JPH11179084A - 刺繍縫いミシン - Google Patents

刺繍縫いミシン

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JPH11179084A
JPH11179084A JP36369697A JP36369697A JPH11179084A JP H11179084 A JPH11179084 A JP H11179084A JP 36369697 A JP36369697 A JP 36369697A JP 36369697 A JP36369697 A JP 36369697A JP H11179084 A JPH11179084 A JP H11179084A
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threading
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needle
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Hiroshi Kotaki
浩志 小滝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小型の装置で上糸Aの糸渡し動作、糸
通し動作及び糸掛け動作を良好かつ安定的に行わせるこ
とを可能とする。 【解決手段】 糸渡し作動体(504)の作用によっ
て、糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作が終
了した後に糸通し手段(300)による糸通し動作を行
なわせることにより、糸渡し手段と糸通し手段との連動
関係を良好として、糸通し動作を確実に行わせるように
したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の上糸を交換
して用いる刺繍縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、刺繍縫いミシンでは複数本の異
なる色の上糸が選択的に交換使用されているが、上糸を
交換する度に縫い針の目孔にいちいち上糸を通す作業は
面倒であることから、糸通し作業を自動的に行い得るよ
うにした装置の提案が種々なされている。例えば、特開
平1−113092号公報、特開平3−128091号
公報、特開平3−133485号公報等に記載の装置の
如くである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、刺繍縫いミ
シンにおいては、通常、上糸の供給がミシン上部側から
行われることから、縫い針に対して糸通しを行わせる前
に、ミシン上部側の上糸を縫い針まで糸渡しする必要が
ある。しかしながら、従来の刺繍縫いミシンでは、糸渡
しを行う糸渡し手段と、糸通し手段との連動関係が良好
でなく、誤動作を生じ易いという問題がある上に、糸通
し後における糸の張力で糸通しフック等の部品が引っ張
られて損傷に至ることもある。
【0004】また、縫製時に複数のローラを回転駆動さ
せて所定量の上糸を自動的に繰り出す糸自動供給手段、
及び天秤の双方に対して糸掛けを自動で行なう装置は従
来ないため、手作業により面倒な糸掛け作業を強いられ
ている。
【0005】そこで本発明は、比較的小型で、上糸の糸
通し動作を良好かつ安定的に行わせることができるよう
にした刺繍縫いミシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、糸待機供給手段(10
0)から引き出された上糸を、縫い針(N)の目孔近傍
に張り出すように搬送する糸渡し手段(500)と、こ
の糸渡し手段(500)により搬送された上糸を縫い針
(N)の目孔内に挿通させる糸通し手段(300)と、
を備えた刺繍縫いミシンにおいて、上記糸渡し手段(5
00)による上糸張り出し動作を終了させた後に前記糸
通し手段(300)による糸通し動作を行わせるよう
に、これら糸渡し手段(500)と糸通し手段(30
0)とを連動連結する糸渡し作動体(504)を備えて
いる。
【0007】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の糸渡し作動体(504)は、糸渡し手段(5
00)に上糸張り出し動作を行わせる外部作動体(50
5)と、糸通し手段(300)に糸通し動作を行わせる
内部作動体(506)とを備え、これら外部作動体(5
05)及び内部作動体(506)を、所定の異なる位置
でそれぞれ停止させる係止部材(318,317)を設
けている。
【0008】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項2記載の外部作動体(505)に、上糸を挟み込む
上糸把持部(526)を回転移動させる糸渡し作動ギア
(517)を設けるとともに、当該糸渡し作動ギア(5
17)を外部作動体(505)の移動により転動させる
ラックギア(513)を備えている。
【0009】さらにまた、請求項4記載の発明では、上
記請求項3記載の上糸把持部(526)は、上糸を挟み
込んで把持する一対の押え板(527,528)と、こ
れら一対の押え板(527,528)による糸把持力を
糸渡し作動ギア(517)の回転に連動して調整する調
整機構を備えている。
【0010】請求項5記載の発明では、上記請求項1記
載の糸通し手段(300)は、上糸を縫い針(N)の目
孔内に上糸を引込む糸通しフック(313)を備え、上
記糸通しフック(313)に設けた上糸引っ掛け用の鍵
部(322)を、下方に向かって開放する切欠形状に形
成している。
【0011】また、請求項6記載の発明では、上記請求
項5記載の糸通しフック(313)の動作に連動して、
上糸を糸ガイド(9)に向かって案内する針止め糸掛け
(325)を設けている。
【0012】さらに、請求項7記載の発明では、複数本
の異なる上糸のそれぞれを保持する複数体の糸供給部を
ミシンヘッドの上部に配置した糸待機供給手段(10
0)を備え、この糸待機供給手段(100)における糸
供給部の各々から引き出される上糸を選択的に交換しつ
つ使用する刺繍縫いミシンにおいて、上記糸待機供給手
段(100)におけるいずれかの糸供給部(101)か
らの上糸を把持して天秤(8)の配置位置まで引き出す
ように往復移動する糸搬送手段(200)と、特定の機
構に連動して接離するように移動する複数のローラ(6
02,611)の回転により、縫製時に所定量の上糸を
自動的に繰り出して供給する糸自動供給手段(601,
602,611,606)と、上記糸搬送手段(20
0)により引き出された上糸を把持して前記天秤(8)
に対して引っ掛けるように往復移動し、その天秤(8)
への糸掛けの際に、上記特定の機構に連動して離間する
ように移動したローラ(602,611)どうしの間に
上糸を案内する糸掛け手段(600)と、を備えてい
る。
【0013】さらにまた、請求項8記載の発明では、上
記請求項7記載の糸掛け手段(600)は、糸自動供給
手段(601,602,611,606)から縫い針
(N)に至る上糸を引っ掛けるように所定の経路(62
4)に沿って往復移動する糸取り部(616)と、この
糸取り部(616)を往復移動させ、復動時に当該糸取
り部(616)及び天秤(8)に上糸を掛ける糸取り駆
動機構(614,615,613,605,601,6
02)と、を備えている。
【0014】請求項9記載の発明では、上記請求項7記
載の糸取り駆動機構(614,615,613,60
5,601,602)は、一端が回動可能に支持された
第1揺動アーム(614)と、この第1揺動アーム(6
14)に沿って伸縮自在に支持され、先端側に糸取り部
(616)を備えた第2揺動アーム(615)と、上記
第2揺動アーム(615)の往復揺動経路を規制する糸
取りガイド部材(623)と、を備えている。
【0015】また、請求項10記載の発明では、上記請
求項7記載の刺繍縫いミシンにおいて、ミシン縫製時に
は糸取り部(616)を所定の位置に保持するととも
に、糸掛け時には糸取り部(616)を保持状態から解
除して糸取り駆動機構(614,615,613,60
5,601,602)による糸取り部(616)の移動
を許容する保持解除手段(633,634,630,4
05)を備えている。
【0016】さらに、請求項11記載の発明では、上記
請求項10記載の刺繍縫いミシンにおいて、保持解除手
段(633,634,630,405)の駆動源(40
5)を、針棒(5)を揺動させて所定の縫いを行なわせ
る駆動源(405)が兼用するように設けている。
【0017】さらにまた、請求項12記載の発明では、
複数本の異なる上糸のそれぞれを保持する複数体の糸供
給部をミシンヘッドの上部に配置した糸待機供給手段
(100)を備え、この糸待機供給手段(100)にお
ける糸供給部(101)の各々から引き出される上糸を
選択的に交換しつつ使用する刺繍縫いミシンにおいて、
上記糸待機供給手段(100)におけるいずれかの糸供
給部(101)からの上糸を把持して天秤(8)の配置
位置まで引き出すように往復移動する糸搬送手段(20
0)と、上記糸搬送手段(200)により引き出された
上糸を把持して前記天秤(8)に対して引っ掛けるよう
に往復移動する自動糸掛け手段(600)と、ミシンの
糸供給経路に沿ってミシンカバー前面部に形成した手動
糸掛け用の溝部(710,711,712)と、を備え
ている。
【0018】このような請求項1記載の発明によれば、
糸渡し作動体(504)の作用によって、糸渡し手段
(500)による上糸張り出し動作が終了した後に、糸
通し手段(300)による糸通し動作が行われるため、
糸通し動作が確実に行われるようになっている。
【0019】また、請求項2記載の発明によれば、外部
作動体(505)が係止部材(318)により特定の位
置に停止させられることによって上糸張り出し動作が行
われた後、内部作動体(506)が係止部材(317)
により異なる位置に停止させられることによって糸通し
