JP3299682B2 - 初期補正係数演算装置 - Google Patents

初期補正係数演算装置

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JP3299682B2
JP3299682B2 JP04406697A JP4406697A JP3299682B2 JP 3299682 B2 JP3299682 B2 JP 3299682B2 JP 04406697 A JP04406697 A JP 04406697A JP 4406697 A JP4406697 A JP 4406697A JP 3299682 B2 JP3299682 B2 JP 3299682B2
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rotational angular
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/06Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle
    • B60C23/061Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle by monitoring wheel speed

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばタイヤ空
気圧低下検出装置に用いられ、タイヤの初期差異による
有効ころがり半径の相対的な差が回転角速度に及ぼす影
響を排除するための初期補正係数を求める初期補正係数
演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車やトラックなどの4輪車両
の安全装置の1つとして、タイヤの空気圧低下を検出す
る装置(DWS)の開発が行われ、一部では実用化され
ている。タイヤの空気圧低下の検出方法の1つに、たと
えば車両に装着されている4つのタイヤW1 ,W2 ,W
3 ,W4 の各回転角速度F1 ,F2 ,F3 ,F4 の違い
を利用する方法がある。この方法は、回転角速度Fi (i
=1,2,3,4)がタイヤWiの空気圧の状況に応じて変化す
ることを利用したものである。すなわち、いずれかのタ
イヤWi の空気圧が低下すると、当該タイヤWi の有効
ころがり半径が減少し、その結果当該タイヤWi の回転
角速度Fi は速くなる。そのため、回転角速度Fi の違
いに基づけば、タイヤWi の空気圧低下を判定できる。
【0003】なお、有効ころがり半径とは、荷重がかか
った状態で自由転動しているタイヤWi が1回転により
進んだ距離を2πで割った値である。回転角速度Fi
違いに基づいてタイヤWi の空気圧低下を検出する際に
用いられる判定式は、たとえば下記(1) 式に示すような
ものである(特開昭63-305011 号公報、特開平4-212609
号公報など参照。)
【0004】
【数1】
【0005】タイヤWi の有効ころがり半径が仮にすべ
て同一であるとすれば、各回転角速度Fi はすべて同一
となる(F1 =F2 =F3 =F4 )。したがって、判定
値Dは0である。そこで、しきい値DTH1 ,DTH2 (た
だし、DTH1 ,DTH2 >0)が設定される。そして、下
記(2) 式に示す条件が満足された場合は、空気圧が低下
しているタイヤWi があると判定される。この条件が満
足されなかった場合には、タイヤWi はすべて正常内圧
であると判定される。
【0006】 D<−DTH1 または D>DTH2 ‥‥(2) ところで、実際のタイヤWi の有効ころがり半径は、タ
イヤWi の製造時に生じる規格内でのばらつき(以下
「初期差異」という。)を含む。すなわち、4つのタイ
ヤWi がすべて正常内圧であっても、初期差異のため
に、4つのタイヤW i の有効ころがり半径は相異なる。
これに伴い、タイヤWi の回転角速度Fi はばらつく。
その結果、判定値Dは0以外の値になるおそれがある。
そのため、空気圧が低下していないのに空気圧が低下し
ていると誤検出されるおそれがある。よって、空気圧低
下検出を高精度に行うためには、検出される回転角速度
i から初期差異の影響を排除する必要がある。
【0007】回転角速度Fi から初期差異の影響を排除
するための技術としては、たとえば特開平7−3185
84号公報に開示されている技術を適用することが考え
られる。この技術では、左右の従動タイヤの回転角速度
比が算出され、さらに、当該回転角速度比を時間微分し
た値が算出される。そして、当該時間微分値が一定期間
にわたって所定の限界値以下に留まっているか否かが判
別される。その結果、時間微分値が一定期間にわたって
限界値以下に留まっていると判別されると、車両は直線
走行をしていると判断され、このときに算出されている
回転角速度Fiに基づいて、初期補正係数が算出され
る。
【0008】このように、車両が直線走行をしていると
判断された場合に限って初期補正係数の算出を行うよう
にしているから、コーナー走行時における回転角速度F
i のばらつきを排除し、各タイヤWi 間の初期差異によ
る有効ころがり半径のばらつきを忠実に表した初期補正
係数を算出できるはずである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、車両が直線走行をしているか否かの判断基
準として、左右の従動タイヤの回転角速度比の時間微分
値に基づいて車両が直線走行をしているか否かを判断す
るようにしているから、車両がコーナリング走行をして
いるのに、車両は直線走行をしていると誤判断される場
合がある。
【0010】具体的には、たとえば高速自動車道路のイ
ンターチェンジにおける本線の出口から料金所に至る出
口道路のように、ほぼ一定の曲率半径の道路(以下「一
