’2が設定される。246は加算
ブロックである。
【0216】同図を演算式で示すと、次式(10)で表わ
せる。
【0217】
【数6】
【0218】上記したように、本実施例では、DSPを
用いたディジタルフィルタ手段により入力信号のフィル
タ処理を行なう構成とし、予め設定されたフィルタ係数
に基づきサンプリング周期Tごとに繰り返して行なうよ
うにしている。従って、入力点数に応じて時分割により
フィルタ処理を、ソフトウェア的に行なわせることがで
き、入力点数の増減、特性の変更、プリント基板の標準
化に対応することが可能である。
【0219】また、アナログフィルタを用いずにフィル
タ処理できることから、アナログフィルタのように、抵
抗、コンデンサ等の素子の初期値偏差、周囲温度による
素子値の変動、経年変化による素子の劣化などの要因が
全くなく、高精度化、無調整化が達成できる。
【0220】また、外付けの点検回路が不要で、内部の
ソフトウェアで対応可能であるから、製作工程を大幅に
短縮でき、メンテナンスも不要となり、保護リレー装置
の高精度化、低コスト化等のメリットが非常に大きい。
【0221】次に、本発明を構成するアナログ入力ユニ
ットのアナログ入力部に適用することが好ましい、自動
監視方式の発明に関する実施例について説明する。
【0222】〈実施例 自動監視−〉第19図は本発
明のアナログ部の自動監視の第1の実施例を示すブロッ
ク構成図である。
【0223】第19図において、201−1〜201−
Nは外部から入力するアナログ信号in1〜inNとディジ
タル信号Tinとを加算すると共に、上記入力信号に重畳
する高調波を除去するためのローパスフィルタ(主にサ
ンプリングによる折り返し誤差防止用に用いる、以下L
PFと略記する)である。202−1〜2002−Nは
サンプルホールド(以下S/Hと略記する)回路、20
3はマルチプレクサ(MPXと略記する)、204はア
ナログディジタル変換(以下A/Dと略記する)回路、
205はDPRAMを用いたA/D変換データのバッフ
ァメモリである。
【0224】200はDSP(Digital Signal Process
or)、212はDSPのインストラクション格納用のプ
ログラムメモリ(ROM)、LBはローカルバス、20
9はシステムバスとのデータの受け渡し用のデュアルポ
ートデータメモリ、210はシステムバスインターフェ
イス回路、B1はシステムバスである。
【0225】206はタイミング発生回路であって、S
/H回路202−1〜202−N,MPX203,A/
D回路204およびバッファメモリ205の動作を制御
すると共に、LPF201−1〜201−Nにディジタ
ル信号を印加する。
【0226】第20図は第19図に示したLPF201
−1〜201−Nの詳細な回路図である。
【0227】第20図において、201a,201b,
201cおよび201dは抵抗、201eはコンデン
サ、201fは演算増幅器(OPアンプ)である。
【0228】上記LPFは、アナログ入力信号inおよ
びディジタル入力信号Tinを加算すると共に、上記入力
信号をフィルタリングし、高調波を除去するものであ
る。
【0229】次に、第21図に示すフローチャートに沿
って、本実施例のアナログ入力部の自動監視(アナログ
回路の故障検出)の処理手順を説明する。
【0230】(i)監視用信号の入力、合成およびA/D
変換 第19図のLPF201−1〜201−Nに、変成器,
変流器等により検出された電力系統の状態量を表わす入
力信号in1〜inNを印加する(通常は50Hzまたは6
0Hzである)。また、第19図に示したタイミング発生
回路206より、周波数fnのディジタル信号(クロッ
ク信号)を、監視用信号として全チャネルに入力する。
上記LPF201−1〜201−Nは、上記入力信号を
合成するように作用すると共に、サンプリングによる折
り返し誤差を防止するアンチェリアシングフィルタとし
ても作用する。
【0231】このフィルタ出力は、第19図のS/H回
路202−1〜202−Nによって周期Tごとにサンプ
ルホールドされる。
【0232】第19図のMPX203は、上記S/H回
路202−1〜202−Nの出力を周期T'(周期Tの1
/nの周期:nは整数)ごとに順次切り換えて、S/H回
