JP2734127B2 - ミシンの糸通し装置 - Google Patents

ミシンの糸通し装置

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JP2734127B2 JP27272589A JP27272589A JP2734127B2 JP 2734127 B2 JP2734127 B2 JP 2734127B2 JP 27272589 A JP27272589 A JP 27272589A JP 27272589 A JP27272589 A JP 27272589A JP 2734127 B2 JP2734127 B2 JP 2734127B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はミシンの糸通し装置に関し、詳しくはミシン
による縫製の準備に際して、縫針の目孔に糸を通すミシ
ンの糸通し装置に関する。
[従来の技術] 従来から、ミシンの糸通し装置としては、針棒に平行
に設けられ軸回転および昇降可能な支持軸と、支持軸に
突設された糸通し用フック(以下、単にフックという)
とを備え、支持軸を下降させてフックと縫針の目孔との
高さを等しくした状態から、支持軸の回転によりフック
を縫針の目孔に貫入させて目孔前に張られた糸を捕捉
し、捕捉後、糸をゆるめつつ支持軸の逆回転によりフッ
クを目孔から抜き出して縫針の目孔から糸を引き抜き、
糸通しを行なうものが知られている。このような糸通し
装置において、縫針の目孔前に糸を張る操作は、支持軸
に設けられた糸掛け部に糸供給源から引き出した糸を掛
け、糸端部を指で引っ張って糸を緊張させながら縫針の
目孔前に誘導しフックに捕捉させると共に、フックの引
き抜き時には糸がフックから外れない程度にゆるめて行
っている。こうした指による操作は、縫針の目孔への糸
の誘導のしかたや、糸の緊張・弛緩のタイミングのとり
方が難しく、ある程度の経験が必要とされ、不慣れな者
にとっては、扱いにくいものであった。そこで、本願出
願人は、このような人的操作に代え、フックの動作と連
動して縫針の目孔前に糸を緊張・弛緩させる技術を出願
している(特開昭63−89194号)。この技術に示される
糸通し装置は、支持軸に回転自在に突説された2つの糸
係止部材と、フックが縫針の目孔に接近するときに両糸
係止部材間の離隔を広げ、フックが縫針の目孔から遠ざ
かるときに両係止部材間の離隔を狭める機構とを備え、
両糸係止部材に形成されたスリットに糸を挿入して縫針
の目孔前に糸を緊張させて誘導する動作と、糸を弛緩さ
せる動作とにより、フックに連動して糸の緊張・弛緩を
行なうものである。
[発明が解決しようとする課題] 上記糸通し装置は、糸を緊張・弛緩させる手段を備え
ることにより人的要素を排除したものとして優れたもの
ではあるが、以下のような問題があった。即ち、この糸
通し装置は、フックの退避動作時に糸を弛緩させるので
あるが、糸が糸端側の糸係止部材のスリットから滑らか
に抜けず、フックが退避動作中に糸に引かれて止まって
しまったり、あるいは、糸が早くフックから外れてしま
い縫針の目孔から糸を長く引き出すことができない場合
があった。スリットの幅を大きくすれば、糸は滑らかに
抜けるものの、糸の緊張時においては充分な張力が得ら
れず、フックに糸がうまく捕捉されなくなってしまう。
このように、糸を緊張・弛緩させる動作において、その
各々の動作に適した糸の張力が得られないのである。
また、両係止部材が支持軸の軸を中心に回転すること
から、両係止部材の離隔の変化をあまり大きくとれず、
両係止部材間および糸供給源側の糸のたるみを吸収しき
れなくなり、糸に充分な張力を与えることができない場
合があった。両係止部材を支持軸から大きく離せばこの
問題は解消されるが、支持軸と両係止部材とを連結する
連結部材が長くなり、この連結部材を支持軸を中心とし
て回転させるためには広いスペースが必要となってしま
う。
本発明のミシンの糸通し装置は上記課題を解決し、フ
