JP2917320B2 - ミシンの糸端処理装置 - Google Patents

ミシンの糸端処理装置

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JP2917320B2 JP27272489A JP27272489A JP2917320B2 JP 2917320 B2 JP2917320 B2 JP 2917320B2 JP 27272489 A JP27272489 A JP 27272489A JP 27272489 A JP27272489 A JP 27272489A JP 2917320 B2 JP2917320 B2 JP 2917320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はミシンの糸端処理装置に関し、詳しくは縫針
の目孔に糸を通す糸通し装置を備えたミシンの縫製の準
備に際して、縫針の目孔から引き出される糸の長さを設
定するミシンの糸端処理装置に関する。
[従来の技術] 従来から、糸通し装置を備えたミシンにおいては、縫
い出し前の準備として、糸供給源から上糸を引出し、所
定操作により縫針の目孔に上糸を通した後、その糸端を
引いて緊張を与えながら縫針を昇降させて下糸を引出
し、上糸,下糸を揃えてミシン頭部に装着された面板あ
るいは針板等に設けられた糸切りに案内して切断してい
た。
この糸通し装置を備えたミシンは、針棒に平行に設け
られ軸回転可能な支持軸と、支持軸に突設された糸通し
用フック(以下、単にフックという)とを備え、支持軸
の回転によりフックを縫針の目孔に貫入させて目孔前に
張られた上糸を捕捉し、捕捉後、支持軸の逆回転により
フックを目孔から抜き出して縫針の目孔から上糸を引き
抜くものである。
かかる糸通し装置の働きについて説明する。操作者
は、第10図(ア)に示すように、まず、ミシンの頭部に
設けられた操作レバーLを左手で矢印a方向に下げて支
持軸Sを下げると共に、右手で上糸TをガイドGに掛け
て上糸Tを右方向にもっていき、更に操作レバーLを矢
印a方向に下げ支持軸Sを矢印方向bに回転させる。こ
の支持軸Sの回転により、フックFは第10図(イ)に示
すように縫針Nの目孔Hに貫通する。この状態で、操作
者は右手で上糸Tを誘導してフックFの鈎部Kに引っか
け、上糸Tを緊張させる。上糸TがフックFの鈎部Kに
引っかかったことを確認して、操作レバーLを放すと、
第10図(ウ)に示すように支持軸Sが逆転して、フック
Fが縫針Nの目孔Hから矢印c方向に抜け出る。このと
き操作者が右手で緊張状態を保持していた上糸Tをゆる
めることにより、フックFが上糸Tを捕捉しつつ目孔H
から抜け出て、上糸Tを目孔Hから引き出す。
続いて、縫針Nの目孔Hからループ状に引き出された
上糸Tの糸端側を指で引き抜き、その後、上糸Tを引き
ながら縫針Nを昇降させ下糸(図示略)を引っ張り出
す。最後に、両糸を揃えて面板Mに設けられた糸切りTC
に案内して切断している。この切断により、縫針Nの目
孔Hから上糸Tの糸端までの長さは、上糸Tが釜(図示
略)に引き込まれないだけの長さに設定される。尚、こ
のような上糸Tを縫針Nの目孔H前に誘導する操作をフ
ックFの動作と連動させた機構を備えたものも知られて
いるが、この場合においても、糸通し後の糸端の処理は
同様なものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、糸通しを行なう過程において、縫針の
目孔前に張られた上糸は、その目孔位置から糸端までの
長さ(以下、糸端長という)がまちまちであるため、糸
端長が長い場合には、縫針の目孔からループ状に引き出
された上糸の糸端側を指で引き抜く作業が大変となって
いた。また、誤って糸供給源側を引っ張ってしまった
り、上糸がフック等に絡み付いたりしてしまうこともあ
