JPH0771596B2 - ミシンの糸通し装置 - Google Patents

ミシンの糸通し装置

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JPH0771596B2
JPH0771596B2 JP61233813A JP23381386A JPH0771596B2 JP H0771596 B2 JPH0771596 B2 JP H0771596B2 JP 61233813 A JP61233813 A JP 61233813A JP 23381386 A JP23381386 A JP 23381386A JP H0771596 B2 JPH0771596 B2 JP H0771596B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ミシンの糸通し装置に関し、更に詳しく
は、縫針の目孔に進入させた糸通しフックにより目孔付
近に位置する縫糸を捕捉し、所要のタイミングでこの糸
通しフックを後退させて、前記縫糸を該フックと共に目
孔から引出すよう構成した糸通し装置を使用するに際
し、糸通し操作に連動して縫糸を縫針の目孔付近で自動
的に緊張させて、操作者が縫糸を引張り保持する必要を
なくし、また前記目孔から糸通しフックが退避するのに
調時して前記縫糸を弛緩させて、目孔からの縫糸の円滑
かつ確実な引出しを実現するようにして、糸通し操作の
簡略化を図ったミシンノ糸通し装置に関するものであ
る。
従来技術 ミシンによる縫製の準備に際して、上糸となる縫糸を縫
針の目孔に自動的に糸通しするようにした装置が実用化
されており、例えば本件出願人の提案に係る考案「自動
糸通し装置を備えたミシン」が、実公昭54−43878号と
して開示されている。この種の糸通し装置は、軸方向移
動および所定中心角での回動可能な糸通し軸をミシンの
針棒と平行に備え、この糸通し軸の下端部に設けた糸通
し用フックを下降および回動させて縫針の目孔に進入さ
せ、該フックに縫糸を捕捉させた後に、前記糸通し軸を
反転させてフックを目孔から抜出することにより、該フ
ックと共に縫糸を目孔から引出して糸通しを達成するよ
うになっている。
発明が解決しようとする問題点 前述した自動糸通し装置を備えたミシンは、縫針の目孔
への糸通しを極めて容易なものとし、縫製の準備作業を
簡便化した点において高く評価し得るものである。しか
しこの糸通し装置であっても、実際に使用すると操作面
から更に再考を要する点が少なくない。そこでこの点を
確認するため、従来の糸通し装置により実際に糸通しを
行なう際の手順を、第11図(a)〜(c)を参照して再
現すると以下の通りである。
例えば、第11図(a)に示す自動糸通し装置を備えたミ
シンにおいて、縫針21の目孔に縫糸23を自動に挿通させ
るためには、ミシン頭部24に設けた操作手段25を左手指
により押し下げて、この操作手段25に内部で連動する糸
通し軸26を所要距離だけ下降させる。その下降が停止し
た後に、糸通し軸26は所要中心角だけ軸周りに水平に会
同し、軸下端部に設けた糸通しフック27を縫針21の目孔
22に進入させる(第11図(b)のサークルCLで囲んだ拡
大図参照)。
次いで操作手段25に対する左手指による押圧力は加えた
状態のままで、糸供給源(図示せず)から下方に引出し
た縫糸23を右手により保持し、この縫糸23を針棒28に設
けた糸案内29に掛けた後、第11図(b)に示すように糸
通し軸26の下端に設けた糸掛片30に引掛け、そのまま右
方に引張って、サークルCLの拡大図に示す如く縫針21の
目孔22から延出する糸通しフック27に当てがい、このま
まの状態で緊張させおく。
そこで左手指により前記操作手段25に加えていた押圧力
を解除して、内蔵の弾性部材の弾力復帰作用下に糸通し
軸26を反転させると、糸通しフック27は縫針21の目孔22
から退避する。このとき第11図(c)に示すように、糸
通しフック27に捕捉された縫糸23は、該フックと共に目
孔22から引出される。なお操作手段25に対する押圧力を
解除して糸通しフック27を反転させる際には、右手で緊
張保持していた縫糸23を、タイミングを見計って僅かに
弛緩させて、目孔22からの縫糸23の円滑な引出しを補助
してやる必要がある。
このように従来の自動糸通し装置の操作に際しては、操
