JP2010124938A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】糸通し装置を備えるものにあって、ユーザが上糸の糸掛け作業を行う際に、上糸を糸保持部に確実に保持させ、しかもそのための構成を比較的簡単にする。
【解決手段】糸通し装置11により縫針7の目孔に対する上糸Tの糸通し動作を行わせるにあたっては、ユーザは、上糸駒から引き出した上糸Tを、糸調子装置や天秤を通した後、針棒6の針棒糸案内21を通し、糸通し機構部24の糸案内部材26に引掛け、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間を通し、最後に通過抵抗付与機構38の糸通し溝を通して、その先端の余分な部分を糸切断部材により切断除去する。通過抵抗付与機構38は、糸通し溝内に、凸部を有するカバー39、テンション皿及びコイルばねを備え、上糸Tが通過される際に該上糸Tに所定の抵抗を付与し、以て、上糸Tが糸保持部27の糸保持皿35の内周側まで入り込むようになる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ミシン頭部に、上糸供給源からの上糸を、針棒の下端部に装着された縫針の目孔に通すための糸通し装置を備えるミシンに関する。
従来より、糸通し装置を備えたミシンとして、例えば特許文献1に記載された構成のものが知られている。前記糸通し装置は、針棒の近傍(左側)に位置して上下動及び回動可能に設けられた糸通し軸、この糸通し軸の下端部に設けられた糸通しフック、糸通し軸の下端部に設けられ上糸が掛けられる糸案内部材、この糸案内部材の左方に設けられた糸把持部、前記糸通しフックを水平方向に回動させる回動機構、ユーザの操作レバーの操作に基づいて前記糸通し軸を上下動させる昇降機構等を備えて構成されている。
前記糸把持部は、皿支持片と、その下面側に配置された押さえ皿と、この押さえ皿を上方(皿支持片側)に付勢するコイルバネを備えて構成されており、皿支持片と押さえ皿との間で上糸を挟んで保持するようになっている。また、ミシン頭部の面板の左側面には、糸掛け経路を通された上糸の先端部を、糸通し後に縫製を開始するに適切な長さとなるように切断するための糸切断部が設けられている。この糸切断部は、上糸が通される溝の奥部に上糸を切断するカッターを備えて構成されている。
この糸通し装置を用いて糸通し動作を実行させるにあたっては、ユーザは、その準備操作として、上糸のセット(糸掛け)の作業を行う。この上糸のセット作業は、上糸供給源(糸駒)から上糸を引出しながら、その上糸を糸調子装置及び天秤を通し、針棒の糸案内に掛けた後、糸案内部材に掛け、さらに糸把持部に保持させ、最後に、上糸の先端部を糸切断部で切断することにより行われる。このとき、糸把持部に上糸を保持させるには、上糸の途中部を、皿支持片と押さえ皿との間に差込むように通す作業が行われる。
そして、上記した上糸のセット状態から、ユーザが、ミシン本体の頭部の側面部に設けられた操作レバーを押下げ操作することにより、糸通し軸等が針棒に対して下降して行き、所定位置まで下降すると今度は回動機構により糸通しフックが回動して縫針の目孔に通され、糸案内部材によって緊張状態に保持された上糸を引掛けて捕捉する。次いで、ユーザが操作レバーの押下げ力を解除すると、糸通しフックが反対方向に戻り回動して、目孔から抜出ることにより、糸通しフックにより捕捉した上糸が目孔を通される。その後、糸通し軸等が上昇して元の待機位置に戻るようになる。
特開平9−99192号公報
ところで、上記した糸通し装置の動作において、糸通しフックによる上糸の捕捉を確実に行なうためには、糸案内部材において上糸が緩むことなくピンと張った状態に保持される必要がある。そのため、ユーザが、糸掛けの操作時に、糸把持部の皿支持片と押さえ皿との間の内周側まで上糸を入り込ませるようにして、上糸を確実に挟持させる必要がある。
そこで、上記した特許文献1では、ユーザによる糸掛け操作時(待機位置)には、ミシンカバー下部が押さえ皿に係合してコイルバネのばね力に抗して皿支持片に対し開放させ、皿支持片との間に隙間ができるようにして、ユーザによる上糸を差込む(セットする)作業を容易とし、糸通し動作時(糸把持部の下降時)には、ミシンカバー下部と押さえ皿との係合が解除され、皿支持片と押さえ皿との間に上糸を挟持させるようにしている。
しかしながら、皿支持片と押さえ皿との間に隙間を形成することは、上糸が入れ易いものであると同時に出易いものともなっており、ユーザによる糸掛け作業時において、糸把持部(皿支持片と押さえ皿との間)に上糸を通した後、糸切断部で上糸を切断した際に、ユーザが意図せずに糸把持部の上糸が緩んでしまう場合があり、ひいては糸把持部から上糸が外れて、糸通し動作が失敗してしまう虞があった。