JPH07175255A - 像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置

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JPH07175255A
JPH07175255A JP34358893A JP34358893A JPH07175255A JP H07175255 A JPH07175255 A JP H07175255A JP 34358893 A JP34358893 A JP 34358893A JP 34358893 A JP34358893 A JP 34358893A JP H07175255 A JPH07175255 A JP H07175255A
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liquid
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JP34358893A
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Masatoshi Saito
正敏 斉藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱軟化性トナーTの像が形成された転写紙1
に処理液4を供給してトナーの付着を不安定にした状態
で、トナーと接着性のある表面材質からなる剥離ローラ
5に転写紙上トナーを、加熱加圧接着した後に転写紙を
該ローラから分離してトナーを剥離除去する転写紙から
のトナー除去装置において、ベタ画像が形成された転写
紙についても文字画像が形成された転写紙に対するのと
同様の剥離条件(加圧力・加熱温度など)で、良好にト
ナーを除去できるようにする。 【構成】 液体4を供給するまでの転写紙のトナー像面
に前処理ユニット13で、トナーを一部除去するなどし
て、トナー像を破損あるいは破壊し、これにより、転写
紙に供給される処理液がトナーと転写紙との界面部に効
率的に侵入するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置などによって
トナーなどの像形成物質を安定に付着させた転写紙など
の像保持体から、該像形成物質を取り除く像保持体から
の像形成物質除去方法及びその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、記録済みの像保持体からトナーな
どの像形成物質を除去する像形成物質除去方法及びその
装置としては種々のものが知られている。例えば溶剤を
使用するものとして、特開平1−101576号公報に
は、トナーが付着された像保持体をトナー樹脂の可溶性
溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加し、溶剤に溶解し
たトナーを紙面より遊離させる像形成物質除去方法が開
示されている。また、特開平4−300395号公報に
は、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧あるいは塗布等
による方法で付着させてトナーを溶解し、溶解したトナ
ーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械剥離あるいは
静電気吸着等による方法で除去する像形成物質除去方法
が開示されている。
【0003】また、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平2−255195号公報には、支持体上に離型
剤を塗布した印刷体に電子写真方式あるいは熱転写方式
で載せた熱溶融性インキあるいはトナーを、該印刷体に
インキ剥離体を重ね加熱ローラと圧力ローラの間を通
し、冷えてからインキ剥離体を剥がすことにより、該イ
ンキ剥離体の方に付着させて除去する像形成物質除去方
法が開示されている。また特開平4−64472号公報
には、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエンド
レスシートと、これを支えて回転させる熱ローラ及び冷
却ローラと、表面に離型処理をした紙(イレーザブルペ
ーパ)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂に押しつけ
る押圧ローラと、これらを連動して動かせる駆動部から
なるイレーザが開示されている。また特開平4−829
83号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に紙を
