JP2715633B2 - ファットブルーム耐性向上剤、及びこれを含有してなるハードバター、並びにそれらを用いたチョコレート類. - Google Patents

ファットブルーム耐性向上剤、及びこれを含有してなるハードバター、並びにそれらを用いたチョコレート類.

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なファットブルーム耐性向上剤に関
し、更に詳しくは、特定のトリグリセライドからなるフ
ァットブルーム耐性向上剤、及びこれを含有してなるハ
ードバター、並びにそれらを用いて製造するチョコレー
ト類に関するものである。
〔従来の技術〕
今日、チョコレート類製品についての消費者からの苦
情の殆どは所謂ファットブルームに関するものであり、
この問題を解決するために、ファットブルームの発生を
防止し或いは遅延させるための数多くの研究がなされて
きている。
ファットブルーム防止については、古くは乳脂、硬化
ピーナッツ油、テンパリング型ハードバター等の油脂自
体が対象とされてきたが、最近では蔗糖エステル、ポリ
グリセリン、ソルビタンエステル等の乳化剤の他、カカ
オ脂とは異なった特定のトリグリセライド組成物の活
用、更にはチョコレートの乳化による製法等による製品
が上市されている。
具体的には例えば、シア油、サル油及びパーム油の
中融点画分の利用(特開平1-157341号)、特定の非対
称型トリグリセライドを利用する方法(特開平2-138937
号)、ベヘン酸を含むトリグリセライドを利用する方
法(特開昭63-56250号、同63-240745号、特開平1-60330
号)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを利用する方法
(特開昭60-130341号、同61-181339号、同62-104547
号)、ベヘン酸含有トリグリセライドと乳化剤との組
合せを利用する方法(特開昭62-118848号)、更には
エルカ酸、トランス型脂肪酸を含むトリグリセライドと
乳化剤とを組合わせる方法(特開平1-157342号,特開平
1-285153号)等が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の各種防止剤では、ファットブルーム防
止効果は奏しても他の性質を損なう場合が多い。例え
ば、の耐熱保型性を向上させる方法及びの非対称型
トリグリセライドを用いる方法では口融け性の低下が避
けられず、或いはテンパリング中の生地粘度を上昇させ
て作業性を低下させるという問題点があり、これを回避
せんとすればファットブルーム防止効果を不充分な範囲
にとどめざるを得ず、従って大幅なファットブルーム防
止効果は期待し難い。又、のベヘン酸含有の対称型ト
リグリセライドを用いる方法では、充分なファットブル
ーム防止効果を得るためには、安定型結晶の微細粉末を
使用しなければならず、結晶型のコントロール及び粉砕
技術等を必要とする。更に〜の如く乳化剤を添加す
る方法や硬化油と組み合わせる方法では、非テンパリン
グ系チョコレートに限られたり、又、テンパリング系チ
ョコレートの場合、その効果はファットブルーム発生テ
ストの温度が30℃以下の低温である等、必ずしも充分と
はいえず、満足し得る状態とは言い難いのが実情であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる実情に鑑み、上記問題を解決する
べく鋭意研究の結果、特定の組成物が顕著なファットブ
ルーム耐性向上効果を有することを見出し、本発明を完
成した。
即ち、本発明の第1は、2−位にC12以下の飽和脂肪
酸(X)が結合し、1,3−位にC16以上の飽和脂肪酸
(S)が結合する1,3−ジ(S)−2−モノ(X)型ト
リグリセライド(SXS)からなるファットブルーム耐性
向上剤を、本発明の第2は、前記トリグリセライド(SX
S)からなるファットブルーム耐性向上剤を1,3−特異性
のリパーゼを用い、エステル交換によって製造すること