また、ミシンカバー下部と押さえ皿とを係合させることで、押さえ皿を皿支持片に対して開放させる構成を採用するため、構造(部品形状等)が比較的複雑であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、糸通し装置を備えるものにあって、ユーザが糸掛け経路に沿って上糸の糸掛け作業を行う準備操作において、上糸を糸保持部に確実に保持させることができ、しかもそのための構成を比較的簡単にすることができるミシンを提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のミシンは、ミシン頭部に、上糸供給源から引出され所定の糸掛け経路に沿ってセットされた上糸を、針棒の下端部に装着された縫針の目孔に通すための糸通し装置を備えると共に、前記ミシン頭部の外面を覆う面板に、前記糸掛け経路を通した後の上糸の先端部を、糸通しに適切な長さとなるように切断するための糸切断部材を備え、ユーザにより、前記糸掛け経路に沿って順に前記上糸の糸掛けが行われた後に、前記糸切断部材を用いてその先端を切断する準備操作が行われた状態で、前記糸通し装置による糸通し動作を可能としたミシンであって、前記糸掛け経路には、前記上糸を糸保持皿によって挟んで保持する糸保持部が設けられており、前記ユーザによる糸掛けの操作には、前記糸保持部の糸保持皿の外周側から内周側に向けて前記上糸の途中部を差込むように通すことが含まれていると共に、前記糸掛け経路上における前記糸保持部よりも下流で且つ前記糸切断部材よりも上流に位置して、前記上糸が通過される際に該上糸に所定の抵抗を付与して前記糸保持部の糸保持皿の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与手段が設けられているところに特徴を有する。
上記構成によれば、ユーザが、糸掛け経路に沿って順に上糸の糸掛けを行った後に、糸切断部材を用いてその先端を切断することにより、糸通しの準備操作が完了し、その状態で、糸通し装置による糸通し動作が可能となる。このとき、上記糸掛けの操作には、糸保持部の糸保持皿の外周側から内周側に向けて上糸の途中部を差込むように通すことが含まれており、もし、その際の上糸の糸保持皿への差込みが不十分であると、上糸が糸保持部から外れてしまう虞がある。ところが、その糸保持部を通した後であって糸切断部材を用いた糸切断操作の前に、ユーザが、上糸を、通過抵抗付与手段を通過させるようにすると、上糸に抵抗が付与されて糸保持部の糸保持皿の内周側まで入り込むようになるので、上糸が糸保持部に確実に保持されるようになる。
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記通過抵抗付与手段を、前記面板の前記糸切断部材の近傍に位置して設けたところに特徴を有する。
請求項3のミシンは、請求項1又は2の発明において、前記通過抵抗付与手段を、前記ミシン頭部に設けられた固定部材と、この固定部材に対して接離方向に変位可能に設けられた可動部材と、この可動部材を前記固定部材に対して圧接する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記固定部材と前記可動部材との間を前記上糸が通過されるように構成したところに特徴を有する。
請求項4のミシンは、請求項1又は2の発明において、前記通過抵抗付与手段を、前記ミシン頭部に設けられた固定部材と、この固定部材に対して弾性的に圧接する弾性部材とを備え、前記固定部材と前記弾性部材との間を前記上糸が通過されるように構成したところに特徴を有する。
請求項5のミシンは、請求項1又は2の発明において、前記通過抵抗付与手段を、前記ミシン頭部に設けられ、前記上糸が差込まれることにより、該上糸を屈曲させながら通過させるジグザグ状の溝から構成したところに特徴を有する。
請求項1のミシンによれば、糸通し装置を備えるものにあって、糸掛け経路上における糸保持部よりも下流で且つ糸切断部材よりも上流に位置して、上糸が通過される際に該上糸に所定の抵抗を付与して前記糸保持部の糸保持皿の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与手段を設けたので、ユーザが糸掛け経路に沿って上糸の糸掛け作業を行う準備操作において、上糸を糸保持部に確実に保持させることができる。しかも、そのために、通過抵抗付与手段を設けるだけで、糸保持皿を開閉させる構成は不要となるので、構成を比較的簡単にすることができる。
請求項2のミシンによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、通過抵抗付与手段が糸切断部材の近傍に配置されているので、通過抵抗付与手段をコンパクトに配置することができ、これと共に、通過抵抗付与手段を通過させた後すぐに上糸を切断することができるので、ユーザが操作しやすく、また、ユーザの通過抵抗付与手段に対する上糸の通し忘れを防止する効果に優れるものとなる。
請求項3のミシンによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、固定部材と、可動部材と、付勢部材とから通過抵抗付与手段を構成したので、固定部材と可動部材との間を、上糸を通過させることによって、上糸に対し所定の抵抗を確実に付与することが可能となる。
請求項4のミシンによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、固定部材と弾性部材とから通過抵抗付与手段を構成したので、通過抵抗付与手段の構成を、より少ない部品点数で簡単にすることができる。
請求項5のミシンによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、ジグザグ状の溝から通過抵抗付与手段を構成したので、通過抵抗付与手段の構成を、より少ない部品点数で一層簡単にすることができる。
(1)第1の実施形態
