JP3216693B2 - 能動インダクタ - Google Patents
能動インダクタInfo
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- JP3216693B2 JP3216693B2 JP01457396A JP1457396A JP3216693B2 JP 3216693 B2 JP3216693 B2 JP 3216693B2 JP 01457396 A JP01457396 A JP 01457396A JP 1457396 A JP1457396 A JP 1457396A JP 3216693 B2 JP3216693 B2 JP 3216693B2
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- transistor
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トランジスタを
用いた小型,広帯域かつ低損失な能動インダクタに関す
る。
用いた小型,広帯域かつ低損失な能動インダクタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のMMIC(マイクロ波モノリシッ
ク集積回路)では、チップサイズの小型化を目的とし
て、誘電体基板上に金属導体を渦巻状に形成したスパイ
ラルインダクタが用いられることが多い。このスパイラ
ルインダクタは簡単な構成ではあるが、所要インダクタ
ンスを得るためには、スパイラルインダクタの形状が大
きくなって実質的な占有面積が広がる等の問題があっ
た。これに対して、能動素子であるFET(電界効果ト
ランジスタ)等を用いることで、スパイラルインダクタ
に比較して小型に構成でき、したがって、MMICの小
型化に適した能動インダクタが考えられている。
ク集積回路)では、チップサイズの小型化を目的とし
て、誘電体基板上に金属導体を渦巻状に形成したスパイ
ラルインダクタが用いられることが多い。このスパイラ
ルインダクタは簡単な構成ではあるが、所要インダクタ
ンスを得るためには、スパイラルインダクタの形状が大
きくなって実質的な占有面積が広がる等の問題があっ
た。これに対して、能動素子であるFET(電界効果ト
ランジスタ)等を用いることで、スパイラルインダクタ
に比較して小型に構成でき、したがって、MMICの小
型化に適した能動インダクタが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FETを用
いた従来の能動インダクタは、FET回路自体をスパイ
ラルインダクタと比較して小型に構成することができる
ためMMICの小型化に適している。しかしながら、従
来の能動インダクタでは、ドレインコンダクタンスなど
に起因して発生する抵抗損失によって、マイクロ波帯,
特にFETの性能が劣化し始める遮断周波数fT の1/
2以上の周波数,での良好な動作が実現できないという
欠点があった。そこで以下この点について詳しく説明す
ることとする。
いた従来の能動インダクタは、FET回路自体をスパイ
ラルインダクタと比較して小型に構成することができる
ためMMICの小型化に適している。しかしながら、従
来の能動インダクタでは、ドレインコンダクタンスなど
に起因して発生する抵抗損失によって、マイクロ波帯,
特にFETの性能が劣化し始める遮断周波数fT の1/
2以上の周波数,での良好な動作が実現できないという
欠点があった。そこで以下この点について詳しく説明す
ることとする。
【0004】〔第1の従来例〕図46に、小型化・高周
波化を図った第1の従来例の構成を示す(特公平5−2
4685号公報)。この能動インダクタ700は、ソー
ス接地のFET31とゲート接地のFET35とをカス
コード接続し、FET31のゲート34とFET35の
ドレイン36間に抵抗値Rの抵抗16を接続している。
また、端子17,18間には抵抗値R0 の抵抗50を接
続している。ここで、抵抗50は、この抵抗が存在しな
い場合に問題となる「高周波特性におけるインダクタン
ス値の増大」を抑制し、広い周波数範囲で一定のインダ
クタンス値に近づける働きをするものである。なお、図
46において、各Pは高周波を遮断するコイルを介して
電圧が印加されるポイント,各Cは直流電圧阻止用のコ
ンデンサであり、以下の図面においても同様である。
波化を図った第1の従来例の構成を示す(特公平5−2
4685号公報)。この能動インダクタ700は、ソー
ス接地のFET31とゲート接地のFET35とをカス
コード接続し、FET31のゲート34とFET35の
ドレイン36間に抵抗値Rの抵抗16を接続している。
また、端子17,18間には抵抗値R0 の抵抗50を接
続している。ここで、抵抗50は、この抵抗が存在しな
い場合に問題となる「高周波特性におけるインダクタン
ス値の増大」を抑制し、広い周波数範囲で一定のインダ
クタンス値に近づける働きをするものである。なお、図
46において、各Pは高周波を遮断するコイルを介して
電圧が印加されるポイント,各Cは直流電圧阻止用のコ
ンデンサであり、以下の図面においても同様である。
【0005】FET35のドレイン36,ゲート38に
それぞれ接続された端子17,18からFET35側を
見たときのインピーダンスZ0 は誘導性を示すので、図
46のFET回路を能動インダクタとして用いることが
できる。そこで、図46の能動インダクタ700におい
て抵抗50が存在しないとした場合に、端子17,18
からFET回路側を見たインピーダンスZ0 を求める。
回路の解析を簡単にするため、FET31,FET35
が電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2および相互コ
ンダクタンスgm1,gm2のみで表現されるとすると、
インピーダンスZ0 は次式で与えられる。
それぞれ接続された端子17,18からFET35側を
見たときのインピーダンスZ0 は誘導性を示すので、図
46のFET回路を能動インダクタとして用いることが
できる。そこで、図46の能動インダクタ700におい
て抵抗50が存在しないとした場合に、端子17,18
からFET回路側を見たインピーダンスZ0 を求める。
回路の解析を簡単にするため、FET31,FET35
が電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2および相互コ
ンダクタンスgm1,gm2のみで表現されるとすると、
インピーダンスZ0 は次式で与えられる。
【数1】
【0006】ここで、FETの遮断周波数fT=gm1/
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)とする。同一の
ウェハ内では、このようなfTの等しい特性を有するF
ETを容易に構成することが可能である。上記条件下に
おける等価回路の回路図を図47に示す。同図に示すよ
うに、抵抗値(1/gm1) の抵抗61とインダクタン
ス値 (Cgs1 R/gm1)のインダクタンス62の直列
回路に対して、静電容量(f/fT)2Cgs1 のコンデン
サ63が並列に接続された回路と概ね一致する。
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)とする。同一の
ウェハ内では、このようなfTの等しい特性を有するF
ETを容易に構成することが可能である。上記条件下に
おける等価回路の回路図を図47に示す。同図に示すよ
うに、抵抗値(1/gm1) の抵抗61とインダクタン
ス値 (Cgs1 R/gm1)のインダクタンス62の直列
回路に対して、静電容量(f/fT)2Cgs1 のコンデン
サ63が並列に接続された回路と概ね一致する。
【0007】いま、マイクロ波帯用の短ゲート長のFE
Tを概ねfT/3 以下の周波数帯で使用した場合、(f
/fT)2=1/9<<1となる。これにより、(1)式
における分母の虚数項を無視することができ、図46の
回路は、抵抗61とインダクタンス62の直列回路と等
価な能動インダクタとして動作する。ゲート幅100μ
mのFET(相互コンダクタンスgm=20ms、空乏
層容量Cgs=0.16pF、遮断周波数fT =gm/
(2πCgs)=20GHz)を用いた場合の(1)式の
インピーダンスZ0 (=R+jωL,以下同様)の周波
数特性を図48に示す。ここで、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗16の抵抗値Rは50Ωである。
Tを概ねfT/3 以下の周波数帯で使用した場合、(f
/fT)2=1/9<<1となる。これにより、(1)式
における分母の虚数項を無視することができ、図46の
回路は、抵抗61とインダクタンス62の直列回路と等
価な能動インダクタとして動作する。ゲート幅100μ
mのFET(相互コンダクタンスgm=20ms、空乏
層容量Cgs=0.16pF、遮断周波数fT =gm/
(2πCgs)=20GHz)を用いた場合の(1)式の
インピーダンスZ0 (=R+jωL,以下同様)の周波
数特性を図48に示す。ここで、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗16の抵抗値Rは50Ωである。
【0008】図48からもわかるように、この能動イン
ダクタはインダクタンスと直列に抵抗成分を有するが、
マイクロ波帯では相互コンダクタンスgmがそれほど大
きくはないため、損失が大きくなって該能動インダクタ
をマイクロ波帯以上の高い周波数で良好に動作させるこ
とが難しい。
ダクタはインダクタンスと直列に抵抗成分を有するが、
マイクロ波帯では相互コンダクタンスgmがそれほど大
きくはないため、損失が大きくなって該能動インダクタ
をマイクロ波帯以上の高い周波数で良好に動作させるこ
とが難しい。
【0009】〔第2の従来例〕図49に、小型化・高周
波化を図った第2の従来例の構成を示す(特開平2−2
05107号公報)。この能動インダクタ800は、ソ
ース接地のFET31とゲート接地のFET35とをカ
スコード接続するとともに、FET35のドレイン36
からFET31のゲート34に対して、ゲート接地のF
ET39による一方向の帰還をかけたことを特徴として
いる。
波化を図った第2の従来例の構成を示す(特開平2−2
05107号公報)。この能動インダクタ800は、ソ
ース接地のFET31とゲート接地のFET35とをカ
スコード接続するとともに、FET35のドレイン36
からFET31のゲート34に対して、ゲート接地のF
ET39による一方向の帰還をかけたことを特徴として
いる。
【0010】FET35のドレイン36,ゲート38に
接続されている端子17,18からFET35側を見た
ときのインピーダンスZ0 は誘導性を示すので、図49
のFET回路を能動インタクタとして用いることができ
る。なお、周波数が比較的低いマイクロ波帯ではインピ
ーダンスZ0 が概ねインダクタンス成分のみで与えられ
無損失となるため、この能動インダクタ800は、図4
6の能動インダクタ700に比較して高周波特性が改善
されている。
接続されている端子17,18からFET35側を見た
ときのインピーダンスZ0 は誘導性を示すので、図49
のFET回路を能動インタクタとして用いることができ
る。なお、周波数が比較的低いマイクロ波帯ではインピ
ーダンスZ0 が概ねインダクタンス成分のみで与えられ
無損失となるため、この能動インダクタ800は、図4
6の能動インダクタ700に比較して高周波特性が改善
されている。
【0011】次に、能動インダクタ800において抵抗
50が存在しないとした場合に、端子17,18からF
ET回路側を見たインピーダンスZ0 を求める。回路の
解析を簡単にするため、FET31,FET35,FE
T39が電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直
下のゲート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2,Cgs
f および相互コンダクタンスgm1,gm2,gmf のみ
で表現されるとすると、インピーダンスZ0は次式で与
えられる。
50が存在しないとした場合に、端子17,18からF
ET回路側を見たインピーダンスZ0 を求める。回路の
解析を簡単にするため、FET31,FET35,FE
T39が電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直
下のゲート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2,Cgs
f および相互コンダクタンスgm1,gm2,gmf のみ
で表現されるとすると、インピーダンスZ0は次式で与
えられる。
【数2】
【0012】ここで、FETの遮断周波数fT=gm1/
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
Cgsf) とする。上記条件下における等価回路の回路図
を図50に示す。同図に示すように、抵抗値[1/
{(f/fT)2gmf}] の抵抗61とインダクタンス
値{Cgs1/(gm1 gmf)}のインダクタンス62の
並列回路と概ね一致する。
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
Cgsf) とする。上記条件下における等価回路の回路図
を図50に示す。同図に示すように、抵抗値[1/
{(f/fT)2gmf}] の抵抗61とインダクタンス
値{Cgs1/(gm1 gmf)}のインダクタンス62の
並列回路と概ね一致する。
【0013】いま、マイクロ波帯用の短ゲート長のFE
Tを概ねfT/3 以下の周波数帯で使用した場合、(f
/fT)2=1/9<<1となり、(2)式における分母
の実数項を無視できるので、インピーダンスZ0 がイン
ダクタンス成分のみで与えられ、無損失な能動インダク
タとして動作する。ゲート幅100μmのFET(相互
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz)を用いた場合の(2)式のインピーダンスZ0
の周波数特性を図51(a)および同図(b)に示す。
この図では、インピーダンスのうちのインダクタンス分
(L)の周波数特性(同図(a))と抵抗分(R)の周
波数特性(同図(b))を示している。ここで、使用す
る各FETのゲート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使
用するものとする。また、この図においては、ドレイン
コンダクタンスGd=0,1,2mSの3つの場合につ
いて示してある。
Tを概ねfT/3 以下の周波数帯で使用した場合、(f
/fT)2=1/9<<1となり、(2)式における分母
の実数項を無視できるので、インピーダンスZ0 がイン
ダクタンス成分のみで与えられ、無損失な能動インダク
タとして動作する。ゲート幅100μmのFET(相互
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz)を用いた場合の(2)式のインピーダンスZ0
の周波数特性を図51(a)および同図(b)に示す。
この図では、インピーダンスのうちのインダクタンス分
(L)の周波数特性(同図(a))と抵抗分(R)の周
波数特性(同図(b))を示している。ここで、使用す
る各FETのゲート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使
用するものとする。また、この図においては、ドレイン
コンダクタンスGd=0,1,2mSの3つの場合につ
いて示してある。