動作が行われ、上述した請求項1にかかる作用が確実に
得られるようになっている。
【0020】さらに、請求項3記載の発明によれば、外
部作動体(505)による糸渡し動作が、ギアの回動動
作によって確実に実行されるようになっている。
【0021】さらにまた、請求項4記載の発明によれ
ば、上糸把持部(526)における糸把持力が必要に応
じて調整されるため、糸の受け渡し動作及び糸搬送動作
のいずれもが確実に行われるようになっている。
【0022】また、請求項5記載の発明によれば、糸通
し動作が行われた直後に上糸が開放状態にされるため、
その後の糸の張力によって糸通しフック(313)が損
傷するような事態が回避されるようになっている。
【0023】さらにまた、請求項6記載の発明によれ
ば、糸通し動作と同時に糸ガイド(9)に上糸が案内さ
れるため、上糸の案内経路が自動で良好に形成されるよ
うになっている。
【0024】一方、請求項7記載の発明によれば、糸掛
け手段(600)によって、天秤(8)への糸掛けと同
時に、糸自動供給手段(601,602,611,60
6)のローラ(602,611)どうしの間に上糸が案
内され、上糸の案内経路が良好に形成されるようになっ
ている。
【0025】また、請求項8記載の発明によれば、天秤
(8)と、糸自動供給手段(601,602,611,
606)との糸掛けとが、糸取り部(616)によって
動時に行われるようになっている。
【0026】さらに、請求項9記載の発明によれば、第
2揺動アーム(615)が伸縮しながら糸取り部(61
6)の移動が行われるため、糸取り部(616)の移動
経路がミシン外方に張り出さないように設定可能とな
り、ミシン全体の小型化が図られるようになっている。
【0027】さらにまた、請求項10記載の発明によれ
ば、保持解除手段(633,634,630,405)
によって、糸取り部(616)が所定のタイミングで安
全・確実に作動されるようになっている。
【0028】請求項12記載の発明によれば、何らかの
原因で自動糸掛けができない場合であっても、糸掛け用
の溝部(710,711,712)を通して糸掛けが手
動で行なわれるようになっている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。まず、図2に示されているよ
うに、上軸1は、図示を省略したメインモータにより回
転駆動されるように軸支されており、この上軸1の途中
部分に固定された複数の扇状板からなる上軸遮蔽板2
が、図示を省略したフォトセンサにより検出されること
によって上記上軸1の回転位相位置の信号が得られるよ
うになっている。
【0030】また、上記上軸1の一端部には、釣合重り
3が固定されているとともに、この釣合重り3に回転自
在に連結されたクランクロッド4の揺動端は、縫い針N
を保持する針棒5の途中に固定された針棒抱き6に対し
て回転自在に連結されている。また、上記クランクロッ
ド4の基部側には、クランク7を介して天秤8が連結さ
れており、この天秤8の揺動端部分が「つ」の字状に折
り曲げられて糸掛け部8aが設けられているとともに、
当該天秤8の途中部分に、上糸滑り防止用の突部8bが
設けられている。
【0031】一方、図1に示されているように、ミシン
本体の上部には、複数本の異なる色の上糸を選択的に交
換しつつ搬送する糸交換装置が設けられている。この糸
交換装置は、各上糸のそれぞれを保持するようにミシン
フレームに固定された糸待機供給手段100と、この糸
待機供給手段100から引き出された上糸を天秤8の位
置を通過して糸渡し手段500まで引き出す糸搬送手段
200とを備えている。
【0032】このうち糸待機供給手段100は、縫い針
Nと反対側のミシン端部上方に配置されており、上述し
た上軸1の方向に2体の糸供給部101,101が並ぶ
ようにして設けられている。これらの各糸供給部101
には、図13にも示されているように、供給すべき上糸
Aの先端部分を弾性的に挟んで把持する一対の糸挟持板
102,103が互いに密着するように設けられてい
る。これら一対の糸挟持板102,103どうしは、一
方側の糸挟持板102に立設された軸104に装着され
た圧縮コイルバネ105の付勢力によって密着されてお
り、糸待機供給手段100の奥側から、一方の糸挟持板
102と一体に設けられたベーステンション板106を
通して糸供給部101の上部側に導かれた上糸Aが、上
記両糸挟持板102,103どうしの間にミシン手前側
から挿入されて挟み込まれ、当該上糸Aが、上記両糸挟
持板102,103どうしの間から所定量垂れ下がるよ
うにセットされる。
【0033】また、上記一対の糸挟持板102,103
におけるミシン手前側の先端部分は、互いに離れる方向
に斜めに折れ曲げられて糸案内機能を備えるように構成
されている。すなわち、上記各糸挟持板102,103
は、後述する糸搬送手段200側に向かって先端開口部
が拡大するように形成されており、これにより、当該各
糸挟持板102,103の先端側糸案内部を通して各上
糸Aのセットが容易に行われるようになっている。
【0034】さらに、上記糸挟持板102,103に隣
接した所定の位置には、当該糸挟持板102,103か
ら引き出された上糸Aを所定長さに切断する糸切り用カ
ッター107が立設されている。この糸切り用カッター
107は、両糸挟持板102,103どうしの間にセッ
トされた上糸を案内するガイド溝を備えた支持枠108
に固定されており、後述する糸搬送手段200の糸把持
部203に対して所定の高さ位置に配置されている。そ
して、上記糸挟持板102,103の間にセットされて
当該糸挟持板102,103どうしの間の下縁側から引
き出された上糸Aの先端部分が、上記糸切り用カッター
107により所定の長さに切断されて、上記糸供給部1
01から垂れ下げられる上糸の長さが、糸搬送手段20
0により容易に受け取られる長さになされるようになっ
ている。
【0035】このように、上糸Aが糸切り用カッター1
07により切断される際には、上糸Aが、上記糸挟持板
102の下縁部分に上糸が接触することとなるが、この
とき上記糸挟持板102の下縁部分は、手前側から奥側
に向かって上糸を滑らせるように傾斜しており、糸切り
動作による張力によって、上糸Aが糸挟持板102,1
03の間に誘い込まれて確実にセットされる構成になさ
れている。さらに、上記糸挟持板103の前端側部分に
は、他方の糸挟持板102側に向かって突出する突部
(図示省略)が形成されて、当該突部が糸挟持板102
側の凹部102aに嵌合しており、糸挟持板102,1
03の間に一旦セットされた上糸Aの抜出しが防止され
るように構成されている。
【0036】さらにまた、このような構成になされた各
糸供給部101の奥側には、縫製を終了した後に当該糸
供給部101から縫い針Nに至る間に残された上糸の先
端部を糸供給部101まで引き戻す糸たぐり機構が設け
られている。この糸待機供給手段100における糸たぐ
り機構には、互いに接触・離間するように構成された一
対の糸引き戻しローラ109a,109bが設けられて
おり、一方の駆動側の糸引き戻しローラ109aが、図
示を省略した糸たぐりステッピングモータの回転駆動力
を伝達する中間ギア111を介して常時回転駆動されて
いる。
【0037】また、他方の従動側の糸引き戻しローラ1
09bは、支軸ピン112により揺動するように取り付
けられたローラ支持ブラケット113の揺動端部分に回
転自在に装着されており、上記ローラ支持ブラケット1
13がコイルバネ114から回転方向の付勢力を与えら
れることによって、上記従動側の糸引き戻しローラ10
9bが駆動側の糸引き戻しローラ109aから離間され
るようになっている。
【0038】そして、後述するように、糸搬送手段20
0の動作に連動して上記ローラ支持ブラケット113が
コイルバネ114の回転付勢力に抗して回動させられる
ことによって、従動側の糸引き戻しローラ109bが駆
動側の糸引き戻しローラ109aに接触させられるとと
もに、従動側の糸引き戻しローラ109bに一体に設け
られ従動ギア(図示省略)が、駆動側の糸引き戻しロー
ラ109aに設けられた駆動ギア(図示省略)に噛み合
い、これら両ローラ109a,109bどうしが互いに
接触回転しながら上糸Aを糸供給部101側にたぐり寄
せる構成になされている。
【0039】また、上記糸たぐり機構における両ローラ
109a,109bの直前部分には、糸ガイド115が
立設されているとともに、糸たぐり機構の背後側には、
図示を省略した糸溜め部が各上糸Aごとに2体設けられ
ている。これらの各糸溜め部は、上述した糸たぐり機構
によって糸供給部101に引き戻された長尺となった上
糸Aを収納する中空の箱状体からなり、各上糸ごとに収
納空間を仕切ることによって上糸どうしが絡み合わない
ようにするものである。上記糸溜め部の奥側部分には、
糸ガイドが設けられている。
【0040】一方、上記糸搬送手段200は、上述した
糸待機供給手段100におけるいずれかの糸供給部10
1における上糸Aを把持して、天秤8の位置を通過し糸
渡し手段500の糸渡し把持部526まで出すものであ
って、図12にも示されているように、上軸1と略平行
に配置された送りスクリュー201に対して、糸選択キ
ャリッジ202に設けられた作動ピン202aが螺合す
ることによって上記糸選択キャリッジ202が左右方向
に往復移動される構成になされている。上記糸選択キャ
リッジ202上には、当該糸選択キャリッジ202上に
立設された一対のピン204,204により、移動板2
05が前後方向に滑動自在に配置されているとともに、
この移動板205の手前側部分には、前記各糸供給部1
01から引き出されている上糸Aの糸端部分を把持する
糸把持部203が設けられている。
【0041】上記移動板205には、当該移動板205
における前後方向の側縁部分にラックギア206が形成
されており、このラックギア206が、搬送用ステッピ
ングモータ207の回転出力を伝達する中間ギア208
に噛み合わされることによって、上記移動板205が前
後方向に往復移動されるように構成されており、当該移