以下、本発明を、例えば家庭用の電子ミシンに適用した第1の実施形態について、図1ないし図7を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るミシンの全体の外観を、正面(ユーザ側)から見た様子を示している。尚、以下の説明では、ミシンを操作するユーザ側を前方とし、前後方向をY方向(図6、図7参照)、左右方向をX方向(図1、図2参照)として説明する。ミシン本体1は、左右方向(X方向)に延びるミシンベッド2と、このミシンベッド2の右端部から上方に延びる脚柱部3と、この脚柱部3の上端から図で左方に延びるアーム部4とを一体的に有して構成されている。アーム部4の先端部が、ミシン頭部5とされている。
また、前記アーム部4の上部には、カバー4aが開閉可能に設けられている。図示はしないが、アーム部4には、前記カバー4aの内側に位置して、上糸供給源としての上糸駒が着脱可能にセットされる糸駒収容部が設けられており、カバー4aを開いた状態で、上糸駒の着脱(交換)の作業が行われるようになっている。前記ミシン頭部5には、その正面左側から側面部を覆うように、プラスチック製の面板5aが設けられている。
図2、図5にも示すように、前記ミシン頭部5には、針棒6が設けられている。この針棒6の下端部には、縫針7が針抱き8を介して装着されている。前記針棒6は、図2に示すように、前記ミシン機枠に対して左右方向(X方向)に揺動可能に取付けられた針棒台9に、上下動可能に支持されている。また、前記ミシン頭部5には、図1に示すように、針棒6(縫針7)の下方に位置して押え足10が設けられている。さらに、針棒6(縫針7)の左側には、本実施形態に係る糸通し装置11が設けられる。この糸通し装置11は、図3に示すように、前記上糸駒からの上糸Tを、前記縫針7の目孔7aに通すためのものであり、その詳細については後述する。
また、図2に一部示すように、前記アーム部4内には、ミシンモータ(図示せず)により回転駆動されるミシン主軸12が設けられ、ミシン頭部5内には、そのミシン主軸12の駆動力により前記針棒6を上下動させる針棒駆動機構13が設けられている。この針棒駆動機構13は、ミシン主軸12の先端部に連結された針棒クランク14や、この針棒クランク14の先端に回転可能に連結されたクランクロッド15、このクランクロッド15と針棒6とを連結する針棒抱き16等から構成されている。
さらに、図示及び詳しい説明は省略するが、前記ミシン頭部5内には、針振りパルスモータを駆動源として前記針棒台9ひいては針棒6を布送り方向(前後方向であるY方向)と直交する方向(X方向)に揺動させる針棒揺動機構、針棒6の上下動に同期して天秤を上下動させる天秤駆動機構、上糸Tの張力を調整する糸調子装置等が設けられている。
図1に示すように、アーム部4の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動・停止スイッチ17やスピード調整つまみ18などの各種の操作キー(スイッチ)が設けられている。前記脚柱部3の前面には、大型で縦長形状をなしフルカラー表示が可能な液晶ディスプレイ19が設けられている。この液晶ディスプレイ19の表面にはタッチパネルが設けられている。
詳しく図示はしないが、前記液晶ディスプレイ19には、直線縫いやジグザグ縫い等の各種の実用模様を選択する画面や、各種の刺繍模様を選択する画面、各種機能を実行させるための機能選択画面、各種のメッセージ等が表示されるようになっている。このとき、タッチパネル上には、各種の入力操作キーが設定されるようになっている。
前記ミシンベッド2の上面には、針板(図示せず)が設けられている。図示はしないが、ミシンベッド2内には、その針板の下側に位置して、前記針棒6の上下動と同期して送り歯を駆動させる送り歯駆動機構、下糸ボビンを収容し縫針7と協働して縫目を形成する全回転釜、糸切り機構等が設けられている。
ここで、前記糸通し装置11及びその周辺部分について説明する。図2に示すように、前記針棒6は、針棒台9に上下動可能に挿通支持され、前記針棒駆動機構13により、所定のストロークで上下動されるようになっている。このとき、縫製動作(ミシンモータ)の停止時には、針棒6は、図2に示す所定の上昇位置(針上位置)に停止されるようになっている。また、針棒6の前記針棒抱き16の連結部分のすぐ上部には、左方に突出する突出片20aを有する位置決め部材20が取付けられている。尚、針棒6の下端部には、針棒糸案内21が設けられている。
そして、糸通し装置11は、針棒台9に、針棒6の左側に位置して組込まれ、図2、図5に示すように、第1,第2の2本の糸通し軸22,23、これら第1,第2の糸通し軸22,23の下端部に設けられた糸通し機構部24、第1の糸通し軸22を回動させるための回動機構(図示せず)等を備えている。前記糸通し機構部24は、前記第1の糸通し軸22の下端部に設けられた糸通しフック25(図3参照)及び糸案内部材26、前記第2の糸通し軸23の下端部に位置して設けられた糸保持部27等から構成される。
図2に示すように、前記第1の糸通し軸22は、針棒6のすぐ左側を上下方向に延び、針棒台9に上下動及び回動(同軸回転)可能に支持されている。前記第2の糸通し軸23は、該第1の糸通し軸22のすぐ左側に位置して針棒台9に上下動可能に支持されている。この第2の糸通し軸23は、図示しない第1圧縮コイルばねによって、針棒台9に対し常に上方(上端の準備位置)に向けて付勢されている。また、これら第1及び第2の糸通し軸22及び23は、上端の位置を合わせた状態で、一体的に上下動するようになっている。また、面板5aには、第2の糸通し軸23から少し離れた左側に上下方向に延びて、糸通しレバー28をガイドするためのガイド軸29が固定的に設けられている。
