JP3211859B2 - 能動フィルタ - Google Patents

能動フィルタ

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JP3211859B2
JP3211859B2 JP10278295A JP10278295A JP3211859B2 JP 3211859 B2 JP3211859 B2 JP 3211859B2 JP 10278295 A JP10278295 A JP 10278295A JP 10278295 A JP10278295 A JP 10278295A JP 3211859 B2 JP3211859 B2 JP 3211859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランジスタを用いた
小型・広帯域な高周波信号用の能動フィルタに関し、必
要に応じて帯域阻止特性を持つ状態と全周波通過特性を
持つ状態とに切り替え可能にした能動フィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば衛星通信などにおいては、能動フ
ィルタの状態を、通常想定される周波数を有する妨害波
を除去する他に、イレギュラーな妨害波を必要に応じて
除去するなどのために、帯域阻止特性を持つ状態と広帯
域で信号を通過させる状態とに切り替える必要がある。
【0003】図9に従来例の帯域阻止能動フィルタを示
す(特開昭63−157502号公報参照)。この図に
示す従来例においては、伝送線路511,512にλ/
2の共振器513が静電容量517によって結合されて
おり、この共振器513の他方側には、増幅器514お
よび位相調整線路515が静電容量518,519によ
って結合されている。516は、増幅器514に対して
その動作用の直流電源VBを入切するためのスイッチで
ある。スイッチ516を閉じて増幅器514を動作して
いる状態にすると、増幅器514および位相調整線路5
15は互いに共働して共振器513の共振周波数f0
近傍において負性抵抗回路として働き、共振器513側
にエネルギーを供給する働きをするため、等価的に共振
器513のQ(無負荷Q)が大幅に高められる。即ち、
共振周波数f0において信号が急速に減衰されるように
なり、その結果例えば図10に実線で示すような所定の
帯域阻止特性を得ることができる。
【0004】一方、スイッチ516を開いて増幅器51
4を動作していない状態に切り替えると、共振器513
には増幅器514からのエネルギーの供給が無くなるた
め、共振回路のQは共振器513の元の(裸の)Qにま
で大幅に低下する。それによって共振器513のフィル
タとしての機能は低下し、例えば図10で破線で示すよ
うなフラットに近い周波数特性が得られる。このよう
に、増幅器514を動作している状態と動作していない
状態とに切り替えることによって、フィルタ特性を持つ
状態と持たない状態とに切り替えることができ、それに
よってほぼ図10のような周波数特性を実現することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来例による能動フィルタでは、共振器513のQ値を変
えることで周波数特性を変化させているため、完全にフ
ラットな通過特性とすることができなかった。又、負性
抵抗を発生させているため、その大きさによっては不安
定な動作になり得る可能性を有していた。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、例えばマイクロ波帯以上の高周波帯
においても小型・広帯域で、必要に応じて帯域阻止特性
を持つ状態と全周波通過特性を持つ状態とに切り替え可
能にした高周波信号用の能動フィルタを提供することに
ある。
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】 また、請求項記載の発
明は、第1電極が接地され、第2電極が入力端子に接続
された第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタ
の第3電極に接続された、3つのうち少なくとも1つは
可変抵抗素子である第1から第3の抵抗素子と可変イン