定Rの道路」という。)を車両が走行している場合に
は、車両が直線走行をしていると誤判断される。さらに
具体的には、車両が一定Rの道路を走行している場合に
は、回転角速度比の時間微分値は、比較的小さく、しか
もあまり変化しないで推移する。この場合、回転角速度
比の時間微分値は限界値以下に留まっていると判別さ
れ、車両が直線走行をしていると誤判断される。
【0011】したがって、この場合には、コーナリング
走行時における回転角速度Fi のばらつきを含む初期補
正係数が算出されるから、回転角速度Fi が誤って補正
され、結果として、タイヤの空気圧低下が誤判定され
る。そこで、この発明の目的は、前述の技術的課題を解
決し、車両が直線走行していることを確実に判断でき、
その結果各タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径
の差を忠実に表した初期補正係数を得ることができる初
期補正係数演算装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の発明の初期補正係数演算装置は、車両
に装着された4つのタイヤの回転角速度を検出する回転
角速度検出手段の出力を補正するための補正係数を演算
する装置であって、前記回転角速度検出手段の出力に基
づいて、車両は直線走行をしているのか、ほぼ一定の曲
率半径の道路を走行しているのかを識別するための識別
手段と、この識別手段において車両は直線走行をしてい
ると識別された場合に、前記回転角速度検出手段の出力
に基づいて、各タイヤ間の初期差異による有効ころがり
半径の差を回転角速度から排除するための初期補正係数
を求める係数演算手段とを含み、前記識別手段は、前記
回転角速度検出手段の出力に基づいて、左右タイヤの回
転角速度比を算出するための手段と、この算出された左
右タイヤの回転角速度比と従前に算出された左右タイヤ
の回転角速度比に対応する基準データとの差または比が
予め定めるしきい値未満であるか否かを判別するための
手段と、その結果、前記差または比が前記しきい値未満
であると判別された場合に、車両は直線走行をしている
とする手段とを含むものである。
【0013】この発明によれば、車両が直線走行をして
いるのか、ほぼ一定の曲率半径の道路を走行しているの
かが識別されるから、車両がほぼ一定の曲率半径の道路
を走行している場合に、車両が直線走行をしていると誤
判断されることがない。したがって、各タイヤ間の初期
差異による有効ころがり半径の差を忠実に表した初期補
正係数を得ることができる。
【0014】
【0015】車両がほぼ一定の曲率半径の道路を走行し
ている場合には、左右タイヤの回転角速度比の差または
比は、通常、一定の範囲に収まる。そのため、前記しき
い値を、当該差または比が収まる範囲の下限値未満の値
に設定しておけば、車両が直線走行をしているのか、ほ
ぼ一定の曲率半径の道路を走行しているのかを確実に識
別することができる。
【0016】請求項記載の発明は、前記係数演算手段
は、前記回転角速度検出手段の出力に基づいて得られる
左右の回転角速度比、および従前に求められた初期補正
係数に基づいて平均化処理を行うことにより、初期補正
係数を求めるものであり、この係数演算手段によって求
められた初期補正係数を、前記識別手段において用いら
れる基準データとする手段をさらに含むことを特徴とす
る請求項記載の初期補正係数演算装置である。
【0017】この発明では、平均化処理が行われること
によって初期補正係数が求められるから、初期補正係数
の精度は、初期補正係数の演算が行われるにつれて向上
する。したがって、このような初期補正係数を基準デー
タとして利用する識別手段における識別処理の精度も、
初期補正係数の演算が行われるにつれて向上していく。
【0018】請求項記載の発明は、前記回転角速度検
出手段の出力に基づいて車両の旋回半径の逆数を算出
し、この算出された車両の旋回半径の逆数の時間微分値
を算出し、この算出された時間微分値が予め定める許容
範囲に収まることを条件として、前記識別手段における
識別処理の実行を許容させることを特徴とする請求項1
または請求項2のいずれかに記載の初期補正係数演算装
置である。
【0019】車両が直線走行をしているときには、車両
の旋回半径の逆数は、左右のタイヤの初期差異によるば
らつきに相当するオフセット値をとりながら一定に推移
する。 したがって、その時間微分値はほぼ0である。そ
のため、時間微分値が許容範囲に収まる場合には、車両
は直線走行をしていると推測できる。よって、たとえば
車両が直角コーナーを曲がろうとしている場合のような
車両が直線走行をしている可能性が極めて低い場合を排
除した状態で、識別処理を行わせることができる。
【0020】請求項記載の発明は、前記回転角速度検
出手段の出力に基づいて得られる左右タイヤの回転角速
度比、および従前に求められた初期データに基づいて平
均化処理を行うことにより、初期データを求めるための
手段と、この初期データの演算回数を記録するための手
段と、この記録された演算回数が予め定めるしきい値に
達したか否かを判別するための手段と、この手段におい
て前記演算回数が前記しきい値に達したと判別されるま
では、前記識別手段における識別処理の実行を禁止する
とともに、前記算出された時間微分値が前記許容範囲に
収まることを条件として、前記初期データを求める処理
を行わせる手段と、前記識別手段において最初に用いら
れる基準データとして、前記初期データを設定するため
の手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載の初期補正係数演算装置であ
る。
【0021】この発明では、識別手段における識別処理
は、左右タイヤの回転角速度比に対応する初期データの
演算回数がしきい値に達するまでは禁止される。言い換
えれば、初期データの演算回数がしきい値に達してはじ