ックの捕捉動作に応じて糸に適切な張力を与え、良好に
縫針の目孔に糸通しをすることを目的とする。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のミシンの針穴糸通し装置は、 縫針の目孔に対して進退可能に形成され、糸を捕捉す
る糸通しフックと、 上記フックを支持し上記縫針の目孔に接近・貫入させる
接近動作と、上記縫針の目孔から退避させる退避動作と
を司る支持軸と、 上記支持軸に回転可能に軸支され、上記支持軸から上
記縫針までの距離よりやや長く該軸径方向に突出し、そ
の先端付近にて糸供給源から供給される糸を係止する糸
係止部と、 上記支持軸の回転に連動して上記フックの接近動作時
に上記糸係止部を上記縫針の目孔に接近させ、上記フッ
クの退避動作時に上記糸係止部を上記縫針の目孔から遠
ざけるリンク機構と を備え、上記支持軸の軸回転により上記フックが上記糸
係止部に係止された糸を捕捉しつつ上記縫針の目孔を挿
通して糸通しを行なうミシンの糸通し装置において、 上記リンク機構には、上記支持軸を挟んで上記縫針の
反対側で、上記フックの接近動作時に上記支持軸から遠
ざかり、上記フックの退避動作時に上記支持軸に近づく
リンク点に、糸を把持する糸把持部を設け、 上記糸係止部に係止される糸の端側を上記糸把持部に
把持させて、上記フックの接近動作時に上記縫針の目孔
付近で糸を緊張させ、上記フックの退避動作時に該糸を
弛緩させる糸張り調整手段を構成し、 上記糸把持部は、互いに圧接するよう少なくとも一方
が付勢された2つの向かい合う板面と、該付勢された板
面を該圧接方向に摺動可能に軸支する板面支持部とを備
えると共に、 上記2つの板面の少なくとも一方には、上記2つの板
面の間に挿入された糸が上記フックの接近動作時に把持
される位置に対して上記板面支持部の外側に溝が形成さ
れていることを要旨とする。
[作用] 上記構成を有する本発明のミシンの糸通し装置は、糸
供給源から供給された糸を糸係止部に係止し、一方その
糸の糸端側を糸把持部に把持した状態において、支持軸
の回転に連動してフックが接近動作すると、糸張り調整
手段が、リンク機構により糸係止部を縫針の目孔に接近
させると共に、リンク点上の糸把持部を支持軸から遠ざ
け、糸係止部と糸把持部との間の糸を縫針の目孔付近に
緊張させる。
フックが退避動作するときには、糸張り調整手段は、
リンク機構により糸係止部を縫針の目孔から遠ざけると
共に、糸把持部を支持軸に近づけ、糸係止部と糸把持部
との間の糸を弛緩させる。従って、フックが糸を捕捉す
るときには、糸は緊張状態にあり、糸を縫針から引き抜
くときには、糸は弛緩状態となる。糸把持部は、フック
の接近動作時に2つの向かい合う板面にて糸を圧接し、
フックの退避動作時に糸がフックに引かれることから、
この板面を軸支する板面支持部の外側に糸を排出して溝
に導入する。溝に導入された糸は、板面からの圧接が低
減され、フックの退避動作を妨げず、フックの動作に追
従して引かれていく。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のミシンの糸通し装置の好適な実施
例について説明する。
第1図は、一実施例としてのミシンの糸通し装置(以
下、単に糸通し装置という)の要部の動作を示す説明図
であり、第2図は糸通し装置の斜視図であり、第3図は
その正面図である。尚、第1図は第3図におけるX−X
矢視図に相当する。
糸通し装置は、ミシン機枠(図示略)に固定される針
棒台1に上下動可能に挿通支持される針棒2に平行で、
針棒台1に上下動可能に挿通支持される糸通し棒3を備
える。この糸通し棒3の下端部には、硬質合成樹脂を材
質とするフック保持部4が固定されている。フック保持
部4には第1図に示すように、水平(図示しないミシン
ベッドに平行)に延出して略直角方向に折曲する糸通し
フック5(以下、単にフック5という)およびフック5
を挟んで両側に位置するフックガード6,7と、同じく水
平に延出した糸挟持ワイヤ8とからなるフック部9が取