作者は左手で操作手段25を押し下げて糸通しフック27を
縫糸21の目孔22に進入させ、引続き押し下げ力を与えて
その状態を保持すると共に、右手で引張って緊張を与え
た縫糸23を、目孔2から延出する糸通しフック27に当て
がい、次いで左手を放して操作手段を反転上昇させると
共に、これに調時して右手による縫糸の緊張を緩める操
作が必要であった。従って糸通し操作に際して両手を使
わなければならず、しかも糸通しフックが目孔から退避
する際に縫糸を弛緩させるタイミングに微妙な経験を要
していた。
発明の目的 この発明は、前述したミシンの糸通し装置に内在してい
る欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたも
のであって、糸通し装置に連動する操作手段を片手で操
作するだけで、縫針の目孔に進入した糸通しフックの付
近で縫糸が自動的に緊張して該フックによる捕捉を可能
とし、また糸通しフックが反転して目孔から後退する際
に自動的に縫糸の弛緩が行なわれて、該フックに捕捉さ
れた縫糸の目孔からの引出しを確実にして、操作者が両
手を使う必要製を解消し、併せて緊張保持した縫糸を所
要のタイミング弛緩させる経験と勘に頼る人為的操作を
なくした糸通し装置を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 前述の問題点を克服し、所期の目的を好適に達成するた
め本発明は、上下動可能な縫針の目孔に対して進退可能
に形成され、その目孔付近に供給される縫糸を捕捉し得
る糸通しフックと、縫針の目孔から離隔した上方位置と
その目孔に近接した下方位置との間で糸通しフックが上
下動し得ると共に、その下方位置において縫針の目孔に
対して進退し得るように糸通しフックを支持するフック
支持手段と、糸通しフックの上下動およびその進退動作
のために操作可能な操作手段とを備えたミシンの糸通し
装置において、 糸通しフックに近接して配置され、前記縫針の目孔へ糸
通しされる前の縫糸を係止して一対となる糸係止部材
と、 その両糸係止部材が互いに接近する接近状態と、縫針の
両側に離隔した離隔状態との間で変化し得るように、両
糸係止部材の少なくとも一方を縫針の上下動方向と交差
する方向に移動可能に支持する糸係止支持手段と、 糸通しフックを上方位置から降下させて縫針の目孔に進
入させるための操作手段の作動と関連して両糸係止部材
を離隔状態に変化させ、また糸通しフックを縫針の目孔
から退避させるための操作手段の作動と関連して両糸係
止部材を接近状態に変化させるために前記操作手段と糸
係止支持手段とを作動的に連結する連結手段とを設けた
ことを特徴とする。
作用 この構成に係るミシンの糸通し装置によれば、縫糸を一
対の糸係止部材に係止保持させた後に、縫針の目孔へ糸
通しを行なうに先立ち、操作手段を操作して糸通しフッ
クを縫針の目孔に進入させると、これに連動して両糸係
止部材は、前記縫糸を保持したまま少なくともその一方
が離隔的に移動して、目孔から延出した糸通しフックの
付近で縫糸を緊張させる。次いで糸通しフックを縫針の
目孔から退避させるべく操作手段を操作すると、これに
調時して両糸係止部材が相対的に接近し、先程まで緊張
保持していた縫糸を弛緩させる。このため目孔から退避
する際に糸通しフックにより捕捉された縫糸は、そのま
ま円滑に前記目孔から該フックと共に引出される。
実施例 次に本発明に係るミシンの糸通し装置につき、好適な実
施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
なお実施例としては、第1図〜第6図に示す型式および
第7図〜第10図に示す型式が考えられるので、夫々の例
につき項を別けて説明する。
(糸通し装置の基本構造について) 本発明の実施例に係る糸通し装置は、一般的な糸通し装
置を基礎とするものであるので、実施例装置の特徴事項
の説明に先立ち、糸通し装置の基本構造を概略的に説明
する。第1図におい符号31は針棒台を示し、この針棒台
31に針棒28が上下動可能に挿通支持され、この針棒28は
図示しないミシン主軸にクランク結合して、所要の上下
動が与えられるようになっている。針棒28には線材を折
曲形成した糸案内29が固定されると共に、針棒下端部に
は、針抱き32を介して縫針21が着脱自在に固定されてい
る。
針棒台31には、第6図に示すように、前記針棒28と平行