以下、図示はしないが、前記第1の糸通し軸22及び第2の糸通し軸23の上端部には、それら双方に跨るように、糸通しスライダが上下動可能に挿通されている。この糸通しスライダは、前記第1の糸通し軸22の上部の左半部を囲む半円筒状の壁部を有しており、その壁部に斜め方向に延びるカム溝が形成されている。これに対し、第1の糸通し軸22の上部部位には、水平方向に延びる摺動ピンが貫通するように設けられており、その摺動ピンが前記カム溝に挿通され、もって回動機構が構成されている。第1の糸通し軸22には、前記摺動ピンの下方に設けられたばね受けピンと、前記糸通しスライダの下端部との間に、第2圧縮コイルばねが設けられている。
前記ガイド軸29には、前記第1,第2の糸通し軸22,23を上下動させるための糸通しレバー28が上下動可能に嵌挿されている。前記糸通しレバー28は、図で左方に延び操作つまみ28aを有していると共に、図で右方に延びるレバー板28bを有して構成されている。図6にも示すように、操作つまみ28aは、前記面板5aに形成された上下方向に長いスリット5bを通して、前記ミシン頭部5の側面部に操作可能に配置されている。レバー板28bは、前記糸通しスライダに係合し、該糸通しスライダを上下動させるようになっている。
これにて、糸通しレバー28に対して下方への押下げ力が作用していない状態では、図2、図5に示すように、糸通しレバー28がガイド軸29の上端に位置しており、第1圧縮コイルばねによって、糸通しスライダ及び第1,第2の糸通し軸22,23も、針棒台9に対して最上位置に位置されている。この位置が、第1,第2の糸通し軸22,23の下端に設けられる糸通し機構部24(糸通しフック25及び糸案内部材26等)が、針棒6の下端部近傍に位置し、後述する準備操作(ユーザによる上糸Tの糸掛け操作)などが行われる準備位置とされる。
そして、この準備位置から、第1圧縮コイルばねのばね力に抗して、糸通しレバー28ひいては第1,第2の糸通し軸22,23、糸通し機構部24が下降されていくと、所定距離だけ下降された位置にて、第1の糸通し軸22に設けられた摺動ピンが、針棒6に設けられた位置決め部材20の突出片20aに係合し、第1の糸通し軸22等のそれ以上の下降が規制される。この位置が、糸通し動作位置とされ、この糸通し動作位置にて前記糸通しフック25の高さ位置が縫針7の目孔7aの高さと一致し、糸通し動作が可能となる。
このとき、糸通し動作時においては、糸通しレバー28が所定距離だけ下降された位置から更に押下げられるようになっている。この糸通しレバー28の下降により、糸通しスライダが、第1圧縮コイルばね及び第2圧縮コイルばねのばね力に抗して、第1,第2の糸通し軸22,23に対して更に下降する。これにより、糸通しスライダのカム溝内を、第1の糸通し軸22の摺動ピンが斜め方向に相対的に上昇し、以て、回動機構により第1の糸通し軸22ひいては糸通しフック25等が上面から見て時計回り方向に回動され、糸通し動作が行われるようになっている。
また、この後、糸通しレバー28に対する押下げ力が解除されると、第1圧縮コイルばね及び第2圧縮コイルばねのばね力により、糸通しレバー28ひいては糸通しスライダが第1,第2の糸通し軸22,22に対して上昇し、この際、糸通しスライダのカム溝内を、第1の糸通し軸22の摺動ピンが相対的に下降することにより、第1の糸通し軸22ひいては糸通しフック25等が戻り方向に回動される。その後、糸通しレバー28が上記所定距離だけ上昇され、第1,第2の糸通し軸22,23や糸通し機構部24も上昇され、準備位置に戻される。
詳しい説明は省略するが、前記糸通し機構部24に設けられる糸通しフック25は、図3に示すように、先端に下向きのフック部25aを有しており、前記縫針7の目孔7aに対し挿通可能なものとされている。そして、第1の糸通し軸22の下端部には、その糸通しフック25の両側に位置するガイド部材30,30や、糸保持ワイヤ31も設けられている。また、詳しく図示はしないが、第1の糸通し軸22の下端部に設けられた糸案内部材26は、糸通し動作時(第1の糸通し軸22の回動時)に、図3(a)に示すように、縫針7の目孔7aの前方において上糸Tを水平状態に保持する機能を果たすようになっている。
また、第2の糸通し軸23の下端部に設けられた糸保持部27は、上糸Tの先端部分を保持するためのもので、図4に示す構成を備えている。即ち、第2の糸通し軸23の下端部にリンクガイド部材32が取付けられており、そのリンクガイド部材32には、下方に延びるピン33の上端部が取付けられている。ピン33の下端部には、ガイド板34が取付けられている。さらに前記ピン33の途中部には、前記ガイド板34との間で上糸Tを挟んで保持するための糸保持皿35が上下動可能に嵌挿されており、その糸保持皿35は、リンクガイド部材32の下面との間に設けられたコイルばね36によって、下方つまりガイド板34に接触する方向に付勢されている。このとき、糸保持皿35は、外周側が上方に立上るように皿状に湾曲した形状をなしていると共に、ガイド板34の前端部には下降傾斜するテーパ面34aが形成されている。
これにて、上糸Tを、テーパ面34aにガイドさせながら、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間に、糸保持皿35の外周側から内周側に向けて(図4で矢印C方向に)、その途中部を差込む(奥まで入り込む)ように通すことにより、上糸Tはそれらガイド板34と糸保持皿35との間に挟まれ、もって糸保持部27に保持されるようになる。尚、図6,図7に示すように、前記ミシン頭部5の面板5aの左側面には、糸掛け経路(後述)を通した後の上糸Tの先端部を適切な長さとなるように切断するための糸切断部材37が設けられている。この糸切断部材37については後述する。
