JP6216556B2 - ミシンの糸通し装置およびミシン - Google Patents

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Description

本発明は、ミシンの糸を縫針の針孔に挿通するミシンの糸通し装置、およびミシンに関する。
従来、ミシンの縫針に糸を通すために、種々の糸通し装置が提案されている。例えば、特許文献1に示す糸通し装置は、先端に糸を捕捉する鍵部が形成された糸通しフックを有する。この糸通しフックは、糸保持機構により針の針孔近傍に緊張された状態で張られている糸を捕捉し、針孔から引き出されることにより糸通し動作を行う。
糸通し装置において、針孔から引き出された糸通しフックは、より確実に糸を針孔から引き抜くために、針孔の上方向に移動される。この上方向の移動において、針孔における摩擦力や糸自体の重さにより、フックの鈎部から糸が外れて、糸通し動作が完了される。
特開平8−173676号公報
しかしながら、フックが糸を捕捉した時点で、糸保持機構により針孔近傍に張られていた糸の緊張が緩みはじめる。そして、糸を捕捉したフックが針孔から引き出される際には、糸は糸保持機構から外れるため、糸の緊張は急速に減少する。従って、フックが針孔から引き出された時点でフックの鈎部から糸が外れてしまい、糸が針孔から少し抜きでただけの状態で糸通し動作が終了されてしまうという問題があった。
少し抜き出ただけの状態の糸は、針孔近傍に留まることとなる。よって、ミシンの作業者は、針孔近傍にある糸を指で摘んで引き抜くことで、糸通し動作を完了させなければならず、糸通し作業が煩雑なものとなった。また、針孔近傍にある糸を摘む際は、針に触れずに糸を摘むことは困難であり、安全性の面で問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、針孔からより確実に糸を引き抜くことができるミシンの糸通し装置、およびミシンを提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するためのミシンの糸通し装置は、針孔を有する針を保持する針棒が装着された針棒支持部と、上下動かつ回動可能に支持された糸通し軸と、前記糸通し軸に保持され、前記針孔の前面に前記糸を略水平となるように緊張させる糸保持機構と、前記糸通し軸に保持され、前記糸通し軸の回動により前記針孔に出没されるフックを有する糸通し機構と、を備え、前記フックは、先端部分に糸を捕捉する捕捉部を有し、前記捕捉部は、前記糸が出入される糸経路と、前記糸を保持する糸保持空間を含み、前記糸経路が最も狭くなる部分の幅が、前記糸保持空間の幅よりも狭くなるように形成され、前記糸は、緊張された状態で前記糸経路を通過するものであり、前記糸経路が最も狭くなる部分の幅が、前記糸が緊張されていない状態における前記糸の外径よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする。
前記糸経路に、凸部が設けられていても良い。前記フックは、先端が鈎形状に形成されるものであり、前記糸経路は、前記鈎形状の根元部分と先端部分により形成され、前記根元部分または先端部分に、凸部が形成されていても良い。
前記フックは、上下方向に移動可能に設けられ、前記凸部は、先端部分が、前記フックの移動方向を向くように設けられていても良い。前記凸部は、丸みを帯びた形状であっても良い。
上記のような課題を解決するためのミシンは、上記の糸通し装置を備えていても良い。
本発明によれば、針孔からより確実に糸を引き抜くことができるミシンの糸通し装置、およびミシンを提供することができる。
実施形態に係る糸通し保持機構を有する糸通し装置と、糸通し装置の駆動源であるモータ部を示す斜視図である。 糸通し装置を駆動するモータ部の斜視図である。 糸通し装置の各機構の構成を示す正面図である。 糸通し装置を示す斜視図である。 糸通し装置を示す正面図である。 糸通し装置を示す背面図である。 糸通し装置の針棒支持部を示す分解斜視図である。 糸通し装置の糸通し軸部を示す分解斜視図である。 糸通し装置の糸保持機構を示す斜視図である。 糸通し装置の糸保持機構を示す正面図である。 糸通し装置の糸保持機構を示す側面図である。 糸通し装置の糸保持機構に取り付けられる板バネを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 糸通し装置の糸保持機構に板バネが取り付けられた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)の丸で囲まれた部分の拡大図である。 糸通し装置の糸通し機構を示す斜視図である。 糸通し装置の糸通し機構を示す正面図である。 糸通し装置の糸通し機構を示す側面図である。 糸通し機構の糸通しフックを示す斜視図である。 糸通し機構の糸通しフックを示す側面図である。 糸通し機構の糸通しフックを示す斜視図である。 糸通し機構の糸通しフックを示す側面図である。 糸通し装置において、作業者による糸掛け作業が完了した状態を示す斜視図である。 作業者による糸掛け作業が完了した状態を示す部分拡大図である。 糸押え部が上糸に当接した状態を示す部分拡大図である。 糸通し装置において、針孔近傍まで下降された糸保持機構および糸通し機構を示す斜視図である。 糸通し装置において、糸保持機構および糸通し機構の糸通し動作を示す平面図である。 糸通し装置において、回動する糸保持機構および糸通し機構を示す斜視図である。 糸通し装置において、糸通し機構が上糸を捕捉した状態を示す斜視図である。 糸通し装置において、糸通し機構が上糸を捕捉した状態を示す側面図である。 糸通し装置において、糸通しフックが上糸を捕捉した状態を示す拡大図である。