【0014】この図からわかるように、ドレインコンダ
クタンスが増加するにつれて、数GHz程度の比較的低
い周波数帯においても定常的な抵抗損失が発生する。さ
らに、10GHz(f=fT/2) 付近では、もはや
(2)式の分母の実数項(f/fT)2gmf/{1+
(f/fT)2} の影響が無視できず、損失が増加して
いる。したがって、この能動インダクタをマイクロ波帯
以上の高い周波数において無損失で動作させることは難
しいと言える。
クタンスが増加するにつれて、数GHz程度の比較的低
い周波数帯においても定常的な抵抗損失が発生する。さ
らに、10GHz(f=fT/2) 付近では、もはや
(2)式の分母の実数項(f/fT)2gmf/{1+
(f/fT)2} の影響が無視できず、損失が増加して
いる。したがって、この能動インダクタをマイクロ波帯
以上の高い周波数において無損失で動作させることは難
しいと言える。
【0015】〔第3の従来例〕第3の従来例として、図
52にカスコード接続・ゲート接地カスコード接続帰還
型の能動インダクタの構成を示す(上記の特開平2−2
05107号公報)。この能動インダクタ900は、図
49中のFET39を用いた帰還回路の代わりに、ゲー
ト接地したカスコード接続のFET39,FET43に
よる帰還回路を接続したものである。
52にカスコード接続・ゲート接地カスコード接続帰還
型の能動インダクタの構成を示す(上記の特開平2−2
05107号公報)。この能動インダクタ900は、図
49中のFET39を用いた帰還回路の代わりに、ゲー
ト接地したカスコード接続のFET39,FET43に
よる帰還回路を接続したものである。
【0016】次に、抵抗50を接続しないとした場合に
おける端子17,18からみた回路のインピーダンスZ
0 を求める。回路解析を簡単にするためにFET31,
FET35,FET39,FET43が電気的に同じ特
性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の空乏層容量
Cgs1,Cgs2,Cgsf,Cgsaと相互コンダクタgm1,
gm2,gmf,gmaのみで表わすとすれば、インピー
ダンスZ0は、
おける端子17,18からみた回路のインピーダンスZ
0 を求める。回路解析を簡単にするためにFET31,
FET35,FET39,FET43が電気的に同じ特
性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の空乏層容量
Cgs1,Cgs2,Cgsf,Cgsaと相互コンダクタgm1,
gm2,gmf,gmaのみで表わすとすれば、インピー
ダンスZ0は、
【数3】 で与えられる。ここで、FETの遮断周波数fTをfT=
gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf
/(2πCgsf)=gma/(2πCgsa)とする。
gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf
/(2πCgsf)=gma/(2πCgsa)とする。
【0017】図53に示すように、この能動インダクタ
900の等価回路は、抵抗値R0 の抵抗50と抵抗値
(−1/gmf)の負性抵抗61とインダクタンス値Cg
s1/(gm1 gmf) のインダクタンス62の並列回路
と概ね一致する。ここで、抵抗値R0=1/gmfとする
と、負性抵抗分が打ち消されてインダクタンス成分のみ
となって無損失な能動インダクタとして動作する。
900の等価回路は、抵抗値R0 の抵抗50と抵抗値
(−1/gmf)の負性抵抗61とインダクタンス値Cg
s1/(gm1 gmf) のインダクタンス62の並列回路
と概ね一致する。ここで、抵抗値R0=1/gmfとする
と、負性抵抗分が打ち消されてインダクタンス成分のみ
となって無損失な能動インダクタとして動作する。
【0018】ゲート幅100μmのFET(相互コンダ
クタンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2,4m
S、遮断周波数fT=gm/(2πCgs)=20GH
z) を用いた場合のインピーダンスZ0 に関するLお
よびRの周波数特性を図54(a)および同図(b)に
示す。ここで、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ
同じ大きさのものを使用するものとする。また、ここで
は抵抗値R0 =200Ωの場合を示してある。この能動
インダクタ900は、インダクタンスに対して並列に負
性抵抗を発生させているため、抵抗値R0 を調整するこ
とで低損失化が図れるものの、損失補償される周波数範
囲が狭いことが問題点として挙げられる。
クタンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2,4m
S、遮断周波数fT=gm/(2πCgs)=20GH
z) を用いた場合のインピーダンスZ0 に関するLお
よびRの周波数特性を図54(a)および同図(b)に
示す。ここで、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ
同じ大きさのものを使用するものとする。また、ここで
は抵抗値R0 =200Ωの場合を示してある。この能動
インダクタ900は、インダクタンスに対して並列に負
性抵抗を発生させているため、抵抗値R0 を調整するこ
とで低損失化が図れるものの、損失補償される周波数範
囲が狭いことが問題点として挙げられる。
【0019】〔第4の従来例〕第4の従来例として、図
55にゲート抵抗挿入型の能動インダクタの構成を示す
(P.Alinikula et al.,"Monolithic active resonators
for wireless applications." IEEE Microwave and Mi
llimeter-Wave Monolithic Circuits Symposium Dig. ,
pp.197-200,1994. 又は P.Alinikula et al.,"Integra
ting Active Resonators for Wireless applications,"
Microwave journal, pp.106-113,Jan,1995.)。この能
動インダクタ1000は、ソース接地のFET31のド
レイン32からゲート34に対してゲート接地のFET
39を用いて帰還をかけるとともに、FET39のゲー
ト42と直流電圧阻止用のコンデンサCとの間に抵抗値
R0 の抵抗50を挿入している。
55にゲート抵抗挿入型の能動インダクタの構成を示す
(P.Alinikula et al.,"Monolithic active resonators
for wireless applications." IEEE Microwave and Mi
llimeter-Wave Monolithic Circuits Symposium Dig. ,
pp.197-200,1994. 又は P.Alinikula et al.,"Integra
ting Active Resonators for Wireless applications,"
Microwave journal, pp.106-113,Jan,1995.)。この能
動インダクタ1000は、ソース接地のFET31のド
レイン32からゲート34に対してゲート接地のFET
39を用いて帰還をかけるとともに、FET39のゲー
ト42と直流電圧阻止用のコンデンサCとの間に抵抗値
R0 の抵抗50を挿入している。
【0020】次に、能動インダクタ1000の端子1
7,18からみたインピーダンスZ0を求める。回路解
析を簡単にするために、FET31,FET39が電気
的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の
空乏層容量Cgs1,Cgsfと相互コンダクタンスgm1,
gmfのみで表わすとすれば、インピーダンスZ0は、
7,18からみたインピーダンスZ0を求める。回路解
析を簡単にするために、FET31,FET39が電気
的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の
空乏層容量Cgs1,Cgsfと相互コンダクタンスgm1,
gmfのみで表わすとすれば、インピーダンスZ0は、
【数4】 で与えられる。ここで、FETの遮断周波数fTは、fT
=gm1/(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)とす
る。同一ウェハ内では、このような遮断周波数fTが等
しい特性を有するFETを容易に構成することができ
る。
=gm1/(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)とす
る。同一ウェハ内では、このような遮断周波数fTが等
しい特性を有するFETを容易に構成することができ
る。
【0021】図56に示すように、この能動インダクタ
1000の等価回路は、抵抗値−(f/fT)2{R0−
1/gmf}の抵抗61とインダクタンス値 Cgs1/
(gm1gmf)のインダクタンス62の直列回路と概ね
一致する。ゲート幅100μmのFET(相互コンダク
タンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2mS、遮
断周波数fT =gm/(2πCgs)=20GHz)を用
いた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよびRの周
波数特性は図57(a)および同図(b)に示すものと
なる。ここで、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ
同じ大きさのものを使用するものとする。また、ここで
は抵抗値R0 =100Ωの場合を示してある。この能動
インダクタ1000は、周波数に依存する負性抵抗を発
生させているため、抵抗値R0 を調整することで低損失
化が図れるものの、損失補償される周波数範囲が狭いこ
とが問題点として挙げられる。
1000の等価回路は、抵抗値−(f/fT)2{R0−
1/gmf}の抵抗61とインダクタンス値 Cgs1/
(gm1gmf)のインダクタンス62の直列回路と概ね
一致する。ゲート幅100μmのFET(相互コンダク
タンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2mS、遮
断周波数fT =gm/(2πCgs)=20GHz)を用
いた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよびRの周
波数特性は図57(a)および同図(b)に示すものと
なる。ここで、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ
同じ大きさのものを使用するものとする。また、ここで
は抵抗値R0 =100Ωの場合を示してある。この能動
インダクタ1000は、周波数に依存する負性抵抗を発
生させているため、抵抗値R0 を調整することで低損失
化が図れるものの、損失補償される周波数範囲が狭いこ
とが問題点として挙げられる。
【0022】〔第5の従来例〕第5の従来例として、図
58に、ゲート抵抗挿入型の能動インダクタの構成を示
す(S.Lucyszyn et al., "Monolithic narrow-band fil
ter using ultrahigh-Q tunable active inductors", I
EEE Transactions on Microwave Theory and Technique
s, vol.42, pp.2617-2622, Dec. 1994)。この能動イン
ダクタ1100は、第2の従来例と同様に、ソース接地
のFET31とゲート接地のFET35をカスコード接
続し、FET35からFET31に対してゲート接地の
FET39による一方向の帰還をかけている。これに加
えて、FET39のゲート42と直流電圧阻止用のコン
デンサCとの間に抵抗値R0 の抵抗50を、FET31
のゲート34とFET39のドレイン40との間にイン
ダクタンス調整用の帰還抵抗16(抵抗値R)を挿入し
ている。
58に、ゲート抵抗挿入型の能動インダクタの構成を示
す(S.Lucyszyn et al., "Monolithic narrow-band fil
ter using ultrahigh-Q tunable active inductors", I
EEE Transactions on Microwave Theory and Technique
s, vol.42, pp.2617-2622, Dec. 1994)。この能動イン
ダクタ1100は、第2の従来例と同様に、ソース接地
のFET31とゲート接地のFET35をカスコード接
続し、FET35からFET31に対してゲート接地の
FET39による一方向の帰還をかけている。これに加
えて、FET39のゲート42と直流電圧阻止用のコン
デンサCとの間に抵抗値R0 の抵抗50を、FET31
のゲート34とFET39のドレイン40との間にイン
ダクタンス調整用の帰還抵抗16(抵抗値R)を挿入し
ている。
【0023】次に、能動インダクタ1100の端子1
7,18からみた回路のインピーダンスZ0 を求める。
回路解析を簡単にするために、第1の従来例と同様に、
インダクタンス値調整用の帰還抵抗として機能する抵抗
16の抵抗値R=0Ωとし、FET31,FET35,
FET39が電気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2,Cgsfと、
相互コンダクタンスgm1,gm2,gmfのみで表わす
とすれば、インピーダンスZ0は、
7,18からみた回路のインピーダンスZ0 を求める。
回路解析を簡単にするために、第1の従来例と同様に、
インダクタンス値調整用の帰還抵抗として機能する抵抗
16の抵抗値R=0Ωとし、FET31,FET35,
FET39が電気的に同じ特性を有し、ゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgs2,Cgsfと、
相互コンダクタンスgm1,gm2,gmfのみで表わす
とすれば、インピーダンスZ0は、
【数5】 で与えられる。ここで、FETの遮断周波数fTは、fT
=gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gm
f/(2πCgsf)とする。同一ウェハ内では、このよう
な遮断周波数fT が等しい特性を有するFETを容易に
構成することができる。
=gm1/(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gm
f/(2πCgsf)とする。同一ウェハ内では、このよう
な遮断周波数fT が等しい特性を有するFETを容易に
構成することができる。
【0024】図59に示すように、能動インダクタ11
00の等価回路は、抵抗値1/{(f/fT)2gmf}
の抵抗61とインダクタンス値Cgs1/{gm1 gmf}
のインダクタンス62の並列回路と、抵抗値−(f/f
T)2R0 の負性抵抗63とインダクタンス Cgsf R0/
{(f/fT)2gmf} のインダクタンス64の並列回
路とからなる直列回路と概ね一致する。
00の等価回路は、抵抗値1/{(f/fT)2gmf}
の抵抗61とインダクタンス値Cgs1/{gm1 gmf}
のインダクタンス62の並列回路と、抵抗値−(f/f
T)2R0 の負性抵抗63とインダクタンス Cgsf R0/