この場合、ユーザは、次のようにして糸通しの準備操作を行う。即ち、糸通し機構部24が準備位置に位置されている状態において、ユーザは、上糸駒から引出され糸調子装置や天秤といった所定の上糸経路を通された上糸Tを、針棒6の針棒糸案内21を通した後、糸通し機構部24の糸案内部材26に引掛けて保持させ、さらに糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間を通すようにする。その後、糸切断部材37部分を通して、上糸Tの先端を切断除去する。これにて、上糸Tは必要な糸掛け経路に沿って順に掛けられた状態で糸保持部27にて保持され、これと共に、最適な長さで切断され、以て、糸通しの準備が完了するようになっている。
そして、この状態から、ユーザの糸通しレバー28の押下げ操作により、上記のように糸通し機構部24が糸通し動作位置まで下降され、第1の糸通し軸22が回動されることにより、図3(a)に示すように、糸通しフック25が矢印A方向に移動して縫針7の目孔7aを通り、目孔7aの前方で糸案内部材26によりピンと水平に張った状態に保持された上糸Tをフック部25aにより引掛ける。
その後、ユーザが糸通しレバー28の押下げ力を解除し、第1の糸通し軸22が戻り回動されることにより、図3(b)に示すように、糸通しフック31が矢印B方向に戻り移動して上糸Tが糸通しフック25と共に目孔7aを通されて糸通しが行われるのである。尚、上記した糸通し装置11(糸通し機構部24)の詳細な構成や動作については、本出願人の先の出願に係る特開2006−158412号公報に詳しい。
次に、上糸Tが通過される際に、この上糸Tに所定の抵抗を付与して前記糸保持部27の糸保持皿35の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与機構38(通過抵抗付与手段)を説明する。この通過抵抗付与機構38は、糸掛け経路上における前記糸保持部27よりも下流で且つ前記糸切断部材37よりも上流に位置するように設けられる。具体的には、図5〜図7に示すように、面板5aの下辺部の前記糸切断部材37の近傍後方に位置するように設けられる。その位置は、準備位置にある糸保持部27よりも左奥側でやや上方の位置である。そして、この通過抵抗付与機構38は、糸切断部材37と共に一つのユニットとして構成される。
即ち、この通過抵抗付与機構38は、前記面板5aの外面にプラスチック製のカバー39を取付けると共に、そのカバー39の内面側に、可動部材としてのテンション皿40及び付勢部材としてのコイルばね41を設けて構成される。図6、図7に示すように、前記カバー39は、前後(Y方向)に細長い長円状をなし、その前端側が、面板5aに対してねじ43により取付けられている。このとき、カバー39の内面と面板5aの外面との間には、前端部を除いて上糸Tが通過可能な隙間が形成されており、以て、カバー39の後端側で開口し且つ上下方向に貫通する糸通し溝42が形成されている。
図7に示すように、前記カバー39と面板5aとの間には、前記糸通し溝42に連続する空間部に位置して、前記糸切断部材37が、ほぼ水平状態で且つ刃部37aを後ろ向きにして配設されている。これにて、上記した糸通しの準備操作において、ユーザが上糸Tを糸保持部27を通した上で、図6(a)に示すように、上糸Tの先端部を、通過抵抗付与機構38(カバー39)の後方上部まで持っていき、その後、糸通し溝42を通すように前方(矢印D方向)に移動させることにより、上糸Tが糸通し溝42を通って前方に移動し、糸切断部材37により切断されるようになるのである。糸切断部材37(刃部37a)はカバー39により覆われているので、安全性が確保される。
そして、図7に示すように、前記カバー39の前後方向(Y方向)中間部には、裏面側に若干量だけ凸となるように円形の凸部39aが形成されており、この凸部39aが固定部材として機能する。前記テンション皿40は、前記凸部39aに面接触可能な平坦な円形面を有すると共に、その円形面の外周に連続するようにテーパ面を有して構成され、前記面板5aに、前記凸部39aに対して接離方向(図7で上下方向)に移動可能に保持されている。このとき、面板5aとテンション皿40との間に、前記コイルばね41が配設され、テンション皿40を凸部39aに対して常に圧接する方向に付勢している。
これにて、ユーザが上記のような糸切断部材37により上糸Tの先端部を切断する操作を行うと、上糸Tが糸通し溝42を前方に向けて通される際に、必然的に、上糸Tが凸部39aとテンション皿40との間を通過されるようになり、上糸Tに所定の抵抗(テンション)が付与されるようになっている。そして、抵抗が付与されることによって、上糸Tには、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間に、矢印C方向に入り込んでいく力が作用するようになるのである。
次に、上記構成の作用について述べる。糸通し装置11により縫針7の目孔7aに対する上糸Tの糸通し動作を行わせるにあたっては、ユーザは、まず糸通しの準備操作を行う。この準備操作は、上述のように、ユーザが、上糸供給源(上糸駒)から引き出された上糸Tの先端を手指でつまみ、上糸Tを順繰りに引き出しながら、所定の糸掛け経路に沿って順に糸掛けを行い、最後に通過抵抗付与機構38の糸通し溝42を通して、その先端の余分な部分を糸切断部材37により切断除去することにより行われる。