めて識別手段における識別処理が行われる。この場合、
最初の識別処理に用いられる基準データは初期データと
される。初期データは、車両が直線走行をしていると推
測できる場合に平均化処理によって求められるから、演
算回数がしきい値に達するときには、十分な精度を有し
ている。したがって、識別処理を最初から高精度に行う
ことができる。
【0022】請求項記載の発明は、前記識別手段にお
いて車両がほぼ一定の曲率半径の道路を走行していると
識別された回数(以下「識別回数」という。)を記録す
るための手段と、この記憶されている識別回数が予め定
めるしきい値に達したか否かを判別するための手段と、
その結果、前記識別回数が前記しきい値に達したと判別
された場合には、初期補正係数を初期値とするための手
段とをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求
項4のいずれかに記載の初期補正係数演算装置である。
【0023】前記初期データは、識別処理が行われる前
に求められるようになっているから、実際には、車両が
ほぼ一定の曲率半径の道路を走行している場合に求めら
れている可能性がある。この場合、求められる初期デー
タは、本来車両が直線走行をしている場合の値からずれ
ている。したがって、識別処理開始後において車両が直
線走行をしても、識別処理においてそのことを識別する
ことが困難となり、結局、高精度な初期補正係数を求め
ることができなくなるおそれがある。
【0024】そこで、この請求項記載の発明のよう
に、車両がほぼ一定の曲率半径の道路を走行していると
識別された回数がしきい値に達した場合に、初期補正係
数の演算を最初からやり直すようにしておけば、係数取
得までの時間は延びるけれども、高精度な初期補正係数
を確実に得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態が適用されるタイヤ空気圧低下検出装
置の構成を示すブロック図である。このタイヤ空気圧低
下検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤ
1 ,W2 ,W3 ,W4 の空気圧が低下しているか否か
を検出する。タイヤW1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤ
に対応する。また、タイヤW3,W4 はそれぞれ後左右
タイヤに対応する。
【0026】各タイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 にそれぞ
れ関連して、車輪速センサ1が備えられている。車輪速
センサ1の出力は制御ユニット2に与えられる。制御ユ
ニット2には、表示器3が接続されている。表示器3
は、空気圧が低下したタイヤWi (i=1,2,3,4)を知らせ
るためのもので、液晶表示素子、プラズマ表示素子また
はCRTなどで構成される。
【0027】制御ユニット2には、また、初期化スイッ
チ4が接続されている。初期化スイッチ4は、初期補正
係数Kj (j=1,2)を算出する際にユーザが操作するため
のものである。初期補正係数Kj は、初期差異によるタ
イヤWi 間の有効ころがり半径の規格内でのばらつきの
影響をタイヤWi の回転角速度Fi から排除するための
ものである。
【0028】図2は、タイヤ空気圧低下検出装置の電気
的構成を示すブロック図である。制御ユニット2は、I
/Oインタフェース2a、CPU2b、ROM2c、R
AM2d、EEPROM(E2 PROM)2eを含むマ
イクロコンピュータで構成されている。I/Oインタフ
ェース2aは、車輪速センサ1および初期化スイッチ4
などの外部装置との信号の受け渡しに必要なものであ
る。CPU2bは、ROM2cに格納された制御動作プ
ログラムに従って、種々の演算処理を実行するものであ
る。RAM2dは、CPU2bが制御動作を行う際にデ
ータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれた
データなどが読み出されたりするものである。RAM2
dの記憶領域の一部は、初期補正係数Kj を算出するた
めのSTD処理において用いられるカウンタ21,22
として利用される。EEPROM2eには、STD処理
において算出された初期補正係数Kj が格納される。
【0029】車輪速センサ1は、タイヤWi の回転数に
対応したパルス信号(以下「車輪速パルス」という。)
を出力する。CPU2bでは、車輪速センサ1から出力
される車輪速パルスに基づいて、所定のサンプリング周
期ΔT(たとえばΔT=1(sec))ごとに、各タイヤWi
の回転角速度Fi が算出される。図3は、タイヤ空気圧
低下検出装置におけるタイヤ空気圧低下検出処理を説明
するためのフローチャートである。この処理は、CPU
2bがROM2cに格納された所定のプログラムに従っ
て動作することによって、制御ユニット2によってサン
プリング周期ΔTごとに実行される。なお、以下の説明
では、対象車両がFF(フロントエンジン・フロントド
ライブ)車であることを前提とする。
【0030】CPU2bでは、まず、初期化スイッチ4
が押されたか否かが判別される(ステップS1)。初期
化スイッチ4は、通常、車両を初めて走行させるとき、
タイヤWi の空気圧を補充したとき、またはタイヤWi
を交換したときなどに、ユーザによって押される。言い
換えれば、初期化スイッチ4は、通常、走行開始前また
は走行開始直後に押される。
【0031】前記ステップS1での判別の結果、初期化
スイッチ4が押された場合、CPU2bでは、STD処
理の実行が指示されたと判断され、STD処理の実行の
ための準備が行われる(ステップS2)。具体的には、
初期補正係数Kj の演算回数に相当するカウンタ21の
カウント値Nがクリアされ、さらに、初期補正係数
1 ,K2 がそれぞれ初期値k0 ( たとえばk0 =1.