通過させる2本の並行に設けられたローラと、該2本の
ローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、該圧接
箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具と、
前記ローラに付着した像形成物質を前記ローラから除去
する剥離装置とを備えた像形成物質除去装置が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記溶剤を使用しない
方法や装置は、表面に紙繊維が露出している通常の紙に
画像を記録した記録済み像保持体から像形成物質を除去
するのに使用すると、例えば電子写真方式の定着工程で
熱溶融性樹脂を主成分とする像形成物質を像保持体に融
着させるなどして、像形成物質が像保持体表面の繊維に
強固に固着されているので、像形成物質除去の際に像形
成物質と共に表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷して
しまう恐れがあった。
【0005】そこで、先に本出願人は、記録済み像保持
体に、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを
含む水溶液、及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む
水溶液よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水ある
いは水溶液を保持させるとともに、剥離体を介在させ、
像形成物質を該剥離体に加熱接着もしくは加圧接着して
像保持体から剥離する像形成物質除去方法を提案した
(例えば、特願平4−255916号参照)。これによ
れば、像保持体の紙質を比較的損傷することなく、像形
成物質のみを除去することができる。
【0006】ところが、この像形成物質除去方法におい
ては、像保持体上の像形成物質からなる画像の形成状
態、例えば、ベタ画像か文字画像などによって、像形成
物質を完全に除去するための条件設定が異なることが判
ってきた。具体的には、例えばベタ画像のようなものほ
ど完全に像形成物質を除去するための、像保持体への必
要液体供給量が多く、剥離体と像形成物質とを接着する
ときの加熱温度もしくは加圧力の設定が難しく、また各
処理の処理速度を遅いくする必要があることなどが判っ
てきた。
【0007】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、表面に像形成物質
が固着している像保持体に、該表面と像形成物質との付
着を不安定にする液体を供給し、かつ、該表面上の像形
成物質に対して該表面よりも強い付着力を発揮する剥離
体と、該表面上の像形成物質とを接触させた状態で加圧
及び又は加熱した後に、該剥離体と像保持体とを分離し
て像保持体から像形成物質を除去する像保持体からの像
形成物質除去方法及びその装置において、トナー除去性
能を向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、表面に像形成物質が固着してい
る像保持体に、該表面と像形成物質との付着を不安定に
する液体を供給し、かつ、該表面上の像形成物質に対し
て該表面よりも強い付着力を発揮する剥離体と、該表面
上の像形成物質とを接触させた状態で、加圧及び又は加
熱して該剥離体に像形成物質を接着させた後に、該剥離
体と像保持体とを分離することにより、像保持体から像
形成物質を除去する像保持体からの像形成物質除去方法
において、表面に像形成物質が固着している像保持体
に、該表面と像形成物質との付着を不安定にする液体を
供給するのに先だって、像保持体上の像形成物質の一部
を除去することを特徴とするものである。
【0009】請求項2の発明は、表面に像形成物質が固
着している像保持体に、該表面と像形成物質との付着を
不安定にする液体を供給し、かつ、該表面上の像形成物
質に対して該表面よりも強い付着力を発揮する剥離体
と、該表面上の像形成物質とを接触させた状態で、加圧
及び又は加熱して該剥離体に像形成物質を接着させた後
に、該剥離体と像保持体とを分離することにより、像保
持体から像形成物質を除去する像保持体からの像形成物
質除去方法において、表面に像形成物質が固着している
像保持体に、該表面と像形成物質との付着を不安定にす
る液体を供給するのに先だって、像保持体上の像形成物
質からなる像中の微視的な隙間を拡大させる処理を施す
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去方法において、表面に像形成物質が
固着している像保持体に、該表面と像形成物質との付着