ダクタからなるπ形回路と、第1電極が前記π形回路に
接続され、第2電極が接地され、第3電極が出力端子に
接続された第2のトランジスタと、第1電極が接地さ
れ、第2電極が前記入力端子に接続され、第3電極が前
記出力端子に接続された第3のトランジスタとを具備す
ることを特徴とする。
【0010】また、請求項記載の発明は、第1電極が
接地され、第2電極が入力端子に接続された第1のトラ
ンジスタと、前記第1のトランジスタの第3電極に接続
された、3つのうち少なくとも1つは可変抵抗素子であ
る第1から第3の抵抗素子と可変インダクタからなるπ
形回路と、第1電極が前記π形回路に接続され、第2電
極が接地され、第3電極が出力端子に接続された第2の
トランジスタと、第1電極が接地され、第2電極が前記
入力端子に接続された第3のトランジスタと、第1電極
が前記第3のトランジスタの第3電極に接続され、第2
電極が前記出力端子に接続され、第3電極が接地された
第4のトランジスタと、前記第3のトランジスタの第3
電極と前記第4のトランジスタの第1電極の接続点と接
地との間に設けられた第4の抵抗素子とを具備すること
を特徴とする。
【0011】また、請求項記載の発明は、前記第1の
トランジスタの相互コンダクタンスと前記第3のトラン
ジスタの相互コンダクタンスとを、前記入力端子から見
た入力インピーダンスへ整合させたことを特徴とする請
求項またはに記載の能動フィルタである。
【0012】また、請求項記載の発明は、前記第4の
トランジスタの相互コンダクタンスを、前記出力端子か
ら見た出力インピーダンスへ整合させたことを特徴とす
る請求項に記載の能動フィルタである。
【0013】また、請求項記載の発明は、前記第1の
抵抗素子と可変インダクタの並列接続回路に対して、さ
らに可変キャパシタを並列に接続したことを特徴とする
請求項ないしのいずれか1項に記載の能動フィルタ
である。
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】 また、請求項記載の発明によれば、2
の全周波通過回路と2次の帯域素子回路の両方と同様の
電圧伝達関数を取り得る能動フィルタを構成し、なおか
後記(3)式または(4)式で与えられるアドミタン
ス行列のY21パラメータを有する回路が構成される。従
って、可変インダクタのインダクタンス値を可変するこ
とにより、中心角周波数が連続的に変化するフィルタを
構成できる。これにより、トランジスタを用いた、広帯
域な能動フィルタを提供できる。また、回路をトランジ
スタ・抵抗素子・インダクタのみで構成できるため、フ
ィルタの小型化を図ることができる。
【0017】また、請求項記載の発明によれば、入力
端子に接続され、第1電極が接地された第1のトランジ
スタおよび第3のトランジスタの相互コンダクタンス
を、入力インピーダンスに対して適切に設定するように
している。これにより、入力の能動整合が可能となり、
結果として受動整合素子が不要となって、フィルタの小
型化を図ることが可能となる。
【0018】また、請求項記載の発明によれば、出力
端子に接続され、第3電極が接地された第4のトランジ
スタの相互コンダクタンスを、出力インピーダンスに対
して適切に設定するようにしている。これにより、出力
の能動整合が可能となり、結果として受動整合素子が不
要となって、さらなるフィルタの小型化を図ることが可
能となる。
【0019】また、請求項記載の発明によれば、第1
の可変抵抗素子と可変インダクタの並列接続回路に対し
て可変キャパシタを並列に接続して可変キャパシタのキ
ャパシタンス値を可変させるようにする。これにより、
さらに広帯域な能動フィルタが得られる。
【0020】
【実施例】まず、この発明による能動フィルタの動作原
理について簡単に説明する。一般的な2次の全周波通過
回路の電圧伝達関数H(s)は、入力電圧をV1、出力電圧
をV2、中心角周波数をω0、QファクタをQ、s=jω
(ここで、ωは角周波数)とした場合に、次式で示され
る。
【0021】
【数9】
【0022】次に、一般的な2次の帯域阻止回路の電圧
伝達関数H(s)は、入力電圧をV1、出力電圧をV2、中
心角周波数をω0、QファクタをQ、s=jω(ここ
で、ωは角周波数)とした場合に、次式で示される。