った。逆に、糸端長が短い場合には、糸通しの操作は行
ないにくく、しかも、上糸が釜に引き込まれたり天秤の
動作により糸供給源側に引かれたりして縫針の目孔から
抜け出てしまい、縫製作業に入るための最小糸端長が確
保できなかったりすることがあった。そのため、操作者
は、何度も糸通しを行なわなければならないことがあっ
た。
本発明のミシンの糸端処理装置は上記課題を解決し、
ミシンの縫製に際しての準備作業を容易にすることを目
的とする。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のミシンの糸端処理装置は、 縫針の目孔に糸を通す糸通し装置を備えたミシンの縫
い出し前に、該縫針の目孔から引き出される糸長を所定
の長さに設定するミシンの糸端処理装置であって、 上記ミシンの縫い出し前に、糸供給源から上記縫針の
近傍を通って糸を掛ける糸掛け準備経路に沿って上記糸
を誘導する糸案内溝と、 上記準備経路上に設けられ、糸を係止すると共に糸通
し時に上記縫針に接近し、該糸を上記縫針の目孔前に運
ぶ糸係止部と、 上記準備経路上において上記糸係止部より下流側に設
けられ、上記準備経路に対して略垂直方向に付勢され上
記糸を把持する糸把持部と、 上記準備経路上において上記糸把持部より下流側に設
けられ、上記糸把持部に把持された後さらに上記糸案内
溝に沿って誘導された糸を上記糸把持部から予め定めら
れた距離隔てた位置で切断する糸切断部と を備えたことを要旨とする。
[作用] 上記構成を有する本発明のミシンの糸端処理装置によ
れば、縫い出し前に糸供給源から引き出した糸を糸案内
溝を使って糸掛け準備経路に沿って誘導すると、まず、
糸は糸係止部に係止され、続いて糸掛け準備経路に対し
て略垂直方向に付勢された糸把持部に把持される。更
に、糸案内溝を使って糸掛け準備経路に沿って下流側に
糸を誘導すると、糸は、糸端と糸把持部との間にて緊張
しつつ、糸把持部から予め定められた距離隔てた位置で
糸切断部に到達し切断される。糸通し時には、糸を係止
した糸係止部が縫針の目孔前に接近するが、この時の係
止位置と糸把持部との距離は一定であるため、切断され
た糸端から係止位置までの糸長は一定となり、糸通し後
の縫針の目孔から引き出された糸長は常に所定値とな
る。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のミシンの糸端処理装置の好適な実
施例について説明する。
第1図は、一実施例としてのミシンの糸端処理装置
(以下、単に糸端処理装置という)の要部を示す説明図
である。
糸端処理装置は、縫製に先立ち上糸Tを掛ける糸掛け
準備経路として、ミシン頭部に形成された2つの糸案内
溝1,3と、この糸案内溝1,3の間で糸掛け準備経路上に設
けられた糸係止部5と、糸案内溝3の内側に設けられた
糸把持部7と、糸案内溝3の終点位置に設けられた糸切
断部9とを備える。
糸案内溝1は、第2図に示すように、ミシン背部に設
けられた上部糸掛け11から下方(図示しないミシンベッ
ド方向)に向かって形成され、針棒13に装着された針棒
糸案内15の近傍にまで延びている。一方、糸案内溝3
は、ミシンの頭部を覆う面板17の操作者側下方から斜め
上方に向かって、その反対面にまで形成されている。
面板17の内側から観察した糸切断部9を、第3図に示
す。糸切断部9は、面板17の内側面に設けられた糸案内
板19と、切刃21を糸掛け準備経路の上流側に向けたカッ
ター23とから構成され、ビス25により両者が固着されて
いる。従って、矢印d方向に導入された上糸Tは、糸案
内板19に当接してカッター23に案内され、両者に挟まれ
て切断される。
糸係止部5および糸把持部7は、後述する糸通し装置
の機構の一部を担うものであり、この糸通し装置につい
て、第4図,第5図と共に説明する。
糸通し装置は、ミシン機枠(図示略)に固定される針
棒台27に上下動可能に挿通支持される針棒13に平行で、
