JP3986142B2 - 刺繍縫いミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の上糸を交換して用いる刺繍縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、刺繍縫いミシンでは複数本の異なる色の上糸が選択的に交換使用されているが、上糸を交換する度に縫い針の目孔にいちいち上糸を通す作業は面倒であることから、糸通し作業を自動的に行い得るようにした装置の提案が種々なされている。例えば、特開平1−113092号公報、特開平3−128091号公報、特開平3−133485号公報等に記載の装置の如くである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、刺繍縫いミシンにおいては、通常、上糸の供給がミシン上部側から行われることから、縫い針に対して糸通しを行わせる前に、ミシン上部側の上糸を縫い針まで糸渡しする必要がある。しかしながら、従来の刺繍縫いミシンでは、糸渡しを行う糸渡し手段と、糸通し手段との連動関係が良好でなく、誤動作を生じ易いという問題がある上に、糸通し後における糸の張力で糸通しフック等の部品が引っ張られて損傷に至ることもある。
【0004】
また、縫製時に複数のローラを回転駆動させて所定量の上糸を自動的に繰り出す糸自動供給手段、及び天秤の双方に対して糸掛けを自動で行なう装置は従来ないため、手作業により面倒な糸掛け作業を強いられている。
【0005】
そこで本発明は、比較的小型で、上糸の糸通し動作を良好かつ安定的に行わせることができるようにした刺繍縫いミシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、糸待機供給手段(100)から引き出された上糸を、縫い針(N)の目孔近傍に張り出すように搬送する糸渡し手段(500)と、この糸渡し手段(500)により搬送された上糸を縫い針(N)の目孔内に挿通させる糸通し手段(300)と、を備えた刺繍縫いミシンにおいて、上記糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作を終了させた後に前記糸通し手段(300)による糸通し動作を行わせるように、これら糸渡し手段(500)と糸通し手段(300)とを連動連結する糸渡し作動体(504)を備えたものであって、前記糸渡し作動体(504)は、前記糸渡し手段(500)に上糸張り出し動作を行わせる外部作動体(505)と、前記糸通し手段(300)に糸通し動作を行わせる内部作動体(506)とを備え、これら外部作動体(505)及び内部作動体(506)を、所定の異なる位置でそれぞれ停止させる係止部材(318,317)を設け、前記外部作動体(505)に、上糸を挟み込む上糸把持部(526)を回転移動させる糸渡し作動ギア(517)を設けるとともに、当該糸渡し作動ギア(517)を前記外部作動体(505)の移動により転動させるラックギア(513)を備えている。
【0009】
さらにまた、請求項記載の発明では、上記請求項記載の上糸把持部(526)は、上糸を挟み込んで把持する一対の押え板(527,528)と、これら一対の押え板(527,528)による糸把持力を糸渡し作動ギア(517)の回転に連動して調整する調整機構を備えている。
【0010】
請求項記載の発明では、上記請求項1記載の糸通し手段(300)は、上糸を縫い針(N)の目孔内に上糸を引込む糸通しフック(313)を備え、上記糸通しフック(313)に設けた上糸引っ掛け用の鍵部(322)を、下方に向かって開放する切欠形状に形成している。
【0011】
また、請求項記載の発明では、上記請求項記載の糸通しフック(313)の動作に連動して、上糸を糸ガイド(9)に向かって案内する針止め糸掛け(325)を設けている。
【0018】
このような請求項1記載の発明によれば、糸渡し作動体(504)の作用によって、糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作が終了した後に、糸通し手段(300)による糸通し動作が行われるため、糸通し動作が確実に行われるようになっている。
【0019】
また、請求項記載の発明によれば、外部作動体(505)が係止部材(318)により特定の位置に停止させられることによって上糸張り出し動作が行われた後、内部作動体(506)が係止部材(317)により異なる位置に停止させられることによって糸通し動作が行われ、上述した請求項1にかかる作用が確実に得られるようになっている。
【0020】
さらに、請求項記載の発明によれば、外部作動体(505)による糸渡し動作が、ギアの回動動作によって確実に実行されるようになっている。
【0021】
さらにまた、請求項記載の発明によれば、上糸把持部(526)における糸把持力が必要に応じて調整されるため、糸の受け渡し動作及び糸搬送動作のいずれもが確実に行われるようになっている。
【0022】
また、請求項記載の発明によれば、糸通し動作が行われた直後に上糸が開放状態にされるため、その後の糸の張力によって糸通しフック(313)が損傷するような事態が回避されるようになっている。
【0023】
さらにまた、請求項記載の発明によれば、糸通し動作と同時に糸ガイド(9)に上糸が案内されるため、上糸の案内経路が自動で良好に形成されるようになっている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図2に示されているように、上軸1は、図示を省略したメインモータにより回転駆動されるように軸支されており、この上軸1の途中部分に固定された複数の扇状板からなる上軸遮蔽板2が、図示を省略したフォトセンサにより検出されることによって上記上軸1の回転位相位置の信号が得られるようになっている。
【0030】
また、上記上軸1の一端部には、釣合重り3が固定されているとともに、この釣合重り3に回転自在に連結されたクランクロッド4の揺動端は、縫い針Nを保持する針棒5の途中に固定された針棒抱き6に対して回転自在に連結されている。また、上記クランクロッド4の基部側には、クランク7を介して天秤8が連結されており、この天秤8の揺動端部分が「つ」の字状に折り曲げられて糸掛け部8aが設けられているとともに、当該天秤8の途中部分に、上糸滑り防止用の突部8bが設けられている。
【0031】
一方、図1に示されているように、ミシン本体の上部には、複数本の異なる色の上糸を選択的に交換しつつ搬送する糸交換装置が設けられている。この糸交換装置は、各上糸のそれぞれを保持するようにミシンフレームに固定された糸待機供給手段100と、この糸待機供給手段100から引き出された上糸を天秤8の位置を通過して糸渡し手段500まで引き出す糸搬送手段200とを備えている。
【0032】
このうち糸待機供給手段100は、縫い針Nと反対側のミシン端部上方に配置されており、上述した上軸1の方向に2体の糸供給部101,101が並ぶようにして設けられている。これらの各糸供給部101には、図13にも示されているように、供給すべき上糸Aの先端部分を弾性的に挟んで把持する一対の糸挟持板102,103が互いに密着するように設けられている。これら一対の糸挟持板102,103どうしは、一方側の糸挟持板102に立設された軸104に装着された圧縮コイルバネ105の付勢力によって密着されており、糸待機供給手段100の奥側から、一方の糸挟持板102と一体に設けられたベーステンション板106を通して糸供給部101の上部側に導かれた上糸Aが、上記両糸挟持板102,103どうしの間にミシン手前側から挿入されて挟み込まれ、当該上糸Aが、上記両糸挟持板102,103どうしの間から所定量垂れ下がるようにセットされる。
【0033】
また、上記一対の糸挟持板102,103におけるミシン手前側の先端部分は、互いに離れる方向に斜めに折れ曲げられて糸案内機能を備えるように構成されている。すなわち、上記各糸挟持板102,103は、後述する糸搬送手段200側に向かって先端開口部が拡大するように形成されており、これにより、当該各糸挟持板102,103の先端側糸案内部を通して各上糸Aのセットが容易に行われるようになっている。