即ち、上糸駒から引出された上糸Tは、糸調子装置や天秤といった所定の経路を通され、その後、図5に示すように、針棒6の針棒糸案内21を通された後、糸通し機構部24の糸案内部材26に引掛けられ、ガイド板34と糸保持皿35との間を通されて糸保持部27にて保持される。またこのとき、上糸Tは最適な長さで切断されており、以て、糸通しの準備が完了する。
これにより、糸通し動作の実行が可能となり、引き続き、ユーザが糸通しレバー28(操作つまみ28a)を押下げると、糸通し機構部24が糸通し動作位置まで下降され、さらに、図3に示すように、回動機構により糸通しフック25が矢印A方向及びB方向に往復回動され、糸通し動作が実行される。この後、ユーザが、糸通しレバー28に対する押下げ力を解除すると、糸通し機構部24が上昇して元の準備位置に戻る。この状態でミシン本体1の縫製動作の実行が可能となる。
ここで、上記した糸通しの準備操作において、もし、糸保持部27に上糸Tが確実に保持されていない(糸保持皿35の奥方まで差込まれていない)ことがあると、糸保持部27から上糸Tが容易に外れてしまい、ひいては、糸通しの動作において、糸案内部材26よって上糸Tがピンと張った状態とならず、上糸Tが緩んで糸通し動作の失敗(糸通しフック25による上糸Tの捕捉の失敗)を招く虞がある。つまり、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間の内周側まで上糸Tを入り込ませるようにして、上糸Tを確実に挟持させることが必要となる。
ところが、本実施形態では、ミシン頭部5の面板5aの側面下部に、糸切断部材37と共にユニット化された通過抵抗付与機構38が設けられており、ユーザは、糸保持部27(ガイド板34と糸保持皿35との間)に上糸Tを通した後に、その上糸Tを左側後方上部にもって行く。そして、図6(a)に実線で示すように、上糸Tを通過抵抗付与機構38の後ろ側から矢印D方向に移動させ、糸通し溝42に差込んでいく。遂には、上糸Tは、図6(a)に二点鎖線で示すように、糸切断部材37の刃部37aにあたって切断が行われる。上糸Tの切断作業が安全に行われることは勿論である。
このとき、糸通し溝42内に後方から差し込まれた上糸Tが、前方に移動される際に、上糸Tが凸部39aとテンション皿40との間を通過されるようになり、その際に上糸Tに所定の抵抗(テンション)が付与されるようになる。これにより、上糸Tが、矢印C方向に糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間の内周側(奥)にまで入り込み、糸保持部27に確実に保持(挟持)されるようになるのである。
このように本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。即ち、縫針7の目孔7aに対する上糸Tの糸通し動作を実行する糸通し装置11を備えたものにあって、糸掛け経路上における前保持部27よりも下流で且つ糸切断部材37よりも上流に位置して、上糸Tが通過される際に該上糸Tに所定の抵抗を付与して糸保持部27の糸保持皿35の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与機構38を設けたので、ユーザが糸掛け経路に沿って上糸Tの糸掛け作業を行う準備操作において、上糸Tを糸保持部27に確実に保持させることができる。しかも、そのために、通過抵抗付与機構28を設けるだけで、糸保持皿35を強制的に開閉させるといった構成は不要となるので、構成を比較的簡単にすることができる。
また、特に本実施形態では、通過抵抗付与機構38を糸切断部材37の近傍に一体的に(一つのユニットとして)配置するようにしたので、通過抵抗付与機構38及び糸切断部材37を面板5aにコンパクトに配置することができる。これと共に、上糸Tを通過抵抗付与機構38の糸通し溝42を通過させて抵抗を付与する動作と、上糸Tを切断させる動作とを、一連の動作で行うことができ、ユーザにとって操作しやすいものとすることができる。さらには、通過抵抗付与機構38を、カバー39(凸部39a)、テンション皿40、コイルばね41等から構成したので、上糸Tに対し所定の抵抗を確実に付与することが可能となるといった利点も得ることができる。
(2)第2、第3の実施形態、その他の実施形態
次に、図8及び図9を参照しながら、本発明の第2の実施形態について述べる。尚、以下に述べる第2、第3の実施形態においては、糸通し装置11を含むミシン本体1全体の基本的構成は、上記第1の実施形態と共通するので、以下、上記第1の実施形態と共通する部分については、同一符号を付して新たな図示や詳しい説明を省略し、上記第1の実施形態と相違する点について述べる。
この第2の実施形態が、上記第1の実施形態と異なるところは、ミシン頭部5の左側面部の面板5aの下辺部(準備位置の糸保持部27よりも左奥側でやや上方)に位置して設けられ、上糸Tが通過される際に該上糸Tに所定の抵抗を付与して糸保持部27の糸保持皿35の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与手段たる通過抵抗付与機構51の構成にある。