{(f/fT)2gmf} のインダクタンス64の並列回
路とからなる直列回路と概ね一致する。
【0025】ゲート幅100μmのFET(相互コンダ
クタンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2mS、遮
断周波数fT =gm/(2πCgs)=20GHz)を用
いた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよびRの周
波数特性を図60(a)および同図(b)に示す。ここ
で、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ同じ大きさ
のものを使用するものとする。また、ここでは抵抗値R
0=50Ωの場合を示してある。このように、この能動
インダクタ1100は周波数に依存する負性抵抗を発生
させているため、抵抗値R0 を調整することで低損失化
が図れるものの、損失補償される周波数範囲が狭いこと
が問題点として挙げられる。
クタンスgm=20mS、空乏層容量Cgs=0.16p
F、ドレインコンダクタンスGd=0,1,2mS、遮
断周波数fT =gm/(2πCgs)=20GHz)を用
いた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよびRの周
波数特性を図60(a)および同図(b)に示す。ここ
で、使用する各FETのゲート幅はそれぞれ同じ大きさ
のものを使用するものとする。また、ここでは抵抗値R
0=50Ωの場合を示してある。このように、この能動
インダクタ1100は周波数に依存する負性抵抗を発生
させているため、抵抗値R0 を調整することで低損失化
が図れるものの、損失補償される周波数範囲が狭いこと
が問題点として挙げられる。
【0026】以上のように、既存の能動インダクタにあ
っては、FETのドレイン・ソース間のドレインコンダ
クタンスやゲートバイアス用抵抗,DCバイアス回路な
どの影響によって抵抗損失が発生するために、マイクロ
波帯以上の高周波帯域において良好な動作が実現できな
いという欠点を有していた。この発明は、このような背
景の下になされたものであって、マイクロ波帯以上の高
周波帯においても、インダクタンス値が大きくドレイン
コンダクタンスなどによって発生する抵抗損失を補償し
て低損失となり、しかも小型化が可能な能動インダクタ
を提供することを目的としている。
っては、FETのドレイン・ソース間のドレインコンダ
クタンスやゲートバイアス用抵抗,DCバイアス回路な
どの影響によって抵抗損失が発生するために、マイクロ
波帯以上の高周波帯域において良好な動作が実現できな
いという欠点を有していた。この発明は、このような背
景の下になされたものであって、マイクロ波帯以上の高
周波帯においても、インダクタンス値が大きくドレイン
コンダクタンスなどによって発生する抵抗損失を補償し
て低損失となり、しかも小型化が可能な能動インダクタ
を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、周波数によらず定常的に
発生する抵抗損失を、周波数に対して一定の負性抵抗を
発生させて相殺する第1の補償手段と、周波数が高くな
るにつれて増大する抵抗損失を、該抵抗損失の周波数特
性と相反する周波数特性を持つ負性抵抗を発生させて相
殺する第2の補償手段とを有し、能動素子のみから構成
されたことを特徴としている。また、請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明において、前記第1の補償手
段は、前記能動インダクタに内在するインダクタンス成
分に対して前記負性抵抗を直列に発生させることを特徴
としている。また、請求項3記載の発明は、周波数によ
らず定常的に発生する抵抗損失を、周波数に対して一定
の負性抵抗を発生させて相殺するとともに、自身の能動
インダクタに内在するインダクタンス成分に対して前記
負性抵抗を直列に発生させる第1の補償手段を有し、能
動素子のみから構成されたことを特徴としている。
めに、請求項1記載の発明は、周波数によらず定常的に
発生する抵抗損失を、周波数に対して一定の負性抵抗を
発生させて相殺する第1の補償手段と、周波数が高くな
るにつれて増大する抵抗損失を、該抵抗損失の周波数特
性と相反する周波数特性を持つ負性抵抗を発生させて相
殺する第2の補償手段とを有し、能動素子のみから構成
されたことを特徴としている。また、請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明において、前記第1の補償手
段は、前記能動インダクタに内在するインダクタンス成
分に対して前記負性抵抗を直列に発生させることを特徴
としている。また、請求項3記載の発明は、周波数によ
らず定常的に発生する抵抗損失を、周波数に対して一定
の負性抵抗を発生させて相殺するとともに、自身の能動
インダクタに内在するインダクタンス成分に対して前記
負性抵抗を直列に発生させる第1の補償手段を有し、能
動素子のみから構成されたことを特徴としている。
【0028】また、請求項4記載の発明は、第1のトラ
ンジスタと、第1電極が前記第1のトランジスタの第2
電極に接続され、第2電極が前記第1のトランジスタの
第3電極に接続された第2のトランジスタと、第1電極
が前記第2のトランジスタの第2電極に接続され、第2
電極が前記第2のトランジスタの第3電極に接続され、
第3電極が前記第1のトランジスタの第1電極に接続さ
れた第3のトランジスタとを有し、前記第2のトランジ
スタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2電極と
の接続線から引き出した第1の端子と、前記第1のトラ
ンジスタの第2電極から引き出した第2の端子とを2端
子とし、前記第1〜第3のトランジスタの各トランジス
タがFETまたはHEMTである場合、前記各トランジ
スタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース電極,
第3電極はドレイン電極であり、前記第1〜第3のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、前記各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項5記載の発
明は、請求項4記載の発明において、前記第2のトラン
ジスタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2電極
との接続線と、前記第1の端子との間に第1の抵抗素子
を挿入したことを特徴としている。
ンジスタと、第1電極が前記第1のトランジスタの第2
電極に接続され、第2電極が前記第1のトランジスタの
第3電極に接続された第2のトランジスタと、第1電極
が前記第2のトランジスタの第2電極に接続され、第2
電極が前記第2のトランジスタの第3電極に接続され、
第3電極が前記第1のトランジスタの第1電極に接続さ
れた第3のトランジスタとを有し、前記第2のトランジ
スタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2電極と
の接続線から引き出した第1の端子と、前記第1のトラ
ンジスタの第2電極から引き出した第2の端子とを2端
子とし、前記第1〜第3のトランジスタの各トランジス
タがFETまたはHEMTである場合、前記各トランジ
スタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース電極,
第3電極はドレイン電極であり、前記第1〜第3のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、前記各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項5記載の発
明は、請求項4記載の発明において、前記第2のトラン
ジスタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2電極
との接続線と、前記第1の端子との間に第1の抵抗素子
を挿入したことを特徴としている。
【0029】また、請求項6記載の発明は、請求項4又
は5記載の発明において、前記第2のトランジスタの第
2電極と前記第3のトランジスタの第1電極との間に第
2の抵抗素子を挿入したことを特徴としている。また、
請求項7記載の発明は、請求項4〜6の何れかの項記載
の発明において、前記第1のトランジスタの第2電極と
前記第2のトランジスタの第1電極との間に第3の抵抗
素子を挿入したことを特徴としている。
は5記載の発明において、前記第2のトランジスタの第
2電極と前記第3のトランジスタの第1電極との間に第
2の抵抗素子を挿入したことを特徴としている。また、
請求項7記載の発明は、請求項4〜6の何れかの項記載
の発明において、前記第1のトランジスタの第2電極と
前記第2のトランジスタの第1電極との間に第3の抵抗
素子を挿入したことを特徴としている。
【0030】また、請求項8記載の発明は、請求項4〜
7の何れかの項記載の発明において、前記第1のトラン
ジスタの第1電極と前記第1のトランジスタの第2電極
との間に第4の抵抗素子を挿入したことを特徴としてい
る。また、請求項9記載の発明は、請求項4〜8の何れ
かの項記載の発明において、前記第1のトランジスタの
第1電極と前記第3のトランジスタの第3電極との間に
第5の抵抗素子を挿入したことを特徴としている。
7の何れかの項記載の発明において、前記第1のトラン
ジスタの第1電極と前記第1のトランジスタの第2電極
との間に第4の抵抗素子を挿入したことを特徴としてい
る。また、請求項9記載の発明は、請求項4〜8の何れ
かの項記載の発明において、前記第1のトランジスタの
第1電極と前記第3のトランジスタの第3電極との間に
第5の抵抗素子を挿入したことを特徴としている。
【0031】また、請求項10記載の発明は、請求項4
〜9の何れかの項記載の発明において、前記第1のトラ
ンジスタの第1電極及び第2電極の間に第1のコンデン
サを接続し、前記第2のトランジスタの第1電極及び第
2電極の間に第2のコンデンサを接続し、前記第3のト
ランジスタの第1電極及び第2電極の間に第3のコンデ
ンサを接続したことを特徴としている。
〜9の何れかの項記載の発明において、前記第1のトラ
ンジスタの第1電極及び第2電極の間に第1のコンデン
サを接続し、前記第2のトランジスタの第1電極及び第
2電極の間に第2のコンデンサを接続し、前記第3のト
ランジスタの第1電極及び第2電極の間に第3のコンデ
ンサを接続したことを特徴としている。
【0032】
【0033】また、請求項11記載の発明は、請求項4
〜10の何れかの項記載の発明において、前記第1のト
ランジスタの第1電極と前記第3のトランジスタの第3
電極との間にn(n≧1)個のトランジスタを挿入し、
前記n個のトランジスタを前記第3のトランジスタへカ
スコードに接続し、前記n個のトランジスタの各トラン
ジスタがFETまたはHEMTである場合、これら各ト
ランジスタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース
電極,第3電極はドレイン電極であり、前記n個のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、これら各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項12記載の
発明は、請求項11記載の発明において、前記n個のト
ランジスタの各々の第1電極及び第2電極の間にそれぞ
れコンデンサを接続したことを特徴としている。
〜10の何れかの項記載の発明において、前記第1のト
ランジスタの第1電極と前記第3のトランジスタの第3
電極との間にn(n≧1)個のトランジスタを挿入し、
前記n個のトランジスタを前記第3のトランジスタへカ
スコードに接続し、前記n個のトランジスタの各トラン
ジスタがFETまたはHEMTである場合、これら各ト
ランジスタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース
電極,第3電極はドレイン電極であり、前記n個のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、これら各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項12記載の
発明は、請求項11記載の発明において、前記n個のト
ランジスタの各々の第1電極及び第2電極の間にそれぞ
れコンデンサを接続したことを特徴としている。
【0034】また、請求項13記載の発明は、請求項4
〜12の何れかの項記載の発明において、前記第2のト
ランジスタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2
電極との間にp(p≧1)個のトランジスタを挿入し、
前記p個のトランジスタを前記第2のトランジスタへカ
スコードに接続し、前記p個のトランジスタの各トラン
ジスタがFETまたはHEMTである場合、これら各ト
ランジスタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース
電極,第3電極はドレイン電極であり、前記p個のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、これら各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項14記載の
発明は、請求項13記載の発明において、前記p個のト
ランジスタの各々の第1電極及び第2電極の間にそれぞ
れコンデンサを接続したことを特徴としている。
〜12の何れかの項記載の発明において、前記第2のト
ランジスタの第3電極と前記第3のトランジスタの第2
電極との間にp(p≧1)個のトランジスタを挿入し、
前記p個のトランジスタを前記第2のトランジスタへカ
スコードに接続し、前記p個のトランジスタの各トラン
ジスタがFETまたはHEMTである場合、これら各ト
ランジスタの第1電極はゲート電極,第2電極はソース
電極,第3電極はドレイン電極であり、前記p個のトラ
ンジスタの各トランジスタがバイポーラトランジスタで
ある場合、これら各トランジスタの第1電極はベース電
極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極
であることを特徴としている。また、請求項14記載の
発明は、請求項13記載の発明において、前記p個のト
ランジスタの各々の第1電極及び第2電極の間にそれぞ
れコンデンサを接続したことを特徴としている。
【0035】なお、この発明において、各トランジスタ
がFETもしくはHEMT (HighElectron Mobility T
ransistor)の場合、これらトランジスタの第1電極は
ゲート電極,第2電極はソース電極,第3電極はドレイ
ン電極である。また、各トランジスタがバイポーラトラ
ンジスタの場合、これらトランジスタの第1電極はベー
ス電極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ
電極である。
がFETもしくはHEMT (HighElectron Mobility T
ransistor)の場合、これらトランジスタの第1電極は
ゲート電極,第2電極はソース電極,第3電極はドレイ
ン電極である。また、各トランジスタがバイポーラトラ
ンジスタの場合、これらトランジスタの第1電極はベー
ス電極,第2電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ
電極である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。 〔実施形態1〕図1はこの実施形態による能動インダク
タ100の回路図である。この図において、端子17,
18は、この回路をインダクタ素子と見なしたときの端
子,Z0 は端子17,18からこの回路を見たときのイ
ンピーダンス,Cは直流電圧阻止用のコンデンサ,Pは
電圧が印加されるポイントである。
施形態について説明する。 〔実施形態1〕図1はこの実施形態による能動インダク
タ100の回路図である。この図において、端子17,
18は、この回路をインダクタ素子と見なしたときの端
子,Z0 は端子17,18からこの回路を見たときのイ
ンピーダンス,Cは直流電圧阻止用のコンデンサ,Pは
電圧が印加されるポイントである。
【0037】31,39,43はFETであって、ゲー
ト直下のゲート・ソース間の空乏層容量として各々Cgs
1,Cgsf,Cgsa を有し、相互コンダクタンスとして各
々gm1,gmf,gma を有する。また、図に示した
G,S,Dはそれぞれ、FETのゲート電極,ソース電
極,ドレイン電極である。すなわち、端子32,40,
44はそれぞれFET31,39,43のドレイン電
極、端子33,41,45はそれぞれFET31,3
9,43のソース電極、端子34,42,46はそれぞ
れFET31,39,43のゲート電極である。また、
50は抵抗値R0 を有する抵抗である。
ト直下のゲート・ソース間の空乏層容量として各々Cgs
1,Cgsf,Cgsa を有し、相互コンダクタンスとして各
々gm1,gmf,gma を有する。また、図に示した
G,S,Dはそれぞれ、FETのゲート電極,ソース電
極,ドレイン電極である。すなわち、端子32,40,
44はそれぞれFET31,39,43のドレイン電
極、端子33,41,45はそれぞれFET31,3
9,43のソース電極、端子34,42,46はそれぞ
れFET31,39,43のゲート電極である。また、
50は抵抗値R0 を有する抵抗である。
【0038】この能動インダクタ100は、ソース接地
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗50が接続
されている。
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗50が接続
されている。
【0039】次に、端子17,18からFET39側を
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
【数6】
【0040】いま、FETの遮断周波数fT =gm1/
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2π
Cgsa)とする。このときの等価回路を図2に示す。同
図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗値(−1
/gmf)の抵抗61とインダクタンス値{(1/gmf
+1/gma)Cgs1/gm1}のインダクタンス62の
直列回路と概ね一致する。
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2π
Cgsa)とする。このときの等価回路を図2に示す。同
図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗値(−1
/gmf)の抵抗61とインダクタンス値{(1/gmf
+1/gma)Cgs1/gm1}のインダクタンス62の
直列回路と概ね一致する。
【0041】抵抗50の抵抗値R0 を抵抗61の抵抗値
と同じ大きさの1/gmf とすると、(6)式における
抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がインダクタ
ンス成分のみで与えられ、無損失なインダクタとして動
作する。このことを図3を用いて説明する。同図は、横
軸に周波数をとり縦軸に能動インダクタの抵抗分の抵抗
値Rをとった周波数特性図である。抵抗50が存在しな
いとした場合に、能動インダクタの抵抗値は、同図にお
ける「定常的に発生する抵抗損失+負性抵抗」の値であ
って、負の抵抗値を有する。すなわち、従来の「定常的
に発生する抵抗損失」に対して「負性抵抗」を発生させ
ることによって、これらの和の抵抗値が負の抵抗値にな
るようにしたものである。一方、抵抗50の抵抗値は同
図における「直列抵抗」の値であって、正の抵抗値を有
する。したがって、抵抗50の抵抗値を、これら抵抗値
の和と符号が逆で同じ大きさとすることによって抵抗値
が相殺され、同図における「補償後」の特性,すなわち
「0」,とすることができる。
と同じ大きさの1/gmf とすると、(6)式における
抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がインダクタ
ンス成分のみで与えられ、無損失なインダクタとして動
作する。このことを図3を用いて説明する。同図は、横
軸に周波数をとり縦軸に能動インダクタの抵抗分の抵抗
値Rをとった周波数特性図である。抵抗50が存在しな
いとした場合に、能動インダクタの抵抗値は、同図にお
ける「定常的に発生する抵抗損失+負性抵抗」の値であ
って、負の抵抗値を有する。すなわち、従来の「定常的
に発生する抵抗損失」に対して「負性抵抗」を発生させ
ることによって、これらの和の抵抗値が負の抵抗値にな
るようにしたものである。一方、抵抗50の抵抗値は同
図における「直列抵抗」の値であって、正の抵抗値を有
する。したがって、抵抗50の抵抗値を、これら抵抗値
の和と符号が逆で同じ大きさとすることによって抵抗値
が相殺され、同図における「補償後」の特性,すなわち
「0」,とすることができる。
【0042】次に、ゲート幅100μmのFET(相互
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz)を用いた能動インダクタにおけるインピーダン
スZ0 に関するLおよびRの周波数特性を図4(a)お
よび同図(b)に示す。ここで、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 を0とする。さらに、
この図ではドレインコンダクタンスGd=0,1,2,
4mSの4つの場合について示してある。なお、上述し
たように、全FETが電気的に同じ特性を有するとした
ことにより、すべてのFETは同一のドレインコンダク
タンスGdを持つ。
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz)を用いた能動インダクタにおけるインピーダン
スZ0 に関するLおよびRの周波数特性を図4(a)お
よび同図(b)に示す。ここで、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 を0とする。さらに、
この図ではドレインコンダクタンスGd=0,1,2,
4mSの4つの場合について示してある。なお、上述し
たように、全FETが電気的に同じ特性を有するとした
ことにより、すべてのFETは同一のドレインコンダク
タンスGdを持つ。
【0043】図4(b)に示す抵抗分Rの周波数特性か
ら負性抵抗を有することがわかる。従って、上述したよ
うに、抵抗50の抵抗値をこの負性抵抗値に合わせるこ
とによって、等価的な抵抗値を0とすることができる。
以上のように、抵抗50の抵抗値R0 を適切に設定する
ことによって、定常的に発生する抵抗損失を補償し、低
損失な周波数特性を持たせることができる。したがっ
て、本実施形態の能動インダクタがマイクロ波帯以上の
周波数においても良好に動作することがわかる。
ら負性抵抗を有することがわかる。従って、上述したよ
うに、抵抗50の抵抗値をこの負性抵抗値に合わせるこ
とによって、等価的な抵抗値を0とすることができる。
以上のように、抵抗50の抵抗値R0 を適切に設定する
ことによって、定常的に発生する抵抗損失を補償し、低
損失な周波数特性を持たせることができる。したがっ
て、本実施形態の能動インダクタがマイクロ波帯以上の
周波数においても良好に動作することがわかる。
【0044】〔実施形態2〕図5はこの実施形態による
能動インダクタ200の回路図である。この図におい
て、図1と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。図1との比較からわかるよ
うに、この能動インダクタ200は、前述の能動インダ
クタ100に対してさらに抵抗値Rf1 の抵抗71を有
する。
能動インダクタ200の回路図である。この図におい
て、図1と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。図1との比較からわかるよ
うに、この能動インダクタ200は、前述の能動インダ
クタ100に対してさらに抵抗値Rf1 の抵抗71を有
する。
【0045】すなわち、この能動インダクタ200は、
ソース接地のFET31に対して、ゲート接地でカスコ
ード接続したFET39とFET43により一方向の帰
還を行っている。また、FET39のドレイン40とF
ET43のソース45の接続点と端子17との間に抵抗
値R0 の抵抗50を接続するとともに、FET39のソ
ース41とFET43のゲート46間に抵抗71を接続
している。
ソース接地のFET31に対して、ゲート接地でカスコ
ード接続したFET39とFET43により一方向の帰
還を行っている。また、FET39のドレイン40とF
ET43のソース45の接続点と端子17との間に抵抗
値R0 の抵抗50を接続するとともに、FET39のソ
ース41とFET43のゲート46間に抵抗71を接続
している。
【0046】次に、端子17,18からFET39側を
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
【数7】
【0047】いま、FETの遮断周波数fT =gm1/
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2π
Cgsa)とする。このときの等価回路の回路図を図6に
示す。同図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗
値−{1/gmf+(f/fT)2Rf1}の抵抗61とイ
ンダクタンス値{(1/gmf+1/gma)Cgs1/g
m1}のインダクタンス62の直列回路と概ね一致す
る。抵抗50の抵抗値R0 を抵抗61と同じ大きさの
{1/gmf+(f/fT)2Rf1}とすると、(7)式
における抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がイ
ンダクタンス成分のみで与えられて、無損失なインダク
タとして動作する。
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2π
Cgsa)とする。このときの等価回路の回路図を図6に
示す。同図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗
値−{1/gmf+(f/fT)2Rf1}の抵抗61とイ
ンダクタンス値{(1/gmf+1/gma)Cgs1/g
m1}のインダクタンス62の直列回路と概ね一致す
る。抵抗50の抵抗値R0 を抵抗61と同じ大きさの
{1/gmf+(f/fT)2Rf1}とすると、(7)式
における抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がイ
ンダクタンス成分のみで与えられて、無損失なインダク
タとして動作する。
【0048】ここで、ゲート幅100μmのFET(相
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗71の抵抗値Rf1
を変化させた場合におけるインピーダンスZ0 に関する
LおよびRの周波数特性を図7(a)および同図(b)
に示す。この図では、抵抗値Rf1=0,10,50Ωの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗71の抵抗値Rf1
を変化させた場合におけるインピーダンスZ0 に関する
LおよびRの周波数特性を図7(a)および同図(b)
に示す。この図では、抵抗値Rf1=0,10,50Ωの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
【0049】前掲の図4(b)における抵抗分Rの周波
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図7(b)に示すように、発生する負性抵抗の周波
数特性が抵抗71の抵抗値Rf1に応じて変化するので、
抵抗値Rf1を適切に設定することで上記の周波数特性の
変化を補償することができる。すなわち、図6の抵抗6
1が持つ {−(f/fT)2Rf1} の周波数依存性によ
って、図4(b)に示すドレインコンダクタンス値の変
化によって発生する抵抗損失の周波数特性を相殺するこ
とができる。
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図7(b)に示すように、発生する負性抵抗の周波
数特性が抵抗71の抵抗値Rf1に応じて変化するので、
抵抗値Rf1を適切に設定することで上記の周波数特性の
変化を補償することができる。すなわち、図6の抵抗6
1が持つ {−(f/fT)2Rf1} の周波数依存性によ
って、図4(b)に示すドレインコンダクタンス値の変
化によって発生する抵抗損失の周波数特性を相殺するこ
とができる。
【0050】このことを図8を用いて説明する。同図は
横軸に周波数をとり、縦軸に能動インダクタの抵抗分の
抵抗値Rをとった場合の周波数特性図である。図4
(b)に示した抵抗分の周波数特性は、図8における
「周波数が高くなるにつれて増加する抵抗損失」に相当
し、10GHz近傍を越える周波数領域では正の抵抗値
を有する。一方、抵抗71の抵抗値Rf1に基づく{−
(f/fT)2Rf1}の周波数特性は、図8における「挿
入抵抗により発生させた負性抵抗」に相当し、10GH
z近傍を越える周波数領域では負の抵抗値を有する。し
たがって、抵抗損失における周波数特性の変化が相殺さ
れ、図8における「補償後」の特性,すなわち抵抗損失
「0」,の特性が得られる。
横軸に周波数をとり、縦軸に能動インダクタの抵抗分の
抵抗値Rをとった場合の周波数特性図である。図4
(b)に示した抵抗分の周波数特性は、図8における
「周波数が高くなるにつれて増加する抵抗損失」に相当
し、10GHz近傍を越える周波数領域では正の抵抗値
を有する。一方、抵抗71の抵抗値Rf1に基づく{−
(f/fT)2Rf1}の周波数特性は、図8における「挿
入抵抗により発生させた負性抵抗」に相当し、10GH
z近傍を越える周波数領域では負の抵抗値を有する。し
たがって、抵抗損失における周波数特性の変化が相殺さ
れ、図8における「補償後」の特性,すなわち抵抗損失
「0」,の特性が得られる。
【0051】以上のように、抵抗71の抵抗値Rf1を調
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
【0052】〔実施形態3〕図9はこの実施形態による
能動インダクタ300の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
能動インダクタ300の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