針棒台27に上下動可能に挿通支持される糸通し棒29を備
える。この糸通し棒29の下端部にはフック保持部31が固
着されており、このフック保持部31には水平に延出して
略直角方向に折曲するフック部33が取り付けられてい
る。
フック部33は、第6図に示すように、先端に鈎の手状
の鈎部35が形成されたフック37と、フック37の両側に位
置し先端に「V」字状に糸導入溝39が形成された2枚の
フックガード41,43とからなる。
フック保持部31にはフック部33と反対方向に延出する
突出片45が一体に形成されている。この突出片45の先端
には2つの糸ガイド片47,49が水平に突出して形成され
ている。
糸通し棒29の下端には、更に、フック保持部31を
「コ」字状に上下に挟み、糸通し棒29に対して回転可能
に形成されたリンクレバー51が取り付けられており、こ
のリンクレバー51の水平方向に延出された端部にピン53
が垂直に突設されている。また、リンクレバー51の
「コ」字状背面には、糸係止部5が固着されている。
糸係止部5は、第7図に示すように、リンクレバー51
の背部に固定される固定板55と、固定板55の上,下端か
ら水平方向に突出し中央部が湾曲したアーム57,59と、
アーム57の突出方向先端から下方向に延出した押え爪61
と、アーム59の突出方向先端から上方向に延出した糸掛
け爪63とからなり、これらは一体に形成されている。押
え爪61は、その先端が固定板55から離れる方向に湾曲さ
れると共に、その湾曲開始位置に糸掛け溝65が形成され
ている。
糸通し棒29には、第4図に示すように、フック保持部
31の上部において、摺動ガイド67が針棒13の反対方向に
突出して遊挿されており、Eリング69により上下位置が
規制されている。更に、摺動ガイド67には糸通し棒29に
平行で軸方向に溝71が形成された支持枠73が一体に形成
されており、この溝71内に針棒台27に突設されたピン75
が遊嵌している。従って、糸通し棒29が上下動すると、
これに伴いこの摺動ガイド67及び支持枠73も一体的に上
下動するが、糸通し棒29の軸回転に対しては追従しな
い。
摺動ガイド67には、所要長のガイド溝77が穿設され、
このガイド溝77内にリンク機構を構成するリンクピン79
が摺動自在に遊嵌される。このリンクピン79は、後述す
るリンク板81,押え皿83,皿受けリンク板85を軸支する。
リンク板81は、第5図(ア)に示すように、両端に、リ
ンクピン79とリンクレバー51に突設されたピン53が各々
回転可能に挿通されている。また、リンクピン79に軸支
される皿受けリンク板85は、その軸支される側に糸案内
片87が突設され、他端はフック保持部31の突出片45の先
端と共通にピン89が回転可能に挿通される。
このように、リンクピン79により共通に軸支されるリ
ンク板81及び皿受けリンク板85と、このリンク板81にピ
ン53を介して連結するリンクレバー51と、皿受けリンク
板85にピン89を介して連結する突出片45とによってリン
ク機構が構成される。
糸把持部7は、このリンクピン79に軸支されて以下の
ように構成される。即ち、第8図に示すように、リンク
板81と皿受けリンク板85との間に、リンクピン79に摺動
可能に軸支される押え皿83を設け、この押え皿83の内側
にコイルバネ91を装着して、押え皿83を皿受けリンク板
85方向に付勢することにより、押え皿83と皿受けリンク
板85とを圧接状態に保持している。尚、皿受けリンク板
85には、押え皿83に面してリンクピン79から所定距離離
れた位置に糸抜き溝93が糸道に沿って凹設されている。
次に、縫製に先立ち、準備作業としての糸掛けの操作
について説明する。
ミシンの使用者は、第2図に示すように、糸駒95から
供給される上糸Tを以下の順に準備する。まず、上糸T
を上部糸掛け11に掛け、糸案内溝1に導入し、針棒糸案