【0034】
さらに、上記糸挟持板102,103に隣接した所定の位置には、当該糸挟持板102,103から引き出された上糸Aを所定長さに切断する糸切り用カッター107が立設されている。この糸切り用カッター107は、両糸挟持板102,103どうしの間にセットされた上糸を案内するガイド溝を備えた支持枠108に固定されており、後述する糸搬送手段200の糸把持部203に対して所定の高さ位置に配置されている。そして、上記糸挟持板102,103の間にセットされて当該糸挟持板102,103どうしの間の下縁側から引き出された上糸Aの先端部分が、上記糸切り用カッター107により所定の長さに切断されて、上記糸供給部101から垂れ下げられる上糸の長さが、糸搬送手段200により容易に受け取られる長さになされるようになっている。
【0035】
このように、上糸Aが糸切り用カッター107により切断される際には、上糸Aが、上記糸挟持板102の下縁部分に上糸が接触することとなるが、このとき上記糸挟持板102の下縁部分は、手前側から奥側に向かって上糸を滑らせるように傾斜しており、糸切り動作による張力によって、上糸Aが糸挟持板102,103の間に誘い込まれて確実にセットされる構成になされている。さらに、上記糸挟持板103の前端側部分には、他方の糸挟持板102側に向かって突出する突部(図示省略)が形成されて、当該突部が糸挟持板102側の凹部102aに嵌合しており、糸挟持板102,103の間に一旦セットされた上糸Aの抜出しが防止されるように構成されている。
【0036】
さらにまた、このような構成になされた各糸供給部101の奥側には、縫製を終了した後に当該糸供給部101から縫い針Nに至る間に残された上糸の先端部を糸供給部101まで引き戻す糸たぐり機構が設けられている。この糸待機供給手段100における糸たぐり機構には、互いに接触・離間するように構成された一対の糸引き戻しローラ109a,109bが設けられており、一方の駆動側の糸引き戻しローラ109aが、図示を省略した糸たぐりステッピングモータの回転駆動力を伝達する中間ギア111を介して常時回転駆動されている。
【0037】
また、他方の従動側の糸引き戻しローラ109bは、支軸ピン112により揺動するように取り付けられたローラ支持ブラケット113の揺動端部分に回転自在に装着されており、上記ローラ支持ブラケット113がコイルバネ114から回転方向の付勢力を与えられることによって、上記従動側の糸引き戻しローラ109bが駆動側の糸引き戻しローラ109aから離間されるようになっている。
【0038】
そして、後述するように、糸搬送手段200の動作に連動して上記ローラ支持ブラケット113がコイルバネ114の回転付勢力に抗して回動させられることによって、従動側の糸引き戻しローラ109bが駆動側の糸引き戻しローラ109aに接触させられるとともに、従動側の糸引き戻しローラ109bに一体に設けられ従動ギア(図示省略)が、駆動側の糸引き戻しローラ109aに設けられた駆動ギア(図示省略)に噛み合い、これら両ローラ109a,109bどうしが互いに接触回転しながら上糸Aを糸供給部101側にたぐり寄せる構成になされている。
【0039】
また、上記糸たぐり機構における両ローラ109a,109bの直前部分には、糸ガイド115が立設されているとともに、糸たぐり機構の背後側には、図示を省略した糸溜め部が各上糸Aごとに2体設けられている。これらの各糸溜め部は、上述した糸たぐり機構によって糸供給部101に引き戻された長尺となった上糸Aを収納する中空の箱状体からなり、各上糸ごとに収納空間を仕切ることによって上糸どうしが絡み合わないようにするものである。上記糸溜め部の奥側部分には、糸ガイドが設けられている。
【0040】
一方、上記糸搬送手段200は、上述した糸待機供給手段100におけるいずれかの糸供給部101における上糸Aを把持して、天秤8の位置を通過し糸渡し手段500の糸渡し把持部526まで出すものであって、図12にも示されているように、上軸1と略平行に配置された送りスクリュー201に対して、糸選択キャリッジ202に設けられた作動ピン202aが螺合することによって上記糸選択キャリッジ202が左右方向に往復移動される構成になされている。上記糸選択キャリッジ202上には、当該糸選択キャリッジ202上に立設された一対のピン204,204により、移動板205が前後方向に滑動自在に配置されているとともに、この移動板205の手前側部分には、前記各糸供給部101から引き出されている上糸Aの糸端部分を把持する糸把持部203が設けられている。
【0041】
上記移動板205には、当該移動板205における前後方向の側縁部分にラックギア206が形成されており、このラックギア206が、搬送用ステッピングモータ207の回転出力を伝達する中間ギア208に噛み合わされることによって、上記移動板205が前後方向に往復移動されるように構成されており、当該移動板205のミシン手前側部分に、糸把持部203を構成する一対の糸挟持板210,211が設けられている。
【0042】
上記糸把持部203を構成する一対の糸挟持板210,211のうち、一方の固定側の糸挟持板210は、上記移動板205の前方側の側縁部分を略直角に立ち上げるようにして形成されているとともに、他方の揺動側の糸挟持板211は、移動板205に立設された揺動軸212対して回動自在に取り付けられている。そして、この揺動側糸挟持板211は、上記揺動軸212に装着されたコイルバネ213の回転付勢力によって、固定側糸挟持板210に密着するように押し付けられており、これら両糸挟持板210,211どうしが互いに密着することにより上糸を掴むようになっている。
【0043】
また、上記揺動側糸挟持板211の途中部分には、開閉作動ピン214が下方に突出するように固定されている。この作動ピン214は、上記移動板205がミシン奥側に向かって移動する際に、上述した糸待機供給手段100における各糸供給部101の直前位置に配置された開閉作動カム221の前方側傾斜部221aに当接することによって、上記揺動側糸挟持板211がコイルバネ213の回転付勢力に抗して回動させられ、これによって、揺動側糸挟持板211が固定側糸挟持板210から離間されるように構成されている。さらに、上記作動ピン214が開閉作動カム221の後方側直線部221bを通り越したときには、揺動側糸挟持板211が、コイルバネ213の回転付勢力によって元の閉鎖位置に回動されて揺動側糸挟持板211が固定側糸挟持板210に密着されるようになっている。
【0044】
さらに、上記一対の糸挟持板210,211の直上位置には、上述した糸待機供給手段100における各糸供給部101に向かって開口する案内溝215が設けられている。この案内溝215は、上記固定側糸挟持板210の上縁部分から揺動側糸挟持板211の上方を覆うように水平方向に延びる板状ガイド部材209を、糸供給部101側から手前側に向かって切り欠くように形成されている。当該案内溝215の開口部は、上述した各糸供給部101における一対の糸挟持板102,102側の開口部と対面可能となる配置関係になされており、各糸供給部101から引き出された糸端部分を糸挟持板210,211内に導入させるように構成されている。
【0045】
このとき、上記板状ガイド部材209の先端部分209aは、やや上方に湾曲するように形成されており、その湾曲状先端部分209aが、上述した糸待機供給手段100の糸挟持板102の下縁部に対して、高さ方向に僅かにラップして接触するように形成されている。これによって、上糸Aは、上述した案内溝215内に誘い込まれることとなる。なお、本実施形態では、上記案内溝215を画成する片方側ガイド板のみを上方に湾曲形成しているが、案内溝215を挟んで反対側のガイド板を上方に湾曲するように形成させることも可能である。
【0046】
また、上記案内溝215の溝最深部には糸係止溝216が延設されている。この糸係止溝216は、糸搬送手段200の復動方向に延びるように形成されており、糸搬送手段200の糸選択キャリッジ202が天秤8側に向かって往動する際に、上記案内溝215内の上糸が当該糸係止溝216内に導入されることとなり、この糸係止溝216内に上糸が一旦導入されると、糸把持部203が前後方向に移動した場合であっても上糸が溝から外れることはない。