に糸通し軸26が上下動可能に挿通支持され、この糸通し
軸26の下端部に硬質合成樹脂を材質とするフック保持部
材33が固定されている。このフック保持部材33の側部に
は、殊に第3図および第5図に明確に示すように、水平
に延出して略直角に内方へ折曲する糸通しフック27およ
びこの糸通しフック27を挟んで両側に位置するフック保
護部材34,34が取付けられている。
また第11図(a)に示す従来装置においては、ミシン頭
部24に垂直に開設したスリット24aに操作手段25が上下
動可能に配設されているが、本実施例においても従来装
置の操作手段25と同様な操作手段25に作動連結された半
円筒状のスライダ35に、前記糸通し軸26の上端部が、所
要長の上下動および所要中心角の回動可能に挿通されて
いる。該糸通し軸26にはピン36が直角に挿通固定され、
このピン36は、前記スライダ35に斜め螺旋状に穿設した
スロット37に挿通されると共に、該スライダ35の裏面側
に所定寸法だけ水平に延出して、後述のストッパ42に当
接可能になっている。
前記スライダ35とこ糸通し軸26のピン36との間には、弾
性部材としての圧縮コイルばね38が介装され、糸通し軸
26に対してスライダ35を常に上方に持上げ付勢してい
る。またスライダ35と針棒台軸39に挿通したばね掛け40
との間には、引張コイルばね41が弾力的に張設され、前
記スライダ35およびこれに挿通した糸通し軸26をこの引
張コイルばね41によって常時上方へ持上げ付勢してい
る。
針棒28の適宜位置にはストッパ42が固定されていて、前
記操作手段25を操作してスライダ35および糸通し軸26を
引張コイルばね41の弾力に抗して所定距離降下させる
と、前記ピン36がこのストッパに当接して糸通し軸26の
下降を阻止する。このとき糸通しフック27の先端は、縫
針21の目孔22に指向するレベルに到来するよう、予め位
置決めがなされている。このように糸通し軸26の下降が
阻止された後に、操作手段25の操作を更に継続すると、
スライダ35はピン36との間に介挿した前記圧縮コイルば
ね38を圧縮しつつ降下し、これにより前記螺旋の一部を
なすスロット37に挿通されたピン36を案内付勢して、前
記糸通し軸26を時計方向に所要中心角だけ回動させるに
至る。これにより糸通しフック27は、第5図は示すよう
に縫針21の目孔22に進入する。従って縫針21の目孔22の
付近に、第11図(b)に示す如く、縫糸23を供給して緊
張保持しておけば、この目孔22から延出する糸通しフッ
ク27は当該縫糸23を捕捉可能となる。
また操作手段25に対する押し下げ力を解除すると、前記
圧縮コイルばね38の復帰弾力によりスライダ35は糸通し
軸26に対して上昇し、前記スロット37とピン36との案内
作用下に糸通し軸26を反時計方向に回動させ、これによ
り糸通しフック27を目孔22から退避させる。次いで前記
引針コイルばね41の復帰弾力によ、スライダ3は糸通し
軸26と共に原位置に上昇復帰する。この糸通しフック27
の目孔22からの退避時に、縫糸23は第11図(c)に示す
ように目孔22から引出されて糸通しが達成される。この
ように前記糸通しフック27は、フック保持部材33,糸通
し軸26,ピン36およびスライダ35等の部材からなるフッ
ク支持手段により支持されて、縫針21の目孔22から離隔
した上方位置との目孔22に近接した下方位置との間で上
下動し得ると共に、その下方位置において前記目孔22に
対して進退移動し得るようになっている。
(第1実施例について) 第1図〜第6図は、本発明に係る糸通し装置の好適な第
1の実施例を示すものであって、前述した糸通し装置と
しての基本的な構造は全て備えている。従って既出の部
材に関しては、その部材名および符号を使用する。この
糸通し装置は、糸通し軸26の下端部に設けた糸通しフッ
ク27に近接して配置した一対の糸係止部材43,44を備
え、これら両糸係止部材43,44は前記操作手段25の操作
に連動して、互いに接近して位置する接近状態と、縫針
21の両側に離隔的に位置して両部材間に縫糸23を緊張保
持する離隔状態とを選択的にとり得るようになってい
る。
すなわち第1図に示すように、針棒台31にはトラニオン
状の支持枠45が垂直に固定され、この支持枠45に前記糸
通し軸26と平行な支持棒46が上下動可能に挿通支持され
ている。前記支持棒46の下端部は、不等辺の偏平状三角