り付けられている。
フック5は、第4図に示すように、その先端に下方に
向かって延びる鈎の手状の鈎部10が縫針11の目孔12に挿
通可能に形成されている。そして、この鈎の手内側に
は、糸挟持ワイヤ8が当接しており、糸挟持ワイヤ8は
その弾性によりフック5の先端方向に付勢されている。
フック5の両側に位置するフックガード6,7は、その先
端に「V」字状に糸導入溝13が形成され、更にその糸導
入溝13の最深位置には、糸通しワイヤ8が摺動可能なワ
イヤ摺動溝14が形成されている。
フック保持部4にはフック部9と反対方向に延出する
突出片15が一体に形成されている。この突出片15の先端
には通孔16が垂直に穿説されると共に、2つの糸ガイド
片17,18が水平に突出して形成されている。
糸通し棒3の下端には、更に、フック保持部4を
「コ」字状に上下に挟み、糸通し棒3に対して回転可能
に形成されたリンクレバー19が挿通されており、このリ
ンクレバー19の水平方向に延出された端部にピン20が垂
直に突設されている。また、リンクレバー19の「コ」字
状背面には、糸係止部50が固着されている。
糸係止部50は、第5図に示すように、リンクレバー19
の背部に固定される固定板21と、固定板21の上,下端か
ら水平方向に突出し中央部が湾曲したアーム22,23と、
アーム22の突出方向先端から下方向に延出した押え爪24
と、アーム23の突出方向先端から上方向に延出した糸掛
け爪25とからなり、これらは一体に形成されている。押
え爪24は、その先端が固定板21から離れる方向に湾曲さ
れると共に、その湾曲開始位置に糸掛け溝26が形成され
ている。
糸通し棒3にはフック保持部4の上部において、糸通
し棒3に嵌挿した2枚のEリング27,28に挟まれて摺動
ガイド29が針棒2の反対方向に突出して遊挿されてお
り、このEリング27,28により上下位置が規制されてい
る。更に、この摺動ガイド29には、糸通し棒3に平行で
軸方向に溝30が形成された支持枠31が一体に形成されて
おり、この溝30内に針棒台1に突設されたピン32が遊嵌
している。従って、糸通し棒3が上下動すると、これに
伴いこの摺動ガイド29及び支持枠31も一体的に上下動す
るが、糸通し棒3の軸回転に対しては追従しない。
摺動ガイド29には、所要長のガイド溝33が穿設され、
このガイド溝33内にリンク機構を構成するリンクピン34
が摺動自在に遊嵌される。このリンクピン34は、後述す
るリンク板35,押え皿36,皿受けリンク板37を軸支する。
リンク板35は、第1図(ア)に示すように、両端に穿設
された通孔38,39に、リンクピン34とリンクレバー19に
突設されたピン20が各々回転可能に挿通されている。ま
た、リンクピン34に軸支される皿受けリンク板37は、そ
の軸支される側に糸案内片40が突設され、他端には通孔
41が穿設されている。そして、この通孔41と、フック保
持部4の突出片15の先端に穿設された通孔16とがピン42
により回転可能に挿通される。
このように、リンクピン34により共通に軸支されるリ
ンク板35及び皿受けリンク板37と、このリンク板35にピ
ン20を介して連結するリンクレバー19と、皿受けリンク
板37にピン42を介して連結する突出片15とによってリン
ク機構が構成される。
このリンク機構において、リンク板35と皿受けリンク
板37との間に、押え皿36がリンクピン34に摺動可能に軸
支されている。押え皿36は、第6図に示すように、皿受
けリンク板37に当接する当接面43を有し、コイルバネ44
により皿受けリンク板37方向に付勢されている。皿受け
リンク板37には、この押え皿36の当接面43に面しリンク
ピン34から所定距離離れた位置に糸抜き溝45が糸道に沿
って凹設されている。
次に、糸通し棒3の動作について説明する。尚、この
動作を司る機構の詳細については、本願出願人の実公昭
61−35188号公報に記載されている。
糸通し棒3は、図示しない操作レバーの操作により、
フック5と針棒2に装着された縫針11の目孔12との水平