路の内容を、第19図に示したA/D変換回路204に
入力する。A/D変換回路204は、アナログ量をディ
ジタル量に変換し、これらを、第19図に示すバッファ
メモリ205に格納する。
【0233】これらの動作を周期Tごとに毎回繰り返
す。この周期Tは、ディジタルフィルタのサンプリング
周期となる。
【0234】(ii)イニシャル処理 イニシャル処理として、DSP200内部のレジスタお
よびメモリとバッファメモリ205をクリアし、初期の
状態に設定する(ステップ2021a)。なお(ii以降の
処理は、プログラムメモリ212に記憶させた命令によ
り、DSP200を動作させて行なう処理である。
【0235】(iii)データ入力 2021bのステップでは、バッファメモリ205に格
納した入力データをローカルバスLBを介し、DSP2
00の内部に転送する。
【0236】(iv)フィルタ係数入力 2021cのステップでは、プログラムメモリ212に
予め格納したフィルタ係数をDSP200の内部に転送
する。このフィルタ係数は、上記した電力系統の周波数
(f0:50Hzまたは60Hz)を通過させ、高調波を除
去する特性を実現する係数(フィルタ係数群A)と、上
記した電力系統の周波数f0を大幅に減衰させ、タイミ
ング発生回路206より印加した信号Tinの周波数fn
のみを通過させる特性を実現する係数(フィルタ係数群
B)とである。また、これらの係数は、他のユニットか
らシステムバスB1を介して入力してもよい。
【0237】(v)ディジタルフィルタ演算(1) ディジタルフィルタ演算として、具体的にはいくつかの
方法が考えられるが、その一例として次式(11),(12)
に示す処理を行なう。
【0238】
【数7】
【0239】この2021dのステップのフィルタ演算
のフィルタ係数は、フィルタ係数群Aを用いる。
【0240】第22図(a)に、このステップで演算処
理するフィルタのゲイン−周波数特性例を示す。このフ
ィルタによれば、周波数f0を通過させ、周波数fnを保
護演算に影響がないように十分減衰させる。
【0241】保護演算には、このステップのフィルタ出
力を用いる。従って、周波数fnの入力Tinを印加した
ことによるリレー特性への影響がないことは、いうまで
もないことである。
【0242】(vi)ディジタルフィルタ演算(2) この2021eのステップでのフィルタ演算は、前記
(v)で示したフィルタ演算と全く同じ演算を行なう。従
って、演算プログラムは同じである。但し、フィルタ係
数は、フィルタ係数群Bを用いる。
【0243】第22図(b)に、このステップで演算処
理するフィルタのゲイン−周波数特性を示す。タイミン
グ発生回路から印加した信号の周波数成分(fn)のみを
通過させ、それ以外は減衰させている。すなわち、非常
に選択度Qを高くしている。また、このステップでの演
算プログラムを別のプログラムとしてもよい。
【0244】(vii)判定処理 この2021fのステップでは、(vi)のステップにて演
算した各チャネルごとのフィルタ出力の絶対値を求め、
既知の設定値と比較する。従って、既知の設定値範囲内
であれば、アナログ入力部、すなわち、LPF201−
1〜201−N、S/H回路202−1〜202−N、
MPX203、A/D変換回路204およびバッファメ
モリ205は、正常に動作していると判断する。既知の
設定値範囲外であれば、上記アナログ入力部および上記
バッファメモリ205のいずれかが異常であることが判
る。
【0245】本発明では、DSPにて上記演算を行なっ
ているため、極めて高精度な演算が可能であることか
ら、非常に正確な判定が可能である。
【0246】(viii)データ出力 この2021gのステップでは、(v)のステップで演算
したフィルタの出力および(vii)のステップにて判定し
た判定結果を、システムのマスタ(システムバスに接続
したシステムコントロール機能を有するユニット)に転
送する。以上の処理を周期Tごとに繰り返す。
【0247】上記したシステムのコントロール処理を行
なうマスタユニットは、上記判定結果を基に、リレーを
ロックすると共に、システムの異常表示を行ない、誤動
作を防止する。また、アナログ入力ユニットが異常であ
ることがわかるため、異常部のローカライズができる。