形からなるガイド板47に、その鈍角部において固定さ
れ、このガイド板47の一方の鋭角部に前記糸通し軸26が
挿通されるようになっている。この糸通し軸26は、その
軸に嵌挿したEリング48と後述の第1リンク板49とによ
り、前記ガイド板47を挟んで上下から位置規制される結
果として、このガイド板47に固定保持される。従って操
作手段25の操作により糸通し軸26が上下動すると、これ
に伴に前記ガイド板47および支持棒46も一体的に上下動
する。
ガイド板47には、所要長のガイドスロット47aが穿設さ
れ、このガイドスロット47a中にリンク機構の一部を構
成するリンクピン51が摺動自在に挿通されて、所要のリ
ンク運動を付与し得るようになっている。例えば第1図
および第3図に示すように、糸通し軸26の下端部には、
前記フック保持部材33を上下から挟み、かつ糸通し軸26
に対しては回動可能にリンクレバー52が挿通支持され
て、そのレバー片を水平に延出させている。このレバー
片にはピン53が垂直に突設され、このピン53は第1リン
ク板49の一端部に穿設した通孔49aに挿通されるように
なっている。なおリンクレバー52における前記ピン53の
突設側と反対の位置に、図形形状の第1糸係止部材43が
取付けられる。この第1糸係止部材43には、後述する如
く、縫針21の目孔22へ糸通しされる前の縫糸23が挿入係
止されるスリット43aと縫糸23を円滑にこのスリット43a
に案内するための垂下片43bと形成がされている。従っ
て前記リンクレバー52は、第1糸係止部材43を支持する
部材であるから、「糸係止支持手段」とも云うことがで
きる。
前記フック保持部材33には、第1図および第3図に示す
ように、所要方向に水平に延出する突出片54が一体的に
形成され、この突出片54に垂直に穿設した通孔54a中
に、第2リンク板50の一端部に突設されて垂下するピン
55が挿通されるようになっている。この第2リンク板50
の他端部に垂直に突設した前記リンクピン51は、第1リ
ンク板49の他端部に穿設した通孔49bに挿通された後、
更にガイド板47に穿設したガイドスロット47aに挿通さ
れている。また前記突出片54の外側位置には、図示形状
の第2糸係止部材44が一体的に形成されている。
この第2糸係止部材44は、殊に第2図および第4図に示
すように、V形谷溝44aとのその溝底部に形成したスリ
ット44bとを有し、このスリット44中に、後述する如
く、縫針21の目孔22へ糸通しされる前の縫糸23を強制に
嵌挿して係止させ得るようになっている。従って前記突
出片54は、第2糸係止部材44を支持する部材であるか
ら、これも「糸係止支持手段」と云うことができる。
このように、リンクピン51により共通的に枢支される第
1リンク板49および第2リンク板50と、この第1リンク
板49にピン53を介して連結するリンクレバー52と、第2
リンク板50にピン55を介して連結する突出片54とによっ
てリンク機構が構成される。なお前記の第1リンク板4
9,第2リンク板50,リンクピン51およびガイドスロット4
7aを有するガイド板47は、前記操作手段25と前述の糸係
止支持手段(リンクレバー5と突出片54)とを作動的に
連結するものであるから、「連結手段」とも云うことが
できる。そしてガイドスロット47a中に臨むリンクピン5
1によって前記リンク機構に、後述のリンク運動、すな
わち両糸係止部材43,44が互いに接近する接近状態
と、縫針21の両側に離隔した離隔状態との間で変化し
得る動きが付与される。
例えば操作手段25を操作する前の状態における前記リン
ク機構では、リンクレバー52および突出片54は第2図お
よび第3図に示す状態にあり、従って第1糸係止部材43
および第2糸係止部材44は相互に接近している。なお両
糸係止部材43,44は、前記スライダ35とピン36との間に
介挿した圧縮コイルばね38の弾力により、接近状態に常
に付勢されている。
次いで前記糸通し軸26を回動させて、フック保持部材33
に一体形成した突出片5をその軸26と共に回動させれ
ば、その動きは突出片54(第2糸係止部材44が設けられ
ている)→ピン55を介して連結した第2リンク板50→リ
ンクピン51を介して連結した第1リンク板49→ピン53を
介して連結したリンクレバー52(第1糸係止部材43が設