[1.第1の実施形態]
以下、本発明をミシンに適用した実施形態について説明する。なお、本発明は、本縫ミシンや多針ミシンなどの各種ミシンに適用することができ、従来および将来利用可能なミシンに適用することが可能である。なお、以下の説明では、ミシンに対して作業者が位置する方向を前方とし、作業者から見て左右を左右として説明する場合がある。また、上糸が供給される側を上方として説明する場合がある。
[1.1 構成]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜3を参照して、ミシンの糸通し装置Aの全体構成について説明する。図1に示す通り、糸通し装置Aにはモータ部Bが取り付けられている。本実施形態では、糸通し装置Aは、モータ部Bに駆動されるものとして説明する。なお、糸通し装置Aの駆動機構は、モータ部Bによる駆動に限定されるものではく、他の駆動機構を用いたり、手動で駆動しても良い。
モータ部Bは、糸通し装置Aを駆動させる機構であり、図2に示す通り、モータB1、ギアB2、およびアームB3を含む。アームB3は、モータB1の回転運動がギアB2を介してアームB3に伝達されることにより、上下動可能に設けられている。アームB3の先端部分は、後述する糸通し装置Aのレバー24に連結されている。糸通し装置Aは、後述するレバー24がアームB3に連結されているため、アームB3の上下動に連動することで糸通し動作を行う。
糸通し装置Aは、針Nの針孔Hに糸を通す動作を行う装置であり、図3に示す通り、針棒支持部A1、糸通し軸部A2、糸保持機構A3、糸通し機構A4を有する。図3では、糸通し軸部A2を斜線にて示す。以下、図4〜16を参照して、各部材の構成を詳細に説明する。
(1)針棒支持部A1
針棒支持部A1は、先端部分に針Nが取り付けられる針棒12を保持する部材である。図4〜7に示す通り、針棒支持部A1は、針棒支持体10を有する。
(a)針棒支持体10
針棒支持体10は、針棒12、後述する糸通し軸20およびガイド軸21を、略平行となるように支持する部材である。針棒支持体10は、不図示のミシンフレームに装着されており、針棒12を上下動および布送り方向と直交する方向(左右)に揺動可能に支持している。
図7に示す通り、針棒支持体10の側面の上端側には、上針棒支持部10aが設けられている。また、針棒支持体10において、上針棒支持部10aが設けられている側面の下端には、下針棒支持部10bが設けられている。上針棒支持部10aには、針棒支持孔a1が設けられている。下針棒支持部10bには、針棒支持孔b1、糸通し軸支持孔b2、ガイド軸支持孔b3(図5に図示)が設けられている。針棒支持体10は、針棒支持孔a1および針棒支持孔b1で針棒12を支持する。
針棒支持体10の上針棒支持部10aと下針棒支持部10bの間には、後述する糸通し軸20およびガイド軸21を支持する部材である、軸受部10cが設けられている。軸受部10cには、糸通し軸支持孔c2およびガイド軸支持孔c3(図6に図示)が設けられている。針棒支持体10は、糸通し軸支持孔b2および糸通し軸支持孔c2で糸通し軸20を支持し、ガイド軸支持孔b3およびガイド軸支持孔c3でガイド軸21を支持する。
針棒支持体10の上端側において、上針棒支持体10aが設けられた側面の反対側の側面には、バネ11の一端が取り付けられている。バネ11の他端は、後述する糸通し軸部A2のレバー24に取り付けられている。
(b)針棒12
針棒12は、図7に示す通り、先端部分に針Nが取り付けられる棒状の部材である。針棒12は、上端側が上針棒支持部10aの針棒支持孔a1に、下端側が下針棒支持部10bの針棒支持孔b1に挿入され、上下方向の摺動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。針棒12には、針止13およびピンストッパー14が取り付けられている。
針止13は、針Nを針棒12に固定して保持させるための部材であり、針棒12の先端(下端)部分に設けられている。針止13により、針Nの針孔Hがミシンの縫い方向(前後方向)を向くように、針棒12に針Nがネジ止めにより固定されている。また、針止13には、糸掛け部13aが設けられている。糸掛け部13aには、図示しない上糸供給源である糸駒から供給された上糸が掛けられる。