動板205のミシン手前側部分に、糸把持部203を構
成する一対の糸挟持板210,211が設けられてい
る。
【0042】上記糸把持部203を構成する一対の糸挟
持板210,211のうち、一方の固定側の糸挟持板2
10は、上記移動板205の前方側の側縁部分を略直角
に立ち上げるようにして形成されているとともに、他方
の揺動側の糸挟持板211は、移動板205に立設され
た揺動軸212対して回動自在に取り付けられている。
そして、この揺動側糸挟持板211は、上記揺動軸21
2に装着されたコイルバネ213の回転付勢力によっ
て、固定側糸挟持板210に密着するように押し付けら
れており、これら両糸挟持板210,211どうしが互
いに密着することにより上糸を掴むようになっている。
【0043】また、上記揺動側糸挟持板211の途中部
分には、開閉作動ピン214が下方に突出するように固
定されている。この作動ピン214は、上記移動板20
5がミシン奥側に向かって移動する際に、上述した糸待
機供給手段100における各糸供給部101の直前位置
に配置された開閉作動カム221の前方側傾斜部221
aに当接することによって、上記揺動側糸挟持板211
がコイルバネ213の回転付勢力に抗して回動させら
れ、これによって、揺動側糸挟持板211が固定側糸挟
持板210から離間されるように構成されている。さら
に、上記作動ピン214が開閉作動カム221の後方側
直線部221bを通り越したときには、揺動側糸挟持板
211が、コイルバネ213の回転付勢力によって元の
閉鎖位置に回動されて揺動側糸挟持板211が固定側糸
挟持板210に密着されるようになっている。
【0044】さらに、上記一対の糸挟持板210,21
1の直上位置には、上述した糸待機供給手段100にお
ける各糸供給部101に向かって開口する案内溝215
が設けられている。この案内溝215は、上記固定側糸
挟持板210の上縁部分から揺動側糸挟持板211の上
方を覆うように水平方向に延びる板状ガイド部材209
を、糸供給部101側から手前側に向かって切り欠くよ
うに形成されている。当該案内溝215の開口部は、上
述した各糸供給部101における一対の糸挟持板10
2,102側の開口部と対面可能となる配置関係になさ
れており、各糸供給部101から引き出された糸端部分
を糸挟持板210,211内に導入させるように構成さ
れている。
【0045】このとき、上記板状ガイド部材209の先
端部分209aは、やや上方に湾曲するように形成され
ており、その湾曲状先端部分209aが、上述した糸待
機供給手段100の糸挟持板102の下縁部に対して、
高さ方向に僅かにラップして接触するように形成されて
いる。これによって、上糸Aは、上述した案内溝215
内に誘い込まれることとなる。なお、本実施形態では、
上記案内溝215を画成する片方側ガイド板のみを上方
に湾曲形成しているが、案内溝215を挟んで反対側の
ガイド板を上方に湾曲するように形成させることも可能
である。
【0046】また、上記案内溝215の溝最深部には糸
係止溝216が延設されている。この糸係止溝216
は、糸搬送手段200の復動方向に延びるように形成さ
れており、糸搬送手段200の糸選択キャリッジ202
が天秤8側に向かって往動する際に、上記案内溝215
内の上糸が当該糸係止溝216内に導入されることとな
り、この糸係止溝216内に上糸が一旦導入されると、
糸把持部203が前後方向に移動した場合であっても上
糸が溝から外れることはない。
【0047】さらに、上記移動板205においてラック
ギア206と反対側の側縁部分には、糸たぐり作動アー
ム217が揺動軸218により揺動可能に取り付けられ
ており、上記揺動軸218に装着されたコイルバネ21
9の回転付勢力により所定の位置に保持されている。こ
の糸たぐり作動アーム217は、前記糸把持部203が
ミシン奥側(後方側)に移動したときに、前述した糸待
機供給手段100における糸たぐり機構のローラ支持ブ
ラケット113の突部113aに当接するように設けら
れたものであって、この糸たぐり作動アーム217の押
圧力によってローラ支持ブラケット113を回動させる
ことにより、前述した従動側の糸引き戻しローラ109
bを駆動側の糸引き戻しローラ109aに接触させる構
成になされている。
【0048】一方、前述した針棒5は、図1、図4及び
図7に示されているように、後述する針振り機構400
(図7参照)を構成する針振り揺動台401に対して摺
動自在に装着されており、この揺動台400に隣接する
ようにして糸通し手段300が付設されている。また、
図2に示されているように、上記針棒5に固定された針
棒抱き6の直上位置には、糸通し手段300を構成する
糸通し位置決めストッパー302がねじ止めされている
とともに、針棒5の下端部には、針止め7に設けられた
針止めねじ7aによって縫い針Nが取り付けられてい
る。また、上記針止め7には、縫い針Nの目孔に上糸を
導くように糸ガイド9が取り付けられている。
【0049】上記針棒5を支持する針振り揺動台401
の上端部分は、前後方向に延びる左右揺動軸403と、
この左右揺動軸403を左右方向に貫通するように設け
られた前後揺動軸404とにより、当該針振り揺動台4
01の下端部分が自在の方向に揺動するように取り付け
られている。また、この針振り揺動台401の下端部分
には、図示を省略した揺動規制腕が連結されており、こ
の揺動規制腕が描く円弧状に軌跡に沿って上記針振り揺
動台401の下端部分が略水平面内において揺動可能に
なされているとともに、特に、図7に示されているよう
に、針振り機構400における針振りステッピングモー
タ405の回転駆動力により釜上を往復移動するように
構成されている。
【0050】また、前記針振り揺動台401には、針棒
5と略平行に糸通し軸305が、回転移動自在かつ上下
動自在に装着されている。この糸通し軸305の上端部
分には、糸通しレバー306の円筒状部307が嵌着さ
れているとともに、上記糸通し軸305の下端部分に
は、特に図5及び図8に示されているように、周知の糸
通しフックホルダー308が取り付けられている。上記
糸通しレバー306における円筒状部307内には、前
記糸通し軸305の上端部分が回転自在に挿入されてお
り、その糸通し軸305の上端部分を軸直角方向に貫通
するように固定された作動ピン310の一端側が、上記
糸通しレバー306の円筒状部307に穿設されたカム
溝311内に遊嵌状態で挿入されている。
【0051】上記円筒状部307のカム溝311は、ス
パイラル形状の一部をなすようにして延びる傾斜溝カム
311aと、この傾斜溝カム311aの上端部から軸方
向上方側に延びる縦溝カム311bとからなり、上記傾
斜溝カム311aは、糸通しレバー306が糸通し軸3
05に対して相対的に軸移動することによって糸通し軸
305に回動作用を付与するとともに、縦溝カム311
bは、糸通し軸305を回動させることなく軸移動可能
に保持する構成を有している。また、上記作動ピン31
0と円筒状部307の上端部との間には、コイルバネ3
12が圧縮状態で介装されており、上記糸通し軸305
に対して糸通しレバー306が上方に引き上げられた状
態に維持されている。
【0052】上記作動ピン310の他端側は、上述した
針棒5の糸通し位置決めストッパー302に対して軸方
向上側から当接・離間するように配置されており、作動
ピン310が針棒5の糸通し位置決めストッパー302
上に当接したときには、糸通しフックホルダー308に
設けられた糸通しフック313が縫い針Nの目孔と一致
する位置に糸通し軸305が停止するように高さ関係が
調整されている。また、上記作動ピン310が針棒5の
糸通し位置決めストッパー302に当接した後に糸通し
レバー306がさらに下方に押し下げられると、作動ピ
ン310の一端部分が、上述した傾斜溝カム311aに
沿って回転方向に案内され、これにより、上記糸通し軸
305が糸通しフックホルダー308とともに回転され
るように構成されている。
【0053】また、上記針振り揺動台401の上端部か
ら垂れ下がるようにして設けられたガイド板314に
は、糸通しレバー306の途中部分に設けられた突部3
15との間にコイルバネ316が引っ張り状態で掛けら
れており、このコイルバネ316の上方付勢力によって
糸通しレバー306が上方側に引き上げられている。
【0054】さらに、上記糸通しレバー306の途中部
分には、ミシン奥側に向かって突出する係止部317が
形成されており、この係止部317に対して、後述する
糸渡し手段500の作動体が上方側から当接することに
よって、糸通しレバー306の下降動作が行われるよう
になっている。また、上記糸通し軸305の高さ方向略
中央部分には、後述する糸渡し手段500の作動体に当
接して当該作動体をその位置に停止させる糸掛けストッ
パー318がカラー319を介して所定の位置に取り付
けられている。この糸掛けストッパー318は、針棒5
に取り付けることも可能である。
【0055】一方、図5及び図6に示されているよう
に、前記糸通し軸305の下端位置には、糸通しフック
ホルダー308が固定されている。この糸通しフックホ
ルダー308は、周知のように一対の糸通しフックガイ
ド板320,320を有しており、これら一対の糸通し
フックガイド板320,320の間に糸通しフック31
3が固定されている。各糸通しフックガイド板320,
320のそれぞれには、略水平に切り込まれた案内溝3
21,321が、高さを一致させて切り欠くようにして
形成されており、それらの両案内溝321,321内に
糸通しすべき上糸Aを滑り込ませるように装着して、上
記糸通しフック313の先端部分に形成された鍵部32
2に上糸Aを引っ掛けさせることによって縫い針Nの目
孔内に上糸を引き込む構成になされている。
【0056】このとき、上記糸通しフック313の鍵部
322には、板状のフック本体の下縁側を略三角形状に
切り欠くようにして形成されており、当該糸通しフック
313の鍵部322に引っ掛けられた上糸Aが、縫い針
