JP2749409B2 - 車輪センサにより検出された車両車輪回転速度の補正方法 - Google Patents

車輪センサにより検出された車両車輪回転速度の補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術背景 車両車輪の速度をセンサを用いて測定し、測定した速
度を車輪スリップの制御に用いることが公知である。車
輪スリップは例えば、車両車輪の過制動により(制動ス
リップ)、過度に大きな駆動トルクにより(駆動スリッ
プ)、または道路とタイヤとの間の摩擦係数が低い場合
に機関のエンジンブレーキトルクにより発生し得る。ブ
レーキ圧に作用することにより、ABSでは制動スリップ
が制御される。駆動トルクおよび/またはブレーキに作
用することにより、駆動スリップ制御(ASR)では駆動
スリップが制御される。エンジンブレーキトルク制御で
は、伝動装置に作用することによりスリップが制御され
る。
車両のタイヤ直径は相互に異なり得る。そのため個個
の車輪にて異なる車輪速度が測定される。それによって
上記制御の際に誤制御が生じ得る。
欧州公開特許第0133381号明細書から、走行中にタイ
ヤ直径の相違を車輪速度信号の差形成により識別し、車
輪の測定された速度値を異なるタイヤ直径により補正す
ることが公知である。これにより、得られた値を制御の
ため相互に関連させることができる。
発明の利点 本発明による車両速度の検出によって、実際の状況に
良好に近似することが保証される。有利には車輪の異な
る直径の識別および補正計算は次の場合に行う。すなわ
ち、制動されていないとき、前記の制御が作用していな
いとき、曲線を走行していないとき(ハンドル角信号が
小さい、または横加速度が小さい、または1つの車軸の
車輪における回転速度がほぼ等しい)、車両加速度また
は減速度が小さいとき、車輪が加速度または減速度を有
しないかまたは僅かしか有しないとき、および/または
少なくとも機関トルクしか駆動輪に結合伝達されていな
いときである。後者は僅かな機関出力トルク、または機
関と駆動輪との結合連結がないこと、またはオートマチ
ックギヤの場合“走行段N"に入れられていることにより
信号化される。零トルク検出はABS制御装置の場合、DKV
−問合わせ(質問走査)およびnmot−問合わせによっ
ては可能でない。というのはここではASR固有の情報を
取扱うからである。
その代わりにABS制御装置の場合、存在する噴射装置
(モトロニック、ジェトロニック等)から燃料消費指示
(KVA)のための線路を読出すことできる。値は噴射時
間Tiにほぼ比例する。TiないしKVAから、相応の機関特
性曲線が既知の場合、機関トルクを検出し得る。上記の
基準はスリップのない車輪走行を識別するため、種々の
組合わせで利用することができる。測定および補正を中
央の速度領域でのみ行うことも可能である。
ダイナミックなタイヤ直径の変化は車両速度の非線形
関数である。非線形補正を行うことができるようにする
ため、速度に依存する補正値により全速度領域にわたり
補正を行うことができる。
図面に基づき本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の方法を実施するための装置のブロッ
ク回路図、 第2図は本発明の方法を実施するためのフローチャー
ト、 第3図と第4図は説明のための表と線図、 第5図は別の実施例のブロック回路図である。
第1図には1〜4により、自動車の4つの車輪に所属
する速度センサが示されている。これらは車輪速度V1
〜V4をブロック5に送出する。別のブロック6は次の
ときブロック5を作用化する。すなわちここで仮定され
るように、制動されないとき(▲▼)、ABSおよ
び▲▼が作用しないとき(▲▼およびAS
R)、車両加速度または減速度が所定量a1より小さいと
き、横加速度aQが量a2より小さいとき、および車両が
20〜110km/hで運動するときである。
これらの条件が満たされるとスリップのない走行が仮
定される。ここでは、基準aQ<a2が後で初めて付加信
号に付加接続されることが仮定されているとする。
ブロック5では連続的に次の差分が形成され、 ΔV1=|V1−V2| ΔV2=|V1−V3| ΔV3=|V1−V4| ΔV4=|V2−V3| ΔV5=|V2−V4| ΔV6=|V3−V4| そして最小差分ΔVminが検出される。例えばこの差分