ピンストッパー14は、糸保持機構A3および糸通し機構A4の下降位置を規制する部材である。ピンストッパー14には、糸保持機構A3および糸通し機構A4が針Nの針孔Hの位置に達すると、後述する糸通し軸20のピン23が当接され、糸通し軸20および糸保持機構A3および糸通し機構A4の下降が停止され、糸通し軸20の周方向に回動される。ピンストッパー14は、針棒12において、ピン23との当接により、糸保持機構A3および糸通し機構A4が針孔Hの位置に達することができる位置に取り付けられている。ピンストッパー14は、ピン23を停止させる停止用突起と、ピン23が空間をもって保持される保持溝を有する(図5参照)。
(2)糸通し軸部A2
糸通し軸部A2は、糸保持機構A3および糸通し機構A4が連結され、これらの機構を上下動および回動させる部材であり、針棒支持体10に支持されている。糸通し軸部A2は、糸保持機構A3および糸通し機構A4を、針止13近傍の高さ(待機位置)から針Nの針孔Hに糸を通せる高さ(糸通し位置)まで上下動させる。図4〜6および8に示す通り、糸通し軸部A2は、糸通し軸20、ガイド軸21、リンク部材22を有する。
(a)糸通し軸20
糸通し軸20は、糸保持機構A3および糸通し機構A4を上下動および回動させる軸となる棒状の部材である。糸通し軸20は、図6に示す通り、上端側が軸受部10cの糸通し軸支持孔c2、下端側が下針棒支持部10bの糸通し軸支持孔b2に挿入され、上下方向の摺動および回動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。図8に示す通り、糸通し軸20には、ピン23、レバー24、バネ25が取り付けられている。また、糸通し軸20の下端には、糸保持機構A3および糸通し機構A4が取り付けられている。
ピン23は、前述のとおり、針棒12のピンストッパー14に当接して、糸通し軸20の下降を停止させ、糸通し軸20を周方向に回動させる役目を有しており、糸通し軸20の上端側に設けられている。ピン23は、糸通し軸20の上端側において、糸通し軸20の軸方向に略直角となるように貫通して固着されている。ピン23は、両端が、糸通し軸20の直径方向から外部に突出するように設けられている。
レバー24は、モータ部BのアームB3に連結されアームB3の上下動により移動される部材であり、糸通し軸20の上端側に設けられている。レバー24は、ガイド軸21の上端側が挿入される孔を有する。レバー24には、糸通し軸20を回動させるカム機構が設けられている。
また、図4に示す通り、レバー24には、針棒支持体10に一端が取り付けられたバネ11の他端が取り付けられている。従って、バネ11は、針棒支持体10とレバー24との間に掛け渡されることになり、バネ11のバネの弾性力によって、糸通し軸部A2に連結された糸保持機構A3および糸通し機構A4は上方に付勢されている。
バネ25は、糸通し軸20を上方に付勢する部材であり、糸通し軸20において、ピン23の下方に装着されている。ピン23の下方において、バネ25は、針棒支持体10の軸受部10cと、ピン23の間に位置するように装着されている。バネ25は、軸受部10cと当接した場合に、その弾性力により、糸通し軸20を上方に付勢する役目を有している。
(b)ガイド軸21
ガイド軸21は、糸保持機構A3を糸通し軸20の回動方向と逆方向に回動させるガイドとなる棒状の部材である。ガイド軸21は、図6に示す通り、上端側が軸受部10cのガイド軸支持孔c3、下端側が下針棒支持部10bのガイド軸支持孔b3に挿入され、上下方向の摺動および回動が可能となるように針棒支持体10に支持されている。ガイド軸21は、上端が糸通し軸20のレバー24に装着されており、糸通し軸20と同期して上下動および回動される。ガイド軸21の下端には、底面にガイド溝を有する、ガイド21aが取り付けられている。ガイド21aの一端には、糸通し軸20が挿入されている。ガイド21aには、リンク部材22が連結されている。
(c)リンク部材22
リンク部材22は、糸通し軸20の回動に連動させて、糸保持機構A3の糸通し軸20を中心として、糸通し軸20の回動方向とは逆方向に回動させるための部材である。リンク部材22は、第1のリンク板22aと、第2のリンク板22bとを含む。第二のリンク板22bから突出するピンは、第1のリンク板22aの孔を貫通して、ガイド21aのガイド溝に嵌め込まれている。第1のリンク板22aには、糸保持機構A3が、第2のリンク板22bには、糸通し機構A4がそれぞれ連結されている。
(3)糸保持機構A3
糸保持機構A3は、針棒12の糸掛け部13aに掛けられた上糸の端部側を保持する部材である。図4〜6および9〜11に示す通り、糸保持機構A3は、上下動可能に設けられ、糸掛け部13aに掛けられた糸の端部を把持する把持部30を有する。図9に示す通り、糸把持部30には、軸受孔31とピン32が形成されている。糸把持部30は、軸受孔31に糸通し軸20が固定されることにより、糸通し軸20の下部に回動可能に取り付けられている。糸把持部30は、ピン32により第一のリンク板22aと連結されている。また、糸把持部30には、糸押え部33と、板バネ34が取り付けられている。