位置が等しくなる位置にまで、所定距離下降し、その
後、第1図(ア)の矢印a方向に所定角度回転する。こ
の回転により、フック部9は糸通し棒3の軸を中心に一
体に回転移動し、フック5が縫針11の目孔12に貫入して
停止する。次に、操作レバーを解除すると、糸通し棒3
は矢印b方向に逆回転し、フック部9も一体に逆回転し
て、フック5は縫針11の目孔12から抜ける。そして、糸
通し棒3は、所定角度回転後、初期位置にまで上昇す
る。
糸通し装置は、このような糸通し棒3の動作により、
フック5が縫針11の目孔12に貫入するときに、その目孔
12の正面に糸Tを張りフック5に糸Tを捕捉させ、フッ
ク5が目孔12から抜け出るときに、フック5に捕捉され
た糸Tを弛緩させて糸Tを引き抜くことにより、糸通し
を行うものであり、以下のように動作する。
第1図(ア),第2図,第3図は、糸通しの動作に入
る前の初期状態を表す。ミシンの使用者は、この状態
で、糸供給源から供給される糸Tを以下の順に準備す
る。まず、糸Tを針棒糸案内46に掛け、糸掛け爪25の外
側から押え爪24の内側に導入する。続いて、糸Tを、糸
ガイド片17,18の下面に掛け、押え皿36と皿受けリンク
板37との間に挿入し、リンクピン34方向へ引き寄せる。
この操作は、ミシンの頭部に装着される面板47に形成さ
れた糸準備経路溝48に、糸Tを沿わせることにより、一
連の動作にて行なわれる。そして、その準備動作の終了
として糸準備経路溝48の終点部に設けられたカッター49
により糸Tを切断する。このとき、糸Tは第6図(ア)
に示すように、皿受けリンク板37の糸案内片40に沿って
矢印A方向に導入され、同図(イ)に示すように、糸抜
き溝45よりもリンクピン34側に挿入・挟持される。
このように糸Tが準備された後、操作レバーを操作し
て糸通し棒3を下降させ、更に、第1図(ア)の矢印a
方向に回転させる。このとき、糸通し棒3に固着された
フック部9および突出片15は、糸通し棒3の回転と共
に、それぞれ同図(イ)の矢印c,d方向に回転し、フッ
ク部9のフック5は縫針11の目孔12に貫入する。突出片
15の回転により、摺動ガイド29のガイド溝33内に遊嵌さ
れたリンクピン34は、皿受けリンク板37を介して矢印e
方向、即ち糸通し棒3から遠ざかる方向に移動し、更
に、リンク板35を介してピン20を矢印f方向に移動させ
る。そのため、リンクレバー19も矢印f方向に回転し、
リンクレバー19の背部に固定された糸係止部50が矢印g
方向に回転し縫針11に接近する。
即ち、糸通し棒3に回転により突出片15を回転させれ
ば、その動きは、突出片15→ピン42を介して連結した皿
受けリンク板37→リンクピン34を介して連結したリンク
板35→ピン20を介して連結したリンクレバー19の順で伝
達され、糸係止部50が縫針11に接近するのである。
このような動作により、一端を押え皿36に把持された
糸Tは、その押え皿36と糸掛け爪25との離隔が大きくな
ることから、その間の糸Tは緊張される。このとき、糸
係止部50の回転により、糸掛け爪25は、押え皿36との間
の糸Tの緊張を保持しつつ、糸供給源側に摺動し、糸供
給源側の糸Tのたるみを吸収する。更に回転して糸掛け
爪25が縫針11に近づくと、糸Tは、糸掛け爪25から外れ
て押え爪24の糸掛け溝26に導入され、この糸掛け溝26と
押え皿36との間で糸Tが緊張されて、縫針11の目孔12前
に誘導される(第1図(イ)の状態)。この状態におい
ては、フック5は第4図(ア)に示すように、縫針11の
目孔12に貫入しており、緊張された糸Tが鈎部10の鈎の
手内側に導入されると共に、縫針11が糸挟持ワイヤ8を
押して、糸挟持ワイヤ8をフックガード6,7のワイヤ摺
動溝14内に摺動させる。
一方、押え皿36と皿受けリンク板37とに挟持された糸
Tは、リンクピン34と共に押え皿36が糸通し棒3から遠
ざかるため、糸Tは緊張すると共に、リンクピン34方向
(第6図(イ)の矢印B方向)にくい込んでいき、一層
強固に挟持される。従って、この押え皿36と糸係止部50
