JP2732916B2 - 樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂封止型半導体装置に係り、特にそのチ
ップコーナ部の構造に関するものである。
(従来の技術) 従来、このような分野の技術としては、例えば以下に
示すようなものがあった。
第3図はかかる従来の樹脂封止型半導体装置のチップ
コーナ部のメタル配線を示す平面図である。
この図に示すように、半導体チップ1のコーナ部には
メタル配線5が形成される。ところで、従来の樹脂封止
型半導体装置においては、第4図に示すように、プラス
チック樹脂3と半導体チップ1との熱膨張係数の差によ
り、ダイスボンドフレーム2上の半導体チップ1の四隅
から中心方向にかけて、非常に大きな応力4がかかる。
この応力4により、半導体チップ1のコーナ部のパッシ
ベーション膜にクラックが発生したり、第5図に示すよ
うに、パッシベーション膜14下の配線層12が半導体チッ
プ1の内部方向に移動するという現象が起こる。これに
より発生したパッシベーション膜14のクラック部15を介
して外部から水分が浸入し、Alが腐食したり、第6図に
示すように、移動した配線層13が隣接する他の配線層16
との間のパッシベーション膜14をも破壊し、電気的に短
絡し、電気的不良となるといった問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように、上記した従来の樹脂封止型半導体装置で
は、パッケージに用いる樹脂自体の応力が樹脂と接して
いるパッシベーション膜に直接作用する。特に、半導体
チップのコーナ部では先端に近づくほど、中心部方向へ
の応力がより強く作用する。従って、半導体チップのコ
ーナ部に最も近い、最外周のメタル配線にパッケージク
ラックが発生したり、メタル配線自体が応力に耐えきれ
ず、スライドして断線したり、他のメタル配線に接触
し、ショートするといった問題があった。
本発明は、以上述べたパッシベーション膜のクラック
とメタル配線の断線やショートの問題を除去し、半導体
チップのコーナ部に最も近い、最外周のメタル配線のコ
ーナ部に1本乃至数本のダミー配線を設置し、樹脂によ
る応力をこのダミー配線で受けることにより、内部にあ
るメタル配線に加わる応力を緩和し、その損傷を防止し
得る樹脂封止型半導体装置を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、半導体チップ
にメタル配線が施される樹脂封止型半導体装置におい
て、半導体チップのコーナ部の最外周のメタル配線のコ
ーナ部の外縁部に形成される削除部と、前記メタル配線
と分離されるとともに、該メタル配線のコーナ部の外縁
面に対向して前記削除部に略位置し、かつ該削除部から
はみ出す長さの長丈状のダミー配線を設けるようにした
ものである。
また、上記ダミー配線は複数個設けるようにしたもの
である。
(作用) 本発明によれば、上記のように構成したので、ダミー
配線が封止樹脂による応力に対する防波堤のような働き
をなし、半導体チップのコーナ部の最外周のメタル配線
の損傷を防止し、パッシベーション膜にクラックが生じ
ることはなくなる。
また、ダミー配線は損傷しても、実際のメタル配線に
損傷が波及することはなくなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。
第1図は本発明の実施例を示す樹脂封止型半導体装置
の要部平面図、第2図はその樹脂封止型半導体装置の要
部拡大平面図である。
これらの図に示すように、半導体チップ21のコーナ部
にはメタル配線22が施される。ここで、メタル配線22は
半導体チップ21のコーナ部に最も近い最外周のメタル配
線である。このメタル配線22のコーナ部の外角部に、点
線で示される削除部23を形成する。そして、メタル配線
22とは分離され、かつその削除部23に略位置するように
第1のダミー配線24と第2のダミー配線25とを設ける。
これらの第1,第2のダミー配線24,25は、削除部23から
はみ出す長さを有している。例えば第2図に示すよう
に、メタル配線22の配線幅l1を40μmとすると、メタル
配線が屈曲する頂点Aから寸法l1(例えば40μm)だけ
離れた点B及びB′を結んだ線で、メタル配線22のコー
ナ部を形成する。そして、線分BB′と垂直に点B,B′か
ら寸法l2(例えば5μm)離れた点をC及びC′、寸法
l2+l3(例えば8μm)離れた点を点D,D′とし、点C,
C′、点D,D′で囲まれる長方形状の配線を第1のダミー
配線24(幅l3は3μm)とする。更に、点B,B′から寸
法l2+l3+l4(例えば13μm)離れた点を点E,E′と
し、点B,B′から寸法l2+l3+l4+l5(例えば16μm)
離れた点を点F,F′とする。
また、線分EE′上で点E,E′からそれぞれ寸法l6(例
えば8μm)離れた点を点E1,E1′とする。同様に、線
分FF′上において点F,F′からそれぞれ寸法l6離れた点
をF1,F1′とする。そこで、点E1,E1′、点F1,F1′で囲
まれる長方形状の配線を第2のダミー配線25(幅l5は3
μm)とする。
なお、ダミー配線の数は上記実施例に示したように、
2個に限定されることはない。例えば、第7図に示す様
に、ダミー配線26を1個設けるようにしてもよい。ま
た、第8図に示すように、ダミー配線27,28,29と3個設
けるようにしてもよい。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明によれば、半導
体チップのコーナ部の最外周のメタル配線のコーナ部の
外角部に、前記メタル配線と分離されると共に、前記削
除部に略位置し、かつ該削除部からはみ出す長さの長丈
状のダミー配線を1本乃至数本設けるようにしたので、
封止樹脂からの半導体チップのコーナ部における応力が
低減され、パッシベーションクラックやメタル配線自体
の不良がなくなり、樹脂封止型半導体装置の信頼性及び
品質の向上を図ることができる。
また、このダミー配線はメタル配線の略削除部に形成
されるので、新たな面積を必要とせず、集積密度を低下
させることはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す樹脂封止型半導体装置の
要部平面図、第2図はその樹脂封止型半導体装置の要部
拡大平面図、第3図は従来の樹脂封止型半導体装置のチ
ップコーナ部のメタル配線を示す平面図、第4図は従来
の樹脂封止型半導体装置への応力の印加状態を示す図、
第5図及び第6図は従来の樹脂封止型半導体装置の問題
点説明図、第7図は本発明の他の実施例を示す樹脂封止
型半導体装置の要部平面図、第8図は本発明の更なる他
の実施例を示す樹脂封止型半導体装置の要部平面図であ
る。 21……半導体チップ、22……メタル配線、23……削除
部、24……第1のダミー配線、25……第2のダミー配
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−163841(JP,A) 特開 昭60−1859(JP,A) 特開 昭62−193263(JP,A) 特開 昭63−25951(JP,A) 実開 昭62−112149(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体チップにメタル配線が施される樹脂
    封止型半導体装置において、 (a)前記半導体チップのコーナ部の最外周のメタル配
    線のコーナ部の外縁部に形成される削除部と、 (b)前記メタル配線と分離されるとともに、該メタル
    配線のコーナ部の外縁面に対向して前記削除部に略位置
    し、かつ該削除部からはみ出す長さの長丈状のダミー配
    線を具備することを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂封止型半導体装置にお
    いて、ダミー配線は複数個配設してなる樹脂封止型半導
    体装置。
JP27372389A 1989-10-23 1989-10-23 樹脂封止型半導体装置 Expired - Lifetime JP2732916B2 (ja)

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