0)に設定される。その後、ステップS3に移行する。一
方、初期化スイッチ4は押されていないと判別される
と、ステップS3に直接移行する。
【0032】このタイヤ空気圧低下検出処理では、ST
D処理において初期補正係数Kj をサンプリング周期Δ
Tごとに複数回にわたって算出し、その平均をとること
によって、高精度な初期補正係数Kj を算出するように
している。すなわち、初期補正係数Kj は、サンプリン
グ周期ΔTごとにフィルタ処理が行われることによって
算出される。したがって、算出されるたびに、精度が良
くなっていく。
【0033】CPU2bでは、ステップS3において、
カウント値Nが最大値Nmax (たとえばNmax =500 )
に達したか否かが判別される。その結果、カウント値N
が最大値Nmax 未満であれば、初期補正係数Kj の精度
はまだ不十分であると判断され、STD処理が実行され
る(ステップS4)。一方、カウント値Nが最大値N
max に達していると判別されると、十分な精度の初期補
正係数Kj が得られていると判断され、通常のタイヤ空
気圧低下判定処理(以下「DWS処理」という。)が実
行される(ステップS5)。
【0034】DWS処理について簡単に説明する。DW
S処理では、車輪速センサ1から出力される車輪速パル
スに基づいて、各タイヤWi の回転角速度Fi が算出さ
れる。次いで、この算出された回転角速度Fi に対して
初期補正処理が施される。具体的には、STD処理にお
いて算出された初期補正係数Kj が用いられ、下記(3)
ないし(6) 式に示すような処理が実行される。
【0035】 F11 =F1 ‥‥(3) F12 =K1 ×F2 ‥‥(4) F13 =F3 ‥‥(5) F14 =K2 ×F4 ‥‥(6) これにより、各タイヤWi 間の初期差異による有効ころ
がり半径の差が排除された回転角速度F1i が得られ
る。なお、前記(3) ないし(6) 式から明らかなように、
初期補正係数K1 は、前左右タイヤW1 ,W2 の間の初
期差異による有効ころがり半径の差を排除するための係
数である。また、初期補正係数K2 は、前左右タイヤW
3 ,W4 の間の初期差異による有効ころがり半径の差を
排除するための係数である。
【0036】その後、このようにして得られた回転角速
度F1i に基づいて、空気圧低下判定用の判定値Dが下
記(7) 式に示すようにして算出される。
【0037】
【数2】
【0038】次いで、算出された判定値Dに基づいて、
空気圧が低下しているか否かが判別される。具体的に
は、判定値Dが下記(8) 式を満足するか否かが判別され
る。ただし、下記(8) 式において、DTH1 =DTH2 =0.
1 である。 D<−DTH1 または D>DTH2 ‥‥(8) この結果、判定値Dが上記(8) 式を満足したと判別され
ると、いずれかのタイヤWi の空気圧が低下していると
判定される。一方、判定値Dが上記(8) 式を満足してい
ないと判別されると、空気圧が低下しているタイヤWi
はないと判定される。
【0039】空気圧が低下しているタイヤWi があると
判別された場合には、その旨が表示器3に与えられ、表
示器3において空気圧が低下しているタイヤWi がある
旨が表示される。図4および図5は、STD処理を説明
するためのフローチャートである。CPU2bでは、ま
ず、車輪速センサ1から出力される車輪速パルスに基づ
いて、各タイヤWi の回転角速度Fi が算出される(ス
テップS41)。さらに、算出された回転角速度Fi
基づいて、現在の車両の走行状態を把握するためのパラ
メータである車両の旋回半径の逆数Rが算出される(ス
テップS42)。車両の旋回半径ではなくその逆数をパ
ラメータとしているのは、車両の旋回半径では直線走行
時に値が無限大となりCPU2bにおける処理に不適で
あるのに対して、その逆数では直線走行時には値が0と
なりCPU2bにおける処理が容易であるからである。
車両の旋回半径の逆数Rは、下記(9) 式に従って算出さ
れる。
【0040】
【数3】
【0041】ところで、回転角速度Fi は、車両の速度
(以下「車速」という。)V、および各タイヤWi の前
後方向加速度FRAi の大きさによっては誤差を含むこ
とがある。すなわち、車速Vが極低速である場合には、
車輪速センサ1の検出精度が著しく悪くなるので、算出
される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能性が高い。
また、各タイヤWi の前後方向加速度FRAi が相対的
に大きい場合には、たとえば車両が急加速/急減速する
ことによるタイヤWi のスリップの影響が考えられるの
で、算出される回転角速度Fi に誤差が含まれる可能性
が高い。
【0042】このように、回転角速度Fi に誤差が含ま
れている可能性が高い場合には、その回転角速度Fi
空気圧低下の検出に採用せずにリジェクト(排除)する
方が好ましい。そこで、CPU2bでは、ステップS3
2において算出された回転角速度Fiに基づいて、車速
Vおよび各タイヤWi の前後方向加速度FRAi が算出
される。そして、この算出された車速Vおよび各タイヤ
i の前後方向加速度FRAiに基づいて、今回のサン
プリング周期ΔTで算出された回転角速度Fi をリジェ
クトするか否かが判別される(ステップS43)。
【0043】より詳述すると、車速Vは、各タイヤWi
の速度Vi に基づいて算出される。各タイヤWi の速度
i は、下記(10)式に従って算出される。ここに、r
は、直線走行時における有効ころがり半径に相当する定