【0248】以上の動作より、アナログ入力部の自動監
視が高精度かつ信頼度よく行なえる。さらには、従来困
難であったアナログ入力部の点検監視が付加回路なしに
行なえると共に、データ入力からフィルタ演算までを一
貫して行なえ、システムの信頼度を大幅に向上できる。
【0249】以上示した実施例では、LPFに印加した
周波数fnの入力Tinは、タイミング発生回路から与え
た例について述べた。本実施例では、上記した入力Tin
について、タイミング発生回路から与えずに、発振回路
を設け、この発振回路の出力を、第19図に示したLP
F201−1〜201−Nの入力Tinに印加しても実現
できることは容易に理解できる。
【0250】第23図は上記した実施例の各部の波形を
示す。第23図において、(a)は電力系統の入力信
号、(b)はクロック入力信号、(c)はLPF201
−1〜201−Nの出力波形、(d)はディジタルフィ
ルタAの出力データ、(e)はディジタルフィルタBの
出力データ、(f)はディジタルフィルタBの出力デー
タの絶対値を求めた出力データである。
【0251】上記した実施例では、第23図(b)に示
すようなクロック信号TinをLPF201−1〜201
−Nに印加した例について述べたが、クロック信号のみ
ならず正弦波信号などを印加しても十分適用できること
は容易に理解できる。
【0252】〈実施例 自動監視−〉以上述べた実施
例では、任意のクロック信号を第19図に示すLPFに
印加した。次に述べる実施例では、直流信号を上記LP
Fに印加し、自動監視する例について説明する。
【0253】回路構成および演算処理フローは第19図
および第21図に示すものと同様である。
【0254】第24図(a)は第22図(a)と全く同
特性のフィルタの周波数−ゲイン特性、第24図(b)
はローパスフィルタ(フィルタ係数群Cを使用するディ
ジタルフィルタC)の周波数−ゲイン特性を示す。従っ
て、先に述べた実施例との相違点は、ステップ2021
eのフィルタ特性(フィルタBがフィルタCとなる)で
ある。
【0255】次に、動作について説明する。
【0256】まず、第19図に示したLPF201−1
〜201−Nの二つある入力端子の一つに、第25図
(a)に示す電力系統からの入力信号inを印加すると
共に、もう一つの入力端子に、第25図(b)に示すよ
うな大きさがVrefの直流電圧である入力信号Tin'を印
加する。上記により、第19図に示したLPF201−
1〜201−Nの出力は、第25図(c)に示すように
なる。
【0257】すなわち、電力系統から入力信号にVref
を加算した波形となる。
【0258】次に、フィルタ係数群Aを適用したフィル
タ出力は、第25図(d)に示すように、直流分をカッ
トする。従って、保護リレー演算に適用するフィルタA
は直流分をカットするために、直流信号入力を印加する
ことによる保護リレー演算への影響は何もない。
【0259】第25図(e)は、フィルタCの出力であ
る。この図で示すように、先に説明したアナログ入力部
が正常な動作をしていれば、第25図(e)に示すよう
に、入力として印加した直流分(大きさVref)を忠実
に出力する。
【0260】但し、フィルタCの出力は、任意の大きさ
にゲイン倍してもよいことは容易に理解できることであ
る。
【0261】もし、先に説明したアナログ入力部が正常
に動作していない場合は、すぐにフィルタCの出力の大
きさがVrefでなくなるので、早く(フィルタCの過渡
応答の遅れ分のみ遅れる)回路の故障が検出できる。従
って、信頼度を大幅に向上できる。
【0262】第26図は上記した実施例をさらに詳細に
説明するものである。第26図(a)はフィルタCの出
力、(b)はDSPの処理を示す。
【0263】時刻TF以前はアナログ回路は正常に動作
し、時刻TFに回路の故障が発生したとする。
【0264】数サンプル後のTF+αの時刻では、フィル
タ出力の大きさはVrefとならない。従って、この時点
でアナログ回路の異常が検出できるわけである。すなわ
ち、高速な自動監視が実現できることは言うまでもな
い。
【0265】〈実施例 自動監視−〉次に、さらに異
なる実施例について説明する。この実施例も前に述べた
実施例と同様に、回路構成および演算処理フローは、第