【0047】
さらに、上記移動板205においてラックギア206と反対側の側縁部分には、糸たぐり作動アーム217が揺動軸218により揺動可能に取り付けられており、上記揺動軸218に装着されたコイルバネ219の回転付勢力により所定の位置に保持されている。この糸たぐり作動アーム217は、前記糸把持部203がミシン奥側(後方側)に移動したときに、前述した糸待機供給手段100における糸たぐり機構のローラ支持ブラケット113の突部113aに当接するように設けられたものであって、この糸たぐり作動アーム217の押圧力によってローラ支持ブラケット113を回動させることにより、前述した従動側の糸引き戻しローラ109bを駆動側の糸引き戻しローラ109aに接触させる構成になされている。
【0048】
一方、前述した針棒5は、図1、図4及び図7に示されているように、後述する針振り機構400(図7参照)を構成する針振り揺動台401に対して摺動自在に装着されており、この揺動台400に隣接するようにして糸通し手段300が付設されている。また、図2に示されているように、上記針棒5に固定された針棒抱き6の直上位置には、糸通し手段300を構成する糸通し位置決めストッパー302がねじ止めされているとともに、針棒5の下端部には、針止め7に設けられた針止めねじ7aによって縫い針Nが取り付けられている。また、上記針止め7には、縫い針Nの目孔に上糸を導くように糸ガイド9が取り付けられている。
【0049】
上記針棒5を支持する針振り揺動台401の上端部分は、前後方向に延びる左右揺動軸403と、この左右揺動軸403を左右方向に貫通するように設けられた前後揺動軸404とにより、当該針振り揺動台401の下端部分が自在の方向に揺動するように取り付けられている。また、この針振り揺動台401の下端部分には、図示を省略した揺動規制腕が連結されており、この揺動規制腕が描く円弧状に軌跡に沿って上記針振り揺動台401の下端部分が略水平面内において揺動可能になされているとともに、特に、図7に示されているように、針振り機構400における針振りステッピングモータ405の回転駆動力により釜上を往復移動するように構成されている。
【0050】
また、前記針振り揺動台401には、針棒5と略平行に糸通し軸305が、回転移動自在かつ上下動自在に装着されている。この糸通し軸305の上端部分には、糸通しレバー306の円筒状部307が嵌着されているとともに、上記糸通し軸305の下端部分には、特に図5及び図8に示されているように、周知の糸通しフックホルダー308が取り付けられている。上記糸通しレバー306における円筒状部307内には、前記糸通し軸305の上端部分が回転自在に挿入されており、その糸通し軸305の上端部分を軸直角方向に貫通するように固定された作動ピン310の一端側が、上記糸通しレバー306の円筒状部307に穿設されたカム溝311内に遊嵌状態で挿入されている。
【0051】
上記円筒状部307のカム溝311は、スパイラル形状の一部をなすようにして延びる傾斜溝カム311aと、この傾斜溝カム311aの上端部から軸方向上方側に延びる縦溝カム311bとからなり、上記傾斜溝カム311aは、糸通しレバー306が糸通し軸305に対して相対的に軸移動することによって糸通し軸305に回動作用を付与するとともに、縦溝カム311bは、糸通し軸305を回動させることなく軸移動可能に保持する構成を有している。また、上記作動ピン310と円筒状部307の上端部との間には、コイルバネ312が圧縮状態で介装されており、上記糸通し軸305に対して糸通しレバー306が上方に引き上げられた状態に維持されている。
【0052】
上記作動ピン310の他端側は、上述した針棒5の糸通し位置決めストッパー302に対して軸方向上側から当接・離間するように配置されており、作動ピン310が針棒5の糸通し位置決めストッパー302上に当接したときには、糸通しフックホルダー308に設けられた糸通しフック313が縫い針Nの目孔と一致する位置に糸通し軸305が停止するように高さ関係が調整されている。また、上記作動ピン310が針棒5の糸通し位置決めストッパー302に当接した後に糸通しレバー306がさらに下方に押し下げられると、作動ピン310の一端部分が、上述した傾斜溝カム311aに沿って回転方向に案内され、これにより、上記糸通し軸305が糸通しフックホルダー308とともに回転されるように構成されている。
【0053】
また、上記針振り揺動台401の上端部から垂れ下がるようにして設けられたガイド板314には、糸通しレバー306の途中部分に設けられた突部315との間にコイルバネ316が引っ張り状態で掛けられており、このコイルバネ316の上方付勢力によって糸通しレバー306が上方側に引き上げられている。
【0054】
さらに、上記糸通しレバー306の途中部分には、ミシン奥側に向かって突出する係止部317が形成されており、この係止部317に対して、後述する糸渡し手段500の作動体が上方側から当接することによって、糸通しレバー306の下降動作が行われるようになっている。また、上記糸通し軸305の高さ方向略中央部分には、後述する糸渡し手段500の作動体に当接して当該作動体をその位置に停止させる糸掛けストッパー318がカラー319を介して所定の位置に取り付けられている。この糸掛けストッパー318は、針棒5に取り付けることも可能である。
【0055】
一方、図5及び図6に示されているように、前記糸通し軸305の下端位置には、糸通しフックホルダー308が固定されている。この糸通しフックホルダー308は、周知のように一対の糸通しフックガイド板320,320を有しており、これら一対の糸通しフックガイド板320,320の間に糸通しフック313が固定されている。各糸通しフックガイド板320,320のそれぞれには、略水平に切り込まれた案内溝321,321が、高さを一致させて切り欠くようにして形成されており、それらの両案内溝321,321内に糸通しすべき上糸Aを滑り込ませるように装着して、上記糸通しフック313の先端部分に形成された鍵部322に上糸Aを引っ掛けさせることによって縫い針Nの目孔内に上糸を引き込む構成になされている。
【0056】
このとき、上記糸通しフック313の鍵部322には、板状のフック本体の下縁側を略三角形状に切り欠くようにして形成されており、当該糸通しフック313の鍵部322に引っ掛けられた上糸Aが、縫い針Nの目孔挿入後に糸通しフック313の鍵部322から下方に向かって直ちに落下して開放されるようになっている。
【0057】
さらに、上記糸通し軸305には、糸通しフックホルダー308の上側から針止め糸掛け取付体323が回転自在に取り付けられているとともに、その針止め糸掛け取付体323に立設された回動軸324に対して、針止め糸掛け325が回転自在に取り付けられている。そして、上記糸通しフックホルダー308に設けられた部分ギア326に対して、上記針止め糸掛け325に設けられた部分ギア327が噛み合わされているとともに、上記針止め糸掛け取付体323に切り起し形状に立設されたストッパー部材328が、前記糸通しレバー306の側面に当接して回転を制限されることによって、上記糸通し軸305の回転力が針止め糸掛け325に伝達され、糸通しフックホルダー308と針止め糸掛け325とが互いに反対方向に回動される構成になされている。このとき、前記針止め糸掛け325の揺動端部分は、糸通しされた上糸Aを保持する二股形状に形成されており、この二股形状部分が、糸通しフックホルダー308の回動と同時に反対方向に回動して互いに近接・離間するようになされている。
【0058】
一方、図1、図3及び図11に示されているように、上述したような糸通し手段300に隣接するようにして、糸渡し手段500が配置されている。この糸渡し手段500においては、上記糸通し軸305に隣接するようにして、スクリュー状の駆動軸501が台板502上に略鉛直に立設されている。この駆動軸501の上端部分には駆動ギア503が設けられており、その駆動ギア503に対して、図示を省略した糸渡し及び糸通し用のステッピングモータにより回転駆動される中間ギアが噛み合わされている。