即ち、通過抵抗付与機構51は、面板5aの外面にプラスチック製のカバー52を取付けると共に、そのカバー52の内面側に、付勢部材としての板ばね53を設けて構成される。この場合、図9に示すように、カバー52の前端側が、面板5aに対してねじ43により取付けられ、カバー52の内面と面板5aの外面との間には、前端部を除いて糸通し溝54が設けられている。また、カバー52と面板5aとの間には、糸通し溝54に連続する前端側に位置して糸切断部材37の刃部37aが後ろ向きに設けられている。
そして、図9に示すように、前記カバー52の前後方向(Y方向)中間部には、裏面側に若干量だけ凸となる固定部材としての凸部52aが形成されている。前記板ばね53は、前後方向(Y方向)に長い板状をなし、前端が面板5aに固定されると共に、その途中部が台形状に折曲されていて、自らのばね力によって前記凸部52aに対し常に弾性的に圧接(面接触)し、さらに後端側が傾斜する案内面となっている。
これにて、糸通しの準備操作において、ユーザが上糸Tを糸保持部27を通した上で、図8(a)に示すように、上糸Tの先端部を、通過抵抗付与機構51(カバー52)の後方上部まで持っていき、その後、糸通し溝54に上糸Tを差し込みながら前方(矢印D方向)に移動させることにより、上糸Tが凸部52aと板ばね53との間を通過されるようになり、上糸Tに所定の抵抗(テンション)が付与されるようになっている。この抵抗が付与されることによって、上糸Tには、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間に入り込んでいく力が作用するようになるのである。また、上糸Tは、凸部52aと板ばね53との間を通過した後、糸切断部材37により切断される。
このような第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、糸通し装置11を備えたものにあって、面板5aに通過抵抗付与機構51を設けたので、ユーザが糸掛け経路に沿って上糸Tの糸掛け作業を行う準備操作において、上糸Tを糸保持部27に確実に保持させることができ、しかも、そのための構成を比較的簡単にすることができるという優れた効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、通過抵抗付与機構51を糸切断部材37の近傍に一体的に(一つのユニットとして)配置するようにしたので、通過抵抗付与機構51及び糸切断部材37を面板5aにコンパクトに配置することができる。これと共に、上糸Tを通過抵抗付与機構51の糸通し溝54を通過させて抵抗を付与する動作と、上糸Tを切断させる動作とを、一連の動作で行うことができ、ユーザにとって操作しやすいものとなる。通過抵抗付与機構51の部品点数を少なくすることができる利点も得ることができる。
図10及び図11は、本発明の第3の実施形態を示すものであり、やはり、通過抵抗付与手段たる通過抵抗付与機構61の構成が、上記第1の実施形態と異なっている。即ち、通過抵抗付与機構61は、面板5aの外面にプラスチック製のカバー62の前端側をねじ43にて取付けることにより、カバー62の前端側を除く内面と面板5aの外面との間に、糸通し溝63を設けて構成されている。カバー62と面板5aとの間には、糸通し溝53に連続する前端側に位置して糸切断部材37の刃部37aが後ろ向きに設けられている。
このとき、カバー62の内面の中間部には、縦方向に延びる2個の突条部62aが前後(図では左右)に間隔をおいて一体に形成されている。これと共に、面板5aの外面には、前記2個の突条部62aと互い違いになるように、2個の凸部64が形成されている。これにて、糸通し溝63は、2個の突条部62a及び2個の凸部64によって、その溝幅が狭められ、上糸Tを屈曲させながら通過させるジグザグ状の溝として形成されているのである。
これにて、糸通しの準備操作において、ユーザが上糸Tを糸保持部27を通した上で、図10(a)に示すように、上糸Tの先端部を、通過抵抗付与機構61(カバー62)の後方上部まで持っていき、その後、糸通し溝63に上糸Tを差し込みながら前方(矢印D方向)に移動させることにより、上糸Tが2個の突条部62a及び2個の凸部64に順に接触して屈曲させられながら通過するようになり、上糸Tに所定の抵抗(テンション)が付与される。この抵抗が付与されることによって、上糸Tに、糸保持部27のガイド板34と糸保持皿35との間に入り込んでいく力が作用するようになる。
従って、この第3の実施形態によれば、上記第1の実施形態等と同様に、糸通し装置11を備えたものにあって、面板5aに通過抵抗付与機構61を設けたので、ユーザが糸掛け経路に沿って上糸Tの糸掛け作業を行う準備操作において、上糸Tを糸保持部27に確実に保持させることができ、しかも、そのための構成を比較的簡単にすることができるという優れた効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、通過抵抗付与機構61を糸切断部材37の近傍に一体的に(一つのユニットとして)配置するようにしたので、通過抵抗付与機構61及び糸切断部材37を面板5aにコンパクトに配置することができる。これと共に、上糸Tを通過抵抗付与機構61の糸通し溝63を通過させて抵抗を付与する動作と、上糸Tを切断させる動作とを、一連の動作で行うことができ、ユーザにとって操作しやすいものとなる。さらに、通過抵抗付与機構61の部品点数をより少なくすることができる。