を、本発明の第3は、前記ファットブルーム耐性向上剤
を3.2重量%以上含有させることを特徴とするハードバ
ターを、更に、本発明の第4は、前記ファットブルーム
耐性向上剤、又は前記ハードバターを加えることによっ
て、チョコレートの原料成分中に(SXS)を2.0重量%以
上含有させることを特徴とするチョコレート類を、それ
ぞれ内容とするものである。
上記本発明に係るファットブルーム耐性向上剤を用い
る場合、トリグリセライド(SXS)において、Xとして
はC12以下の飽和脂肪酸であることを要し、望ましくはC
4以上の飽和脂肪酸が良い。この場合、XがC14より長鎖
になると、チョコレート製造時において、しばしば問題
となるテンパリング工程での粘度上昇を来してデポジッ
ト性を悪化させる原因となるので好ましくない。次に、
SとしてはC16以上の飽和脂肪酸であれば特に限定され
ないが、望ましくはC16又はC18がよい。
上記のトリグリセライド(SXS)を組成物としてチョ
コレートに添加して用いる場合、この組成物中のSXS含
量は20重量%以上、望ましくは40重量%以上あるように
調整される。この含有率が低いと、効率よくチョコレー
ト中のSXS含有量を高めることができず、又、SXS以外の
成分によってはチョコレート類の品質が損なわれる場合
がある。即ち、チョコレート製造時において、しばしば
問題となるテンパリング工程で粘度上昇を来してデポジ
ット性を悪化させる原因となる三飽和トリグリセライド
と、チョコレート製品のスナップ性を悪化させる原因と
なる低融点成分を溶剤分別等により除去することが好ま
しい。具体的には、組成物中のSXS以外の三飽和トリグ
リセライドは20重量%以下、望ましくは10重量%以下と
し、分子中に不飽和又はC12以下の短鎖脂肪酸が2個以
上結合したトリグリセライドの合計は50重量%以下、望
ましくは30重量%以下とするのがよい。
本発明に係るファットブルーム耐性向上剤を構成する
トリグリセライドは、1,3−位と2−位の位置特異性を
必要とする関係から、1,3−位特異性を有するリバーゼ
によるエステル交換法を用いる事が好ましい。即ち、例
えば合成した中鎖脂肪酸トリグリセライド等の短鎖脂肪
酸のみからなるトリグリセライドや比較的短鎖脂肪酸に
富むヤシ油、パーム核油等の1モルに対し、パルミチン
酸、ステアリン酸等の脂肪酸、又は脂肪酸エステル2〜
3モルを加えるか、同モル程度のトリグリセライドを加
え、1,3−位特異性を有するリパーゼでエステル交換を
行い、必要に応じて該反応物からSXS以外の成分を分別
や分子蒸留等で除去することより製造することができ
る。
該エステル交換反応は、1,3−位に選択的に作用する
リパーゼ若しくはリパーゼ製剤を用いる方法であって
も、リパーゼを含有する乾燥菌体を用いる方法(特開昭
60-34189号)であってもよい。又、SXS以外の成分の分
別は、ヘキサン又はアセトンのような有機溶剤を用いて
行う方法、又は乾式分画法が挙げられ、トリグリセライ
ド分子量にかなりの差異があるときは分子蒸留等の方法
が好適に使用できる。尚、本発明に係るファットブルー
ム耐性向上剤を構成するトリグリセライドは、合成法に
よって得ることもできる。
かかるファットブルーム耐性向上剤を使用す場合は、
直接チョコレート組成物中に含有させてもよく、又、ハ
ードバターに含有させて使用してもよい。直接チョコレ
ート原料組成物中に含有させる場合、ファットブルーム
耐性向上剤はチョコレート中の油脂全体に対してSXSが
2.0重量%以上含有するように使用される。2.0重量%よ
り少ないとファットブルーム防止効果は得られるものの
その効果は少なく、又、含有率を高くする程ファットブ
ルーム防止効果は大きくなるものの、あまり高くし過ぎ
るとテンパリング型チョコレート製造の場合は作業に困
難性が出てくる。
前記SXSを含有させることによる耐ファットブルーム
効果が向上する理由は、カカオ脂の主成分である1,3−
飽和−2−オレイン酸型トリグリセライド(SOS)のオ