(a)糸把持部30
糸把持部30は、上糸の端部を把持する部材である。図4に示す通り、糸通し軸20に固定された糸把持部30は、糸保持機構A3が待機位置にあるときに、針N側に屈曲するように糸把持面30aが設けられている。図11に示す通り、糸把持面30aには、V字状のガイド30bが形成されている。このガイド30bから連続するように、上糸を挟持できる程度の幅を有する糸掛け溝30cが切り込まれるようにして形成されている。上糸は、この糸掛け溝30cに滑りこませるように挿入されることで、糸把持部30に挟持される。糸掛け溝30cは切り込みの終端に向けて次第に幅を狭く形成して、V字状の切り込とすることで上糸をより強く保持できるようにしても良い。
(b)糸押え部33
糸押え部33は、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸に当接する部材である。糸押え部33は、上糸に当接することで、上糸の位置をガイドするとともに、上糸を緊張させる。すなわち、糸保持機構A3および糸通し機構A4が待機位置から糸通し位置に移動する際に、糸押え部33が上糸に当接することにより、上糸は針Nの針孔Hの前面に位置するようにガイドされる。また、糸押え部33が上糸に当接することにより、針孔Hの前面で、上糸は略水平となるように緊張される。
糸押え部33は、糸把持部30と所定の位置関係を保つように設けられている。図9および10に示す通り、糸押え部33は、軸受孔31と糸把持部30の間に形成されているため、糸保持機構A3が糸通し軸20に挿通された際に、糸把持部30と糸供給源側である糸掛け部13aの間に設けられていることとなる。
糸押え部33は、糸把持面30aと略平行に設けられた、糸把持面30a側から見るとL字状の板部材である。すなわち、糸把持部30に取り付けられる面と、その辺と直交し、上糸に当接する面を有する。なお、糸押え部33の形状はL字状に限定されるものではなく、方形の糸押え部33として、その下面で糸に当接することとしても良い。
糸押え部33の下面は、糸把持位置である糸把持部30の糸掛け溝30bと略平行となるように設けることができる。より好ましくは、図10および11に示す通り、押え爪33aの下面は、糸把持部30の糸掛け溝30bの位置よりも下方となるように設けることができる。糸押え部33は、糸把持部30と上記の位置関係を保つように設けることで、上糸に当接されるものである。
糸押え部33には、上糸に当接する面の端部から水平方向に延びるように押え爪33aが形成されている。押え爪33aは、糸把持部30bが糸掛け部13aより下側に下降されるときに、最初に上糸に当接する部材である。また、押え爪33aの下面は、先端に行くにつれて下方に向かう傾斜面となるように形成されている。
(c)板バネ34
板バネ34は、糸把持部30に把持された上糸に張力を付与する部材であり、糸把持部30に取り付けられている。図12に示す通り、板バネ34は、ガイド30bと糸掛け溝30cを形成する上下方向において対向する面のうち、上方に位置する面側に取り付けられている。以下、上方に位置する面を上面とし、対向する下方に位置する面を下面として説明する。
板バネ34は、図13の拡大図に示すように、ガイド30bおよび糸掛け溝30cを形成する上面を覆うようにして取り付けられている。板バネ34は、糸掛け溝30cがV字状に形成されている場合には、糸掛け溝30cの上面の形状に併せて加工することができる。なお、糸掛け溝30cを単なる切り込みとし、板バネ34の上面に傾斜面を設けることでV字状の糸掛け溝30cを形成しても良い。
板バネ34は、下方に向けて付勢されている。従って、糸掛け溝30cに上糸が掛けられた場合に、上糸を押圧する方向に付勢されていることとなる。この付勢力により、糸把持部30に把持された上糸がより強く保持され、また糸通し位置において張られた糸の緊張が高められる。なお、上糸に張力を付与する部材としては、板バネに限らず、ゴムなどの弾性部材を用いてもよい。また、ガイド30bおよび糸掛け溝30cを形成する下面に張力付与部材を取り付け、上方に向けて付勢する構成としても良い。
(4)糸通し機構A4
糸通し機構A4は、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸を針Nの針孔Hに通すための部材である。図4〜6に示す通り、糸通し機構A4と、糸保持機構A3とは、糸通し軸20を介して対向するように設けられている。糸通し機構A4は、以下に説明する通り、糸保持機構A3が針Nの前面に保持する上糸を、針Nの後面から針孔Hに進入して引っ掛けた後に後退することで、針孔Hに上糸を通すことができる構成を有している。
糸通し機構A4は、糸通し軸20との糸通し機構A4を連結させる部材である、フックホルダ40を有する。フックホルダ40は、図4および5に示す通り、軸受孔41とリンク孔42を有する。フックホルダ40は、軸受孔41に糸通し軸20が固定されることにより、糸通し軸20の下部に、糸通し軸20の回動方向と同じ方向に回動するように、一体的に取り付けられている。フックホルダ40は、リンク孔42により第2のリンク板22bと連結されている。また、フックホルダ40には、糸通しフック43と2枚の案内板44が取り付けられている。