数であり、ROM2cに記憶されている。 Vi =r×Fi ‥‥(10) この算出された各タイヤWi の速度Vi に基づき、車速
Vが下記(11)式によって算出される。
【0044】 V=(V1 +V2 +V3 +V4 )/4 ‥‥(11) 各タイヤWi の前後方向加速度FRAi は、1周期前の
サンプリング周期ΔTにおいて算出された各タイヤWi
の速度をBVi とすると、下記(12)式によって算出され
る。 FRAi =(Vi −BVi )/(ΔT×9.8) ‥‥(12) なお、上記(12)式において、分母に9.8が挿入されて
いるのは、各タイヤW i の前後方向加速度FRAi
G(重力加速度)換算するためである。
【0045】次いで、この算出された車速Vおよび各タ
イヤWi の前後方向加速度FRAiについて、下記お
よびの2つの条件のうちいずれかが該当するか否かが
判別される。 V<VTH(たとえばVTH=15(km/h)) MAX{|FRAi |}>ATH (たとえばATH=0.1g:g=9.8(m/sec 2 ) ) その結果、前記およびのうちいずれか1つでも該当
した場合には、回転角速度Fi がリジェクトされ、計算
が行われることなく、 次の処理に移行する。 一方、前記
およびのいずれも該当しない場合には、回転角速度
i はリジェクトされずに、車両が直線走行をしている
か否かを判別する処理が行われる。
【0046】より詳述すると、CPU2bでは、車両が
直線走行をしている場合には車両の旋回半径は時間的に
ほとんど変化しないことに着目し、車両の旋回半径の逆
数Rの時間微分値R′が下記(13)式のようにして算出さ
れる(ステップS44)。下記(13)式において、BRは
従前のサンプリング周期ΔTにおいて算出された車両の
旋回半径の逆数であり、RAM2dに保持されている。
【0047】 R′=dR/dt=|R−BR|/ΔT ‥‥(13) そして、この算出された時間微分値R′が所定の許容範
囲RTH(RTH=RTH1〜RTH2 ;たとえばRTH1 =-0.00
05 、RTH2 =0.0005)に収まっているか否かが判別さ
れる(ステップS45)。その結果、時間微分値R′は
許容範囲RTH外であると判別されると、車両は直線走行
をしていないと判断される。この場合、回転角速度Fi
にはタイヤWi の横すべりなどに起因する誤差が含まれ
ているから、このような回転角速度Fi に基づいても、
高精度な初期補正係数Kj を算出することはできない。
そのため、この場合には、回転角速度Fi はリジェクト
され、計算が行われることなく、 次の処理に移行する。
一方、時間微分値R′は許容範囲RTH内に収まっている
と判別されると、車両は直線走行をしていると判断され
る。この場合、回転角速度Fi は各タイヤWi 間の初期
差異による有効ころがり半径の差を忠実に表しているか
ら、次に、ステップS42にて算出された車両の旋回半
径の逆数RをBRとしてRAM2dに保持させた後(ス
テップS46)、当該回転角速度Fi を用いた初期補正
係数Kj を算出する処理が行われる。
【0048】ところで、たとえば車両が直角コーナーを
曲がるような場合には、前記ステップS45において車
両が直線走行をしていないことを確実に判断することが
できる。例を示すと、図6に示すように、車両が直角コ
ーナーを曲がる期間Aでは、実線で示す車両の旋回半径
の逆数Rは大きくなり、これにより二点鎖線で示す時間
微分値R′は許容範囲RTHを大きくはみ出る。
【0049】しかしながら、高速自動車道路のインター
チェンジの出口道路のように、一定の曲率半径で湾曲し
ている道路(以下「一定Rの道路」という。)を車両が
走行している場合には、前記ステップS45において車
両が直線走行をしていると誤判別するおそれがある。こ
れは、一定Rの道路では車両の旋回半径はほぼ一定であ
るから、前記時間微分値R′はほぼ0となるからであ
る。
【0050】例を示すと、図7に示すように、曲率半径
40(m) の一定Rの道路を車両が走行している期間Bで
は、車両の旋回半径の逆数Rはほぼ一定であり、したが
って時間微分値R′は多少のばらつきはあるものの許容
範囲RTHに収まる場合が多い。したがって、車両が直線
走行をしていると頻繁に誤判別されることになる。ま
た、図8に示すように、曲率半径50(m) のインターチ
ェンジの出口道路を車両が走行している場合には、期間
C1,C2などにおいて車両の旋回半径の逆数Rがほぼ
0となる場合があり、この場合時間微分値R′は許容範
囲RTHに収まる。
【0051】さらに、図9に示すように、曲率半径20
0(m) のインターチェンジの出口道路を車両が走行して
いる場合には、車両の旋回半径の逆数Rが0近傍である
期間が長く、したがって時間微分値R′が許容範囲RTH
に収まる期間も長くなる。このように、車両がインター
チェンジの出口道路を走行する場合には、曲率半径の大
きさによらずに、車両が直線走行をしていると誤判別さ
れるおそれがある。
【0052】一方、一定Rの道路を車両が走行している
場合には、前記「課題を解決するための手段」の項で説
明したように、左右タイヤの回転角速度比は時間の経過
とともに多少なりとも変化する。この変化の程度は、通
常、一定の範囲に収まる。具体的には、一定Rの道路の
代表であるインターチェンジの出口道路の曲率半径は通
常60(m) 〜500(m)であるから、この場合、左右タイヤの
回転角速度比の差は、平均で、4(%)〜1(%)の範囲に収ま
る。したがって、このSTD処理では、左右タイヤの回
転角速度比の差が収まる範囲の下限値未満の値にしきい
値を設定し、車両が一定Rの道路を走行しているのか、