ΔVmin=ΔV4のV2およびV3の速度から、ブロック16
にて平均値 が形成される。
有利にはブロック5にて、差分の平均値ΔV4は順次
連続する多数の測定にわたって検出される。有利には平
均値は以下の式に従って検出された重み付け平均値であ
る。
この式は、m回の平均値形成(mは定数、例えば100
0)のそれぞれ最後(時点t−1)に得られた平均値
(t−1)に係数mを付し、これに新たに(時点t)
検出された差分値ΔV(t)を加算して、和を(m+
1)で割算することを意味する。は計算スタート時
は0である。
ここから得られた最小差分ΔVminに従い、最小偏差
を有する車輪速度が相互に選択され、上に述べた平均値
がブロック6で形成される。
比較器7は、選択した車輪の差分が所定値より小さい
か、例えば1%より小さいかをチェックする。この場合
ブロック8が作用化される。そうでなければブロック5
の非作用化により新たに測定が開始される。
差分が例えば1%より小さければ、ブロック8にて補
正係数 が(上記例に従い)形成される。その際ここではに算
入されていない車輪速度がに関連付けられる。これは
ブロック5から線路5aを介してブロック8に通報され
る。連続して得られた補正値K1およびK4から、同様に
ブロック8にて重み付け平均値1および4が式 に従い形成される。mはここでも定数、例えば1000、
は計算スタート時には1である。
別のブロック9にて値Kを記憶し、妥当性についてチ
ェックすることができる。その際、kは所定値KGrenz
を上回ってはならないことを前提とする。この所定値は
例えば非常車輪の直径により定められる。
仮定された例で検出された値14は線路9′を介
して乗算器10と13に送出される。これら乗算器では測定
速度V1とV4から補正速度 V1K114K14 が形成される。端子14を介して一部補正され一部補正さ
れない速度信号V1K,V2,V3,V4Kを別の評価のために使用
することができる。
一旦補正値が検出されたならば、補正検出に対する基
準を厳しくし、それからは例えば検出に対し付加的にさ
らに直線走行を条件とすることができる。そのために補
正信号Kの形成の際にOR−ゲート15を介してブロック1
を切換える。それによりブロック1は今度はさらに、付
加的な直線走行の際、すなわち、aQ<a2のときブロッ
ク5を作用化する。
第2図に示されたフローチャートに基づき、別の方法
を説明する。スタート20の後、21で最小差分ΔVmin
検出され、平均値が形成される。ここでは検出された
値が妥当か否かがチェックされる(例えばΔVmin
<1%)。この場合23で補正係数が計算され、24で妥
当性についてチェックされる 同様にこのような場合、25にて車輪速度が補正され
る。これに対しブロック22または24で、送出された値が
妥当でないことが検出されると、それぞれ26を介して先
行する最後の妥当補正値が補正に用いられる。
スリップのない走行時には、車輪関連補正値Kiを次式
により算出することができる。
ここでViはi番目の車輪の車輪速度、Kiはその補正係
数である。Kに対する値は記憶され、測定車輪速度は連
続的に、記憶した補正値Kにより補正される(ViKorr
Ki・Vi)。
本発明による補正を適用すれば、タイヤの大きさが変
化した際、滑り止用チェーンを装着した際、非常用タイ
ヤを使用した際等に何ら問題が制御装置に生じない。
車両速度の検出に対する条件、例えば加速度に対する
限界値、ハンドル角または横加速度または1つの車軸の
車輪回転数の差に対する条件、または小さな機関トルク
に対する条件を、時間に依存して始動時から、または補
正サイクルの数に依存して始動時から厳しくすることが
できる。これは第3図の表に示されている。そこでは曲
線走行は操舵輪の速度差ΔVにより定められ、機関零ト
ルクは零トルク値近傍のアクセルペダル位置により定め
られる。
車輪の偏差はASR−動作の開始時から既に、補正係数
の検出が行えない程大きいことがあり得る。従ってASR
を行っていても始動20秒後に補正係数を検出するように
する。始動後の時間の上昇と共にこの待機時間は大きく
なる。例えば20分後にこの検出は完全に取りやめること
ができる。従い車両速度の検出は時間Tと共により鋭敏
となる。
記憶した補正値を、新たに検出した補正値により置換
することは、偏差が偏差限界値を上回るときにのみ行
う。この偏差限界値も始動後の時間に依存させることが
できる。すなわち限界値は時間と共に小さくなる。これ
