JP2724253B2 - 増幅器 - Google Patents

増幅器

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JP2724253B2 JP11101891A JP11101891A JP2724253B2 JP 2724253 B2 JP2724253 B2 JP 2724253B2 JP 11101891 A JP11101891 A JP 11101891A JP 11101891 A JP11101891 A JP 11101891A JP 2724253 B2 JP2724253 B2 JP 2724253B2
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康之 伊藤
直 高木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マイクロ波帯で広帯
域に使用される高出力FET増幅器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図4は例えば、『6−14GHz帯0.
5Wモノリシック増幅器』1989年電子情報通信学会
秋季全国大会、C−363に示された従来の高出力FE
T増幅器の構成図であり、図において、1はソース接地
されたFET(Field Effect Transistor,電界効果トラ
ンジスタ)、13は入力整合回路、14は出力整合回
路、4、5は上気FET1のゲート端子に並列に接続さ
れたインダクタと抵抗である。また、FET1内の18
はゲート・ソース間抵抗(Ri)、19はゲート・ソー
ス間キャパシタンス(Cgs)、20は相互コンダクタ
ンス(gm)、21はドレイン・ソース間キャパシタン
ス(Cds)、22はドレイン・ソース間抵抗(Rd
s)を表わしている。
【0003】次に動作について説明する。図4の高出力
FET増幅器においては、ソース接地されたFET1の
ゲート端子に並列に、上記FET1のゲート・ソース間
抵抗18に等しい値を有する抵抗5と、上記FET1の
ゲート・ソース間抵抗18の2乗と上記FET1のゲー
ト・ソース間キャパシタンス19との積に等しい値を有
するインダクタ4を接続することにより、上記FET1
の入力インピーダンスの周波数特性をなくし、高出力F
ET増幅器の広帯域化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の増幅器
は以上のように構成されているので、ソース接地された
FETのゲート端子に直列のインダクタンスが含まれる
場合、例えば高出力FET増幅器を高い周波数で動作さ
せる場合や、FETのゲート端子と入力整合回路間を金
ワイヤで接続する場合には、等価的にFETのゲート端
子に直列にインダクタンスが入ることになり、入力イン
ピーダンスが誘導性に大きくずれる。従って、直列のイ
ンダクタンスを含むFETのゲート端子に並列に抵抗と
インダクタを接続するだけでは広帯域に亘って整合させ
ることが難しくなり、増幅器の帯域が劣化するという問
題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、この種の増幅器の広帯域化を図
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る増幅器
は、直列のインダクタンスを含んだFETのゲート端子
と接地間に、キャパシタとインダクタより構成される並
列共振回路と抵抗を直列に接続し、上記インダクタの値
を、FETのゲート・ソース間抵抗の2乗とゲート・ソ
ース間キャパシタンスとの積に等しい値とし、上記キャ
パシタの値を、FETのゲート端子に直列に接続された
インダクタンスをFETのゲート・ソース間抵抗の2乗
で除算した値と等しくし、上記抵抗の値を、FETのゲ
ート・ソース間抵抗の値と等しくしたものである。
【0007】
【作用】この発明においては、直列のインダクタンスを
含んだFETのゲート端子から見たFETの入力インピ
ーダンスが周波数に依存せず一定値を示す。
【0008】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本実施例による高出力FET増幅器の構成
図であり、図において、1はソース接地されたFET
で、ゲート端子G、ドレイン端子D、ソース端子Sを有
している。ソース端子Sはバイヤホールまたはワイヤボ
ンディングにより接地される。2,9は上気FET1の
ゲートおよびドレイン端子に直列に接続されるインダク
タ(Li,Lo)、3,4,5は上気FET1のゲート
端子と接地間に接続されるキャパシタ(C),インダク
タ(L)および抵抗(R)である。キャパシタ3とイン
ダクタ4は並列に接続されて共振回路を構成し、この並
列共振回路と直列に抵抗5が接続されている。13は入
力整合回路、14は出力整合回路であり、6,7,8は
上記入力整合回路13を構成する分布定数線路、10,
11,12は上記出力整合回路14を構成する分布定数
線路である。
【0009】次に動作について説明する。ソース接地さ
れたFET1の等価回路は図2の様に表わされるので、
直列のインダクタンスを含んだFET1のゲート端子よ
り見たFET1の入力アドミタンスYin(ω)は、入
力信号の角周波数をωとすると、数1で示される。
【0010】
【数1】
【0011】高出力FET増幅器の場合、FETはかな
り低いインピーダンスを示すため、これをインピーダン
ス変換を行なう目的で1/4波長インピーダンス変成器