内15に掛ける。そして、糸端を引きながら上糸Tを糸案
内溝3に誘導すると、この過程において、上糸Tは、糸
掛け爪63の外側から押え爪61の内側に導入され、糸掛け
爪63に係止される(第4図参照)。続いて、第2図の矢
印d方向に糸端を誘導すると、上糸Tは、糸ガイド片4
7,49の下面に当接し、第8図(ア)に示すように、皿受
けリンク板85の糸案内片87の上面を矢印e方向に摺動し
て、糸把持部7を構成する押え皿83と皿受けリンク板85
との間に挿入される。更に、第2図の矢印d方向に糸端
を誘導すると、上糸Tは、リンクピン79方向(第8図
(イ)の矢印f方向)へ引き寄せられ一層強固に挟持さ
れる。そして、準備操作の終了として、糸把持部7と指
との間にて緊張された上糸Tは、糸案内溝3の終点部に
導かれると、糸切断部9の糸案内板19に当接し、摺動し
ながらカッター23に案内され、カッター23の切刃21と糸
案内板19とに挟まれて、簡単に切断される。即ち、この
糸掛け準備操作は、上糸Tを糸案内溝1,3に沿って誘導
するという一連の動作だけで終了するわけである。尚、
この状態では糸切断部9と糸把持部7とが所定位置にあ
るため、切断された糸端から糸把持部7までの糸長は、
常に一定となる。
第4図,第5図(ア)は、このように上糸Tが準備さ
れた状態を表す。
次に、糸端処理装置を備えた糸通し装置の動作につい
て説明する。尚、この動作は、糸通し棒29の昇降・回転
動作に基づいてなされ、この糸通し棒29の動作を司る機
構の詳細については、本願出願人の実公昭61−35188号
公報に記載されている。
上述したように上糸Tが準備されると、操作者は、操
作レバー(図示略)を操作して糸通し棒29を下降させ、
更に、第5図(ア)の矢印g方向に回転させる。このと
き、糸通し棒29に固着されたフック部33および突出片45
は、糸通し棒29の回転と共に、それぞれ同図(イ)の矢
印h,i方向に回転し、フック部33のフック37は縫針97の
目孔99に貫入する。突出片45の回転により、摺動ガイド
67のガイド溝77内に遊嵌されたリンクピン79は、皿受け
リンク板85を介して矢印j方向に移動し、更に、リンク
板81を介してピン53を矢印k方向に移動させる。そのた
め、リンクレバー51も矢印k方向に回転し、リンクレバ
ー51の背部に固定された糸係止部5が矢印m方向に回転
し縫針97に接近する。
このような動作により、一端を糸把持部7に把持され
た上糸Tは、その糸把持部7と糸係止部5との離隔が大
きくなることから、その間の上糸Tは緊張される。この
とき、糸係止部5の回転により、糸掛け爪63は、糸把持
部7との間の上糸Tの緊張を保持しつつ、糸供給源側に
摺動し、糸供給源側の上糸Tのたるみを吸収する。更に
回転して糸掛け爪63が縫針97に近づくと、上糸Tは、糸
掛け爪63から外れて押え爪61の糸掛け溝65に導入され、
この糸掛け溝65と糸把持部7との間で上糸Tが緊張され
て、縫針97の目孔99前に誘導される(第5図(イ)の状
態)。この状態においては、フック37は第6図(ア)に
示すように、縫針97の目孔99に貫入しており、緊張され
た上糸Tが鈎部35の鈎の手内側に導入される。
一方、糸把持部7に把持された上糸Tは、リンクピン
79と共に押え皿83が糸通し棒29から遠ざかるため、上糸
Tは緊張すると共に、リンクピン79方向(第8図(イ)
の矢印f方向)にくい込んでいき、一層強固に挟持さ
れ、上糸Tの緊張に対して糸係止部5の方向に摺動しな
い。従って、この糸把持部7と糸係止部5との間にて、
上糸Tが充分に緊張されるため、上糸Tはフックガード
41,43の糸導入溝39に導入されてフック37の鈎部35に確
実に捕捉される。また、上糸Tが糸把持部7に把持され
摺動しないことから、糸端から糸係止部5までの糸長
は、常に一定となる。
次に、糸通し棒29を第5図(ウ)の矢印n方向に逆回
転させると、フック部33は縫針97から矢印o方向に遠ざ