を不安定にする液体を供給する液体供給手段と、該表面
上の像形成物質に対して該表面よりも強い付着力を発揮
する剥離体と該表面上の像形成物質とを接触させた状態
で加圧及び又は加圧した後に、該剥離体と像保持体とを
分離する像形成物質剥離手段とを有する像保持体からの
像形成物質除去装置において、上記液体供給手段により
液体を供給される前の像保持体上の像形成物質からなる
トナー像を、破損乃至破壊する手段を設けたことを特徴
とするものである。
【0011】なお、以上の方法及び装置において、像保
持体としては、例えば、紙などの少なくとも表面が繊維
質からなり、かつ吸液性や可撓性を有する像保持体が挙
げられる。また像形成物質としては、例えば熱軟化性あ
るいは熱溶融性トナーが挙げられる。また上記液体とし
ては、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを
含む水溶液および水溶性ポリマーと界面活性剤を含む水
溶液よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水あるい
は水溶液を用いることができる。
【0012】また、像保持体上の像形成物質の一部を除
去したり、像形成物質からなる像中の微視的な隙間を拡
大させたり、像形成物質からなるトナー像を破損乃至破
壊したりするには、物理的、化学的、あるいは機械的な
各種の方法を用いることができる。例えば、レーザー光
の照射、超音波振動の付与、好ましくは飛散しない微量
の有機溶剤の散布、平目、縦目あるいは綾目状に先端が
鋭利な突条が表面に形成されたローラなどや、ナイフエ
ッジ状部材、スパイラル刃物、ブラシあるいは砥石など
を用いた像形成物質固着面の処理などの方法を用いるこ
とができる。
【0013】そして、像形成物質を除去した像保持体に
対しては、像形成物質を除去した表面の平滑性や像保持
体の湿度が、像形成物質除去処理前と略同一になるよう
に、加圧や乾燥による復元処理を施すことが望ましい。
【0014】
【作用】本発明においては、表面に像形成物質が固着し
ている像保持体に対し、まず像保持体上の像形成物質の
一部除去、像形成物質からなる像中の微視的な隙間の拡
大、あるいは像形成物質からなるトナー像の破損乃至破
壊の処理を施す。その後、該表面と像形成物質との付着
を不安定にする液体を供給し、かつ、該表面上の像形成
物質に対して該表面よりも強い付着力を発揮する剥離体
と、該表面上の像形成物質とを接触させた状態で加圧及
び又は加熱して、像形成物質を該剥離体に接着した後
に、該剥離体と像保持体とを分離して像形成物質を像保
持体から剥離することにより、像保持体から像形成物質
を除去する。
【0015】
【実施例】本発明を、転写型の電子写真複写機によって
画像が形成された像保持体としての転写紙から、像形成
物質としての熱軟化性トナー(以下、トナーという)を
取り除くトナー除去装置に適用した実施例について説明
する。まず、図1を用いて本発明を適用できるトナー除
去装置の一例について説明する。
【0016】図1において、このトナー除去装置は、図
示を省略した給紙ユニットと、給紙ユニットから送られ
てきた転写紙1に液を供給する液供給ユニット2と、液
が供給された転写紙1からトナーを剥離して除去するト
ナー剥離ユニット3と、トナーが除去された転写紙1を
乾燥させる図示を省略した乾燥ユニットなどを備えてい
る。
【0017】このトナー除去装置は、液供給ユニット2
で転写紙1とトナーとの付着状態を不安定化状態にする
不安定化液(以下、処理液という)4を転写紙1に付与
して、処理液4を少なくとも転写紙1とトナーとの界面
部に浸透させ、トナーと転写紙1との付着を不安定にし
た状態で、トナー剥離ユニット3の剥離ローラ5によっ
て転写紙1からトナーを剥離した後、乾燥ユニットで乾
燥させて転写紙を再利用可能にするものである。
【0018】以下、このトナー除去装置において主要な
ユニットである液供給ユニット2及びトナー剥離ユニッ
ト3について説明する。液供給ユニット2は、トナーT
からなる像が形成されている転写紙1の下面に処理液4
を塗布する塗布ローラ6と、該塗布ローラ6及び処理液
4を収容する液容器7と、塗布ローラ6に下面が対向し
ている転写紙部分を上面側からバックアップするバック
アップローラ8とから構成されている。このような塗布
ローラ6を用いる方式に代え、液容器7に収容されてい
る処理液中に転写紙1を通すじゃぶ付け方式や、処理液
4をミスト状にして吹き付ける噴霧方式で処理液4を転
写紙1に供給するようにしても良い。
【0019】ここで、上記処理液4としては、水、水溶
性ポリマーを含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及