(a)糸通しフック43
図14〜16に示す通り、糸通しフック43は、鈎状の爪によって上糸を引っ掛けて針孔Hに通す部材である。糸通しフック43は、糸通し軸20の回転によりフックホルダ40とともに回動され、針Hの針穴Nに出没するように構成されている。糸通しフック43は、先端部分が針Hの針孔Nに挿入可能な大きさの鈎状に形成されている。
図17〜20に、本実施形態の糸通し装置Aに用いられる糸通しフック43の例を示す。糸通しフック43は、図18に示す通り、先端部分に糸を捕捉する捕捉部Oを有している。この捕捉部Oは、糸が出入される糸経路O1と糸通しフック43に捕捉された糸を保持する糸保持空間O2とを含んでいる。糸経路O1は、糸経路O1が最も狭くなる部分の幅が、糸保持空間O2の幅よりも狭くなるように形成されている。糸保持空間O2は、糸を充分に保持できる程度以上の幅を有していれば良い。
後述の通り、糸通しフック43は、緊張された状態で張られた糸を捕捉する。すなわち、糸は、緊張された状態で糸経路O1を通過する。この場合、糸経路O1は、糸経路O1が最も狭くなる部分の幅が、糸が緊張されていない状態における糸の外径よりも狭くなるように形成されても良い。すなわち、糸通しフック43に捕捉される糸の中心軸と直交する方向の長さが、緊張されていない糸の外径より短くなるように形成される。
糸経路O1が最も狭くなる部分の幅は、糸通しフック43捕捉する糸の太さにあわせて適宜設計することができる。ただし、後述するように、緊張された状態の糸が出入できる幅であり、かつ、緊張が緩んだ状態の糸が糸保持空間O2から開放されるのを防止できる幅に設計することが好ましい。
図17〜20に示す糸通しフック43の例は、上記のような糸経路O1を有する糸通しフック43を、糸経路O1に凸部を設けることにより形成したものである。凸部は、糸経路O1に形成されることにより、糸経路O1の幅を狭くする役割を有する。図17〜20の糸通しフック43では、糸経路O1は、糸通しフック43を形成する鈎形状の根元部分と先端部分により形成されている。
また、図17および18は、糸通しフック43を形成する鈎形状の先端部分に凸部43aを設けたものである。また、図19および20は、糸通しフック43を形成する鈎形状の根元部分に凸部43bを設けたものである。なお、糸経路O1において対向する面の両方、すなわち鈎形状の先端部分及び根元部分に凸部を設けて、糸経路O1の幅が狭くなるようにしても良い。
後述の通り、糸通しフック43は、糸を捕捉した状態で針孔Hから引き出された後に、針孔の上下方向に移動される。この場合、凸部は、先端部分が、糸通しフック43の移動方向を向くように設けられていることが好ましい。凸部の先端部分とは、凸部が半球状である場合にはその天頂をいい、方形である場合にはその天辺を意味する。
後述するように、例えば、糸通しフック43が、糸を捕捉した状態で上方に移動される場合、凸部は糸通しフック43を形成する鈎形状の先端部分に設けることが好ましい。鈎形状の先端部分に凸部を設けることで、糸通しフック43の移動方向と対向する部分、すなわち糸経路O1を形成する面のうち、下側に凸部が設けられることとなる。なお、糸通しフック43が上方に移動される場合であっても、鈎形状の根元部分に凸部を設けても良い。
また、凸部は、丸みを帯びた形状としても良い。丸みを帯びた形状とすることで、糸が出入される際に傷つくことを防止することができる。丸みを帯びた形状とは、曲面形状を有しており、頂点を有する角がないことを意味する。曲面形状は真円の弧の形状に限定されるものではなく、角が無ければ曲面形状と解して良い。特に、糸経路O1に出入される糸が接する部分を丸みを帯びた形状とし、出入の際に糸が凸部に引っかからないようにすることが好ましい。
(b)案内板44
案内板44は、針Hの針孔Nの前に上糸が配置された際に、糸通しフック40が上糸を捕捉するのに適した位置に上糸を上下方向に案内する部材である。案内板44は、図16に示す通り、糸通しフック43を挟持するように設けられ、糸通しフック43と同様に、糸通し軸20の回転によりフックホルダ40とともに回動される。
[1.2 動作]
以上のような糸保持機構A3を有する糸通し装置Aの糸通しの動作例を説明する。まず、作業者による糸掛け作業について説明する。糸掛け作業は、糸保持器機構A3および糸通し機構A4が待機位置にある状態にて行われる。
糸駒から針棒12近傍まで導かれた上糸について、ミシンの作業者により行われる糸掛け作業は以下の2作業である。
(1)針棒12の糸掛け部13aに上糸を掛ける。
(2)糸掛け部13aに掛けられた上糸の端部側を、糸把持部30に掛ける。
上記(2)において、糸把持部30の糸掛け溝30cは、切り込みの終端に向けて幅が狭く形成されているため、上糸は確実に保持される。また、板バネ34が挟まれた糸を下方に付勢するため、上糸保持の確実性が高められている。