は第4図に2つの限界値40,41と共に示されている。新
たに検出された補正値がこの限界値の上側ないし下側に
あるときに記憶される。1分に達するまでは補正値置換
は行われない。
第5図では新たな補正係数を検出するためのブロック
に車輪速度が端子61を介して供給される。ブロック60
は、ブロック62がブロック60を作用化したときにのみ車
輪速度を検出する。これはブロック62が印加される信号
からスリップのないことを識別したときに行われる。ス
リップのないことの確定に対する条件は始動後の持続時
間に依存させることができる(第3図参照)。従ってブ
ロック63には、始動時にセットされた時限素子63から時
間信号が供給される。
ブロック6で新たな補正係数が検出されると、これら
係数は記憶−比較素子64に供給される。新たな値が少な
くともブロック65により予め定められた限界値だけ古い
値より偏差すると、古い記憶あれている値はそれぞれ新
たな値により置換される。この限界値は第4図に相応し
て、始動後の時間と共に変化する(線路66)。始動後の
最小時間を経過しない限り、限界値信号、従い補正値比
較はAND−ゲート67により阻止される。前記最小時間中
は時限素子68が信号を送出しない。
素子64に最後に記憶された補正係数と、連続的に検出
された車輪速度は乗算器69で乗算される。従い端子70で
は補正された車輪速度がABSまたはASRでの評価のために
使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイスナー,マンフレート ドイツ連邦共和国D‐7145 ウンターリ ークシンゲン イム アイヒライン 33 (72)発明者 ジーグル,アルフレート ドイツ連邦共和国D‐7126 ゼルスハイ ム ヴアルトエツク 8 (72)発明者 シユリヒエンマイアー,アンドレアス ドイツ連邦共和国D‐7129 ツアーバー フエルト 2 ツアーバーフエルトシユ トラーセ 74 (72)発明者 シユヴアーベ,ウルリヒ ドイツ連邦共和国D‐7257 デイツイン ゲン デイツエンブルンナーシユトラー セ 60 (72)発明者 ギユトラー,ハンス ドイツ連邦共和国D‐7101 ウンターハ インリート ホイマーデンシユトラーセ 5 (72)発明者 ライブラント,ノルベルト ドイツ連邦共和国D‐7130 ミユールア ツカー ベルリーナー リング 65 (72)発明者 ブロイニンガー,ユルゲン ドイツ連邦共和国D‐7000 シユツツト ガルト 31 カイ ザースラウテラー シユトラーセ 60 (72)発明者 ヴエルナー,デイーター ドイツ連邦共和国D‐7127 プライデル スハイム ブランケンシユタインシユト ラーセ 5 (72)発明者 シエーフアー,ヨツヘン ドイツ連邦共和国D‐7140 ルートヴイ ヒスブルク 11 ベルヒエンヴエーク 18 (72)発明者 ベドルナ,フランク ドイツ連邦共和国D‐7145 シエーンビ ユールホーフ プフ オルツハイマー シユトラーセ 7

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪センサによって検出された車両車輪の
    回転速度を補正する方法であって、車輪スリップのない
    期間中に車輪速度を対で比較することによって、もっと
    も速度差の小さな車輪対を検出し、 当該2つの車輪の車輪速度を平均し、 前記の平均値形成に使用しなかった車輪の車輪速度と前
    記平均値との比を形成して補正値を形成し、 平均値形成に使用しなかった車輪の車輪速度を前記補正
    値によって補正する、ことを特徴とする補正方法。
  2. 【請求項2】車両速度の検出を、スリップ制御(ABSま
    たはASRまたはエンジンブレーキトルク制御)の行われ
    ない時間中に行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】実際の車両速度の検出を、制動しない時間
    中に行う請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】実際の車両速度の検出を、機関が僅かなト
    ルクを出力している時間中に行う請求項1から3までの
    いずれか1記載の方法。
  5. 【請求項5】実際の車両速度の検出を、車両が所定の速
    度領域で走行している期間中に行う請求項1から4まで