Nの目孔挿入後に糸通しフック313の鍵部322から
下方に向かって直ちに落下して開放されるようになって
いる。
【0057】さらに、上記糸通し軸305には、糸通し
フックホルダー308の上側から針止め糸掛け取付体3
23が回転自在に取り付けられているとともに、その針
止め糸掛け取付体323に立設された回動軸324に対
して、針止め糸掛け325が回転自在に取り付けられて
いる。そして、上記糸通しフックホルダー308に設け
られた部分ギア326に対して、上記針止め糸掛け32
5に設けられた部分ギア327が噛み合わされていると
ともに、上記針止め糸掛け取付体323に切り起し形状
に立設されたストッパー部材328が、前記糸通しレバ
ー306の側面に当接して回転を制限されることによっ
て、上記糸通し軸305の回転力が針止め糸掛け325
に伝達され、糸通しフックホルダー308と針止め糸掛
け325とが互いに反対方向に回動される構成になされ
ている。このとき、前記針止め糸掛け325の揺動端部
分は、糸通しされた上糸Aを保持する二股形状に形成さ
れており、この二股形状部分が、糸通しフックホルダー
308の回動と同時に反対方向に回動して互いに近接・
離間するようになされている。
【0058】一方、図1、図3及び図11に示されてい
るように、上述したような糸通し手段300に隣接する
ようにして、糸渡し手段500が配置されている。この
糸渡し手段500においては、上記糸通し軸305に隣
接するようにして、スクリュー状の駆動軸501が台板
502上に略鉛直に立設されている。この駆動軸501
の上端部分には駆動ギア503が設けられており、その
駆動ギア503に対して、図示を省略した糸渡し及び糸
通し用のステッピングモータにより回転駆動される中間
ギアが噛み合わされている。
【0059】上記駆動軸501には、糸渡し作動体50
4が螺合されて上下方向に往復移動されるようになって
いる。上記糸渡し作動体504は、前記駆動軸501に
対して自由移動状態に装着された中空箱状の外部作動体
505と、この外部作動体505の内部に装着された内
部作動体506と、を有しており、内部作動体506の
手前側に配置された作動板507に立設された駆動ピン
508が、駆動軸501のスクリュー溝に嵌合すること
によって内部作動体506の上下送り動作が行われるよ
うになっている。
【0060】また、上記外部作動体505の内部には、
内部作動体506の底面部に当接するようにして圧縮コ
イルバネ509が配置されている。この圧縮コイルバネ
509は、内部作動体506を上方に押し上げるように
軸方向に延在しており、当該圧縮コイルバネ509の付
勢力によって、内外の両作動体506,505どうしが
一体となって上下方向に移動されるように構成されてい
る。
【0061】また、上記内部作動体506に設けられた
作動板507の下縁部分には、糸押し係止部511が略
直角に折れ曲がるようにして設けられており、この糸押
し係止部511が、上述した糸通しレバー306の係止
部317に対して上方側から当接することによって、糸
通しレバー306が下方に押し下げられるようになって
いる。さらに、上記外部作動体505の上面からは、糸
渡し係止部512が上記糸通し軸305側に向かって略
水平に突出するように設けられており、この外部移動体
505の糸渡し係止部512が、上述した糸通し軸30
5の糸掛けストッパー318に対して上側から当接され
ることによって外部作動体505の下方移動が停止され
るようになっている。
【0062】さらに、上記外部移動体505の側部近傍
には、ラックギア513が略鉛直に立ち上がるように設
けられており、このラックギア513に穿設された長尺
状の縦溝514内に、上記外部移動体505の側部に略
水平に突出するように立設された規制軸515が上下動
可能に遊嵌されており、その案内作用によって、上記外
部移動体505が回転することなく上下動されるように
案内されている。
【0063】また、上記外部移動体505の側部には、
上規制軸515に隣接するようにして糸渡し軸516が
略水平に突出するよう固定されており、この糸渡し軸5
16に対して、糸渡し作動ギア517と糸渡しアーム5
18の基部側とが、カラーを介して回転可能に装着され
ている。これら糸渡し作動ギア517と糸渡しアーム5
18の基部側とは、糸渡し軸516に装着されたコイル
バネ521によって反対方向に回転するように付勢され
ているとともに、上記糸渡し作動ギア517に半径方向
に延びるように一体形成された突部522と、上記糸渡
しアーム518の基部側に固定された係止ピン523と
が、上記コイルバネ521の回転付勢力によって周方向
に当接しており、これら両部材517,518が上記コ
イルバネ521を介して回転方向に弾性的に係合される
ようになっている。
【0064】上記糸渡し作動ギア517は、上述したラ
ックギア513のギアに噛み合うように配置されてお
り、前述した外部作動体505が上下動することによっ
て当該糸渡し作動ギア517が回転しながら上下移動す
るとともに、この糸渡し作動ギア517の回転に伴って
上記糸渡しアーム518が回動されるように構成されて
いる。
【0065】上記糸渡しアーム518は、糸渡し作動ギ
ア517側の基部側から、上記糸渡し軸516と略直交
する方向に延出する糸渡し第1アーム部518aと、こ
の糸渡し第1アーム部518aの延出端側から略直角に
折れ曲がって前記上軸1と略平行に延びる糸渡し第2ア
ーム部518bとを備えている。上記糸渡し第2アーム
部518bの先端部分には、二股形状の糸張り板525
が設けられており、当該糸張り板525と、糸渡し第2
アーム部518bの中間部分に設けられた糸渡し把持部
526との間に、前述した糸搬送手段200により引き
出された上糸Aの先端部分が略直線状に掛け渡されるよ
うになっている。
【0066】上記糸渡し把持部526は、前記糸渡し第
2アーム部518bの中間部分から手前側(図11の右
側)に向かって突出するように形成された上押え板52
7と、この上押え板527の下面側に圧接された下押え
板528とを有しており、上記下押え板528から上押
え板527を貫通して上方に延びる押え軸529に対し
て圧力付与用コイルバネ531が装着されており、この
圧力付与用コイルバネ531の軸方向付勢力によって前
記上下の押え板527,528が互いに密着されるよう
になっている。
【0067】このとき、上記圧力付与用コイルバネ53
1と上押え板527との間には圧力調整板532が介装
されており、この圧力調整板532が上記押え軸529
の軸方向に往復移動されることによって、上記圧力付与
用コイルバネ531の軸方向圧縮力が調整され、これに
より前記上下の押え板527,528の密着力が変更さ
れて上糸の把持力が調整される構成にされている。
【0068】より具体的には、上記圧力調整板532
は、前記圧力付与用コイルバネ531と上押え板527
との間部分から前記糸渡し第2アーム部518bの内面
側に沿うようにして延びており、その延出側の基端部分
が、前記糸渡し第1アーム部518aの側面に対して回
動自在に取り付けられている。一方、上記糸渡し第1ア
ーム部518aの基部側部分には、前記糸渡し作動ギア
517に近接するようにして略コの字形状の糸把持ブラ
ケット533が、上記糸渡し第1アーム部518aの回
動軸である糸渡し軸516と略平行に延びる糸渡し調整
軸534の回りに回転自在に取り付けられている。
【0069】上記糸把持ブラケット533と上記圧力調
整板532とは、リンク機構を構成する2体のリンクア
ーム535,536介して連動するように連結されてお
り、上記糸把持ブラケット533の回動軸である糸渡し
調整軸534に装着されたコイルバネ537の回転付勢
力によって、上述した圧力付与用コイルバネ531を軸
方向に圧縮して付勢力を強化し、これにより前記上下の
押え板527,528どうしを強く圧接させる構成にな
されている。
【0070】なお、図11のように、糸渡し作動ギア5
17が最上位置にあることにより糸渡し第1アーム部5
18aが上方側に向かって延びている場合には、当該糸
渡し第1アーム部518aに設けられた糸渡し係止板5
38が、上記糸把持ブラケット533の上面部に当接す
ることによって、当該糸把持ブラケット533の回転が
図11の状態で停止され、これにより、圧力付与用コイ
ルバネ531の圧縮量が抑えられて上下の押え板52
7,528どうしの圧接力が弱められる構成になされて
いる。
【0071】また、上記糸渡し作動ギア517が回転す
ることにより図示の最上位置からやや下方に下がり、図
11中の二点鎖点のように、糸渡し第1アーム部518
aが所定量回転して傾斜した場合には、当該糸渡し第1
アーム部518aに設けられた糸渡し係止板538が上
記糸把持ブラケット533の上面から外れることによっ
て、糸把持ブラケット533がコイルバネ537の回転
付勢力によって回動され、上記圧力付与用コイルバネ5
31を軸方向に圧縮することによって上下の押え板52
7,528どうしが強く圧接されるようになっている。
【0072】さらに、上記第1アーム部518aには、
糸渡し軸516から反対側に突出する糸渡し揺動レバー
539が一体に設けられている。この糸渡し揺動レバー
539の先端部分には、支持ローラ541が回転自在に
取り付けられており、上記糸渡し作動ギア517の回転
に従って一体的に揺動される構成になされている。
【0073】一方、前記ラックギア513の側部に隣接
するようにして、上記糸渡し揺動レバー539に設けら
れた支持ローラ541を案内するための糸渡し案内板5
42が固定されている。この糸渡し案内板542は、2
段の直線状案内部542a,542bから構成されてお
り、ミシン手前側(図11の右側)に張り出すように設
けられた上部側直線状案内部542a上に、上記糸渡し
揺動レバー539の支持ローラ541が当接することに
よって、上記糸渡し第1アーム部518aが、糸渡し作
動ギア517の回転にかかわらず斜め下方に張り出した
回動位置に係止される。一方、ミシン奥側(図11の左
側)にやや引き込むようにして設けられた下部側直線状