がしばしば用いられるが、このためにはYin(ω)が
実数を示す必要がある。従って、数1の虚数部をゼロに
おき、角周波数ωに関する項がゼロという条件を数1に
適用すると数2,3,4に示す関係式が得られる。
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】
【数4】
【0015】数2,3,4を満たすようなL,C,Rの
値を選ぶと、Yin(ω)は数5の様になり、周波数に
無関係な値になる。
【0016】
【数5】
【0017】これにより、数5のFETの入力アドミタ
ンスは入力側に接続される入力整合回路により広帯域に
亘って所望のインピーダンスに整合させることができ
る。
【0018】図3は、図1の構成を実現する増幅器の一
例を示す構造図であり、図において、1はソース接地さ
れたFET、2,9は入出力整合回路とFET1を接続
する金ワイヤによるインダクタ、3,4は並列共振回路
を構成するMIMキャパシタと金ワイヤによるインダク
タ、5は薄膜抵抗、13は入力整合回路、14は出力整
合回路、6,7,8は上記入力整合回路13を構成する
分布定数線路、10,11,12は上記出力整合回路1
4を構成する分布定数線路である。
【0019】このように、本実施例では、ソース接地さ
れたFETのゲート端子に直列のインダクタンスが含ま
れる場合には、そのインダクタンスを含むFETのゲー
ト端子と接地間に、FETゲート・ソース間抵抗の2乗
とゲート・ソース間キャパシタンスの積に等しい値を有
するインダクタと、FETのゲートに直列に接続される
金ワイヤのインダクタンスをFETのゲート・ソース間
抵抗の2乗で除算した値を有するキャパシタとにより構
成される並列共振回路と、FETのゲート・ソース間抵
抗に等しい値を有する抵抗を直列に接続することによ
り、直列のインダクタンスを含んだFETのゲート端子
から見たFETの入力インピーダンスが周波数に依存せ
ず一定値を示すため、広帯域に亘って良好な整合特性が
得られると共に、入力整合回路に用いるインピーダンス
変成器の設計を容易にするという効果がある。
【0020】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、イン
ダクタンスを含むFETのゲート端子と接地間にキャ
パシタとインダクタより構成される並列共振回路と抵抗
を直列に接続し、上記インダクタの値を、FETのゲー
ト・ソース間抵抗の2乗とゲート・ソース間キャパシタ
ンスとの積に等しい値とし、上記キャパシタの値を、F
ETのゲート端子に直列に接続されたインダクタンスを
FETのゲート・ソース間抵抗の2乗で除算した値と等
しくし、上記抵抗の値を、FETのゲート・ソース間抵
抗の値と等しくしたので、広帯域に亘って良好な整合特
性が得られることから、広帯域化が図れ、また、入力整
合回路に用いるインピーダンス変成器の設計を容易にで
きる増幅器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による増幅器の構成図であ
る。
【図2】図1で示したソース接地のFETの等価回路図
である。
【図3】図1で示した増幅器の一例を示す構造図であ
る。
【図4】従来の増幅器の構成図である。
【符号の説明】
1 FET 2 インダクタ 3 キャパシタ 4 インダクタ 5 抵抗 6 分布定数線路 7 分布定数線路 8 分布定数線路 9 インダクタ 10 分布定数線路 11 分布定数線路 12 分布定数線路 13 入力整合回路 14 出力整合回路 18 ゲート・ソース間抵抗 19 ゲート・ソース間キャパシタンス 20 相互コンダクタンス 21 ドレイン・ソース間キャパシタンス 22 ドレイン・ソース間抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 升野 祐之 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 通信機製作所内 (56)参考文献 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集[分冊2],第513頁[講演 番号C−64],1991年3月26日

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース接地されたFETと入力整合回路
    と出力整合回路からなり、上記FETのゲート端子に直
    列のインダクタンスが含まれる増幅器において、 インダクタンスを含むFETのゲート端子と接地間に
    キャパシタとインダクタより構成される並列共振回路と
    抵抗を直列に接続し 上記インダクタの値を、FETのゲート・ソース間抵抗
    の2乗とゲート・ソース間キャパシタンスとの積に等し
    い値とし、上記キャパシタの値を、FETのゲート端子
    に直列に接続されたインダクタンスをFETのゲート・
    ソース間抵抗の2乗で除算した値と等しくし、上記抵抗
    の値を、FETのゲート・ソース間抵抗の値と等しくし
    たことを特徴とする増幅器。
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1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集[分冊2],第513頁[講演番号C−64],1991年3月26日

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