JP3204481B2 - 能動インダクタ - Google Patents

能動インダクタ

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JP3204481B2
JP3204481B2 JP32539694A JP32539694A JP3204481B2 JP 3204481 B2 JP3204481 B2 JP 3204481B2 JP 32539694 A JP32539694 A JP 32539694A JP 32539694 A JP32539694 A JP 32539694A JP 3204481 B2 JP3204481 B2 JP 3204481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランジスタを用いた
小型で広帯域かつ低損失な能動インダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のモノリシックマイクロ波集積回路
(以下「MMIC」という)では、チップサイズの小型
化を目的として、誘電体基板上に金属導体を渦巻状に形
成したスパイラルインダクタが用いられていた。しか
し、このスパイラルインダクタは簡単な構成であるが、
大きなインダクタンス値を得るには形状が大きくなり占
有面積が大きくなる問題点があった。
【0003】これに対して、能動素子であるFETを用
いた能動インダクタが考案されている。能動インダクタ
は、スパイラルインダクタと比較して小型にでき、MM
ICの小型化に適している。図8は、能動インダクタの
第1の従来構成を示す(特公平5−24685号公
報)。
【0004】この能動インダクタは、ソース接地のFE
T31とゲート接地のFET32をカスコード接続し、
FET31のゲート電極GとFET32のドレイン電極
Dとの間に抵抗値Rの抵抗41を接続し、FET32の
ドレイン電極Dとゲート電極Gをインダクタの端子1,
2とした構成になっている。なお、端子1,2間には、
高周波特性におけるインダクタンス値の増大を抑制し、
広い周波数範囲で一定のインダクタンス値に近づける働
きをする抵抗値R0 の抵抗42が接続される。図中のC
は直流電圧阻止用のコンデンサである。このFET回路
は、端子1,2からFET32側をみたインピーダンス
0 が誘導性を示すので能動インダクタとして用いるこ
とができる。
【0005】図9は、能動インダクタの第2の従来構成
を示す(特開平2−205107号公報)。この能動イ
ンダクタは、ソース接地のFET31とゲート接地のF
ET32をカスコード接続し、FET32のドレイン電
極DからFET31のゲート電極Gに一方向の帰還をか
けるゲート接地のFET33を接続し、FET32のド
レイン電極Dとゲート電極Gをインダクタの端子1,2
とした構成になっている。なお、端子1,2間には同様
の抵抗42が接続される。図中のCは直流電圧阻止用の
コンデンサである。このFET回路は、端子1,2から
FET32側をみたインピーダンスZ0 が誘導性を示す
ので能動インダクタとして用いることができる。なお、
本構成は比較的周波数の低いマイクロ波帯で、インピー
ダンスZ0 が概ねインダクタンス成分のみで与えられて
無損失となるので、図8に示す第1の従来構成に比べて
高周波特性が改善される。
【0006】図10は、能動インダクタの第3の従来構
成を示す(特開平2−205107号公報)。この能動
インダクタは、図9に示す第2の従来構成のFET33
による帰還回路の代わりに、ゲート接地したカスコード
接続のFET33,34による帰還回路を接続する。こ
のFET回路は、端子1,2からFET32側をみたイ
ンピーダンスZ0 が誘導性を示すので能動インダクタと
して用いることができる。なお、本構成では、マイクロ
波帯でインピーダンスZ0 がインダクタンス成分と負性
抵抗分のみで与えられる。したがって、端子1,2間に
負性抵抗分を打ち消す抵抗42を接続することにより、
インピーダンスZ0 はインダクタンス成分のみとなり、
無損失な能動インダクタとして動作する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の能動
インダクタの回路構成では、マイクロ波帯、特にFET
の性能が劣化し始める遮断周波数fT の 1/2 以上での
良好な動作が実現できない問題点があった。以下、各従
来構成において、抵抗42がない場合の端子1,2から