19図および第21図に示すものと同様である。異なる
点は、第21図に示したステップ2021dおよび20
21eのフィルタの係数および第19図のLPF201
−1〜201−Nに印加する入力信号Tinである。
【0266】第27図(a)は、電力系統の周波数f0
を通過させ、保護リレー演算に用いるフィルタの周波数
−ゲイン特性例である(フィルタ係数群Dを用い
る。)。
【0267】上記したフィルタ特性例は、周波数fn'の
入力を零にするようにしている。
【0268】第27図(b)は、第27図(a)とは逆
に、電力系統の周波数成分であるf0をカットし、印加
した信号の周波数成分fn’のみを通過させるフィルタ
D(フィルタ係数群D)のゲイン−周波数特性例であ
る。
【0269】従って、第27図(a)に示す特性のフィ
ルタは周波数fn'の入力Tinをカットするため、保護リ
レー演算には悪影響はない。
【0270】次に、本実施例の動作について説明する。
【0271】第28図(a)はフィルタのサンプリング
を行なうためのS/H信号である。第28図(b)は、
第19図に示したLPF201−1〜201−Nに印加
する入力波形である入力信号Ti’である。
【0272】ここで、上記S/H信号とTi入力信号
は、タイミング的に同期させる。すなわち、入力信号T
i’は、S/H信号の周期のn倍(nは整数)である。
また、入力信号Ti’は、正側、負側に振幅するクロッ
ク波形である。
【0273】第28図(c)は先に述べたフィルタDの
出力波形である。このフィルタ出力は、上記したフィル
タ特性例により入力信号Ti’のみの応答波形であり、
アナログ入力部が正常動作時は、(d)に示した時刻に
対し、全て、既知のデータと同じとなる。すなわち、S
/H信号とTi入力信号が同期しているため、第19図
に示すDSP200は、現在の処理が入力信号Ti’の
極性変化点から何回目かがわかり、この出力は予めわか
る。このことから、フィルタ出力およびサンプリングの
時刻に対応した既知データとを比較することで、アナロ
グ回路の異常が早く、しかも、DSPを用いることによ
り、正確にわかる。
【0274】従って、フィルタのサンプリング周期ごと
の高速な異常検出が可能であることから、アナログ入力
部が異常時には、保護リレーシステムをロックでき、誤
動作することを防止することができる。
【0275】また、本実施例では、第28図(b)に示
したように、正側および負側に振幅させた入力を印加し
たことにより、従来、非常に重要としていたA/D変換
回路の監視も兼ねているため、従来のA/D変換回路の
みの監視用の付加回路を不要とすることができる。これ
により、回路の小形化、高信頼度化も図れる。
【0276】また、第21図に示した演算処理フローで
あるが、監視を行なうために演算するフィルタ演算は、
演算時間の制約がある場合、フィルタ演算の周期Tごと
に行なわず、時分割に分けて演算してもよい。
【0277】以上述べたアナログ入力部の自動監視の実
施例によれば、自動監視用の付加回路を必要とせず、高
精度に、しかも早く異常検出ができるため、保護リレー
システムとして高信頼度化を図ることができる。
【0278】さらに、電力系統が事故時でも、事故時に
は発生しない、高い周波数の信号を入力し、この入力に
対する応答を検出することにより自動監視することか
ら、系統事故の有無にかかわりなく、高精度な自動監視
が可能である。従って、従来にない高信頼度な保護リレ
ーシステムを実現でき、その効果は非常に大きい。
【0279】なお、アナログ入力部の自動監視は、電力
用信号処理システムに適用されるアナログ入力ユニット
に限らず、一般用の、アナログ信号をディジタル信号に
変換する回路にも適用することができる。
【0280】以上の実施例は、本発明の信号処理システ
ムを保護リレー装置に適用した例であるが、本発明のシ
ステムは、他の用途にも適用できる。例えば、無効電力
補償装置に適用することができる。本システムは、特に
静止形無効電力補償装置の制御装置に好ましく適用する
ことができる。
【0281】例えば、リアクトルとサイリスタとを組み
合わせたTCR方式の場合、リアクトル電流をサイリス
タの入・切タイミング(位相角=α)を制御する制御装