かると共に、突出片45が矢印p方向に回転する。従っ
て、リンク機構を構成する各部材は、上述した動作に対
して戻るように動作し、糸把持部7が矢印q方向に移動
すると共に、糸係止部5が矢印r方向に回転して縫針97
から遠ざかる。このとき、糸係止部5の糸掛け溝65に係
止されていた上糸Tは、この移動によりそこから外れて
緊張が解かれ、第6図(イ)に示すように、フック37に
捕捉されて縫針97の目孔99から引き出されていく。この
フック37の引き抜き動作により、上糸Tはフック37の鈎
部35で折れ曲がり、この鈎部35と糸把持部7との間の上
糸Tのたるみが吸収されて、再び上糸Tが緊張する。更
に、フック37に第5図(ウ)の矢印o方向の力が働き続
けると、糸把持部7に把持された上糸Tは、その把持力
がフック5の引き抜く力に負けて、第5図(ウ)の矢印
s方向に摺動する。この摺動が始まると、上糸Tは、第
8図(イ)に示すように、押え皿83と皿受けリンク板85
との間隙がくさび状になっていることから、矢印t方向
に移動し、同図(ウ)に示すように糸抜き溝93に落ち込
む。従って、上糸Tが押え皿83からの押圧が解除され
て、この糸抜き溝93内を抵抗少なく摺動するため、糸把
持部7とフック37の鈎部35との間の上糸Tの緊張がゆる
み、フック37の引き抜き動作伴い、上糸Tが容易に縫針
97の目孔99から引き抜かれる。
糸通し棒29は、所定角度の逆回転が終了すると、上昇
動作に入る。この上昇動作により、フック部33,糸係止
部5,糸把持部7は、リンク機構を構成する各部材と共に
一体に上昇する。このときフック37の鈎部35に捕捉され
た上糸Tは、第6図(ウ)に示すように引き上げられ
て、さらに目孔99から引き抜かれるが、その上昇過程に
おいて、上糸Tの目孔99における摩擦力や上糸Tの自重
等により、フック37が上糸Tを保持しきれなくなり、鈎
部35から外れる。
以上説明した本実施例のミシンの糸端処理装置によれ
ば、糸掛け準備経路上の上流側から糸係止部5,糸把持部
7を設け、更に、その終点部に糸切断部9を設けたこと
から、縫製に先立ち準備する糸掛けの一連の動作の終了
時に、上糸Tを、縫針97の目孔99から糸端までの距離で
ある糸端長を所定の長さにて切断することができる。し
かも、この糸掛け準備は、上糸Tを糸案内溝1,3に沿わ
せるだけで簡単に行なうことができる。従って、従来の
ように糸端長が長すぎて、縫針97の目孔99からループ状
に引き出された上糸Tの糸端側を抜き出すといった作業
を要しなく、逆に、糸端長が短すぎて、縫い出しに必要
な長さを確保できなかったりすることもない。また、糸
通し時には、所定の長さに糸端長が切断されていること
から、糸通し後にわざわざ上糸Tを切る必要がなく、そ
のまま下糸を引き出して、縫製作業に入ることができ
る。更に、上糸Tを糸切断部9に誘導して切断するとき
に、糸把持部7に挟持された上糸Tは、更に強固に挟持
される方向に引かれるため、上糸Tは充分に緊張され
て、簡単に切断される。一方、上糸Tが縫針97の目孔99
から引き出されるときには、糸把持部7に挟持された上
糸Tは、糸抜き溝93に落ち込むため、この引出しを妨げ
ない。
尚、このような糸端処理装置を備えたミシンにおいて
も、縫製作業に入る前に下糸を引き出す必要があるが、
以下に示す水平型下糸供給装置を用いれば、糸通し後そ
のまま縫製作業に入ることができる。この水平型下糸供
給装置を第9図(平面図)に示す。
水平型下糸供給装置は、ミシンベッド(図示略)に装
着される針板101に糸案内溝103が形成され、その糸案内
溝103の端部にスリット105が形成されている。この針板
101に覆われて、ボビン107を収納した釜109が設けられ
ている。ボビン107から引き出した下糸Uを、糸調子バ
ネ111を介して糸案内溝103に沿って誘導し、スリット10
5に挿入して矢印v方向に引くと、下糸Uは、スリット1