【0059】
上記駆動軸501には、糸渡し作動体504が螺合されて上下方向に往復移動されるようになっている。上記糸渡し作動体504は、前記駆動軸501に対して自由移動状態に装着された中空箱状の外部作動体505と、この外部作動体505の内部に装着された内部作動体506と、を有しており、内部作動体506の手前側に配置された作動板507に立設された駆動ピン508が、駆動軸501のスクリュー溝に嵌合することによって内部作動体506の上下送り動作が行われるようになっている。
【0060】
また、上記外部作動体505の内部には、内部作動体506の底面部に当接するようにして圧縮コイルバネ509が配置されている。この圧縮コイルバネ509は、内部作動体506を上方に押し上げるように軸方向に延在しており、当該圧縮コイルバネ509の付勢力によって、内外の両作動体506,505どうしが一体となって上下方向に移動されるように構成されている。
【0061】
また、上記内部作動体506に設けられた作動板507の下縁部分には、糸押し係止部511が略直角に折れ曲がるようにして設けられており、この糸押し係止部511が、上述した糸通しレバー306の係止部317に対して上方側から当接することによって、糸通しレバー306が下方に押し下げられるようになっている。さらに、上記外部作動体505の上面からは、糸渡し係止部512が上記糸通し軸305側に向かって略水平に突出するように設けられており、この外部移動体505の糸渡し係止部512が、上述した糸通し軸305の糸掛けストッパー318に対して上側から当接されることによって外部作動体505の下方移動が停止されるようになっている。
【0062】
さらに、上記外部移動体505の側部近傍には、ラックギア513が略鉛直に立ち上がるように設けられており、このラックギア513に穿設された長尺状の縦溝514内に、上記外部移動体505の側部に略水平に突出するように立設された規制軸515が上下動可能に遊嵌されており、その案内作用によって、上記外部移動体505が回転することなく上下動されるように案内されている。
【0063】
また、上記外部移動体505の側部には、上規制軸515に隣接するようにして糸渡し軸516が略水平に突出するよう固定されており、この糸渡し軸516に対して、糸渡し作動ギア517と糸渡しアーム518の基部側とが、カラーを介して回転可能に装着されている。これら糸渡し作動ギア517と糸渡しアーム518の基部側とは、糸渡し軸516に装着されたコイルバネ521によって反対方向に回転するように付勢されているとともに、上記糸渡し作動ギア517に半径方向に延びるように一体形成された突部522と、上記糸渡しアーム518の基部側に固定された係止ピン523とが、上記コイルバネ521の回転付勢力によって周方向に当接しており、これら両部材517,518が上記コイルバネ521を介して回転方向に弾性的に係合されるようになっている。
【0064】
上記糸渡し作動ギア517は、上述したラックギア513のギアに噛み合うように配置されており、前述した外部作動体505が上下動することによって当該糸渡し作動ギア517が回転しながら上下移動するとともに、この糸渡し作動ギア517の回転に伴って上記糸渡しアーム518が回動されるように構成されている。
【0065】
上記糸渡しアーム518は、糸渡し作動ギア517側の基部側から、上記糸渡し軸516と略直交する方向に延出する糸渡し第1アーム部518aと、この糸渡し第1アーム部518aの延出端側から略直角に折れ曲がって前記上軸1と略平行に延びる糸渡し第2アーム部518bとを備えている。上記糸渡し第2アーム部518bの先端部分には、二股形状の糸張り板525が設けられており、当該糸張り板525と、糸渡し第2アーム部518bの中間部分に設けられた糸渡し把持部526との間に、前述した糸搬送手段200により引き出された上糸Aの先端部分が略直線状に掛け渡されるようになっている。
【0066】
上記糸渡し把持部526は、前記糸渡し第2アーム部518bの中間部分から手前側(図11の右側)に向かって突出するように形成された上押え板527と、この上押え板527の下面側に圧接された下押え板528とを有しており、上記下押え板528から上押え板527を貫通して上方に延びる押え軸529に対して圧力付与用コイルバネ531が装着されており、この圧力付与用コイルバネ531の軸方向付勢力によって前記上下の押え板527,528が互いに密着されるようになっている。
【0067】
このとき、上記圧力付与用コイルバネ531と上押え板527との間には圧力調整板532が介装されており、この圧力調整板532が上記押え軸529の軸方向に往復移動されることによって、上記圧力付与用コイルバネ531の軸方向圧縮力が調整され、これにより前記上下の押え板527,528の密着力が変更されて上糸の把持力が調整される構成にされている。
【0068】
より具体的には、上記圧力調整板532は、前記圧力付与用コイルバネ531と上押え板527との間部分から前記糸渡し第2アーム部518bの内面側に沿うようにして延びており、その延出側の基端部分が、前記糸渡し第1アーム部518aの側面に対して回動自在に取り付けられている。一方、上記糸渡し第1アーム部518aの基部側部分には、前記糸渡し作動ギア517に近接するようにして略コの字形状の糸把持ブラケット533が、上記糸渡し第1アーム部518aの回動軸である糸渡し軸516と略平行に延びる糸渡し調整軸534の回りに回転自在に取り付けられている。
【0069】
上記糸把持ブラケット533と上記圧力調整板532とは、リンク機構を構成する2体のリンクアーム535,536介して連動するように連結されており、上記糸把持ブラケット533の回動軸である糸渡し調整軸534に装着されたコイルバネ537の回転付勢力によって、上述した圧力付与用コイルバネ531を軸方向に圧縮して付勢力を強化し、これにより前記上下の押え板527,528どうしを強く圧接させる構成になされている。
【0070】
なお、図11のように、糸渡し作動ギア517が最上位置にあることにより糸渡し第1アーム部518aが上方側に向かって延びている場合には、当該糸渡し第1アーム部518aに設けられた糸渡し係止板538が、上記糸把持ブラケット533の上面部に当接することによって、当該糸把持ブラケット533の回転が図11の状態で停止され、これにより、圧力付与用コイルバネ531の圧縮量が抑えられて上下の押え板527,528どうしの圧接力が弱められる構成になされている。
【0071】
また、上記糸渡し作動ギア517が回転することにより図示の最上位置からやや下方に下がり、図11中の二点鎖点のように、糸渡し第1アーム部518aが所定量回転して傾斜した場合には、当該糸渡し第1アーム部518aに設けられた糸渡し係止板538が上記糸把持ブラケット533の上面から外れることによって、糸把持ブラケット533がコイルバネ537の回転付勢力によって回動され、上記圧力付与用コイルバネ531を軸方向に圧縮することによって上下の押え板527,528どうしが強く圧接されるようになっている。
【0072】
さらに、上記第1アーム部518aには、糸渡し軸516から反対側に突出する糸渡し揺動レバー539が一体に設けられている。この糸渡し揺動レバー539の先端部分には、支持ローラ541が回転自在に取り付けられており、上記糸渡し作動ギア517の回転に従って一体的に揺動される構成になされている。
【0073】
一方、前記ラックギア513の側部に隣接するようにして、上記糸渡し揺動レバー539に設けられた支持ローラ541を案内するための糸渡し案内板542が固定されている。この糸渡し案内板542は、2段の直線状案内部542a,542bから構成されており、ミシン手前側(図11の右側)に張り出すように設けられた上部側直線状案内部542a上に、上記糸渡し揺動レバー539の支持ローラ541が当接することによって、上記糸渡し第1アーム部518aが、糸渡し作動ギア517の回転にかかわらず斜め下方に張り出した回動位置に係止される。一方、ミシン奥側(図11の左側)にやや引き込むようにして設けられた下部側直線状案内部542b上に、上記糸渡し揺動レバー539の支持ローラ541が当接することによって、糸渡し第1アーム部518aはやや下方側に回動されることとなり、糸渡し作動ギア517の回転にかかわらず図11中の二点鎖線で示されているように、鉛直下方向に垂れ下がった回動位置に係止されるようになっている。
