JP2008125795A - ミシン - Google Patents

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和弘 中里
Hitoshi Ito
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Abstract

【課題】糸を捕捉できないという問題点を解消し、糸通し作業をスムーズに行う。
【解決手段】ミシンモータの駆動により上下動する針棒と、針棒の先端に保持され、糸を通す針穴が形成された針3と、糸を針穴近傍に引き寄せる糸寄せ機構42と糸寄せ機構が引き寄せた糸を係止部材66により係止して針穴に挿通させる糸通し機構43とを有する糸通し装置4と、を備えるミシンにおいて、糸寄せ機構は、少なくとも針の両側二箇所で糸を張った状態で把持するとともに、糸を針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸が糸通し機構により係止可能となる位置に設けられ、動作により糸の把持と開放を行う糸把持部54を有し、糸把持部の動作により把持した糸を開放する際に、糸把持部に連動して糸を係止するとともに糸を糸把持部から外部に払う糸払い部材80,81を設けた。
【選択図】図8

Description

本発明は、針穴に糸を通す糸通し装置を備えるミシンに関する。
従来、針の針穴に糸を通すという作業者にとって煩わしい作業から作業者を解放するため、レバー操作により針の針穴に容易に糸を通すことができる糸通し装置を備えたミシンがある。糸通し装置を用いて針の針穴に糸を通す際には、糸を針留の糸掛け部に案内するとともに、糸案内部材に糸を引っ掛けて糸を糸把持部に装着する。そして、操作レバーを下方に押し下げることにより、糸通しフックが動作して糸把持部に引っ掛けられた糸を捕捉して針穴に通す(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−24539号公報
しかし、糸掛け部から糸把持部にわたって引っ掛けられた糸が弛んでいる場合、あるいは、糸掛け部から糸把持部にわたって引っ掛けられた糸が張った状態であっても、操作レバーの操作を途中で中断して操作レバーを元の位置に向けて戻しすことで糸掛け部から糸把持部にわたって引っ掛けられた糸が弛んでしまう場合がある。このような場合には、糸通しフックが糸を捕捉できないことがあり、糸通し作業をスムーズに行うことができなかった。また、糸が糸把持部に引っ掛かることもあり、糸通し作業をスムーズに行うことができなかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、糸通しフックが糸を捕捉できないという問題点を解消し、糸通し作業をスムーズに行うことができるミシンを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ミシンモータの駆動により上下動する針棒と、前記針棒の先端に保持され、糸を通す針穴が形成された針と、糸を針穴近傍に引き寄せる糸寄せ機構と前記糸寄せ機構が引き寄せた糸を係止部材により係止して前記針穴に挿通させる糸通し機構とを有する糸通し装置と、を備えるミシンにおいて、前記糸寄せ機構は、少なくとも針の両側二箇所で糸を張った状態で把持するとともに、糸を針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸が前記糸通し機構により係止可能となる位置に設けられ、動作により糸の把持と開放を行う糸把持部を有し、前記糸把持部の動作により把持した糸を開放する際に、前記糸把持部に連動して前記糸を係止するとともに前記糸を前記糸把持部から外部に払う糸払い部材を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、糸寄せ機構に糸把持部を設けることにより、糸は少なくとも針の両側二箇所で糸を張った状態で把持され、糸を針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸が糸通し機構により係止可能となる。これにより、糸通しフックが糸を捕捉できないという問題点を解消し、糸通し作業をスムーズに行うことができる。