【0053】この能動インダクタ300は、ソース接地
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET39のゲート42と
FET31のソース33間に抵抗値Rf2の抵抗72を接
続している。
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET39のゲート42と
FET31のソース33間に抵抗値Rf2の抵抗72を接
続している。
【0054】次に、端子17,18からFET39側を
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみで表現
されるとすれば、インピーダンスZ0は次式で与えられ
る。
【数8】
【0055】いま、FETの遮断周波数fT =gm1/
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2πCgs
a)とする。このときの等価回路の回路図を図10に示
す。同図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗値
−{1/gmf+(f/fT)2Rf2}の抵抗61とイン
ダクタンス値{(1/gmf+1/gma−Rf2)Cgs1
/gm1} のインダクタンス62の直列回路と概ね一致
する。抵抗50の抵抗値R0 を抵抗61と同じ大きさの
{1/gmf+(f/fT)2Rf2}とすると、(8)式
における抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がイ
ンダクタンス成分のみで与えられて、無損失なインダク
タとして動作する。
(2πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2πCgs
a)とする。このときの等価回路の回路図を図10に示
す。同図に示すように、抵抗値R0の抵抗50と抵抗値
−{1/gmf+(f/fT)2Rf2}の抵抗61とイン
ダクタンス値{(1/gmf+1/gma−Rf2)Cgs1
/gm1} のインダクタンス62の直列回路と概ね一致
する。抵抗50の抵抗値R0 を抵抗61と同じ大きさの
{1/gmf+(f/fT)2Rf2}とすると、(8)式
における抵抗分が打ち消され、インピーダンスZ0 がイ
ンダクタンス成分のみで与えられて、無損失なインダク
タとして動作する。
【0056】ここで、ゲート幅100μmのFET(相
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =(gm/2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗72の抵抗値Rf2
を変化させた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよ
びRの周波数特性を図11(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf2=0,10,50Ωの3つ
の場合を示してある。なお、使用する各FETのゲート
幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとする。
また、抵抗50の抵抗値R0は0とする。
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =(gm/2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗72の抵抗値Rf2
を変化させた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよ
びRの周波数特性を図11(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf2=0,10,50Ωの3つ
の場合を示してある。なお、使用する各FETのゲート
幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとする。
また、抵抗50の抵抗値R0は0とする。
【0057】前掲の図4(b)における抵抗分Rの周波
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図11(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗72の抵抗値Rf2に応じて変化するの
で、抵抗72の抵抗値Rf2を適切に設定することによ
り、実施形態2と同様に、上記の周波数特性の変化を補
償することができる。
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図11(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗72の抵抗値Rf2に応じて変化するの
で、抵抗72の抵抗値Rf2を適切に設定することによ
り、実施形態2と同様に、上記の周波数特性の変化を補
償することができる。
【0058】以上のように、抵抗72の抵抗値Rf2を調
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
【0059】〔実施形態4〕図12はこの実施形態によ
る能動インダクタ400の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
る能動インダクタ400の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
【0060】この能動インダクタ400は、ソース接地
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET31のゲート34と
ソース33間に抵抗値Rf3の抵抗73を接続している。
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET31のゲート34と
ソース33間に抵抗値Rf3の抵抗73を接続している。
【0061】次に、端子17,18からFET39側を
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみでそれ
ぞれ表現されるものとする。このときの等価回路の回路
図は、数GHz程度の低い周波数帯では概ね図13のよ
うになる。抵抗73の抵抗値Rf3を{gmf/(gm1
gma)}とすると、抵抗61の抵抗値が0となる。し
たがって、抵抗50の抵抗値R0 を0とすることによっ
て抵抗分を無視することができ、インピーダンスZ0 が
インダクタンス成分のみで与えられる。
見たインピーダンスZ0 を求める。回路の解析を簡単に
するため、FET31,FET39,FET43がすべ
て電気的に同じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲ
ート・ソース間の空乏層容量Cgs1,Cgsf,Cgsaおよ
び相互コンダクタンスgm1,gmf,gmaのみでそれ
ぞれ表現されるものとする。このときの等価回路の回路
図は、数GHz程度の低い周波数帯では概ね図13のよ
うになる。抵抗73の抵抗値Rf3を{gmf/(gm1
gma)}とすると、抵抗61の抵抗値が0となる。し
たがって、抵抗50の抵抗値R0 を0とすることによっ
て抵抗分を無視することができ、インピーダンスZ0 が
インダクタンス成分のみで与えられる。
【0062】ここで、ゲート幅100μmのFET(相
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗73の抵抗値Rf3
を変化させた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよ
びRの周波数特性を図14(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf3=50,100,1GΩの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
互コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=
0.16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=
20GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を
用いた能動インダクタに対して、抵抗73の抵抗値Rf3
を変化させた場合のインピーダンスZ0 に関するLおよ
びRの周波数特性を図14(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf3=50,100,1GΩの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
【0063】前掲の図4(b)における抵抗分Rの周波
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図14(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗73の抵抗値Rf3に応じて変化するの
で、抵抗73の抵抗値Rf3を適切に設定することで、実
施形態2と同様に、上記の周波数特性の変化を補償する
ことができる。
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図14(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗73の抵抗値Rf3に応じて変化するの
で、抵抗73の抵抗値Rf3を適切に設定することで、実
施形態2と同様に、上記の周波数特性の変化を補償する
ことができる。
【0064】以上のように、抵抗73の抵抗値Rf3を調
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
【0065】〔実施形態5〕図15はこの実施形態によ
る能動インダクタ500の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
る能動インダクタ500の回路図である。この図におい
て、図5と同一の部品,信号等には同一の符号を付して
あり、その説明を省略する。
【0066】この能動インダクタ500は、ソース接地
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET43のドレイン44
とFET31のゲート34間に抵抗値Rf4の抵抗74を
接続している。
のFET31に対して、ゲート接地でカスコード接続し
たFET39とFET43により一方向の帰還を行って
いる。また、FET39のドレイン40とFET43の
ソース45の接続点と端子17との間に抵抗値R0 の抵
抗50を接続するとともに、FET43のドレイン44
とFET31のゲート34間に抵抗値Rf4の抵抗74を
接続している。
【0067】次に、ゲート幅100μmのFET(相互
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を用い
た能動インダクタに対して、抵抗74の抵抗値Rf4を変
化させた場合に、インピーダンスZ0 に関するLおよび
Rの周波数特性を図16(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf4=0,200,400Ωの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
コンダクタンスgm=20ms、空乏層容量Cgs=0.
16pF、遮断周波数fT =gm/(2πCgs)=20
GHz、ドレインコンダクタンスGd=2mS)を用い
た能動インダクタに対して、抵抗74の抵抗値Rf4を変
化させた場合に、インピーダンスZ0 に関するLおよび
Rの周波数特性を図16(a)および同図(b)に示
す。この図では、抵抗値Rf4=0,200,400Ωの
3つの場合を示してある。なお、使用する各FETのゲ
ート幅はそれぞれ同じ大きさのものを使用するものとす
る。また、抵抗50の抵抗値R0 は0とする。
【0068】前掲の図4(b)における抵抗分Rの周波
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図16(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗74の抵抗値Rf4に応じて変化するの
で、抵抗74の抵抗値Rf4を適切に設定することで、実
施形態2同様に、上記の周波数特性の変化を補償するこ
とができる。
数特性図から、ドレインコンダクタンス値が変化すると
抵抗損失の周波数特性が変化することがわかる。しか
し、図16(b)に示すように、発生する負性抵抗の周
波数特性が抵抗74の抵抗値Rf4に応じて変化するの
で、抵抗74の抵抗値Rf4を適切に設定することで、実
施形態2同様に、上記の周波数特性の変化を補償するこ
とができる。
【0069】以上のように、抵抗74の抵抗値Rf4を調
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
整することで、所与のドレインコンダクタンス値に対し
て適切な損失補償を行うことができる。また、抵抗50
の抵抗値R0 を適切に設定することで、定常的に発生す
る抵抗損失(図3を参照)を補償し、低損失な周波数特
性を持たせることができる。したがって、本実施形態の
能動インダクタがマイクロ波帯以上の周波数においても
良好に動作することがわかる。
【0070】そして、以上説明した各実施形態の能動イ
ンダクタにあっては、本質的に抵抗素子やコンデンサを
必要とせず能動素子だけで構成できることから、素子数
の削減による回路の小型化が図れる上に、コンデンサな
どの受動素子を要するインダクタに比べて自己共振周波
数を高くすることができる。また、FETのゲートへの
電圧印加ポイントPの電圧を変化させることによって、
FETの相互コンダクタンスgmが変化し、能動インダ
クタのインダクタンス値を可変できることから、電圧調
整型の能動インダクタを実現できる。
ンダクタにあっては、本質的に抵抗素子やコンデンサを
必要とせず能動素子だけで構成できることから、素子数
の削減による回路の小型化が図れる上に、コンデンサな
どの受動素子を要するインダクタに比べて自己共振周波
数を高くすることができる。また、FETのゲートへの
電圧印加ポイントPの電圧を変化させることによって、
FETの相互コンダクタンスgmが変化し、能動インダ
クタのインダクタンス値を可変できることから、電圧調
整型の能動インダクタを実現できる。
【0071】〔変形例1〕上述した実施形態1〜5にお
いて、低周波での等価回路がこれらの各実施形態のもの
と同様であれば、上記以外の回路構成としても良い。こ
のような回路構成の第1の例として、上述した各能動イ
ンダクタ中のソース接地のFET31を、ソース接地の
FETとゲート接地のFETからなるカスコード接続回
路へ置き換える構成が考えられる。このように構成した
能動インダクタの回路図を、実施形態1〜実施形態5に
対応させてそれぞれ図17〜図21に示す。
いて、低周波での等価回路がこれらの各実施形態のもの
と同様であれば、上記以外の回路構成としても良い。こ
のような回路構成の第1の例として、上述した各能動イ
ンダクタ中のソース接地のFET31を、ソース接地の
FETとゲート接地のFETからなるカスコード接続回
路へ置き換える構成が考えられる。このように構成した
能動インダクタの回路図を、実施形態1〜実施形態5に