レイン酸残基Oが、短鎖の飽和脂肪酸残基Xに置換され
たSXSの特殊な分子構造によるものと推定される。即
ち、複雑な結晶多形を呈するSOSトリグリセライド分子
間に、同じ対称型トリグリセライドであるSXSが効果的
に入り込み、β型(V型)結晶生成後の結晶転移速度
を大幅に遅延せしめ、このことが油脂結晶の粗大化を防
ぎ、ファットブルーム防止に役立っていると推定され
る。
本発明者らの行った実験によれば、カカオバター
(a)又はこれに本発明に係るファットブルーム耐性向
上剤を添加して(SXS)を5.0%含有させた油脂(b)に
ついて、これを融解→サンプリング→0℃への急冷→20
℃24時間保存により油脂のβ結晶を生成せしめ、これを
20℃,3.5時間と32℃,3.5時間(昇降温に各30分)の交互
繰り返しを1サイクルとする条件下で、X線回析に現れ
るβ型(VI型結晶)ピーク(3.65Å)のβ型(V型
結晶)ピーク(4.00Å)に対する強度比率及びその相対
比がどのように変化するかを調べたところ第1表の結果
を得た。
尚、本発明が対象とするチョコレート類は、前記に特
定する油分の他に、通常チョコレートを構成する材料で
あるカカオマス、砂糖類、乳製品、乳化剤、香料等を包
含する。又、ハードバターは、所謂テンパリング型のも
のであっても、非テンパリング型のもの、例えば高エラ
イジン型のものであってもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら制限を受けるものではない。
実施例1 PC4P(1,3−ジパルミトイル−2−ブチレイト)から
なるファットブルーム耐性向上剤の合成 (1)1,3−ジパルミチンの合成 1,3−ジヒドロキシアセトン(50mmol)、パルミチン
酸(105mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP,
100mmol)を四塩化炭素(CCl4,1000ml)に溶解し、これ
にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC,105mmol)を
加え室温で2時間撹拌した。析出したジシクロヘキシル
ウレア(DCUrea)を濾去し、濾液を減圧下濃縮した後、
メタノールを加えて冷却放置した。
析出した結晶を濾取し、これにテトラヒドロフラン
(THF,1000ml)、水(10ml)及びNaBH4,(1.5g)を加え
て室温に30分放置した。酢酸(10ml)を添加して反応を
停止させた後、クロロホルム(CHCl3,500ml)を加え、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、
水の順に洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥さ
せた。濾過した後、溶媒を減圧下留去して目的物を得
た。以下に収率及び純度(常法によりキャピラリーガス
クロマトグラフィーで測定)を記す。
収率 80.3%(40.2mmol) 純度 98.7%(モノパルミチン1.3%) (2)PC4Pからなるファットブルーム耐性向上剤の合成 n−酪酸(22mmol)、DMAP(20mmol)、DCC(22mmo
l)及び前記(1)で得られた1,3−ジパルミチン(20mm
ol)をCCl4(500ml)に溶かし、室温で2時間撹拌し
た。難溶性のDCUreaを濾去した後、メタノールを加えて
冷却放置し、析出した結晶を濾取し、乾燥させて目的物
を得た。
収率 95.1%(19.0mmol) 純度 98.9%(PC4C40.8%、ジパルミチン0.3%) 実施例2 PC8P(1,3−ジパルミトイル−2−カプリレイト)か
らなるファットブルーム耐性向上剤の合成 実施例1の(1)で得られた1,3−ジパルミチン(20m
mol)、カプリル酸(22mmol)、DMAP(20mmol)、及びD
CC(22mmol)を用い、実施例1の(2)と同様の操作を
行い目的物を得た。