び、水溶性ポリマーと界面活性剤とを含む水溶液よりな
る群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液を
用いることができる。また、該水又は水溶液には、所定
の有機溶剤を含有させることもできる。また、上記処理
液4として、有機溶剤のみを用いることもできる。
【0020】上記水溶性ポリマーとしては、例えば、デ
ンプン質(かんしょデンプン、ばれいしょデンプン、タ
ピオカデンプン、小麦デンプン、コーンスターチ等)、
マンナン(こんにゃく等)、海藻類(ふのり、寒天、ア
ルギン酸ナトリウム等)、植物粘質物(トロロアオイ、
トラガントゴム、アラビアゴム等)、微生物による粘質
物(デキストラン、レバン等)、タンパク質(にかわ、
ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等)の天然ポリマー
や、セルロース系(ビスコース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等)、デンプン系(可溶性デンプ
ン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプ
ン)の半合成ポリマーや、合成ポリマー等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0021】また、上記界面活性剤としては、例えば、
陰イオン系(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステ
ル塩、リン酸エステル塩、ホスホン酸塩等)、陽イオン
系(アミン塩、第四級アンモニウム塩、ブンザルコニウ
ム塩、塩化ベルゼトニウム塩、ピニジニウム塩、イミダ
ゾリニウム塩、スルホニウム塩、ポリエチレンポリアミ
ン等)、両性系(アミノ酸、カルボキシベタイン、スル
ホベタイン、アミノ硫酸エステル、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリン誘導体等)、非イオン系(エーテル
型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型、多価
アルコール、アミノアルコール、ポリエチレングリコー
ル等)の通常の界面活性剤やフッ素系界面活性剤等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】また、上記水又は水溶液に含有させる有機
溶剤としては、ターペンチン、ジペンテン、ブチルアセ
テート、四塩化炭素、セロソルブアセテート、キシレ
ン、トルエン、エチルアセテート、ジアセトンアルコー
ル、メチルセロソルブアセテート、ベンゼン、メチルエ
チルケトン、メチルアセテート、メチレンクロリド、エ
チレンジクロリド、シクロヘキサン、セロソルブ、ジオ
キサン、アセトン、メチルセロソルブ、シクロヘキサノ
ール、ブタノール等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0023】また、上記単独で用いる有機溶剤として
は、炭素水素系溶剤であるヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、スピィリット、ナフサN01〜6(シェル
石油社の商品名)、アイソパーE,L,K,V(エクソ
ン社の商品名)、アイピーソルベント(出光石油社の商
品名)、シェルーゾル70,71、ソルベッソ100,
150(シェルオイル社の商品名)、アスコムOMS,
460(スピリッツ社の商品名)、ベガゾール103
0,2130,3040(モービル石油社の商品名)等
が挙げられる。更に、フッ素系溶剤であるフロリナート
FC40,43,70,77(住友3M社の商品名)、
アフルードE10,16,18等や、シリコーン系溶剤
である信越シリコーンKF96(商品名)、東レシリコ
ーンSH200,344(商品名)、東芝シリコーンT
SF431(商品名)等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0024】トナー剥離ユニット3は、トナーTの軟化
手段としての加熱ランプ9を内蔵し転写紙1のトナー像
面である下面に対向して配置された剥離ローラ5と、同
じく加熱ランプ10を内蔵し、転写紙1を挾んで剥離ロ
ーラ5に上方から圧接するように配置された加圧ローラ
11と、剥離ローラ5の表面をクリーニングするクリー
ニングブラシローラ12とから構成されている。両ロー
ラの圧接部を通過した直後の剥離ローラ表面に接触する
ように転写紙分離用の例えば爪部材を設けても良い。
【0025】上記剥離ローラ5の表面は、少なくとも軟
