JP2745856B2 - コピー紙の再生装置 - Google Patents

コピー紙の再生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コピー機器等によって
生ずる印字済み廃紙の循環再利用を図るコピー紙の再生
方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置、例えば、コピー機
においては、印字に用いられるトナーは、カーボンブラ
ックなどの顔料と紙への固着用の熱可塑性樹脂等で構成
されており、カーボンブラックが上記の樹脂により紙に
固着されることによって複写が行われるもので、用紙上
に転写・定着されたトナーが用紙より剥離しないように
技術開発がなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、廃棄される
印字済みコピー用紙の中には紙質の劣化していないもの
も多く含まれているため、そのような廃紙については、
印字成分であるトナーを除去することができれば、用紙
として再利用することができる。本発明は上記背景下に
なされたもので、コピー済み廃紙から印字成分であるト
ナーを溶解・除去することにより廃紙の再生を図り、コ
ピー用紙代を削減し、ひいては、資源問題、環境問題に
も寄与するコピー紙の再生方法及びその装置を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問願点を解決するた
めに請求項1記載の発明は、コピー機器によって生ずる
印字済み廃紙から印字成分であるトナーを除去して用紙
として再生するコピー紙の再生装置にあって、トナーを
溶解する溶剤を廃紙に付着させるトナー溶解装置と、こ
のトナー溶解装置とは別個に設けられ、該装置により溶
解されたトナーを廃紙より除去するトナー除去装置と、
溶剤によってトナーが溶解され、除去された廃紙を乾燥
及び延伸して再生紙に再生する仕上げ装置とを備えたも
のである。請求項2記載の発明は、溶解装置は、印字部
分に溶剤を噴霧または塗布により付着することによって
トナーを溶解し、除去装置は、溶解したトナーを吸引、
吸着、電位帯電などの機械的または電気的な手段を用い
て剥離除去するものである。
【0005】
【作用】請求項1及び2記載の発明の方法乃至装置によ
れば、印字部分に溶剤を付着させてトナーを溶解し、次
いで、溶解したトナーを前記とは別の工程又は装置によ
り除去し、その後、前記によってトナーの溶解及び除去
を受けた廃紙を仕上げて再生紙とする。請求項3記載の
発明によれば、上記において溶剤は、噴霧または塗布さ
れることにより印字部分に付着され、溶解したトナー
は、吸引または吸着されることにより用紙から剥離す
る。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるコピーイレー
サを図面を用いて説明する。図1は、コピーイレーサの
概略構成を示す。同図において、コピーイレーサ1は、
コピー済みの廃紙を装置本体へ送る給紙装置2、溶剤を
廃紙に付着させてトナーを溶解する溶解装置3、トナー
の溶解した廃紙を次工程へ送る紙送り機構4、前記溶解
装置3により溶解したトナーを遊離・除去する除去装置
5、以上の工程を経てトナーの除去された廃紙を乾燥、
延伸して用紙として再生する仕上げ装置6及びストッカ
7等で構成されている。
【0007】次に、本コピーイレーサの処理動作につい
て、同図を用いて説明する。まず、コピー機器から生じ
た印字済み廃紙は給紙装置2から溶解装置3へ送られ
る。溶解装置3は、印字部分に溶剤を浸漬、噴霧、ある
いは塗布などの方法により付着させることによりトナー
を溶解する。ところで、トナーは基本的には、カーボン
ブラック及びこれをコピー紙上に固着させるための接着
剤(バインダ)である熱可塑性樹脂を主成分として構成
されている。この熱可塑性樹脂とは、ポリエチレン、ポ
リスチレン等の有機溶剤可溶性の樹脂であるため、本実
施例においては、溶剤としてクロロホルム、四塩化炭素
等の有機溶媒を用いているが、これに限られるものでは
ない。
【0008】溶解装置3でトナーの溶解を受けた廃紙
は、紙送り機構4により除去装置5へ送られる。除去装
置5は、溶解装置3により溶解されたトナーを洗浄、吸
引、吸着、電位帯電など、機械的あるいは電気的方法に
よって剥離する。続いて、仕上げ工程に入り、仕上げ装
置6で、前記によりトナーの遊離・除去の行われた廃紙
の乾燥及び延伸が行われる。以上の工程を経てリサイク
ルされた用紙はストッカー7へ送られる。
【0009】図2は、溶剤の浸漬、噴霧、及び塗布によ
る付着方法を示したものである。同図において、(a)