また、糸払い部材は、糸把持部に連動して糸を係止するとともに糸を糸把持部から外部に払う。これにより、糸把持部が糸の把持を開放して糸通しを行う際に、糸が糸把持部に絡まって糸把持部から抜けなくなることがなくなり、糸通し作業をよりスムーズに行うことができる。
本発明によれば、糸通しフックが糸を捕捉できないという問題点を解消し、糸通し作業をスムーズに行うことができる。
また、糸把持部が糸の把持を開放して糸通しを行う際に、糸が糸把持部に絡まって糸把持部から抜けなくなることがなくなり、糸通し作業をよりスムーズに行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るミシンの最良の形態について詳細に説明する。
<ミシンの構成>
図1に示すように、ミシン100には、土台となるベース101と、このベース101の上面に立設された胴部102と、胴部102と一体形成され、ベース101の上面に沿って延びるように形成されたアーム部103とが設けられている。このアーム部103の上部には、内蔵されたミシンモータ(図示略)の駆動により回転して糸Tを繰り出す糸供給源としての糸巻き1が設けられている。アーム部103の先端付近には、ミシンモータの駆動により回転する上軸(図示略)にクランクロッド等を介して連結された針棒2が設けられている。この針棒2は、クランクロッドにより上軸の回転運動が上下動運動に変換され上下動する。針棒2の先端(下端)には、糸巻き1からの糸Tが通される針穴が形成された針3が保持されている。アーム部103の先端近傍には、ミシン100の上下方向に沿って溝103aが形成され、この溝103aからは、糸Tに付与する張力を調節する天秤104の先端が突出するように設けられている。天秤104は上軸に連結され、先端に糸Tが通された状態で針棒2に同期して動作する。アーム部103の先端近傍には、針3に糸Tを通す糸通し装置4が針棒2に隣接するように設けられている。
(糸通し装置)
図2〜図4に示すように、糸通し装置4は、糸Tを針3の針穴に通す装置である。
糸通し装置4は、各機構が設けられるホルダ41を備えている。ホルダ41には、当該ホルダ41自身を下方に押し下げるための操作レバー41aが形成されている。
このホルダ41には、糸を針3の針穴近傍に引き寄せる糸寄せ機構42と、この糸寄せ機構42が引き寄せた糸を係止して針穴に挿通させる糸通し機構43と、が備えられている。
(糸寄せ機構)
糸寄せ機構42には、軸線がホルダ41の上下動方向に延びるように糸寄せ軸51が備えられている。糸寄せ軸51は円柱状に形成され、その中腹付近でホルダ41に軸回りに回転自在となるように挿通されている。糸寄せ軸51には、自身の回転により糸寄せ軸51を回転させる歯車52が挿通され、糸寄せ軸51に固定されている。糸寄せ軸51の下端には、糸寄せ軸51の回転とともに所定位置を軸として回転し、糸Tを針の針穴近傍に寄せる糸寄せ本体部53が固定されている。すなわち、糸寄せ本体部53は、糸寄せ軸51の回転により、針穴に接近した位置と針穴から退避した位置との間で移動可能となっている。
図2〜図6に示すように、糸寄せ本体部53には、板状に形成され、糸寄せ軸51の軸線方向に略直交する略水平方向に延びる板部53aと、板部53aの一端に形成され、糸寄せ軸51の一端が挿通され、糸寄せ軸51に固定される筒部53bと、板部53aの他端近傍に形成され、板部53aの表面に対して立設するように形成された二つの壁部53c,53dとが一体形成されている。
壁部53c,53dの下端は、当該壁部53c,53dの立設方向に突出するように形成され、平面状に形成された当接部53f,53gが壁部53c,53dの下端と一体形成されている。当接部53f,53gは、その下端の平面部分で後述する糸把持部54とで糸Tを把持する。壁部53cと壁部53dは、板部53aの長手方向に適度な距離をあけて形成されており、当接部53f,53gでそれぞれ糸Tを把持することにより、離れた針3の両側二箇所で糸Tを張った状態で把持することができる。当接部53f,53gは、その先端部が上方に向けて傾斜するように形成されている。