それとも直線走行をしているのかを識別する処理を実行
することとしている。
【0053】この識別処理の基準データとしては、前左
右タイヤW1 ,W2 の回転角速度比に対応する初期補正
係数K1 、および後左右タイヤW3 ,W4 の回転角速度
比に対応する初期補正係数K2 が用いられる。一方、こ
れら各係数K1 ,K2 はサンプリング周期ΔTごとにフ
ィルタ処理が行われることによって算出されるから、演
算が行われるたびに精度が良くなる。したがって、この
STD処理では、基準データである初期補正係数K1
2 の精度が十分に出てから、前述のような識別処理を
行うようにしている。これにより、識別処理を最初から
高精度に行うことができる。このように、この実施形態
では、精度が十分に出るまでの初期補正係数K1 ,K2
が初期データに相当する。
【0054】CPU2bでは、前述のような識別処理を
行うのに先立ち、カウンタ21のカウント値Nが所定の
しきい値NTH(たとえばNTH=11)以上であるか否かが
判別される(ステップS47)。その結果、カウント値
Nがしきい値NTH未満であると判別された場合には、基
準データとしての初期補正係数K1 ,K2 の精度はまだ
不十分であると判断され、前述のような識別処理は行わ
れずに、初期補正係数Kj の算出が直接行われる。具体
的には、カウンタ21のカウント値Nが「1」だけイン
クリメントされ(ステップS48)、初期補正係数Kj
の算出回数が記録される。次いで、平均をとるために必
要なデータ個数(以下「平均個数」という)NNにカウ
ント値Nが代入され(ステップS49)、その後下記(1
4)および(15)式に従って初期補正係数Kj が算出される
(ステップS50)。下記(14)および(15)式において、
BKj は従前の初期補正係数Kj である。
【0055】
【数4】
【0056】この算出された初期補正係数Kj は、BK
j としてRAM2dに保持される(ステップS51)。
以上のような処理が繰り返し行われ、カウント値Nがし
きい値NTHに達すると、基準データとして十分な精度の
初期補正係数K1 ,K2 が得られたと判断され、識別処
理が行われる(ステップS52)。より具体的には、今
回の前左右タイヤW1 ,W2 の回転角速度F1 ,F2
の比Favf と初期補正係数K1 との差(ずれ)が所定の
しきい値KTH(たとえばKTH=0.5(%))以上か否か、ま
たは今回の後左右タイヤW3 ,W4 の回転角速度F3
4 の比Favr と初期補正係数K 2 との差が前記しきい
値KTH以上か否かが判別される。さらに具体的には、下
記(16)が満足されるか否かが判別される。
【0057】 |Favf −K1 |>KTH または |Favr −K2 |>KTH ‥‥(16) その結果、前記(16)式の2つの条件がいずれも満足され
ていないと判別されると、車両は一定Rの道路を走行し
ているのではなく、直線走行をしているものと判断さ
れ、カウント値Nが「1」だけインクリメントされた後
(ステップS54)、初期補正係数Kj の算出が行われ
る。この場合、識別処理が行われるまでの間に算出され
た精度がまだ不十分な初期補正係数Kj の個数を差し引
くために、平均個数NNには、下記(17)式に示すよう
に、カウント値Nから(NTH−1)を差し引いた値が代
入される(ステップS55)。
【0058】 NN=N−(NTH−1) ‥‥(17) そして、この平均個数NNが前記(14)および(15)式に代
入され、初期補正係数Kj が算出される(ステップS5
0)。なお、平均個数NNへの数値代入に先立つステッ
プS53において、カウンタ22のカウント値Cがクリ
アされる処理については後述する。
【0059】一方、前記ステップS52において、前記
(16)式の2つの条件のうちいずれか一方でも満足されて
いると判別された場合には、車両は一定Rの道路を走行
していると判断され、初期補正係数Kj の算出は行われ
ずに、初期補正係数Kj を最初から算出し直すか否かの
判別処理が行われる(ステップS56〜S58)。すな
わち、前記「課題を解決するための手段」の項でも説明
したように、ステップS52の識別処理において最初に
用いられる基準データは車両の直線走行時における本来
の基準からずれるおそれがあるから、この場合には、初
期補正係数j を算出し直して、初期補正係数Kj の精度
低下を防止する必要がある。
【0060】前記判別処理についてさらに詳述すると、
CPU2bでは、カウンタ22のカウント値Cが「1」
だけインクリメントされ(ステップS56)、当該カウ
ント値Cが所定のしきい値CTH(たとえばCTH=100 )
以上であるか否かが判別される(ステップS57)。そ
の結果、カウント値Cがしきい値CTH未満であれば、計
算が行われることなく、 次の処理に移行する。 一方、カ
ウント値Cがしきい値CTH以上であると判別された場合
には、初期補正係数Kj は一定Rの道路の走行時に算出
されたもので、基準データとして不適当であると判断さ
れ、カウント値Nがクリアされるとともに、初期補正係
数Kj が初期値k0 に設定される(ステップS58)。
【0061】なお、実際は直線走行時に初期補正係数K
j が算出されていたのに、突発的なノイズなどによっ
て、車両が一定Rの道路を走行していると誤って判別さ
れる場合がある。このような場合に、カウント値Cをそ
のまま残していたのでは、初期補正係数Kj が高精度に
算出できたのに算出し直す結果になる。そのため、前記
ステップS52において車両は直線走行をしていると判