FET32側をみたインピーダンスZ0 を求める。
【0008】まず、図8に示す第1の従来構成では、回
路解析を簡単にするために、FET31,32が電気的
に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の空
乏層容量Cgs1 ,Cgs2 と、相互コンダクタンスgm1
gm2のみで表すとすれば、インピーダンスZ0 は、
【0009】
【数1】
【0010】で与えられる。ここで、FETの遮断周波
数fT は、 fT =gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2) とする。同一ウェハ内では、このような遮断周波数fT
が等しい特性を有するFETを容易に構成することがで
きる。等価回路は図11(a) に示すように、抵抗値1/g
m1の抵抗51とインダクタンス値Cgs1R/gm1のインダ
クタ52の直列回路と、静電容量(f/fT)2Cgs1のコンデ
ンサ53が並列に接続された回路と概ね一致する。ただ
し、マイクロ波帯用の短ゲート長のFETを約fT/3以下
の周波数帯で使用すると、(f/fT)2=1/9 <<1となり、
(1) 式の分母の虚数項を無視できるので、抵抗51とイ
ンダクタ52の直列回路となる。このように、端子1,
2からFET32側をみたインピーダンスZ0 が誘導性
を示すので、このFET回路は能動インダクタとして動
作することがわかる。
【0011】しかし、第1の従来構成ではインダクタに
直列に抵抗成分を有し、マイクロ波帯では相互コンダク
タンスgm はそれほど大きくないために損失が大きくな
る。したがって、図11(b) に示すインピーダンスZ0
の周波数特性のように、この能動インダクタをマイクロ
波帯以上の高い周波数帯で良好に動作させることが困難
であった。なお、周波数特性の計算では、使用する各F
ETのゲート幅を 100μm(相互コンダクタンスgm =
20mS、空乏層容量Cgs=0.16pF、遮断周波数fT
gm/(2πCgs) =20GHz)とした。抵抗41の抵抗値R
は50Ωとした。以下に示す他の従来構成の周波数特性の
計算においても同様である。
【0012】次に、図9に示す第2の従来構成では、回
路解析を簡単にするために、FET31,32,33が
電気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース
間の空乏層容量Cgs1 ,Cgs2 ,Cgsf と、相互コンダ
クタンスgm1,gm2,gmfのみで表すとすれば、インピ
ーダンスZ0 は、
【0013】
【数2】
【0014】で与えられる。ここで、FETの遮断周波
数fT は、 fT =gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
Cgsf) とする。等価回路は図12(a) に示すように、抵抗値 1
/((f/fT)2gmf ) の抵抗54とインダクタンス値Cgs1/
(gm1gmf)のインダクタ55の並列回路と概ね一致す
る。ただし、マイクロ波帯用の短ゲート長のFETを約
fT/3以下の周波数帯で使用すると、 (f/fT)2=1/9 <<1 となり、(2) 式の分母の実数項を無視できるので、イン
ダクタンス成分のみとなる。したがって、このFET回
路は無損失となり、図8に示す第1の従来構成に比べて
高周波特性が改善される。
【0015】しかし、10GHz(=fT/2) 以上で使用する
と、 (2)式の分母の実数項 (f/fT)2gmf/(1+(f/fT)2) の影響を無視できず損失が発生する。したがって、図1
2(b) に示す周波数特性のように、この能動インダクタ
をマイクロ波帯以上の高い周波数帯で無損失で動作させ
ることが困難であった。
【0016】次に、図10に示す第3の従来構成では、
回路解析を簡単にするためにFET31,32,33,
34が電気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・
ソース間の空乏層容量Cgs1 ,Cgs2 ,Cgsf ,Cgsa
と、相互コンダクタンスgm1,gm2,gmf,gmaのみで
表すとすれば、インピーダンスZ0 は、
【0017】
【数3】
【0018】で与えられる。ここで、FETの遮断周波