化しているトナーに対して、転写紙1と該トナーとの付
着力より大きい付着力を有するものを用いて構成する。
具体的には、上記トナーと同一又は類似のトナー成分樹
脂や、接着剤の成分樹脂等を用いることができ、またア
ルミ系、銅系、ニッケル系等の金属材料を用いることも
できるが、これらに限定されるものではない。また、上
記樹脂は、水溶性のものであっても、あるいは非水溶性
のものであってもよい。
【0026】上記トナー成分樹脂としては、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−ブ
チルアクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。 (以下、余白)
【0027】また、上記接着剤の成分樹脂としては、に
かわ、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質
系接着剤、デンプン系、セルロース系、複合多糖類系
(アラビアゴム、トラガントゴム等)等の炭水化物系接
着剤、酢酸ビニルの重合体及び共重合体、アクリル系、
エチレン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
レタン等の熱可溶性接着剤、ポリクロロプレン系、ニト
リルゴム系、再生ゴム系、SBR系、天然ゴム系等のゴ
ム系接着剤、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤、酸化
チタンを分散させたポリエチレンテレフタレート(PE
T)、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0028】また、上記樹脂を用いる場合には、テンシ
ョンや熱による伸び防止、耐久性等の観点から、支持体
と表層の少なくとも2層以上の多層構造にすることが望
ましい。すなわち、図示の例のように剥離体をローラ形
状にする場合には、ローラ形状の基体、例えばゴムロー
ラ上に、上記樹脂からなる表層を形成して剥離体を構成
することが望ましい。なお、剥離体はベルト状やカット
シート状に構成することもできる。いずれの形状にする
場合にも上記樹脂を直接支持する支持体として、例え
ば、セロハンテープ、クラフト紙粘着テープ、ポリ塩化
ビニルテープ、アセトンテープ、フィラメント補強テー
プ等のテープ、等を用いることができる。
【0029】また上記各加熱ランプ9,10は、転写紙
1に固着しているトナーを加熱して軟化させ、これによ
り、トナーを転写紙1の繊維から剥がれ易くするもので
ある。この加熱は両ローラ5,11の圧接部において転
写紙1上のトナーが溶融しない程度に行うことが望まし
い。トナーが溶融してしまうと転写紙1上のトナーを、
紙側と剥離ローラ302側とに分断することなく、剥離
ローラ302側へ転写させるのが、困難になるためであ
る。また加熱し過ぎると剥離ローラ302対の圧接部を
通過中に転写紙1が乾燥し過ぎて、トナーの転写紙1に
対する固着力が転写紙1が濡れている場合に比して強ま
り、転写紙1がトナーを介して該ローラ302に貼り付
いて分離できなくなる恐れがある。従って、加熱部通過
後の転写紙1に多少の湿り気が残る程度に加熱すること
が望ましい。
【0030】上記クリーニングブラシローラ12は、剥
離ローラ5の表面上のトナーTを除去するものであり、
図示を省略したトナー受け容器が付設されている。
【0031】なお、上記乾燥ユニットは、転写紙1を乾
燥させるものであり、例えば、加熱ランプ内蔵の例えば
アルミや鉄などからなる剛体の加熱ドラムと、複数の支
持ローラに掛けわたされ、該加熱ドラムの周面に一定角
度まきついた状態で無端移動する紙押圧用ベルト(例え
ばデニムや帆布製)とから構成したものを用いることが
できる。この乾燥ユニットから排出された転写紙1を受
けるための排紙トレーも備えられている。
【0032】以上の構成において、給紙ユニットから送
られた転写紙1は、液付与ユニット2でそのトナー像面
に液が均一に供給され、トナー剥離ユニット3に送られ
る。このトナー剥離ユニット3において、紙に固着して
いるトナーが剥離ローラ5からの加熱で軟化し、剥離ロ
ーラ5表面に接着される。そして紙が剥離ローラ5から
分離する際に、剥離ローラ5表面に付着したトナーが紙
から剥離し、これにより、紙からトナーが除去される。
トナーが除去された紙は乾燥ユニットで乾燥され、排紙
トレー上に排出される。
【0033】〔具体例〕図1のトナー除去装置におい
て、処理液4として界面活性剤であるBT−7(商品
名)の1%水溶液を用い、剥離ローラ5の表面材質とし
てTiO2入りPET(ポリエステルフィルム)を用い
た。ここで各加熱ランプ9,10による各ローラ5,1