また、壁部53c,53dには、後述する糸把持部54の係止部56の延長線上にある両端部が回転したときにその回転移動軌跡をたどるように円弧状の溝53m,53nが形成されている。
糸寄せ本体部53には、当該糸寄せ本体部53と少なくとも二箇所で糸Tを張った状態で把持する糸把持部54が設けられている。この糸把持部54は、糸Tを針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸Tが糸通し機構43により係止可能となるような位置に設けられている。
糸把持部54は、側面視略L字状に形成され、側面から見たときの屈曲部位が糸寄せ本体部53の壁部53c,53dの下端近傍で回転自在に取り付けられている。糸把持部54は、糸寄せ本体部53の壁部53c,53d間にわたって架け渡され、糸把持部54が回動する際の回動軸となる軸部55と、軸部55の軸線に対して平行に設けられ、後述する爪部72を係止した状態で軸部55を中心とした弧状の軌跡を辿るように動作する係止部56と、軸部55と係止部56とを連結する連結部57と、を備えている。
軸部55には、その一部が当該軸部55及び連結部57に対して略直交するように延びるように形成され、糸寄せ本体部53の当接部53f,53gに当接する位置と離間する位置との間で移動可能とされ、当接部53f,53gへの当接により糸Tを把持する把持部58f,58gが固定されている。
軸部55には、ねじりコイルバネ59がその軸線方向に沿って設けられており、糸寄せ本体部53に軸部55を取り付けた際に、その付勢力で把持部58f,58gが当接部53f,53gに当接するようになっている。ねじりコイルバネ59の一端は、把持部58f,58gを当接部53f,53gに当接させるように把持部58f,58gに当接させている。ねじりコイルバネ59の他端は、軸部55で空回りしないように壁部53c,53dに当接させている。
係止部56は、その両端部が連結部57との交点を突き抜けて延在するように形成されており、両端部は壁部53c,53dを貫通するように形成されている。従って、糸把持部54を回転させた際に、係止部56の両端部が溝53m,53nに沿って移動するように構成されている。
把持部58f,58gは、上面が当接部53f,53gに密着できるようにほぼ平面に形成されるとともに、その先端部が下方に向けて傾斜するように形成されている。これにより、当接部53f,53gと把持部58f,58gとがねじりコイルバネ59の付勢力により当接した際に、先端が互いに離間する方向に延びていることから、当接部53f,53gと把持部58f,58gとの間に糸Tを挿入しやすくなる。
糸把持部54は、糸寄せ本体部53に取り付けた際に、ねじりコイルバネ59の付勢力により係止部56及び連結部57が糸寄せ本体部53の板部53aの表面に沿った状態、すなわち、連結部57の延びる方向が針3の上下方向に沿うように配置され、この状態において当接部53f,53gと把持部58f,58gとが当接した状態となっている。
(糸払い部材)
図2〜図6に示すように、糸寄せ機構42には、糸把持部54の動作により把持した糸を開放する際に、糸把持部54の回転動作に連動して糸を係止するとともに糸を糸把持部54から外部に払う糸払い部材80,81が設けられている。
糸払い部材80,81は、壁部53c,53dの外側に設けられた板状の部材である。糸払い部材80,81は、上下方向、すなわち、針3の上下動方向に沿って長尺となるように設けられている。糸払い部材80,81は、上端部80a,81aが壁部53c,53dに対して回転自在となるよう壁部53c,53dに取り付けられている。なお、糸払い部材80,81の壁部53c,53dへの取り付け位置(いわゆる上端部80a,81a)は、当接部53f,53gと把持部58f,58gとが当接した状態における係止部56の位置の直上であることが好ましい。
糸払い部材80,81の下端部80b,81bは、少なくとも当接部53f,53gと把持部58f,58gとの当接位置よりも下方に延びるように形成されている。
糸払い部材80,81の中央近傍には、上下方向に沿って延びる長孔80c,81cが形成されており、この長孔80c,81cには係止部56の各端部がそれぞれ長孔80c,81cに挿通されている。