との間にて、糸Tが充分に緊張されるため、糸Tはフッ
クガード6,7の糸導入溝13に導入されてフック5の鈎部1
0に確実に捕捉される。
次に、糸通し棒3を第1図(ウ)の矢印h方向に逆回
転させると、フック部9は縫針11から矢印i方向に遠ざ
かると共に、突出片が矢印j方向に回転する。従って、
リンク機構を構成する各部材は、上述した動作に対して
戻るように動作する。即ち、リンクピン34に軸支された
押え皿36が矢印k方向に移動して糸通し棒3に近づくと
共に、糸係止部50が矢印m方向に回転して縫針11から遠
ざかる。このとき、糸係止部50の糸掛け溝26に係止され
ていた糸Tは、この移動によりそこから外れて緊張が解
かれ、第4図(イ)に示すように、フック5に捕捉され
て縫針11の目孔12から引き出されていく。このフック5
の引き抜き動作により、糸Tはフック5の鈎部10で折れ
曲がり、この鈎部10と押え皿36との間の糸Tのたるみが
吸収されて、再び糸Tが緊張する。更に、フック5に第
1図(ウ)の矢印i方向の力が働き続けると、押え皿36
に把持された糸Tは、その把持力がフック5の引き抜く
力に負けて、第1図(ウ)の矢印n方向に摺動する。こ
の摺動が始まると、糸Tは、第6図(イ)に示すよう
に、押え皿36の当接面43と皿受けリンク板37との間隙が
くさび状になっていることから、矢印C方向に移動し、
同図(ウ)に示すように糸抜き溝45に落ち込む。従っ
て、糸Tが押え皿36からの押圧が解除されて、この糸抜
き溝45内を抵抗少なく摺動するため、押え皿36とフック
5の鈎部10との間の糸Tの緊張がゆるみ、フック5の引
き抜き動作伴い、糸Tが容易に縫針11の目孔12から引き
抜かれる。尚、糸Tの緊張がゆるんでも、フック5の鈎
部10に捕捉された糸Tは、糸挟持ワイヤ8により挟持さ
れているため、鈎部10から外れない。
糸通し棒3は、所定角度の逆回転が終了すると、上昇
動作に入る。この上昇動作により、フック部9やリンク
機構を構成する各部材は一体に上昇する。このときフッ
ク5の鈎部10に捕捉された糸Tは、第4図(ウ)に示す
ように引き上げられて、さらに目孔12から引き抜かれる
が、その上昇過程において、糸Tの目孔12における摩擦
力や糸Tの自重等により、フック5が糸Tを保持しきれ
なくなり、鈎部10から外れる。
以上説明した本実施例のミシンの糸通し装置は、針棒
2の反対側で糸通し棒3に接近・隔離するリンクピン34
に押え皿36を設け、この押え皿36と糸係止部50との間に
て糸Tを緊張させるため、この両者の間隔の変化を大き
くとれ、糸Tのたるみを充分に吸収することができる。
しかも、押え皿36を移動させる機構を特別に設ける必要
がない。また、糸Tをフック5の鈎部10に導入するとき
は、押え皿36に把持されている糸Tが、更にリンクピン
34方向にくい込んでいき、一層強固に把持されるため、
押え皿36と糸係止部50との間の糸Tを充分に緊張するこ
とができ、糸Tのフック5の鈎部10への導入が確実に行
なわれる。一方、糸Tを捕捉して引き抜くときには、押
え皿36が糸通し棒3に接近すると共に、糸係止部50が縫
針11から遠ざかり、糸Tが弛緩し糸Tの引き抜きが容易
に行なわれる。糸Tの引き抜きにより再び糸Tが緊張し
ても、押え皿36と皿受けリンク板37との間に把持された
糸Tは、フック5の引き抜く力により摺動して皿受けリ
ンク板37に設けた糸抜き溝45に落ち込むため、糸Tの緊
張は解除され、糸Tを容易に引き抜くことができる。ま
た、糸挟持ワイヤ8により糸Tをフック5の鈎部10の間
にて挟持しているため、糸Tの引き抜き時に、糸Tの外
れが防止されている。
更に、糸通しを行なう際の糸Tを準備する過程におい
て、糸Tが押え皿36に把持されているため、糸準備経路
溝48の終点部に設けたカッター49にて、糸Tを所定の長
さにて簡単に切断できる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば、
皿受けリンク板37に設けた糸抜き溝45を押え皿36の当接