糸掛け部13aおよび糸把持部30に上糸が掛けられた状態の糸通し装置Aを図21及び図22に示す。図22の部分拡大図からも明らかな通り、上糸は糸掛け部13aおよび糸把持部30の2点にのみ掛けられており、未だ緊張状態を有していない。
次に、糸通し装置Aによる糸通し動作を説明する。モータ部BのモータB1が駆動され、アームB3が下方に移動される。すると、アームB3と連結されているレバー24も、レバー24に取り付けられたバネ11の力に抗して下方に移動されることとなる。レバー24には、糸通し軸20とガイド軸21が連結されているので、糸通し軸20およびガイド軸21も下方に移動される。
糸通し軸20には、糸保持機構A3および糸通し機構A4が取り付けられている。従って、糸保持機構A3および糸通し機構A4も待機位置から下方に移動される。すると、図23に示す通り、糸保持機構A3の下降が始まると、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸に、糸掛け部13aと糸把持部30の間に位置する糸抑え部33の押え爪33aの下面が当接する。
従って、糸押え部33により、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸が緊張される。糸押え部33の下面が、糸把持部30の糸把持位置より下方に設けられている場合には、糸把持位置と同じ高さに設けられている場合に比べ、より強く緊張される。また、押え爪33aの先端部分が下方側に傾斜しているため、上糸が糸押え部33から外れることなく、糸押え位置である押え爪33aの根元側に誘導されることとなる。
さらにモータ部Bにより、糸保持機構A3および糸通し機構A4が針Nの針孔Hに糸を通せる位置までレバー24を下方に移動される。図24に示す通り、糸通し位置まで下降された糸保持装置A3においては、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた上糸は、糸押え部33により針Nの針孔Hの前面に空間を介して位置するようにガイドされる。また、糸押え部33により、上糸は針孔Hの前面で略水平に張られ、糸通し動作に充分な緊張状態を保っている。
なお、図示しない糸駒からの上糸供給路において上糸は複数の糸掛けに掛けられているため、上糸供給側において上糸に抵抗が生じている。従って、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた糸を、糸押え部33が当接して押さえることで、上糸は針孔Hの前で糸通し動作に充分な緊張を保って張られることができる。また、板バネ34により、糸把持部30に掛けられた上糸が下方に付勢されているため、上糸に張力が与えられることとなり、より確実に糸の緊張状態が保たれている。
糸保持機構A3と糸通し機構A4が、糸通し位置まで下降すると、糸通し軸20のピン24が、針棒12のピンストッパー14の停止用突起に当接することにより下降が停止する。この状態でさらにレバー24が下方に移動されると、レバー24に設けられたカム機構によりピン23が回動される。よって、糸通し軸20が回動されることとなる。
図25および26に示す通り、糸通し軸20が回動により、糸通し軸20に取り付けられている糸通し機構A4が回動するとともに、糸保持機構A3も回動する。糸通し機構A4は、フックホルダ40が糸通し軸20の回動方向と同一方向に回動する。この回動により、フックホルダ40は前方向に回動されることとなり、糸通しフック43は針Nの針孔Hに挿通される。
糸保持機構A3は、リンク部材22がガイド21aのガイド溝に沿って移動することで、糸通し軸20の回動方向とは逆方向に回動する。この回動により、糸保持機構A3は後方向に回動されることになる。よって、糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられ、糸押え部33が当接することで緊張された上糸が、針Nの針孔Hの前面に移動される。
そうすると、図26〜28に示す通り、糸保持機構A3が針孔Hの前面にて保持する上糸を、針孔Hの後方から針孔Hに挿通された糸通し機構A4の糸通しフック43の鈎状の先端部が捕捉することとなる。このとき、糸保持機構A3において緊張状態が保たれた糸は、糸通し機構A4の案内板44により、糸通しフック40が糸を捕捉するのに適した位置となるように、すなわち、針孔Hの前面で糸が水平となるように案内されている。
糸は糸保持機構A3により緊張状態が保たれているため、糸の外径は、緊張されていない状態よりも細くなっている。従って、上糸は、緊張されていない状態の糸の外径より狭く形成されている糸経路O1から、糸保持空間O2に導入されるため、糸通しフック43により捕捉されることとなる。また、糸経路O2に設けられた凸部が丸みを帯びた形状である場合には、糸通しフック43が糸を捕捉する際に糸が傷つくことが防止される。
次に、レバー24に対するモータ部Bによる力が開放され、バネ11及びバネ25の弾性力により、糸通し軸20及びガイド軸21が上方に付勢される。そうすると、糸保持機構A3および糸通し機構A4は、糸通し軸20およびガイド軸21が下降されるときと逆方向に動作する。すなわち、糸通し機構A4は、後ろ方向に回動されるため、糸通しフック40が上糸を捕捉した状態で針孔Hから抜け、針Nの針孔Hに対する上糸の糸通しが行われる。