糸払い部材80,81は、上端部80a,81aを中心に回転させる際に、下端部80b,81bが当接部53f,53gと把持部58f,58gとの当接位置よりも外側まで回転可能に構成されている。
このような構成とすることにより、糸把持部54が軸部55を中心に回転すると、係止部56は溝53m,53nに沿って移動することとなり、係止部56の両端部が長孔80c,81cを介して上端部80a,81aを中心に回転する。
(糸通し機構)
図2に示すように、糸通し機構43には、軸線がホルダ41の上下動方向に延びるように、すなわち、糸寄せ軸51に対して平行に糸通し軸61が備えられている。糸通し軸61は円柱状に形成され、その上端近傍には、ホルダ41の上端近傍に螺旋状に形成されたカム溝(図示略)内に嵌り込む突起61aが形成されている。すなわち、カム溝と突起61aとで、ホルダ41の上下運動を糸通し軸61の回転運動に変換する。糸通し軸61には、自身の回転とともに回転する歯車62が挿通され、糸通し軸61に固定されている。この歯車62は、糸寄せ軸51に設けられた歯車52と噛み合うように設けられており、糸通し軸61の回転が歯車62,52を介して糸寄せ軸51に伝達され、糸寄せ軸51が回転する。
糸通し軸61は、その上端がホルダ41に回転自在に挿通され、この上端と突起61aとの間には、ばね63が糸通し軸61と同軸上に設けられている。
また、針棒2には、糸通し軸61が所定距離以上下降しないように、突起61に当接するストッパ64が設けられている。
糸通し軸61の下端には、糸通し軸61の回転とともに一端を軸として回転する糸通し腕65が固定されている。糸通し腕65は、糸通し軸61の回転により、針穴近傍と針穴近傍から退避した位置との間で移動可能となっている。
糸通し腕65は、糸通し軸61が回転して糸寄せ軸51に回転が伝達されて糸寄せ本体部53の糸把持部54が針穴近傍に接近したときに針穴近傍に接近し、糸把持部54が針穴近傍から離れる際に針穴近傍から退避するように取り付けられている。すなわち、糸寄せ本体部53の糸把持部54と糸通し腕65の針穴近傍への接近、退避動作は同期するように構成されている。
糸通し腕65の先端は二股に分岐するように形成され、その二股の間には糸Tを係止して針穴に通す係止部材としての糸通しフック66が設けられている。糸通しフック66は、糸通し腕65が針穴近傍に接近した際に、針穴を通過し、針穴を通り抜けた状態で糸把持部54に把持された糸Tを係止する。そして、糸通し腕65が針穴近傍から遠ざかるように移動することで針穴から脱出し、この動作によって糸Tは針穴に通されることとなる。
糸通し軸61の下端近傍で、かつ、糸通し腕65の直上には、糸通し腕65の回転動作により糸通しフック66が針穴に糸を通した後、糸把持部54が針穴近傍から退避する際、ねじりコイルバネ59の付勢力に抗して、糸寄せ本体部53の当接部53f,53gから糸把持部54の把持部58f,58gを離間させる解放部70が設けられている。解放部70は、一端が糸通し軸61に固定され、糸通し軸61の回転とともに回転する腕部71と、腕部71の他端の下方に突出するように形成され、糸寄せ本体部53及び糸把持部54が互いに針穴近傍に接近した際に糸把持部54の係止部56に係止される爪部72と、を備えている。
爪部72は、ばね等(図示略)により常に下方に付勢されており、樹脂等の若干の弾性を有する材料から形成され、糸寄せ本体部53及び糸把持部54が互いに針穴近傍に接近した際に係止部56の上部を乗り越えて係止部56に係止される。そして、爪部72は、糸寄せ本体部53及び糸把持部54が互いに針穴近傍から離間する際には、係止部56に係止された状態で移動するので、糸把持部54のねじりコイルバネ59の付勢力に抗して軸部55を支点に糸把持部54が回動させられる。さらに、糸寄せ本体部53及び糸把持部54が針穴近傍から離れると、係止部56は糸把持部54の回動により下方に移動するため、爪部72は、係止部56に係止された状態から解放される。
<糸通しの手順>
次に、針3の針穴への糸通しの手順について説明する。