    のいずれか1記載の方法。
  6. 【請求項6】実際の車両速度の検出を、車輪加速度およ
    び車輪減速度が所定の小さな比較値よりも小さいときに
    行う請求項1から5までのいずれか1記載の方法。
  7. 【請求項7】実際の車両速度の検出を、曲線走行を行わ
    ないときに行う請求項1から6までのいずれか1記載の
    方法。
  8. 【請求項8】2つの車輪速度の最小差を検出するため
    に、順次連続して検出された多数の速度差ΔVの平均値
    を形成する請求項1から7までのいずれか1記載の
    方法。
  9. 【請求項9】時点tにおける差分ΔVの重み付け平均値
    を次式に従い形成し、 ここでmは定数(計算回数)、(t−1)とtは順次連
    続する評価時点である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】最小の差分は、所属車輪の車輪速度が所
    定の小さい値(例えば1%)よりも僅かだけ相互に異な
    る場合のみ利用する請求項2から9までのいずれか1記
    載の方法。
  11. 【請求項11】他の車輪の測定車輪速度Vmiを次式に従
    い補正し、 VKi=Ki・Vmi ここでKiは個々の車輪に対して検出された補正係数、
    Kiは個々の車輪に対して補正された車輪速度である請
    求項1から10までのいずれか1記載の方法。
  12. 【請求項12】Kは商K=/Vmの形成により検出され
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】補正値Kは次式に従い検出された重み付
    け補正値であり、 ここでmは定数、(t−1)およびtは順次連続する評
    価時点、K(t)は新たに検出された補正値である請求
    項11または12記載の方法。
  14. 【請求項14】1であるKに対する値の許容偏差が制限
    されている請求項11から13までのいずれか1記載の方
    法。
  15. 【請求項15】瞬時の補正値K(t)の重み付け補正値
    (E−1)からの偏差が制限されている請求項13また
    は14記載の方法。
  16. 【請求項16】第1の補正値が何回かの測定後に検出さ
    れたときに初めて曲線走行条件を有効にする請求項7記
    載の方法。
  17. 【請求項17】スリップのない走行時に各車輪に対して
    補正値 (Viはi番目の車輪の車輪速度)を検出し、記憶し、
    引続き車輪速度の瞬時の測定値を所属の補正値で補正す
    る請求項1から16までのいずれか1記載の方法。
  18. 【請求項18】車両速度検出のための条件を車両始動後
    の時間Tに依存して厳しくする請求項2,4,6または7い
    ずれか1記載の方法。
  19. 【請求項19】スリップ制御(特にASR時)の開始時に
    待機時間の後、補正値を検出し、その後で初めて検出を
    行わない請求項2または18記載の方法。
  20. 【請求項20】待機時間は時間Tに依存して高められる
    請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】機関零トルクからの機関トルクの偏差の
    限界値は持続時間に依存して減少される請求項4または
    18記載の方法。
  22. 【請求項22】比較値は時間Tに依存して減少される請
    求項6または18記載の方法。
  23. 【請求項23】曲線走行の条件に対する限界値は時間に
    依存して減少する請求項7または18記載の方法。
  24. 【請求項24】検出した補正値Kを記憶し、新たに検出
    された補正値を記憶した補正値と比較し、記憶した補正
    値が少なくとも所定の限界値だけ新しい補正値から偏差
    するとき、記憶した補正値を新たな補正値で置換する請
    求項1から23までのいずれか1記載の方法。
  25. 【請求項25】限界値を車両始動後の時間Tと共に減少
    する請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】記載した補正値の置換を、車両始動後の
    最小時間内では行わない請求項24または25記載の方法。
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