数fT は、 fT =gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2) =gmf/(2πCgsf)=gma/(2πCgsa) とする。等価回路は図13(a) に示すように、抵抗値−
1/gmfの抵抗56とインダクタンス値Cgs1/(gm1gmf)
のインダクタ55の並列回路と概ね一致する。ここで、
抵抗値R0 =1/gmfの抵抗42を端子1,2間に接続す
ると、(3) 式の負性抵抗分が打ち消されてインダクタン
ス成分のみとなり、無損失な能動インダクタとして動作
することがわかる。
【0019】しかし、第3の従来構成では、図13(b)
に示す周波数特性のように負性抵抗により不安定な動作
となる。したがって、この能動インダクタをMMICの
基本素子として用いることは好ましくない。本発明は、
以上の問題点を解決し、例えばマイクロ波帯以上の高周
波帯においてもインダクタンス値が大きく、無損失でか
つ小型化が可能な能動インダクタを提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の能動イ
ンダクタは、ゲート接地の第1のFETと、ゲート電極
が第1のFETのドレイン電極に接続されたソース接地
の第2のFETと、ソース電極が第1のFETのソース
電極に接続され、ゲート電極が第2のFETのドレイン
電極に接続されたドレイン接地の第3のFETとを備
え、第2のFETのドレイン電極とソース電極とをイン
ダクタの2端子とする。
【0021】請求項2に記載の能動インダクタは、ドレ
イン接地の第1のFETと、ソース電極が第1のFET
のソース電極に接続されたゲート接地の第2のFET
と、ドレイン電極が第1のFETのゲート電極に接続さ
れ、ゲート電極が第2のFETのドレイン電極に接続さ
れたソース接地の第3のFETとを備え、第2のFET
のドレイン電極とゲート電極とをインダクタの2端子と
する。
【0022】請求項3に記載の能動インダクタは、ドレ
イン接地の第1のFETと、ゲート電極が第1のFET
のソース電極に接続されたソース接地の第2のFET
と、ドレイン電極が第1のFETのゲート電極に接続さ
れ、ソース電極が第2のFETのドレイン電極に接続さ
れたゲート接地の第3のFETとを備え、第1のFET
のソース電極とドレイン電極とをインダクタの2端子と
する。
【0023】請求項4に記載の能動インダクタは、ソー
ス接地の第1のFETと、ソース電極が第1のFETの
ドレイン電極に接続されたゲート接地の第2のFET
と、ドレイン電極が第1のFETのゲート電極に接続さ
れ、ソース電極が第2のFETのドレイン電極に接続さ
れ、ゲート電極が第2のFETのソース電極に接続され
た第3のFETとを備え、第1のFETのドレイン電極
とソース電極とをインダクタの2端子とする。
【0024】請求項5に記載の能動インダクタは、請求
項1〜4に記載の能動インダクタにおいて、第1,第
2,第3のFETにおけるソース電極とゲート電極との
間にコンデンサを接続する。請求項6に記載の能動イン
ダクタは、請求項1〜5に記載の能動インダクタにおい
て、FETに代えてHEMTを用いる。
【0025】請求項7に記載の能動インダクタは、請求
項1〜5に記載の能動インダクタにおいて、FETに代
えてバイポーラトランジスタを用いる。
【0026】
【作用】各請求項の能動インダクタは、等価的にインダ
クタンス成分のみで構成することができる。その結果、
マイクロ波帯でも任意のインダクタンス値が得られ、ト
ランジスタの遮断周波数fT の1/2以上でも低損失な能
動インダクタとして動作させることができる。
【0027】特に請求項5の能動インダクタは、ゲート
・ソース間(ベース・エミッタ間)の容量を増大させる
ことにより、インダクタンス値を大きくすることができ
る。
【0028】
【実施例】
(第1実施例−請求項1に対応)図1は、本発明の能動
インダクタの第1実施例の構成を示す。図において、ゲ
ート接地のFET11のドレイン電極Dと、ソース接地
のFET12のゲート電極Gを縦続に接続し、FET1
2のドレイン電極DからFET11のソース電極Sに一
方向の帰還をかけるドレイン接地のFET13を接続す
る。ここで、FET12のドレイン電極Dとソース電極
Sをインダクタの端子1,2とする。図中のCは直流電
圧阻止用のコンデンサである。
【0029】本構成において、端子1,2からFET1
2側をみたインピーダンスZ0 を求める。ここで、回路
解析を簡単にするために、FET11,12,13が電