は浸積による付着方法を示し、有機溶剤31を満たした
浸漬槽32に廃紙33を浸漬して、トナーを溶解する。
超音波発振機34、ヒータ35を浸漬槽32の下部に設
置して、振動あるいは加温することで効果を上げること
も可能である。ただし、この場合は、トナー成分のうち
スチレン(CH=CH2)を分解させておく必要があ
る。 (b)は噴霧による付着方法を示し、溶剤噴霧用ノズル
36を用いて廃紙33の上方より霧状に溶剤を付着させ
るものである。 (c)は塗布による付着方法を示し、筆様の塗布器37
を用いて廃紙33を塗布するものである。なお、噴霧、
あるいは塗布による場合、図中矢印は用紙を移動させる
方向を示している。
【0010】図3は、除去装置5におけるトナーの各種
除去方法を示す。同図において、 (a)は再浸透洗浄による除去方法を示している。トナ
ーの溶解を受けた廃紙51は、溶解に用いられた有機溶
剤52を満たした再浸透洗浄槽53に再浸透されて、超
音波振動子54を再浸透洗浄槽53の下方に設置して振
動することで、トナーが除去される。 (b)は吸引による除去方法を示している。廃紙51の
上方より、吸引器55でトナーを吸引するもので、下方
より超音波振動子54で振動することで、効果を上げる
ことが可能である。 (c)は吸着剤による除去方法を示している。表面に吸
着剤を有した吸着ローラ56によってトナーが吸着除去
される。 (d)は機械的剥離による除去方法を示している。クリ
ーニングブレード57により、トナーが除去される。 (e)は帯電電位除去による方法を示している。廃紙5
1の下方には、正(プラス)に帯電した正帯電部59が
設置されており、この正帯電部59によってトナーは正
に帯電される。上方には負(マイナス)に帯電した負帯
電部58が設けられており、これによって正に帯電した
トナーを吸引除去する。
【0011】なお、上記のトナー除去方法において、廃
紙はガイドあるいは吸引等の方法によって不図示の移動
装置に固定されており、この移動装置を作動させること
によりむらのないトナー除去を可能にしている。本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、接着剤(バイ
ンダ)、有機溶媒としては種々のものが使用可能であ
る。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明の方法置乃至装置に
よれば、コピー機器等によって生ずる印字済み廃紙から
印字成分であるトナーを溶解し、さらに前記によって溶
解したトナーを遊離・除去する。従って、ミスコピー、
あるいは過剰コピーによる廃紙の中から紙質の劣化して
いない用紙の印字部分を消去することで、用紙として循
環再利用することができるため、用紙代の節約を図るこ
とができる。特に、トナーを溶解する工程と、遊離・除
去する工程とは独立しているので、廃紙から溶解したト
ナーが、次の除去の工程で付着して残留するようなこと
がなくなり、再生した紙面がより美しくなる効果があ
る。また、コピー紙の廃棄量が減少するため、環境問
題、省資源の点からも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるコピーイレーサの概
略構成を示す図である。
【図2】 トナー溶解装置における溶剤の浸漬、噴霧及
び塗布による付着方法を示す図である。
【図3】 除去装置におけるトナーの除去方法を示す図
である。
【符号の説明】
1 コピーイレーサ 3 溶解装置 5 除去装置 6 仕上げ装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コピー機器によって生ずる印字済み廃紙
    から印字成分であるトナーを除去して用紙として再生す
    るコピー紙の再生装置にあって、トナーを溶解する溶剤
    を廃紙に付着させるトナー溶解装置と、このトナー溶解
    装置とは別個に設けられ、該装置により溶解されたトナ
    ーを廃紙より除去するトナー除去装置と、溶剤によって
    トナーが溶解され、除去された廃紙を乾燥及び延伸して
    再生紙に再生する仕上げ装置とを備えたことを特徴とす
    るコピー紙の再生装置。
  2. 【請求項2】 トナー溶解装置は、印字部分に溶剤を噴
    霧または塗布により付着することによってトナーを溶解
    し、トナー除去装置は、溶解したトナーを吸引、吸着、
    電位帯電などの機械的または電気的な手段を用いて剥離
    除去することを特徴とする請求項1記載のコピー紙の再
    生装置。
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