置に、本発明の信号処理システムを適用することができ
る。
【0282】また、電力用コンデンサと該コンデンサ用
サイリスタ開閉装置とを有するTSC方式の場合、サイ
リスタのオンオフ制御を行なう制御装置に、本発明のシ
ステムを適用することができる。
【0283】このような静止形無効電力補償装置にあっ
ては、系統の電圧変化等のデータを、予め設定したパラ
メータ等を用いて所定のアルゴリズムにより高速で演算
して、サイリスタを制御する。また、系統電圧の変化分
(ΔV)を検出して、これに基づいて系統の電圧安定化
制御を行なったり、さらに、系統の有効電力(ΔP)、
系統の周波数(Δf)の変化分を補助的信号として付加
して、電力動揺抑制制御を行なうこともできる。
【0284】従って、静止形無効電力補償装置を運用す
るにあたって、制御装置として必要な機能は、例えば、
系統の状態を表わす各種データの入力処理を行なう機
能、および、前述した高速演算機能がある。また、必要
により、演算結果に基づいて制御情報を形成するシーケ
ンス処理機能、および、制御情報を所定レベルに変換し
て出力する補助リレー機能が付加される。さらに、マン
マシンインターフェイスとして、整定・表示処理機能が
必要である。
【0285】これらの機能は、第1図に示す信号処理シ
ステムと同等のシステムにより、実現することができ
る。この場合、保護リレー装置とは、各ユニットにおけ
るプロセッサのプログラムが異なることはいうまでもな
い。また、事故検出ユニットが不要であることも同様で
ある。
【0286】次に、本発明の信号処理システムが適用可
能な電力系統制御および保護装置の他の例を示す。勿
論、本発明の適用は、例示のものに限られない。
【0287】(系統制御) 系統安定化装置 自動復旧装置 電圧無効電力制御装置 変電所自動操作装置 系統監視装置 故障点標定装置 自動動作記録装置 (系統保護) 送電線保護継電装置 母線保護継電装置 脱調検出・系統分離装置 直流送電用制御・保護装置 なお、本発明の信号処理システムは、電力系統の広い範
囲、例えば、電圧階級500kV〜66kVで、送電線、母
線、変圧器、発電機、電圧安定制御装置、静止形無効電
力補償装置等に適用できる。また、これより低い電圧の
範囲にも適用できることは勿論である。
【0288】
【発明の効果】本発明によれば、その実施態様により、
以下の(1)〜(5)の効果の一部ないし全部を実現すること
ができる。
【0289】(1)ユニットの増加、組み替えによって、
小形で高信頼度な多機能・高機能ディジタル保護装置ま
たは制御装置が実現できる。すなわち、拡張性・柔軟性
に富んだシステムおよび装置が実現できる。
【0290】(2)DSPを用いたディジタルフィルタ処
理により、アナログ入力部の大幅な小形化、高信頼度化
および安定化が実現できると共に、ディジタルフィルタ
は、量子化誤差をも大幅に低減するため、制御装置およ
び保護リレー装置の特性の大幅な高精度化、無調整化が
図れる。
【0291】(3)制御および保護演算を高速に処理でき
るため、多くの機能(多機能)、より高機能な処理がで
き、特性の高性能化(高精度、高速動作)が図れる。し
かも、これを少ないハードウェア量で実現できて、小形
化、高信頼度化、低コスト化が実現できる。
【0292】(4)ユニット単位に不良が検出でき、故障
のローカライズが容易となる。また、保守・補修が容易
であり、使いやすい装置が実現できる。
【0293】(5)アナログ入力部の点検回路が不要とな
り、装置の大幅小形化、点検のためのソフト処理も削減
できる。従ってメンテナンスも不要となり、装置の高精
度化、低コスト化などメリットが非常に大きい。
【0294】さらに、自動点検が不要になると、装置が
ダウンする期間がなくなるので、信頼度の高いシステム
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号処理システムの一実施例の全体構
成を示すブロック図。
【図2】ユニット間データ転送制御の一実施例を示すブ
ロック図。
【図3】ユニット間データ転送の一実施例のタイミング
の1例を示すタイムチャート。
【図4】保護リレーの処理概要を示すフローチャート。
【図5】公知の保護リレー特性例を示すグラフ。
【図6】(a)はリアクタンスリレーの処理を示すフロ