さらにレバー24が上方に移動されると、糸保持機構A3および糸通し機構A4も上昇される。そうすると、糸保持機構A3は、前方向に回動されてから上方に移動する間に、糸把持部30から上糸を放出する。糸把持部30の糸掛け溝30bは上糸を強固に保持しているが、上糸が糸通しフック40に捕捉された状態で糸保持機構A3が前方向に回動することにより、上糸の保持方向が変化する。そのため、上糸が糸掛け溝30bから外れやすくなる。また、V字状の糸掛け溝30bは、切り込みの終端部分から開始部分に向けて幅が広くなっているので、糸が外れる方向に糸保持機構A3が移動すると、スムーズに上糸が放出される。
レバー24が上方に移動されると、糸通し機構A4は、糸通しフック43が上糸を捕捉した状態で上方に移動される。糸通しフック43が上糸を引き上げることにより、糸保持機構A3から糸が外れる。よって、針Nの針孔Hに対する糸通しが完了した後に、糸保持機構A3が糸を放出するため、針孔Hから引き出す上糸の長さが長くなる。
糸通しフック43が上方に移動されると、針孔Hにおいて糸に生じる摩擦や糸の自重により、糸には下方に向かう引っ張り力が生じる。このとき、糸通しフック43が上方に移動されるのに対し、糸通しフック43の凸部43aの先端部分が上方を向くように設けられている場合には、下方に引っ張られている糸が糸経路O1から放出されることが効果的に防止される。
糸通しフック43が糸を捕捉したときから糸の緊張は緩み始め、糸保持機構A3から糸が外れると、糸の緊張は急速に減少する。このように糸の緊張が緩むと、糸の外径は徐々に膨張する。すなわち、糸の緊張が緩むと、糸の外径は糸経路O1幅よりも太くなる。従って、糸の緊張が緩み始めた以降において、糸経路O1から糸が放出されることが防止される。すなわち、図29に示すように、糸が糸保持空間O2に留まる時間が長くなる。従って、糸通しフック43により、糸は針孔Hの近傍に留まることなく抜き出される。以上のようにして、本実施形態の糸通し装置Aによる糸通し動作が完了され、糸保持機構A3および糸通し機構A4は、待機位置に戻る。そして、糸通し機構A4が待機位置近傍まで上昇する過程において、糸が糸通しフック43より外れる。
[1.3 作用効果]
以上のような構成を有する本実施形態の糸通し装置Aの作用効果は以下の通りである。
(1)糸経路O1が最も狭くなる部分の幅が、糸保持空間O2の幅よりも狭く形成されているため、糸保持空間O2に保持されている糸が糸通しフック43から外れにくくなる。従って、針孔Hからより確実に糸を引き抜くことができる。
(2)糸経路O1が、緊張されていない糸の外径よりも狭くなるように形成されている場合、糸通し動作において、より確実に糸が捕捉され、糸通しフック43から糸が外れること防止される。従って、針孔Hの近傍に糸が留まらずに、より確実に糸通し動作を完了することができる。そのため、作業者が糸を引き抜く必要がなく、糸通し作業が容易に完了できる。また、作業者が針Nに触れる可能性を低減することができるため、糸通し作業の安全性を向上させることができる。また、作業者が針Nに触れる頻度を減らせるため、サビ等の針Nの劣化を防止することもできる。
(3)また、糸経路O2に凸部を設けるという構成で、他の部材を用いずに糸がフックから外れることを防止できる。従って、既存のミシンに実施形態の糸通し装置を適用することにより、上記(1)および(2)の作用効果を奏することができる。
(4)糸通しフック43において、凸部の先端部分が、糸通しフック43が移動する方向を向くように設けることにより、針孔Hにおける摩擦力や糸の自重により糸が糸通しフック43から外れることを、より効果的に防止することができる。
(5)糸通しフック43の凸部を丸みを帯びた形状にすることで、糸通しフック43が糸を捕捉・開放する際に糸が傷つくことを防止できる。
(6)上記のような糸通し装置Aをミシンに適用することで、より確実に糸通し操作を行う安全性の高いミシンを提供することができる。
また、上記本実施形態の糸保持機構A3によると、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)作業者は、糸掛け部13aと糸把持部30の2箇所に糸をかければ良いため、スムーズに糸掛け作業を行うことができる。
(2)従来の糸保持機構は糸掛け部に加え、糸掛け位置が2箇所あったため、合計3箇所に糸を掛ける必要があった。これに対して、本実施形態では合計2箇所に糸を掛ければ良いため、糸把持部30の近傍のスペースが広くなり、安全に糸掛け作業を行うことができる。
(3)糸掛け部13aと糸把持部30に掛けられた糸は、糸把持部30が糸掛け部13aより下側に下降され、糸押え部33が糸に当接する。従って、2箇所に糸をかけた場合であっても、糸押え部33により糸が確実に押えられるため、糸を緊張した状態で保持することができる。