最初に作業者は、図2に示すように、糸寄せ本体部53、糸通し腕65、解放部70を針穴近傍から十分に離間させて作業しやすい状態とした上で、糸巻き1に巻かれた糸Tを引き出して、引き出した糸Tを天秤104等の定められた部品に通し、糸Tの先端近傍を糸寄せ本体部53の当接部53f,53gと糸把持部54の把持部58f,58gとで糸Tを把持させる。ここで、把持部58f,58gは、ねじりコイルバネ59の付勢力により当接部53f,53gに当接するように付勢されているので、糸Tを把持した状態を維持することができる。
ホルダ41は、ばね73により常に上方に付勢されており、糸把持部54に糸Tを把持させた後、ホルダ41の操作レバー41aを押し下げると、ばね63を縮めさせるとともにその復元力に抗してホルダ41は下降し、ストッパ64により一旦下降が止まる。そして、さらにホルダ41を下降させると、ホルダ41に形成されたカム溝に嵌め込まれた突起61aは、カム溝に沿って動作するため、糸通し軸61は軸線回りに回転する。糸通し軸61の回転により、糸通し軸61の下端近傍に設けられた糸通し腕65及び解放部70は、針穴に接近するように回転移動する。
糸通し軸61の回転により歯車62も回転し、歯車62の回転によって歯車62に噛み合う歯車52は歯車62に対して逆回りに回転する。歯車52の回転により糸寄せ軸51も回転し、糸寄せ本体部53は針穴に接近するように回転移動する。
操作レバー41aを限界まで押し下げると、すなわち、突起61aがカム溝の所定位置まで移動すると、図7に示すように、糸把持部54により把持された糸Tは針穴近傍に配置され、糸通し腕65の先端に設けられた糸通しフック66は針穴を通過して糸Tを係止する。同時に、解放部70の爪部72は糸把持部54の係止部56を乗り越え、係止部56に係止される。
次いで、押し下げた操作レバー41aを解放すると、ばね63,73の復元力によりホルダ41は上方に移動する。ホルダ41の上昇により突起61aはカム溝を押し下げたときと逆方向に移動する。これにより、糸通し軸61はホルダ41を押し下げたときと逆方向に回転し、糸通し軸61に設けられた糸通し腕65及び解放部70は、針穴から離間するするように回転移動する。
糸通し軸61の回転により歯車62も回転し、歯車62の回転によって歯車62に噛み合う歯車52は歯車62に対して逆回りに回転する。歯車52の回転により糸寄せ軸51も回転し、糸寄せ本体部53は針穴から離間するように回転移動する。
このとき、糸通しフック66は、図8に示すように、糸Tを係止した状態で針穴から脱出するので、糸Tは針穴を通過することとなり、糸Tは針3の針穴に通される。また、爪部72は糸把持部54の係止部56に係止されていることから、糸把持部54と解放部70が離間していくと、係止部56には爪部72により引っ張られる力が作用する。そして、係止部56が爪部72に引っ張られることにより、糸把持部54はねじりコイルバネ59の付勢力に抗して回転し、この回転により把持部58f,58gは、糸寄せ本体部53の当接部53f,53gから離れていく。当接部53f,53gから把持部58f,58gが離れることで、当接部53f,53gと把持部58f,58gとによって張った状態で把持されていた糸Tは解放され、糸通しフック66に引っ張られる。
また、糸把持部54が軸部55を回転中心として回転することにより、係止部56も溝53m,53nに沿って当接部53f,53gの方へ近づくように移動する。係止部56の移動により係止部56両端部は、長孔80c,81cの内側面を押すことで、糸払い部材80,81は、上端部80a,81aを中心に下端部80b,81bが当接部53f,53gの方へ回動する。糸払い部材80,81の回転動作により、仮に当接部53f,53gや把持部58f,58gに糸Tが引っかかっていても、糸払い部材80,81の下端部81b,81bが糸Tを係止し、さらに当接部53f,53gや把持部58f,58gの外部まで移動することで、糸Tを強制的に当接部53f,53gや把持部58f,58gから取り外す。
以上の動作によって、針3の針穴に糸Tが通され、同時に糸把持部54からも糸Tを糸把持部54に引っかけることなくスムーズに外すことができる。
そして、係止部56と爪部72との係合が解除されると、図9に示すように、糸把持部54は、ねじりコイルバネ59の付勢力により元の位置に戻ろうとする。すると、糸把持部54を構成する係止部56も溝53m,53nに沿って元の位置に戻ろうと移動を開始し、この係止部56の動作によって係止部56の両端が挿通された糸払い部材80,81を元の位置に戻す。