05の切込み終点位置にて切断されるが、その位置におい
て下糸Uの端が挟持される。従って、下糸Uは、糸調子
バネ111によりボビン107からスリット105の間において
緊張され、縫針97の昇降により、確実に下糸Uが引き出
されるのである。このような水平型下糸供給装置を用い
れば、上述した糸通しの後に、そのまま縫製作業に入る
ことができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば、
糸把持部7をリンク機構のリンク点に設けず、面板17等
に設けた構成であっても良く、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論
である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のミシンの糸端処理装置
によれば、糸掛け準備経路上の上流側から糸係止部,糸
把持部、そしてその終点部に糸切断部を設け、さらに糸
掛け準備経路に沿って上糸を誘導する糸案内溝を設けた
ことから、縫製に先立ち準備する糸掛けの一連の動作の
終了時に、糸案内溝に上糸を誘導するだけで、上糸を、
縫針の目孔から糸端までの距離である糸端長を所定の長
さにて切断することができる。従って、従来のように糸
端長が長すぎて、縫針の目孔からループ状に引き出され
た上糸の糸端側を抜き出すといった作業を要しなく、逆
に、糸端長が短すぎて、縫い出しに必要な長さを確保で
きなかったりすることもない。また、糸通し時には、所
定の長さに糸端長が切断されていることから、糸通し後
にわざわざ糸を切る必要がなく、そのまま下糸を引き出
して、縫製作業に入ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は糸端処理装置の要部を示す説明図、第2図はそ
の操作を示す説明図、第3図は糸切断部の動作を示す説
明図、第4図は糸端処理装置を備えた糸通し装置の斜視
図、第5図はその動作を示す説明図、第6図はフック部
の動作を示す説明図、第7図は糸係止部の斜視図、第8
図は糸把持部の動作を示す説明図、第9図は水平型下糸
供給装置の概略平面図であり、第10図は従来からの糸通
しの操作を示す説明図である。 1,3……糸案内溝、5……糸係止部 7……糸把持部、9……糸切断部 13……針棒、23……カッター 29……糸通し棒、83……押え皿 85……皿受けリンク板 97……縫針、99……目孔 T……上糸、U……下糸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫針の目孔に糸を通す糸通し装置を備えた
    ミシンの縫い出し前に、該縫針の目孔から引き出される
    糸長を所定の長さに設定するミシンの糸端処理装置であ
    って、 上記ミシンの縫い出し前に、糸供給源から上記縫針の近
    傍を通って糸を掛ける糸掛け準備経路に沿って上記糸を
    誘導する糸案内溝と、 上記準備経路上に設けられ、糸を係止すると共に糸通し
    時に上記縫針に接近し、該糸を上記縫針の目孔前に運ぶ
    糸係止部と、 上記準備経路上において上記糸係止部より下流側に設け
    られ、上記準備経路に対して略垂直方向に付勢され上記
    糸を把持する糸把持部と、 上記準備経路上において上記糸把持部より下流側に設け
    られ、上記糸把持部に把持された後さらに上記糸案内溝
    に沿って誘導された糸を上記糸把持部から予め定められ
    た距離隔てた位置で切断する糸切断部と を備えたミシンの糸端処理装置。
JP27272489A 1989-10-19 1989-10-19 ミシンの糸端処理装置 Expired - Fee Related JP2917320B2 (ja)

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