けられている)の順で伝達される。このとき前記リンク
ピン51は、ガイドスロット47a中に臨んでその移動方向
を規制されているため、前記リンク機構に所要のリンク
運動を付与することとなり、第5図に示すように、第1
糸係止部材43および第2糸係止部材44を縫針21の上下動
方向と交差する方向に移動させて、縫針21の両側に相互
に離隔させるに至る。
(第1実施例の作用) 次に、このように構成した第1実施例に係る糸通し装置
の使用につき説明する。操作手段25を操作する以前の状
態では、第2図に示すように、糸通し軸26はガイド板47
と共に所定の上方位置に停止して、縫糸23の係止を待機
している。糸通し軸26の下端部に設けた糸通しフック27
も、縫針21の目孔22より上方の所定位置に停止し、また
両糸係止部材43,44は、第3図に示すように縫針21の側
方において相互に接近した状態を保持している。
この状態で縫糸23を図示しない糸供給源から下方に引出
し、針抱き32付近の針棒28に固着した糸案内29に掛けた
後、第1糸係止部材43の垂下片43b越しに前記スリット4
3aに挿通させる。この縫糸23はスリット43aから更に水
平に左方に引出し、第2糸係止部材44に形成したスリッ
ト44b中に強制に嵌入させて係止保持を行なう。これに
より両糸係止部材43,44の間には、第3図に示すよう
に、前記縫針21の目孔22へ糸通しされる前の縫糸23が弛
緩状態で掛け渡されたことになる。
次いで操作者は、操作手段25を左手で押し下げると、前
述した如くスライダ35は引張コイルばね41の弾力に抗し
て糸通し軸26と共に下降し、前記ピン36がストッパ42に
当接したところで停止して、糸通しフック27を縫針21に
目孔22のレベルに位置にさせる。このとき糸通し軸26の
下端部に関係的に配置され、夫々糸係止部材43,44を支
持した糸係止支持手段(リンクレバー52,突出片54)
も、糸通しフック27と共に下降する。前述した如くピン
36がストッパ42に当接した状態では、未だ糸通し軸26に
回動は与えられていないため、糸通しフック27による目
孔22への進入は未だ開始していない。また第3図に示す
ように、両糸係止部材43,44は接近状態にあって、縫糸2
3は弛緩状態になっている。
操作手段25を更に下方に押圧操作すると、スライダ35は
圧縮コイルばね38の弾力に抗して糸通し軸26に対して下
降し、該スライダ35に形成した螺旋状スロット37とピン
36との係合作用下に、糸通し軸26に時計方向への回動力
が付与される。このため糸通しフック27は、第5図に示
すように矢印HA方向に回動して、縫針21の目孔22に進入
して停止する。また糸通し軸26の回動により、この軸に
固定したフック保持部材33も時計方向に回動する。この
ため突出片54およびこれに配設した第2糸係止部材44も
時計方向(矢印HA)に回動し、この突出片54に連結した
前記リンク機構をリンク作動させる。
このときリンクピ51はガイド板47のガイドスロット47a
に臨んでいるので、前述したように、リンクピン51は第
1リンク板49をガイドスロット47aに沿って移動させ、
従って第1リンク板49にピン53を介して連結するリンク
レバー52を、第5図において反時計方向(矢印HB)に回
動させる。従ってこのリンクレバー52に固定した第1糸
係止部材43も反時計方向(矢印HC)方向に回動する。こ
れにより第1糸係止部材43および第2糸係止部材44は、
縫針21の上下動方向と交差する方向に移動して、縫針21
の両側に相互に離隔することになり、両部材に係止した
縫糸23を緊張状態で保持するに至る。この緊張保持した
縫糸23は、第5図に示す如くリンクレバー52の一部52a
に当接して更に緊張され、この状態で縫針21の目孔22か
ら延出している糸通しフック27に係合される。
次いで操作手段25に対する押圧力を解除すれば、前記圧
縮コイルばね38の復帰作用により糸通し軸26はスライダ
35に対して反時計方向に回動する。これにより縫針21の
目孔22に進入していた糸通しフック27は退避し、該フッ
クに係合していた縫糸23を捕捉して目孔22から引出す。
このとき糸通し軸26に設けた突出片54も反転し、前記リ
ンク機構を逆作動させて、両糸係止部材43,44を再び接
近させることにより、両部材の間に保持した縫糸23を徐
々に弛緩させる。従って糸通しフック27により捕捉され