<作用効果>
以上のような糸通し装置4を備えるミシン100によれば、糸寄せ機構42に糸把持部54を設けることにより、糸Tは少なくとも針3の両側二箇所で張った状態で把持され、糸Tを針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸Tが糸通し機構43により係止可能となる。これにより、糸通しフック66が糸Tを捕捉できないという問題点を解消し、糸通し作業をスムーズに行うことができる。
また、糸払い部材80,81は、糸把持部54に連動して糸Tを係止するとともに糸Tを糸把持部54から外部に払う。これにより、糸把持部54が糸Tの把持を開放して糸通しを行う際に、糸Tが糸把持部54に絡まって糸把持部54から抜けなくなることがなくなり、糸通し作業をよりスムーズに行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、糸払い部材は、図10に示すような構造の糸払い装置90であってもよい。図10に示すように、糸払い装置90は、軸部55に固定され、軸部55Aと同じ回転軸線を有するピニオン91と、ピニオン91に噛み合うラック92と、軸部55の回転動作に連動して糸を係止するとともに糸を糸把持部54Aから外部に払う糸払い部材93と、を備えている。
ピニオン91に噛み合うラック92には、直線状に形成されたレール94がラック92と一体に形成されており、このレール94は、壁部53cの外面側に固定されたガイド部材95にスライド自在に取り付けられている。このレール94の一端部には、レール94の延在方向に直交する下方向に延びる糸払い部材93がレール94と一体に形成されている。
糸払い部材93は、その下端部が少なくとも当接部53f,53gと把持部58f,58gとの当接位置よりも下方に延びるように形成されている。
糸払い部材93は、ピニオン91の回転によりラック92を当接部53f,53gや把持部58f,58gにスライド移動させた際に、当接部53f,53gと把持部58f,58gとの当接位置よりも外側まで移動可能に構成されている。
よって、このような糸払い装置90としても、上記実施形態の糸払い部材80,81と同様の効果を奏することができる。また、壁部53c,53dに係止部56が移動するための溝を形成する必要がなくなるので、糸寄せ本体部53の加工が容易となる。
なお、図10においては、壁部53cに設けられた糸払い装置90のみを記載して説明したが、壁部53dにも糸払い装置が設けられている。
その他、本発明は、発明の範囲内で自由に変更、改良が可能である。
ミシンの概略正面図。 糸通し装置の斜視図。 糸寄せ機構の斜視図。 糸寄せ機構の一部を断面視した斜視図。 糸寄せ機構の一部を断面視した斜視図。 糸寄せ機構の背面からの斜視図。 針穴への糸通し直前の糸通し装置の状態を示す斜視図。 針穴への糸通し中の糸通し装置の状態を示す斜視図。 針穴への糸通し後の糸通し装置の状態を示す斜視図。 糸払い装置の斜視図。
符号の説明
2 針棒
3 針
4 糸通し装置
42 糸寄せ機構
43 糸通し機構
54 糸把持部
66 糸通しフック(係止部材)
80 糸払い部材
81 糸払い部材
93 糸払い部材
100 ミシン
T 糸

Claims (1)

  1. ミシンモータの駆動により上下動する針棒と、
    前記針棒の先端に保持され、糸を通す針穴が形成された針と、
    糸を針穴近傍に引き寄せる糸寄せ機構と前記糸寄せ機構が引き寄せた糸を係止部材により係止して前記針穴に挿通させる糸通し機構とを有する糸通し装置と、を備えるミシンにおいて、
    前記糸寄せ機構は、少なくとも針の両側二箇所で糸を張った状態で把持するとともに、糸を針穴近傍に引き寄せた際に把持された糸が前記糸通し機構により係止可能となる位置に設けられ、動作により糸の把持と開放を行う糸把持部を有し、
    前記糸把持部の動作により把持した糸を開放する際に、前記糸把持部に連動して前記糸を係止するとともに前記糸を前記糸把持部から外部に払う糸払い部材を設けたことを特徴とするミシン。
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