【0023】
【数10】
【0024】よって、電子回路のアドミタンス行列Yに
おけるY21が次式で表される場合には、全周波通過特性
が得られることとなる。なお、Gは回路の比例定数であ
る。
【0025】
【数11】
【0026】同様に、電子回路のアドミタンス行列Yに
おけるY21が次式で表される場合には、帯域阻止特性が
得られることとなる。なお、Gは回路の比例定数であ
る。
【0027】
【数12】
【0028】従って、可変抵抗素子の抵抗値を変化させ
ることでアドミタンス行列のY21が(3)式と(4)式
の両方を取り得る回路を構成し、阻止帯域の中心角周波
数ω0を決定するインダクタのみあるいはキャパシタと
インダクタの並列回路を設け、キャパシタまたはインダ
クタのうち少なくとも一つを電圧制御素子などで構成
し、キャパシタンス値またはインダクタンス値を可変と
することにより、振幅一定で阻止帯域のみを連続的に大
きく変化させることができる。さらに、Qファクタを決
定する抵抗回路の抵抗素子を可変とすることにより、Q
ファクタを可変にすることができる。
【0029】[実施例1]次に、図面を参照してこの発
明の第1の実施例について説明する。図1は本発明の第
1の実施例による能動フィルタ100の回路図である。
この図において、V1およびV2は各々能動フィルタ10
0の入力電圧および出力電圧、Z01およびZ02は各々能
動フィルタ100の入力および出力インピーダンス、
C,C,C,…は直流電圧阻止用のコンデンサ、P,
P,P,…は高周波を遮断するコイルを介して電圧が印
加されるポイント、端子16は入力端子、端子18は出
力端子、端子17・19は接地端子、20は抵抗値R3
を有する抵抗、22はインダクタンス値L3を有するイ
ンダクタ、24は抵抗値R1を有する抵抗、25は抵抗
値R2を有する抵抗である。なお、抵抗20・24・2
5のうち少なくとも、1つは可変抵抗素子である。
【0030】また、31・35・39はFET(電界効
果トランジスタ)であって、ゲート直下のゲート・ソー
ス間の空乏層容量として各々Cgs1、Cgs2、Cgsfを有
し、相互コンダクタンスとして各々gm1、gm2、gm
fを有する。また、G・S・Dは各々、FETのゲート
電極・ソース電極・ドレイン電極である。一方、端子3
2・36・40はそれぞれFET31・35・39のド
レイン電極、端子33・37・41はそれぞれFET3
1・35・39のソース電極、端子34・38・42は
それぞれFET31・35・39のゲート電極である。
この能動フィルタ100は、ゲート接地のFET31
と、抵抗24と抵抗25さらに抵抗20とインダクタ2
2の並列回路とからなるπ形回路と、ソース接地のFE
T35とを縦続接続した回路に対して、ゲート接地のF
ET39を並列に接続している。
【0031】次に、上記構成による能動フィルタ100
の動作を説明する。まず、図1の回路のアドミタンス行
列Yを求める。解析を簡単にするため、FET31・F
ET35・FET39がすべて電気的に同じ特性を有
し、それぞれがゲート直下のゲート・ソース間の空乏層
容量Cgs1、Cgs2、Cgsfおよび相互コンダクタンスg
m1、gm2、gmfのみで表現されるとする。すると、
アドミタンス行列Yは、s=jωとして、次式で与えら
れる。
【0032】
【数13】
【0033】ここで、FETの遮断周波数fT=gm1/
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
gsf)とする。同一のウェハ内では、このようなfT
等しい特性を有するFETを容易に構成することが可能
である。アドミタンス行列YのY2 1は、変形して、
【0034】
【数14】
【0035】となる。中心角周波数ω0とQファクタ
は、(3)式と(1−2)式により次式のようになる。
【0036】
【数15】
【0037】
【数16】
【0038】ここで、2次の全周波通過回路と同様に、
中心角周波数ω0を変化させても、Y21の振幅が常に一
定になるための条件は、(1−2)式より、
【0039】
【数17】
【0040】また、2次の帯域阻止回路と同様に、中心
角周波数ω0を変化させても、Y21の振幅が阻止帯域外
で常に一定となるための条件は、
【0041】
【数18】