尚、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な拡張、変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、通過抵抗付与機構を横向き(前後方向)に設けるようにしたが、縦向き(上下方向)に設けるようにしても良い。この場合、糸通し溝を上下方向に延びるように設け、その中間に抵抗を付与する部分を設け、下端部に上向きの糸切断部材を設け、糸保持部を通した上糸を、糸通し溝に対し後方上部から手前側下方に向けて差込み、抵抗付与部分を通過させ、糸切断部材にて切断するように構成することができる。要するに、通過抵抗付与手段としては、糸保持部を通した後の上糸を、一旦、後方にもって行きその後Uターンさせるようにし、その際に抵抗を付与するような構成とすれば良く、様々な構成を採用することが可能である。
また、第3の実施形態において、2個の突条部62aと2個の凸部64の夫々の高さや配置の間隔を適宜変更することで、上糸Tに付与する通過抵抗を簡単に変更することができる。
また、2個の突条部62aの先端部が、面板5aとほぼ接するようにしてもよい。この場合、プラスチック製のカバー62自体の可撓性を利用して、上糸Tが通過する際に通過抵抗を付与することができる。
また、上記各実施形態では、糸保持部27(糸保持皿35)の上糸の挟持面を水平状に配置するようにしたが、例えば左側を上にするようにやや傾けた構成としても良い。その他、通過抵抗付与手段と糸切断部材とを別の(離れた)位置に設けるようにしても良く、さらには、糸通し機構11の具体的な構成についても種々の変更が可能であり、例えばモータ等を駆動源として電動で糸通し軸を上下動させる構成としても良いなど、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の実施形態に係るミシンの正面図 ミシン頭部の内部構成を示す縦断正面図 糸通し時の糸通しフックの動作を説明するための拡大斜視図 糸保持部の構成を示す縦断左側面図(図5のIV−IV線に沿う断面図) 糸通し機構部部分の正面図 ミシン頭部の左側面図(a)及び通過抵抗付与機構部分の底面図(b) 通過抵抗付与機構部分の横断底面図(図6のVII−VII線に沿う断面図) 本発明の第2の実施形態を示す図6相当図 図7相当図(図8のIX−IX線に沿う断面図) 本発明の第3の実施形態を示す図6相当図 図7相当図(図10のXI−XI線に沿う断面図)
符号の説明
1 ミシン本体
5 ミシン頭部
5a 面板
6 針棒
7 縫針
7a 目孔
11 糸通し装置
21 針棒糸案内
24 糸通し機構部
25 糸通しフック
26 糸案内部材
27 糸保持部
34 ガイド板
35 糸保持皿
37 糸切断部材
38 通過抵抗付与機構(通過抵抗付与手段)
39 カバー
39a 凸部(固定部材)
40 テンション皿(可動部材)
41 コイルばね(付勢部材)
42 糸通し溝
51 通過抵抗付与機構(通過抵抗付与手段)
52 カバー
52a 凸部(固定部材)
53 板ばね(弾性部材)
54 糸通し溝
61 通過抵抗付与機構(通過抵抗付与手段)
62 カバー
62a 突条部
63 糸通し溝
64 凸部

Claims (5)

  1. ミシン頭部に、上糸供給源から引出され所定の糸掛け経路に沿ってセットされた上糸を、針棒の下端部に装着された縫針の目孔に通すための糸通し装置を備えると共に、
    前記ミシン頭部の外面を覆う面板に、前記糸掛け経路を通した後の上糸の先端部を、糸通しに適切な長さとなるように切断するための糸切断部材を備え、
    ユーザにより、前記糸掛け経路に沿って順に前記上糸の糸掛けが行われた後に、前記糸切断部材を用いてその先端を切断する準備操作が行われた状態で、前記糸通し装置による糸通し動作を可能としたミシンであって、
    前記糸掛け経路には、前記上糸を糸保持皿によって挟んで保持する糸保持部が設けられており、前記ユーザによる糸掛けの操作には、前記糸保持部の糸保持皿の外周側から内周側に向けて前記上糸の途中部を差込むように通すことが含まれていると共に、
    前記糸掛け経路上における前記糸保持部よりも下流で且つ前記糸切断部材よりも上流に位置して、前記上糸が通過される際に該上糸に所定の抵抗を付与して前記糸保持部の糸保持皿の内周側まで入り込ませるための通過抵抗付与手段が設けられていることを特徴とするミシン。
  2. 前記通過抵抗付与手段は、前記面板の前記糸切断部材の近傍に位置して設けられていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記通過抵抗付与手段は、前記ミシン頭部に設けられた固定部材と、この固定部材に対して接離方向に変位可能に設けられた可動部材と、この可動部材を前記固定部材に対して圧接する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記固定部材と前記可動部材との間を前記上糸が通過されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記通過抵抗付与手段は、前記ミシン頭部に設けられた固定部材と、この固定部材に対して弾性的に圧接する弾性部材とを備え、前記固定部材と前記弾性部材との間を前記上糸が通過されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  5. 前記通過抵抗付与手段は、前記ミシン頭部に設けられ、前記上糸が差込まれることにより、該上糸を屈曲させながら通過させるジグザグ状の溝から構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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