案内部542b上に、上記糸渡し揺動レバー539の支
持ローラ541が当接することによって、糸渡し第1ア
ーム部518aはやや下方側に回動されることとなり、
糸渡し作動ギア517の回転にかかわらず図11中の二
点鎖線で示されているように、鉛直下方向に垂れ下がっ
た回動位置に係止されるようになっている。
【0074】またこのとき、上述した糸把持ブラケット
533には、作動フック543が半径方向外方に向かっ
て延出するように一体に設けられており、上述したよう
にして糸渡し第1アーム部518aが最下方位置に回転
したときには(図11中の二点鎖線参照)、上記作動フ
ック543が、前記糸渡し作動ギア517に設けられた
突部522の半径方向先端部分に乗り上げられるように
位置関係が設定されている。そして、その作動フック5
43が、糸渡し作動ギア517の突部522上に乗り上
げたときには、その乗り上げ分だけ糸把持ブラケット5
33が回動させられることとなり、それによって、圧力
付与用コイルバネ531の圧縮量が抑えられ、上下の押
え板527,528どうしの圧接力が弱められる構成に
なされている。
【0075】また、上記糸渡し把持部526の近傍に
は、前記糸搬送手段の送りスクリュー201の支持部か
ら立ち上がるようにして設けられた支持枠に対して糸切
カッター550が取り付けられており、上記糸渡し把持
部526に保持された上糸の先端部分を切断するように
構成されている。さらに、上記糸切カッター550の支
持枠には、前述した上記糸搬送手段200の糸把持部2
03における揺動側糸挟持板211を開放させるため
の、作動カム551が略水平に張り出すように設けられ
ている。
【0076】さらにまた、図1、図7及び図8に示され
ているように、上述した糸搬送手段200の前部側に
は、上記糸通し手段300により縫い針Nの目孔に対向
して張り出された上糸を天秤8の糸掛け部8aに装着す
る糸掛け手段600が配置されている。この糸掛け手段
600は、駆動源として糸繰り出し用ステッピングモー
タ601を兼用している。そして、この糸繰り出し用ス
テッピングモータ601の出力軸には糸繰り出しローラ
602が固定されているとともに、その糸繰り出しロー
ラ602に一体に形成された駆動ギア603に対して、
モータ取付板604上に回転自在に固定された中間ギア
605が常時噛み合わされている。
【0077】一方、上記モータ取付板604には、図示
を省略した押え上げ機構、或いは自動糸切装置に連動し
て移動する繰り出し揺動板606が、所定の位置で回転
自在に取り付けられている。この繰り出し揺動板606
の一端側には、上記モータ取付板604との間に繰り出
しコイルバネ607が掛けられており、当該繰り出し揺
動板606の他端側が上記中間ギア605から離れる方
向に引っ張り付勢されている。さらに、上記糸繰り出し
揺動板606の他端側には、補助ローラ取付板608の
一端側が回転自在に連結されており、当該補助ローラ取
付板608の他端側は、上記モータ取付板604に立設
された支持ピン609に対して摺動自在に装着されてい
る。
【0078】上記補助ローラ取付板608上には、一対
の補助ローラ611,611が、上記繰り出しコイルバ
ネ607の付勢力によって前記糸繰り出しローラ602
に対して接触可能に、かつ回転自在に立設されている。
これらの各補助ローラ611には、従動ギア612が一
体に形成されており、糸繰り出しローラ602に対して
補助ローラ611,611が接触したときに、各補助ロ
ーラ611の従動ギア612が糸繰り出しローラ602
の駆動ギア603に噛み合うようになされている。な
お、上記繰り出しローラ602は、補助ローラ取付板6
08に設けられた長孔から露出するように設けられてい
る。
【0079】さらに、前記補助ローラ取付板608に設
けられた長孔からは、上記中間ギア605と一体に設け
られた第2中間ギア605aが露出するように設けられ
ており、この第2中間ギア605aに隣接するようにし
て補助ローラ取付板608上に糸取り作動ギア613が
回転可能に立設されている。この糸取り作動ギア613
は、補助ローラ取付板608とともに摺動することによ
って、前記中間ギア605に接離するように配置されて
おり、上述したように糸繰り出しローラ602に対して
補助ローラ611,611が接触したときには、糸取り
作動ギア613は中間ギア605に対して非噛み合い状
態となるとともに、糸繰り出しローラ602から補助ロ
ーラ611,611が離れたときには、糸取り作動ギア
613は中間ギア605に対して噛み合い状態となる。
すなわち、前記繰り出し揺動板606により補助ローラ
取付板608が移動させられることによって、糸取り作
動ギア613と中間ギア605とが非伝達の状態になさ
れるように構成されている。
【0080】上記糸取り作動ギア613には、クランク
状をなす糸掛け第1アーム614が糸取り作動ギア61
3の回転によって揺動するように取り付けられており、
その糸掛け第1アーム614の揺動腕側に、当該糸掛け
第1アーム614の腕方向に滑動するようにして取り付
けられた糸掛け第2アーム615の先端部分に、周知構
造の糸取りフック616が取り付けられている。
【0081】上記糸取りフック616は、周知のよう
に、前記糸通し手段300により縫い針Nに通された上
糸の途中部分に係合して上糸の弛みを防止する糸取りバ
ネ617を、糸案内溝618が設けられた糸取りブラケ
ット619内に備えている。上記糸取りブラケット61
9は、前記糸掛け第2アーム615の先端部分に糸取り
軸620により回転可能に装着されており、当該糸取り
ブラケット619内に設けられた上ガイド軸621及び
下ガイド軸622が、前記天秤8に隣接するように配置
された湾曲形状の糸取りガイド部材(面板)623のガ
イド経路624上を摺動することによって、糸取りバネ
617により挟持された上糸が天秤8の糸掛け部8aに
対して糸掛けされるとともに、離間した状態にある補助
ローラ611,611と繰り出しローラ602との間に
上糸を案内するように構成されている。上記上ガイド軸
621及び下ガイド軸622は、糸取りブラケット61
9に対して回転付勢力を付与している糸取りコイルバネ
625によって、上記糸取りガイド部材623のガイド
経路624上に押し付けられている。
【0082】また、上記糸取りガイド部材623におけ
るガイド経路624の下端部分には、斜め下方に延びる
糸取り係合溝626が延設されており、その糸取り係合
溝626内に、前記上下のガイド軸621,622が嵌
着可能に配置されている。そして、図10にも示されて
いるように、これら両ガイド軸621,622が、上記
糸取り係合溝626内に嵌着状態となった場合には、前
記糸取りブラケット619が下端位置に係止されるよう
に構成されている。さらに、上記糸掛け第2アーム61
5の途中部分には、上記モータ取付板604との間に引
っ張りコイルバネ627が装着されており、この引っ張
りコイルバネ627の張力によって上記糸取りブラケッ
ト619が上述した下端係止位置に保持される構成にな
されている。
【0083】一方、図7及び図9に示されているよう
に、前述した針振り機構400における針振り揺動台4
01の下端部分には、針振りステッピングモータ405
により左右方向に往復移動する針振りアーム406の揺
動端部分が回転自在に連結されており、この針振りアー
ム406を通して上記針振り揺動台401が、当該針振
り揺動台401の上端部分に設けられた左右揺動軸40
3及び前後揺動軸404を中心として、針板の上方部分
を略円弧状に揺動するように構成されている。上記針振
りアーム406の基端部分に設けられた針振りリンク4
07の先端部分は、針振りステッピングモータ405に
より回転駆動される針振りカム408の外周カム面に、
針振りコイルバネ409の引っ張り付勢力によって圧接
されており、上記針振りカム408の外周形状に従って
上述したような針振り動作が行われるように構成されて
いる。
【0084】このとき、上記針振りカム408の回転軸
411には、糸取りカム630が固定されており、その
糸取りカム630の外周カム面に対して、糸取り切替板
631の一方側の揺動アーム631aが下方側から接触
されている。上記糸取り切替板631は、切替軸632
に回転可能に装着されているとともに、この糸取り切替
板631の上方側に向かって延びる他方側の揺動アーム
631bが、水平面内で回動可能に配置された糸取りバ
ネストッパ633の一方側の揺動アームに設けられた係
止孔634内に遊嵌状態にて挿入されている。
【0085】上記糸取りバネストッパ633の他方側の
揺動アームには、ストッパー板635が下方に折れ曲げ
られるようにして形成されているとともに、当該糸取り
バネストッパ633の回転軸636に装着されたストッ
プコイルバネ637の回転付勢力によって、上記ストッ
パー板635が、前述した糸掛け第2アーム615の途
中部分に係合するように配置されており、これによっ
て、上記糸掛け第2アーム615の揺動が係止される構
成になされている。
【0086】そして、上記糸取りカム630が針振りカ
ム408と一体に回転されて、当該糸取りカム630に
設けられた突起状のカム部分が上記糸取り切替板631
に当接すると、当該糸取り切替板631が図9の時計方
向に回転する。この糸取り切替板631の回転によっ
て、糸取りストッパー板635が水平面内で回動し、上
記ストッパー板615が糸掛け第2アーム615から離
間して開放状態となり、これにより糸掛け第2アーム6
15の回動動作が許容されるようになっている。
【0087】また、図1に示されているように、上述し
た糸掛け手段600におけるモータ取付板604の上部
側には、天秤8へ導かれる上糸を案内するための上ベー
ステンション板640が配置されているとともに、この
上ベーステンション板640から下方に延出する軸に装
着されたコイルバネ641の付勢力によって、下ベース
テンション板642が、上記上ベーステンション板64
0の下面側に密着されている。そして、これら上下のベ