【0074】
またこのとき、上述した糸把持ブラケット533には、作動フック543が半径方向外方に向かって延出するように一体に設けられており、上述したようにして糸渡し第1アーム部518aが最下方位置に回転したときには(図11中の二点鎖線参照)、上記作動フック543が、前記糸渡し作動ギア517に設けられた突部522の半径方向先端部分に乗り上げられるように位置関係が設定されている。そして、その作動フック543が、糸渡し作動ギア517の突部522上に乗り上げたときには、その乗り上げ分だけ糸把持ブラケット533が回動させられることとなり、それによって、圧力付与用コイルバネ531の圧縮量が抑えられ、上下の押え板527,528どうしの圧接力が弱められる構成になされている。
【0075】
また、上記糸渡し把持部526の近傍には、前記糸搬送手段の送りスクリュー201の支持部から立ち上がるようにして設けられた支持枠に対して糸切カッター550が取り付けられており、上記糸渡し把持部526に保持された上糸の先端部分を切断するように構成されている。さらに、上記糸切カッター550の支持枠には、前述した上記糸搬送手段200の糸把持部203における揺動側糸挟持板211を開放させるための、作動カム551が略水平に張り出すように設けられている。
【0076】
さらにまた、図1、図7及び図8に示されているように、上述した糸搬送手段200の前部側には、上記糸通し手段300により縫い針Nの目孔に対向して張り出された上糸を天秤8の糸掛け部8aに装着する糸掛け手段600が配置されている。この糸掛け手段600は、駆動源として糸繰り出し用ステッピングモータ601を兼用している。そして、この糸繰り出し用ステッピングモータ601の出力軸には糸繰り出しローラ602が固定されているとともに、その糸繰り出しローラ602に一体に形成された駆動ギア603に対して、モータ取付板604上に回転自在に固定された中間ギア605が常時噛み合わされている。
【0077】
一方、上記モータ取付板604には、図示を省略した押え上げ機構、或いは自動糸切装置に連動して移動する繰り出し揺動板606が、所定の位置で回転自在に取り付けられている。この繰り出し揺動板606の一端側には、上記モータ取付板604との間に繰り出しコイルバネ607が掛けられており、当該繰り出し揺動板606の他端側が上記中間ギア605から離れる方向に引っ張り付勢されている。さらに、上記糸繰り出し揺動板606の他端側には、補助ローラ取付板608の一端側が回転自在に連結されており、当該補助ローラ取付板608の他端側は、上記モータ取付板604に立設された支持ピン609に対して摺動自在に装着されている。
【0078】
上記補助ローラ取付板608上には、一対の補助ローラ611,611が、上記繰り出しコイルバネ607の付勢力によって前記糸繰り出しローラ602に対して接触可能に、かつ回転自在に立設されている。これらの各補助ローラ611には、従動ギア612が一体に形成されており、糸繰り出しローラ602に対して補助ローラ611,611が接触したときに、各補助ローラ611の従動ギア612が糸繰り出しローラ602の駆動ギア603に噛み合うようになされている。なお、上記繰り出しローラ602は、補助ローラ取付板608に設けられた長孔から露出するように設けられている。
【0079】
さらに、前記補助ローラ取付板608に設けられた長孔からは、上記中間ギア605と一体に設けられた第2中間ギア605aが露出するように設けられており、この第2中間ギア605aに隣接するようにして補助ローラ取付板608上に糸取り作動ギア613が回転可能に立設されている。この糸取り作動ギア613は、補助ローラ取付板608とともに摺動することによって、前記中間ギア605に接離するように配置されており、上述したように糸繰り出しローラ602に対して補助ローラ611,611が接触したときには、糸取り作動ギア613は中間ギア605に対して非噛み合い状態となるとともに、糸繰り出しローラ602から補助ローラ611,611が離れたときには、糸取り作動ギア613は中間ギア605に対して噛み合い状態となる。すなわち、前記繰り出し揺動板606により補助ローラ取付板608が移動させられることによって、糸取り作動ギア613と中間ギア605とが非伝達の状態になされるように構成されている。
【0080】
上記糸取り作動ギア613には、クランク状をなす糸掛け第1アーム614が糸取り作動ギア613の回転によって揺動するように取り付けられており、その糸掛け第1アーム614の揺動腕側に、当該糸掛け第1アーム614の腕方向に滑動するようにして取り付けられた糸掛け第2アーム615の先端部分に、周知構造の糸取りフック616が取り付けられている。
【0081】
上記糸取りフック616は、周知のように、前記糸通し手段300により縫い針Nに通された上糸の途中部分に係合して上糸の弛みを防止する糸取りバネ617を、糸案内溝618が設けられた糸取りブラケット619内に備えている。上記糸取りブラケット619は、前記糸掛け第2アーム615の先端部分に糸取り軸620により回転可能に装着されており、当該糸取りブラケット619内に設けられた上ガイド軸621及び下ガイド軸622が、前記天秤8に隣接するように配置された湾曲形状の糸取りガイド部材(面板)623のガイド経路624上を摺動することによって、糸取りバネ617により挟持された上糸が天秤8の糸掛け部8aに対して糸掛けされるとともに、離間した状態にある補助ローラ611,611と繰り出しローラ602との間に上糸を案内するように構成されている。上記上ガイド軸621及び下ガイド軸622は、糸取りブラケット619に対して回転付勢力を付与している糸取りコイルバネ625によって、上記糸取りガイド部材623のガイド経路624上に押し付けられている。
【0082】
また、上記糸取りガイド部材623におけるガイド経路624の下端部分には、斜め下方に延びる糸取り係合溝626が延設されており、その糸取り係合溝626内に、前記上下のガイド軸621,622が嵌着可能に配置されている。そして、図10にも示されているように、これら両ガイド軸621,622が、上記糸取り係合溝626内に嵌着状態となった場合には、前記糸取りブラケット619が下端位置に係止されるように構成されている。さらに、上記糸掛け第2アーム615の途中部分には、上記モータ取付板604との間に引っ張りコイルバネ627が装着されており、この引っ張りコイルバネ627の張力によって上記糸取りブラケット619が上述した下端係止位置に保持される構成になされている。
【0083】
一方、図7及び図9に示されているように、前述した針振り機構400における針振り揺動台401の下端部分には、針振りステッピングモータ405により左右方向に往復移動する針振りアーム406の揺動端部分が回転自在に連結されており、この針振りアーム406を通して上記針振り揺動台401が、当該針振り揺動台401の上端部分に設けられた左右揺動軸403及び前後揺動軸404を中心として、針板の上方部分を略円弧状に揺動するように構成されている。上記針振りアーム406の基端部分に設けられた針振りリンク407の先端部分は、針振りステッピングモータ405により回転駆動される針振りカム408の外周カム面に、針振りコイルバネ409の引っ張り付勢力によって圧接されており、上記針振りカム408の外周形状に従って上述したような針振り動作が行われるように構成されている。
【0084】
このとき、上記針振りカム408の回転軸411には、糸取りカム630が固定されており、その糸取りカム630の外周カム面に対して、糸取り切替板631の一方側の揺動アーム631aが下方側から接触されている。上記糸取り切替板631は、切替軸632に回転可能に装着されているとともに、この糸取り切替板631の上方側に向かって延びる他方側の揺動アーム631bが、水平面内で回動可能に配置された糸取りバネストッパ633の一方側の揺動アームに設けられた係止孔634内に遊嵌状態にて挿入されている。