収率 97.2%(19.4mmol) 純度 98.7%(PC8C81.1%、ジパルミチン0.2%) 実施例3 カカオバター(対照)に対して、実施例1で得られた
ファットブルーム耐性向上剤(c)を2.5%、5.0%10.0
%含有させた油脂(c-1,c-2,c-3)、及び実施例2で得
られたファットブルーム耐性向上剤(d)を使って同様
に調製した油脂(d-1,d-2,d-3)について、X線回析測
定を行った。
測定は、X線回析測定用ガラスセル上にサンプリング
した試料を0℃で30分急冷し、20℃に24時間保存した
後、これを20℃3.5時間と32℃3.5時間(昇降温に各30
分)の交互繰り返しを1サイクルとする周期的な温度変
化を自動制御できるエアーバスを使って、20℃で保持し
ているときに実施した。X線回析に現れるβ型(VI型
結晶)ピーク(3.65Å)とβ型(V型結晶)ピーク
(4.00Å)から結晶の転移度(=3.65Åの強度/4.00Å
の強度)、及びその相対比を求めた。第2表にその結果
を示した。
第2表の結果から明らかなように、実施例1、2で得
られたファットブルーム耐性向上剤は、カカオバターに
対する転移抑制効果を有する。
実施例4 トリカプリリン(1mol)とパルミチン酸(6mol)に、
1,3−位特異性を有するリバーゼを作用させ、エステル
交換油を得、ヘキサンを用いて分別し中融点画分を得
た。この画分のトリグリセライド組成は、PXX(ただ
し、Pはパルミチン酸残基、Xはカプリル酸残基)8.6
%、PXP86.2%、XXX5.2%であった。
尚、トリグリセライド組成の分析法は下記のとおりで
ある。
トリグリセライド組成分析 〈ガスクロマトグラフィー〉 ヒューレットパッカード社製 HP5890 SERIES II 〈キャピラリーカラム〉 J&W Inc.25μm DB-1 〈分析条件〉 Initial Temp. 100[℃] Rate 10[℃/min] Final Temp. 300[℃] Injection Temp. 320[℃] Derector Temp. 320[℃] Carrier gas(N2) 25[Kpa] H2 gas 30[ml/min] Air 400[ml/min] 〈試料〉 濃度 2.5[mg/ml] 注入量 1.0[μl] 実施例5 基質をトリカプリリンからトリラウリンに変えた他
は、実施例4と同様にしてエステル交換し、中融点画分
を得た。この画分の組成は、PXX(ただし、Xはラウリ
ン酸残基)9.6%、PXP83.4%、XXX7.0%であった。
実施例6 脂肪酸をパルミチン酸からステアリン酸に変えた他は
実施例4と同様にしてエステル交換し、中融点画分を得
た。この画分の組成は、StXX(ただしStはステアリン酸
残基、Xはカプリル酸残基)8.7%、StXSt87.0%、XXX
4.3%であった。
実施例7 ヤシ油1部とステアリン酸8部を使用する他は実施例
4と同様にしてエステル交換をし、中融点画分を得た。
この画分の2−位脂肪酸組成及びトリグリセライド組成
は第3表のとおりであった。2−脂肪酸組成は、1,3−
位特異性を有するリパーゼで処理した後、反応物から高
速液体クラマトグラフィーより−2−モノグリを分取
し、キュピラリーガスクロマトグラフィーで分析した。
比較例1 脂肪酸としてラウリン酸(2mol)を使用し、これをト
リパルミチン(1mol)の1,3−位に選択的に導入するリ
パーゼによりエステル交換し、中融点画分を得た。この
画分の組成は、XPX(ただしXはラウリン酸残基)10.1
%、PPX81.2%、PPP9.7%であった。
比較例2 基質をトリカプリリンからトリミリスチンに変えた他
は、実施例4と同様にしてエステル交換し、中融点画分
を得た。この画分の組成は、PXX(ただしXはミリスチ
ン酸残基)11.2%、PXP78.4%、XXX10.4%であった。
実施例8 実施例4〜7で得られたファットブルーム耐性向上剤
を使って、第4表に示すチョコレート配合と添加量によ
ってチョコレート組成物を得、その性能についてテスト