【0042】従って、抵抗24の抵抗値R1、抵抗25
の抵抗値R2、抵抗20の抵抗値R3のうちいずれか1つ
以上の可変抵抗素子の抵抗値を変化させ、(1−5)式
または(1−6)式の関係を満たす値に設定すること
で、2次の全周波通過フィルタあるいは2次の帯域阻止
フィルタとして動作させることができる。また、インダ
クタ22を電圧制御素子などで構成してインダクタンス
値L3を可変とすることにより、中心角周波数を変化さ
せることができる。このとき、(1−4)式より、Qフ
ァクタもこれらの抵抗値の組み合わせを変えることで変
化させることができる。さらには、相互コンダクタンス
(gm1+gmf)を入力インピーダンスZ01の逆数とす
ることにより、能動素子のみで入力整合が達成できる。
【0043】ここで、FET31としてゲート幅25μ
mのFET(相互コンダクタンスgm1=5mS、空乏
層容量Cgs1=0.04pF、遮断周波数fT=20GH
z)を、FET35・FET39としてゲート幅200
μmのFET(相互コンダクタンスgm2=gmf=40
mS、空乏層容量Cgs2=Cgsf=0.32pF、遮断周
波数fT=20GHz)を用いた能動フィルタの周波数
特性を図2に示す。
【0044】図2において、S11、S21、S22は各々ア
ドミタンス行列YのY11、Y21、Y2 2に対応している。
左上図(a)は入力整合の様子を、右下図(c)は出力整合の
様子を表している。図から明らかなように、S11は−7
dB以下であって入力整合していることが見て取れる。
21(右上図(b)参照)については、例えばケース(0)に
おいては、インダクタンス値L3=5nH,抵抗値R1
857Ω,R2=2.8kΩ,R3=3.2kΩに設定す
ることで、全周波通過特性になることがわかる。また、
ケース(1),ケース(2),ケース(3)においては、それぞ
れインダクタンス値L3を4nH,5nH,6nHに、
抵抗値R1=400Ω,R2=2.8kΩ,R3=3.2
kΩに設定することで、帯域阻止特性になり、インダク
タンス値を変化させることで帯域阻止の中心周波数を変
化させることができることがわかる。
【0045】なお、(1−2)式より、Y21は相互コン
ダクタンスgmfに比例するため、相互コンダクタンス
gmfを大きくすることでS21に利得を持たせることが
できる。ここで、相互コンダクタンスgm1の値を完全
に入力インピーダンスZ01に調整しなくとも、上述した
インピーダンス整合は可能である。従って、(1−2)
式を満足し、なおかつ相互コンダクタンスgmfを変え
て利得を可変することが可能である。これは、これ以後
の実施例においても同様である。以上より、この実施例
による能動フィルタ100が良好に動作することがわか
る。
【0046】[実施例2]次に、図面を参照してこの発
明の第2の実施例について説明する。図3は本発明の第
2の実施例による能動フィルタ200の回路図である。
ここで、図1と同一の部品・信号には同一の符号を付し
てあり、その説明を省略する。この図において、43は
FETであって、ゲート・ソース間の空乏層容量として
gsaを、相互コンダクタンスとしてgmaを有する。ま
た、端子44・45・46は各々FET43のドレイン
・ソース・ゲート電極である。また、23は抵抗値Rs
を持つ抵抗である。
【0047】この能動フィルタ200は、ゲート接地の
FET31と、抵抗24と抵抗25さらに抵抗20とイ
ンダクタ22の並列回路とからなるπ形回路と、ソース
接地のFET35とを縦続接続した回路に対して、この
縦続接続回路と並列に、ゲート接地のFET39とドレ
イン接地のFET43とを縦続接続してこれらFETの
間に抵抗23をシャントに挿入した回路を接続してい
る。
【0048】次に、上記構成による能動フィルタ200
の動作を説明する。まず、図3の回路のアドミタンス行
列Yを求める。解析を簡単にするため、FET31・F
ET35・FET39・FET43がすべて電気的に同
じ特性を有し、それぞれがゲート直下のゲート・ソース
間の空乏層容量Cgs1、Cgs2、Cgsf、Cgsaおよび相互
コンダクタンスgm1、gm2、gmf、gmaのみで表現
されるとする。すると、アドミタンス行列Yは、s=j
ωとして、次式で与えられる。
【0049】