た縫糸は、該フックの目孔22からの退避に伴ない円滑に
引出される。またスライダ35は、引張コイルばね41の復
帰弾力により、糸通し軸26と共に上方の原位置に向けて
上昇する。
(第2実施例について) 第7図〜第10図は、本発明に係る糸通し装置の好適な第
2の実施例を示すものであって、基本的な構造は第1実
施例に関連して説明したところと同一である。従って同
一部材は同じ参照符号で示して、その構成の説明は省略
する。この第2実施例では、第2糸係止部材44における
縫糸23の係止構造が異なっている。すなわち前記リンク
機構の一部を構成する第2リンク板50の裏面にスポンジ
の如きパッド56が固定され、このパッド56のテーパ先端
部56aは第2糸係止部材44に係合当接および離脱可能に
なっている。
例えば操作手段25に押圧力に加えていない状態では、第
1実施例の場合と同様に、第8図(b)に示すように両
糸係止部材43,44は相互に接近しており、このとき第2
リンク板50に設けた前記パッド56は第2糸係止部材44か
ら離間している。この状態で縫糸23を第1糸係止部材43
(第1実施例の第1糸係止部材とは形状が相違している
が、何れの形状であってもよい)に係止させた後、第2
糸係止部材44のスリット44b中に縫糸23を挿通させるこ
とにより、前記縫針21の目孔22へ糸通しされる前に当該
縫糸23は、両糸係止部材43,44の間に弛緩的に掛け渡さ
れる。
この状態で操作手段25を片手で押圧操作して下降させれ
ば、前述の如く糸通し軸26が降下して糸通しフック27を
縫針21の目孔22と同じレベルにまで位置させ、次いでス
ライダ35に設けたスロット37とピン36との係合作用下に
糸通し軸26が回動する。これにより第10図(b)に示す
ように、糸通しフック27は水平に回動して目孔22に進入
するが、これと共に前記リンク機構のリンク作用下に両
糸係止部材43,44は、縫針21の両側に離隔する位置にま
で移動する。このとき第2リンク板50の設けたパッド56
のテーパ先端56aは、第10図(b)に示すように第2糸
係止部材44のスリット44bにまで接近し、縫糸23をテー
パ先端部とスリット基部との間で押圧して確実に保持す
る。従って両糸係止部材43,44の間で縫糸23は緊張保持
され、目孔22から延出する糸通しフック27に係合可能と
なる。以後の操作と両糸係止部材43,44の動きは、前述
した第1実施例の場合と全く同じであるので、説明は省
略する。
なお第1実施例および第2実施例では、何れも両糸係止
部材が縫針の上下動方向と交差する方向に移動する構成
になっているが、これに限定されるものではない。従っ
て両糸係止部材の少なくとも一方の糸係止部材だけが、
縫針の上下動方向と交差する方向に移動して、結果的に
両糸係止部材に係止した縫糸を緊張させる如き構造とし
てもよい。また第1実施例および第2実施例では、操作
手段として図示の如き押下げレバー式のものを使用し、
該レバーの手動操作による押下げにより、2つの糸係止
部材の離隔・接近動作を選択的に行なわせるようにした
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
前記2つの糸係止部材を付勢して離隔・接近動作させる
手段としてモータ等のアクチュエータを使用し、前記操
作手段は該アクチュエータをオン・オフ動作させる一種
の操作ボタンとするようにしてもよい。
発明の効果 以上説明した如く本発明に係る糸通し装置によれば、糸
通しフックを上方位置から降下させて縫針の目孔に進入
させるべく、操作手段を操作すると、これに連動して両
糸係止部材の少なくとも一方が縫針の上下動方向に対し
交差する方向に移動して、一対の糸係止部材を離隔状態
に変化させる。従って、縫針の目孔へ糸通しするに先立
って両糸係止部材に係止された縫糸は、縫針の目孔付近
で緊張保持されて、該目孔から延出する糸通しフックに
より係合可能となる。また操作手段の操作により糸通し
フックが縫針の目孔から退避する際には、両糸係止部材
が相互に接近を開始して縫糸は弛緩されるので、当該縫
糸の目孔からの確実な引出しがなされる。従って従来両
手を要していた糸通し作業を片手で容易に行なうことが
でき、また糸を緩めるタイミングにつき経験や勘を必要
としないため初心者にも作業を簡単になし得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は、本発明に係るミシンの糸通し装置の