気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間
の空乏層容量Cgs1 ,Cgs2,Cgsf と、相互コンダク
タンスgm1,gm2,gmfのみで表すとすれば、インピー
ダンスZ0 は、
【0030】
【数4】
【0031】で与えられる。なお、FET11とFET
13のゲート幅の比をk:1とし、FETの遮断周波数
T を fT =gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
Cgsf) とする。等価回路は図6(a) に示すように、インダクタ
ンス値(k+1)Cgs1/gm1 2 のインダクタ21の回路と
概ね一致し、周波数fT までインダクタンス成分のみと
なる。したがって、無損失な能動インダクタとして動作
する。
【0032】(4) 式に示すインピーダンスZ0 の周波数
特性を図6(b) に示す。なお、使用する各FETのゲー
ト幅は等しく(k=1)、それぞれ 100μm(相互コンダ
クタンスgm =20mS、空乏層容量Cgs=0.16pF、遮
断周波数fT=gm/(2πCgs)=20GHz)とする。図11
〜図13に示す従来の能動インダクタの周波数特性と比
較してわかるように、無損失でインダクタンス値の減少
しない周波数特性が得られることがわかる。したがっ
て、本実施例の能動インダクタは、fT/2 以上の周波数
においても良好に動作する。
【0033】(第2実施例−請求項2に対応)図2は、
本発明の能動インダクタの第2実施例の構成を示す。図
において、ドレイン接地のFET13のソース電極S
と、ゲート接地のFET11のソース電極Sとを縦続に
接続し、FET11のドレイン電極DからFET13の
ゲート電極Gに一方向の帰還をかけるソース接地のFE
T12を接続する。ここで、FET11のドレイン電極
Dとゲート電極Gをインダクタの端子1,2とする。図
中のCは直流電圧阻止用のコンデンサである。
【0034】本構成において、端子1,2からFET1
1側をみたインピーダンスZ0 を求める。ここで、回路
解析を簡単にするために、FET13,11,12が電
気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間
の空乏層容量Cgs1 ,Cgs2,Cgsf と、相互コンダク
タンスgm1,gm2,gmfのみで表すとすれば、インピー
ダンスZ0 は、
【0035】
【数5】
【0036】で与えられる。なお、FETの遮断周波数
T を fT =gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
Cgsf) とする。等価回路は図7(a) に示すように、インダクタ
ンス値Cgs1/(gm1gmf)のインダクタ22の回路と概ね
一致し、周波数fT までインダクタンス成分のみとな
る。したがって、無損失な能動インダクタとして動作す
る。
【0037】(5) 式に示すインピーダンスZ0 の周波数
特性を図7(b) に示す。なお、使用する各FETのゲー
ト幅は等しく、それぞれ 100μm(相互コンダクタンス
gm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16pF、遮断周波数
T=gm/(2πCgs)=20GHz)とする。本実施例におい
ても無損失でインダクタンス値の減少しない周波数特性
が得られることがわかる。したがって、本実施例の能動
インダクタは、fT/2以上の周波数においても良好に動
作する。
【0038】(第3実施例−請求項3に対応)図3は、
本発明の能動インダクタの第3実施例の構成を示す。図
において、ドレイン接地のFET13のソース電極Sか
らゲート電極Gに対して、ソース接地のFET12とゲ
ート接地のFET11をカスコード接続したもので一方
向の帰還をかける構成になっている。ここで、FET1
3のソース電極Sとドレイン電極Dをインダクタの端子
1,2とする。図中のCは直流電圧阻止用のコンデンサ
である。
【0039】本構成において、端子1,2からFET1
3側をみたインピーダンスZ0 を求める。ここで、回路
解析を簡単にするために、FET13,12,11が電
気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間
の空乏層容量Cgs1 ,Cgsf,Cgsa と、相互コンダク
タンスgm1,gmf,gmaのみで表すとすれば、インピー
ダンスZ0 は、(5) 式と同様になる。