【数19】
【0050】ここで、FETの遮断周波数fT=gm1/
(2πCgs1)=gm2/(2πCgs2)=gmf/(2π
gsf)=gma/(2πCgsa)とする。同一のウェハ
内では、このようなfTの等しい特性を有するFETを
容易に構成することが可能である。アドミタンス行列Y
のY22が振幅一定となる周波数特性を有するために抵抗
23の抵抗値Rsに必要とされる条件は、次式で与えら
れる。 Rs=1/gma (2−2) このとき、(2−1)式は次式のようになる。
【0051】
【数20】
【0052】すると、アドミタンス行列YのY21は、
【0053】
【数21】
【0054】となる。これは(1−2)式と同じであ
る。従って、抵抗23の抵抗値Rsを(2−2)式の値
に設定し、抵抗24の抵抗値R1、抵抗25の抵抗値
2、抵抗20の抵抗値R3のうちいずれか1つ以上の可
変抵抗素子の抵抗値を変化させ、(1−5)式または
(1−6)式の関係を満たす値に設定することで、2次
の全周波通過フィルタあるいは2次の帯域阻止フィルタ
として動作させることができる。また、インダクタ22
を電圧制御素子などで構成してインダクタンス値L3
可変とすることにより、中心角周波数を変化させること
ができる。このとき、(1−4)式より、Qファクタも
これらの抵抗値の組み合わせを変えることで変化させる
ことができる。さらには、相互コンダクタンス(gm1
+gmf)を入力インピーダンスZ01の逆数とすること
により、能動素子のみで入力整合が達成できる。また、
相互コンダクタンスgmaを出力インピーダンスZ02
逆数とすることにより、能動素子のみで出力整合を達成
できる。
【0055】ここで、FET31としてゲート幅25μ
mのFET(相互コンダクタンスgm1=5mS、空乏
層容量Cgs1=0.04pF、遮断周波数fT=20GH
z)を、FET35・FET39としてゲート幅200
μmのFET(相互コンダクタンスgm2=gmf=40
mS、空乏層容量Cgs2=Cgsf=0.32pF、遮断周
波数fT=20GHz)を、FET43としてゲート幅
50μmのFET(相互コンダクタンスgma=10m
S、空乏層容量Cgsa=0.08pF、遮断周波数fT
20GHz)を用いた能動フィルタの周波数特性を図4
に示す。なお、以上から、抵抗23の抵抗値Rs=1/
gma=100Ωとする。図から明らかなように、S1 1
は−7dB以下、S22は−9dB以下であって入出力と
もに整合していることがわかる。S21については、例え
ばケース(0)においては、インダクタンス値L3=5n
H,抵抗値R1=857Ω,R2=2.8kΩ,R3
3.2kΩに設定することで、全周波通過特性になるこ
とがわかる。
【0056】また、ケース(1),ケース(2),ケース(3)
においては、それぞれインダクタンス値L3を4nH,
5nH,6nHに、抵抗値R1=400Ω,R2=2.8
kΩ,R3=3.2kΩに設定することで、帯域阻止特
性になり、インダクタンス値を変化させることで帯域阻
止の中心周波数を変化させることができることがわか
る。なお、(2−5)式より、Y21は相互コンダクタン
スgmfに比例するため、相互コンダクタンスgmfを大
きくすることでS21に利得をもたせることができる。以
上により、この実施例による能動フィルタ200が良好
に動作することがわかる。
【0057】[実施例3]次に、図面を参照してこの発
明の第3の実施例について説明する。図5は本発明の第
3の実施例による能動フィルタ300の回路図である。
ここで、図1と同一の部品・信号には同一の符号を付し
てあり、その説明を省略する。この図において21は容
量C3を持つキャパシタである。また、この能動フィル
タ300は、第1の実施例における能動フィルタ100
の抵抗20とインダクタ22の並列回路に対してキャパ
シタ21を並列に接続したものである。
【0058】次に、上記構成による能動フィルタ300
の動作を説明する。第1の実施例と比較して、能動フィ
ルタ300のアドミタンス行列YのY21は容量Cgs2
(C3+Cgs2)で置き換えたものになり、次式で表され
ることになる。
【0059】
【数22】
【0060】従って、抵抗24の抵抗値R1、抵抗25
の抵抗値R2、抵抗20の抵抗値R3のうちいずれか1つ