【0085】
上記糸取りバネストッパ633の他方側の揺動アームには、ストッパー板635が下方に折れ曲げられるようにして形成されているとともに、当該糸取りバネストッパ633の回転軸636に装着されたストップコイルバネ637の回転付勢力によって、上記ストッパー板635が、前述した糸掛け第2アーム615の途中部分に係合するように配置されており、これによって、上記糸掛け第2アーム615の揺動が係止される構成になされている。
【0086】
そして、上記糸取りカム630が針振りカム408と一体に回転されて、当該糸取りカム630に設けられた突起状のカム部分が上記糸取り切替板631に当接すると、当該糸取り切替板631が図9の時計方向に回転する。この糸取り切替板631の回転によって、糸取りストッパー板635が水平面内で回動し、上記ストッパー板615が糸掛け第2アーム615から離間して開放状態となり、これにより糸掛け第2アーム615の回動動作が許容されるようになっている。
【0087】
また、図1に示されているように、上述した糸掛け手段600におけるモータ取付板604の上部側には、天秤8へ導かれる上糸を案内するための上ベーステンション板640が配置されているとともに、この上ベーステンション板640から下方に延出する軸に装着されたコイルバネ641の付勢力によって、下ベーステンション板642が、上記上ベーステンション板640の下面側に密着されている。そして、これら上下のベーステンション板640,641の間には、上記糸取りフック616の下降時(復動時)に、糸取りバネ617に挟持された上糸の他端が案内される。
【0088】
さらに、上記両ベーステンション板640,641の近傍には、上糸の有無を検出する光学センサ643が配置されている。この光学センサ643は、例えば、図14に示されているような構造になされており、一端側の発光素子(LED)644から発せられた検出光が、反対側の端部に設けられた受光素子(ソーラセル)645受けられるように構成されて、図示のように、両素子644,645の間に上糸Aが介在して検査光が遮断される場合と、上糸が存在しない場合とでは、上記受光素子(ソーラセル)645からの出力電圧が図15のように変化することに基いて、上糸Aの有無を検出するものである。
【0089】
次に、このように構成された装置によって新たな上糸の糸通し動作、及び糸掛け動作について述べる。
まず、ミシンに糸掛けされていない状態から、糸待機供給手段100に上糸をセットして糸掛けする場合には、まず、ミシン作業者は、糸供給源となる図示を省略した糸ゴマより引き出した上糸の先端部分を摘み、糸待機供給手段100の糸溜め部奥側に設けられた糸ガイドに糸掛けをした後、図13に示されているように、糸たぐり機構の糸引き戻しローラ109a,109bの間を通して糸ガイド115及びベーステンション板106に糸掛けをし、さらに糸挟持板102,103の間に上糸を通して余分な糸を糸切り用カッター107により切断する。
【0090】
このとき、上記糸挟持板102,103から糸切り用カッター107に至る距離が所定量に設定されているため、糸切断後に糸挟持板102,103から垂れ下がる上糸量が、次の糸搬送手段200による糸把持動作に都合の良い長さになされることとなる。
【0091】
次の糸搬送手段200による糸搬送動作は、ミシン作業者が糸掛けスイッチを入れることによって開始される。まず、当初原点位置に待機していた糸選択キャリッジ202が、図13に示されている糸捕捉位置まで横移動し、これにより糸把持部203の案内溝215の開口部が、糸待機供給手段100における糸挟持板102,103と対向状態となる。
【0092】
この状態から、移動板205がミシン奥側に向かって移動を開始すると、上記糸把持部203の揺動側糸挟持板211が、開閉作動カム221に沿って開放状態となり、さらに糸把持部203が奥側に移動することによって、上糸Aが案内溝215内に誘い込まれるとともに、糸挟持板210,211どうしの間に入り込む。そして、糸把持部203が、開閉作動カム221が終了するまで移動することによって、揺動側糸挟持板211が閉塞状態となり、その結果、糸挟持板210,211どうしの間に上糸Aが挟持される。
【0093】
次いで、送りスクリュー201が回転駆動することによって糸選択キャリッジ202が所定量横移動すると同時に、糸把持部203がミシン手前側に戻っていく。このとき、案内溝215内の上糸Aは、横滑りをして糸係止溝216内に移動することとなり、これによって、糸把持分203の前後動によっても上糸Aが糸把持部203から外れない状態となる。
【0094】
上記糸選択キャリッジ202は、ベーステンション板640,641及び糸有無検出センサ643を回避するようにして更に横移動し、糸渡し手段500に到達すると、当該糸渡し手段500の糸渡し把持部526と同一の高さ関係に配置されている上記糸把持部203が、糸渡し把持部526を通り過ぎた時点でミシン奥側に移動し、これにより当該糸把持部203側の上糸が、糸渡し手段500の糸渡し把持部526に保持された後に、糸把持部203側の上糸が、糸切カッター550により切断される。
【0095】
切断後に上記糸渡し把持部526から垂れる上糸の長さは、糸通し手段300により縫い針Nに対する糸通し動作が良好に行われる長さとなるように設定されている。すなわち、長すぎる場合には上糸が縫い針の目孔を完全に通過することができず、一方、短すぎる場合には、糸通し後に縫製動作を開始したときに上糸が縫い針Nの目孔から抜けてしまうからである。
【0096】
上記糸搬送手段200の糸把持部203がさらにミシン手前側に後退すると、糸把持部203の揺動側糸挟持板211が、作動カム551に沿って開放され、これによって、それまで把持していた上糸片が下方に落下する。この落下位置に、所定の受け皿を配置すれば、糸屑の散乱が防止される。
【0097】
上記糸搬送手段200の糸把持部203が、各部材に衝突しない経路を通って原点位置である待機位置に戻ると、図示を省略した押え上げ機構、或いは自動糸切装置を作動させて糸掛け手段600の繰り出し揺動板606を移動させ、糸繰り出しローラ602から補助ローラ611,611を離間させるとともに、中間ギア605の第2中間ギア605aに対して糸取り作動ギア613を噛み合わせる。これと同時に、針振りステッピングモータ405によりストッパー板635を外して糸掛け第2アーム615の回動を許容する。
【0098】
そして、糸繰り出し用ステッピングモータ601を数ステップ正転駆動させることによって、糸取りフック616をガイド経路624に沿って上端位置に移動させる。このときの糸取りフック616の移動は、糸掛け第1アーム614に対して糸掛け第2アーム615が摺動して伸び縮みしながら行われるため、当該糸取りフック616の移動軌跡を最小限の張り出し量とすることができ、ミシンの小型化及び外観の向上を図ることができる。
【0099】
次いで、図示を省略した糸渡し及び糸通し用のステッピングモータが所定ステップ数にわたって正転駆動させられることによって、駆動軸501が回転させられて内部作動体506とともに外部作動体505が下降していくと、ラックギア513とともに糸渡しアーム518が回動しながら下降し、上記糸渡しアーム518の上記糸渡し把持部526は、上糸を保持したままミシン手前側に倒れ込むようにして下降する。
【0100】
上記糸渡しアーム518が、所定の角度に倒れ込むと、糸渡し係止板538が上記糸把持ブラケット533の上面部から外れることによって、上記糸渡し把持部526を構成する上下の押え板527,528どうしが強く圧接させられて上糸が強く保持された状態で、以後の下降動作が糸の脱落を生じることなく行われる。
【0101】
さらに、駆動軸501が回転させられて内部作動体506とともに外部作動体505が下降していくと、糸渡し揺動レバー539に設けられた支持ローラ541が糸渡し案内板542の上部側直線状案内部542a上に当接し、糸渡しアーム518が他の部材に接触しない位置で回動を停止した状態で下降していく。このようにすることによって、糸渡しアーム518の張り出し量を最小にした状態で下降させることができ、ミシンの外観を小型化を図ることができる。