【0040】したがって、等価回路も第2実施例と同様
である。すなわち、図7(a) に示すように、インダクタ
ンス値Cgs1/(gm1gmf)のインダクタ22の回路と概ね
一致し、周波数fT までインダクタンス成分のみとなっ
て無損失な能動インダクタとして動作する。インピーダ
ンスZ0 の周波数特性も図7(b) に示すものと同じにな
る。したがって、本実施例の能動インダクタは、fT/2
以上の周波数においても良好に動作することがわかる。
【0041】(第4実施例−請求項4に対応)図4は、
本発明の能動インダクタの第4実施例の構成を示す。図
において、ソース接地のFET12のドレイン電極Dか
らゲート電極Gに対して、ゲート接地でカスコード接続
したFET11,14で一方向の帰還をかける構成にな
っている。ここで、FET12のドレイン電極Dとソー
ス電極Sをインダクタの端子1,2とする。図中のCは
直流電圧阻止用のコンデンサである。
【0042】本構成において、端子1,2からFET1
2側をみたインピーダンスZ0 を求める。ここで、回路
解析を簡単にするために、FET12,11,14が電
気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間
の空乏層容量Cgs1 ,Cgsf,Cgsa と、相互コンダク
タンスgm1,gmf,gmaのみで表すとすれば、インピー
ダンスZ0 は、(5) 式と同様になる。
【0043】したがって、等価回路も第2実施例および
第3実施例と同様である。すなわち、図7(a) に示すよ
うに、インダクタンス値Cgs1/(gm1gmf)のインダクタ
22の回路と概ね一致し、周波数fT までインダクタン
ス成分のみとなって無損失な能動インダクタとして動作
する。インピーダンスZ0 の周波数特性も図7(b) に示
すものと同じになる。したがって、本実施例の能動イン
ダクタは、fT/2 以上の周波数においても良好に動作す
ることがわかる。
【0044】(第5実施例−請求項5に対応)図5は、
本発明の能動インダクタの第5実施例の構成を示す。本
実施例は、図1に示す第1実施例の構成において、FE
T11のソース電極Sとゲート電極Gとの間、FET1
2のソース電極Sとゲート電極Gとの間、FET13の
ソース電極Sとゲート電極Gとの間に、それぞれ容量が
1 ,C2 ,C3 のコンデンサを接続したものである。
【0045】これにより (4)式に示すインピーダンスZ
0 は、容量Cgs1 を(C1+Cgs1)で置き換えたものに
なる。第1実施例と比較すると、遮断周波数fT は小さ
くなるもののCgsが等価的に大きくなるので、第1実施
例の構成よりも大きなインダクタンス値を実現すること
ができる。なお、第2実施例〜第4実施例においても同
様であり、各FETのソース電極Sとゲート電極Gとの
間にコンデンサを接続することにより、インダクタンス
値を増大させることができる。
【0046】ところで、実際のFETは、ゲート・ソー
ス間の空乏層容量Cgsと相互コンダクタンスgm のみで
表すことはできないので、周波数によって若干の損失が
避けられない。また、負性抵抗を生じる周波数もある。
その場合には、低損失なインダクタとして動作させるた
めに、端子1,2間に抵抗を接続して負性抵抗分を打ち
消す構成にしてもよい。
【0047】また、FETのゲートへの電圧印加ポイン
トの電圧を変化させることにより、相互コンダクタンス
gm が変化するので、電圧調整型の能動インダクタを実
現することができる。以上示した実施例は、トランジス
タとしてFET(電界効果トランジスタ)を用いる場合
について説明してきたが、HEMT(高電子移動度トラ
ンジスタ)を用いてもよい。また、バイポーラトランジ
スタを用いてもよい。この場合には、ゲートをベース
に、ドレインをコレクタに、ソースをエミッタに対応さ
せる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の能動イン
ダクタは、インダクタンス成分のみを有する無損失なイ
ンダクタを構成できるので、マイクロ波帯でも良好に動
作させることができる。さらに、トランジスタのみで構
成できるので、MMIC化した場合でも容易に小型化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の能動インダクタの第1実施例の構成を
示す回路図。
【図2】本発明の能動インダクタの第2実施例の構成を