以上の可変抵抗素子の抵抗値を変化させ、(1−5)式
または(1−6)式の関係を満たす値に設定すること
で、2次の全周波通過フィルタあるいは2次の帯域阻止
フィルタとして動作させることができる。また、キャパ
シタ21またはインダクタ22を電圧制御素子などで構
成して、キャパシタンス値C3またはインダクタンス値
3を可変とすることにより、中心角周波数を変化させ
ることができる。このとき、(1−4)式より、Qファ
クタもこれらの抵抗値の組み合わせを変えることで変化
させることができる。さらには、相互コンダクタンス
(gm1+gmf)を入力インピーダンスZ01の逆数とす
ることにより、能動素子のみで入力整合が達成できる。
【0061】ここで、FET31としてゲート幅25μ
mのFET(相互コンダクタンスgm1=5mS、空乏
層容量Cgs1=0.04pF、遮断周波数fT=20GH
z)を、FET35・FET39としてゲート幅200
μmのFET(相互コンダクタンスgm2=gmf=40
mS、空乏層容量Cgs2=Cgsf=0.32pF、遮断周
波数fT=20GHz)を用いた能動フィルタの周波数
特性を図6に示す。図から明らかなように、S11は−7
dB以下であって入力整合していることがわかる。S2 1
については、例えばケース(0)においては、キャパシタ
ンス値C3=0.5pF,インダクタンス値L3=5n
H,抵抗値R1=857Ω,R2=2.8kΩ,R3
3.2kΩに設定することで、全周波通過特性になるこ
とがわかる。
【0062】また、ケース(1),ケース(2),ケース(3)
においては、それぞれキャパシタンス値C3を0.4p
F,0.5pF,0.6pFに、インダクタンス値L3
=5nH,抵抗値R1=400Ω,R2=2.8kΩ,R
3=3.2kΩに設定することで、帯域阻止特性にな
り、キャパシタンス値を変化させることで帯域阻止の中
心周波数を変化させることができることがわかる。な
お、(3−1)式より、Y21は相互コンダクタンスgm
fに比例するため、相互コンダクタンスgmfを大きくす
ることでS21に利得をもたせることができる。以上によ
り、この実施例による能動フィルタ300が良好に動作
することがわかる。
【0063】[実施例4]次に、図面を参照してこの発
明の第4の実施例について説明する。図7は本発明の第
4の実施例による能動フィルタ400の回路図である。
ここで、図3あるいは図5と同一の部品・信号には同一
の符号を付してあり、その説明を省略する。この能動フ
ィルタ400は、第2の実施例における能動フィルタ2
00の抵抗20とインダクタ22の並列回路に対してキ
ャパシタ21を並列に接続したものである。
【0064】次に、上記構成による能動フィルタ400
の動作を説明する。第2の実施例と比較して、能動フィ
ルタ400のアドミタンス行列YのY21は容量Cgs2
(C3+Cgs2)で置き換えたものになり、次式で表され
ることになる。
【0065】
【数23】
【0066】従って、抵抗23の抵抗値Rsを(2−
2)式の値に設定し、抵抗24の抵抗値R1、抵抗25
の抵抗値R2、抵抗20の抵抗値R3のうちいずれか1つ
以上の可変抵抗素子の抵抗値を変化させ、(1−5)式
または(1−6)式の関係を満たす値に設定すること
で、2次の全周波通過フィルタあるいは2次の帯域阻止
フィルタとして動作させることができる。また、キャパ
シタ21またはインダクタ22を電圧制御素子などで構
成し、キャパシタンス値C3またはインダクタンス値L3
を可変とすることにより、中心角周波数を変化させるこ
とができる。このとき、(1−4)式より、Qファクタ
もこれらの抵抗値の組み合わせを変えることで変化させ
ることができる。さらには、相互コンダクタンス(gm
1+gmf)を入力インピーダンスZ01の逆数とすること
により、能動素子のみで入力整合が達成できる。また、
相互コンダクタンスgmaを出力インピーダンスZ02
逆数とすることにより、能動素子のみで出力整合を達成
できる。
【0067】ここで、FET31としてゲート幅25μ
mのFET(相互コンダクタンスgm1=5mS、空乏
層容量Cgs1=0.04pF、遮断周波数fT=20GH
z)を、FET35・FET39としてゲート幅200