ーチャート、(b)はその処理波形概要図。
【図7】アナログ入力ユニットの構成を示すブロック
図。
【図8】アナログ入力ユニットの処理を示すフローチャ
ート。
【図9】システムコントロールユニットの構成を示すブ
ロック図。
【図10】リレー演算ユニットの構成を示すブロック
図。
【図11】システムコントロールユニットとリレー演算
ユニットの処理を示すフローチャート。
【図12】シーケンス処理ユニットの構成を示すブロッ
ク図。
【図13】ディジタル入出力ユニットの構成を示すブロ
ック図。
【図14】シーケンス処理ユニットの処理を示すフロー
チャート。
【図15】整定・表示処理ユニットの構成を示すブロッ
ク図。
【図16】整定・表示処理ユニットの処理を示すフロー
チャート。
【図17】ディジタル・シグナル・プロセッサの一実施
例の機能ブロック図。
【図18】ディジタルフィルタのシグナルフローの一例
を示すブロック図。
【図19】アナログ入力ユニットの詳細ブロック図。
【図20】アナログ入力部内のローパスフィルタの回路
図。
【図21】アナログ入力部の演算処理を示すフローチャ
ート。
【図22】ディジタルフィルタの特性例を示すグラフ。
【図23】アナログ入力部の第1の自動監視方法を実施
した際の各部の波形を示す波形図。
【図24】ディジタルフィルタの特性例を示すグラフ。
【図25】アナログ入力部の第2の自動監視方法を実施
した際の各部の波形例を示す波形図。
【図26】第2の自動監視方法をさらに詳細に説明する
ための各部の波形例およびDSPの処理概要を示す説明
図。
【図27】ディジタルフィルタの特性例を示すグラフ。
【図28】アナログ入力部の第3の自動監視方法を実施
する際の各部の波形例を示す波形図。
【図29】従来のディジタルリレー装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…システムコントロールユニット 2…アナログ入力ユニット 3…リレー演算ユニット 4…シーケンス処理ユニット 5…整定・表示処理ユニット 6…ディジタル入出力ユニット 7…事故検出ユニット 8…補助リレーユニット 9…表示パネルユニット 10…制御部 11…DMAC 12…データメモリ 20…信号処理部 21,31,41,51…デュアルポートデータメモリ 30…演算処理部 40…シーケンス処理部 50…整定表示処理部
フロントページの続き (72)発明者 川上 潤三 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 山中 義一 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所 国分工場内 (72)発明者 横山 一行 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所 国分工場内 (72)発明者 松山 敬和 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所 国分工場内 (72)発明者 河合 忠雄 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所 国分工場内 (72)発明者 森 茂 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所 国分工場内 (56)参考文献 特開 昭63−240313(JP,A) 特開 昭63−56118(JP,A) 特開 昭61−185021(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02H 1/00 - 3/07

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の状態を現わす信号を取り込
    み、該信号について、予め定めたアルゴリズムに基づい
    てディジタル演算処理を行ない、その演算結果に基づい
    て電力系統の保護または制御を行なう信号を出力する、
    電力用信号処理システムであって、 信号の取り込みから演算結果に基づく信号の出力までの
    一連の処理を、処理機能に基づいて分割して実行する複