した。同時に向上剤を添加しない場合(対照)及び比較
例1,2を使った場合について上記と同様にチョコレート
組成物を得、同様の性能テストを実施した。
チョコレートの作成方法は通常実施される製造方法に
より、ミキシング、ロールがけ、コンチング、テンパリ
ングをして成型したモールドチョコレートを20℃で10日
間エージングした後、ファットブルーム発生テストを実
施した。
作業時の状況は、チョコレート生地をケトルテンパリ
ングし、デポジットする粘性と10℃、30分間のクーリン
グにおける離型性を観察した。
ファットブルーム発生テストは、エージングしたモー
ルドチョコレートサンプルを20℃3.5時間と32℃3.5時間
(昇降温に各30分)の交互繰り返しを1サイクルとする
条件下の20℃で保持している時のファットブルーム発生
状況を観察した。結果を第5表に示す。
第5表の結果から明らかなように、チョコレート油分
中のSXS含有量が高い程、ファットブルーム耐性向上効
果が高く、SXS含有量の低いNo.では効果が不充分であ
った。又、実施例2(No.〜)と比較例1(No.〜
)の対比では、脂肪酸組成上はほとんど同じであるに
もかかわらず、非対称型トリグリセライドである比較例
1の耐性向上効果は低く、又、No.ではテンパリング
時に粘度上昇を来した。一方、実施例2(No.)では
このような作業上の問題点は全くなかった。更に、SXS
のXをミリスチン酸にした比較例2(No.〜)では
耐性向上効果はなく、テンパリング時の増粘が大きく作
業性も悪かった。
実施例9 第4表に示したチョコレート配合(対照)のカカオバ
ターのかわりに、市販のテンパー型ハードバター(鐘淵
化学工業(株)製造「ベルコ #20」)に実施例6のフ
ァットブルーム耐性向上剤を8重量%含有させたハード
バターを使用し、実施例8と同様にしてチョコレート組
成物を得た。このもののファットブルーム耐性は前記条
件で51サイクルと優れていた。
実施例10 カカオマス(18部)、粉糖(45部)、全脂粉乳(15
部)、及び市販のノーテンパー型ハードバター(鐘淵化
学工業(株)製造「KCF 500M」)に実施例6のファット
ブルーム耐性向上剤を8重量%含有させたハードバター
(22部)を配合してチョコレート組成物を得た。チョコ
レートは、ミキシング、ロールがけ、コンチングをして
成型した後、20℃で10日間エージングして製造した。
このものはファットブルーム耐性に優れていた。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明に係るファットブルーム耐
性向上剤及びそれを配合してなるハードバターは、口融
け性や作業性を損なうことなく、ファットブルームに対
して著しい防止効果を有し、チョコレート類の製造上極
めて有用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−位にC12以下の飽和脂肪酸(X)が結
    合し、1,3−位にC16以上の飽和脂肪酸(S)が結合する
    1,3−ジ(S)−2−モノ(X)型トリグリセライド(S
    XS)からなるファットブルーム耐性向上剤。
  2. 【請求項2】1,3−特異性のリパーゼを用い、エステル
    交換反応によって製造された請求項1記載のトリグリセ
    ライドからなるファットブルーム耐性向上剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載のファットブルーム耐性向上
    剤を3.2重量%以上含有することを特徴とするハードバ
    ター。
  4. 【請求項4】請求項1記載のファットブルーム耐性向上
    剤、又は請求項3記載のハードバターを加えることによ
    り、チョコレートの原料油分中に(SXS)を2.0重量%以
    上含有させることを特徴とするチョコレート類。
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