μmのFET(相互コンダクタンスgm2=gmf=40
mS、空乏層容量Cgs2=Cgsf=0.32pF、遮断周
波数fT=20GHz)を、FET43としてゲート幅
50μmのFET(相互コンダクタンスgma=10m
S、空乏層容量Cgsa=0.08pF、遮断周波数fT
20GHz)を用いた能動フィルタの周波数特性を図8
に示す。なお、以上から、抵抗23の抵抗値Rs=1/
gma=100Ωとする。図から明らかなように、S1 1
は−7dB以下、S22も−9dB以下であって入出力と
もに整合していることがわかる。S21については、例え
ばケース(0)においては、キャパシタンス値C3=0.5
pF,インダクタンス値L3=5nH,抵抗値R1=85
7Ω,R2=2.8kΩ,R3=3.2kΩに設定するこ
とで、全周波通過特性になることがわかる。
【0068】また、ケース(1),ケース(2),ケース(3)
においては、それぞれキャパシタンス値C3を0.4p
F,0.5pF,0.6pFに、インダクタンス値L3
=5nH,抵抗値R1=400Ω,R2=2.8kΩ,R
3=3.2kΩに設定することで、帯域阻止特性にな
り、キャパシタンス値を変化させることで帯域阻止の中
心周波数を変化させることができることがわかる。な
お、(4−1)式より、Y21は相互コンダクタンスgm
fに比例するため、相互コンダクタンスgmfを大きくす
ることでS21に利得をもたせることができる。以上によ
り、この実施例による能動フィルタ400が良好に動作
することがわかる。
【0069】なお、以上の説明においては、3端子の能
動素子としてFETを用いた場合を示したが、これに限
らず、例えばバイポーラトランジスタやHEMT(高電
子移動度トランジスタ)を用いても同様に構成できる。
また、FETゲートへの電圧印加ポイントPの電圧を変
化させることにより、相互コンダクタンスgmが変化す
るので、振幅変動を抑圧できる電圧制御型の能動フィル
タを実現できる。
【0070】以上述べた実施例は全て本発明を例示的に
示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は
他の種々の変形態様および変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0071】
【0072】
【0073】
【発明の効果】 以上説明したように、 請求項記載
の発明によれば、2次の全周波通過回路と2次の帯域阻
止回路の両方と同様の電圧伝達関数を取り得る能動フィ
ルタを構成し、なおかつ前記(3)式または(4)式で
与えられるアドミタンス行列のY21パラメータを有する
回路が構成される。従って、可変インダクタのインダク
タンス値を可変することにより、中心角周波数が連続的
に変化するフィルタを構成できる。これにより、トラン
ジスタを用いた広帯域な能動フィルタを提供できる。ま
た、回路をトランジスタ・抵抗素子・インダクタのみで
構成できるため、フィルタの小型化を図ることができ
る。
【0074】また、請求項記載の発明によれば、入力
端子に接続され、第1電極が接地された第1のトランジ
スタおよび第3のトランジスタの相互コンダクタンス
を、入力インピーダンスに対して適切に設定するように
している。これにより、入力の能動整合が可能となり、
結果として受動整合素子が不要となって、フィルタの小
型化を図ることが可能となる。
【0075】また、請求項記載の発明によれば、出力
端子に接続され、第3電極が接地された第4のトランジ
スタの相互コンダクタンスを、出力インピーダンスに対
して適切に設定するようにしている。これにより、出力
の能動整合が可能となり、結果として受動整合素子が不
要となって、さらなるフィルタの小型化を図ることが可
能となる。
【0076】また、請求項記載の発明によれば、第1
の可変抵抗素子と可変インダクタの並列接続回路に対し
て可変キャパシタを並列に接続して可変キャパシタのキ
ャパシタンス値を可変させるようにする。これにより、
さらに広帯域な能動フィルタが得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による能動フィルタの回
路図である。
【図2】本発明の第1の実施例による能動フィルタの周