示す回路図。
【図3】本発明の能動インダクタの第3実施例の構成を
示す回路図。
【図4】本発明の能動インダクタの第4実施例の構成を
示す回路図。
【図5】本発明の能動インダクタの第5実施例の構成を
示す回路図。
【図6】第1実施例の等価回路および周波数特性を示す
図。
【図7】第2実施例〜第4実施例の等価回路および周波
数特性を示す図。
【図8】能動インダクタの第1の従来構成を示す回路
図。
【図9】能動インダクタの第2の従来構成を示す回路
図。
【図10】能動インダクタの第3の従来構成を示す回路
図。
【図11】第1の従来構成の等価回路および周波数特性
を示す図。
【図12】第2の従来構成の等価回路および周波数特性
を示す図。
【図13】第3の従来構成の等価回路および周波数特性
を示す図。
【符号の説明】
1,2 端子 11,12,13,14 FET 21,22 インダクタ 31,32,33,34 FET 41,42,51,54,56 抵抗 52,55 インダクタ 53 コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−205107(JP,A) 特開 昭63−219150(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/48 H03H 11/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート接地の第1の電界効果トランジス
    タ(以下「FET」という)と、 ゲート電極が前記第1のFETのドレイン電極に接続さ
    れたソース接地の第2のFETと、 ソース電極が前記第1のFETのソース電極に接続さ
    れ、ゲート電極が前記第2のFETのドレイン電極に接
    続されたドレイン接地の第3のFETとを備え、前記第
    2のFETのドレイン電極とソース電極とをインダクタ
    の2端子としたことを特徴とする能動インダクタ。
  2. 【請求項2】 ドレイン接地の第1のFETと、 ソース電極が前記第1のFETのソース電極に接続され
    たゲート接地の第2のFETと、 ドレイン電極が前記第1のFETのゲート電極に接続さ
    れ、ゲート電極が前記第2のFETのドレイン電極に接
    続されたソース接地の第3のFETとを備え、前記第2
    のFETのドレイン電極とゲート電極とをインダクタの
    2端子としたことを特徴とする能動インダクタ。
  3. 【請求項3】 ドレイン接地の第1のFETと、 ゲート電極が前記第1のFETのソース電極に接続され
    たソース接地の第2のFETと、 ドレイン電極が前記第1のFETのゲート電極に接続さ
    れ、ソース電極が前記第2のFETのドレイン電極に接
    続されたゲート接地の第3のFETとを備え、 前記第1のFETのソース電極とドレイン電極とをイン
    ダクタの2端子としたことを特徴とする能動インダク
    タ。
  4. 【請求項4】 ソース接地の第1のFETと、 ソース電極が前記第1のFETのドレイン電極に接続さ
    れたゲート接地の第2のFETと、 ドレイン電極が前記第1のFETのゲート電極に接続さ
    れ、ソース電極が前記第2のFETのドレイン電極に接
    続され、ゲート電極が前記第2のFETのソース電極に
    接続された第3のFETとを備え、 前記第1のFETのドレイン電極とソース電極とをイン
    ダクタの2端子としたことを特徴とする能動インダク
    タ。
  5. 【請求項5】 第1,第2,第3のFETにおけるソー
    ス電極とゲート電極との間にコンデンサを接続したこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の能動インダクタ。
  6. 【請求項6】 FETに代えて高電子移動度トランジス
    タ(以下「HEMTという)を用いたことを特徴とする
    請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の能動インダ
    クタ。
  7. 【請求項7】 FETに代えてバイポーラトランジスタ
    を用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の能動インダクタ。
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