対応させてそれぞれ図17〜図21に示す。
【0072】例えば、実施形態1に対応する回路構成に
ついて説明すると、図17の回路では、図1の回路に対
してFET35が追加されており、図1のソース接地の
FET31が、FET31およびFET35から成るソ
ース接地カスコードFETに置き換えられている。な
お、FET35の後段へさらにFETを追加して、ソー
ス接地カスコードFETの段数を増やした構成としても
良い。そして、以上のように構成しても、実施形態1〜
5で説明したものと同様の作用,効果が得られる。
ついて説明すると、図17の回路では、図1の回路に対
してFET35が追加されており、図1のソース接地の
FET31が、FET31およびFET35から成るソ
ース接地カスコードFETに置き換えられている。な
お、FET35の後段へさらにFETを追加して、ソー
ス接地カスコードFETの段数を増やした構成としても
良い。そして、以上のように構成しても、実施形態1〜
5で説明したものと同様の作用,効果が得られる。
【0073】〔変形例2〕また、低周波での等価回路が
実施形態1〜5と同様な第2の例として、ゲート接地カ
スコードFETを構成するFET39をカスコード接続
とした構成が考えられる。その一例として、このような
変形を実施形態1の回路(図1を参照)へ適用した場合
の回路構成を図22に示してある。この図に示すよう
に、FET39のドレイン40と、FET43のソース
45との間に新たなFET81が挿入されており、FE
T81のソース83がFET39のドレイン40とFE
T43のゲート46に接続され、FET81のゲート8
4,ドレイン82がそれぞれFET39のソース41,
FET43のソース45に接続されている。
実施形態1〜5と同様な第2の例として、ゲート接地カ
スコードFETを構成するFET39をカスコード接続
とした構成が考えられる。その一例として、このような
変形を実施形態1の回路(図1を参照)へ適用した場合
の回路構成を図22に示してある。この図に示すよう
に、FET39のドレイン40と、FET43のソース
45との間に新たなFET81が挿入されており、FE
T81のソース83がFET39のドレイン40とFE
T43のゲート46に接続され、FET81のゲート8
4,ドレイン82がそれぞれFET39のソース41,
FET43のソース45に接続されている。
【0074】いま、回路の解析を簡単にするため、FE
T81がFET31,FET39,FET43と電気的
に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の空
乏層容量Cgsbおよび相互コンダクタンスgmbのみで表
現されるとし、FETの遮断周波数fT =gm1/(2
πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2πCgs
a)=gmb/(2πCgsb)とする。そうすると、図2
2に示す能動インダクタの低周波での等価回路は、抵抗
値R0の抵抗と抵抗値−(1/gmf +1/gmb)の負
性抵抗とインダクタンス値{(1/gmb+1/gma)
Cgs1/gm1}のインダクタンスの直列回路と概ね一致
する。したがって、相互コンダクタンスgmb とgmf
を等しくとれば、負性抵抗値が2倍になる以外は図1に
示す能動インダクタの等価回路(図2を参照)と同じに
なる。そして、このように負性抵抗値が大きいことは、
能動インダクタを発振器に使用する場合を考えると都合
が良い。
T81がFET31,FET39,FET43と電気的
に同じ特性を有し、ゲート直下のゲート・ソース間の空
乏層容量Cgsbおよび相互コンダクタンスgmbのみで表
現されるとし、FETの遮断周波数fT =gm1/(2
πCgs1)=gmf/(2πCgsf)=gma/(2πCgs
a)=gmb/(2πCgsb)とする。そうすると、図2
2に示す能動インダクタの低周波での等価回路は、抵抗
値R0の抵抗と抵抗値−(1/gmf +1/gmb)の負
性抵抗とインダクタンス値{(1/gmb+1/gma)
Cgs1/gm1}のインダクタンスの直列回路と概ね一致
する。したがって、相互コンダクタンスgmb とgmf
を等しくとれば、負性抵抗値が2倍になる以外は図1に
示す能動インダクタの等価回路(図2を参照)と同じに
なる。そして、このように負性抵抗値が大きいことは、
能動インダクタを発振器に使用する場合を考えると都合
が良い。
【0075】なお、実施形態2〜5に対しても同様の変
形が可能であることはもちろんである。また、FET8
1の後段へFETをさらに追加して、カスコード接続の
段数を増やした構成としても良い。そして、以上のよう
に構成しても、実施形態1〜5で説明したものと同様の
作用,効果が得られる。
形が可能であることはもちろんである。また、FET8
1の後段へFETをさらに追加して、カスコード接続の
段数を増やした構成としても良い。そして、以上のよう
に構成しても、実施形態1〜5で説明したものと同様の
作用,効果が得られる。
【0076】〔変形例3〕さらに、低周波での等価回路
が実施形態1〜5と等しい第3の例として、ゲート接地
のカスコードFETを構成するFET43をカスコード
接続とした構成が考えられる。その一例として、このよ
うな変形を実施形態1の回路(図1を参照)へ適用した
場合の回路構成を図23に示してある。この図に示すよ
うに、FET43のドレイン44とFET31のゲート
34の間に新たなFET85が挿入されており、FET
85のソース87,ゲート88がそれぞれFET43の
ドレイン44,ソース45に接続され、FET85のド
レイン86がFET31のゲート34に接続されてい
る。
が実施形態1〜5と等しい第3の例として、ゲート接地
のカスコードFETを構成するFET43をカスコード
接続とした構成が考えられる。その一例として、このよ
うな変形を実施形態1の回路(図1を参照)へ適用した
場合の回路構成を図23に示してある。この図に示すよ
うに、FET43のドレイン44とFET31のゲート
34の間に新たなFET85が挿入されており、FET
85のソース87,ゲート88がそれぞれFET43の
ドレイン44,ソース45に接続され、FET85のド
レイン86がFET31のゲート34に接続されてい
る。
【0077】なお、実施形態2〜5に対しても同様の変
形が可能であることはもちろんである。また、FET8
5の後段へFETをさらに追加して、カスコード接続の
段数を増やした構成としても良い。以上のように構成し
ても、実施形態1〜5で説明したものと同様の作用,効
果が得られる。さらに、低周波での等価回路が同様であ
れば、変形例1〜変形例3以外の回路構成であっても良
い。
形が可能であることはもちろんである。また、FET8
5の後段へFETをさらに追加して、カスコード接続の
段数を増やした構成としても良い。以上のように構成し
ても、実施形態1〜5で説明したものと同様の作用,効
果が得られる。さらに、低周波での等価回路が同様であ
れば、変形例1〜変形例3以外の回路構成であっても良
い。
【0078】〔変形例4〕上述した実施形態2〜5で
は、周波数に依存した負性抵抗を発生させるために、抵
抗値Rf1〜Rf4の抵抗71〜74を互いに異なる箇所に
1個だけ挿入している。しかし、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、これら実施形態を組み合わせること
で、周波数に依存した負性抵抗を発生させるための抵抗
素子を2箇所以上に挿入した回路構成としても良い。
は、周波数に依存した負性抵抗を発生させるために、抵
抗値Rf1〜Rf4の抵抗71〜74を互いに異なる箇所に
1個だけ挿入している。しかし、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、これら実施形態を組み合わせること
で、周波数に依存した負性抵抗を発生させるための抵抗
素子を2箇所以上に挿入した回路構成としても良い。
【0079】そこでまず、抵抗素子を2箇所に挿入した
場合における回路構成を図24〜図29に示す。図24
は、実施形態2,3の組み合わせに相当し、FET39
のソース41とFET43のゲート46間に抵抗値Rf1
の抵抗71を挿入し、FET39のゲート42とFET
31のソース33間に抵抗値Rf2の抵抗72を挿入した
構成となっている。
場合における回路構成を図24〜図29に示す。図24
は、実施形態2,3の組み合わせに相当し、FET39
のソース41とFET43のゲート46間に抵抗値Rf1
の抵抗71を挿入し、FET39のゲート42とFET
31のソース33間に抵抗値Rf2の抵抗72を挿入した
構成となっている。
【0080】また、図25は実施形態2,4の組み合わ
せであって、FET39のソース41とFET43のゲ
ート46間に抵抗値Rf1の抵抗71を挿入し、FET3
1のソース33とゲート34間に抵抗値Rf3の抵抗73
を挿入した構成である。さらに、図26は実施形態2,
5の組み合わせであって、FET39のソース41とF
ET43のゲート46間に抵抗値Rf1の抵抗71を挿入
し、FET31のゲート34とFET43のドレイン4
4間に抵抗値Rf4の抵抗74を挿入した構成である。
せであって、FET39のソース41とFET43のゲ
ート46間に抵抗値Rf1の抵抗71を挿入し、FET3
1のソース33とゲート34間に抵抗値Rf3の抵抗73
を挿入した構成である。さらに、図26は実施形態2,
5の組み合わせであって、FET39のソース41とF
ET43のゲート46間に抵抗値Rf1の抵抗71を挿入
し、FET31のゲート34とFET43のドレイン4
4間に抵抗値Rf4の抵抗74を挿入した構成である。
【0081】以下同様に、図27は実施形態3,4の組
み合わせ、図28は実施形態3,5の組み合わせ、図2
9は実施形態4,5の組み合わせである。次に、抵抗素
子を3箇所に挿入した場合における回路構成を図30〜
図33に示す。図30は実施形態2,3,4を組み合わ
せた場合、図31は実施形態2,3,5を組み合わせた
場合、図32は実施形態2,4,5を組み合わせた場
合、図33は実施形態3,4,5を組み合わせた場合で
ある。さらに、抵抗素子を4箇所すべてに挿入した場
合、その回路構成は図34のようになる。以上のように
構成した場合であっても、挿入された抵抗71〜74の
抵抗値Rf1〜Rf4を調整することで、実施形態2〜5と
同様の損失補償が実現できる。
み合わせ、図28は実施形態3,5の組み合わせ、図2
9は実施形態4,5の組み合わせである。次に、抵抗素
子を3箇所に挿入した場合における回路構成を図30〜
図33に示す。図30は実施形態2,3,4を組み合わ
せた場合、図31は実施形態2,3,5を組み合わせた
場合、図32は実施形態2,4,5を組み合わせた場
合、図33は実施形態3,4,5を組み合わせた場合で
ある。さらに、抵抗素子を4箇所すべてに挿入した場
合、その回路構成は図34のようになる。以上のように
構成した場合であっても、挿入された抵抗71〜74の
抵抗値Rf1〜Rf4を調整することで、実施形態2〜5と
同様の損失補償が実現できる。
【0082】〔変形例5〕上述した実施形態1〜5につ
いて、抵抗50を削除した構成,すなわち抵抗値R0 =
0Ω,とした回路構成としても良い。このように構成し
た能動インダクタの回路構成を実施形態1の場合につい
て図35に示す。なお、実施形態2〜5については、図
5,図9,図12,図15からそれぞれ抵抗50を削除
すれば良く、当業者であればその回路構成を容易に想起
できるため、ここでは図示を省略する。
いて、抵抗50を削除した構成,すなわち抵抗値R0 =
0Ω,とした回路構成としても良い。このように構成し
た能動インダクタの回路構成を実施形態1の場合につい
て図35に示す。なお、実施形態2〜5については、図
5,図9,図12,図15からそれぞれ抵抗50を削除
すれば良く、当業者であればその回路構成を容易に想起
できるため、ここでは図示を省略する。
【0083】〔変形例6〕大きなインダクタンス値を得
る目的で、図36に示すように、各FETにそれぞれコ
ンデンサを接続した構成としても良い。この図に示す能
動インダクタ600は、実施形態1の能動インダクタ1
00(図1を参照)に対して、FET31のソース3
3,ゲート34間、FET39のソース41,ゲート4
2間、FET43のソース45,ゲート46間に、それ
ぞれ容量C1,C2,C3 を有するコンデンサ51,5
2,53を接続したものである。
る目的で、図36に示すように、各FETにそれぞれコ
ンデンサを接続した構成としても良い。この図に示す能
動インダクタ600は、実施形態1の能動インダクタ1
00(図1を参照)に対して、FET31のソース3
3,ゲート34間、FET39のソース41,ゲート4
2間、FET43のソース45,ゲート46間に、それ
ぞれ容量C1,C2,C3 を有するコンデンサ51,5
2,53を接続したものである。
【0084】ここで、端子17,18から見た能動イン
ダクタ600のインピーダンスZ0は、(6)式におけ
る容量Cgs1 を(C1+Cgs1)で置き換えたものにな
る。したがって、実施形態1と比較すると、遮断周波数
fT は小さくなるものの、(6)式における容量Cgs1
が等価的に大きくなって、実施形態1の能動インダクタ
100よりも大きなインダクタンス値が得られる。
ダクタ600のインピーダンスZ0は、(6)式におけ
る容量Cgs1 を(C1+Cgs1)で置き換えたものにな
る。したがって、実施形態1と比較すると、遮断周波数
fT は小さくなるものの、(6)式における容量Cgs1
が等価的に大きくなって、実施形態1の能動インダクタ
100よりも大きなインダクタンス値が得られる。
【0085】なお、実施形態2〜5の能動インダクタに
ついても、各FETにそれぞれコンデンサを接続するこ
とで同様なインダクタンス値の増大効果が得られる。そ
して、このように構成しても、能動インダクタを本質的
にはトランジスタ,コンデンサのみで構成できるため、
上記各実施と同様に回路の小型化を図ることができる。
ついても、各FETにそれぞれコンデンサを接続するこ
とで同様なインダクタンス値の増大効果が得られる。そ
して、このように構成しても、能動インダクタを本質的
にはトランジスタ,コンデンサのみで構成できるため、
上記各実施と同様に回路の小型化を図ることができる。
【0086】〔変形例7〕上記の各実施形態では、3端
子の能動素子としてFETを用いた場合を示したが、こ
れに限らず、例えばバイポーラトランジスタやHEMT
を用いても同様に構成できる。なお、上述した変形例1
〜変形例7を任意に組み合わせた構成としても良いのは
勿論である。
子の能動素子としてFETを用いた場合を示したが、こ
れに限らず、例えばバイポーラトランジスタやHEMT
を用いても同様に構成できる。なお、上述した変形例1
〜変形例7を任意に組み合わせた構成としても良いのは
勿論である。
【0087】〈実験例1〉図17に示す回路構成(実施
形態1に対して変形例1による変形を施した構成)によ
る能動インダクタの試作結果を以下に示す。実験では、
図17におけるFET31,35,39,43およびD
Cバイアス用のFETとしてゲート幅25μmのHEM
T(相互コンダクタンスgm=11mS)を用い、抵抗
50の抵抗値R0 =36Ωとした。ゲートバイアス抵抗
は2kΩであって、それぞれFETのソース電極と接続
した。バイアス条件はドレイン電圧が10V,ドレイン
電流が15mAとした。なお、チップサイズは0.43
×0.40mm2 であった。
形態1に対して変形例1による変形を施した構成)によ
る能動インダクタの試作結果を以下に示す。実験では、
図17におけるFET31,35,39,43およびD