別された場合には、カウント値Cをクリアすることとし
ている(ステップS53)。
【0062】以上のようにこの実施形態によれば、左右
タイヤの回転角速度比の差に基づいて識別処理を行うよ
うにしているから、たとえば車両が一定Rの道路を走行
している場合に、車両が直線走行をしていると誤って判
断することはない。言い換えれば、車両が直線走行をし
ているか否かを確実に認識できる。そのため、高精度な
初期補正係数を求めることができる。よって、初期差異
による有効ころがり半径の差の影響を回転角速度Fi
ら排除でき、その結果タイヤWi の空気圧が低下してい
るか否かを確実に検出できる。
【0063】また、前述のような識別処理を行うように
しているから、車両が直線走行をしていると判別される
状態が一定期間継続しているかどうかを調べなくても、
車両が直線走行をしているか否かを確実に判別できる。
よって、短い直線走行であっても、車両が直線走行をし
ていることを確実に認識できる。そのため、短い直線路
と直角コーナーとが連続する場合が多い日本の市街地に
おいても、高精度な初期補正係数Kj を迅速に得ること
ができる。
【0064】この発明の実施の形態の説明は以上のとお
りであるが、この発明は前記実施形態に限定されるもの
ではない。たとえば前記実施形態では、識別処理の精度
を最初から良くするために、カウント値Nがしきい値N
THに達するまでは識別処理を行わないようにしている
が、たとえば処理の簡素化を重要視するならば、最初か
ら識別処理を実行するようにしてもよい。この場合、基
準データとしては、車両が直線走行をしている場合にお
ける平均的な左右タイヤの回転角速度比を初期値として
設定しておけばよい。
【0065】また、前記実施形態では、左右タイヤの回
転角速度比の差に基づいて識別処理を行うようにしてい
るが、たとえば左右タイヤの回転角速度比の比率に基づ
いて識別処理を行うようにしてもよい。すなわち、車両
が一定Rの道路を走行している場合には、左右タイヤの
回転角速度比の差と同様に、左右タイヤの回転角速度比
の比率は、通常、一定の範囲に収まるからである。
【0066】さらに、前記実施形態では、車両の旋回半
径の逆数Rの時間微分値R′に基づいて、車両が直線走
行をしているか否かを判別するようにしているが、たと
えば前左右タイヤW1 ,W2 の回転角速度比、および/
または後左右タイヤW3 ,W 4 の回転角速度比の時間微
分値に基づいて、車両が直線走行をしているか否かを判
別するようにしてもよいのはもちろである。
【0067】その他、この発明の範囲において種々の設
計変更を施すことが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、車両が
直線走行をしているのか、ほぼ一定の曲率半径の道路を
走行しているのかが識別されるから、車両が直線走行を
しているか否かを確実に認識できる。したがって、初期
補正係数を高精度に得ることができるから、回転角速度
から初期差異による有効ころがり半径の差の影響を確実
に排除できる。よって、この発明をタイヤ空気圧低下検
出装置に適用すれば、タイヤの空気圧が低下しているか
否かを確実に検出できる。また、前述のような識別処理
を行うようにしているから、車両が直線走行をしている
と判別される状態が一定期間継続しているかどうかを調
べなくても、車両が直線走行をしているのか、ほぼ一定
の曲率半径の道路を走行しているのかを、確実に識別で
きる。そのため、短い直線路であっても、車両が直線走
行をしていることを確実に認識できる。
【0069】また、前述のような識別処理を行うように
しているから、車両が直線走行をしていると判別される
状態が一定期間継続しているかどうかを調べなくても、
車両が直線走行をしているのか、ほぼ一定の曲率半径の
道路を走行しているのかを、確実に識別できる。そのた
め、短い直線路であっても、車両が直線走行をしている
ことを確実に認識できる。
【0070】特に、請求項記載の発明によれば、平均
化処理が行われることによって識別処理の基準データで
ある初期補正係数が求められるから、識別手段における
識別精度を演算が進むにつれて向上させることができ
る。そのため、車両が直線走行をしていることを一層確
実に認識できる。また、請求項記載の発明によれば、
車両が直線走行をしていると推測される場合にのみ識別
処理が行われるから、処理の効率化を図ることができ
る。
【0071】また、請求項記載の発明によれば、識別
処理に用いられる基準データの精度を向上しておき、識
別処理を開始するときには十分な精度を有する基準デー
タを用いることができるから、識別処理を最初から高精
度に行うことができる。よって、車両が直線走行をして
いることをより一層確実に認識できる。また、請求項
記載の発明によれば、車両がほぼ一定の曲率半径の道路
を走行していると識別された回数がしきい値に達した場
合に、初期補正係数の演算が最初からやり直されるか
ら、高精度な初期補正係数を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態が適用されるタイヤ空気
圧低下検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】タイヤ空気圧低下検出装置の電気的構成を示す
ブロック図である。
【図3】タイヤ空気圧低下検出処理を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】STD処理を説明するためのフローチャートで
ある。
【図5】同じく、STD処理を説明するためのフローチ
ャートである。