波数特性を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例による能動フィルタの回
路図である。
【図4】本発明の第2の実施例による能動フィルタの周
波数特性を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例による能動フィルタの回
路図である。
【図6】本発明の第3の実施例による能動フィルタの周
波数特性を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例による能動フィルタの回
路図である。
【図8】本発明の第4の実施例による能動フィルタの周
波数特性を示す図である。
【図9】従来例の帯域阻止能動フィルタの等価回路図で
ある。
【図10】従来例の帯域阻止能動フィルタの周波数特性
の一例を示す図である。
【符号の説明】
P:高周波を遮断するコイルを介して電圧が印加される
ポイント C:直流電圧阻止用のコンデンサ 20,23,24,25:抵抗 21:キャパシタ 22:インダクタ 31,35,39,43:FET 32,36,40,44:ドレイン 33,37,41,45:ソース 34,38,42,46:ゲート 511,512:伝送線路 513:共振器 514:増幅器 515:位相調整回路 516:スイッチ 517,518,519:キャパシタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/04 H03H 11/12 H03H 11/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1電極が接地され、第2電極が入力端子
    に接続された第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第3電極に接続された、3つ
    のうち少なくとも1つは可変抵抗素子である第1から第
    3の抵抗素子と可変インダクタからなるπ形回路と、 第1電極が前記π形回路に接続され、第2電極が接地さ
    れ、第3電極が出力端子に接続された第2のトランジス
    タと、 第1電極が接地され、第2電極が前記入力端子に接続さ
    れ、第3電極が前記出力端子に接続された第3のトラン
    ジスタとを具備してなる能動フィルタ。
  2. 【請求項2】第1電極が接地され、第2電極が入力端子
    に接続された第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第3電極に接続された、3つ
    のうち少なくとも1つは可変抵抗素子である第1から第
    3の抵抗素子と可変インダクタからなるπ形回路と、 第1電極が前記π形回路に接続され、第2電極が接地さ
    れ、第3電極が出力端子に接続された第2のトランジス
    タと、 第1電極が接地され、第2電極が前記入力端子に接続さ
    れた第3のトランジスタと、 第1電極が前記第3のトランジスタの第3電極に接続さ
    れ、第2電極が前記出力端子に接続され、第3電極が接
    地された第4のトランジスタと、 前記第3のトランジスタの第3電極と前記第4のトラン
    ジスタの第1電極の接続点と接地との間に設けられた第
    4の抵抗素子とを具備してなる能動フィルタ。
  3. 【請求項3】前記第1のトランジスタの相互コンダクタ
    ンスと前記第3のトランジスタの相互コンダクタンスと
    を、前記入力端子から見た入力インピーダンスへ整合さ
    せたことを特徴とする請求項またはに記載の能動フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】前記第4のトランジスタの相互コンダクタ
    ンスを、前記出力端子から見た出力インピーダンスへ整
    合させたことを特徴とする請求項に記載の能動フィル
    タ。
  5. 【請求項5】前記第1の抵抗素子と可変インダクタの並
    列接続回路に対して、さらに可変キャパシタを並列に接
    続したことを特徴とする請求項ないしのいずれか1
    項に記載の能動フィルタ。
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