Cバイアス用のFETとしてゲート幅25μmのHEM
T(相互コンダクタンスgm=11mS)を用い、抵抗
50の抵抗値R0 =36Ωとした。ゲートバイアス抵抗
は2kΩであって、それぞれFETのソース電極と接続
した。バイアス条件はドレイン電圧が10V,ドレイン
電流が15mAとした。なお、チップサイズは0.43
×0.40mm2 であった。
【0088】図37には、Sパラメータのシミュレーシ
ョン結果を示してあり、1GHzにおける直列抵抗値は
0.3Ωである。一方、図38には測定したSパラメー
タの結果を示してある。測定した抵抗値とインダクタン
ス値は図37に示すシミュレーション結果よりも大きい
が、これはパターンレイアウトに起因する寄生容量や、
DCバイアス用のFETのインピーダンスの影響による
ものと考えられ、さらには、FETのゲートバイアス用
抵抗をそれぞれFETのソース電極と接続しているため
に、バイアスが固定されて負性抵抗値の微調整ができな
いからだと考えられる。なお、1GHzにおける直列抵
抗値は0.8Ωであり、Q値換算では28であった。
ョン結果を示してあり、1GHzにおける直列抵抗値は
0.3Ωである。一方、図38には測定したSパラメー
タの結果を示してある。測定した抵抗値とインダクタン
ス値は図37に示すシミュレーション結果よりも大きい
が、これはパターンレイアウトに起因する寄生容量や、
DCバイアス用のFETのインピーダンスの影響による
ものと考えられ、さらには、FETのゲートバイアス用
抵抗をそれぞれFETのソース電極と接続しているため
に、バイアスが固定されて負性抵抗値の微調整ができな
いからだと考えられる。なお、1GHzにおける直列抵
抗値は0.8Ωであり、Q値換算では28であった。
【0089】〈実験例2〉実施形態1の回路構成を用い
た別の実験の結果の詳細を以下に述べる。図39に当実
験で使用した能動インダクタの詳細な回路図を示す。図
に示すFET31,39,43およびDCバイアス用の
FET51は、すべてゲート長0.1μmのInAlAs/InG
aAs/InP のHEMTを用いた。これらのHEMTは25
μm幅,平均のfT=140GHz,fmax=180GH
zであり、ソース電極とドレイン電極は非合金オーム接
触とし、接触抵抗を低減させるために n+-InGaAs/n+-In
AlASキャップ層を用いた。また、バイアス条件は、Vg
1=0.0V,Vg2=1.2V,Vg3=2.4V,
Vg4=3.5V,Vd=4.9V,ドレイン電流Id
=11mAとした。なお、抵抗値R0 は29Ωとし、ま
たチップサイズは0.78×0.40mm2であった。
た別の実験の結果の詳細を以下に述べる。図39に当実
験で使用した能動インダクタの詳細な回路図を示す。図
に示すFET31,39,43およびDCバイアス用の
FET51は、すべてゲート長0.1μmのInAlAs/InG
aAs/InP のHEMTを用いた。これらのHEMTは25
μm幅,平均のfT=140GHz,fmax=180GH
zであり、ソース電極とドレイン電極は非合金オーム接
触とし、接触抵抗を低減させるために n+-InGaAs/n+-In
AlASキャップ層を用いた。また、バイアス条件は、Vg
1=0.0V,Vg2=1.2V,Vg3=2.4V,
Vg4=3.5V,Vd=4.9V,ドレイン電流Id
=11mAとした。なお、抵抗値R0 は29Ωとし、ま
たチップサイズは0.78×0.40mm2であった。
【0090】図40に2GHz〜26GHzについて測
定したSパラメータを示す。結果として、0.045G
Hz〜26.5GHzの周波数範囲で直列抵抗が0Ω以
上に保たれ、20GHzを越える範囲まで損失補償がな
されている。なお、直流カット用のコンデンサのため
に、2GHzでのSパラメータは容量性となっている。
定したSパラメータを示す。結果として、0.045G
Hz〜26.5GHzの周波数範囲で直列抵抗が0Ω以
上に保たれ、20GHzを越える範囲まで損失補償がな
されている。なお、直流カット用のコンデンサのため
に、2GHzでのSパラメータは容量性となっている。
【0091】また、図41には、能動インダクタのイン
ピーダンスを抵抗及びインダクタンスの直列接続で表わ
したとして、その際のインピーダンスの周波数特性の測
定結果を示してある。6GHz及び20GHzにおける
インダクタンス値はそれぞれ0.41nH及び0.82
nHであり、これらの間の周波数範囲におけるQ値は1
00を越えている。また、7GHz及び15GHzにお
けるインダクタンス値はそれぞれ0.44nH及び0.
59nHであり、これらの間の周波数範囲におけるQ値
は1000を越えている。
ピーダンスを抵抗及びインダクタンスの直列接続で表わ
したとして、その際のインピーダンスの周波数特性の測
定結果を示してある。6GHz及び20GHzにおける
インダクタンス値はそれぞれ0.41nH及び0.82
nHであり、これらの間の周波数範囲におけるQ値は1
00を越えている。また、7GHz及び15GHzにお
けるインダクタンス値はそれぞれ0.44nH及び0.
59nHであり、これらの間の周波数範囲におけるQ値
は1000を越えている。
【0092】ところで、アクティブフィルタ,位相シフ
タ,発振器などへの応用を考えると、バイアスと温度変
化に対する安定性が重要であると言える。図42は、1
8GHzにおいてバイアス電圧Vg3を変化させたとき
の特性変化の測定結果である。2.5V及び1.5Vで
のインダクタンス値はそれぞれ0.73nH及び0.8
3nHであり、これらのバイアス値におけるQ値は35
0及び420であった。また、18GHzにおいて−5
〜55°Cの温度変化をさせて測定を行った結果、イン
ダクタンス値及び抵抗値の変化はそれぞれ0.1nH以
内および2Ω以内であった。
タ,発振器などへの応用を考えると、バイアスと温度変
化に対する安定性が重要であると言える。図42は、1
8GHzにおいてバイアス電圧Vg3を変化させたとき
の特性変化の測定結果である。2.5V及び1.5Vで
のインダクタンス値はそれぞれ0.73nH及び0.8
3nHであり、これらのバイアス値におけるQ値は35
0及び420であった。また、18GHzにおいて−5
〜55°Cの温度変化をさせて測定を行った結果、イン
ダクタンス値及び抵抗値の変化はそれぞれ0.1nH以
内および2Ω以内であった。
【0093】また、ダイナミックレンジを調べるため
に、2.6GHzにおいて入射パワーを変化させたとき
のインダクタンス値,抵抗値の変化を調べた。このとき
の装置構成を図43に示す。図に示すように、信号発生
器81が発生した2.6GHzの信号をサーキュレータ
82を介して能動インダクタ83へ注入し、反射された
信号をスペクトラムアナライザ84で観測した。図44
に示すように、1-dBのゲイン圧縮点は入射パワーが
-1dBmのときであり、反射信号においては第2高調
波のパワーに対する基本波のパワーが20dBを越えて
いる。また、位相偏差は図示した入射パワーの範囲にお
いて1度未満であった。このように、インダクタンス値
及び抵抗値の変化は入射パワーが -1dBmまでは無視
できる。
に、2.6GHzにおいて入射パワーを変化させたとき
のインダクタンス値,抵抗値の変化を調べた。このとき
の装置構成を図43に示す。図に示すように、信号発生
器81が発生した2.6GHzの信号をサーキュレータ
82を介して能動インダクタ83へ注入し、反射された
信号をスペクトラムアナライザ84で観測した。図44
に示すように、1-dBのゲイン圧縮点は入射パワーが
-1dBmのときであり、反射信号においては第2高調
波のパワーに対する基本波のパワーが20dBを越えて
いる。また、位相偏差は図示した入射パワーの範囲にお
いて1度未満であった。このように、インダクタンス値
及び抵抗値の変化は入射パワーが -1dBmまでは無視
できる。
【0094】さらに、図45には、最近の報告のうち5
0を越えるQ値が実測されたものについて、これら報告
におけるバンド幅を本発明の実測値と比較した結果を示
してある。従来例によると、測定された周波数範囲の最
大値はおよそ1GHz〜2GHzであるのに対し、本発
明はこれよりも広帯域,低損失となっていることがわか
る。
0を越えるQ値が実測されたものについて、これら報告
におけるバンド幅を本発明の実測値と比較した結果を示
してある。従来例によると、測定された周波数範囲の最
大値はおよそ1GHz〜2GHzであるのに対し、本発
明はこれよりも広帯域,低損失となっていることがわか
る。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1,2,
3,4,5記載の発明によれば、周波数によらず定常的
に発生する抵抗損失を、周波数に対して一定の負性抵抗
を発生させて相殺させ、しかも、インダクタを能動素子
のみから構成できるようにしたので、素子数の削減によ
る回路の小型化を実現できるとともに、コンデンサなど
の受動素子を要するインダクタに比べて自己共振周波数
を高くすることができるという効果が得られる。また、
マイクロ波帯以上の周波数領域においても能動インダク
タのインピーダンスがインダクタンス成分のみとなっ
て、任意のインダクタンス値が得られ、直流から高周波
帯までの広い帯域にわたって低損失な能動インダクタを
実現できるという効果も得られる。
3,4,5記載の発明によれば、周波数によらず定常的
に発生する抵抗損失を、周波数に対して一定の負性抵抗
を発生させて相殺させ、しかも、インダクタを能動素子
のみから構成できるようにしたので、素子数の削減によ
る回路の小型化を実現できるとともに、コンデンサなど
の受動素子を要するインダクタに比べて自己共振周波数
を高くすることができるという効果が得られる。また、
マイクロ波帯以上の周波数領域においても能動インダク
タのインピーダンスがインダクタンス成分のみとなっ
て、任意のインダクタンス値が得られ、直流から高周波
帯までの広い帯域にわたって低損失な能動インダクタを
実現できるという効果も得られる。
【0096】また、請求項1,2,6〜9記載の発明に
よれば、周波数が高くなるにつれて増大する抵抗損失
を、該抵抗損失の周波数特性と相反する周波数特性を持
つ負性抵抗を発生させて相殺するようにしたので、ドレ
インコンダクタンス値の変化により発生する抵抗損失の
周波数特性が相殺できることとなり、所与のドレインコ
ンダクタンス値に対して適切な損失補償を行うことがで
きるという効果が得られる。
よれば、周波数が高くなるにつれて増大する抵抗損失
を、該抵抗損失の周波数特性と相反する周波数特性を持
つ負性抵抗を発生させて相殺するようにしたので、ドレ
インコンダクタンス値の変化により発生する抵抗損失の
周波数特性が相殺できることとなり、所与のドレインコ
ンダクタンス値に対して適切な損失補償を行うことがで
きるという効果が得られる。
【0097】また、請求項2,3記載の発明によれば、
能動インダクタに内在するインダクタンス成分に対して
負性抵抗を直列に発生させるようにしたので、損失補償
される周波数範囲を広くできるという効果が得られる。
また、請求項10,12,14記載の発明によれば、各
トランジスタの第1電極及び第2電極の間にコンデンサ
を接続するようにしたので、各トランジスタの空乏層容
量の容量値を等価的に増大させることができ、能動イン
ダクタのインダクタンス値を大きくできるという効果が
得られる。
能動インダクタに内在するインダクタンス成分に対して
負性抵抗を直列に発生させるようにしたので、損失補償
される周波数範囲を広くできるという効果が得られる。
また、請求項10,12,14記載の発明によれば、各
トランジスタの第1電極及び第2電極の間にコンデンサ
を接続するようにしたので、各トランジスタの空乏層容
量の容量値を等価的に増大させることができ、能動イン
ダクタのインダクタンス値を大きくできるという効果が
得られる。
【0098】また、請求項11,13記載の発明によれ
ば、第1〜第3のトランジスタのそれぞれに対して1個
以上のトランジスタをカスコードに接続するようにした
ので、上記の各能動インダクタと低周波での等価回路が
等しい能動インダクタを異なる回路構成により実現でき
るという効果が得られる。
ば、第1〜第3のトランジスタのそれぞれに対して1個
以上のトランジスタをカスコードに接続するようにした
ので、上記の各能動インダクタと低周波での等価回路が
等しい能動インダクタを異なる回路構成により実現でき
るという効果が得られる。
【図1】 この発明の実施形態1による能動インダクタ
の回路図である。
の回路図である。
【図2】 同実施形態による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図3】 この発明が採用している「直列抵抗による損
失補償」の原理を説明する図である。
失補償」の原理を説明する図である。
【図4】 同実施形態による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
【図5】 この発明の実施形態2による能動インダクタ
の回路図である。
の回路図である。
【図6】 同実施形態による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図7】 同実施形態による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
【図8】 この発明が採用している「挿入抵抗による損
失補償」の原理を説明する図である。
失補償」の原理を説明する図である。
【図9】 この発明の実施形態3による能動インダクタ
の回路図である。
の回路図である。
【図10】 同実施形態による能動インダクタの等価回
路の回路図である。
路の回路図である。
【図11】 同実施形態による能動インダクタのインダ
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
【図12】 この発明の実施形態4による能動インダク
タの回路図である。
タの回路図である。
【図13】 同実施形態による能動インダクタの等価回
路の回路図である。
路の回路図である。
【図14】 同実施形態による能動インダクタのインダ
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
【図15】 この発明の実施形態5による能動インダク
タの回路図である。
タの回路図である。
【図16】 同実施形態による能動インダクタのインダ
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
クタンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))
の周波数特性を示す図である。