【0102】
次いで、内部作動体506の糸押し係止部511が、糸通しレバー306の係止部317に対して上方側から当接することにより、糸通しレバー306が下方に所定量押し下げられて作動ピン310が針棒5の糸通し位置決めストッパー302に軸方向上側から当接して、糸通しフックホルダー308に設けられた糸通しフック313が縫い針Nの目孔と一致する高さ位置で糸通し軸305が停止する。このようにして糸通し軸305が停止した直後に、外部作動体505が糸通し軸305の糸掛けストッパー318に対して上側から当接し、外部作動体505の下方移動も停止する。
【0103】
この外部作動体505の下方移動が停止する前に、糸渡し揺動レバー539に設けられた支持ローラ541は下部側直線状案内部542b上に当接し、これによって、糸渡し把持部526が縫い針Nよりも内側の領域まで回動し(図112点鎖線参照)、糸渡し把持部526と糸張り板525との間に張られた上糸が、縫い針Nの目孔の前に配置される。またこのとき、糸把持ブラケット533の作動フック543が、糸渡し作動ギア517に設けられた突部522の半径方向先端部分に乗り上げており、これによって、糸渡し把持部526における糸保持力が弱められている。
【0104】
そして、さらに内部作動体506とともに糸通しレバー306がさらに下降すると、作動ピン310が傾斜溝カム311aに沿って回転案内され、これにより、上記糸通し軸305が糸通しフックホルダー308とともに回転して、糸通しフック313が縫い針Nの目孔を貫通して上糸を引っ掛け、戻り動作が行われることにより糸通しが行われる。このとき、針止め糸掛け325は、先端部分に上糸を引っ掛けた状態で針止め7の糸ガイド9に上糸を通すことから、上糸の供給経路が良好に形成されることとなる。なお、糸通し動作が行われる前に、作動ピン310が縦溝カム311bに沿って移動することにより糸通し軸305が回転することなく所定量下降する。これは、上軸1の停止位置のバラツキを考慮したものである。
【0105】
また、本実施形態のように、糸通し手段300の作動部と、糸渡し手段500の作動部とを分離して配置することによって、糸渡し手段500により糸通し動作が可能となった後に糸通し動作(回転動作)を行わせることができ、これらの動作を同時に行う場合に比して糸通し動作を安定して行わせることができる。特に本実施形態では、前述したように、上軸1の停止位置のバラツキを考慮して糸通し動作が行われる前に糸通し軸305をやや下降させているため、糸通し手段300の作動部と糸渡し手段500の作動部とを分離することが好ましい。そうでなければ、糸通し軸305の位置をセンサーで検知する等の装置が必要となってしまうからである。
【0106】
そして、糸繰り出し用ステッピングモータ601が逆転することによって、糸取りフック616が下方に移動して上糸の途中部分を引っ掛けて下降(復動)するので、糸取りフック616より糸ゴマ側の上流側の上糸が、上下ベーステンション板640,641の間に案内されるとともに、離間状態にある糸繰り出しローラ602と補助ローラ611との間に案内される。また、糸取りフック616より縫い針N側の下流側の上糸が、天秤8の途中部分に乗るように配置される。
【0107】
次いで、針振りステッピングモータ405によって上記針振りカム408を元の位置に戻すとともに、ストッパー板635を係止位置に戻して糸掛け第2アーム615の回動をロックさせる。このときには、糸繰り出しローラ602と補助ローラ611,611との間に上糸が挟み込まれている。下端位置に達した糸取りフック616は、図10に示されているように、糸取り係合溝626によってその位置に保持される。
【0108】
次に、駆動軸501を逆転させることによって、内部作動体506を上昇させていくと、糸通し軸305が逆転して糸通しフック313が上糸を引っ掛けた状態で縫い針Nの目孔から離脱し、糸通しが行われる。このとき、糸通し動作が行われた直後に上糸が開放状態にされるため、その後の糸の張力によって糸通しフック(313)が損傷するような事態が回避される。さらに、内部作動体506が外部作動体505に当接して一体的に上昇していくと、上糸が外れた糸渡し把持部526が回動しながら上昇して待機状態で停止する。これにより、一連の糸通し動作、及び糸掛け動作を終了する。
【0109】
一方、既に糸掛けされている上糸を他の上糸に交換する動作について説明する。
まず、ミシン作業者が糸除去スイッチを入れることによって、糸搬送手段200による糸搬送動作を開始し、当初原点位置に待機していた糸選択キャリッジ202が、図13に示されている糸捕捉位置まで横移動する。これにより、糸把持部203の案内溝215の開口部が糸待機供給手段100における糸挟持板102,103と対向状態となる。
【0110】
この状態から、移動板205がミシン奥側に向かって移動を開始し、上記糸把持部203の揺動側糸挟持板211が開閉作動カム221に沿って開放状態となり、糸把持部203が更に奥側に移動することによって、糸たぐり作動アーム217が糸待機供給手段100における糸たぐり機構のローラ支持ブラケット113に当接して従動側の糸引き戻しローラ109bを駆動側の糸引き戻しローラ109aに接触させる。この状態で、駆動側の糸引き戻しローラ109aを回転駆動させることによって、既に掛けられている上糸を糸供給部101に引き戻していく。
【0111】
そして、上糸の先端部が、ベーステンション板640,641を過ぎて、上糸有無検出センサ643を通過した信号を得たら、そのときから糸たぐりステッピングモータを所定の回転数駆動して停止させる。この停止までのモータ回転数は、上記上糸有無検出センサ643から各糸供給部101までの距離に対応して設定されており、モータを停止させたときに、各糸供給部101から上糸が所定の長さ垂れ下がる構成になされている。
【0112】
このようにして既に掛けられている上糸が除去されると、糸選択キャリッジ202が原点待機位置に一旦戻り、糸待機供給手段100にセットされている他の上糸に対して、前述したと同様な糸通し動作及び糸掛け動作を実行することによって、糸交換を完了する。
【0113】
なお、図16及び図17に示されているように、本実施形態にかかる装置の面部回りのカバーには、手動で糸掛けができるように案内溝が形成されている。すなわち、面部回りのカバーは、天カバー701、面部カバー702、面板カバー703、及びフロントカバー704からなっており、上記天カバー701、面部カバー702、及びフロントカバー704はミシンフレーム側に固定されているとともに、面板カバー703は、糸取りガイド部材(面板)623から延びる第1取付腕板705を介して、糸取りフック616の移動軌跡に交差しないように固定されている。なお、上記糸取りガイド部材(面板)623から延びる第2取付腕板706は、上記フロントカバー704に固定されている。
【0114】
上記第1取付腕板705及び第2取付腕板706のそれぞれは、糸取りガイド部材(面板)623との連結部分に、第1糸案内溝707及び第2糸案内溝708を備えるように湾曲形成されており、上述したように自動で糸掛けを行う場合には、第1糸案内溝707内に糸掛けが行われ、後述するように手動で糸掛けを行う場合には、第2糸案内溝708内に糸掛けが行われる。
【0115】
上記各面部カバー702、面板カバー703、及びフロントカバー704の境界部分には細長状の隙間が形成されており、これらの各隙間が、手動糸掛けを行うための糸案内溝710〜712を構成している。また、上記面板カバー703の下縁部分は、糸取りフック616に糸掛けされた糸を誘い込む湾曲形状に形成されている。このような手動用の糸案内溝を設けることとすれば、糸掛け装置に故障等の不具合を生じたときでも、手動で糸掛けを行うことができ都合が良い。なお、手動による糸掛け動作を説明しておくと、まず最初に、糸繰り出しローラ602と補助ローラ611とを離間させ、次に糸案内溝710の上部から上糸を導き、糸案内溝711を通して糸案内溝712に導く。次いで、糸案内溝712の下部に設けた天秤8の糸掛け部8aで折り返すことにより、天秤8及び糸取りバネ617への糸掛けを行なった後、上糸端を縫い針Nの目孔に通して糸通しを行なう。