第1実施例を示すものであって、第1図は実施例に係る
糸通し装置の一部を分解して示す斜視図、第2図は実施
例に係る装置に設けた両糸係止部材に縫糸を係止させた
状態での一部切欠側面図であって、操作手段を操作する
前の状態で示し、第3図は第2図の3−3線方向から観
察した両糸係止部材の拡大平面図、第4図は実施例に係
る装置に設けた両糸係止部材に縫糸を係止させた状態で
の一部切欠側面図であって、操作手段を操作した後の状
態で示し、第5図は第4図の5−5線方向から観察した
両糸係止部材の拡大平面図、第6図は第1図に示す糸通
し装置を備えたミシンの頭部を示す透視図であり、 第7図〜第10図は本発明に係るミシンの糸通し装置の第
2実施例を示すものであって、第7図は実施例に係る装
置に設けた両糸係止部材に縫糸を係止させた状態での側
面図あって、操作手段を操作する前の状態で示し、第8
図(a)は第7図に示す状態での糸通し装置の要部拡大
斜視図、第8図(b)は第7図の8(b)−8(b)線
方向から観察した両糸係止部材の底面図、第9図は実施
例に係る装置に設けた両糸係止部材に縫糸を係止させた
状態での側面図であって、操作手段を操作した後の状態
で示し、第10図(a)は第9図に示す状態での糸通し装
置の要部拡大斜視図、第10図(b)は第9図の10(b)
−10(b)線方向から観察した両糸係止部材の底面図、
第11図(a)〜(c)は従来の糸通し装置による糸通信
操作の手順を示す説明図である。 21……縫針、22……目孔 23……縫糸、25……操作手段 26……糸通し軸、27……糸通しフック 33……フック保持部材、35……スライダ 36……ピン 38……弾性手段(圧縮コイルばね) 43,44……糸係止部材 47……ガイド板、49……第1リンク板 50……第2リンク板 52……糸係止支持手段(リンクレバー) 54……糸係止支持手段(突出片)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下動可能な縫針(21)の目孔(22)に対
    して進退可能に形成され、その目孔(22)付近に供給さ
    れる縫糸(23)を捕捉し得る糸通しフック(27)と、縫
    針(21)の目孔(22)から離隔した上方位置とその目孔
    (22)に近接した下方位置との間で糸通しフック(27)
    が上下動し得ると共に、その下方位置において縫針(2
    1)の目孔(22)に対して進退し得るように糸通しフッ
    ク(27)を支持するフック支持手段(26,33,35,36)
    と、糸通しフック(27)の上下動およびその進退動作の
    ために操作可能な操作手段(25)とを備えたミシンの糸
    通し装置において、 糸通しフック(27)に近接して配置され、前記縫針(2
    1)の目孔(22)へ糸通しされる前の縫糸(23)を係止
    して一対となる糸係止部材(43,44)と、 その両糸係止部材(43,44)が互いに接近する接近状態
    と、縫針(21)の両側に離隔した離隔状態との間で変化
    し得るように、両糸係止部材(43,44)の少なくとも一
    方を縫針(21)の上下動方向と交差する方向に移動可能
    に支持する糸係止支持手段(52,54)と、 糸通しフック(27)を上方位置から降下させて縫針(2
    1)の目孔(22)に進入させるための操作手段(25)の
    作動と関連して両糸係止部材(43,44)を離隔状態に変
    化させ、また糸通しフック(27)を縫針(21)の目孔
    (22)から退避させるための操作手段(25)の作動と関
    連して両糸係止部材(43,44)を接近状態に変化させる
    ために前記操作手段(25)と糸係止支持手段(52,54)
    とを作動的に連結する連結手段(47,49,50,51)と を設けたことを特徴とするミシンの糸通し装置。
  2. 【請求項2】前記両糸係止部材(43,44)は、接近状態
    になるように弾性部材(38)により常時付勢されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のミシンの
    糸通し装置。
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