【図17】 この発明の変形例1を実施形態1に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図18】 この発明の変形例1を実施形態2に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図19】 この発明の変形例1を実施形態3に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図20】 この発明の変形例1を実施形態4に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図21】 この発明の変形例1を実施形態5に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図22】 この発明の変形例2を実施形態1に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図23】 この発明の変形例3を実施形態1に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図24】 この発明の実施形態2,3を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図25】 この発明の実施形態2,4を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図26】 この発明の実施形態2,5を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図27】 この発明の実施形態3,4を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図28】 この発明の実施形態3,5を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図29】 この発明の実施形態4,5を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図30】 この発明の実施形態2,3,4を組み合わ
せた場合の回路図である。
せた場合の回路図である。
【図31】 この発明の実施形態2,3,5を組み合わ
せた場合の回路図である。
せた場合の回路図である。
【図32】 この発明の実施形態2,4,5を組み合わ
せた場合の回路図である。
せた場合の回路図である。
【図33】 この発明の実施形態3,4,5を組み合わ
せた場合の回路図である。
せた場合の回路図である。
【図34】 この発明の実施形態2〜5を組み合わせた
場合の回路図である。
場合の回路図である。
【図35】 この発明の変形例5を実施形態1に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図36】 この発明の変形例6を実施形態1に適用し
た場合の回路図である。
た場合の回路図である。
【図37】 この発明の変形例1を実施形態1に適用し
た能動インダクタに関するSパラメータの計算値を示す
図である。
た能動インダクタに関するSパラメータの計算値を示す
図である。
【図38】 この発明の変形例1を実施形態1に適用し
た実験例1の能動インダクタに関するSパラメータの測
定値を示す図である。
た実験例1の能動インダクタに関するSパラメータの測
定値を示す図である。
【図39】 実験例2による能動インダクタの詳細な回
路図である。
路図である。
【図40】 同実験例による能動インダクタのSパラメ
ータの測定結果を示す図である。
ータの測定結果を示す図である。
【図41】 同実験例による能動インダクタのインピー
ダンスの周波数特性図である。
ダンスの周波数特性図である。
【図42】 同実験例において、能動インダクタを構成
するFETのバイアス電圧を変化させた時のインダクタ
ンス及びQ値の特性変化を表わす図である。
するFETのバイアス電圧を変化させた時のインダクタ
ンス及びQ値の特性変化を表わす図である。
【図43】 同実験例において、能動インダクタのダイ
ナミックレンジを調べるための装置の構成を示す図であ
る。
ナミックレンジを調べるための装置の構成を示す図であ
る。
【図44】 同実験例において、能動インダクタへ入射
させた信号のパワーと反射された信号のパワーとの関係
を示す図である。
させた信号のパワーと反射された信号のパワーとの関係
を示す図である。
【図45】 同実験例において、ダイナミックレンジを
第3及び第5の従来例と本発明とで比較した結果を示す
図である。
第3及び第5の従来例と本発明とで比較した結果を示す
図である。
【図46】 第1の従来例による能動インダクタの回路
図である。
図である。
【図47】 同従来例による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図48】 同従来例による能動インダクタの周波数特
性を示す図である。
性を示す図である。
【図49】 第2の従来例による能動インダクタの回路
図である。
図である。
【図50】 同従来例による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図51】 同従来例による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
【図52】 第3の従来例による能動インダクタの回路
図である。
図である。
【図53】 同従来例による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図54】 同従来例による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
【図55】 第4の従来例による能動インダクタの回路
図である。
図である。
【図56】 同従来例による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図57】 同従来例による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
【図58】 第5の従来例による能動インダクタの回路
図である。
図である。
【図59】 同従来例による能動インダクタの等価回路
の回路図である。
の回路図である。
【図60】 同従来例による能動インダクタのインダク
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
タンスL(同図(a))および抵抗R(同図(b))の
周波数特性を示す図である。
C 直流電圧阻止用のコンデンサ P 高周波を遮断するコイルを介して電圧が印加される
ポイント 16,50,61,71〜74 抵抗 17,18 端子 31,35,39,43,81,85 FET 32,36,40,44,82,86 ドレイン 33,37,41,45,83,87 ソース 34,38,42,46,84,88 ゲート 51,52,53 コンデンサ 62,64 インダクタンス
ポイント 16,50,61,71〜74 抵抗 17,18 端子 31,35,39,43,81,85 FET 32,36,40,44,82,86 ドレイン 33,37,41,45,83,87 ソース 34,38,42,46,84,88 ゲート 51,52,53 コンデンサ 62,64 インダクタンス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−205107(JP,A) 米国特許5256991(US,A) 電子情報通信学会技術研究報告Vo l.95,No.179(MW95−66)、 1995年7月25日発行,p.57〜62 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/48
Claims (14)
- 【請求項1】 周波数によらず定常的に発生する抵抗損
失を、周波数に対して一定の負性抵抗を発生させて相殺
する第1の補償手段と、 周波数が高くなるにつれて増大する抵抗損失を、該抵抗
損失の周波数特性と相反する周波数特性を持つ負性抵抗
を発生させて相殺する第2の補償手段と を有し、 能動素子のみから構成されたことを特徴とする能動イン
ダクタ。 - 【請求項2】 前記第1の補償手段は、前記能動インダ
クタに内在するインダクタンス成分に対して前記負性抵
抗を直列に発生させることを特徴とする請求項1記載の
能動インダクタ。 - 【請求項3】 周波数によらず定常的に発生する抵抗損
失を、周波数に対して一定の負性抵抗を発生させて相殺
するとともに、自身の能動インダクタに内在するインダ
クタンス成分に対して前記負性抵抗を直列に発生させる
第1の補償手段を有し、 能動素子のみから構成されたことを特徴とする能動イン
ダクタ。 - 【請求項4】 第1のトランジスタと、 第1電極が前記第1のトランジスタの第2電極に接続さ
れ、第2電極が前記第1のトランジスタの第3電極に接
続された第2のトランジスタと、 第1電極が前記第2のトランジスタの第2電極に接続さ
れ、第2電極が前記第2のトランジスタの第3電極に接
続され、第3電極が前記第1のトランジスタの第1電極
に接続された第3のトランジスタとを有し、 前記第2のトランジスタの第3電極と前記第3のトラン
ジスタの第2電極との接続線から引き出した第1の端子
と、前記第1のトランジスタの第2電極から引き出した
第2の端子とを2端子とし、 前記第1〜第3のトランジスタの各トランジスタがFE
TまたはHEMTである場合、前記各トランジスタの第
1電極はゲート電極,第2電極はソース電極,第3電極
はドレイン電極であり、前記第1〜第3のトランジスタ
の各トランジスタがバイポーラトランジスタである場
合、前記各トランジスタの第1電極はベース電極,第2
電極はエミッタ電極,第3電極はコレクタ電極である こ
とを特徴とする能動インダクタ。 - 【請求項5】 前記第2のトランジスタの第3電極と前
記第3のトランジスタの第2電極との接続線と、前記第
1の端子との間に第1の抵抗素子を挿入したことを特徴
とする請求項4記載の能動インダクタ。 - 【請求項6】 前記第2のトランジスタの第2電極と前
記第3のトランジスタの第1電極との間に第2の抵抗素
子を挿入したことを特徴とする請求項4又は5記載の能
動インダクタ。 - 【請求項7】 前記第1のトランジスタの第2電極と前
記第2のトランジスタの第1電極との間に第3の抵抗素
子を挿入したことを特徴とする請求項4〜6の何れかの
項記載の能動インダクタ。 - 【請求項8】 前記第1のトランジスタの第1電極と前
記第1のトランジスタの第2電極との間に第4の抵抗素
子を挿入したことを特徴とする請求項4〜7の何れかの
項記載の能動インダクタ。 - 【請求項9】 前記第1のトランジスタの第1電極と前
記第3のトランジスタの第3電極との間に第5の抵抗素
子を挿入したことを特徴とする請求項4〜8の何れかの
項記載の能動インダクタ。 - 【請求項10】 前記第1のトランジスタの第1電極及
び第2電極の間に第1のコンデンサを接続し、前記第2
のトランジスタの第1電極及び第2電極の間に第2のコ
ンデンサを接続し、前記第3のトランジスタの第1電極
及び第2電極の間に第3のコンデンサを接続したことを
特徴とする請求項4〜9の何れかの項記載の能動インダ
クタ。 - 【請求項11】 前記第1のトランジスタの第1電極と
前記第3のトランジスタの第3電極との間にn(n≧
1)個のトランジスタを挿入し、 前記n個のトランジスタを前記第3のトランジスタへカ
スコードに接続し、 前記n個のトランジスタの各トランジスタがFETまた
はHEMTである場合、これら各トランジスタの第1電
極はゲート電極,第2電極はソース電極,第3電極はド
レイン電極であり、前記n個のトランジスタの各トラン
ジスタがバイポーラトランジスタである場合、これら各
トランジスタの第1電極はベース電極,第2電極はエミ
ッタ電極,第3電極はコレクタ電極である ことを特徴と
する請求項4〜10の何れかの項記載の能動インダク
タ。 - 【請求項12】 前記n個のトランジスタの各々の第1
電極及び第2電極の間にそれぞれコンデンサを接続した
ことを特徴とする請求項11記載の能動インダクタ。 - 【請求項13】 前記第2のトランジスタの第3電極と
前記第3のトランジスタの第2電極との間にp(p≧
1)個のトランジスタを挿入し、 前記p個のトランジスタを前記第2のトランジスタへカ
スコードに接続し、 前記p個のトランジスタの各トランジスタがFETまた
はHEMTである場合、これら各トランジスタの第1電
極はゲート電極,第2電極はソース電極,第3電極はド
レイン電極であり、前記p個のトランジスタの各トラン
ジスタがバイポーラトランジスタである場合、これら各
トランジスタの第1電極はベース電極,第2電極はエミ
ッタ電極,第3電極はコレクタ電極である ことを特徴と
する請求項4〜12の何れかの項記載の能動インダク
タ。 - 【請求項14】 前記p個のトランジスタの各々の第1
電極及び第2電極の間にそれぞれコンデンサを接続した
ことを特徴とする請求項13記載の能動インダクタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP7-15435 | 1995-02-01 | ||
JP01457396A JP3216693B2 (ja) | 1995-02-01 | 1996-01-30 | 能動インダクタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08274584A JPH08274584A (ja) | 1996-10-18 |
JP3216693B2 true JP3216693B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=26350537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01457396A Expired - Fee Related JP3216693B2 (ja) | 1995-02-01 | 1996-01-30 | 能動インダクタ |
Country Status (1)
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WO2008062607A1 (fr) * | 2006-11-21 | 2008-05-29 | Nec Corporation | Circuit rf, procédé d'évaluation de circuit, algorithme et support d'enregistrement |
US9774315B2 (en) * | 2015-11-05 | 2017-09-26 | Xilinx, Inc. | Method for increasing active inductor operating range and peaking gain |
JP7115630B2 (ja) * | 2019-03-18 | 2022-08-09 | 三菱電機株式会社 | 移相器、移相器の製造方法 |
CN111988016B (zh) * | 2020-07-20 | 2022-12-23 | 北京工业大学 | 高频下大电感值高q值且在同一频率下q峰值可独立调节的有源电感 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0616578B2 (ja) * | 1989-02-02 | 1994-03-02 | 株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所 | 能動インダクタ |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP01457396A patent/JP3216693B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
電子情報通信学会技術研究報告Vol.95,No.179(MW95−66)、1995年7月25日発行,p.57〜62 |
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Publication number | Publication date |
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JPH08274584A (ja) | 1996-10-18 |
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