ーステンション板640,641の間には、上記糸取り
フック616の下降時(復動時)に、糸取りバネ617
に挟持された上糸の他端が案内される。
【0088】さらに、上記両ベーステンション板64
0,641の近傍には、上糸の有無を検出する光学セン
サ643が配置されている。この光学センサ643は、
例えば、図14に示されているような構造になされてお
り、一端側の発光素子(LED)644から発せられた
検出光が、反対側の端部に設けられた受光素子(ソーラ
セル)645受けられるように構成されて、図示のよう
に、両素子644,645の間に上糸Aが介在して検査
光が遮断される場合と、上糸が存在しない場合とでは、
上記受光素子(ソーラセル)645からの出力電圧が図
15のように変化することに基いて、上糸Aの有無を検
出するものである。
【0089】次に、このように構成された装置によって
新たな上糸の糸通し動作、及び糸掛け動作について述べ
る。まず、ミシンに糸掛けされていない状態から、糸待
機供給手段100に上糸をセットして糸掛けする場合に
は、まず、ミシン作業者は、糸供給源となる図示を省略
した糸ゴマより引き出した上糸の先端部分を摘み、糸待
機供給手段100の糸溜め部奥側に設けられた糸ガイド
に糸掛けをした後、図13に示されているように、糸た
ぐり機構の糸引き戻しローラ109a,109bの間を
通して糸ガイド115及びベーステンション板106に
糸掛けをし、さらに糸挟持板102,103の間に上糸
を通して余分な糸を糸切り用カッター107により切断
する。
【0090】このとき、上記糸挟持板102,103か
ら糸切り用カッター107に至る距離が所定量に設定さ
れているため、糸切断後に糸挟持板102,103から
垂れ下がる上糸量が、次の糸搬送手段200による糸把
持動作に都合の良い長さになされることとなる。
【0091】次の糸搬送手段200による糸搬送動作
は、ミシン作業者が糸掛けスイッチを入れることによっ
て開始される。まず、当初原点位置に待機していた糸選
択キャリッジ202が、図13に示されている糸捕捉位
置まで横移動し、これにより糸把持部203の案内溝2
15の開口部が、糸待機供給手段100における糸挟持
板102,103と対向状態となる。
【0092】この状態から、移動板205がミシン奥側
に向かって移動を開始すると、上記糸把持部203の揺
動側糸挟持板211が、開閉作動カム221に沿って開
放状態となり、さらに糸把持部203が奥側に移動する
ことによって、上糸Aが案内溝215内に誘い込まれる
とともに、糸挟持板210,211どうしの間に入り込
む。そして、糸把持部203が、開閉作動カム221が
終了するまで移動することによって、揺動側糸挟持板2
11が閉塞状態となり、その結果、糸挟持板210,2
11どうしの間に上糸Aが挟持される。
【0093】次いで、送りスクリュー201が回転駆動
することによって糸選択キャリッジ202が所定量横移
動すると同時に、糸把持部203がミシン手前側に戻っ
ていく。このとき、案内溝215内の上糸Aは、横滑り
をして糸係止溝216内に移動することとなり、これに
よって、糸把持分203の前後動によっても上糸Aが糸
把持部203から外れない状態となる。
【0094】上記糸選択キャリッジ202は、ベーステ
ンション板640,641及び糸有無検出センサ643
を回避するようにして更に横移動し、糸渡し手段500
に到達すると、当該糸渡し手段500の糸渡し把持部5
26と同一の高さ関係に配置されている上記糸把持部2
03が、糸渡し把持部526を通り過ぎた時点でミシン
奥側に移動し、これにより当該糸把持部203側の上糸
が、糸渡し手段500の糸渡し把持部526に保持され
た後に、糸把持部203側の上糸が、糸切カッター55
0により切断される。
【0095】切断後に上記糸渡し把持部526から垂れ
る上糸の長さは、糸通し手段300により縫い針Nに対
する糸通し動作が良好に行われる長さとなるように設定
されている。すなわち、長すぎる場合には上糸が縫い針
の目孔を完全に通過することができず、一方、短すぎる
場合には、糸通し後に縫製動作を開始したときに上糸が
縫い針Nの目孔から抜けてしまうからである。
【0096】上記糸搬送手段200の糸把持部203が
さらにミシン手前側に後退すると、糸把持部203の揺
動側糸挟持板211が、作動カム551に沿って開放さ
れ、これによって、それまで把持していた上糸片が下方
に落下する。この落下位置に、所定の受け皿を配置すれ
ば、糸屑の散乱が防止される。
【0097】上記糸搬送手段200の糸把持部203
が、各部材に衝突しない経路を通って原点位置である待
機位置に戻ると、図示を省略した押え上げ機構、或いは
自動糸切装置を作動させて糸掛け手段600の繰り出し
揺動板606を移動させ、糸繰り出しローラ602から
補助ローラ611,611を離間させるとともに、中間
ギア605の第2中間ギア605aに対して糸取り作動
ギア613を噛み合わせる。これと同時に、針振りステ
ッピングモータ405によりストッパー板635を外し
て糸掛け第2アーム615の回動を許容する。
【0098】そして、糸繰り出し用ステッピングモータ
601を数ステップ正転駆動させることによって、糸取
りフック616をガイド経路624に沿って上端位置に
移動させる。このときの糸取りフック616の移動は、
糸掛け第1アーム614に対して糸掛け第2アーム61
5が摺動して伸び縮みしながら行われるため、当該糸取
りフック616の移動軌跡を最小限の張り出し量とする
ことができ、ミシンの小型化及び外観の向上を図ること
ができる。
【0099】次いで、図示を省略した糸渡し及び糸通し
用のステッピングモータが所定ステップ数にわたって正
転駆動させられることによって、駆動軸501が回転さ
せられて内部作動体506とともに外部作動体505が
下降していくと、ラックギア513とともに糸渡しアー
ム518が回動しながら下降し、上記糸渡しアーム51
8の上記糸渡し把持部526は、上糸を保持したままミ
シン手前側に倒れ込むようにして下降する。
【0100】上記糸渡しアーム518が、所定の角度に
倒れ込むと、糸渡し係止板538が上記糸把持ブラケッ
ト533の上面部から外れることによって、上記糸渡し
把持部526を構成する上下の押え板527,528ど
うしが強く圧接させられて上糸が強く保持された状態
で、以後の下降動作が糸の脱落を生じることなく行われ
る。
【0101】さらに、駆動軸501が回転させられて内
部作動体506とともに外部作動体505が下降してい
くと、糸渡し揺動レバー539に設けられた支持ローラ
541が糸渡し案内板542の上部側直線状案内部54
2a上に当接し、糸渡しアーム518が他の部材に接触
しない位置で回動を停止した状態で下降していく。この
ようにすることによって、糸渡しアーム518の張り出
し量を最小にした状態で下降させることができ、ミシン
の外観を小型化を図ることができる。
【0102】次いで、内部作動体506の糸押し係止部
511が、糸通しレバー306の係止部317に対して
上方側から当接することにより、糸通しレバー306が
下方に所定量押し下げられて作動ピン310が針棒5の
糸通し位置決めストッパー302に軸方向上側から当接
して、糸通しフックホルダー308に設けられた糸通し
フック313が縫い針Nの目孔と一致する高さ位置で糸
通し軸305が停止する。このようにして糸通し軸30
5が停止した直後に、外部作動体505が糸通し軸30
5の糸掛けストッパー318に対して上側から当接し、
外部作動体505の下方移動も停止する。
【0103】この外部作動体505の下方移動が停止す
る前に、糸渡し揺動レバー539に設けられた支持ロー
ラ541は下部側直線状案内部542b上に当接し、こ
れによって、糸渡し把持部526が縫い針Nよりも内側
の領域まで回動し(図112点鎖線参照)、糸渡し把持
部526と糸張り板525との間に張られた上糸が、縫
い針Nの目孔の前に配置される。またこのとき、糸把持
ブラケット533の作動フック543が、糸渡し作動ギ
ア517に設けられた突部522の半径方向先端部分に
乗り上げており、これによって、糸渡し把持部526に
おける糸保持力が弱められている。
【0104】そして、さらに内部作動体506とともに
糸通しレバー306がさらに下降すると、作動ピン31
0が傾斜溝カム311aに沿って回転案内され、これに
より、上記糸通し軸305が糸通しフックホルダー30
8とともに回転して、糸通しフック313が縫い針Nの
目孔を貫通して上糸を引っ掛け、戻り動作が行われるこ
とにより糸通しが行われる。このとき、針止め糸掛け3
25は、先端部分に上糸を引っ掛けた状態で針止め7の
糸ガイド9に上糸を通すことから、上糸の供給経路が良
好に形成されることとなる。なお、糸通し動作が行われ
る前に、作動ピン310が縦溝カム311bに沿って移
動することにより糸通し軸305が回転することなく所
定量下降する。これは、上軸1の停止位置のバラツキを
考慮したものである。
【0105】また、本実施形態のように、糸通し手段3
00の作動部と、糸渡し手段500の作動部とを分離し
て配置することによって、糸渡し手段500により糸通
し動作が可能となった後に糸通し動作(回転動作)を行
わせることができ、これらの動作を同時に行う場合に比
して糸通し動作を安定して行わせることができる。特に
本実施形態では、前述したように、上軸1の停止位置の
バラツキを考慮して糸通し動作が行われる前に糸通し軸
305をやや下降させているため、糸通し手段300の
作動部と糸渡し手段500の作動部とを分離することが
好ましい。そうでなければ、糸通し軸305の位置をセ
ンサーで検知する等の装置が必要となってしまうからで
ある。
【0106】そして、糸繰り出し用ステッピングモータ
601が逆転することによって、糸取りフック616が
下方に移動して上糸の途中部分を引っ掛けて下降(復
動)するので、糸取りフック616より糸ゴマ側の上流
側の上糸が、上下ベーステンション板640,641の
間に案内されるとともに、離間状態にある糸繰り出しロ
ーラ602と補助ローラ611との間に案内される。ま