【図6】車両が直角コーナーを走行する場合の車両の旋
回半径の逆数およびその時間微分値を示す図である。
【図7】車両が曲率半径40(m) の一定Rの道路を走行
する場合の車両の旋回半径の逆数およびその時間微分値
を示す図である。
【図8】車両が曲率半径50(m) のインターチェンージ
の出口道路を走行する場合の車両の旋回半径の逆数およ
びその時間微分値を示す図である。
【図9】車両が曲率半径200(m) のインターチェンジ
の出口道路を走行する場合の車両の旋回半径の逆数およ
びその時間微分値を示す図である。
【符号の説明】
1 車輪速センサ 2 制御ユニット 2b CPU 2d RAM 21,22 カウンタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−92114(JP,A) 特開 平7−318584(JP,A) 特開 平4−212609(JP,A) 特開 昭63−305011(JP,A) 特開 平8−216636(JP,A) 特開 平8−29438(JP,A) 特開 平7−280824(JP,A) 実開 昭62−74008(JP,U) 実開 平2−45461(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/42 - 3/56 B60C 23/06 G01P 21/02 G01L 17/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に装着された4つのタイヤの回転角速
    度を検出する回転角速度検出手段の出力を補正するため
    の補正係数を演算する装置であって、 前記回転角速度検出手段の出力に基づいて、車両は直線
    走行をしているのか、 ほぼ一定の曲率半径の道路を走行しているのかを識別す
    るための識別手段と、 この識別手段において車両は直線走行をしていると識別
    された場合に、前記回転角速度検出手段の出力に基づい
    て、各タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差
    が回転角速度に及ぼす影響を排除するための初期補正係
    数を求める係数演算手段とを含前記識別手段は、 前記回転角速度検出手段の出力に基づいて、左右タイヤ
    の回転角速度比を算出するための手段と、 この算出された左右タイヤの回転角速度比と従前に算出
    された左右タイヤの回転角速度比に対応する基準データ
    との差または比が予め定めるしきい値未満であるか否か
    を判別するための手段と、 その結果、前記差または比が前記しきい値未満であると
    判別された場合に、車両は直線走行をしているとする手
    段とを含むものである ことを特徴とする初期補正係数演
    算装置。
  2. 【請求項2】前記係数演算手段は、前記回転角速度検出
    手段の出力に基づいて得られる左右の回転角速度比、お
    よび従前に求められた初期補正係数に基づいて平均化処
    理を行うことにより、初期補正係数を求めるものであ
    り、 この係数演算手段によって求められた初期補正係数を、
    前記識別手段において用いられる基準データとする手段
    をさらに含むことを特徴とする請求項記載の初期補正
    係数演算装置。
  3. 【請求項3】前記回転角速度検出手段の出力に基づいて
    車両の旋回半径の逆数を算出し、 この算出された車両の旋回半径の逆数の時間微分値を算
    出し、 この算出された時間微分値が予め定める許容範囲に収ま
    ることを条件として、前記識別手段における識別処理の
    実行を許容させることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の初期補正係数演算装置。
  4. 【請求項4】前記回転角速度検出手段の出力に基づいて
    得られる左右タイヤの回転角速度比、および従前に求め
    られた初期データに基づいて平均化処理を行うことによ
    り、初期データを求めるための手段と、 この初期データの演算回数を記録するための手段と、 前記記録された演算回数が予め定めるしきい値に達した
    か否かを判別するための手段と、 この手段において演算回数が前記しきい値に達したと判
    別されるまでは、前記識別手段における識別処理の実行
    を禁止するとともに、前記算出された時間微分値が前記
    許容範囲に収まることを条件として、前記初期データを
    求める処理を行わせる手段と、 前記識別手段において最初に用いられる基準データとし
    て、前記初期データを設定するための手段とをさらに含
    むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    記載の初期補正係数演算装置。
  5. 【請求項5】前記識別手段において車両がほぼ一定の曲
    率半径の道路を走行していると識別された回数(以下
    「識別回数」という。)を記録するための手段と、 この記憶されている識別回数が予め定めるしきい値に達
    したか否かを判別するための手段と、 その結果、前記識別回数が前記しきい値に達したと判別
    された場合には、初期補正係数を初期化するための手段
    とをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の初期補正係数演算装置。
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