面43に設けても良く、また、フックガード6,7,糸挟持ワ
イヤ8,カッター49等を省略した簡易な構成であってもよ
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のミシンの糸通し装置に
よれば、縫針の反対側で支持軸に接近・隔離するリンク
点に糸把持部を設け、この糸把持部と糸係止部との間に
て糸を緊張させるため、この両者の間隔の変化を大きく
とれ、糸のたるみを充分に吸収することができる。しか
も、糸把持部を移動させる機構を特別に設ける必要がな
い。また、糸をフックに導入するときは、糸把持部に把
持されている糸は、更に板面支持部方向にくい込んでい
き、一層強固に把持されるため、糸把持部と糸係止部と
の間の糸を充分に緊張することができ、糸のフックへの
導入が確実に行なわれる。一方、糸を捕捉して引き抜く
ときには、糸把持部が支持軸に接近すると共に、糸係止
部が縫針から遠ざかり、糸が弛緩し糸の引き抜きが容易
に行なわれる。糸の引き抜きにより再び糸が緊張して
も、糸把持部の2つの向かい合う板面に把持された糸
は、フックの引き抜く力により摺動して板面に設けた溝
に落ち込むため、糸の緊張は解除され、糸を容易に引き
抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(ア)ないし(ウ)はミシンの糸通し装置の要部
の動作を示す説明図、第2図はミシンの糸通し装置の斜
視図、第3図はその正面図、第4図(ア)ないし(ウ)
はフック部の動作を示す説明図、第5図は糸係止部の斜
視図、第6図(ア)ないし(ウ)は押え皿に把持される
糸の動作を示す説明図である。 2……針棒、3……糸通し棒 5……糸通しフック、11……縫針 12……目孔、15……突出片 19……リンクレバー、34……リンクピン 35……リンク板、36……押え皿 37……皿受けリンク板、45……糸抜き溝 50……糸係止部、T……糸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫針の目孔に対して進退可能に形成され、
    糸を捕捉する糸通しフックと、 上記フックを支持し上記縫針の目孔に接近・貫入させる
    接近動作と、上記縫針の目孔から退避させる退避動作と
    を司る支持軸と、 上記支持軸に回転可能に軸支され、上記支持軸から上記
    縫針までの距離よりやや長く該軸径方向に突出し、その
    先端付近にて糸供給源から供給される糸を係止する糸係
    止部と、 上記支持軸の回転に連動して上記フックの接近動作時に
    上記糸係止部を上記縫針の目孔に接近させ、上記フック
    の退避動作時に上記糸係止部を上記縫針の目孔から遠ざ
    けるリンク機構と を備え、上記支持軸の軸回転により上記フックが上記糸
    係止部に係止された糸を捕捉しつつ上記縫針の目孔を挿
    通して糸通しを行なうミシンの糸通し装置において、 上記リンク機構には、上記支持軸を挟んで上記縫針の反
    対側で、上記フックの接近動作時に上記支持軸から遠ざ
    かり、上記フックの退避動作時に上記支持軸に近づくリ
    ンク点に、糸を把持する糸把持部を設け、 上記糸係止部に係止される糸の端側を上記糸把持部に把
    持させて、上記フックの接近動作時に上記縫針の目孔付
    近で糸を緊張させ、上記フックの退避動作時に該糸を弛
    緩させる糸張り調整手段を構成し、 上記糸把持部は、互いに圧接するよう少なくとも一方が
    付勢された2つの向かい合う板面と、該付勢された板面
    を該圧接方向に摺動可能に軸支する板面支持部とを備え
    ると共に、 上記2つの板面の少なくとも一方には、上記2つの板面
    の間に挿入された糸が上記フックの接近動作時に把持さ
    れる位置に対して上記板面支持部の外側に溝が形成され
    ていること を特徴とするミシンの糸通し装置。
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