た、糸取りフック616より縫い針N側の下流側の上糸
が、天秤8の途中部分に乗るように配置される。
【0107】次いで、針振りステッピングモータ405
によって上記針振りカム408を元の位置に戻すととも
に、ストッパー板635を係止位置に戻して糸掛け第2
アーム615の回動をロックさせる。このときには、糸
繰り出しローラ602と補助ローラ611,611との
間に上糸が挟み込まれている。下端位置に達した糸取り
フック616は、図10に示されているように、糸取り
係合溝626によってその位置に保持される。
【0108】次に、駆動軸501を逆転させることによ
って、内部作動体506を上昇させていくと、糸通し軸
305が逆転して糸通しフック313が上糸を引っ掛け
た状態で縫い針Nの目孔から離脱し、糸通しが行われ
る。このとき、糸通し動作が行われた直後に上糸が開放
状態にされるため、その後の糸の張力によって糸通しフ
ック(313)が損傷するような事態が回避される。さ
らに、内部作動体506が外部作動体505に当接して
一体的に上昇していくと、上糸が外れた糸渡し把持部5
26が回動しながら上昇して待機状態で停止する。これ
により、一連の糸通し動作、及び糸掛け動作を終了す
る。
【0109】一方、既に糸掛けされている上糸を他の上
糸に交換する動作について説明する。まず、ミシン作業
者が糸除去スイッチを入れることによって、糸搬送手段
200による糸搬送動作を開始し、当初原点位置に待機
していた糸選択キャリッジ202が、図13に示されて
いる糸捕捉位置まで横移動する。これにより、糸把持部
203の案内溝215の開口部が糸待機供給手段100
における糸挟持板102,103と対向状態となる。
【0110】この状態から、移動板205がミシン奥側
に向かって移動を開始し、上記糸把持部203の揺動側
糸挟持板211が開閉作動カム221に沿って開放状態
となり、糸把持部203が更に奥側に移動することによ
って、糸たぐり作動アーム217が糸待機供給手段10
0における糸たぐり機構のローラ支持ブラケット113
に当接して従動側の糸引き戻しローラ109bを駆動側
の糸引き戻しローラ109aに接触させる。この状態
で、駆動側の糸引き戻しローラ109aを回転駆動させ
ることによって、既に掛けられている上糸を糸供給部1
01に引き戻していく。
【0111】そして、上糸の先端部が、ベーステンショ
ン板640,641を過ぎて、上糸有無検出センサ64
3を通過した信号を得たら、そのときから糸たぐりステ
ッピングモータを所定の回転数駆動して停止させる。こ
の停止までのモータ回転数は、上記上糸有無検出センサ
643から各糸供給部101までの距離に対応して設定
されており、モータを停止させたときに、各糸供給部1
01から上糸が所定の長さ垂れ下がる構成になされてい
る。
【0112】このようにして既に掛けられている上糸が
除去されると、糸選択キャリッジ202が原点待機位置
に一旦戻り、糸待機供給手段100にセットされている
他の上糸に対して、前述したと同様な糸通し動作及び糸
掛け動作を実行することによって、糸交換を完了する。
【0113】なお、図16及び図17に示されているよ
うに、本実施形態にかかる装置の面部回りのカバーに
は、手動で糸掛けができるように案内溝が形成されてい
る。すなわち、面部回りのカバーは、天カバー701、
面部カバー702、面板カバー703、及びフロントカ
バー704からなっており、上記天カバー701、面部
カバー702、及びフロントカバー704はミシンフレ
ーム側に固定されているとともに、面板カバー703
は、糸取りガイド部材(面板)623から延びる第1取
付腕板705を介して、糸取りフック616の移動軌跡
に交差しないように固定されている。なお、上記糸取り
ガイド部材(面板)623から延びる第2取付腕板70
6は、上記フロントカバー704に固定されている。
【0114】上記第1取付腕板705及び第2取付腕板
706のそれぞれは、糸取りガイド部材(面板)623
との連結部分に、第1糸案内溝707及び第2糸案内溝
708を備えるように湾曲形成されており、上述したよ
うに自動で糸掛けを行う場合には、第1糸案内溝707
内に糸掛けが行われ、後述するように手動で糸掛けを行
う場合には、第2糸案内溝708内に糸掛けが行われ
る。
【0115】上記各面部カバー702、面板カバー70
3、及びフロントカバー704の境界部分には細長状の
隙間が形成されており、これらの各隙間が、手動糸掛け
を行うための糸案内溝710〜712を構成している。
また、上記面板カバー703の下縁部分は、糸取りフッ
ク616に糸掛けされた糸を誘い込む湾曲形状に形成さ
れている。このような手動用の糸案内溝を設けることと
すれば、糸掛け装置に故障等の不具合を生じたときで
も、手動で糸掛けを行うことができ都合が良い。なお、
手動による糸掛け動作を説明しておくと、まず最初に、
糸繰り出しローラ602と補助ローラ611とを離間さ
せ、次に糸案内溝710の上部から上糸を導き、糸案内
溝711を通して糸案内溝712に導く。次いで、糸案
内溝712の下部に設けた天秤8の糸掛け部8aで折り
返すことにより、天秤8及び糸取りバネ617への糸掛
けを行なった後、上糸端を縫い針Nの目孔に通して糸通
しを行なう。
【0116】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、糸待機供給手段100
の糸供給部101が2体設けられているが、3体以上設
けることも当然可能である。
【0117】また、本実施形態では、糸渡し作動ギア5
17の回転に連動するリンク機構535,536により
一対の押え板527,528の糸把持力を調整している
が、このリンク機構に代えてワイヤー等の伝達機構を同
様に用いることも可能である。
【0118】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
は、糸渡し作動体(504)の作用によって、糸渡し手
段(500)による上糸張り出し動作が終了した後に糸
通し手段(300)による糸通し動作を行なわせること
により、糸渡し手段と糸通し手段との連動関係を良好と
して、糸通し動作を確実に行わせるようにしたものであ
るから、比較的小型の装置で、上糸の糸通し動作を良好
かつ安定的に行わせることができ、刺繍縫いミシンの信
頼性を向上させることができる。
【0119】また、請求項2記載の発明は、外部作動体
(505)を係止部材(318)により特定の位置に停
止させて上糸張り出し動作を行なった後に、内部作動体
(506)を係止部材(317)により異なる位置に停
止させて糸通し動作を行なうようにしたものであるか
ら、上述した効果を確実に得ることができる。
【0120】さらに、請求項3記載の発明は、外部作動
体(505)による糸渡し動作を、ギアの回動動作によ
って確実に実行させるように構成したものであるから、
上述した効果を一層確実に得ることができる。
【0121】さらにまた、請求項4記載の発明は、上糸
把持部(526)における糸把持力を必要に応じて調整
して糸の受け渡し動作及び糸搬送動作のいずれもを確実
に行なわせるようにしたものであるから、上述した効果
を一層確実に得ることができる。
【0122】また、請求項5記載の発明は、糸通し動作
が行われた直後に上糸を開放状態とするように糸通しフ
ック(313)を形成することによって、糸通しフック
の損傷を防止するようにしたものであるから、糸通し動
作の安定化を図り、上述した効果を確実に得ることが可
能となる。
【0123】さらに、請求項6記載の発明は、糸通し動
作と同時に糸ガイド(9)に上糸を案内する針止め糸掛
け(325)を設けることによって、上糸の案内経路を
自動で良好に形成するようしたものであるから、糸通し
動作の信頼性をさらに高めることができる。
【0124】一方、請求項7又は8記載の発明は、糸掛
け手段(600)によって、天秤(8)への糸掛けと同
時に、糸自動供給手段(601,602,611,60
6)のローラ(602,611)どうしの間に上糸を案
内して上糸の案内経路を良好に形成するものであるか
ら、天秤と自動繰出し装置との双方に対する上糸の糸掛
けを自動で行なわせることができ、刺繍縫いミシンの有
用性、使用性を向上させることができる。
【0125】また、請求項9記載の発明は、第2揺動ア
ーム(615)が伸縮しながら糸取り部(616)の移
動を行なわせることにより、糸取り部(616)の移動
経路の張り出しを防止し、ミシン全体の小型化を図るよ
うにしたものであるから、上述した効果を一層高めるこ
とができる。
【0126】さらにまた、請求項10記載の発明は、保
持解除手段(633,634,630,405)によっ
て、糸取り部(616)を所定のタイミングで安全・確
実に作動させるように構成したものであるから、上述し
た効果を確実に得ることができる。
【0127】請求項12記載の発明は、何らかの原因で
自動糸掛けができない場合であっても、糸掛け用の溝部
(710,711,712)を通して糸掛けが手動で行
なわれるように構成したものであるから、上述した刺繍
縫いミシンの使用性を確実化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における自動糸掛け装置及
び自動糸通し装置を表した外観斜視説明図である。
【図2】上軸及びその周辺の連結構造を表した外観斜視
説明図である。
【図3】糸渡し手段及び糸通し手段の駆動系を表した外
観斜視説明図である。
【図4】糸通し手段の構造を表した外観斜視説明図であ
る。
【図5】糸通し手段における糸通しフックの構造を表し
た平面説明図である。
【図6】同じく糸通し手段における糸通しフックの構造
を表した外観斜視説明図である。
【図7】自動糸掛け手段及び針振り機構の構造を表した
外観斜視説明図である。
【図8】同じく自動糸掛け手段の構造を表した正面説明
図である。
【図9】自動糸掛け手段と針振り機構との連結関係を表
した側面説明図である。
【図10】自動糸掛け手段における糸取りブラケットの
構造を表した平面説明図である。