(4)糸押え部33は、糸に当接する部分が、糸把持部30の糸把持位置より下方に設けられている場合には、糸の緊張状態をさらに高めて保持することができる。
(5)糸押え部33の押え爪33aは、上糸に当接する部分に、傾斜面が形成されている。従って、一度押え爪33aに当接した糸が、押え爪33aから外れてしまうことを防止しつつ糸を押さ爪33aの根元部分に誘導できるため、より確実に糸を緊張した状態で保持することができる。
(6)糸把持部30に設けられた糸掛け溝30bは、切り込みの終端に向けて幅が狭く形成されている。従って、作業者がかけた糸を確実に保持することができるため、糸掛け作業をスムーズに行うことができる。また、糸掛け溝30bが強固に糸を保持することから、より糸を緊張した状態で保持することができる。さらに、糸掛け溝30bは、切り込みの終端部分から開始部分に向けて幅が広くなっているので、糸の放出もスムーズになる。
(7)糸把持部30に板バネ34が設けられているため、板バネ34の付勢力により、糸把持部30に掛けられた糸を確実に保持することができる。また、糸通し位置において、糸の緊張状態を強めることができる。
(8)上記のような糸保持機構A3を糸通し装置Aに適用することで、糸通し装置Aへの糸掛け作業をスムーズに行うことができ、かつ糸通しに充分な糸の緊張状態を保つことができる。従って、より確実に糸通し操作を行う、糸通し装置Aを適用することができる。
(9)上記のような糸保持機構A3又は糸通し装置Aをミシンに適用することで、安全かつスムーズに糸掛け作業を行うことができ、糸を緊張した状態で保持することができるミシンを提供することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。上記実施形態では、糸通し装置Aの糸通しフック43について説明したが、糸通しフック43は、ミシンにおいて糸を捕捉する部材に適用することができる。また、凸部を形成することにより糸経路が最も狭くなる部分の幅を糸の外径より狭くなるように形成したが、糸通しフック43をくびれを有する鈎状に形成して、糸経路の幅を狭めても良い。
A 糸通し装置
A1 針棒支持部
A2 糸通し軸部
A3 糸保持機構
A4 糸通し機構
B モータ部
B1 モータ
B2 ギア
B3 アーム
N 針
H 針孔
O 捕捉部
O1 糸経路
O2 糸保持空間
10 針棒支持体
10a 上針棒支持部
10b 下針棒支持部
10c 軸受部
a1、b1 針棒支持孔
b2、c2 糸通し軸支持孔
b3、c3 ガイド軸支持孔
11 バネ
12 針棒
13 針止
13a 糸掛け部
14 ピンストッパー
20 糸通し軸
21 ガイド軸
21a ガイド
22 リンク部材
22a 第1のリンク板
22b 第2のリンク板
23 ピン
24 レバー
25 バネ
30 糸把持部
30a 糸把持面
30b ガイド
30c 糸掛け溝
31 軸受孔
32 ピン
33 糸押え部
33a 押え爪
34 板バネ
40 フックホルダ
41 軸受孔
42 リンク孔
43 糸通しフック
43a、43b 凸部
44 案内板

Claims (6)

  1. 針孔を有する針を保持する針棒が装着された針棒支持部と、
    上下動かつ回動可能に支持された糸通し軸と、
    前記糸通し軸に保持され、前記針孔の前面に前記糸を略水平となるように緊張させる糸保持機構と、
    前記糸通し軸に保持され、前記糸通し軸の回動により前記針孔に出没されるフックを有する糸通し機構と、を備え、
    前記フックは、先端部分に糸を捕捉する捕捉部を有し、
    前記捕捉部は、前記糸が出入される糸経路と、前記糸を保持する糸保持空間を含み、
    前記糸経路が最も狭くなる部分の幅が、前記糸保持空間の幅よりも狭くなるように形成され
    前記糸は、緊張された状態で前記糸経路を通過するものであり、
    前記糸経路が最も狭くなる部分の幅が、前記糸が緊張されていない状態における前記糸の外径よりも狭くなるように形成されていることを特徴とするミシンの糸通し装置。
  2. 前記糸経路に、凸部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸通し装置。
  3. 前記フックは、先端が鈎形状に形成されるものであり、
    前記糸経路は、前記鈎形状の根元部分と先端部分により形成され、
    前記根元部分または先端部分に、凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸通し装置。
  4. 前記フックは、上下方向に移動可能に設けられ、
    前記凸部は、先端部分が、前記フックの移動方向を向くように設けられていることを特徴とする請求項又は記載のミシンの糸通し装置。
  5. 前記凸部は、丸みを帯びた形状であることを特徴とする請求項いずれか一項記載のミシンの糸通し装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の糸通し装置を備えたミシン。
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