【0116】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施形態においては、糸待機供給手段100の糸供給部101が2体設けられているが、3体以上設けることも当然可能である。
【0117】
また、本実施形態では、糸渡し作動ギア517の回転に連動するリンク機構535,536により一対の押え板527,528の糸把持力を調整しているが、このリンク機構に代えてワイヤー等の伝達機構を同様に用いることも可能である。
【0118】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明は、糸渡し作動体(504)の作用によって、糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作が終了した後に糸通し手段(300)による糸通し動作を行なわせることにより、糸渡し手段と糸通し手段との連動関係を良好として、糸通し動作を確実に行わせるようにしたものであるから、比較的小型の装置で、上糸の糸通し動作を良好かつ安定的に行わせることができ、刺繍縫いミシンの信頼性を向上させることができる。
【0119】
また、請求項記載の発明は、外部作動体(505)を係止部材(318)により特定の位置に停止させて上糸張り出し動作を行なった後に、内部作動体(506)を係止部材(317)により異なる位置に停止させて糸通し動作を行なうようにしたものであるから、上述した効果を確実に得ることができる。
【0120】
さらに、請求項記載の発明は、外部作動体(505)による糸渡し動作を、ギアの回動動作によって確実に実行させるように構成したものであるから、上述した効果を一層確実に得ることができる。
【0121】
さらにまた、請求項記載の発明は、上糸把持部(526)における糸把持力を必要に応じて調整して糸の受け渡し動作及び糸搬送動作のいずれもを確実に行なわせるようにしたものであるから、上述した効果を一層確実に得ることができる。
【0122】
また、請求項記載の発明は、糸通し動作が行われた直後に上糸を開放状態とするように糸通しフック(313)を形成することによって、糸通しフックの損傷を防止するようにしたものであるから、糸通し動作の安定化を図り、上述した効果を確実に得ることが可能となる。
【0123】
さらに、請求項記載の発明は、糸通し動作と同時に糸ガイド(9)に上糸を案内する針止め糸掛け(325)を設けることによって、上糸の案内経路を自動で良好に形成するようしたものであるから、糸通し動作の信頼性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における自動糸掛け装置及び自動糸通し装置を表した外観斜視説明図である。
【図2】上軸及びその周辺の連結構造を表した外観斜視説明図である。
【図3】糸渡し手段及び糸通し手段の駆動系を表した外観斜視説明図である。
【図4】糸通し手段の構造を表した外観斜視説明図である。
【図5】糸通し手段における糸通しフックの構造を表した平面説明図である。
【図6】同じく糸通し手段における糸通しフックの構造を表した外観斜視説明図である。
【図7】自動糸掛け手段及び針振り機構の構造を表した外観斜視説明図である。
【図8】同じく自動糸掛け手段の構造を表した正面説明図である。
【図9】自動糸掛け手段と針振り機構との連結関係を表した側面説明図である。
【図10】自動糸掛け手段における糸取りブラケットの構造を表した平面説明図である。
【図11】糸渡し手段及び糸通し手段の構造を表した正面説明図である。
【図12】糸搬送手段の構造を表した概観斜視説明図である。
【図13】糸待機供給手段と糸搬送手段との関係を表した概観斜視説明図である。
【図14】糸有無検知センサの一例を表した縦断面説明図である。
【図15】糸有無検知センサの出力信号の一例を表した線図である。
【図16】カバーに設けられた手動糸掛け用の案内溝の構造を表した概観斜視説明図である。
【図17】面板とカバーとの取付け関係を表した平面説明図である。
【符号の説明】
1 上軸
5 針棒
7 針止め
8 天秤
9 糸ガイド
N 縫い針
100 糸待機供給手段
101 糸供給部
102,103 糸挟持板
106 ベーステンション板
107 糸切り用カッター
109a,109b 糸引き戻しローラ
116 糸ガイド
200 糸搬送手段
201 送りスクリュー
202 糸選択キャリッジ
203 糸把持部
205 移動板
211 揺動側糸挟持板
210,211 糸挟持板
215 案内溝
216 糸係止溝
221 開閉作動カム
300 糸通し手段
302 糸通し位置決めストッパー
305 糸通し軸
306 糸通しレバー
308 糸通しフックホルダー
310 作動ピン
311 溝カム
313 糸通しフック
317 係止部
325 針止め糸掛け
400 針振り機構
405 針振りステッピングモータ
500 糸渡し手段
501 駆動軸
505 外部作動体
506 内部作動体
511 糸押し係止部
513 ラックギア
517 糸渡し作動ギア
518 糸渡しアーム
522 突部
523 係止ピン
526 糸渡し把持部
527 上押え板
528 下押え板
533 糸把持ブラケット
538 糸渡し係止板
539 糸渡し揺動レバー
542 支持ローラ
543 作動フック
550 糸切カッター
551 作動カム
600 糸掛け手段
601 糸繰り出し用ステッピングモータ
602 糸繰り出しローラ
605 中間ギア
605a 第2中間ギア
606 繰り出し揺動板
611 補助ローラ
613 糸取り作動ギア
614 糸掛け第1アーム
615 糸掛け第2アーム
616 糸取りフック
624 ガイド経路
635 ストッパー板
640,641 ベーステンション板
643 糸有無検出センサ
616 糸取りフック
626 糸取り係合溝
640,641ベーステンション板
643 上糸有無検出センサ

Claims (4)

  1. 糸待機供給手段(100)から引き出された上糸を、縫い針(N)の目孔近傍に張り出すように搬送する糸渡し手段(500)と、この糸渡し手段(500)により搬送された上糸を縫い針(N)の目孔内に挿通させる糸通し手段(300)と、を備えた刺繍縫いミシンにおいて、
    上記糸渡し手段(500)による上糸張り出し動作を終了させた後に前記糸通し手段(300)による糸通し動作を行わせるように、これら糸渡し手段(500)と糸通し手段(300)とを連動連結する糸渡し作動体(504)を備えたものであって、
    前記糸渡し作動体(504)は、前記糸渡し手段(500)に上糸張り出し動作を行わせる外部作動体(505)と、前記糸通し手段(300)に糸通し動作を行わせる内部作動体(506)とを備え、
    これら外部作動体(505)及び内部作動体(506)を、所定の異なる位置でそれぞれ停止させる係止部材(318,317)を設け、
    前記外部作動体(505)に、上糸を挟み込む上糸把持部(526)を回転移動させる糸渡し作動ギア(517)を設けるとともに、当該糸渡し作動ギア(517)を前記外部作動体(505)の移動により転動させるラックギア(513)を備えていることを特徴とする刺繍縫いミシン。
  2. 請求項記載の上糸把持部(526)は、上糸を挟み込んで把持する一対の押え板(527,528)と、これら一対の押え板(527,528)による糸把持力を糸渡し作動ギア(517)の回転に連動して調整する調整手段を備えていることを特徴とする刺繍縫いミシン。
  3. 請求項1記載の糸通し手段(300)は、上糸を縫い針(N)の目孔内に上糸を引込む糸通しフック(313)を備え、
    上記糸通しフック(313)に設けた上糸引っ掛け用の鍵部(322)を、下方に向かって開放する切欠形状に形成したことを特徴とする刺繍縫いミシン。
  4. 請求項記載の糸通しフック(313)の動作に連動して、上糸を糸ガイド(9)に向かって案内する針止め糸掛け(325)を設けたことを特徴とする刺繍縫いミシン。
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