    数のユニットを設け、かつ、これらのユニット間のデー
    タ転送を、前記一連の処理が分割された処理機能ごとに
    順次実行されるよう制御する機能を有するシステムコン
    トロールユニットを設け、 前記システムコントロールユニットによりデータ転送制
    御を受けるユニットに、当該ユニット自体による処理結
    果を保持し、かつ、前記システムコントローラユニット
    側から読み取りおよび書き込みが行えるデータメモリを
    設け、 前記システムコントロールユニットに、各ユニットとの
    間で転送するデータを一時保持するメモリを設け、 前記システムコントロールユニットが、データ転送を行
    なうべきユニットに対して、それらのユニットのデータ
    メモリに対して、データの読み取りおよび/または書き
    込みを行なうことにより、各ユニット間のデータの転送
    を、該システムコントロールユニットを介して実行する
    よう構成したことを特徴とする電力用信号処理システ
    ム。
  2. 【請求項2】 電力系統の状態を現わす信号を取り込
    み、該信号について、予め定めたアルゴリズムに基づい
    てディジタル演算処理を行ない、その演算結果に基づい
    て電力系統の保護または制御を行なう信号を出力する、
    電力用信号処理システムであって、 信号の取り込みから演算結果に基づく信号の出力までの
    一連の処理を、処理機能に基づいて分割して実行する複
    数のユニットを設け、かつ、これらのユニット間のデー
    タ転送を、前記一連の処理が分割された処理機能ごとに
    順次実行されるよう制御する機能を有するシステムコン
    トロールユニットを設け、 前記システムコントロールユニットによりデータ転送制
    御を受けるユニットに、各々当該ユニット自身が読み取
    りおよび書き込みを行い、かつ、システムコン トロール
    ユニット側からも読み取りおよび書き込みができるデー
    タメモリを設け、 前記システムコントロールユニットに、各ユニットとの
    間で転送するデータを一時保持するメモリを設け、 前記システムコントロールユニットが、データ転送を行
    なうべきユニットに対して、それらのユニットのデータ
    メモリに対して、データの読み取りおよび/または書き
    込みを行なうことにより、各ユニット間のデータの転送
    を、該システムコントロールユニットを介して実行する
    よう構成したことを特徴とする電力用信号処理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 電力系統の状態を現わす信号を取り込
    み、該信号について、予め定めたアルゴリズムに基づい
    てディジタル演算処理を行ない、その演算結果に基づい
    て電力系統の保護または制御を行なう信号を出力する、
    電力用信号処理システムであって、 信号の取り込みから演算結果に基づく信号の出力までの
    一連の処理を、処理機能に基づいて分割して実行する複
    数のユニットを設け、かつ、これらのユニット間のデー
    タ転送を、前記一連の処理が分割された処理機能ごとに
    順次実行されるよう制御する機能を有するシステムコン
    トロールユニットを設け、 前記システムコントロールユニットによりデータ転送制
    御を受けるユニットには、各々当該ユニット自身がアク
    セスできると共に、システムコントロールユニット側か
    らもアクセスできるデータメモリを設け、 前記システムコントロールユニットに、各ユニットとの
    間で転送するデータを一時保持するメモリを設け、 前記システムコントロールユニットが、データ転送を行
    なうべきユニットに対して、それらのユニットのデータ
    メモリに対して、データの読み取りおよび/または書き
    込みを行なうことにより、各ユニット間のデータの転送
    を、該システムコントロールユニットを介して実行する
    よう構成したことを特徴とする電力用信号処理システ
    ム。
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