1の表面温度は60乃至120°C、両ローラ5,11
の加圧力は20乃至200Kg/320mmにトナー剥離
除去の最適範囲があった。また乾燥ユニットは、加熱ヒ
ータを内蔵させた肉厚3mmのアルミ製中空ドラムと綿布
からなるベルトとを用い、70乃至150°Cに加熱し
た。
【0034】ここで、以上の構成のみでは、前述のよう
に例えばべた画像が形成された転写紙1からトナーを完
全に除去することが困難な恐れがある。そこで、本実施
例においては、図1に示す液供給ユニット2よりも転写
紙搬送方向において上流側の位置に、転写紙1のトナー
像面側に前処理ユニット13を設ける。この前処理ユニ
ット13は、転写紙1上のトナー像を破損乃至破壊し
て、例えばベタ画像であっても、擬似的に文字パターン
画像の様にしたり、トナー画像を構成する微視的なトナ
ーの集合体を粉砕された状態にしたりするものである。
【0035】図3(a)乃至(c)はそれぞれ、上記前
処理ユニット13の構成例をしめすものである。図3
(a)は綾目、同(b)は縦目、同(c)は平目状に、
それぞれ先端が鋭利な突条を表面に形成された加工用ロ
ーラ14と、これに対して転写紙を挾んで対向するバッ
クアップローラ15とから構成されている。この加工用
ローラ15は、上記突条の先端部がトナーに対して転写
紙よりも付着力の大きな材質で構成されている場合など
は、転写紙1の搬送速度と同速度の周速で回転するよう
にしても、上記トナー像の破壊などを行うことができる
が、通常は転写紙1の速度差が生じるように回転させる
ことが望ましい。
【0036】また、図3(a)乃至(c)のような機械
的なトナー像破壊方式に代え、又はこれに加え、その他
の機械的、物理的あるいは化学的な各種の方法でトナー
像破壊などを行うようにしても良い。例えば、ナイフエ
ッジ状部材、スパイラル刃物、ブラシあるいは砥石など
でトナーの一部を掻き取って除去したり、レーザー光の
照射で転写紙上のトナーの一部を昇華させて除去した
り、超音波振動の付与によって転写紙上のトナーの一部
を落したり、好ましくは飛散しない微量の有機溶剤の散
布してトナーを溶かしたりしても良い。
【0037】更に、巨視的なトナー像の破損や破壊まで
わ至らない、微視的なトナー像中の隙間を拡大させるこ
とができる程度の前処理であっても良い。例えば、転写
紙の繊維上にほぼ一層の状態で集合しているトナー粉か
らなるトナー像部中のいくつかのトナー粉を、例えばレ
ーザー光照射による昇華で間引くようにして、残ったト
ナー粉体間の間隔を拡大する程度でも良い。更に、複写
機における加熱定着時に軟化して互いの上部同士が融着
しているトナー粉間の連結部分がレーザー光照射による
昇華でなくなって互いに独立した粉体形状になることに
より、該連結部分の分だけ隙間が拡大する程度でも良
い。
【0038】本実施例によれば、以上のような前処理に
よって、転写紙搬送下流側の液供給ユニット2で転写紙
1に供給された処理液4がトナーと転写紙との界面部に
侵入しやすくなる。このため、真に液供給が必要な上記
界面部に効率的に付与されることになり、転写紙への必
要供給液量を、このような前処理を施さない場合に比し
て少なくでき、しかも転写紙全体で均一な液供給ができ
る。よって、転写紙への供給液量が他の方式に比べて少
ないミスト方式の液供給も十分使用できるようになる。
また、転写紙全体として吸液して保持する液量も少なく
できるので、乾燥ユニットの加熱負担の軽減が図れる。
更に処理液による紙質変化も抑えられる。
【0039】また、トナー除去装置内では、転写紙が濡
れて腰が弱くなり、装置内での転写紙搬送中にしわが発
生するのを防止するため、図1中の搬送ローラ対16,
17や剥離ローラ5とバックアップローラ11の対など
による挾持搬送の周速を、搬送方向下流側のものほど多
少早くなるように設定して、搬送方向に転写紙を引っ張
り加減に搬送している。また前述の加熱ドラムと紙押え
用ベルトで構成された乾燥ユニットでは、該ベルトにか
なりのテンションを掛けて該ドラムと該ベルトとの間で
転写紙を挾んだ状態で加熱乾燥させている。このような
原因で転写紙1が搬送方向に伸びことも判ってきたが、
本実施例においては上述のように、転写紙全体として吸
液して保持する液量を比較的少ないので、濡れ程度が少
ないこと自体によって比較的伸びにくくなり、また、上
記ドラム及びベルトを用いた乾燥ユニットでも比較的ベ
ルトテンションを弱く設定できる。従って、転写紙の伸
びも比較的抑えられ、例えばトナー除去後の複写機にお
ける再使用時に規定大きさの転写紙カセット内に収まら
ないというような不具合も軽減できる。
【0040】更に、剥離ユニット3におけるトナー除去
においても、転写紙上のトナー像が予め破損あるいは破