【図11】糸渡し手段及び糸通し手段の構造を表した正
面説明図である。
【図12】糸搬送手段の構造を表した概観斜視説明図で
ある。
【図13】糸待機供給手段と糸搬送手段との関係を表し
た概観斜視説明図である。
【図14】糸有無検知センサの一例を表した縦断面説明
図である。
【図15】糸有無検知センサの出力信号の一例を表した
線図である。
【図16】カバーに設けられた手動糸掛け用の案内溝の
構造を表した概観斜視説明図である。
【図17】面板とカバーとの取付け関係を表した平面説
明図である。
【符号の説明】
1 上軸 5 針棒 7 針止め 8 天秤 9 糸ガイド N 縫い針 100 糸待機供給手段 101 糸供給部 102,103 糸挟持板 106 ベーステンション板 107 糸切り用カッター 109a,109b 糸引き戻しローラ 116 糸ガイド 200 糸搬送手段 201 送りスクリュー 202 糸選択キャリッジ 203 糸把持部 205 移動板 211 揺動側糸挟持板 210,211 糸挟持板 215 案内溝 216 糸係止溝 221 開閉作動カム 300 糸通し手段 302 糸通し位置決めストッパー 305 糸通し軸 306 糸通しレバー 308 糸通しフックホルダー 310 作動ピン 311 溝カム 313 糸通しフック 317 係止部 325 針止め糸掛け 400 針振り機構 405 針振りステッピングモータ 500 糸渡し手段 501 駆動軸 505 外部作動体 506 内部作動体 511 糸押し係止部 513 ラックギア 517 糸渡し作動ギア 518 糸渡しアーム 522 突部 523 係止ピン 526 糸渡し把持部 527 上押え板 528 下押え板 533 糸把持ブラケット 538 糸渡し係止板 539 糸渡し揺動レバー 542 支持ローラ 543 作動フック 550 糸切カッター 551 作動カム 600 糸掛け手段 601 糸繰り出し用ステッピングモータ 602 糸繰り出しローラ 605 中間ギア 605a 第2中間ギア 606 繰り出し揺動板 611 補助ローラ 613 糸取り作動ギア 614 糸掛け第1アーム 615 糸掛け第2アーム 616 糸取りフック 624 ガイド経路 635 ストッパー板 640,641 ベーステンション板 643 糸有無検出センサ 616 糸取りフック 626 糸取り係合溝 640,641ベーステンション板 643 上糸有無検出センサ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸待機供給手段(100)から引き出さ
    れた上糸を、縫い針(N)の目孔近傍に張り出すように
    搬送する糸渡し手段(500)と、この糸渡し手段(5
    00)により搬送された上糸を縫い針(N)の目孔内に
    挿通させる糸通し手段(300)と、を備えた刺繍縫い
    ミシンにおいて、 上記糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作を終
    了させた後に前記糸通し手段(300)による糸通し動
    作を行わせるように、これら糸渡し手段(500)と糸
    通し手段(300)とを連動連結する糸渡し作動体(5
    04)を備えていることを特徴とする刺繍縫いミシン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の糸渡し作動体(504)
    は、糸渡し手段(500)に上糸張り出し動作を行わせ
    る外部作動体(505)と、糸通し手段(300)に糸
    通し動作を行わせる内部作動体(506)とを備え、こ
    れら外部作動体(505)及び内部作動体(506)
    を、所定の異なる位置でそれぞれ停止させる係止部材
    (318,317)を設けたことを特徴とする刺繍縫い
    ミシン。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の外部作動体(505)
    に、上糸を挟み込む上糸把持部(526)を回転移動さ
    せる糸渡し作動ギア(517)を設けるとともに、当該
    糸渡し作動ギア(517)を外部作動体(505)の移
    動により転動させるラックギア(513)を備えている
    ことを特徴とする刺繍縫いミシン。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の上糸把持部(526)
    は、上糸を挟み込んで把持する一対の押え板(527,
    528)と、これら一対の押え板(527,528)に
    よる糸把持力を糸渡し作動ギア(517)の回転に連動
    して調整する調整手段を備えていることを特徴とする刺
    繍縫いミシン。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の糸通し手段(300)
    は、上糸を縫い針(N)の目孔内に上糸を引込む糸通し
    フック(313)を備え、 上記糸通しフック(313)に設けた上糸引っ掛け用の
    鍵部(322)を、下方に向かって開放する切欠形状に
    形成したことを特徴とする刺繍縫いミシン。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の糸通しフック(313)
    の動作に連動して、上糸を糸ガイド(9)に向かって案
    内する針止め糸掛け(325)を設けたことを特徴とす
    る刺繍縫いミシン。
  7. 【請求項7】 複数本の異なる上糸のそれぞれを保持す
    る複数体の糸供給部をミシンヘッドの上部に配置した糸
    待機供給手段(100)を備え、 この糸待機供給手段(100)における糸供給部の各々
    から引き出される上糸を選択的に交換しつつ使用する刺
    繍縫いミシンにおいて、 上記糸待機供給手段(100)におけるいずれかの糸供
    給部(101)からの上糸を把持して天秤(8)の配置
    位置まで引き出すように往復移動する糸搬送手段(20
    0)と、 特定の機構に連動して接離するように移動する複数のロ
    ーラ(602,611)の回転により、縫製時に所定量
    の上糸を自動的に繰り出して供給する糸自動供給手段
    (601,602,611,606)と、 上記糸搬送手段(200)により引き出された上糸を把
    持して前記天秤(8)に対して引っ掛けるように往復移
    動し、その天秤(8)への糸掛けの際に、上記特定の機
    構に連動して離間するように移動したローラ(602,
    611)どうしの間に上糸を案内する糸掛け手段(60
    0)と、を備えていることを特徴とする刺繍縫いミシ
    ン。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の糸掛け手段(600)
    は、糸自動供給手段(601,602,611,60
    6)から縫い針(N)に至る上糸を引っ掛けるように所
    定の経路(624)に沿って往復移動する糸取り部(6
    16)と、 この糸取り部(616)を往復移動させ、復動時に当該
    糸取り部(616)及び天秤(8)に上糸を掛ける糸取
    り駆動機構(614,615,613,605,60
    1,602)と、を備えていることを特徴とする刺繍縫
    いミシン。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の糸取り駆動機構(61
    4,615,613,605,601,602)は、一
    端が回動可能に支持された第1揺動アーム(614)
    と、 この第1揺動アーム(614)に 沿って伸縮自
    在に支持され、先端側に糸取り部(616)を備えた第
    2揺動アーム(615)と、 上記第2揺動アーム(615)の往復揺動経路を規制す
    る糸取りガイド部材(623)と、を備えていることを
    特徴とする刺繍縫いミシン。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の刺繍縫いミシンにおい
    て、ミシン縫製時には糸取り部(616)を所定の位置
    に保持するとともに、糸掛け時には糸取り部(616)
    を保持状態から解除して糸取り駆動機構(614,61
    5,613,605,601,602)による糸取り部
    (616)の移動を許容する保持解除手段(633,6
    34,630,405)を備えていることを特徴とする
    刺繍縫いミシン。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の刺繍縫いミシンにお
    いて、保持解除手段(633,634,630,40
    5)の駆動源(405)を、針棒(5)を揺動させて所
    定の縫いを行なわせる駆動源(405)が兼用するよう
    に設けたとを特徴とする刺繍縫いミシン。
  12. 【請求項12】 複数本の異なる上糸のそれぞれを保持
    する複数体の糸供給部をミシンヘッドの上部に配置した
    糸待機供給手段(100)を備え、 この糸待機供給手段(100)における糸供給部(10
    1)の各々から引き出される上糸を選択的に交換しつつ
    使用する刺繍縫いミシンにおいて、 上記糸待機供給手段(100)におけるいずれかの糸供
    給部(101)からの上糸を把持して天秤(8)の配置
    位置まで引き出すように往復移動する糸搬送手段(20
    0)と、 上記糸搬送手段(200)により引き出された上糸を把
    持して前記天秤(8)に対して引っ掛けるように往復移
    動する自動糸掛け手段(600)と、 ミシンの糸供給経路に沿ってミシンカバー前面部に形成
    した手動糸掛け用の溝部(710,711,712)
    と、を備えていることを特徴とする刺繍縫いミシン。
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