壊された状態で送られてくるので、トナーの剥離除去が
比較的容易になる。このため、転写紙上のトナー像形成
状態が種々異なっても、一定のトナー除去条件、特に、
トナー剥離ユニット3内の各条件を、一定にしても対応
できようになる。この効果は、例えば図3の加工用ロー
ラ14の周速設定を比較的高速にするなどして、上記前
処理ユニット13におけるトナー除去量を大きくする、
すなわち該ユニット13を1段目のトナー除去ユニット
として積極的に活用するようにすれば、一定のトナー除
去条件で、いかなるトナー像形成状態の転写紙からも完
全にトナーを除去できるようになる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、表面に像形成物質が固
着している像保持体に対し、該表面と像形成物質との付
着を不安定にする液体を供給する前に、像保持体上の像
形成物質の一部除去、像形成物質からなる像中の微視的
な隙間の拡大、あるいは像形成物質からなるトナー像の
破損乃至破壊の処理を施すので、該供給による液体を、
効率的に像形成物質と像保持体との界面部に侵入させる
ことができる。よって、トナー除去性能を向上させるこ
とができる。また、像形成物質からなる像形成状態が種
々ことなる像保持体に対しても、一定の像形成物質除去
条件、特に像形成物質の剥離除去に関する一定条件で対
応することが可能になる。また、供給された液体を、効
率的に像形成物質と像保持体との界面部に侵入させるこ
とができるので、像保持体全体での液供給量を少なくで
きる。よって像保持体が吸液を有し、伸びが生じる可能
性があるものである場合にも、その伸びを軽減できる。
また像形成物質除去後の像保持体の仕上げとして、乾燥
処理を行う場合にも、乾燥の為の加熱負担を軽減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図2】(a)乃至(c)はそれぞれ前処理ユニットの
構成例の説明図。
【符号の説明】
1 転写紙 2 液付与ユニット 3 トナー剥離ユニット 4 処理液 6 塗布ローラ対 5 剥離ローラ 9 加熱ランプ 13 前処理ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に像形成物質が固着している像保持体
    に、該表面と像形成物質との付着を不安定にする液体を
    供給し、かつ、該表面上の像形成物質に対して該表面よ
    りも強い付着力を発揮する剥離体と、該表面上の像形成
    物質とを接触させた状態で、加圧及び又は加熱して該剥
    離体に像形成物質を接着させた後に、該剥離体と像保持
    体とを分離することにより、像保持体から像形成物質を
    除去する像保持体からの像形成物質除去方法において、 表面に像形成物質が固着している像保持体に、該表面と
    像形成物質との付着を不安定にする液体を供給するのに
    先だって、像保持体上の像形成物質の一部を除去するこ
    とを特徴とする像保持体からの像形成物質除去方法。
  2. 【請求項2】表面に像形成物質が固着している像保持体
    に、該表面と像形成物質との付着を不安定にする液体を
    供給し、かつ、該表面上の像形成物質に対して該表面よ
    りも強い付着力を発揮する剥離体と、該表面上の像形成
    物質とを接触させた状態で、加圧及び又は加熱して該剥
    離体に像形成物質を接着させた後に、該剥離体と像保持
    体とを分離することにより、像保持体から像形成物質を
    除去する像保持体からの像形成物質除去方法において、 表面に像形成物質が固着している像保持体に、該表面と
    像形成物質との付着を不安定にする液体を供給するのに
    先だって、像保持体上の像形成物質からなる像中の微視
    的な隙間を拡大させる処理を施すことを特徴とする像保
    持体からの像形成物質除去方法。
  3. 【請求項3】表面に像形成物質が固着している像保持体
    に、該表面と像形成物質との付着を不安定にする液体を
    供給する液体供給手段と、該表面上の像形成物質に対し
    て該表面よりも強い付着力を発揮する剥離体と該表面上
    の像形成物質とを接触させた状態で加圧及び又は加圧し
    た後に、該剥離体と像保持体とを分離する像形成物質剥
    離手段とを有する像保持体からの像形成物質除去装置に
    おいて、 上記液体供給手段により液体を供給される前の像保持体
    上の像形成物質からなるトナー像を、破損乃至破壊する
    手段を設けたことを特徴とする像保持体からの像形成物
    質除去装置。
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